
コンドーテック(株)
東証PRM 7438
決算:3月末日
20250828
決算概要
2026年3月期第1四半期の業績は、売上高が201億7,000万円で前年同期比5.4%増と増収となった一方、営業利益は9億400万円で前年同期比0.9%減、経常利益は9億6,300万円で前年同期比0.6%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億100万円で前年同期比3.4%減と減益となった。減益の主因は、売上総利益率の低下に加え、人件費及び賃借料の増加等による販売費及び一般管理費の増加などを増収効果で吸収しきれなかったことである。
セグメント別または事業別の増減要因
主要セグメントである産業資材ではしばらく続いていた価格変動も落ち着いたことにより販売価格が上昇した結果、増収増益となった。鉄構資材では、ローカルの中小規模案件の需要が低調に推移したことにより競合他社との価格競争が激化し売上総利益率が低下、加えて、人件費を中心に販売費及び一般管理費が増加したことが、減益の主要因である。
主要KPIの進捗と変化
2026年3月期第1四半期の新規販売先の開拓件数は1,281件で前年同期比6.7%増となった。既存事業にとらわれず営業担当者1人当たり、月平均1社の新規販売先の開拓を目標とした取り組みが功を奏した。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年3月期第1四半期の売上高及び営業利益の通期計画に対する進捗率はそれぞれ、23.7%、19.7%であるが、同社では季節性により上期よりも下期にウェイトが高くなる傾向にあり、過去5年平均の第1四半期の四半期別構成比はそれぞれ、23.5%、19.9%である。このように進捗率は過去5年平均と遜色がない数値であり順調に推移していることが見受けられる。
トピックス
同社は、成長が見込まれる分野への事業領域の拡大に積極的に取り組んでおり、2024年10月に北海道の足場工事会社である上田建設を子会社化し、北海道の活況な建設需要を取り込んでいる。株主還元はDOE4%を目標とし、2025年3月期には3.3%に到達。中期経営計画は設備投資などの成果達成の遅れによる営業利益目標の達成遅延により、全体を1年後ろ倒しする見直しを行った。2026年3月期第1四半期の進捗は過去平均の進捗率からみても順調である。

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
決算概要
2025年3月期の業績は、売上高が791億7,500万円で前期比3.0%増と増収を達成した一方、営業利益は44億6,500万円で前期比4.4%減、経常利益は46億7,900万円で前期比4.0%減と減益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は32億7,200万円で前期比0.2%増と微増であった。予算比では売上、営業利益共に予算を下回った。減益の主因は、建築需要が想定ほど出なかったことにあり、特にローカルの中小規模案件のボリュームが不足したことである。
セグメント別または事業別の増減要因
鉄構資材において、大手資本による半導体工場や物流センターなどの大型物件は稼働が増加したものの、全国展開する同社にとって業績に大きく影響するローカルの中小規模案件の需要が当初の思惑よりも低調に推移したことが、減益の主要因である。同社が指標とする推定鉄骨需要量も、期初予想の年間400万トンを下回って着地した。
通期見通しと進捗率・達成可能性
足元の状況として、2025年3月期の流れを継承すれば、ある程度の売上高プラスは達成できる見込みである。原価については売上高に準じて利益を確保できると見込んでいるが、人件費や物流コストは2026年3月期も上昇すると予想されており、この点が若干厳しめに評価されている。
トピックス
当社は、地域展開と物流体制の強化を成長戦略の核としている。2024年4月に北海道、2025年4月には北陸に営業所を開設し、地域カバレッジを拡大。M&Aでは、2024年10月に北海道の足場工事会社である上田建設を子会社化し、北海道の活況な建設需要を取り込んでいる。また、首都圏に大規模物流センターを借り上げ、災害復旧資材の在庫を強化し、物流課題への対応とサービス競争力向上を図る。株主還元はDOE4%を目標とし、2025年3月期には3.3%に到達。中期経営計画は営業利益目標の達成遅延により、全体を1年後ろ倒しする見直しを行った。2026年3月期からは洋上風力発電をターゲットとした「環境エネルギーグループ」を立ち上げ、新たな事業の柱の育成を目指している。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社の成長戦略は、主に売上高のトップライン拡大と物流体制の強化に重点を置いております。まず、地域展開においては、2024年4月に北海道に営業所を開設し、さらに2025年4月には北陸にも営業所を新設いたしました。これにより、これまで手薄であった地域における顧客基盤の拡大を図ってまいります。M&A戦略としては、2024年10月に北海道の足場工事会社である上田建設を子会社化いたしました。これらの新規事業所の開設やM&Aによるシナジー効果が、今後の売上成長に寄与すると見込んでおります。
また、物流体制の強化も重要な戦略的施策の一つです。特に東京の首都圏に大規模な物流センターを新たに借り上げ、在庫の補充能力と供給体制を大幅に強化いたしました。これは、2024年問題に代表される物流課題への対応に加え、逆説的に当社のサービス競争力を高める機会と捉えております。首都圏近郊における需要の大きさを踏まえ、これまで埼玉からのトラック輸送に頼っていた東京首都圏の物流を、この新倉庫を活用することで迅速かつ効率的に行えるようになります。特に、当社の主力商材である災害復旧用のブルーシートや土のう袋など、緊急性の高い商材を大量に在庫として保有することで、昨今の豪雨災害などにも迅速に対応できる体制を構築しており、これが当社の強みとして売上拡大に貢献すると考えております。
Q:M&A、業務提携の実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aに関しては、引き続き人材育成が難しい、あるいはノウハウを保有していないものの今後事業を拡大したい分野に焦点を絞り、常に2~3件を検討している状況で進めております。特に足場工事事業においては、足場グループ全体の4社合計の売上高で現在100億円に迫る規模に達しており、足場工事事業単独で100億円規模となる企業は国内に数社しかない現状において、この規模感は極めて重要であると認識しております。この規模は安全性のアピールにも繋がるため、今後も引き続き強化していく方針です。ただし、無闇にM&Aを実施するのではなく、例えば上田建設様との提携では、元々北海道における足場業者が少なかったため、当初から進出ターゲットとしていた地域でした。これに加えて、現在ラピダス関連の半導体工場建設など、北海道における建設需要が非常に活況を呈していることから、まさに最適なタイミングで同社を買収できたと考えております。上田建設様は初年度から経費を差し引いてもほぼ収益がトントンとなる水準を確保しており、2026年3月期以降はさらに利益が上乗せされる見込みです。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画に関して、当社は昨年に発表した計画を修正いたしました。具体的には、営業利益以下の目標達成時期が当初の計画より1年遅れる見込みとなったため、中期経営計画全体を1年後ろ倒しして、3期分をそのままスライドさせる形で見直しております。これは、当初の見通しが一部甘かった点を踏まえた判断となります。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主還元については、最終的にDOE(株主資本配当率)を4%まで引き上げる計画を掲げており、2025年3月期の実績では3.3%程度まで到達いたしました。過去には2.5%を目標としておりましたが、約2年前に4%へ目標を引き上げております。NISA制度などの状況も踏まえ、個人株主が大幅に増加しているため、今後も増配は継続したいと考えております。
取材者:まず初めに、2025年3月期の業績についてお伺いいたします。売上高791億7,500万円、前期比3.0%増、営業利益44億6,500万円、前期比4.4%の減少、経常利益46億7,900万円、前期比4.0%の減少、親会社株主に帰属する当期純利益32億7,200万円、前期比0.2%の増加と、軒並み前期と同水準の業績推移かと存じます。こちらについて増減要因をご説明いただけますか。
回答者:基本的には2025年3月期の予算比でいくと、営業利益はかなり下回っております。前年比では若干のマイナスに収まりましたが、基本的に建築需要自体が当初想定していたほど出ていないのが現状です。他の物件、例えば半導体工場や物流センターなど、大手資本による大型物件はそれなりに稼働しており、新設も増えております。しかし、当社は全国展開しておりますので、ローカルの中小規模の仕事のボリュームが業績に大きく影響いたします。その辺りの案件が当初の思惑よりも出てきていなかったという状況です。当社が指標としている推定鉄骨需要量も、期初には年間400万トンと予想されておりましたが、終わってみると10%程度下振れておりました。要因としては、大きくは資材の高騰が挙げられます。人件費も上がっておりますが、メインは資材の高騰で、過去と比較すると130%から150%程度上昇しております。以前10億円でできていたものが13億円から15億円かかるようになってきたため、中小資本の企業は投資に後ろ向きになり、中止や延期となるケースが多いです。
大型物件にも参入しておりますが、ゼネコンの働き方が変化し、従来1年で完成していた建物が1.3年程度の期間を要するようになっております。これは残業をしない、土日働かないという働き方が定着したため仕方がないのですが、その結果、1つの現場に納める資材の次の需要が出てくるまでの期間が長くなっております。その点も業績にはマイナス要因となりました。
取材者:左様でございますか。1件1件の案件が長期化しているということですね。
回答者:その二つの影響は、主にセグメントでいうと産業資材と鉄構資材に出ております。逆に電設資材と足場工事に関しては、需要を取り込めたため、前年よりもかなり伸びました。本体以外のセグメントが収益を上げた形ですが、本体のメインである建築関連が伸び悩んだという状況です。人件費の高騰もあり、人件費を上げたり、運賃荷造り費も130%程度の伸びになっております。新しく物流センターを借りたり、老朽化した建物の建て替えをしたりしたことによる減価償却も若干負担になっているなど、経費はそれなりに増えております。その分の経費を利益で吸収できなかったため、営業利益が若干マイナスになったという状況です。
取材者:セグメント別に見ると、電設資材の売上高は前年比で12.1%増加、足場工事売上高は7.7%増加と、その他セグメントは好調かと拝察いたしますが、こちらに対して、需要をうまく取り込めた要因はどのような部分でございますか。
回答者:全体的に建築工事自体は低調ですが、特に電設資材では、例えば蛍光灯が2027年までに生産中止となるため全てLEDに変わっていきます。全国展開しているドラッグストアなどの大手チェーン店のLED化といった物件が今増えており、そういった需要を取り込めたことが要因です。また、約1年前には電線が入手困難というニュースがありましたが、その辺りのものが市場に流通するようになったため、過去に受注できていなかった分が受注できるようになったということもございます。基本的に当社のような資材供給側からすると、ゼネコンも工事がないわけではなく、電気工事店や配線工事店といったサブコンはむしろ忙しい状況にあるため、全体的な環境は良かったといえます。足場も同様で、新築物件自体はそれほど増えておりませんが、やはり老朽化したマンションの改修工事や橋の架け替えといった、いわゆるメンテナンス事業が増加傾向にございますので、その需要を十分に取り込めたと考えております。特にマンションの定期改修工事が非常に多かったのが好調の要因です。
取材者:今おっしゃっていただいたような需要の伸びは、今期に限った一時的なものですか。それとも今後数年間、そういったトレンドが続いていくと見てよろしいですか。
回答者:電設資材や足場に関しては、ある程度長いスパンでこのようなトレンドは続いていくと思います。
取材者:経費のお話もございましたが、人の採用については前期と比較してどのような推移ですか。
回答者:肌感覚としては難しくなってきていると感じています。おかげさまで昨年も新入社員は20名目標で19名採用でき、それなりの採用はできておりますが、難しさは増しております。例えば、中途キャリア採用で、ある程度のポジションの人材を採用しようとしても、なかなか適任者がいないといった状況です。採用環境自体は難しくなってきていると思います。
取材者:何か主要なKPIがございましたら教えていただけますか。
回答者:その辺りは過去から変えておらず、基本的にはROE10%を目標にしております。
取材者:ROEはどのくらいでしたか。
回答者:2025年3月期は実績で9.3%です。
取材者:順調に推移していると見てよろしいですか。
回答者:はい、そうです。あとは資材の高騰がありましたので、その価格転嫁の遅れている部分をどれだけ取り戻せるかが課題です。
取材者:やはり建設資材の価格上昇は今後も続いてしまうものでしょうか。
回答者:2、3年前から続いてきたような120%から150%といった値上がり方はないと思いますが、おそらく下がる要因はまずないので、徐々に上昇していくと思います。
取材者:それでは、2026年3月期の業績についてお伺いいたします。2026年3月期の業績予想として、売上高が850億円(前期比7.4%増加)、営業利益が46億円(同3.0%増加)、経常利益が48億円(同2.6%増加)、当期純利益が33億5,000万円(同2.4%増加)と、増収増益を見込まれておりますが、こちらについて見通しをお伺いできますか。
回答者:市場自体はさほど大きく好転するという見方はしておりませんが、通常の部分で売上高のトップラインを伸ばしていくという点では、昨年(2025年3月期)に北海道に事業所を北海道営業所という形で出店いたしました。2025年の4月には北陸に北陸営業所を出店いたしました。M&Aでは、2024年の10月に同じく北海道の足場工事会社である上田建設を子会社に加えました。これらの効果が今後出てくるということが一つの要因です。また、特に東京の首都圏に大きな物流センターを1ヶ所借り、在庫の補充力と体制を強化しております。これは2024年問題で物流が問題になったこともあり、逆にその部分を逆手にとって、今まで以上に物量と物流の面でサービスを強化できると考えております。やはり仕事ができるのはどちらにしても首都圏近郊が多いため、物流体制を強化する形で今動いているところです。その辺りで売上を伸ばせるかと考えており、現状の足元に関しては、2025年3月期の流れを継承していけば、ある程度のプラスになると考えております。
原価に関しては、売上に準じてそれなりの利益は確保できると思いますが、人件費であったり、物流コストであったりというところは、おそらく2026年3月期もそれなりに上昇すると思いますので、その部分に関しては若干厳しめに見積もっております。ただ、前期に発表した中期経営計画からすると、営業利益以下は1年遅れで、当初の見方が若干甘かった部分もあるため、1年ずらして中期経営計画をそのまま3期後ろに持っていったという計画に今回見直しました。
取材者:左様でございますか。その東京の倉庫は東京本社の南砂の近くに借りたりしているのですか。
回答者:東京は今、南砂という町です。隣の駅の南砂町に賃借で入居しておりますが、6階建ての物流倉庫の5階ワンフロアを借りる形です。今までの東京支店は基本的に物流機能がほとんどなく、あまりにも周囲に学校などができた環境でしたので、東京首都圏の物流は埼玉からトラックを回して運ぶ状況でした。しかし、やはり首都圏近郊の需要は多く、物量を持っていないとだめだということで、特に当社の主力商材である災害復旧時にすぐに間に合わせる必要のあるブルーシートであったり、土のう袋であったりというものを大量に持っていることが強みでもありますので、昨今の豪雨災害などを踏まえ、在庫も強化している状況です。
取材者:左様でございますか。実は私の地元があの辺りで、南砂町であったり隣の江戸川区なのですが、その辺りの物流拠点がかなり増えていると拝察しておりました。
回答者:ほとんど空きがなく、当社も2年待ちくらいでようやく借りられました。
取材者:貴社のアクセスとしては確かに都市には出やすい場所でございますものね。あとは上田建設のお話もあったかと存じますが、今後M&Aや業務提携に関して実施のご予定、または検討状況がございましたら、答えられる範囲で教えていただけますか 。
回答者:M&Aに関しては、引き続き、自分たちで人材育成が難しい、あるいはノウハウを持っていないけれどもこれから伸ばしていきたい分野にターゲットを絞り、お話があればということで常に2、3件を検討している状況で動いております。足場工事に関しては、足場グループ全体の4社合計で現在100億円に迫る規模になりました。足場工事事業単独で100億円規模となる会社は実際にはもう日本で数社しかございませんので、この規模感はやはり重要だと考えております。ある程度の規模感が安全性などのアピールにもなってきますので、引き続き強化していこうと考えております。ただし、無闇に行うのではなく、上田建設さんの場合は北海道で元々足場業者が少なかったので、最初から進出ターゲットとして狙っていた地域でした。そこに加えて、今ラピダスの関係で半導体工場など、北海道は非常に建設需要が賑わっておりますので、ちょうど良いタイミングでその企業を買収できたと考えております。初年度から経費を差し引いてもほぼトントンになるくらいの利益を出してくれておりますので、2026年3月期以降は全て利益として残る見込みです。
取材者:株主還元の方針につきまして、変更などございましたら教えていただけますか。
回答者:基本的には最終的にDOEを4%まで持っていく計画で、2025年3月期の実績で3.3%程度まで来ております。過去には2.5%を目標にしておりましたが、2年ほど前に4%に目標を引き上げております。個人株主がNISAなどの状況も踏まえて非常に増えてきておりますので、日経の連続増配銘柄などで取り上げていただいたこともございますので、増配に関しては今後も継続していこうと考えております 。
取材者:それでは最後に、何か足元の状況につきましてトピックスやニュースリリースがございましたら教えていただけますか。
回答者:2026年3月期の取り組みといたしましては、環境エネルギーの分野で新たな動きがございます。これはまだ事業化はしておらず、これから実績を求めていく段階ですが、国の方針として再生可能エネルギー、特に洋上風力発電に力を入れているため、当社も洋上風力発電をターゲットとした部署として環境エネルギーグループというセクションをこの4月に立ち上げました。まだ手探りの状況で、すぐに業績に結びつくかは分かりませんが、その辺りを新しい事業として、1つの柱になればと考えて進めているところです。
取材者:北陸に出店したというのは、まさに復興需要を狙ってのことですか。
回答者:これから出てくる需要に応じてという形です。現在、北陸には金沢に産業資材の営業店として金沢営業所がありましたが、今回出店したのは、鉄構資材の分野の営業店で、北陸営業所として開設いたしました。これにより、当社としても産業資材と鉄構資材の両分野を北陸でカバーできるようになったので、その辺りで伸ばしていけたらと考えているのが最近の狙いです。
取材者:2026年3月期といいますか、そういった新しい部分に関しても、業績につきましてはかなり注目して見させていただきます。
回答者:そうですね。なかなかすぐに結果が出るかどうかわかりませんが、事業化して動かすことで担当者の意識も変わってくると思います。単なる市場調査に終わらないよう、1グループ事業として立ち上げる形にいたしました。
専務取締役 管理本部長 矢田裕之様
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企業名
上場市場 証券コード
決算日
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
コンドーテックは、建築土木をはじめとするインフラに様々な資材を供給する産業資材部門と、鉄骨加工業者向けの鉄構資材部門を展開している。 また、子会社を通じて電設資材と足場工事の事業も行い、4つのセグメントで事業を展開している。 産業資材部門では、全国約30の事業所と在庫を持つ倉庫を活かした迅速なデリバリー体制を構築しており、顧客の多様なニーズに対応している。 鉄構資材部門では、建築用ターンバックルブレースやアンカーボルトなどの主要商材で業界トップクラスのシェアを誇り、価格競争力を強みとしている。
創業の経緯と転機となった出来事
コンドーテックは約70年前、大阪で海運関係の機材を扱う会社として創業した。 その後、事業を拡大する中で建築土木分野へ進出し、近年ではM&Aにより電設資材や足場工事の会社をグループ化することでシナジー効果を創出している。
直近の決算状況
今期第2四半期の決算は、電設資材部門が好調であった。 これは、蛍光灯からLED照明への切り替え工事や猛暑によるエアコンの売り上げ増加によるものである。 一方で、売上高は全体として想定を下回っており、下期に向けて大型物件向けの営業強化やスポット案件の獲得を図る方針である。
特徴や強み
コンドーテックの特徴は、全国に展開する事業所と在庫を持つ倉庫を併設した体制により、顧客のニーズに合わせた商品を迅速に供給できる点である。 また、約6,000社の仕入れ先とのネットワークを活かした多様な商品調達も強みとなっている。
成長戦略
国内市場においては、営業体制の強化や商品ラインナップの拡充を図りシェア拡大を目指す。 また、海外市場への展開も加速させ、ASEAN市場を中心に、中国企業では供給できないような独自の商材を開発することで競争力を確保していく方針である。
株主還元策
DOE4%を目標に、累進配当を継続していく方針である。
今期の取り組みやトピックス
4月に北海道に鉄構資材部門の事業所を新設し、10月にはM&Aにより北海道の足場工事会社をグループ化した。
Q:事業内容、ビジネスモデル、特徴、強みについてご説明ください。
A:コンドーテックは、大きく二つに分けて事業を展開しています。一つは、建築土木に限らずあらゆるインフラに商社的に物を供給する産業資材部門です。もう一つは、建物の骨組みである鉄骨部分を加工する業者をターゲットに絞り込んだ鉄構資材部門です。子会社を含めると、電設資材と足場工事の二つが加わり、全部で四つのセグメントで事業を展開しています。 産業資材部門の特徴は、第一に全国に約30の事業所を展開し、地場に根付いて商品を供給できる体制を構築していることです。事業所は全て在庫を持った倉庫を併設しており、相互に連携することで短納期でのデリバリーを実現しています。 また、商社としての機能も強く、顧客から要求されるものを市場で調達して納品することをメインとしています。そのため、ビジネスのフィールドが非常に広く、多様なニーズに対応することができます。 鉄構資材部門では、建築用ターンバックルブレースやアンカーボルトといった主要商材において、業界トップクラスのシェアを誇っています。そのため、スケールメリットを生かした価格競争力により顧客に貢献しています。
Q:仕入れ先についてご教示ください。
A:仕入れ先は国内外合わせて約6,000社あり、顧客の要望に応えられるものを調達したり、作ったりすることができます。それぞれの事業所に売れ筋の商品を在庫しておくことで、災害時などにも迅速に対応することができます。
Q:豪雨災害が多い地域では、それに対応した商品を多く在庫しているのでしょうか?
A:はい。季節変動に合わせて在庫を調整しています。例えば、台風シーズンには土嚢袋やブルーシートなどを通常よりも多く在庫しています。 競合他社の中には、物流センターを全国に数ヶ所置いて商売をしている企業もありますが、どうしても輸送に時間がかかってしまうというデメリットがあります。その点、当社は各事業所が在庫を持っているため、迅速なデリバリーが可能です。
Q:創業の経緯についてご教示ください。
A:当社は、約70年前に大阪で創業しました。当時は、海運が盛んな地域であったため、船に使う機材などを取り扱うことからスタートしました。その後、事業を拡大するにつれて、陸上の建築の方にも商材を移行していきました。 子会社のうち、電設資材と足場工事の会社は、直近10年ほどの間にM&Aでグループ化した会社です。M&Aを行った背景には、建物の新築・改修時に必要な電設資材や、建物のメンテナンスに必要な足場工事などをグループ内で提供することで、シナジー効果を生み出す狙いがありました。
Q:今期第2四半期の決算状況について、電設資材が好調なのは、リニューアル案件やメンテナンス需要が好調なことが要因でしょうか?
A:はい、リニューアル案件やメンテナンス需要が好調なことが要因です。特に、蛍光灯からLED照明への切り替え工事や、猛暑によるエアコンの売り上げ増加が好調な要因となっています。
Q:第2四半期までの業績は概ね想定通りでしょうか?
A:販管費は計画通りでしたが、売上高が若干想定を下回りました。
Q:下期に向けて、何か対策を検討されていることはありますか?
A:建設事業全体としては、大型物件の建設は進んでいるものの、中小企業の設備投資は冷え込んでいます。そこで、上期に引き続き下期も大型物件をターゲットとした営業活動を強化していく方針です。 また、能登半島の復興需要や大阪万博関連の需要など、スポット案件の獲得にも力を入れていきます。
Q:新規販売先の開拓についてご教示ください。
A:常日頃から営業マン一人につき月1件の新規開拓をノルマとして課しており、毎年5%から10%の売上高増加を実現しています。
Q:海外市場への展開についてご教示ください。
A:海外売上高比率はまだ数%程度ですが、ASEAN市場を中心に展開を進めています。中国企業との競争が激しいため、コスト競争ではなく、中国企業でも供給できないような商材を開発し、海外に展開していく方針です。
Q:将来的な海外への事業所展開について、計画はありますか?
A:はい、海外でのM&Aも視野に入れています。
Q:デジタル技術の活用についてご教示ください。
A:建設現場で使用する機器の点検などを、従来の紙ベースからスマホアプリで行えるようにするなど、デジタル技術の活用を進めています。
Q:足元の状況はいかがでしょうか?
A:4月に北海道に鉄構資材部門の事業所を新設しました。上期は予想を上回る進捗であり、下期もさらに数字が伸びていくと見込んでいます。また、10月にはM&Aにより北海道の足場工事会社をグループ化しました。
Q:配当政策についてご教示ください。
A:DOE4%を目標に、累進配当を継続していく方針です。
Q:中長期的な視点で見た場合の成長戦略や、経営方針などについてご教示ください。
A:当社は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しており、「持続的な成長と企業価値の向上」を基本方針として掲げています。具体的な施策としては、既存事業の拡大、周辺強化、M&Aの推進などを掲げています。 既存事業の拡大については、営業体制の強化や商品ラインナップの拡充などにより、国内市場でのシェア拡大を目指します。また、海外市場への展開も加速させていきます。 周辺強化については、建設業界のDX化を支援するサービスや、環境問題に対応した製品の開発などに取り組んでいきます。 M&Aについては、シナジー効果が見込める企業を積極的に買収していく方針です。 これらの施策を着実に実行していくことで、持続的な成長と企業価値の向上を実現し、株主の皆様の期待に応えていきたいと考えています。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者: コンドーテック本体は、大きく二つに分けて事業を行っています。一つは、建築土木に限らずあらゆるインフラに商社的に物を供給する産業資材部門です。もう一つは、建物の骨組みである鉄骨部分を加工する業者様をターゲットに絞り込んだ鉄構資材部門です。
子会社を含めますと、電設資材と足場工事の二つが加わり、全部で四つのセグメントで事業を展開しております。
産業資材部門の特徴としましては、まず全国に約30の事業所を展開しており、地場に根付いて商品を供給できる体制を構築しています。事業所は全て在庫を持った倉庫を併設しており、相互に連携することで短納期でのデリバリーを実現しています。
また、商社としての機能も強く、お客様から要求されるものを市場で調達して納品することをメインとしています。そのため、ビジネスのフィールドが非常に広く、多様なニーズに対応することができます。鉄構資材部門では、建築用ターンバックルブレースやアンカーボルトといった主要商材において、業界トップクラスのシェアを誇っています。そのため、スケールメリットを生かした価格競争力でお客様に貢献しています。
取材者: 仕入れ先についてはいかがでしょうか?
回答者: 仕入れ先は国内外合わせて約6,000社あり、お客様の要望に応えられるものを調達したり、作ったりすることができます。それぞれの事業所に売れ筋の商品を在庫しておくことで、災害時などにも迅速に対応することができます。
取材者: 豪雨災害が多い地域では、それに対応した商品を多く在庫しているのでしょうか?
回答者: はい、季節変動に合わせて在庫を調整しています。例えば、台風シーズンには土嚢袋やブルーシートなどを通常よりも多く在庫しています。
競合他社の中には、物流センターを全国に数ヶ所置いて商売をしている企業もありますが、どうしても輸送に時間がかかってしまうというデメリットがあります。その点、当社は各事業所が在庫を持っているため、迅速なデリバリーが可能となっています。
取材者: 創業の経緯について教えていただけますでしょうか?
回答者: 当社は、約70年前に大阪で創業しました。当時は、海運が盛んな地域であったため、船に使う機材などを取り扱うことからスタートしました。その後、事業を拡大するにつれて、陸上の建築の方にも商材を移行していきました。
子会社のうち、電設資材と足場工事の会社は、直近10年ほどの間にM&Aでグループ化した会社です。M&Aを行った背景には、建物の新築・改修時に必要な電設資材や、建物のメンテナンスに必要な足場工事などをグループ内で提供することで、シナジー効果を生み出す狙いがありました。
取材者: 今期第2四半期の決算状況について、電設資材が好調なのは、リニューアル案件やメンテナンス需要が好調なことが要因でしょうか?
回答者: はい、その通りです。特に、蛍光灯からLED照明への切り替え工事や、猛暑によるエアコンの売り上げ増加が好調な要因となっています。
取材者: 第2四半期までの業績は概ね想定通りでしょうか?
回答者: 販管費は計画通りでしたが、売上高が若干想定を下回りました。
取材者: 下期に向けて、何か対策を検討されていることはありますか?
回答者: 建設事業全体としては、大型物件の建設は進んでいるものの、中小企業の設備投資は冷え込んでいます。そこで、上期に引き続き下期も大型物件をターゲットとした営業活動を強化していく方針です。
また、能登半島の復興需要や大阪万博関連の需要など、スポット案件の獲得にも力を入れていきます。
取材者: 新規販売先の開拓についてはいかがでしょうか?
回答者: 常日頃から営業マン一人につき月1件の新規開拓をノルマとして課しており、毎年5%から10%の売上高増加を実現しています。
取材者: 海外市場への展開についてはいかがでしょうか?
回答者: 海外売上高比率はまだ数%程度ですが、ASEAN市場を中心に展開を進めています。中国企業との競争が激しいため、コスト競争ではなく、中国企業でも供給できないような商材を開発し、海外に展開していく方針です。
取材者: 将来的には、海外に事業所を建てる計画はありますか?
回答者: はい、海外でのM&Aも視野に入れています。
取材者: デジタル技術の活用についてはいかがでしょうか?
回答者: 建設現場で使用する機器の点検などを、従来の紙ベースからスマホアプリで行えるようにするなど、デジタル技術の活用を進めています。
取材者: 足元の状況はいかがでしょうか?
回答者: 4月に北海道に鉄構資材部門の事業所を新設しました。上期は予想を上回る進捗であり、下期もさらに数字が伸びていくと見込んでいます。また、10月にはM&Aにより北海道の足場工事会社をグループ化しました。
取材者: 配当政策について教えてください。
回答者: DOE4%を目標に、累進配当を継続していく方針です。
取材者: 中長期的な視点で見た場合の成長戦略や、経営方針などについて教えてください。
回答者: 当社は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しており、「持続的な成長と企業価値の向上」を基本方針として掲げています。具体的な施策としては、既存事業の拡大、周辺強化、M&Aの推進などを掲げています。
既存事業の拡大については、営業体制の強化や商品ラインナップの拡充などにより、国内市場でのシェア拡大を目指します。また、海外市場への展開も加速させていきます。
周辺強化については、建設業界のDX化を支援するサービスや、環境問題に対応した製品の開発などに取り組んでいきます。
M&Aについては、シナジー効果が見込める企業を積極的に買収していく方針です。
これらの施策を着実に実行していくことで、持続的な成長と企業価値の向上を実現し、株主の皆様の期待に応えていきたいと考えています。
専務取締役 管理本部長 矢田裕之様

コンドーテック(株)
東証PRM 7438
決算:3月末日
決算概要
2026年3月期第1四半期の業績は、売上高が201億7,000万円で前年同期比5.4%増と増収となった一方、営業利益は9億400万円で前年同期比0.9%減、経常利益は9億6,300万円で前年同期比0.6%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億100万円で前年同期比3.4%減と減益となった。減益の主因は、売上総利益率の低下に加え、人件費及び賃借料の増加等による販売費及び一般管理費の増加などを増収効果で吸収しきれなかったことである。
セグメント別または事業別の増減要因
主要セグメントである産業資材ではしばらく続いていた価格変動も落ち着いたことにより販売価格が上昇した結果、増収増益となった。鉄構資材では、ローカルの中小規模案件の需要が低調に推移したことにより競合他社との価格競争が激化し売上総利益率が低下、加えて、人件費を中心に販売費及び一般管理費が増加したことが、減益の主要因である。
主要KPIの進捗と変化
2026年3月期第1四半期の新規販売先の開拓件数は1,281件で前年同期比6.7%増となった。既存事業にとらわれず営業担当者1人当たり、月平均1社の新規販売先の開拓を目標とした取り組みが功を奏した。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年3月期第1四半期の売上高及び営業利益の通期計画に対する進捗率はそれぞれ、23.7%、19.7%であるが、同社では季節性により上期よりも下期にウェイトが高くなる傾向にあり、過去5年平均の第1四半期の四半期別構成比はそれぞれ、23.5%、19.9%である。このように進捗率は過去5年平均と遜色がない数値であり順調に推移していることが見受けられる。
トピックス
同社は、成長が見込まれる分野への事業領域の拡大に積極的に取り組んでおり、2024年10月に北海道の足場工事会社である上田建設を子会社化し、北海道の活況な建設需要を取り込んでいる。株主還元はDOE4%を目標とし、2025年3月期には3.3%に到達。中期経営計画は設備投資などの成果達成の遅れによる営業利益目標の達成遅延により、全体を1年後ろ倒しする見直しを行った。2026年3月期第1四半期の進捗は過去平均の進捗率からみても順調である。
取材アーカイブ
CP&X
決算概要
2025年3月期の業績は、売上高が791億7,500万円で前期比3.0%増と増収を達成した一方、営業利益は44億6,500万円で前期比4.4%減、経常利益は46億7,900万円で前期比4.0%減と減益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は32億7,200万円で前期比0.2%増と微増であった。予算比では売上、営業利益共に予算を下回った。減益の主因は、建築需要が想定ほど出なかったことにあり、特にローカルの中小規模案件のボリュームが不足したことである。
セグメント別または事業別の増減要因
鉄構資材において、大手資本による半導体工場や物流センターなどの大型物件は稼働が増加したものの、全国展開する同社にとって業績に大きく影響するローカルの中小規模案件の需要が当初の思惑よりも低調に推移したことが、減益の主要因である。同社が指標とする推定鉄骨需要量も、期初予想の年間400万トンを下回って着地した。
通期見通しと進捗率・達成可能性
足元の状況として、2025年3月期の流れを継承すれば、ある程度の売上高プラスは達成できる見込みである。原価については売上高に準じて利益を確保できると見込んでいるが、人件費や物流コストは2026年3月期も上昇すると予想されており、この点が若干厳しめに評価されている。
トピックス
当社は、地域展開と物流体制の強化を成長戦略の核としている。2024年4月に北海道、2025年4月には北陸に営業所を開設し、地域カバレッジを拡大。M&Aでは、2024年10月に北海道の足場工事会社である上田建設を子会社化し、北海道の活況な建設需要を取り込んでいる。また、首都圏に大規模物流センターを借り上げ、災害復旧資材の在庫を強化し、物流課題への対応とサービス競争力向上を図る。株主還元はDOE4%を目標とし、2025年3月期には3.3%に到達。中期経営計画は営業利益目標の達成遅延により、全体を1年後ろ倒しする見直しを行った。2026年3月期からは洋上風力発電をターゲットとした「環境エネルギーグループ」を立ち上げ、新たな事業の柱の育成を目指している。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社の成長戦略は、主に売上高のトップライン拡大と物流体制の強化に重点を置いております。まず、地域展開においては、2024年4月に北海道に営業所を開設し、さらに2025年4月には北陸にも営業所を新設いたしました。これにより、これまで手薄であった地域における顧客基盤の拡大を図ってまいります。M&A戦略としては、2024年10月に北海道の足場工事会社である上田建設を子会社化いたしました。これらの新規事業所の開設やM&Aによるシナジー効果が、今後の売上成長に寄与すると見込んでおります。
また、物流体制の強化も重要な戦略的施策の一つです。特に東京の首都圏に大規模な物流センターを新たに借り上げ、在庫の補充能力と供給体制を大幅に強化いたしました。これは、2024年問題に代表される物流課題への対応に加え、逆説的に当社のサービス競争力を高める機会と捉えております。首都圏近郊における需要の大きさを踏まえ、これまで埼玉からのトラック輸送に頼っていた東京首都圏の物流を、この新倉庫を活用することで迅速かつ効率的に行えるようになります。特に、当社の主力商材である災害復旧用のブルーシートや土のう袋など、緊急性の高い商材を大量に在庫として保有することで、昨今の豪雨災害などにも迅速に対応できる体制を構築しており、これが当社の強みとして売上拡大に貢献すると考えております。
Q:M&A、業務提携の実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aに関しては、引き続き人材育成が難しい、あるいはノウハウを保有していないものの今後事業を拡大したい分野に焦点を絞り、常に2~3件を検討している状況で進めております。特に足場工事事業においては、足場グループ全体の4社合計の売上高で現在100億円に迫る規模に達しており、足場工事事業単独で100億円規模となる企業は国内に数社しかない現状において、この規模感は極めて重要であると認識しております。この規模は安全性のアピールにも繋がるため、今後も引き続き強化していく方針です。ただし、無闇にM&Aを実施するのではなく、例えば上田建設様との提携では、元々北海道における足場業者が少なかったため、当初から進出ターゲットとしていた地域でした。これに加えて、現在ラピダス関連の半導体工場建設など、北海道における建設需要が非常に活況を呈していることから、まさに最適なタイミングで同社を買収できたと考えております。上田建設様は初年度から経費を差し引いてもほぼ収益がトントンとなる水準を確保しており、2026年3月期以降はさらに利益が上乗せされる見込みです。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画に関して、当社は昨年に発表した計画を修正いたしました。具体的には、営業利益以下の目標達成時期が当初の計画より1年遅れる見込みとなったため、中期経営計画全体を1年後ろ倒しして、3期分をそのままスライドさせる形で見直しております。これは、当初の見通しが一部甘かった点を踏まえた判断となります。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主還元については、最終的にDOE(株主資本配当率)を4%まで引き上げる計画を掲げており、2025年3月期の実績では3.3%程度まで到達いたしました。過去には2.5%を目標としておりましたが、約2年前に4%へ目標を引き上げております。NISA制度などの状況も踏まえ、個人株主が大幅に増加しているため、今後も増配は継続したいと考えております。
取材者:まず初めに、2025年3月期の業績についてお伺いいたします。売上高791億7,500万円、前期比3.0%増、営業利益44億6,500万円、前期比4.4%の減少、経常利益46億7,900万円、前期比4.0%の減少、親会社株主に帰属する当期純利益32億7,200万円、前期比0.2%の増加と、軒並み前期と同水準の業績推移かと存じます。こちらについて増減要因をご説明いただけますか。
回答者:基本的には2025年3月期の予算比でいくと、営業利益はかなり下回っております。前年比では若干のマイナスに収まりましたが、基本的に建築需要自体が当初想定していたほど出ていないのが現状です。他の物件、例えば半導体工場や物流センターなど、大手資本による大型物件はそれなりに稼働しており、新設も増えております。しかし、当社は全国展開しておりますので、ローカルの中小規模の仕事のボリュームが業績に大きく影響いたします。その辺りの案件が当初の思惑よりも出てきていなかったという状況です。当社が指標としている推定鉄骨需要量も、期初には年間400万トンと予想されておりましたが、終わってみると10%程度下振れておりました。要因としては、大きくは資材の高騰が挙げられます。人件費も上がっておりますが、メインは資材の高騰で、過去と比較すると130%から150%程度上昇しております。以前10億円でできていたものが13億円から15億円かかるようになってきたため、中小資本の企業は投資に後ろ向きになり、中止や延期となるケースが多いです。
大型物件にも参入しておりますが、ゼネコンの働き方が変化し、従来1年で完成していた建物が1.3年程度の期間を要するようになっております。これは残業をしない、土日働かないという働き方が定着したため仕方がないのですが、その結果、1つの現場に納める資材の次の需要が出てくるまでの期間が長くなっております。その点も業績にはマイナス要因となりました。
取材者:左様でございますか。1件1件の案件が長期化しているということですね。
回答者:その二つの影響は、主にセグメントでいうと産業資材と鉄構資材に出ております。逆に電設資材と足場工事に関しては、需要を取り込めたため、前年よりもかなり伸びました。本体以外のセグメントが収益を上げた形ですが、本体のメインである建築関連が伸び悩んだという状況です。人件費の高騰もあり、人件費を上げたり、運賃荷造り費も130%程度の伸びになっております。新しく物流センターを借りたり、老朽化した建物の建て替えをしたりしたことによる減価償却も若干負担になっているなど、経費はそれなりに増えております。その分の経費を利益で吸収できなかったため、営業利益が若干マイナスになったという状況です。
取材者:セグメント別に見ると、電設資材の売上高は前年比で12.1%増加、足場工事売上高は7.7%増加と、その他セグメントは好調かと拝察いたしますが、こちらに対して、需要をうまく取り込めた要因はどのような部分でございますか。
回答者:全体的に建築工事自体は低調ですが、特に電設資材では、例えば蛍光灯が2027年までに生産中止となるため全てLEDに変わっていきます。全国展開しているドラッグストアなどの大手チェーン店のLED化といった物件が今増えており、そういった需要を取り込めたことが要因です。また、約1年前には電線が入手困難というニュースがありましたが、その辺りのものが市場に流通するようになったため、過去に受注できていなかった分が受注できるようになったということもございます。基本的に当社のような資材供給側からすると、ゼネコンも工事がないわけではなく、電気工事店や配線工事店といったサブコンはむしろ忙しい状況にあるため、全体的な環境は良かったといえます。足場も同様で、新築物件自体はそれほど増えておりませんが、やはり老朽化したマンションの改修工事や橋の架け替えといった、いわゆるメンテナンス事業が増加傾向にございますので、その需要を十分に取り込めたと考えております。特にマンションの定期改修工事が非常に多かったのが好調の要因です。
取材者:今おっしゃっていただいたような需要の伸びは、今期に限った一時的なものですか。それとも今後数年間、そういったトレンドが続いていくと見てよろしいですか。
回答者:電設資材や足場に関しては、ある程度長いスパンでこのようなトレンドは続いていくと思います。
取材者:経費のお話もございましたが、人の採用については前期と比較してどのような推移ですか。
回答者:肌感覚としては難しくなってきていると感じています。おかげさまで昨年も新入社員は20名目標で19名採用でき、それなりの採用はできておりますが、難しさは増しております。例えば、中途キャリア採用で、ある程度のポジションの人材を採用しようとしても、なかなか適任者がいないといった状況です。採用環境自体は難しくなってきていると思います。
取材者:何か主要なKPIがございましたら教えていただけますか。
回答者:その辺りは過去から変えておらず、基本的にはROE10%を目標にしております。
取材者:ROEはどのくらいでしたか。
回答者:2025年3月期は実績で9.3%です。
取材者:順調に推移していると見てよろしいですか。
回答者:はい、そうです。あとは資材の高騰がありましたので、その価格転嫁の遅れている部分をどれだけ取り戻せるかが課題です。
取材者:やはり建設資材の価格上昇は今後も続いてしまうものでしょうか。
回答者:2、3年前から続いてきたような120%から150%といった値上がり方はないと思いますが、おそらく下がる要因はまずないので、徐々に上昇していくと思います。
取材者:それでは、2026年3月期の業績についてお伺いいたします。2026年3月期の業績予想として、売上高が850億円(前期比7.4%増加)、営業利益が46億円(同3.0%増加)、経常利益が48億円(同2.6%増加)、当期純利益が33億5,000万円(同2.4%増加)と、増収増益を見込まれておりますが、こちらについて見通しをお伺いできますか。
回答者:市場自体はさほど大きく好転するという見方はしておりませんが、通常の部分で売上高のトップラインを伸ばしていくという点では、昨年(2025年3月期)に北海道に事業所を北海道営業所という形で出店いたしました。2025年の4月には北陸に北陸営業所を出店いたしました。M&Aでは、2024年の10月に同じく北海道の足場工事会社である上田建設を子会社に加えました。これらの効果が今後出てくるということが一つの要因です。また、特に東京の首都圏に大きな物流センターを1ヶ所借り、在庫の補充力と体制を強化しております。これは2024年問題で物流が問題になったこともあり、逆にその部分を逆手にとって、今まで以上に物量と物流の面でサービスを強化できると考えております。やはり仕事ができるのはどちらにしても首都圏近郊が多いため、物流体制を強化する形で今動いているところです。その辺りで売上を伸ばせるかと考えており、現状の足元に関しては、2025年3月期の流れを継承していけば、ある程度のプラスになると考えております。
原価に関しては、売上に準じてそれなりの利益は確保できると思いますが、人件費であったり、物流コストであったりというところは、おそらく2026年3月期もそれなりに上昇すると思いますので、その部分に関しては若干厳しめに見積もっております。ただ、前期に発表した中期経営計画からすると、営業利益以下は1年遅れで、当初の見方が若干甘かった部分もあるため、1年ずらして中期経営計画をそのまま3期後ろに持っていったという計画に今回見直しました。
取材者:左様でございますか。その東京の倉庫は東京本社の南砂の近くに借りたりしているのですか。
回答者:東京は今、南砂という町です。隣の駅の南砂町に賃借で入居しておりますが、6階建ての物流倉庫の5階ワンフロアを借りる形です。今までの東京支店は基本的に物流機能がほとんどなく、あまりにも周囲に学校などができた環境でしたので、東京首都圏の物流は埼玉からトラックを回して運ぶ状況でした。しかし、やはり首都圏近郊の需要は多く、物量を持っていないとだめだということで、特に当社の主力商材である災害復旧時にすぐに間に合わせる必要のあるブルーシートであったり、土のう袋であったりというものを大量に持っていることが強みでもありますので、昨今の豪雨災害などを踏まえ、在庫も強化している状況です。
取材者:左様でございますか。実は私の地元があの辺りで、南砂町であったり隣の江戸川区なのですが、その辺りの物流拠点がかなり増えていると拝察しておりました。
回答者:ほとんど空きがなく、当社も2年待ちくらいでようやく借りられました。
取材者:貴社のアクセスとしては確かに都市には出やすい場所でございますものね。あとは上田建設のお話もあったかと存じますが、今後M&Aや業務提携に関して実施のご予定、または検討状況がございましたら、答えられる範囲で教えていただけますか 。
回答者:M&Aに関しては、引き続き、自分たちで人材育成が難しい、あるいはノウハウを持っていないけれどもこれから伸ばしていきたい分野にターゲットを絞り、お話があればということで常に2、3件を検討している状況で動いております。足場工事に関しては、足場グループ全体の4社合計で現在100億円に迫る規模になりました。足場工事事業単独で100億円規模となる会社は実際にはもう日本で数社しかございませんので、この規模感はやはり重要だと考えております。ある程度の規模感が安全性などのアピールにもなってきますので、引き続き強化していこうと考えております。ただし、無闇に行うのではなく、上田建設さんの場合は北海道で元々足場業者が少なかったので、最初から進出ターゲットとして狙っていた地域でした。そこに加えて、今ラピダスの関係で半導体工場など、北海道は非常に建設需要が賑わっておりますので、ちょうど良いタイミングでその企業を買収できたと考えております。初年度から経費を差し引いてもほぼトントンになるくらいの利益を出してくれておりますので、2026年3月期以降は全て利益として残る見込みです。
取材者:株主還元の方針につきまして、変更などございましたら教えていただけますか。
回答者:基本的には最終的にDOEを4%まで持っていく計画で、2025年3月期の実績で3.3%程度まで来ております。過去には2.5%を目標にしておりましたが、2年ほど前に4%に目標を引き上げております。個人株主がNISAなどの状況も踏まえて非常に増えてきておりますので、日経の連続増配銘柄などで取り上げていただいたこともございますので、増配に関しては今後も継続していこうと考えております 。
取材者:それでは最後に、何か足元の状況につきましてトピックスやニュースリリースがございましたら教えていただけますか。
回答者:2026年3月期の取り組みといたしましては、環境エネルギーの分野で新たな動きがございます。これはまだ事業化はしておらず、これから実績を求めていく段階ですが、国の方針として再生可能エネルギー、特に洋上風力発電に力を入れているため、当社も洋上風力発電をターゲットとした部署として環境エネルギーグループというセクションをこの4月に立ち上げました。まだ手探りの状況で、すぐに業績に結びつくかは分かりませんが、その辺りを新しい事業として、1つの柱になればと考えて進めているところです。
取材者:北陸に出店したというのは、まさに復興需要を狙ってのことですか。
回答者:これから出てくる需要に応じてという形です。現在、北陸には金沢に産業資材の営業店として金沢営業所がありましたが、今回出店したのは、鉄構資材の分野の営業店で、北陸営業所として開設いたしました。これにより、当社としても産業資材と鉄構資材の両分野を北陸でカバーできるようになったので、その辺りで伸ばしていけたらと考えているのが最近の狙いです。
取材者:2026年3月期といいますか、そういった新しい部分に関しても、業績につきましてはかなり注目して見させていただきます。
回答者:そうですね。なかなかすぐに結果が出るかどうかわかりませんが、事業化して動かすことで担当者の意識も変わってくると思います。単なる市場調査に終わらないよう、1グループ事業として立ち上げる形にいたしました。
専務取締役 管理本部長 矢田裕之様
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CP&X
ビジネスモデルや事業内容
コンドーテックは、建築土木をはじめとするインフラに様々な資材を供給する産業資材部門と、鉄骨加工業者向けの鉄構資材部門を展開している。 また、子会社を通じて電設資材と足場工事の事業も行い、4つのセグメントで事業を展開している。 産業資材部門では、全国約30の事業所と在庫を持つ倉庫を活かした迅速なデリバリー体制を構築しており、顧客の多様なニーズに対応している。 鉄構資材部門では、建築用ターンバックルブレースやアンカーボルトなどの主要商材で業界トップクラスのシェアを誇り、価格競争力を強みとしている。
創業の経緯と転機となった出来事
コンドーテックは約70年前、大阪で海運関係の機材を扱う会社として創業した。 その後、事業を拡大する中で建築土木分野へ進出し、近年ではM&Aにより電設資材や足場工事の会社をグループ化することでシナジー効果を創出している。
直近の決算状況
今期第2四半期の決算は、電設資材部門が好調であった。 これは、蛍光灯からLED照明への切り替え工事や猛暑によるエアコンの売り上げ増加によるものである。 一方で、売上高は全体として想定を下回っており、下期に向けて大型物件向けの営業強化やスポット案件の獲得を図る方針である。
特徴や強み
コンドーテックの特徴は、全国に展開する事業所と在庫を持つ倉庫を併設した体制により、顧客のニーズに合わせた商品を迅速に供給できる点である。 また、約6,000社の仕入れ先とのネットワークを活かした多様な商品調達も強みとなっている。
成長戦略
国内市場においては、営業体制の強化や商品ラインナップの拡充を図りシェア拡大を目指す。 また、海外市場への展開も加速させ、ASEAN市場を中心に、中国企業では供給できないような独自の商材を開発することで競争力を確保していく方針である。
株主還元策
DOE4%を目標に、累進配当を継続していく方針である。
今期の取り組みやトピックス
4月に北海道に鉄構資材部門の事業所を新設し、10月にはM&Aにより北海道の足場工事会社をグループ化した。
Q:事業内容、ビジネスモデル、特徴、強みについてご説明ください。
A:コンドーテックは、大きく二つに分けて事業を展開しています。一つは、建築土木に限らずあらゆるインフラに商社的に物を供給する産業資材部門です。もう一つは、建物の骨組みである鉄骨部分を加工する業者をターゲットに絞り込んだ鉄構資材部門です。子会社を含めると、電設資材と足場工事の二つが加わり、全部で四つのセグメントで事業を展開しています。 産業資材部門の特徴は、第一に全国に約30の事業所を展開し、地場に根付いて商品を供給できる体制を構築していることです。事業所は全て在庫を持った倉庫を併設しており、相互に連携することで短納期でのデリバリーを実現しています。 また、商社としての機能も強く、顧客から要求されるものを市場で調達して納品することをメインとしています。そのため、ビジネスのフィールドが非常に広く、多様なニーズに対応することができます。 鉄構資材部門では、建築用ターンバックルブレースやアンカーボルトといった主要商材において、業界トップクラスのシェアを誇っています。そのため、スケールメリットを生かした価格競争力により顧客に貢献しています。
Q:仕入れ先についてご教示ください。
A:仕入れ先は国内外合わせて約6,000社あり、顧客の要望に応えられるものを調達したり、作ったりすることができます。それぞれの事業所に売れ筋の商品を在庫しておくことで、災害時などにも迅速に対応することができます。
Q:豪雨災害が多い地域では、それに対応した商品を多く在庫しているのでしょうか?
A:はい。季節変動に合わせて在庫を調整しています。例えば、台風シーズンには土嚢袋やブルーシートなどを通常よりも多く在庫しています。 競合他社の中には、物流センターを全国に数ヶ所置いて商売をしている企業もありますが、どうしても輸送に時間がかかってしまうというデメリットがあります。その点、当社は各事業所が在庫を持っているため、迅速なデリバリーが可能です。
Q:創業の経緯についてご教示ください。
A:当社は、約70年前に大阪で創業しました。当時は、海運が盛んな地域であったため、船に使う機材などを取り扱うことからスタートしました。その後、事業を拡大するにつれて、陸上の建築の方にも商材を移行していきました。 子会社のうち、電設資材と足場工事の会社は、直近10年ほどの間にM&Aでグループ化した会社です。M&Aを行った背景には、建物の新築・改修時に必要な電設資材や、建物のメンテナンスに必要な足場工事などをグループ内で提供することで、シナジー効果を生み出す狙いがありました。
Q:今期第2四半期の決算状況について、電設資材が好調なのは、リニューアル案件やメンテナンス需要が好調なことが要因でしょうか?
A:はい、リニューアル案件やメンテナンス需要が好調なことが要因です。特に、蛍光灯からLED照明への切り替え工事や、猛暑によるエアコンの売り上げ増加が好調な要因となっています。
Q:第2四半期までの業績は概ね想定通りでしょうか?
A:販管費は計画通りでしたが、売上高が若干想定を下回りました。
Q:下期に向けて、何か対策を検討されていることはありますか?
A:建設事業全体としては、大型物件の建設は進んでいるものの、中小企業の設備投資は冷え込んでいます。そこで、上期に引き続き下期も大型物件をターゲットとした営業活動を強化していく方針です。 また、能登半島の復興需要や大阪万博関連の需要など、スポット案件の獲得にも力を入れていきます。
Q:新規販売先の開拓についてご教示ください。
A:常日頃から営業マン一人につき月1件の新規開拓をノルマとして課しており、毎年5%から10%の売上高増加を実現しています。
Q:海外市場への展開についてご教示ください。
A:海外売上高比率はまだ数%程度ですが、ASEAN市場を中心に展開を進めています。中国企業との競争が激しいため、コスト競争ではなく、中国企業でも供給できないような商材を開発し、海外に展開していく方針です。
Q:将来的な海外への事業所展開について、計画はありますか?
A:はい、海外でのM&Aも視野に入れています。
Q:デジタル技術の活用についてご教示ください。
A:建設現場で使用する機器の点検などを、従来の紙ベースからスマホアプリで行えるようにするなど、デジタル技術の活用を進めています。
Q:足元の状況はいかがでしょうか?
A:4月に北海道に鉄構資材部門の事業所を新設しました。上期は予想を上回る進捗であり、下期もさらに数字が伸びていくと見込んでいます。また、10月にはM&Aにより北海道の足場工事会社をグループ化しました。
Q:配当政策についてご教示ください。
A:DOE4%を目標に、累進配当を継続していく方針です。
Q:中長期的な視点で見た場合の成長戦略や、経営方針などについてご教示ください。
A:当社は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しており、「持続的な成長と企業価値の向上」を基本方針として掲げています。具体的な施策としては、既存事業の拡大、周辺強化、M&Aの推進などを掲げています。 既存事業の拡大については、営業体制の強化や商品ラインナップの拡充などにより、国内市場でのシェア拡大を目指します。また、海外市場への展開も加速させていきます。 周辺強化については、建設業界のDX化を支援するサービスや、環境問題に対応した製品の開発などに取り組んでいきます。 M&Aについては、シナジー効果が見込める企業を積極的に買収していく方針です。 これらの施策を着実に実行していくことで、持続的な成長と企業価値の向上を実現し、株主の皆様の期待に応えていきたいと考えています。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者: コンドーテック本体は、大きく二つに分けて事業を行っています。一つは、建築土木に限らずあらゆるインフラに商社的に物を供給する産業資材部門です。もう一つは、建物の骨組みである鉄骨部分を加工する業者様をターゲットに絞り込んだ鉄構資材部門です。
子会社を含めますと、電設資材と足場工事の二つが加わり、全部で四つのセグメントで事業を展開しております。
産業資材部門の特徴としましては、まず全国に約30の事業所を展開しており、地場に根付いて商品を供給できる体制を構築しています。事業所は全て在庫を持った倉庫を併設しており、相互に連携することで短納期でのデリバリーを実現しています。
また、商社としての機能も強く、お客様から要求されるものを市場で調達して納品することをメインとしています。そのため、ビジネスのフィールドが非常に広く、多様なニーズに対応することができます。鉄構資材部門では、建築用ターンバックルブレースやアンカーボルトといった主要商材において、業界トップクラスのシェアを誇っています。そのため、スケールメリットを生かした価格競争力でお客様に貢献しています。
取材者: 仕入れ先についてはいかがでしょうか?
回答者: 仕入れ先は国内外合わせて約6,000社あり、お客様の要望に応えられるものを調達したり、作ったりすることができます。それぞれの事業所に売れ筋の商品を在庫しておくことで、災害時などにも迅速に対応することができます。
取材者: 豪雨災害が多い地域では、それに対応した商品を多く在庫しているのでしょうか?
回答者: はい、季節変動に合わせて在庫を調整しています。例えば、台風シーズンには土嚢袋やブルーシートなどを通常よりも多く在庫しています。
競合他社の中には、物流センターを全国に数ヶ所置いて商売をしている企業もありますが、どうしても輸送に時間がかかってしまうというデメリットがあります。その点、当社は各事業所が在庫を持っているため、迅速なデリバリーが可能となっています。
取材者: 創業の経緯について教えていただけますでしょうか?
回答者: 当社は、約70年前に大阪で創業しました。当時は、海運が盛んな地域であったため、船に使う機材などを取り扱うことからスタートしました。その後、事業を拡大するにつれて、陸上の建築の方にも商材を移行していきました。
子会社のうち、電設資材と足場工事の会社は、直近10年ほどの間にM&Aでグループ化した会社です。M&Aを行った背景には、建物の新築・改修時に必要な電設資材や、建物のメンテナンスに必要な足場工事などをグループ内で提供することで、シナジー効果を生み出す狙いがありました。
取材者: 今期第2四半期の決算状況について、電設資材が好調なのは、リニューアル案件やメンテナンス需要が好調なことが要因でしょうか?
回答者: はい、その通りです。特に、蛍光灯からLED照明への切り替え工事や、猛暑によるエアコンの売り上げ増加が好調な要因となっています。
取材者: 第2四半期までの業績は概ね想定通りでしょうか?
回答者: 販管費は計画通りでしたが、売上高が若干想定を下回りました。
取材者: 下期に向けて、何か対策を検討されていることはありますか?
回答者: 建設事業全体としては、大型物件の建設は進んでいるものの、中小企業の設備投資は冷え込んでいます。そこで、上期に引き続き下期も大型物件をターゲットとした営業活動を強化していく方針です。
また、能登半島の復興需要や大阪万博関連の需要など、スポット案件の獲得にも力を入れていきます。
取材者: 新規販売先の開拓についてはいかがでしょうか?
回答者: 常日頃から営業マン一人につき月1件の新規開拓をノルマとして課しており、毎年5%から10%の売上高増加を実現しています。
取材者: 海外市場への展開についてはいかがでしょうか?
回答者: 海外売上高比率はまだ数%程度ですが、ASEAN市場を中心に展開を進めています。中国企業との競争が激しいため、コスト競争ではなく、中国企業でも供給できないような商材を開発し、海外に展開していく方針です。
取材者: 将来的には、海外に事業所を建てる計画はありますか?
回答者: はい、海外でのM&Aも視野に入れています。
取材者: デジタル技術の活用についてはいかがでしょうか?
回答者: 建設現場で使用する機器の点検などを、従来の紙ベースからスマホアプリで行えるようにするなど、デジタル技術の活用を進めています。
取材者: 足元の状況はいかがでしょうか?
回答者: 4月に北海道に鉄構資材部門の事業所を新設しました。上期は予想を上回る進捗であり、下期もさらに数字が伸びていくと見込んでいます。また、10月にはM&Aにより北海道の足場工事会社をグループ化しました。
取材者: 配当政策について教えてください。
回答者: DOE4%を目標に、累進配当を継続していく方針です。
取材者: 中長期的な視点で見た場合の成長戦略や、経営方針などについて教えてください。
回答者: 当社は、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しており、「持続的な成長と企業価値の向上」を基本方針として掲げています。具体的な施策としては、既存事業の拡大、周辺強化、M&Aの推進などを掲げています。
既存事業の拡大については、営業体制の強化や商品ラインナップの拡充などにより、国内市場でのシェア拡大を目指します。また、海外市場への展開も加速させていきます。
周辺強化については、建設業界のDX化を支援するサービスや、環境問題に対応した製品の開発などに取り組んでいきます。
M&Aについては、シナジー効果が見込める企業を積極的に買収していく方針です。
これらの施策を着実に実行していくことで、持続的な成長と企業価値の向上を実現し、株主の皆様の期待に応えていきたいと考えています。
専務取締役 管理本部長 矢田裕之様
