20250123
Q. 貴社のビジネスモデルや事業内容について教えてください。
A. 弊社のビジネスモデルは、キャリアプラットフォームと就職支援サービスを組み合わせたものです。主な事業は、新卒・中途向けの就職支援サービスと、知見共有プラットフォーム「mond」の運営です。創業当初はYouTubeのような動画配信サイトを目指していましたが、収益化が難しかったため、就職支援サイトを立ち上げ、それが現在の主力事業に成長しました。
Q. 貴社の強みや特徴は何ですか?
A. 弊社の強みは、ユーザーである学生の質の高さです。特に、難関大学に所属する学生の利用率が高く、東大生の90%以上が利用しているというデータもあります。また、外資系企業やコンサルティングファーム、金融機関などを目指す、意識の高い学生が多いのも特徴です。これらの学生を獲得するために、多額の広告宣伝費をかける必要がないため、高い収益率を維持できています。
Q. サービスの具体的な内容を教えてください。
A. 新卒向けサービスでは、外資系企業やコンサルティングファーム、金融機関などを目指す学生を対象に、就職活動のサポートを行っています。具体的には、企業情報や求人情報の提供、就職活動のノウハウに関する記事や動画の配信、イベントの開催などを行っています。また、有料の就職対策講座や、個別指導などのサービスも提供しています。中途向けサービスでは、転職エージェントと提携し、転職希望者と企業とのマッチングを行っています。また、自社で転職エージェント業務も行っています。
Q. 今後の事業展開について教えてください。
A. 今後は、新卒・中途向けサービスの拡充に加え、新規事業にも力を入れていきます。新規事業としては、知見共有プラットフォーム「mond」の収益化を図るとともに、グローバル展開も視野に入れています。また、M&Aなども積極的に検討し、事業の拡大を目指していきます。
Q. 株主還元策について教えてください。
A. 当社はグロース企業であり、成長のための投資を優先するため、現時点では配当は行っていません。株主還元は、主にキャピタルゲインによるものと考えています。また、流動性の向上にも取り組んでおり、将来的には株式分割や自社株買いなども検討していきます。
Q. 収益モデルについて詳しく教えてください。
A. 収益は、新卒向けサービスが約9割、中途向けサービスが約1割を占めています。新卒向けサービスの収益源は、企業からの広告掲載料とスカウトサービスの利用料です。広告掲載料は、掲載期間や掲載枠によって異なりますが、他社と比べて高額な設定となっています。スカウトサービスは、学生に直接スカウトメールを送ることができるサービスで、利用料は1通5,000円程度となっていますす。中途向けサービスの収益源は、転職エージェントからの成功報酬です。転職希望者が企業に採用された場合、年収の一定割合を成功報酬として受け取っています。
Q. 新規事業「mond」の収益化について教えてください。
A. 「mond」は、質問者と回答者をマッチングするプラットフォームで、現在3つの収益化モデルを展開しています。1つ目は、質問者が回答者に投げ銭できる機能(スーパーギフト)です。2つ目は、質問者が回答者に報酬を支払って質問できる機能(スーパーレター)です。3つ目は、サロン機能(メンバーシップ)です。サロンメンバーになると、限定コンテンツを閲覧したり、メンバー同士で交流したりすることができます。これらの収益化モデルを通じて、「mond」の収益化を目指していきます。
Q. 誹謗中傷対策について教えてください。
A. 誹謗中傷対策として、AIによる監視と、人による目視チェックを組み合わせて行っています。AIで誹謗中傷の可能性が高い投稿を検知し、人による目視チェックで最終判断を行います。また、ユーザーからの通報にも対応しています。
Q. 今期の業績好調の要因は何ですか?
A. 新卒向けサービスにおけるスカウトサービスの導入と、顧客満足度向上のための取り組みが、好調の要因です。スカウトサービスは、企業の採用活動を効率化できることから、多くの企業に利用されています。また、顧客満足度向上のための取り組みとして、顧客サポート体制の強化や、マーケティング活動の強化などを行っています。これらの取り組みが、業績好調に繋がっています。
Q. 学生の登録について教えてください。
A. 学生は誰でも無料で登録できます。学歴や資格による制限はありません。ただし、利用規約に違反する行為があった場合は、アカウントを停止することがあります。
取材者 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者 まず、会社概要ですが、2010年2月に設立され、今年で15年目になります。従業員は現在80名ほどです。設立当初は、YouTubeのようなノウハウ共有を目的とした動画配信サイトとしてスタートしました。その名残で「ハウテレビジョン」という社名になっています。しかし、2010年当時は3G回線が主流で、スマートフォンも普及していなかったため、収益化を断念しました。その代わりに、設立時に同時に立ち上げていた新卒向けの就職支援サイトが先に収益化し、翌年には黒字化、9年後には上場に至りました。現在、主力事業は新卒・中途向けの就職支援サービスです。その他に、創業時の構想であった知識共有プラットフォームを現代版にアレンジした「mond」というQ&Aサイトを運営しています。これはテキストベースで、X(Twitter)と連携しているサービスです。また、昨年買収したログリオ株式会社という会社で、採用支援の代行サービスも行っています。企業の採用業務をアウトソースするRPO(Recruiting Process Outsourcing)サービスです。
当社のミッションは、ユーザーの能力開花とスキルアップを支援することで、世の中に貢献することです。能力開花には特に強い思い入れがあり、社員一同、その実現に向けて日々努力しています。
取材者 貴社の役員構成について教えてください。
回答者 取締役は4名おり、常勤取締役は3名で、創業者の音成、CFOの清水、COOの池内です。音成はアドバンテッジパートナーズ出身、CFOの清水はゴールドマン・サックス出身で日本株運用などバイサイドで15年間担当していました。COOの池内はグロース企業出身です。社外取締役にはCVCアジア代表を務める赤池氏がおります。役員には外資系金融機関出身者が多く、その経験が当社の事業にも活かされています。
取材者 次に、プロダクトのポジショニングについてお伺いします。
回答者 売上・利益の9割を稼いでいる新卒・中途向けの就職支援サービスは、競合が多い市場です。新卒市場では、株式会社マイナビを筆頭に、最近では新規参入企業やビズリーチ株式会社などが部分的参入している状況です。その他、様々な特化サイトがありますが、当社の直接的な競合は少ないです。当社は、新卒市場のトップ10%、つまり年間約50万人の卒業生のうち、上位5万人にフォーカスしたサービスを提供しています。彼らを「外資就活.com」というサービス名で支援しています。
取材者 具体的には、どのような学生が多いのでしょうか?
回答者 東京大学、京都大学、一橋大学などの旧帝大、早稲田大学、慶應義塾大学などの難関大学の学生が中心です。大学別に見ると、東大では90%以上の学生が利用しているというデータもあります。こうした優秀な学生を獲得したい企業にとって、非常に魅力的なサイトとなっています。中途採用においても、新卒で入社した企業から転職を考える方が多く、属性としては新卒と似ています。コンサルタント、金融、企画、マーケティング、営業などの職種の方が多く、TOEICの平均スコアも700~800点と非常に高いです。
取材者 難関大学以外の学生は、どのような方が利用されているのでしょうか?
回答者 最近は、戦略的にエンジニアの学生を増やしています。彼らは、大学名や一般的な学力よりも、コーディングスキルなど専門性の高い能力を持つ方が多いです。電気通信大学、東京理科大学、東京電機大学、会津大学などの学生も増えつつあります。
取材者 貴社プラットフォームの提供価値についてお伺いします。
回答者 当社が最も大切にしているのは、「ユーザーに選ばれるメディアサイト」であることです。会社のキャッチフレーズも「ユーザーファースト」です。新卒サービスに登録している優秀な学生の約8~9割は、オーガニックに登録しています。つまり、広告費をかけずに、口コミやサービスの質で学生を集めているということです。これは、当社の価値の根源と言えるでしょう。多くの企業は、新卒採用に多額の広告費をかけていますが、当社は数千万程度です。これは、優秀な学生の嗜好に合わせたサービスを提供できているからだと考えています。学生の嗜好は、大学によって大きく異なります。例えば、一般的な学生向けのアンケートでは、誰もが知っているような大企業が人気を集めます。しかし、当社のユーザー層であるトップ10%の学生は、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどの外資系企業を志望する傾向があります。彼らの思考性と、当社のサービスがうまくマッチしていることが強みです。
取材者 ビジネスモデルについて詳しく教えてください。
回答者 新卒で獲得したユーザーは、卒業後も囲い込むために、中途向けのサービス「Liiga(リーガ)」を提供しています。優秀な学生をオーガニックで獲得し、彼らを採用したい企業に対して、広告掲載料や採用教育費などで収益を得ています。企業からお金をいただき、学生にサービスを提供するBtoCtoBのビジネスモデルです。中途採用では、エージェントがプラットフォームを利用して転職候補者にスカウトを行い、成功報酬を得るというモデルです。
取材者 貴社はプラットフォームを提供し、エージェントはそれを利用するということですか?
回答者 その通りです。従来は自社で紹介事業は行っていませんでしたが、最近は一部サービス提供を開始しております。
取材者 なぜ、これまで紹介事業に参入しなかったのでしょうか?
回答者 プラットフォーマーとして運営する方が、労働集約型にならず、利益効率が良かったからです。エージェント紹介事業を行うとなると、エージェントの人数を増やす必要があります。売上を倍増させるには、エージェントも倍増させなければなりません。当社はITプラットフォームを基盤とした会社なので、エージェント紹介事業は本来の事業とは考えていませんでした。しかし、最近は新卒・中途ともに採用が厳しくなり、企業側から紹介や採用プロセスの支援を求める声が強くなりました。そこで、当社もエージェント紹介事業への試験的な参入を開始しています。
取材者 先ほど、会社の方針として能力開花を重視されているとのことでしたが、就職支援サービスでは具体的にどのようなサービスを提供されているのでしょうか?
回答者 当社は、就職活動支援サイト「外資就活.com」で、能力開花のためのコンテンツを提供しています。社内には、記者出身の編集者などが在籍しており、コンサルティングファームに入るための方法や、ロジカルシンキング、ケース面接対策などのコンテンツを制作しています。また、就職活動だけでなく、中長期的なキャリア支援にも力を入れています。例えば、コンサルティングファーム入社後のキャリアパスや、先輩の事例などを紹介しています。中には、コンサルファームを辞めて海外留学し、外資系企業の日本代表になった人や、起業した人もいます。こうした事例を参考に、学生は自分のキャリアプランを描き、具体的な目標を立て、行動することができます。その他にも、コンサルティング講座や、海外留学支援などのサービスも提供しています。コンサルティング講座は、現役のコンサルタントが講師を務め、実践的な内容となっています。これらのサービスは有料ですが、学生からは好評を得ています。
取材者 学生のニーズに合わせたサービスを提供しているのですね。
回答者 その通りです。学生のニーズは多様化しており、画一的なサービスでは対応できません。当社は、学生一人ひとりのニーズに合わせたサービスを提供することで、高い満足度を得ています。
取材者 有料のコンサルティング講座が人気とのことですが、それはなぜでしょうか?
回答者 学生は、小手先のテクニックではなく、本当に自分のスキルや能力に繋がるものには投資を惜しみません。例えば、エクセル講座やパワーポイント講座のような、短期的なスキルアップのための講座は人気がありません。一方、コンサルティングの基礎から応用までを網羅した、本格的な講座は人気があります。こうした講座は、学生の能力開花に大きく貢献できるため、高い満足度を得ています。
取材者 貴社の収益構造について教えてください。
回答者 収益は、主に企業からの広告掲載料や採用教育費で構成されています。新卒と中途の売上比率は、約9対1で、新卒が収益の柱となっています。新卒サービスは、大きく2つのタイプに分けられます。1つは、自社で運営する「外資就活.com」へのバナー広告掲載です。もう1つは、スカウトサービスです。
取材者 それぞれについて詳しく教えてください。
回答者 バナー広告は、月額制で、掲載期間やサイズによって料金が異なります。単価は他社と比べて非常に高く、10倍以上になることもあります。掲載社数は多くありませんが、継続率は非常に高く、安定した収益源となっています。
取材者 なぜ、単価を高く設定できるのでしょうか?
回答者 当社は、学生の質が高いことが強みです。例えば、外資戦略コンサルティングファームや外資系金融機関のトップファームにおいては、新卒採用の内定者の9割以上が「外資就活.com」経由でエントリーしています。こうした企業にとって、当社は代替不可能なメディアであり、費用に見合う採用効果を得られるため、相対的に高い単価を支払ってでも掲載したいと考えています。
取材者 なるほど。スカウトサービスについてはいかがでしょうか?
回答者 スカウトサービスは、企業が学生に直接スカウトを送ることができるサービスです。近年、このサービスの利用が急増しており、売上を大きく伸ばしています。従来の広告掲載型では、学生が企業に応募するのを待つという受動的な採用手法でした。しかし、スカウト型では、企業が学生に直接アプローチできるため、より積極的に採用活動を行うことができます。
取材者 スカウトサービスの料金体系は、どのようなものですか?
回答者 他社のスカウトサービスは、成功報酬型が多いです。内定承諾時に数十万円から数百万円の料金が発生します。しかし、当社のスカウトサービスは、1通あたり何千円の従量課金制です。学生の質が高いので、成功報酬型にしなくても収益化できるからです。また、1人の学生を複数の企業に紹介できるので、会員数以上に収益を上げることができます。
取材者 スカウトサービスのKPIは何ですか?
回答者 スカウトの開封率、クリック率、承諾率などをKPIとしています。特に、承諾率は50%以上と非常に高く、学生からの評判も良いです。掲載企業は厳選しており、無名企業や怪しい企業は掲載を断っています。そのため、学生は安心してスカウトに応募することができます。
取材者 掲載企業は、どのように集めているのでしょうか?
回答者 従来は、すべてインバウンドで集めていました。しかし、ここ数年はアウトバウンド営業も開始しています。ただし審査基準は厳格で、利用希望企業の約半数は掲載審査にて落ちる傾向にあります。効果が出ずに解約する企業もありますが、一方で、継続して利用される企業は品質と効果に満足されて受注金額を大幅に増やしていく傾向が高いです。
取材者 学生からの人気が高い企業ほど、長く利用してくれるのですね。
回答者 その通りです。当社は、他社と比べて営業活動は控えめです。プロダクトの価値を重視し、高価格帯のサービスを提供しています。成功報酬型にしたり、無料体験期間を設けたりすると、ユーザー離れやスパムスカウトの増加に繋がってしまう可能性があります。そのため、品質を重視したサービスを提供しています。
取材者 学生は誰でも登録できるのでしょうか?
回答者 はい、学歴などのフィルターは一切かけていません。しかし、掲載企業がグローバルに活躍できるチャレンジングな企業が多いため、自然と意識の高い学生が集まっています。また、「外資就活.com」というサイト名から、外資系企業に興味のある学生が多いというバイアスもかかっています。
取材者 なるほど。学生の登録時期について教えてください。
回答者 一般的な就職活動サイトでは、3年生の夏頃から登録が増え始めます。しかし、当社では2年生の12月頃から登録が始まります。これは、意識の高い学生が、夏のインターンシップに向けて準備を始めるためです。中には、1年生から登録する学生もいます。こうした学生を囲い込みたい外資系企業にとって、当社は非常に魅力的なメディアとなっています。
取材者 なるほど。学生の地域差はありますか?
回答者 はい、関東の学生は意識が高く、就職活動の準備も早いです。早稲田大学、慶應義塾大学や東京大学、一橋大学などの学生は、2年の終わり頃から就職活動の準備を始めます。一方、地方の学生は、3年の夏頃から就職活動を始めることが多いです。このスタート時期の違いは明確な差となって現れています。
取材者 なるほど。今期の業績は好調とのことですが、その要因は何でしょうか?
回答者 新卒・中途ともに好調ですが、特に新卒の伸びが大きいです。要因としては、スカウトサービスの導入、顧客サポートの強化、マーケティング活動の強化などが挙げられます。従来はインバウンドマーケティングのみでしたが、最近はアウトバウンドマーケティングにも力を入れています。また、ウェブサイトの改善や、営業体制の強化なども行っています。
取材者 なるほど。新規事業の「mond」の進捗状況はいかがでしょうか?
回答者 「mond」は、収益化に向けて先行投資を行っている段階です。コンセプトは、企業の採用教育費に依存しない、新しい知識共有プラットフォームです。少子高齢化の影響で、新卒の年収は上昇傾向にあり、採用教育費も増加しています。しかし、この状況が未来永劫続く保証はありません。そこで、当社は「mond」を、将来を見据えた新しいビジネスモデルとして育成しています。「mond」は、グローバルに展開できるプロダクトでもあります。現在、日本語のみならず、英語を含む他言語で提供しており、今後は英語圏での展開に力を入れていきます。リリースから2年で、デイリーアクティブユーザー数は「外資就活.com」を遥かに大きく超えています。類似サービスと比べても、国内でトップ規模に成長しています。
取材者 収益化方法について詳しく教えてください。
回答者 投げ銭(スーパーギフト)は、質問者が回答者に対して金銭を送ることができる機能です。質問への報酬(スーパーレター)は、質問者が回答者に報酬を支払うことで、より質の高い回答を得られるようにする機能です。サブスクリプション(メンバーシップ)は、月額料金を支払うことで、限定コンテンツを閲覧できるようにする機能です。具体的には、「mond」のページをご覧いただいた方がわかりやすいと思います。
取材者 「mond」には、どのような方が参加されているのでしょうか?
回答者 様々な分野の専門家やインフルエンサーが参加しています。例えば、プロゲーマー、プロ雀士、占い師、VTuberなど、多岐にわたります。
取材者 なるほど。報酬付きの質問は、誰にでも送ることができるのでしょうか?
回答者 はい、特定の回答者に対して、質問と一緒に報酬を支払うことができます。なかなかTwitter上では実現できないような、好きな人への質問や投げ銭を可能にすることで、新たなコミュニケーションの形を提供しています。
取材者 誹謗中傷対策はどのように行っていますか?
回答者 AIと人力で監視を行い、誹謗中傷を排除しています。また、他のサービスと比べてマージンを低く設定することで、質の高い回答を促しています。
取材者 株主還元策について教えてください。
回答者 当社はグロース企業であり、成長投資を優先しています。そのため、株主還元はキャピタルゲインを重視しています。また、流動性の低さが課題です。そのため、発行済み株式数を増やすか、株主の持分を減らす必要があります。現在、プライム市場への移行を目指しており、そのための要件を満たすために、固定株を流動化させることを検討しています。配当については、マイクロキャップ企業にとって、あまり効果的ではないと考えています。流動性が低いため、配当を出しても株価に大きな影響を与えません。むしろ、EPSの成長を重視し、流動性を高める方が重要だと考えています。
20250123 CP&X
事業内容
新卒・中途向け就職支援サービス(「外資就活ドットコム」、「Liiga」)と知見共有プラットフォーム「mond」を運営。 難関大学生や外資系企業・コンサル・金融機関・商社等を目指す意識の高い学生層をターゲットに、就職活動のノウハウ提供、企業情報・求人情報の提供、イベント開催、有料講座、個別指導などを実施。 中途向けには転職エージェントとの提携、自社エージェント業務を行う。
創業の経緯と転機
2010年に動画配信サイトとして創業するも収益化に苦戦し、並行して立ち上げていた就職支援サイトが軌道に乗り、現在の主力事業へと転換した。
ビジネスモデル
就職支援サービスでは、学生の質の高さを強みに、企業からの広告掲載料とスカウトサービス利用料を収益源とする。 中途向けサービスでは転職エージェントからの成功報酬を収益とする。 新規事業「mond」は、投げ銭機能、報酬付き質問機能、サロン機能による収益化を目指している。
直近の決算状況
開示資料によると、2022年度にスカウト型サービス導入により売上高が再度伸び始めた。 2023年度は計画中だが、過去4年間の業績推移から、新卒・中途ともに順調に成長していることが見込まれる。
特徴・強み
難関大学生の利用率が高く、東大生の90%以上が利用。 8~9割の学生がオーガニックに登録し、広告宣伝費を抑えながら高い収益率を維持している。 また、外資系企業やコンサルティングファーム、金融機関とのパイプが強く、これらの企業への就職実績が高いことも強み。
成長戦略
新卒・中途向けサービスの拡充に加え、新規事業「モンド」の収益化を図る。 グローバル展開も視野に入れ、M&Aも積極的に検討し、事業拡大を目指す。
株主還元策
成長投資を優先するため、配当は行わない。 株主還元は主にキャピタルゲインにより行う方針。 流動性向上にも取り組み、将来的に株式分割や自社株買いも検討する。
今期の取り組み
スカウトサービス導入による企業の採用活動効率化、顧客満足度向上のためのサポート体制強化、マーケティング強化などを実施。 顧客へのヒアリングを通してニーズを捉え、サービス改善を継続している。
取締役CFO 清水伸太郎様
・資料
ー

(株)ハウテレビジョン
東証GRT 7064
決算:1月末日
Q. 貴社のビジネスモデルや事業内容について教えてください。
A. 弊社のビジネスモデルは、キャリアプラットフォームと就職支援サービスを組み合わせたものです。主な事業は、新卒・中途向けの就職支援サービスと、知見共有プラットフォーム「mond」の運営です。創業当初はYouTubeのような動画配信サイトを目指していましたが、収益化が難しかったため、就職支援サイトを立ち上げ、それが現在の主力事業に成長しました。
Q. 貴社の強みや特徴は何ですか?
A. 弊社の強みは、ユーザーである学生の質の高さです。特に、難関大学に所属する学生の利用率が高く、東大生の90%以上が利用しているというデータもあります。また、外資系企業やコンサルティングファーム、金融機関などを目指す、意識の高い学生が多いのも特徴です。これらの学生を獲得するために、多額の広告宣伝費をかける必要がないため、高い収益率を維持できています。
Q. サービスの具体的な内容を教えてください。
A. 新卒向けサービスでは、外資系企業やコンサルティングファーム、金融機関などを目指す学生を対象に、就職活動のサポートを行っています。具体的には、企業情報や求人情報の提供、就職活動のノウハウに関する記事や動画の配信、イベントの開催などを行っています。また、有料の就職対策講座や、個別指導などのサービスも提供しています。中途向けサービスでは、転職エージェントと提携し、転職希望者と企業とのマッチングを行っています。また、自社で転職エージェント業務も行っています。
Q. 今後の事業展開について教えてください。
A. 今後は、新卒・中途向けサービスの拡充に加え、新規事業にも力を入れていきます。新規事業としては、知見共有プラットフォーム「mond」の収益化を図るとともに、グローバル展開も視野に入れています。また、M&Aなども積極的に検討し、事業の拡大を目指していきます。
Q. 株主還元策について教えてください。
A. 当社はグロース企業であり、成長のための投資を優先するため、現時点では配当は行っていません。株主還元は、主にキャピタルゲインによるものと考えています。また、流動性の向上にも取り組んでおり、将来的には株式分割や自社株買いなども検討していきます。
Q. 収益モデルについて詳しく教えてください。
A. 収益は、新卒向けサービスが約9割、中途向けサービスが約1割を占めています。新卒向けサービスの収益源は、企業からの広告掲載料とスカウトサービスの利用料です。広告掲載料は、掲載期間や掲載枠によって異なりますが、他社と比べて高額な設定となっています。スカウトサービスは、学生に直接スカウトメールを送ることができるサービスで、利用料は1通5,000円程度となっていますす。中途向けサービスの収益源は、転職エージェントからの成功報酬です。転職希望者が企業に採用された場合、年収の一定割合を成功報酬として受け取っています。
Q. 新規事業「mond」の収益化について教えてください。
A. 「mond」は、質問者と回答者をマッチングするプラットフォームで、現在3つの収益化モデルを展開しています。1つ目は、質問者が回答者に投げ銭できる機能(スーパーギフト)です。2つ目は、質問者が回答者に報酬を支払って質問できる機能(スーパーレター)です。3つ目は、サロン機能(メンバーシップ)です。サロンメンバーになると、限定コンテンツを閲覧したり、メンバー同士で交流したりすることができます。これらの収益化モデルを通じて、「mond」の収益化を目指していきます。
Q. 誹謗中傷対策について教えてください。
A. 誹謗中傷対策として、AIによる監視と、人による目視チェックを組み合わせて行っています。AIで誹謗中傷の可能性が高い投稿を検知し、人による目視チェックで最終判断を行います。また、ユーザーからの通報にも対応しています。
Q. 今期の業績好調の要因は何ですか?
A. 新卒向けサービスにおけるスカウトサービスの導入と、顧客満足度向上のための取り組みが、好調の要因です。スカウトサービスは、企業の採用活動を効率化できることから、多くの企業に利用されています。また、顧客満足度向上のための取り組みとして、顧客サポート体制の強化や、マーケティング活動の強化などを行っています。これらの取り組みが、業績好調に繋がっています。
Q. 学生の登録について教えてください。
A. 学生は誰でも無料で登録できます。学歴や資格による制限はありません。ただし、利用規約に違反する行為があった場合は、アカウントを停止することがあります。
取材者 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者 まず、会社概要ですが、2010年2月に設立され、今年で15年目になります。従業員は現在80名ほどです。設立当初は、YouTubeのようなノウハウ共有を目的とした動画配信サイトとしてスタートしました。その名残で「ハウテレビジョン」という社名になっています。しかし、2010年当時は3G回線が主流で、スマートフォンも普及していなかったため、収益化を断念しました。その代わりに、設立時に同時に立ち上げていた新卒向けの就職支援サイトが先に収益化し、翌年には黒字化、9年後には上場に至りました。現在、主力事業は新卒・中途向けの就職支援サービスです。その他に、創業時の構想であった知識共有プラットフォームを現代版にアレンジした「mond」というQ&Aサイトを運営しています。これはテキストベースで、X(Twitter)と連携しているサービスです。また、昨年買収したログリオ株式会社という会社で、採用支援の代行サービスも行っています。企業の採用業務をアウトソースするRPO(Recruiting Process Outsourcing)サービスです。
当社のミッションは、ユーザーの能力開花とスキルアップを支援することで、世の中に貢献することです。能力開花には特に強い思い入れがあり、社員一同、その実現に向けて日々努力しています。
取材者 貴社の役員構成について教えてください。
回答者 取締役は4名おり、常勤取締役は3名で、創業者の音成、CFOの清水、COOの池内です。音成はアドバンテッジパートナーズ出身、CFOの清水はゴールドマン・サックス出身で日本株運用などバイサイドで15年間担当していました。COOの池内はグロース企業出身です。社外取締役にはCVCアジア代表を務める赤池氏がおります。役員には外資系金融機関出身者が多く、その経験が当社の事業にも活かされています。
取材者 次に、プロダクトのポジショニングについてお伺いします。
回答者 売上・利益の9割を稼いでいる新卒・中途向けの就職支援サービスは、競合が多い市場です。新卒市場では、株式会社マイナビを筆頭に、最近では新規参入企業やビズリーチ株式会社などが部分的参入している状況です。その他、様々な特化サイトがありますが、当社の直接的な競合は少ないです。当社は、新卒市場のトップ10%、つまり年間約50万人の卒業生のうち、上位5万人にフォーカスしたサービスを提供しています。彼らを「外資就活.com」というサービス名で支援しています。
取材者 具体的には、どのような学生が多いのでしょうか?
回答者 東京大学、京都大学、一橋大学などの旧帝大、早稲田大学、慶應義塾大学などの難関大学の学生が中心です。大学別に見ると、東大では90%以上の学生が利用しているというデータもあります。こうした優秀な学生を獲得したい企業にとって、非常に魅力的なサイトとなっています。中途採用においても、新卒で入社した企業から転職を考える方が多く、属性としては新卒と似ています。コンサルタント、金融、企画、マーケティング、営業などの職種の方が多く、TOEICの平均スコアも700~800点と非常に高いです。
取材者 難関大学以外の学生は、どのような方が利用されているのでしょうか?
回答者 最近は、戦略的にエンジニアの学生を増やしています。彼らは、大学名や一般的な学力よりも、コーディングスキルなど専門性の高い能力を持つ方が多いです。電気通信大学、東京理科大学、東京電機大学、会津大学などの学生も増えつつあります。
取材者 貴社プラットフォームの提供価値についてお伺いします。
回答者 当社が最も大切にしているのは、「ユーザーに選ばれるメディアサイト」であることです。会社のキャッチフレーズも「ユーザーファースト」です。新卒サービスに登録している優秀な学生の約8~9割は、オーガニックに登録しています。つまり、広告費をかけずに、口コミやサービスの質で学生を集めているということです。これは、当社の価値の根源と言えるでしょう。多くの企業は、新卒採用に多額の広告費をかけていますが、当社は数千万程度です。これは、優秀な学生の嗜好に合わせたサービスを提供できているからだと考えています。学生の嗜好は、大学によって大きく異なります。例えば、一般的な学生向けのアンケートでは、誰もが知っているような大企業が人気を集めます。しかし、当社のユーザー層であるトップ10%の学生は、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどの外資系企業を志望する傾向があります。彼らの思考性と、当社のサービスがうまくマッチしていることが強みです。
取材者 ビジネスモデルについて詳しく教えてください。
回答者 新卒で獲得したユーザーは、卒業後も囲い込むために、中途向けのサービス「Liiga(リーガ)」を提供しています。優秀な学生をオーガニックで獲得し、彼らを採用したい企業に対して、広告掲載料や採用教育費などで収益を得ています。企業からお金をいただき、学生にサービスを提供するBtoCtoBのビジネスモデルです。中途採用では、エージェントがプラットフォームを利用して転職候補者にスカウトを行い、成功報酬を得るというモデルです。
取材者 貴社はプラットフォームを提供し、エージェントはそれを利用するということですか?
回答者 その通りです。従来は自社で紹介事業は行っていませんでしたが、最近は一部サービス提供を開始しております。
取材者 なぜ、これまで紹介事業に参入しなかったのでしょうか?
回答者 プラットフォーマーとして運営する方が、労働集約型にならず、利益効率が良かったからです。エージェント紹介事業を行うとなると、エージェントの人数を増やす必要があります。売上を倍増させるには、エージェントも倍増させなければなりません。当社はITプラットフォームを基盤とした会社なので、エージェント紹介事業は本来の事業とは考えていませんでした。しかし、最近は新卒・中途ともに採用が厳しくなり、企業側から紹介や採用プロセスの支援を求める声が強くなりました。そこで、当社もエージェント紹介事業への試験的な参入を開始しています。
取材者 先ほど、会社の方針として能力開花を重視されているとのことでしたが、就職支援サービスでは具体的にどのようなサービスを提供されているのでしょうか?
回答者 当社は、就職活動支援サイト「外資就活.com」で、能力開花のためのコンテンツを提供しています。社内には、記者出身の編集者などが在籍しており、コンサルティングファームに入るための方法や、ロジカルシンキング、ケース面接対策などのコンテンツを制作しています。また、就職活動だけでなく、中長期的なキャリア支援にも力を入れています。例えば、コンサルティングファーム入社後のキャリアパスや、先輩の事例などを紹介しています。中には、コンサルファームを辞めて海外留学し、外資系企業の日本代表になった人や、起業した人もいます。こうした事例を参考に、学生は自分のキャリアプランを描き、具体的な目標を立て、行動することができます。その他にも、コンサルティング講座や、海外留学支援などのサービスも提供しています。コンサルティング講座は、現役のコンサルタントが講師を務め、実践的な内容となっています。これらのサービスは有料ですが、学生からは好評を得ています。
取材者 学生のニーズに合わせたサービスを提供しているのですね。
回答者 その通りです。学生のニーズは多様化しており、画一的なサービスでは対応できません。当社は、学生一人ひとりのニーズに合わせたサービスを提供することで、高い満足度を得ています。
取材者 有料のコンサルティング講座が人気とのことですが、それはなぜでしょうか?
回答者 学生は、小手先のテクニックではなく、本当に自分のスキルや能力に繋がるものには投資を惜しみません。例えば、エクセル講座やパワーポイント講座のような、短期的なスキルアップのための講座は人気がありません。一方、コンサルティングの基礎から応用までを網羅した、本格的な講座は人気があります。こうした講座は、学生の能力開花に大きく貢献できるため、高い満足度を得ています。
取材者 貴社の収益構造について教えてください。
回答者 収益は、主に企業からの広告掲載料や採用教育費で構成されています。新卒と中途の売上比率は、約9対1で、新卒が収益の柱となっています。新卒サービスは、大きく2つのタイプに分けられます。1つは、自社で運営する「外資就活.com」へのバナー広告掲載です。もう1つは、スカウトサービスです。
取材者 それぞれについて詳しく教えてください。
回答者 バナー広告は、月額制で、掲載期間やサイズによって料金が異なります。単価は他社と比べて非常に高く、10倍以上になることもあります。掲載社数は多くありませんが、継続率は非常に高く、安定した収益源となっています。
取材者 なぜ、単価を高く設定できるのでしょうか?
回答者 当社は、学生の質が高いことが強みです。例えば、外資戦略コンサルティングファームや外資系金融機関のトップファームにおいては、新卒採用の内定者の9割以上が「外資就活.com」経由でエントリーしています。こうした企業にとって、当社は代替不可能なメディアであり、費用に見合う採用効果を得られるため、相対的に高い単価を支払ってでも掲載したいと考えています。
取材者 なるほど。スカウトサービスについてはいかがでしょうか?
回答者 スカウトサービスは、企業が学生に直接スカウトを送ることができるサービスです。近年、このサービスの利用が急増しており、売上を大きく伸ばしています。従来の広告掲載型では、学生が企業に応募するのを待つという受動的な採用手法でした。しかし、スカウト型では、企業が学生に直接アプローチできるため、より積極的に採用活動を行うことができます。
取材者 スカウトサービスの料金体系は、どのようなものですか?
回答者 他社のスカウトサービスは、成功報酬型が多いです。内定承諾時に数十万円から数百万円の料金が発生します。しかし、当社のスカウトサービスは、1通あたり何千円の従量課金制です。学生の質が高いので、成功報酬型にしなくても収益化できるからです。また、1人の学生を複数の企業に紹介できるので、会員数以上に収益を上げることができます。
取材者 スカウトサービスのKPIは何ですか?
回答者 スカウトの開封率、クリック率、承諾率などをKPIとしています。特に、承諾率は50%以上と非常に高く、学生からの評判も良いです。掲載企業は厳選しており、無名企業や怪しい企業は掲載を断っています。そのため、学生は安心してスカウトに応募することができます。
取材者 掲載企業は、どのように集めているのでしょうか?
回答者 従来は、すべてインバウンドで集めていました。しかし、ここ数年はアウトバウンド営業も開始しています。ただし審査基準は厳格で、利用希望企業の約半数は掲載審査にて落ちる傾向にあります。効果が出ずに解約する企業もありますが、一方で、継続して利用される企業は品質と効果に満足されて受注金額を大幅に増やしていく傾向が高いです。
取材者 学生からの人気が高い企業ほど、長く利用してくれるのですね。
回答者 その通りです。当社は、他社と比べて営業活動は控えめです。プロダクトの価値を重視し、高価格帯のサービスを提供しています。成功報酬型にしたり、無料体験期間を設けたりすると、ユーザー離れやスパムスカウトの増加に繋がってしまう可能性があります。そのため、品質を重視したサービスを提供しています。
取材者 学生は誰でも登録できるのでしょうか?
回答者 はい、学歴などのフィルターは一切かけていません。しかし、掲載企業がグローバルに活躍できるチャレンジングな企業が多いため、自然と意識の高い学生が集まっています。また、「外資就活.com」というサイト名から、外資系企業に興味のある学生が多いというバイアスもかかっています。
取材者 なるほど。学生の登録時期について教えてください。
回答者 一般的な就職活動サイトでは、3年生の夏頃から登録が増え始めます。しかし、当社では2年生の12月頃から登録が始まります。これは、意識の高い学生が、夏のインターンシップに向けて準備を始めるためです。中には、1年生から登録する学生もいます。こうした学生を囲い込みたい外資系企業にとって、当社は非常に魅力的なメディアとなっています。
取材者 なるほど。学生の地域差はありますか?
回答者 はい、関東の学生は意識が高く、就職活動の準備も早いです。早稲田大学、慶應義塾大学や東京大学、一橋大学などの学生は、2年の終わり頃から就職活動の準備を始めます。一方、地方の学生は、3年の夏頃から就職活動を始めることが多いです。このスタート時期の違いは明確な差となって現れています。
取材者 なるほど。今期の業績は好調とのことですが、その要因は何でしょうか?
回答者 新卒・中途ともに好調ですが、特に新卒の伸びが大きいです。要因としては、スカウトサービスの導入、顧客サポートの強化、マーケティング活動の強化などが挙げられます。従来はインバウンドマーケティングのみでしたが、最近はアウトバウンドマーケティングにも力を入れています。また、ウェブサイトの改善や、営業体制の強化なども行っています。
取材者 なるほど。新規事業の「mond」の進捗状況はいかがでしょうか?
回答者 「mond」は、収益化に向けて先行投資を行っている段階です。コンセプトは、企業の採用教育費に依存しない、新しい知識共有プラットフォームです。少子高齢化の影響で、新卒の年収は上昇傾向にあり、採用教育費も増加しています。しかし、この状況が未来永劫続く保証はありません。そこで、当社は「mond」を、将来を見据えた新しいビジネスモデルとして育成しています。「mond」は、グローバルに展開できるプロダクトでもあります。現在、日本語のみならず、英語を含む他言語で提供しており、今後は英語圏での展開に力を入れていきます。リリースから2年で、デイリーアクティブユーザー数は「外資就活.com」を遥かに大きく超えています。類似サービスと比べても、国内でトップ規模に成長しています。
取材者 収益化方法について詳しく教えてください。
回答者 投げ銭(スーパーギフト)は、質問者が回答者に対して金銭を送ることができる機能です。質問への報酬(スーパーレター)は、質問者が回答者に報酬を支払うことで、より質の高い回答を得られるようにする機能です。サブスクリプション(メンバーシップ)は、月額料金を支払うことで、限定コンテンツを閲覧できるようにする機能です。具体的には、「mond」のページをご覧いただいた方がわかりやすいと思います。
取材者 「mond」には、どのような方が参加されているのでしょうか?
回答者 様々な分野の専門家やインフルエンサーが参加しています。例えば、プロゲーマー、プロ雀士、占い師、VTuberなど、多岐にわたります。
取材者 なるほど。報酬付きの質問は、誰にでも送ることができるのでしょうか?
回答者 はい、特定の回答者に対して、質問と一緒に報酬を支払うことができます。なかなかTwitter上では実現できないような、好きな人への質問や投げ銭を可能にすることで、新たなコミュニケーションの形を提供しています。
取材者 誹謗中傷対策はどのように行っていますか?
回答者 AIと人力で監視を行い、誹謗中傷を排除しています。また、他のサービスと比べてマージンを低く設定することで、質の高い回答を促しています。
取材者 株主還元策について教えてください。
回答者 当社はグロース企業であり、成長投資を優先しています。そのため、株主還元はキャピタルゲインを重視しています。また、流動性の低さが課題です。そのため、発行済み株式数を増やすか、株主の持分を減らす必要があります。現在、プライム市場への移行を目指しており、そのための要件を満たすために、固定株を流動化させることを検討しています。配当については、マイクロキャップ企業にとって、あまり効果的ではないと考えています。流動性が低いため、配当を出しても株価に大きな影響を与えません。むしろ、EPSの成長を重視し、流動性を高める方が重要だと考えています。
20250123 CP&X
事業内容
新卒・中途向け就職支援サービス(「外資就活ドットコム」、「Liiga」)と知見共有プラットフォーム「mond」を運営。 難関大学生や外資系企業・コンサル・金融機関・商社等を目指す意識の高い学生層をターゲットに、就職活動のノウハウ提供、企業情報・求人情報の提供、イベント開催、有料講座、個別指導などを実施。 中途向けには転職エージェントとの提携、自社エージェント業務を行う。
創業の経緯と転機
2010年に動画配信サイトとして創業するも収益化に苦戦し、並行して立ち上げていた就職支援サイトが軌道に乗り、現在の主力事業へと転換した。
ビジネスモデル
就職支援サービスでは、学生の質の高さを強みに、企業からの広告掲載料とスカウトサービス利用料を収益源とする。 中途向けサービスでは転職エージェントからの成功報酬を収益とする。 新規事業「mond」は、投げ銭機能、報酬付き質問機能、サロン機能による収益化を目指している。
直近の決算状況
開示資料によると、2022年度にスカウト型サービス導入により売上高が再度伸び始めた。 2023年度は計画中だが、過去4年間の業績推移から、新卒・中途ともに順調に成長していることが見込まれる。
特徴・強み
難関大学生の利用率が高く、東大生の90%以上が利用。 8~9割の学生がオーガニックに登録し、広告宣伝費を抑えながら高い収益率を維持している。 また、外資系企業やコンサルティングファーム、金融機関とのパイプが強く、これらの企業への就職実績が高いことも強み。
成長戦略
新卒・中途向けサービスの拡充に加え、新規事業「モンド」の収益化を図る。 グローバル展開も視野に入れ、M&Aも積極的に検討し、事業拡大を目指す。
株主還元策
成長投資を優先するため、配当は行わない。 株主還元は主にキャピタルゲインにより行う方針。 流動性向上にも取り組み、将来的に株式分割や自社株買いも検討する。
今期の取り組み
スカウトサービス導入による企業の採用活動効率化、顧客満足度向上のためのサポート体制強化、マーケティング強化などを実施。 顧客へのヒアリングを通してニーズを捉え、サービス改善を継続している。
取締役CFO 清水伸太郎様
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