取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

回答者: 基本的な特徴はファブレスメーカーであるという点です。オートバイのアフターパーツ市場は、自動車アフターパーツ市場と比べて規模が小さいため、大量生産が難しいという特徴があります。大規模メーカーが参入しにくい中で、当社はファブレスメーカーとして、それぞれ専門性の高い企業と協力し、小ロットで高品質の製品を生産しています。

取材者: ファブレス方式により、顧客の要望に柔軟に対応できるなどの特徴や強みが生まれてくるのでしょうか？

回答者: 当社の製品はアイテムの種類が多く、アパレル、ヘルメット、インカムなど、多岐にわたっています。それぞれの分野に強みを持つ企業に製造を協力・依頼することで、幅広いジャンルの製品が巨額投資を行わずに展開できております。

取材者: 貴社のように様々な商品を扱っている会社は珍しいのですか？

回答者: そうですね。似たようなオートバイアフターパーツ会社もありますが、当社のように上場している会社はほかになく、売上規模も他社と比べて大きいのが特徴です。

取材者: ファブレス方式に加え、多くの製品を企画開発できるという強みを生み出す要因はありますか？

回答者: 当社は生産設備を持たない分、企画力や開発スピードを強みに、開発商品製造に適した製造会社を探し、その製造会社と協力して商品を開発しています。

例えば、企画力を活かして、現在はオートバイ以外にも、アウトドア用品、ガソリンで動かすインバーター発電機、電動キックボード、電動アシスト自転車など、様々な製品を展開しています。これは生産設備を持たないファブレス経営と柔軟な企画力を活用できる当社の強みだと考えております。

取材者: アウトドア用品や発電機、モビリティ分野など、オートバイパーツ以外の拡大領域へ進出できたのは、協力企業とのノウハウがあるからでしょうか？

回答者: そうですね。例えば現在展開している電動アシスト自転車は、元々は海外の電動アシスト自転車を輸入販売したのが始まりです。その後、その自転車を受託生産していたメーカーとの協力関係が強まり、共同でオリジナル設計・開発を行うことで自社ブランドの販売に至っております。

取材者: 貴社の創業の経緯や想いを教えてください。

回答者: 創業者はオートバイメーカー勤務を経てアメリカンバイクの部品などを輸出入する商社から始めました。その後、徐々にオートバイのオリジナル商品を企画・開発・販売するようになり、現在に至ります。

取材者: 海外展開については、東南アジア系への進出という印象ですが、具体的な取り組みや施策はありますか？

回答者: 20年近く前にインドネシアに現地法人を設立し、現地で企画開発・販売を行うビジネスモデルを展開しました。近年、インドネシアでの売上が好調に推移していることから、フィリピンにも現地法人を設立しました。今後は、インドネシアやフィリピンを軸として、東南アジアへの事業を拡大したいと考えています。

取材者: 第3四半期の決算状況について、営業利益、経常利益が減益になっている要因は、やはりコスト増加でしょうか？

回答者: 当社単体の売上高の約4割は輸入商材で、国内販売がメインということもあり、円安による影響を受けています。

取材者: 通期の業績予想は、前年比で増収増益となっていますが、こちらは何か取り返すような見込みがあるのでしょうか？

回答者: 第4四半期を含めて売上高は業績予想に近づける見込みです。利益は、輸入商材の仕入れ値が上がっている関係で減少していますが、アジアの売上利益が好調なので、減少分を少しでもカバーできるよう尽力しております。

取材者: 国内売上回復の要因は、何か施策などがあるのでしょうか？

回答者: コロナ禍の終息により、おひとり様需要としてのオートバイブームが沈静化したことで、ここしばらくはオートバイ用品量販店の在庫調整が続いておりましたが、ようやく調整期間が一段落したことで売上回復が見られてきました。

取材者: M&Aの方針について教えてください。

回答者:シナジー効果が見込める前提となりますが、同じオートバイ領域業界の会社、またはオートバイと似た趣味の会社とのM&Aを検討しています。

取材者: 電動キックボードの売れ行きはいかがですか？

回答者: 秋口に発売したばかりですが、本格的シーズンインとなる春以降に趨勢を見極めていきたいと考えております。

取材者: 電動キックボードに関して、何か意外な点はありましたか？

回答者: 若い人の乗り物というイメージでしたが、お問い合わせに高齢の方が多い点が意外でした。

取材者: 今後、高齢者向けの電動キックボードの開発などは検討していますか？

回答者:現時点ではございませんが、マーケティングを続けていきたいと考えております。

取材者: 株主還元につきまして、何か方針はありますか？

回答者: 連結での業績内容、今後の事業投資見込み、過年度の投資回収の状況を総合的に勘案して決定しております。直近での配当は121円で、配当性向は32％(単体基準)でした。配また、株主優待制度も活用しています。

取材者: 株主優待の内容はどのようなものでしょうか？

回答者: 株式会社ウィルズが運営する「プレミアム優待倶楽部」を利用し、株数に応じてポイントを付与しています。ポイント数に応じて商品をお選びいただけます。