
萩原工業(株)
東証PRM 7856
決算:10月末日
20250724
CP&X
決算概要
2025年10月期第2四半期決算は、売上高164億円(前年同期比0.2%増)と増収を確保した一方、営業利益8億9,938万円(同30.8%減)、経常利益9億7,389万円(同32.0%減)と減益となった。親会社株主に帰属する中間純利益は12億1,168万円(同23.6%増)であった。営業減益の主な要因は、コンクリート補強繊維であるバルチップの海外鉱山向け販売における安値攻勢による粗利の減少と、基幹システム入れ替え費用約2億円の発生である。
セグメント別または事業別の増減要因
バルチップにおいては、海外鉱山向けで大幅な安値攻勢を受け、安売り方針に応じなかった結果、大きな取引を逃し、これにより、バルチップの売上減少は数量の減少だけでなく生産性の低下も招いた結果、粗利ベースで約3億円の減益要因となった。コスト面では、基幹システムの入れ替え費用が上期だけで約2億円発生し、前期にはなかった費用として減益要因となった。
季節性・一過性要因の有無と影響
今回のバルチップ事業における安値攻勢は、一部の鉱山向け需要で発生したものである。この経験を教訓に、今後は安値攻勢に対して柔軟な価格対応を行うことで、大幅な機会損失を回避する方針である。また、中間純利益に計上された特別利益は、工場建設に伴う8億円の補助金であり、当初の想定通りの金額であり、上振れの見込みはない。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期の業績予想は、売上高340億円(前期比2.7%増)、営業利益24億円(同14.4%増)、経常利益25億円(同14.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益22億3,000万円(同46.9%増)と据え置かれている。上期は利益が落ち込んだものの、下期は基幹システム費用が上期ほど大きくなく、バルチップ事業の対策も進めており、上期の落ち込みを埋め、通期目標達成に向けて努力を継続している状況である。
トピックス
トランプ関税に関しては、2025年9月に北米工場が稼働する予定であり、日本からアメリカへの輸出製品の生産を段階的に現地工場へ移管することで、関税の影響を大幅に緩和する見込みである。
・資料

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
事業内容
萩原工業は、合成樹脂加工製品事業と機械製品事業の2つの事業を柱としている。 合成樹脂加工製品事業では、ブルーシートが主力製品であり、国内で唯一の国産ブルーシートメーカーである。 機械製品事業では、ブルーシート製造機械のほか、プラスチックのリサイクル用機械などを製造・販売している。
創業の経緯と転機
萩原工業は、1892年創業の畳表メーカーである萩原株式会社により、1962年にプラスチック製の糸の製造を目的として設立された。 当時は畳表の縦糸を綿糸からポリエチレン糸に切り替えることが設立の目的であった。 その後、糸を織ったりシート状に加工したりする技術を確立し、ブルーシートの製造を開始した。
直近の決算状況
2024年10月期の決算は、機械製品事業がコロナ禍からの回復基調で、売上・利益ともに上向いている。 一方、合成樹脂加工製品事業は原油価格や人件費の高騰による原材料価格上昇が課題となっている。
特徴と強み
ブルーシート製造の全工程を内製化しており、糸や織物などの中間製品の販売も可能である。 また、機械製品事業で培った技術力により、ブルーシート製造機械の自社開発・改良を行っており、生産性において優位性を持つ。 さらに、使用済みブルーシートのリサイクル技術を開発し、環境対応にも力を入れている。
成長戦略
リサイクル事業を強化し、再生原料を25%以上使用したブルーシートの販売を拡大する。 また、笠岡工場の稼働により、最終加工工程を強化し、付加価値の高い製品の製造を拡大する。
株主還元策
今期が最終年度となる中期経営計画では、配当性向40%、総還元性向70%、最低配当額50円を目標としている。 次期以降については、現在検討中である。
今期の取り組みやトピックス
コンクリート補強繊維の販売戦略の見直しやOEM供給の検討など、収益改善に向けた取り組みを進めている。 また、リサイクル事業の拡大に注力し、BtoBだけでなく一般消費者向けの需要も取り込んでいく方針である。
Q. 貴社のビジネスモデル、事業内容について教えてください。
A. 当社は、合成樹脂加工製品事業と機械製品事業の二つを柱としています。合成樹脂加工製品事業は、元々はポリエチレン製の糸を作るところからスタートし、現在ではブルーシートが最もわかりやすい主力製品となっています。機械製品事業は、元々ブルーシートを作る機械を自社で製造・修理・改良していたことから始まりました。
Q. ブルーシートは、具体的にどのような用途で使われることが多いのですか?
A. 当社のブルーシートは、建設現場、農業分野、災害時など、幅広い用途で使われています。災害時の場合屋根に穴が開いた時などに被せる用途などに使用されます。また、防炎や防音など特殊な機能を持たせた製品もございます。
Q. 自治体との取引も多いのですか?
A. 自治体の備蓄用としての需要も多いです。ただ、自治体との取引には間に問屋さんなどが入りますので、直接取引をしているわけではありません。しかし、最近は自治体と防災に関する協定を結ぶケースも増えてきています。
Q. 貴社のビジネスモデルで他に特徴的な点はありますか?
A. ブルーシートは、糸を作って、それを織り、防水加工を施し、最後に裁断・折り畳みなどの加工を行うという工程を経て製造されますが、これらの工程をすべて弊社内で行っています。そのため、糸だけ、あるいは織物だけを販売することも可能です。例えば、コンクリートに混ぜる補強繊維として、ポリプロピレン製の糸を数センチに切断したものを販売しています。これは、コンクリートに混ぜることでひび割れ防止の効果があります。また、防水加工を施していない織物を袋状に加工した土嚢袋なども販売しています。ブルーシートについても、強度や耐用年数によって様々な種類がありますし、防炎シートや防音シートなど特殊な機能を持たせたシートも製造しています。
Q. 使用済みのブルーシートを回収し、リサイクルする技術開発を進めているそうですが、どのようなものですか?
A.使用済みのブルーシートを回収し、リサイクルして再びブルーシートとして利用する技術開発を進めており、再生原料を25%以上使用したブルーシートで、通常のブルーシートと同等の性能を達成しています。リサイクルは、海外メーカーには難しいようです。海外メーカーは使用済製品の回収が難しい面があります。ですので、リサイクルは海外製品に対する強みの一つと言えるでしょう。これを、自治体や官公庁などに積極的にアピールしていきたいと考えています。
Q. 貴社の総合的な経営方針や創業の経緯について教えてください。
A. 創業の経緯としては、元々、現在の筆頭株主である萩原株式会社という会社がありまして、畳表を作っていました。弊社は岡山県倉敷市に本社がありますが、岡山県南部は干拓地で、塩分が多いため、昔からイグサや綿花が栽培されていました。萩原株式会社は、1892年に創業し、畳表などを製造する家内制手工業を束ねたような商社機能を担っていました。そして、1962年に水島コンビナートができてポリエチレンが近くで生産されるようになったことをきっかけに、プラスチック製の糸を作り始めました。当時は、畳表の縦糸を従来の綿糸からポリエチレン糸に切り替えるために設立された会社だったのです。最初は畳表の縦糸を作るのが本業でしたが、その後、糸を織ったり、シート状に加工したりするようになり、ブルーシートが誕生いたしました。世の中のニーズに合わせて変化してきたと言えるでしょう。
Q. 2024年10月期の決算について、機械製品事業が好調だった要因は何ですか?
A. 好調というよりは、前年の落ち込みから回復したという方が正しいかもしれません。コロナ禍の影響で、半導体を含む機械部品全般のサプライチェーンが混乱し、機械事業部が苦戦していました。それが、サプライチェーンの回復に伴い、部品の供給が安定し、売上・利益ともに上向いてきたという状況です。
Q. 合成樹脂加工製品事業は、引き続き好調という認識でよろしいですか?
A. 合成樹脂加工製品事業は、コロナ禍で原油価格が高騰した影響を受けています。プラスチックは原油から作られますので、コストが大幅に上昇しています。弊社は、製品力が高いため、コスト上昇分を価格に転嫁できるのですが、その結果、価格が高くなりすぎて販売数量が伸び悩んでいます。価格転嫁の浸透により、利益水準は以前よりも高くなっていますが、数量減という課題に直面しています。また、原油価格は落ち着いてきましたが、人件費や輸送費の上昇により、原料価格全体としては上昇傾向にあります。このコスト上昇への対応が、当面の課題となっています。
取材者: それでは、早速取材に移らせていただきたいと思います。まず、貴社のビジネスモデル、事業内容についてお伺いします。合成樹脂加工製品事業と機械製品事業の二つを柱とされていますが、それぞれの事業の特徴と強みを改めてご説明いただけますか。
回答者: 合成樹脂加工製品事業は、元々はポリエチレン製の糸を作るところからスタートし、現在ではブルーシートが最もわかりやすい主力製品となっております。
現在、日本国内で売られているブルーシートの9割以上が輸入品で、国産品は弊社でしか作っていない状況です。 国産品と輸入品では、耐久性や強度など様々な面で大きな差があるのですが、お花見で1回使う程度であれば輸入品でも十分という面もございます。 いずれにしても、ブルーシートは成長分野というわけではございませんので、新たに国内でブルーシートを作ろうという会社は出てこないでしょう。 ですので、国産品という意味では独占状態が続くと思いますが、海外品との価格競争という点では常にプレッシャーを受けております。
取材者: 輸入品は具体的にどの辺りの国が多いのですか。
回答者: 中国と、最近はベトナムが増えてきております。
取材者: 貴社のブルーシートは、お花見以外の目的では具体的にどのような用途で使われることが多いのですか?
回答者: 大きなところでは、建設現場や災害時などですね。 災害時などでは屋根に穴が開いた時などに被せる用途が多いです。 また、特殊な機能を持たせたものでは農業向けなどもございます。
取材者: 災害用となると、自治体との繋がりも深くなってくるのですか?
回答者: 自治体の備蓄用としての需要も多いです。 ただ、自治体との取引には間に問屋さんなどが入りますので、直接取引をしているわけではございません。 しかし、最近は自治体と防災に関する協定を結ぶケースも増えてきております。
取材者: 防災協定とはどのような内容ですか?
回答者: 災害発生時には、優先的にブルーシートを供給するという協定です。 契約上は弊社のシートを使うようには縛っていないのですが、協定を結ぶ際に国産品と輸入品の品質の差を丁寧に説明いたしますので、結果的に弊社のシートを採用していただくケースが多いです。
取材者: 防災協定の締結状況ですが、今期ここまでの進捗はいかがですか。
回答者: 現在のところ累計で25自治体と協定を結んでおります。 直近期では3件増えました。
取材者: 貴社のビジネスモデルで他に特徴的な点はございますか。
回答者: ブルーシートは、糸を作って、それを織り、防水加工を施し、最後に裁断・折り畳みなどの加工を行うという工程を経て製造されますが、これらの工程をすべて弊社内で行っております。 そのため、糸だけ、あるいは織物だけを販売することも可能です。 例えば、コンクリートに混ぜる補強繊維として、ポリエチレン製の糸を数センチに切断したものを販売しております。 これは、コンクリートに混ぜることでひび割れ防止の効果がございます。 また、防水加工を施していない織物を袋状に加工した土嚢袋なども販売しております。 ブルーシートについても、強度や対応年数によって様々な種類がございますし、防炎シートや防音シートなど特殊な機能を持たせたシートも製造しております。
回答者: また、シートと同じような製法で、養生テープの接着剤を塗布する前の基材部分も製造しております。 これは、日本では弊社ともう2社しか作ることができず、国内シェアを3社で分け合っております。
取材者: 製品分類で言うと粘着資材の中の養生テープということになりますか?
回答者: その通りです。
取材者: 機械事業についてはいかがですか。
回答者: 元々、機械事業はブルーシートを作る機械を自社で製造・修理・改良していたことから始まりました。 製造設備を自前で改造できるため、様々な生産ノウハウを蓄積することができ、それが合成樹脂加工製品事業にとっても強みとなっております。 ブルーシートは元々儲かる分野ではないため、新規参入はあまりないと思いますが、仮に参入があったとしても、生産性などの面で我々はアドバンテージがございます。
取材者: 機械事業を持っているからこその強みがあるということですね。
回答者: その通りです。
取材者: 機械製品事業のビジネスモデルについて詳しく教えていただけますか。
回答者: 機械製品事業は、国内に5社ほどのライバル企業があり、いずれも上場企業ではございませんが、ほぼ均等なシェアを分け合っております。 意外なことに、合従連衡はあまり起こりません。 弊社の特徴としては、価格は高めですが、オーダーメイドに近い製品を提供している点です。 競合他社は、どちらかというと標準的な機械を大量生産して安く売るというビジネスモデルです。 一方、弊社はオーダーメイドで一品物を作ることに強みを持っております。 主力製品であるスリッターという、フィルムや紙を切る機械は、新しい素材に対応できるかどうかが重要になります。 弊社は、新しい素材が出てきた際に、おそらく一番最初にスリットできるかどうかのチャレンジを行う企業だと思います。 そして、萩原工業でスリットできるとなれば、他社も追随して標準的な機械を大量に作ってくるという流れです。 そのような形で、競合他社とはある程度すみ分けができております。 また、弊社はブルーシート製造のノウハウを活かして、プラスチックの再生機なども製造・販売しております。 さらに、一部ヨーロッパメーカーからプラスチックのリサイクル用機械を独占的に輸入販売しており、リサイクルブームの中で、販売数量が伸びております。
取材者: 元々、貴社でも使われていたものですか?
回答者: 自社で使うために開発した技術ですが、以前から外部にも販売しております。 今、使用済みのブルーシートを回収し、リサイクルして再びブルーシートとして利用する技術開発を進めており、再生原料を25%以上使用したブルーシートで、通常のブルーシートと同等の性能を達成しております。
取材者: それは、海外メーカーにはできないことなのですか?
回答者: リサイクルは、海外メーカーには難しいようです。 海外製のブルーシートは、コストダウンのために再生原料を使用することが難しい面がございます。 ですので、リサイクルは海外製品に対する強みの一つと言えるでしょう。 これを、自治体や官公庁などに積極的にアピールしていきたいと考えております。
取材者: 貴社の総合的な経営方針や創業の経緯についてお伺いできますか。
回答者: 創業の経緯としては、元々、現在の筆頭株主である萩原株式会社という会社がありまして、畳表を作っていました。 弊社は岡山県倉敷市に本社がございますが、岡山県南部は干拓地で、塩分が多いため、昔からイグサや綿花が栽培されておりました。 萩原株式会社は、1892年に創業し、畳表などを製造する家内制手工業を束ねたような商社機能を担っておりました。 そして、1962年に水島コンビナートができてポリエチレンが近くで生産されるようになったことをきっかけに、プラスチック製の糸を作り始めました。 当時は、畳表の縦糸を従来の綿糸からポリエチレン糸に切り替えるために設立された会社だったのです。 最初は畳表の縦糸を作るのが本業でしたが、その後、糸を織ったり、シート状に加工したりするようになり、ブルーシートが誕生いたしました。
取材者: 素材や用途が変化してきたのですね。
回答者: 世の中のニーズに合わせて変化してきたと言えるでしょう。
取材者: 2024年10月期の決算についてお伺いします。機械製品事業が好調だった要因は何ですか。
回答者: 好調というよりは、前年の落ち込みから回復したという方が正しいかもしれません。 コロナ禍の影響で、半導体を含む機械部品全般のサプライチェーンが混乱し、機械事業部が苦戦しておりました。 それが、サプライチェーンの回復に伴い、部品の供給が安定し、売上・利益ともに上向いてきたという状況です。
取材者: 合成樹脂加工製品事業は、引き続き好調という認識でよろしいですか。
回答者: 合成樹脂加工製品事業は、コロナ禍で原油価格が高騰した影響を受けております。 プラスチックは原油から作られますので、コストが大幅に上昇しております。 弊社は、製品力が高いため、コスト上昇分を価格に転嫁できるのですが、その結果、価格が高くなりすぎて販売数量が伸び悩んでおります。 価格転嫁による利益増加はタイムラグが発生するため、利益水準は以前よりも高くなっておりますが、数量減という課題に直面しております。 また、原油価格は落ち着いてきましたが、人件費や輸送費の上昇により、原料価格全体としては上昇傾向にございます。 このコスト上昇への対応が、当面の課題となっております。
取材者: 貴社の資料の中に、「バルチップの価格競争の影響を受けた伸び悩み」という記述がありましたが、何か解決策や今期から取り組まれている施策はございますか。
回答者: バルチップ、つまりコンクリート補強繊維ですが、用途としてはインフラ向けと鉱山向けに大きく分かれます。 価格競争に巻き込まれたのは、鉱山向けの製品です。 鉱山向けは、品質があまり高くないため、ライバル企業は安価な製品で攻勢をかけてきます。 実は、前期は価格競争に巻き込まれないように、あえて鉱山向けの販売を抑制しておりました。 しかし、その結果、販売数量が減少し、他の製品の生産コストにも影響が出てきました。 そこで、今期は、価格競争の激しい鉱山向け製品の価格を少し下げて、数量を確保するという戦略と、これまで相手にしてこなかったOEM供給を検討しております。
取材者: ブランド力とのバランスが難しいところですね。
回答者: OEM供給であればブランド力は維持できますが、当然、自社ブランド製品も残りますので、場合によっては同じ市場で自社製品とOEM製品が競合する可能性もございます。 その点の戦略を現在検討中です。
取材者: 本格稼働が開始した笠岡工場については、いかがですか。
回答者: 現在、最終加工の工程を強化しているところです。 まだ、償却できるほどの収益は上がっておりません。 最終加工で付加価値をつけていくことが狙いですので、人員の再配置などを行いながら、効率化を進めております。
取材者: 付加価値化とは具体的にどのようなことをするのですか?
回答者: ブルーシートは、ホームセンターなどでただ積んで売られていることが多いのですが、例えば、用途を限定したり、長方形以外の形状にしたり、ポケットをつけたり、印刷を施したりすることで付加価値をつけていきます。 笠岡工場では、そのような加工が可能になります。
取材者: 印刷なども行うということですか?オーダーメイドの要素も強くなるのですか?
回答者: オーダーメイド的な要素も強くなります。 従来の印刷機であれば、版を作って印刷するという方法が一般的でしたが、弊社の場合は、プリンターのような印刷機を導入しており、1枚1枚異なる印刷が可能です。 電子データを取り込めば、簡単にオーダーメイドの印刷ができます。
取材者: かなり大きな印刷機なのですか。
回答者: この分野では日本最大級で、幅5mの印刷が可能です。 実は、幅5mのニーズは今まであまりなかったのですが、我々が導入したことで、新たな需要が生まれる可能性もあると考えております。
取材者: 貴社の株主還元策については、どのような方針をお持ちですか。
回答者: 今期が最終年度となる中期経営計画で、配当性向40%、総還元性向70%、最低配当額50円という目標を掲げており、その達成に向けて取り組んでおります。 次期以降については、現在、次期中期経営計画の中で検討中です。
取材者: 次期中期経営計画がまとまったタイミングで発表されるということですね。
回答者: その通りです。
取材者: 今期は始まったばかりかと思いますが、何か新たに 取り組まれていることや、業績に関するトピックはございますか。
回答者: 業績に関することについては、インサイダー情報に触れてしまいますので、お話できませんが、先ほども少し申し上げましたリサイクルの分野が注目されております。 リサイクルは、機械の売上にも良い影響を与えますし、リサイクルシートは、BtoBだけでなく、一般消費者向けの需要も高まってきております。 リサイクル関係の事業は、これから伸びていくと期待しております。
IR担当

萩原工業(株)
東証PRM 7856
決算:10月末日
CP&X
決算概要
2025年10月期第2四半期決算は、売上高164億円(前年同期比0.2%増)と増収を確保した一方、営業利益8億9,938万円(同30.8%減)、経常利益9億7,389万円(同32.0%減)と減益となった。親会社株主に帰属する中間純利益は12億1,168万円(同23.6%増)であった。営業減益の主な要因は、コンクリート補強繊維であるバルチップの海外鉱山向け販売における安値攻勢による粗利の減少と、基幹システム入れ替え費用約2億円の発生である。
セグメント別または事業別の増減要因
バルチップにおいては、海外鉱山向けで大幅な安値攻勢を受け、安売り方針に応じなかった結果、大きな取引を逃し、これにより、バルチップの売上減少は数量の減少だけでなく生産性の低下も招いた結果、粗利ベースで約3億円の減益要因となった。コスト面では、基幹システムの入れ替え費用が上期だけで約2億円発生し、前期にはなかった費用として減益要因となった。
季節性・一過性要因の有無と影響
今回のバルチップ事業における安値攻勢は、一部の鉱山向け需要で発生したものである。この経験を教訓に、今後は安値攻勢に対して柔軟な価格対応を行うことで、大幅な機会損失を回避する方針である。また、中間純利益に計上された特別利益は、工場建設に伴う8億円の補助金であり、当初の想定通りの金額であり、上振れの見込みはない。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期の業績予想は、売上高340億円(前期比2.7%増)、営業利益24億円(同14.4%増)、経常利益25億円(同14.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益22億3,000万円(同46.9%増)と据え置かれている。上期は利益が落ち込んだものの、下期は基幹システム費用が上期ほど大きくなく、バルチップ事業の対策も進めており、上期の落ち込みを埋め、通期目標達成に向けて努力を継続している状況である。
トピックス
トランプ関税に関しては、2025年9月に北米工場が稼働する予定であり、日本からアメリカへの輸出製品の生産を段階的に現地工場へ移管することで、関税の影響を大幅に緩和する見込みである。
取材アーカイブ
CP&X
事業内容
萩原工業は、合成樹脂加工製品事業と機械製品事業の2つの事業を柱としている。 合成樹脂加工製品事業では、ブルーシートが主力製品であり、国内で唯一の国産ブルーシートメーカーである。 機械製品事業では、ブルーシート製造機械のほか、プラスチックのリサイクル用機械などを製造・販売している。
創業の経緯と転機
萩原工業は、1892年創業の畳表メーカーである萩原株式会社により、1962年にプラスチック製の糸の製造を目的として設立された。 当時は畳表の縦糸を綿糸からポリエチレン糸に切り替えることが設立の目的であった。 その後、糸を織ったりシート状に加工したりする技術を確立し、ブルーシートの製造を開始した。
直近の決算状況
2024年10月期の決算は、機械製品事業がコロナ禍からの回復基調で、売上・利益ともに上向いている。 一方、合成樹脂加工製品事業は原油価格や人件費の高騰による原材料価格上昇が課題となっている。
特徴と強み
ブルーシート製造の全工程を内製化しており、糸や織物などの中間製品の販売も可能である。 また、機械製品事業で培った技術力により、ブルーシート製造機械の自社開発・改良を行っており、生産性において優位性を持つ。 さらに、使用済みブルーシートのリサイクル技術を開発し、環境対応にも力を入れている。
成長戦略
リサイクル事業を強化し、再生原料を25%以上使用したブルーシートの販売を拡大する。 また、笠岡工場の稼働により、最終加工工程を強化し、付加価値の高い製品の製造を拡大する。
株主還元策
今期が最終年度となる中期経営計画では、配当性向40%、総還元性向70%、最低配当額50円を目標としている。 次期以降については、現在検討中である。
今期の取り組みやトピックス
コンクリート補強繊維の販売戦略の見直しやOEM供給の検討など、収益改善に向けた取り組みを進めている。 また、リサイクル事業の拡大に注力し、BtoBだけでなく一般消費者向けの需要も取り込んでいく方針である。
Q. 貴社のビジネスモデル、事業内容について教えてください。
A. 当社は、合成樹脂加工製品事業と機械製品事業の二つを柱としています。合成樹脂加工製品事業は、元々はポリエチレン製の糸を作るところからスタートし、現在ではブルーシートが最もわかりやすい主力製品となっています。機械製品事業は、元々ブルーシートを作る機械を自社で製造・修理・改良していたことから始まりました。
Q. ブルーシートは、具体的にどのような用途で使われることが多いのですか?
A. 当社のブルーシートは、建設現場、農業分野、災害時など、幅広い用途で使われています。災害時の場合屋根に穴が開いた時などに被せる用途などに使用されます。また、防炎や防音など特殊な機能を持たせた製品もございます。
Q. 自治体との取引も多いのですか?
A. 自治体の備蓄用としての需要も多いです。ただ、自治体との取引には間に問屋さんなどが入りますので、直接取引をしているわけではありません。しかし、最近は自治体と防災に関する協定を結ぶケースも増えてきています。
Q. 貴社のビジネスモデルで他に特徴的な点はありますか?
A. ブルーシートは、糸を作って、それを織り、防水加工を施し、最後に裁断・折り畳みなどの加工を行うという工程を経て製造されますが、これらの工程をすべて弊社内で行っています。そのため、糸だけ、あるいは織物だけを販売することも可能です。例えば、コンクリートに混ぜる補強繊維として、ポリプロピレン製の糸を数センチに切断したものを販売しています。これは、コンクリートに混ぜることでひび割れ防止の効果があります。また、防水加工を施していない織物を袋状に加工した土嚢袋なども販売しています。ブルーシートについても、強度や耐用年数によって様々な種類がありますし、防炎シートや防音シートなど特殊な機能を持たせたシートも製造しています。
Q. 使用済みのブルーシートを回収し、リサイクルする技術開発を進めているそうですが、どのようなものですか?
A.使用済みのブルーシートを回収し、リサイクルして再びブルーシートとして利用する技術開発を進めており、再生原料を25%以上使用したブルーシートで、通常のブルーシートと同等の性能を達成しています。リサイクルは、海外メーカーには難しいようです。海外メーカーは使用済製品の回収が難しい面があります。ですので、リサイクルは海外製品に対する強みの一つと言えるでしょう。これを、自治体や官公庁などに積極的にアピールしていきたいと考えています。
Q. 貴社の総合的な経営方針や創業の経緯について教えてください。
A. 創業の経緯としては、元々、現在の筆頭株主である萩原株式会社という会社がありまして、畳表を作っていました。弊社は岡山県倉敷市に本社がありますが、岡山県南部は干拓地で、塩分が多いため、昔からイグサや綿花が栽培されていました。萩原株式会社は、1892年に創業し、畳表などを製造する家内制手工業を束ねたような商社機能を担っていました。そして、1962年に水島コンビナートができてポリエチレンが近くで生産されるようになったことをきっかけに、プラスチック製の糸を作り始めました。当時は、畳表の縦糸を従来の綿糸からポリエチレン糸に切り替えるために設立された会社だったのです。最初は畳表の縦糸を作るのが本業でしたが、その後、糸を織ったり、シート状に加工したりするようになり、ブルーシートが誕生いたしました。世の中のニーズに合わせて変化してきたと言えるでしょう。
Q. 2024年10月期の決算について、機械製品事業が好調だった要因は何ですか?
A. 好調というよりは、前年の落ち込みから回復したという方が正しいかもしれません。コロナ禍の影響で、半導体を含む機械部品全般のサプライチェーンが混乱し、機械事業部が苦戦していました。それが、サプライチェーンの回復に伴い、部品の供給が安定し、売上・利益ともに上向いてきたという状況です。
Q. 合成樹脂加工製品事業は、引き続き好調という認識でよろしいですか?
A. 合成樹脂加工製品事業は、コロナ禍で原油価格が高騰した影響を受けています。プラスチックは原油から作られますので、コストが大幅に上昇しています。弊社は、製品力が高いため、コスト上昇分を価格に転嫁できるのですが、その結果、価格が高くなりすぎて販売数量が伸び悩んでいます。価格転嫁の浸透により、利益水準は以前よりも高くなっていますが、数量減という課題に直面しています。また、原油価格は落ち着いてきましたが、人件費や輸送費の上昇により、原料価格全体としては上昇傾向にあります。このコスト上昇への対応が、当面の課題となっています。
取材者: それでは、早速取材に移らせていただきたいと思います。まず、貴社のビジネスモデル、事業内容についてお伺いします。合成樹脂加工製品事業と機械製品事業の二つを柱とされていますが、それぞれの事業の特徴と強みを改めてご説明いただけますか。
回答者: 合成樹脂加工製品事業は、元々はポリエチレン製の糸を作るところからスタートし、現在ではブルーシートが最もわかりやすい主力製品となっております。
現在、日本国内で売られているブルーシートの9割以上が輸入品で、国産品は弊社でしか作っていない状況です。 国産品と輸入品では、耐久性や強度など様々な面で大きな差があるのですが、お花見で1回使う程度であれば輸入品でも十分という面もございます。 いずれにしても、ブルーシートは成長分野というわけではございませんので、新たに国内でブルーシートを作ろうという会社は出てこないでしょう。 ですので、国産品という意味では独占状態が続くと思いますが、海外品との価格競争という点では常にプレッシャーを受けております。
取材者: 輸入品は具体的にどの辺りの国が多いのですか。
回答者: 中国と、最近はベトナムが増えてきております。
取材者: 貴社のブルーシートは、お花見以外の目的では具体的にどのような用途で使われることが多いのですか?
回答者: 大きなところでは、建設現場や災害時などですね。 災害時などでは屋根に穴が開いた時などに被せる用途が多いです。 また、特殊な機能を持たせたものでは農業向けなどもございます。
取材者: 災害用となると、自治体との繋がりも深くなってくるのですか?
回答者: 自治体の備蓄用としての需要も多いです。 ただ、自治体との取引には間に問屋さんなどが入りますので、直接取引をしているわけではございません。 しかし、最近は自治体と防災に関する協定を結ぶケースも増えてきております。
取材者: 防災協定とはどのような内容ですか?
回答者: 災害発生時には、優先的にブルーシートを供給するという協定です。 契約上は弊社のシートを使うようには縛っていないのですが、協定を結ぶ際に国産品と輸入品の品質の差を丁寧に説明いたしますので、結果的に弊社のシートを採用していただくケースが多いです。
取材者: 防災協定の締結状況ですが、今期ここまでの進捗はいかがですか。
回答者: 現在のところ累計で25自治体と協定を結んでおります。 直近期では3件増えました。
取材者: 貴社のビジネスモデルで他に特徴的な点はございますか。
回答者: ブルーシートは、糸を作って、それを織り、防水加工を施し、最後に裁断・折り畳みなどの加工を行うという工程を経て製造されますが、これらの工程をすべて弊社内で行っております。 そのため、糸だけ、あるいは織物だけを販売することも可能です。 例えば、コンクリートに混ぜる補強繊維として、ポリエチレン製の糸を数センチに切断したものを販売しております。 これは、コンクリートに混ぜることでひび割れ防止の効果がございます。 また、防水加工を施していない織物を袋状に加工した土嚢袋なども販売しております。 ブルーシートについても、強度や対応年数によって様々な種類がございますし、防炎シートや防音シートなど特殊な機能を持たせたシートも製造しております。
回答者: また、シートと同じような製法で、養生テープの接着剤を塗布する前の基材部分も製造しております。 これは、日本では弊社ともう2社しか作ることができず、国内シェアを3社で分け合っております。
取材者: 製品分類で言うと粘着資材の中の養生テープということになりますか?
回答者: その通りです。
取材者: 機械事業についてはいかがですか。
回答者: 元々、機械事業はブルーシートを作る機械を自社で製造・修理・改良していたことから始まりました。 製造設備を自前で改造できるため、様々な生産ノウハウを蓄積することができ、それが合成樹脂加工製品事業にとっても強みとなっております。 ブルーシートは元々儲かる分野ではないため、新規参入はあまりないと思いますが、仮に参入があったとしても、生産性などの面で我々はアドバンテージがございます。
取材者: 機械事業を持っているからこその強みがあるということですね。
回答者: その通りです。
取材者: 機械製品事業のビジネスモデルについて詳しく教えていただけますか。
回答者: 機械製品事業は、国内に5社ほどのライバル企業があり、いずれも上場企業ではございませんが、ほぼ均等なシェアを分け合っております。 意外なことに、合従連衡はあまり起こりません。 弊社の特徴としては、価格は高めですが、オーダーメイドに近い製品を提供している点です。 競合他社は、どちらかというと標準的な機械を大量生産して安く売るというビジネスモデルです。 一方、弊社はオーダーメイドで一品物を作ることに強みを持っております。 主力製品であるスリッターという、フィルムや紙を切る機械は、新しい素材に対応できるかどうかが重要になります。 弊社は、新しい素材が出てきた際に、おそらく一番最初にスリットできるかどうかのチャレンジを行う企業だと思います。 そして、萩原工業でスリットできるとなれば、他社も追随して標準的な機械を大量に作ってくるという流れです。 そのような形で、競合他社とはある程度すみ分けができております。 また、弊社はブルーシート製造のノウハウを活かして、プラスチックの再生機なども製造・販売しております。 さらに、一部ヨーロッパメーカーからプラスチックのリサイクル用機械を独占的に輸入販売しており、リサイクルブームの中で、販売数量が伸びております。
取材者: 元々、貴社でも使われていたものですか?
回答者: 自社で使うために開発した技術ですが、以前から外部にも販売しております。 今、使用済みのブルーシートを回収し、リサイクルして再びブルーシートとして利用する技術開発を進めており、再生原料を25%以上使用したブルーシートで、通常のブルーシートと同等の性能を達成しております。
取材者: それは、海外メーカーにはできないことなのですか?
回答者: リサイクルは、海外メーカーには難しいようです。 海外製のブルーシートは、コストダウンのために再生原料を使用することが難しい面がございます。 ですので、リサイクルは海外製品に対する強みの一つと言えるでしょう。 これを、自治体や官公庁などに積極的にアピールしていきたいと考えております。
取材者: 貴社の総合的な経営方針や創業の経緯についてお伺いできますか。
回答者: 創業の経緯としては、元々、現在の筆頭株主である萩原株式会社という会社がありまして、畳表を作っていました。 弊社は岡山県倉敷市に本社がございますが、岡山県南部は干拓地で、塩分が多いため、昔からイグサや綿花が栽培されておりました。 萩原株式会社は、1892年に創業し、畳表などを製造する家内制手工業を束ねたような商社機能を担っておりました。 そして、1962年に水島コンビナートができてポリエチレンが近くで生産されるようになったことをきっかけに、プラスチック製の糸を作り始めました。 当時は、畳表の縦糸を従来の綿糸からポリエチレン糸に切り替えるために設立された会社だったのです。 最初は畳表の縦糸を作るのが本業でしたが、その後、糸を織ったり、シート状に加工したりするようになり、ブルーシートが誕生いたしました。
取材者: 素材や用途が変化してきたのですね。
回答者: 世の中のニーズに合わせて変化してきたと言えるでしょう。
取材者: 2024年10月期の決算についてお伺いします。機械製品事業が好調だった要因は何ですか。
回答者: 好調というよりは、前年の落ち込みから回復したという方が正しいかもしれません。 コロナ禍の影響で、半導体を含む機械部品全般のサプライチェーンが混乱し、機械事業部が苦戦しておりました。 それが、サプライチェーンの回復に伴い、部品の供給が安定し、売上・利益ともに上向いてきたという状況です。
取材者: 合成樹脂加工製品事業は、引き続き好調という認識でよろしいですか。
回答者: 合成樹脂加工製品事業は、コロナ禍で原油価格が高騰した影響を受けております。 プラスチックは原油から作られますので、コストが大幅に上昇しております。 弊社は、製品力が高いため、コスト上昇分を価格に転嫁できるのですが、その結果、価格が高くなりすぎて販売数量が伸び悩んでおります。 価格転嫁による利益増加はタイムラグが発生するため、利益水準は以前よりも高くなっておりますが、数量減という課題に直面しております。 また、原油価格は落ち着いてきましたが、人件費や輸送費の上昇により、原料価格全体としては上昇傾向にございます。 このコスト上昇への対応が、当面の課題となっております。
取材者: 貴社の資料の中に、「バルチップの価格競争の影響を受けた伸び悩み」という記述がありましたが、何か解決策や今期から取り組まれている施策はございますか。
回答者: バルチップ、つまりコンクリート補強繊維ですが、用途としてはインフラ向けと鉱山向けに大きく分かれます。 価格競争に巻き込まれたのは、鉱山向けの製品です。 鉱山向けは、品質があまり高くないため、ライバル企業は安価な製品で攻勢をかけてきます。 実は、前期は価格競争に巻き込まれないように、あえて鉱山向けの販売を抑制しておりました。 しかし、その結果、販売数量が減少し、他の製品の生産コストにも影響が出てきました。 そこで、今期は、価格競争の激しい鉱山向け製品の価格を少し下げて、数量を確保するという戦略と、これまで相手にしてこなかったOEM供給を検討しております。
取材者: ブランド力とのバランスが難しいところですね。
回答者: OEM供給であればブランド力は維持できますが、当然、自社ブランド製品も残りますので、場合によっては同じ市場で自社製品とOEM製品が競合する可能性もございます。 その点の戦略を現在検討中です。
取材者: 本格稼働が開始した笠岡工場については、いかがですか。
回答者: 現在、最終加工の工程を強化しているところです。 まだ、償却できるほどの収益は上がっておりません。 最終加工で付加価値をつけていくことが狙いですので、人員の再配置などを行いながら、効率化を進めております。
取材者: 付加価値化とは具体的にどのようなことをするのですか?
回答者: ブルーシートは、ホームセンターなどでただ積んで売られていることが多いのですが、例えば、用途を限定したり、長方形以外の形状にしたり、ポケットをつけたり、印刷を施したりすることで付加価値をつけていきます。 笠岡工場では、そのような加工が可能になります。
取材者: 印刷なども行うということですか?オーダーメイドの要素も強くなるのですか?
回答者: オーダーメイド的な要素も強くなります。 従来の印刷機であれば、版を作って印刷するという方法が一般的でしたが、弊社の場合は、プリンターのような印刷機を導入しており、1枚1枚異なる印刷が可能です。 電子データを取り込めば、簡単にオーダーメイドの印刷ができます。
取材者: かなり大きな印刷機なのですか。
回答者: この分野では日本最大級で、幅5mの印刷が可能です。 実は、幅5mのニーズは今まであまりなかったのですが、我々が導入したことで、新たな需要が生まれる可能性もあると考えております。
取材者: 貴社の株主還元策については、どのような方針をお持ちですか。
回答者: 今期が最終年度となる中期経営計画で、配当性向40%、総還元性向70%、最低配当額50円という目標を掲げており、その達成に向けて取り組んでおります。 次期以降については、現在、次期中期経営計画の中で検討中です。
取材者: 次期中期経営計画がまとまったタイミングで発表されるということですね。
回答者: その通りです。
取材者: 今期は始まったばかりかと思いますが、何か新たに 取り組まれていることや、業績に関するトピックはございますか。
回答者: 業績に関することについては、インサイダー情報に触れてしまいますので、お話できませんが、先ほども少し申し上げましたリサイクルの分野が注目されております。 リサイクルは、機械の売上にも良い影響を与えますし、リサイクルシートは、BtoBだけでなく、一般消費者向けの需要も高まってきております。 リサイクル関係の事業は、これから伸びていくと期待しております。
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