20241119
Q:貴社のビジネスモデルについてお伺いいたします。包装材の印刷加工プロセス、つまり印刷加工やラミネート加工工場での加工を含め、商品を入れる前の作業を全て貴社で行っているという認識で正しいでしょうか?
A:貴社のご認識の通りではございません。主には印刷を担っております。主な商品は、スーパーなどで刺身やお肉などが乗っているようなカラーの食品トレーでございます。そのトレーへの印刷が当社のメイン事業でございます。お客様で上場会社様を例に挙げますと、エフピコ様という会社がございます。エフピコ様のトレーに当社で色を塗り、エフピコ様に納め、トレーとして市場に出回るという流れでございます。従って、当社では印刷の加工、中間加工という形になります。
Q:貴社には5つほど用途別区分があると思いますが、それぞれの用途別区分の特徴や強みなどを含めてご説明いただけますか?
A:用途別区分についてご説明いたします。食品用途とは、先ほど申し上げたようなトレーの印刷や、一般の包装材でございます。食品関連では、マーガリンなどのカートンや、ヨーグルト容器の蓋材への印刷など、そういった関係のものを扱っております。こちらは、500g入りのヨーグルト容器などの蓋に使用されるような厚手の素材でございます。この厚みのものに印刷ができる会社というのは日本でも数社しかなく、ニッチな分野ではトップシェアでございます。 現在注力しているのは、リコー様と共同で立ち上げた「ラベルレスサーマルトップシール」という素材でございます。従来、コンビニエンスストアで購入するサラダの蓋は嵌合タイプが主流でしたが、近年はシールタイプが主流になってまいりました。この素材の需要拡大を見込み、今後注力してまいります。これら二つは比較的オリジナル性の高いもので、食品トレーの印刷等含めて、高いシェアを有しております。 直接の競合というのはあまりございませんが、食品関係で近いところでは上場会社様で言うと、大成ラミック様、段ボールを製造しているレンゴー様の子会社で朋和産業様、フジシール様でございますが、それぞれ得意分野がございますので棲み分けができているというような状況でございます。
Q:先ほど伺った厚手のヨーグルトの蓋の部分と、トップシールに印刷する技術は全く別物のように思えるのですが、どちらも高い技術が要求されるのを貴社では可能にされているということでしょうか?
A:技術というより、設備による部分が大きいのでございます。それを可能にする設備をお持ちの会社が少ないというところが一つございます。同時に技術やノウハウも重要でございます。加えて、素材によって使用するインキが特殊なこともあり、機械の適性が合っているかなどの設備とノウハウの面で特徴があるとご理解いただけたらと存じます。
Q:IT工業材関連の増収要因について詳しくご説明お願いできますでしょうか?
A:スマートフォン向けのフィルムが大きく躍進いたしました。それが一番の要因でございます。年間の仕事量を「10」とすると、それを前倒しして上半期に「7」、下期に「3」という割合で仕事が偏っている状況でございます。上半期に仕事、売上と利益が偏っております。
Q:それは想定通りでしょうか?機種の場合、上半期に集中することは想定していますでしょうか?
A:ここまでは想定しておりませんでした。上半期が多いのは例年の傾向ではございますが、ここまで偏るとは思っていませんでした。
Q:どういった外的要因が考えられますか?
A:最終のお客様とお話ができていないので憶測にすぎませんが、夏に発売された今年のモデルはAI対応機種というところで力を入れて作られた結果、前倒しで部材も調達されたのではないかと考えております。あとは売り上げも期待されていたと存じますが、実際それほど良くないと聞いております。今後のことはわかりかねますが、そういった要因があると推測いたします。
Q:中期経営計画の施策の中に、今後海外での売上比率を10%以上に持っていきたいという記載があったと存じますが、アメリカでの販路拡大について何か具体的な取り組みや策などがあれば教えていただけますでしょうか?
A:あまり表には出していませんが、リコー様と合弁会社を立ち上げました。リコー様の販売力を使いながら、当社の商材を展開していただいております。今までは自動車の内装材を中国やベトナムから持って行って販売していた分に加えて、食品の包材などもリコー様のルートに乗せて販売強化を図っていきたいと考えております。
Q:今後も積極的にM&Aなどを進めていくということですが、どのようなところをターゲットにされているのでしょうか?
A:主に食品分野で同じような仕事をしているところでございます。単に印刷だけを生業としているのではなく、例えば上流でフィルムを製造、下流で印刷した後、袋にする機能があるなど、コーティングの方式も各社違いがあるので、当社が持っていない設備や技術を有する会社であればなお良いと考えております。あとは、生活雑貨で同じような仕事をしているところがあればシナジーが出せるのではないかと考えております。
Q:創業の経緯と創業者の想い等について教えていただけますでしょうか?
A:元々は紙の販売業として創業いたしました。台湾の地で身に着けた紙の販売や印刷のノウハウを活かし、戦後日本に帰国して創業いたしました。紙の販売を契機に事業を進める中で、乳業メーカーのクローバー乳業(現在の雪印メグミルク様)との取引が始まったことが転機となり、紙の加工、そして印刷という分野に発展してまいりました。丁稚奉公から蓄積した知見と、今後伸びていく分野の大事なお客様との接点が生まれて発展してきたという歴史がございます。印刷の仕事からカラートレーの印刷を業界で初めて手掛け、本格的な発展を遂げていくまでには、苦労されてきました。そこから学んだことは、事業を進めていくには「人」が大事ということで「事業は人なり」という社是を掲げて、「人」を育てて社会に還元するということを基本に事業をしてきました。会社の発展途上においては、任せられる社員には会社を作って任せて経営者感覚を磨かせ、他の会社の子弟であれば教育してお返しするなど、競争させて経営者感覚を身につけてもらいました。人の教育、経営者の育成に力を入れてきたことが現在の礎になっていると存じます。判断もそれなりにできる人材が上場までにある程度育っていたというところが事業の発展につながってきたと考えております。
Q:カラートレーを業界で初めてやられているということでしょうか?
A:エフピコ様も同様の見解を示されていますが、エフピコ様のトレーに当社が印刷を載せているところが肝要であり、トレーの印刷は当時当社しかできなかったからでございます。ポリスチレンという素材に印刷できるインキがそれまでなかったものですから、ここは当社が最初に手掛けたという自負がございます。
取材者: 貴社のビジネスモデルについてお伺いします。包装材の印刷加工プロセス、つまり印刷加工やラミネート加工工場での加工を含め、商品を入れる前の作業を全て貴社で行っているという認識でよろしいでしょうか?
回答者: そうではなく、主には印刷になります。主な商品は食品トレー、スーパーなどで刺身やお肉などが乗っているようなカラーのトレーです。そのトレーへの印刷が当社のメイン事業です。お客様で上場会社様を例に挙げますと、エフピコ様という会社があります。エフピコ様のトレーに当社で色を塗り、エフピコ様に納め、トレーとして市場に出回るという流れです。ですから、当社で行っているのは印刷の加工、中間加工という形になります。
取材者: 貴社には5つほど用途別区分があると思いますが、それぞれの用途別区分の特徴や強みなどを含めてご説明いただけますでしょうか?
回答者: 用途の部分ということですね。食品用途というのは、先ほど申し上げたようなトレーの印刷や、あとは一般の包装材です。食品関連ではマーガリンなどのカートンや、ヨーグルト容器の蓋材への印刷など、そういった関係のものを扱っております。こちらは少し厚手の素材で、例えば500g入りのヨーグルトなどを想定していただければと思います。あの厚みのものに印刷ができる会社というのは日本でも数社しかなく、ニッチな分野ではトップシェアです。それで今、力を入れているのがリコー様と共同で立ち上げた「ラベルレスサーマルトップシール」という素材です。これまでコンビニで購入するサラダは、嵌合タイプの蓋だったと思いますが、近年シールタイプのものが主流になってきました。その素材に今後注力して行きます。この二つは比較的オリジナル性の高いもので、食品トレーの印刷等含めて、そういった分野で高いシェアを持っています。
ですので、あまり取組む会社が少ないので直接の競合というのはありませんが、食品関係で近いところでは上場会社様で言うと、大成ラミック様、段ボールを製造しているレンゴー様の子会社で朋和産業様、フジシール様ですが、それぞれ得意分野がありますので棲み分けができているというような状況です。
取材者: 先ほど伺った厚手のヨーグルトの蓋の部分と、トップシールに印刷する技術は全く別物のように思えるのですが、どちらも高い技術が要求されるのを貴社では可能にされているという認識でよろしいでしょうか?
回答者: 技術というより、設備による方が大きいです。それを可能にする設備をお持ちの会社が少ないというところが一つあるのと同時に技術やノウハウも重要です。あとは素材によって使用するインキが特殊なこともあり機械の適性が合っているかなどの設備とノウハウの面で特徴があるとご理解いただけたらと思います。
取材者: 承知しました。ありがとうございます。
回答者: 続いてIT工業材の分野に関しましては、これもプラスチックのフィルムの表面に、色の代わりに機能性を付加するというようなイメージです。例えば粘着加工や、剥離加工などを中心にコーティング加工事業を推進しています。後程ご説明する用途になりますが、医療医薬関連では湿布薬の剥がして捨てるフィルムが剥離加工というコーティング加工事業です。
例えば部材の保護フィルムで保護しておいて、使用後に剥がして捨てるフィルムを製造しています。量的に多いのは電子部品や半導体を製造する際の製造工程に使用するようなフィルムです。
取材者: 製造工程に使うフィルムですね。
回答者: そうです。半導体で言うと、ダイシングテープというものを製造過程の中で使用しますが、その保護に使う剥離用のテープを製造しています。
取材者: 例えばスマートフォンの保護フィルムのようなものとは全く別物と考えてよろしいでしょうか?
回答者: 市場で皆さんが使われるようなタッチパネルの保護フィルムではなく、例えば製造工程でプラスチックを型で打ち抜くときに、本体に傷が入らないようにかぶせておくフィルムは一部あります。
取材者: ありがとうございます。
回答者: 生活資材関連に関しては、当社の子会社のアールが、布団圧縮袋と言いまして、布団を圧縮袋に入れて掃除機で吸引したら薄くなるものです。それを元々販売し始めた会社で、この会社アールをM&Aで一緒にさせていただくことになりました。それから力を入れている分野が生活資材関連です。
布団圧縮袋を中心に、例えば生活の中で家事を楽にするためのキッチングッズ・日用品に力を入れています。その他、窓に貼って断熱性を持たせて、冬の寒さを遮断するような断熱シートなどのエコ商品などを中心にホームセンターや100円ショップなどに卸しています。その他、自社ECサイトで直接販売しています。
布団圧縮袋などは日本国内で大きなシェアを持っていますし、ヒット商品も生まれてくるようになってきたので、伸びつつある分野に育ってきました。
取材者: ありがとうございます。
回答者: 続いて建材関連です。例えば木目などの意匠印刷を手掛けています。建具の表面に意匠を印刷したフィルムを貼って、見た目を良く見せるための化粧を施すような印刷フィルムを手掛けています。近年、数は少なくなりましたが、レオパレス様の住宅の建具に当社の印刷物が使われていました。
最近では、水周りで使われる特殊な表面加工をした部材を当社で行っています。洗剤や汚れなどに耐えられるような表面加工をするコーティングです。建材関連は住宅着工件数に左右されますので、リフォームでは堅実な需要があるものの、やはり新築の件数が増加しないと、市場的にはなかなか売上が伸びてこない。それでも新しい加工や商材を取り込むことで、ここを伸ばしたいと考えています。
取材者: 特にコーティング剤を製造しているのですか?
回答者: コーティング剤は製造していません。お客様から支給された材料を均一に塗布するというところが当社の技術です。
最後は医療医薬関連ですが、これは先ほどお話しました湿布薬の貼付材の剥離加工をしています。これが一番分野としては大きいところです。
現在は病院で使用する点滴を紫外線などから守るために、点滴薬の外装カバーが順調に採用されており、医薬医療関連では前述したものを中心に展開していきます。
取材者: そうしますと、基本的に食品と建材関連の部分が印刷的な加工で、IT工業材と医療医薬はコーティング的な加工ということでしょうか?
回答者: そうですね。大きくイメージしていただくとそういう形になります。
取材者: 生活資材はどのように考えればよろしいでしょうか?
回答者: 海外を中心とした協力工場で製造しているものの、株式会社アールがアイデアを出して、その仕様書に従って協力工場に作っていただいたものを販売するという形です。ここだけちょっと異色です。
取材者: M&Aの株式会社アールですが、そこで提案や開発ができる理由などは何でしょうか?
回答者: 業界経験者の方にご入社いただいていること、市場や顧客との関係性の強い営業担当者がいることで、実際にアイデアを出したものが市場に並ぶという力はついてきたと思います。
取材者: 生活資材について、その他の事業との繋がりやシナジー的なものはございますか?
回答者: 現在は中国の自社工場で圧縮袋を生産しており、自社のリソースを使っているという意味では相乗効果はあると思います。
取材者: 今期の足元の業績の要因、特に営業利益の増収増益要因として、新規の販売活動の部分がプラスに寄与していたかと思うのですけども、具体的な取り組みはございますか?
回答者: 外販の値上げに関する価格転嫁が進んだということがあります。価格転嫁が追いついてきたのが利益増加の要因です。
取材者: 生産性の改善施策としては、山梨の工場が正常に稼働しているというのは大きな部分になるのでしょうか?
回答者: おっしゃる部分もありますし、設備の改善ほか、インキの使用量を削減する、生産速度を上げるなどして工夫を重ねています。
取材者: 山梨の工場で今までと異なる機械を導入したという説明だったと思うのですが、今までとどのように違って、生産はどのように改善されたのでしょうか?
回答者: 業界に影響が出るので具体的には言えませんが、トップシールに変わることを前提に機械設備を徐々に置き換えています。
取材者: シールだと、本体の形がどんなものでも蓋ができるということでしょうか?
回答者: シールをする余白部分が必要ですが、その部分が平滑であれば、ある程度どんなものでもできます。
取材者: 蓋をするよりも、いろんな形でパックを作れるようなイメージですか?
回答者: そうですね。シールだと、剥がれない強度さえあれば対応はできると思います。
取材者: IT工業材関連の増収要因について詳しくご説明お願いできますでしょうか?
回答者: 先ほど申し上げましたスマートフォン向けのフィルムが大きく躍進しました。それが一番の要因です。年間で「10」の仕事があるとすると、それを前倒しして上半期に「7」、下期に「3」ということです。上半期に仕事、売上と利益が偏っています。
取材者: それは想定通りでしょうか?機種の場合、上半期に集中することは想定していますでしょうか?
回答者: ここまでは想定してなかったですね。上半期が多いのは例年の傾向ではありますが、ここまで偏るとは思っていませんでした。
取材者: どういった外的要因が考えられますか?
回答者: 最終のお客様とお話ができていないので憶測にすぎませんが、夏に発売された今年のモデルはAI対応機種というところで力を入れて作られた結果、前倒しで部材も調達されたのではないかなと思っています。あとは売り上げも期待されていたと思いますが、実際それほど良くないと聞いています。今後のことはわかりませんが、そういった要因があると推測しています。
取材者: 中期経営計画の施策の中に、今後海外での売上比率を10%以上に持っていきたいという記載があったと思うのですけども、アメリカでの販路拡大について何か具体的な取り組みや施策などがあれば教えていただけますでしょうか?
回答者: あまり表には出していませんが、リコー様と合弁会社を立ち上げました。リコー様の販売力を使いながら、当社の商材を展開していただいています。今までは自動車の内装材を中国やベトナムから持って行って販売していた分に加えて、食品の包材などもリコー様のルートに乗せて販売強化を図っていきたいと考えています。
取材者: 今後も積極的にM&Aなどを進めていくということですが、どのようなところをターゲットにされているのでしょうか?
回答者: 主に食品分野で同じような仕事をしているところで、単に印刷だけを生業としているのではなく、例えば上流でフィルムを製造、下流で印刷した後、袋にする機能があるなど、コーティングの方式も各社違いがあるので、当社が持ってない設備や技術を有する会社であればなお良いと考えています。あとは、生活雑貨で同じような仕事をしているところがあればシナジーが出せるのではないかと考えています。
取材者: ありがとうございます。最後に、貴社の沿革といいますか、創業の経緯と創業者の想いについてわかる範囲で教えていただければと思うのですけども、いかがでしょうか?
回答者: 元々は紙の販売業として創業しました。台湾の地で身に着けた紙の販売や印刷のノウハウを活かし、戦後日本に帰国して創業しました。紙の販売を契機に事業を進める中で、乳業メーカーのクローバー乳業(現在の雪印メグミルク様)との取引が始まったことが転機となり、紙の加工、そして印刷という分野に発展してきました。丁稚奉公から蓄積した知見と、今後伸びていく分野の大事なお客様との接点が生まれて発展してきたという歴史があります。
印刷の仕事からカラートレーの印刷を業界で初めて手掛け、本格的な発展を遂げていくまでには、苦労されてきました。そこから学んだことは、事業を進めていくには「人」が大事ということで「事業は人なり」という社是を掲げて、「人」を育てて社会に還元するということを基本に事業をしてきました。会社の発展途上においては、任せられる社員には会社を作って任せて経営者感覚を磨かせ、他の会社の子弟であれば教育してお返しするなど、競争させて経営者感覚を身につけてもらいました。人の教育、経営者の育成に力を入れてきたことが現在の礎になっていると思います。判断もそれなりにできる人材が上場までにある程度育っていたというところが事業の発展につながってきたと考えています。
取材者: カラートレーを業界で初めてやられているのですね?
回答者: エフピコ様も同じことを言いますが、エフピコ様のトレーに当社が印刷を載せているところが肝で、トレーの印刷は当時当社しかできなかったからです。ポリスチレンという素材に印刷できるインキがそれまでなかったものですから、ここは当社が最初に手掛けたという自負があります。
20241119 CP&X
ビジネスモデルや事業内容
中本パックスは、祖業を洋紙販売・印刷会社としてスタートした。現在は主に食品トレーやヨーグルト容器の蓋、ラベルレスサーマルトップシールといった食品包装材の印刷加工を主力事業とする。その他、IT工業材関連としてスマートフォン部品固定用フィルムや電子部品のパッケージ素材、自動車内装材、生活資材関連として布団圧縮袋等の包装材・工業材の印刷加工・コーティング加工も手掛ける。
創業の経緯と転機となった出来事
戦後、台湾で培った紙の販売や印刷のノウハウを活かし、創業。当初は紙の販売業だったが、雪印メグミルクの前身であるクローバー乳業との取引をきっかけに、紙の加工、そして印刷へと事業を展開。さらに、業界で初めてカラートレーの印刷を手掛けたことが、本格的な発展へとつながった。
直近の決算状況
足元の業績は、価格転嫁の進展や生産性改善により増収増益を達成。特にスマートフォン部品固定用フィルムの販売が好調だった一方、その売上は上半期に偏っている。
特徴や強み
当社のビジネスの強みは「4つの技術(グラビア印刷・コーティング加工・ラミネート加工・素材開発)」により多様な用途へ展開しながら、全天候型経営を推進している。用途別に食品関連として食品トレーのような容器成型加工が主流であり、IT工業材関連は、スマートフォン部品固定用フィルム、電子部品のパッケージ素材や車の内装材、生活資材関連では布団圧縮袋などの包装材・工業材の印刷加工・コーティング加工を展開している。高い技術力と特殊な設備を活かしたニッチ分野が強み。
成長戦略
今後は、海外売上比率の拡大を目標に掲げ、M&Aによるシナジー創出や人材育成にも力を入れていく方針である。
人材育成
「事業は人なり」という社是のもと、人材育成に注力。社員に会社を任せて経営者感覚を養う、あるいは他社の子弟を預かり教育を施した上で返すなど、独自の育成方法で人材育成に取り組んでいる。
IR担当
・資料
ー

中本パックス(株)
東証STD 7811
決算:2月末日
Q:貴社のビジネスモデルについてお伺いいたします。包装材の印刷加工プロセス、つまり印刷加工やラミネート加工工場での加工を含め、商品を入れる前の作業を全て貴社で行っているという認識で正しいでしょうか?
A:貴社のご認識の通りではございません。主には印刷を担っております。主な商品は、スーパーなどで刺身やお肉などが乗っているようなカラーの食品トレーでございます。そのトレーへの印刷が当社のメイン事業でございます。お客様で上場会社様を例に挙げますと、エフピコ様という会社がございます。エフピコ様のトレーに当社で色を塗り、エフピコ様に納め、トレーとして市場に出回るという流れでございます。従って、当社では印刷の加工、中間加工という形になります。
Q:貴社には5つほど用途別区分があると思いますが、それぞれの用途別区分の特徴や強みなどを含めてご説明いただけますか?
A:用途別区分についてご説明いたします。食品用途とは、先ほど申し上げたようなトレーの印刷や、一般の包装材でございます。食品関連では、マーガリンなどのカートンや、ヨーグルト容器の蓋材への印刷など、そういった関係のものを扱っております。こちらは、500g入りのヨーグルト容器などの蓋に使用されるような厚手の素材でございます。この厚みのものに印刷ができる会社というのは日本でも数社しかなく、ニッチな分野ではトップシェアでございます。 現在注力しているのは、リコー様と共同で立ち上げた「ラベルレスサーマルトップシール」という素材でございます。従来、コンビニエンスストアで購入するサラダの蓋は嵌合タイプが主流でしたが、近年はシールタイプが主流になってまいりました。この素材の需要拡大を見込み、今後注力してまいります。これら二つは比較的オリジナル性の高いもので、食品トレーの印刷等含めて、高いシェアを有しております。 直接の競合というのはあまりございませんが、食品関係で近いところでは上場会社様で言うと、大成ラミック様、段ボールを製造しているレンゴー様の子会社で朋和産業様、フジシール様でございますが、それぞれ得意分野がございますので棲み分けができているというような状況でございます。
Q:先ほど伺った厚手のヨーグルトの蓋の部分と、トップシールに印刷する技術は全く別物のように思えるのですが、どちらも高い技術が要求されるのを貴社では可能にされているということでしょうか?
A:技術というより、設備による部分が大きいのでございます。それを可能にする設備をお持ちの会社が少ないというところが一つございます。同時に技術やノウハウも重要でございます。加えて、素材によって使用するインキが特殊なこともあり、機械の適性が合っているかなどの設備とノウハウの面で特徴があるとご理解いただけたらと存じます。
Q:IT工業材関連の増収要因について詳しくご説明お願いできますでしょうか?
A:スマートフォン向けのフィルムが大きく躍進いたしました。それが一番の要因でございます。年間の仕事量を「10」とすると、それを前倒しして上半期に「7」、下期に「3」という割合で仕事が偏っている状況でございます。上半期に仕事、売上と利益が偏っております。
Q:それは想定通りでしょうか?機種の場合、上半期に集中することは想定していますでしょうか?
A:ここまでは想定しておりませんでした。上半期が多いのは例年の傾向ではございますが、ここまで偏るとは思っていませんでした。
Q:どういった外的要因が考えられますか?
A:最終のお客様とお話ができていないので憶測にすぎませんが、夏に発売された今年のモデルはAI対応機種というところで力を入れて作られた結果、前倒しで部材も調達されたのではないかと考えております。あとは売り上げも期待されていたと存じますが、実際それほど良くないと聞いております。今後のことはわかりかねますが、そういった要因があると推測いたします。
Q:中期経営計画の施策の中に、今後海外での売上比率を10%以上に持っていきたいという記載があったと存じますが、アメリカでの販路拡大について何か具体的な取り組みや策などがあれば教えていただけますでしょうか?
A:あまり表には出していませんが、リコー様と合弁会社を立ち上げました。リコー様の販売力を使いながら、当社の商材を展開していただいております。今までは自動車の内装材を中国やベトナムから持って行って販売していた分に加えて、食品の包材などもリコー様のルートに乗せて販売強化を図っていきたいと考えております。
Q:今後も積極的にM&Aなどを進めていくということですが、どのようなところをターゲットにされているのでしょうか?
A:主に食品分野で同じような仕事をしているところでございます。単に印刷だけを生業としているのではなく、例えば上流でフィルムを製造、下流で印刷した後、袋にする機能があるなど、コーティングの方式も各社違いがあるので、当社が持っていない設備や技術を有する会社であればなお良いと考えております。あとは、生活雑貨で同じような仕事をしているところがあればシナジーが出せるのではないかと考えております。
Q:創業の経緯と創業者の想い等について教えていただけますでしょうか?
A:元々は紙の販売業として創業いたしました。台湾の地で身に着けた紙の販売や印刷のノウハウを活かし、戦後日本に帰国して創業いたしました。紙の販売を契機に事業を進める中で、乳業メーカーのクローバー乳業(現在の雪印メグミルク様)との取引が始まったことが転機となり、紙の加工、そして印刷という分野に発展してまいりました。丁稚奉公から蓄積した知見と、今後伸びていく分野の大事なお客様との接点が生まれて発展してきたという歴史がございます。印刷の仕事からカラートレーの印刷を業界で初めて手掛け、本格的な発展を遂げていくまでには、苦労されてきました。そこから学んだことは、事業を進めていくには「人」が大事ということで「事業は人なり」という社是を掲げて、「人」を育てて社会に還元するということを基本に事業をしてきました。会社の発展途上においては、任せられる社員には会社を作って任せて経営者感覚を磨かせ、他の会社の子弟であれば教育してお返しするなど、競争させて経営者感覚を身につけてもらいました。人の教育、経営者の育成に力を入れてきたことが現在の礎になっていると存じます。判断もそれなりにできる人材が上場までにある程度育っていたというところが事業の発展につながってきたと考えております。
Q:カラートレーを業界で初めてやられているということでしょうか?
A:エフピコ様も同様の見解を示されていますが、エフピコ様のトレーに当社が印刷を載せているところが肝要であり、トレーの印刷は当時当社しかできなかったからでございます。ポリスチレンという素材に印刷できるインキがそれまでなかったものですから、ここは当社が最初に手掛けたという自負がございます。
取材者: 貴社のビジネスモデルについてお伺いします。包装材の印刷加工プロセス、つまり印刷加工やラミネート加工工場での加工を含め、商品を入れる前の作業を全て貴社で行っているという認識でよろしいでしょうか?
回答者: そうではなく、主には印刷になります。主な商品は食品トレー、スーパーなどで刺身やお肉などが乗っているようなカラーのトレーです。そのトレーへの印刷が当社のメイン事業です。お客様で上場会社様を例に挙げますと、エフピコ様という会社があります。エフピコ様のトレーに当社で色を塗り、エフピコ様に納め、トレーとして市場に出回るという流れです。ですから、当社で行っているのは印刷の加工、中間加工という形になります。
取材者: 貴社には5つほど用途別区分があると思いますが、それぞれの用途別区分の特徴や強みなどを含めてご説明いただけますでしょうか?
回答者: 用途の部分ということですね。食品用途というのは、先ほど申し上げたようなトレーの印刷や、あとは一般の包装材です。食品関連ではマーガリンなどのカートンや、ヨーグルト容器の蓋材への印刷など、そういった関係のものを扱っております。こちらは少し厚手の素材で、例えば500g入りのヨーグルトなどを想定していただければと思います。あの厚みのものに印刷ができる会社というのは日本でも数社しかなく、ニッチな分野ではトップシェアです。それで今、力を入れているのがリコー様と共同で立ち上げた「ラベルレスサーマルトップシール」という素材です。これまでコンビニで購入するサラダは、嵌合タイプの蓋だったと思いますが、近年シールタイプのものが主流になってきました。その素材に今後注力して行きます。この二つは比較的オリジナル性の高いもので、食品トレーの印刷等含めて、そういった分野で高いシェアを持っています。
ですので、あまり取組む会社が少ないので直接の競合というのはありませんが、食品関係で近いところでは上場会社様で言うと、大成ラミック様、段ボールを製造しているレンゴー様の子会社で朋和産業様、フジシール様ですが、それぞれ得意分野がありますので棲み分けができているというような状況です。
取材者: 先ほど伺った厚手のヨーグルトの蓋の部分と、トップシールに印刷する技術は全く別物のように思えるのですが、どちらも高い技術が要求されるのを貴社では可能にされているという認識でよろしいでしょうか?
回答者: 技術というより、設備による方が大きいです。それを可能にする設備をお持ちの会社が少ないというところが一つあるのと同時に技術やノウハウも重要です。あとは素材によって使用するインキが特殊なこともあり機械の適性が合っているかなどの設備とノウハウの面で特徴があるとご理解いただけたらと思います。
取材者: 承知しました。ありがとうございます。
回答者: 続いてIT工業材の分野に関しましては、これもプラスチックのフィルムの表面に、色の代わりに機能性を付加するというようなイメージです。例えば粘着加工や、剥離加工などを中心にコーティング加工事業を推進しています。後程ご説明する用途になりますが、医療医薬関連では湿布薬の剥がして捨てるフィルムが剥離加工というコーティング加工事業です。
例えば部材の保護フィルムで保護しておいて、使用後に剥がして捨てるフィルムを製造しています。量的に多いのは電子部品や半導体を製造する際の製造工程に使用するようなフィルムです。
取材者: 製造工程に使うフィルムですね。
回答者: そうです。半導体で言うと、ダイシングテープというものを製造過程の中で使用しますが、その保護に使う剥離用のテープを製造しています。
取材者: 例えばスマートフォンの保護フィルムのようなものとは全く別物と考えてよろしいでしょうか?
回答者: 市場で皆さんが使われるようなタッチパネルの保護フィルムではなく、例えば製造工程でプラスチックを型で打ち抜くときに、本体に傷が入らないようにかぶせておくフィルムは一部あります。
取材者: ありがとうございます。
回答者: 生活資材関連に関しては、当社の子会社のアールが、布団圧縮袋と言いまして、布団を圧縮袋に入れて掃除機で吸引したら薄くなるものです。それを元々販売し始めた会社で、この会社アールをM&Aで一緒にさせていただくことになりました。それから力を入れている分野が生活資材関連です。
布団圧縮袋を中心に、例えば生活の中で家事を楽にするためのキッチングッズ・日用品に力を入れています。その他、窓に貼って断熱性を持たせて、冬の寒さを遮断するような断熱シートなどのエコ商品などを中心にホームセンターや100円ショップなどに卸しています。その他、自社ECサイトで直接販売しています。
布団圧縮袋などは日本国内で大きなシェアを持っていますし、ヒット商品も生まれてくるようになってきたので、伸びつつある分野に育ってきました。
取材者: ありがとうございます。
回答者: 続いて建材関連です。例えば木目などの意匠印刷を手掛けています。建具の表面に意匠を印刷したフィルムを貼って、見た目を良く見せるための化粧を施すような印刷フィルムを手掛けています。近年、数は少なくなりましたが、レオパレス様の住宅の建具に当社の印刷物が使われていました。
最近では、水周りで使われる特殊な表面加工をした部材を当社で行っています。洗剤や汚れなどに耐えられるような表面加工をするコーティングです。建材関連は住宅着工件数に左右されますので、リフォームでは堅実な需要があるものの、やはり新築の件数が増加しないと、市場的にはなかなか売上が伸びてこない。それでも新しい加工や商材を取り込むことで、ここを伸ばしたいと考えています。
取材者: 特にコーティング剤を製造しているのですか?
回答者: コーティング剤は製造していません。お客様から支給された材料を均一に塗布するというところが当社の技術です。
最後は医療医薬関連ですが、これは先ほどお話しました湿布薬の貼付材の剥離加工をしています。これが一番分野としては大きいところです。
現在は病院で使用する点滴を紫外線などから守るために、点滴薬の外装カバーが順調に採用されており、医薬医療関連では前述したものを中心に展開していきます。
取材者: そうしますと、基本的に食品と建材関連の部分が印刷的な加工で、IT工業材と医療医薬はコーティング的な加工ということでしょうか?
回答者: そうですね。大きくイメージしていただくとそういう形になります。
取材者: 生活資材はどのように考えればよろしいでしょうか?
回答者: 海外を中心とした協力工場で製造しているものの、株式会社アールがアイデアを出して、その仕様書に従って協力工場に作っていただいたものを販売するという形です。ここだけちょっと異色です。
取材者: M&Aの株式会社アールですが、そこで提案や開発ができる理由などは何でしょうか?
回答者: 業界経験者の方にご入社いただいていること、市場や顧客との関係性の強い営業担当者がいることで、実際にアイデアを出したものが市場に並ぶという力はついてきたと思います。
取材者: 生活資材について、その他の事業との繋がりやシナジー的なものはございますか?
回答者: 現在は中国の自社工場で圧縮袋を生産しており、自社のリソースを使っているという意味では相乗効果はあると思います。
取材者: 今期の足元の業績の要因、特に営業利益の増収増益要因として、新規の販売活動の部分がプラスに寄与していたかと思うのですけども、具体的な取り組みはございますか?
回答者: 外販の値上げに関する価格転嫁が進んだということがあります。価格転嫁が追いついてきたのが利益増加の要因です。
取材者: 生産性の改善施策としては、山梨の工場が正常に稼働しているというのは大きな部分になるのでしょうか?
回答者: おっしゃる部分もありますし、設備の改善ほか、インキの使用量を削減する、生産速度を上げるなどして工夫を重ねています。
取材者: 山梨の工場で今までと異なる機械を導入したという説明だったと思うのですが、今までとどのように違って、生産はどのように改善されたのでしょうか?
回答者: 業界に影響が出るので具体的には言えませんが、トップシールに変わることを前提に機械設備を徐々に置き換えています。
取材者: シールだと、本体の形がどんなものでも蓋ができるということでしょうか?
回答者: シールをする余白部分が必要ですが、その部分が平滑であれば、ある程度どんなものでもできます。
取材者: 蓋をするよりも、いろんな形でパックを作れるようなイメージですか?
回答者: そうですね。シールだと、剥がれない強度さえあれば対応はできると思います。
取材者: IT工業材関連の増収要因について詳しくご説明お願いできますでしょうか?
回答者: 先ほど申し上げましたスマートフォン向けのフィルムが大きく躍進しました。それが一番の要因です。年間で「10」の仕事があるとすると、それを前倒しして上半期に「7」、下期に「3」ということです。上半期に仕事、売上と利益が偏っています。
取材者: それは想定通りでしょうか?機種の場合、上半期に集中することは想定していますでしょうか?
回答者: ここまでは想定してなかったですね。上半期が多いのは例年の傾向ではありますが、ここまで偏るとは思っていませんでした。
取材者: どういった外的要因が考えられますか?
回答者: 最終のお客様とお話ができていないので憶測にすぎませんが、夏に発売された今年のモデルはAI対応機種というところで力を入れて作られた結果、前倒しで部材も調達されたのではないかなと思っています。あとは売り上げも期待されていたと思いますが、実際それほど良くないと聞いています。今後のことはわかりませんが、そういった要因があると推測しています。
取材者: 中期経営計画の施策の中に、今後海外での売上比率を10%以上に持っていきたいという記載があったと思うのですけども、アメリカでの販路拡大について何か具体的な取り組みや施策などがあれば教えていただけますでしょうか?
回答者: あまり表には出していませんが、リコー様と合弁会社を立ち上げました。リコー様の販売力を使いながら、当社の商材を展開していただいています。今までは自動車の内装材を中国やベトナムから持って行って販売していた分に加えて、食品の包材などもリコー様のルートに乗せて販売強化を図っていきたいと考えています。
取材者: 今後も積極的にM&Aなどを進めていくということですが、どのようなところをターゲットにされているのでしょうか?
回答者: 主に食品分野で同じような仕事をしているところで、単に印刷だけを生業としているのではなく、例えば上流でフィルムを製造、下流で印刷した後、袋にする機能があるなど、コーティングの方式も各社違いがあるので、当社が持ってない設備や技術を有する会社であればなお良いと考えています。あとは、生活雑貨で同じような仕事をしているところがあればシナジーが出せるのではないかと考えています。
取材者: ありがとうございます。最後に、貴社の沿革といいますか、創業の経緯と創業者の想いについてわかる範囲で教えていただければと思うのですけども、いかがでしょうか?
回答者: 元々は紙の販売業として創業しました。台湾の地で身に着けた紙の販売や印刷のノウハウを活かし、戦後日本に帰国して創業しました。紙の販売を契機に事業を進める中で、乳業メーカーのクローバー乳業(現在の雪印メグミルク様)との取引が始まったことが転機となり、紙の加工、そして印刷という分野に発展してきました。丁稚奉公から蓄積した知見と、今後伸びていく分野の大事なお客様との接点が生まれて発展してきたという歴史があります。
印刷の仕事からカラートレーの印刷を業界で初めて手掛け、本格的な発展を遂げていくまでには、苦労されてきました。そこから学んだことは、事業を進めていくには「人」が大事ということで「事業は人なり」という社是を掲げて、「人」を育てて社会に還元するということを基本に事業をしてきました。会社の発展途上においては、任せられる社員には会社を作って任せて経営者感覚を磨かせ、他の会社の子弟であれば教育してお返しするなど、競争させて経営者感覚を身につけてもらいました。人の教育、経営者の育成に力を入れてきたことが現在の礎になっていると思います。判断もそれなりにできる人材が上場までにある程度育っていたというところが事業の発展につながってきたと考えています。
取材者: カラートレーを業界で初めてやられているのですね?
回答者: エフピコ様も同じことを言いますが、エフピコ様のトレーに当社が印刷を載せているところが肝で、トレーの印刷は当時当社しかできなかったからです。ポリスチレンという素材に印刷できるインキがそれまでなかったものですから、ここは当社が最初に手掛けたという自負があります。
20241119 CP&X
ビジネスモデルや事業内容
中本パックスは、祖業を洋紙販売・印刷会社としてスタートした。現在は主に食品トレーやヨーグルト容器の蓋、ラベルレスサーマルトップシールといった食品包装材の印刷加工を主力事業とする。その他、IT工業材関連としてスマートフォン部品固定用フィルムや電子部品のパッケージ素材、自動車内装材、生活資材関連として布団圧縮袋等の包装材・工業材の印刷加工・コーティング加工も手掛ける。
創業の経緯と転機となった出来事
戦後、台湾で培った紙の販売や印刷のノウハウを活かし、創業。当初は紙の販売業だったが、雪印メグミルクの前身であるクローバー乳業との取引をきっかけに、紙の加工、そして印刷へと事業を展開。さらに、業界で初めてカラートレーの印刷を手掛けたことが、本格的な発展へとつながった。
直近の決算状況
足元の業績は、価格転嫁の進展や生産性改善により増収増益を達成。特にスマートフォン部品固定用フィルムの販売が好調だった一方、その売上は上半期に偏っている。
特徴や強み
当社のビジネスの強みは「4つの技術(グラビア印刷・コーティング加工・ラミネート加工・素材開発)」により多様な用途へ展開しながら、全天候型経営を推進している。用途別に食品関連として食品トレーのような容器成型加工が主流であり、IT工業材関連は、スマートフォン部品固定用フィルム、電子部品のパッケージ素材や車の内装材、生活資材関連では布団圧縮袋などの包装材・工業材の印刷加工・コーティング加工を展開している。高い技術力と特殊な設備を活かしたニッチ分野が強み。
成長戦略
今後は、海外売上比率の拡大を目標に掲げ、M&Aによるシナジー創出や人材育成にも力を入れていく方針である。
人材育成
「事業は人なり」という社是のもと、人材育成に注力。社員に会社を任せて経営者感覚を養う、あるいは他社の子弟を預かり教育を施した上で返すなど、独自の育成方法で人材育成に取り組んでいる。
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