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(株)石井表記

東証STD 6336

決算:1月末日

20250729

決算概要

当第1四半期連結累計期間の売上高は、海外子会社のJPN(フィリピン)および上海賽路客電子有限公司(中国)において、新規顧客や既存顧客からの量産案件獲得などにより受注が増加基調になり前年同期比で増収増益(売上高+13.0%、営業利益+267.0%)となりました。


セグメント別または事業別の増減要因

JPNおよび上海賽路客電子有限公司が属するセグメント「ディスプレイおよび電子部品」が前年同期比で増収増益です(上記決算概要より)。中国においては電子部品実装需要に回復傾向が見られました。

季節性・一過性要因の有無と影響

当四半期において、業績に影響した季節性、一過性要因はございません。


通期見通しと進捗率・達成可能性

上期の達成度は47.1%、通期では18.8%になっています。

工作機械並びに産業用機械向け操作パネルについては電子部品が不足した年の先行手配による増産が未だ尾を引き、客先での在庫解消が思うように進まず生産調整が続いています。装置関係ではメイン装置に前後装置を付帯したラインでの発注は見積金額も高くなりますが、納期も長くなりますので、受注時期が想定より遅れると売上計上時期が後ろ倒し(期ずれ)になる可能性があります。

株主還元の方針

安定かつ継続的に実施することを基本方針としています。

・資料

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​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • ビジネスモデルや事業内容

    3つの事業を展開。デバイス事業は、小ロット多品種の液晶システムやユニット製品、シルク印刷などを組み合わせたワンストップソリューションを提供。独自製品のGOPディレクションシステムは、工作機械や産業機械などに組み込まれるスイッチとして、高い評価を獲得。装置事業は、基板を薄く研磨する装置を主力製品とし、顧客の要望に応じたカスタマイズが可能。インクジェット事業は、大型装置による液体の塗布技術を保有。近年では、高精度な塗布が可能な小型装置の開発にも注力。

     

    創業の経緯と転機となった出来事

    会長の石井氏が中学校卒業後、ネームプレート工場で技術を習得し独立。その後、電子部品製造に必要な表面処理技術を応用し、装置事業に参入。顧客の要望に応える形で事業を拡大し、現在の3事業体制を確立。

     

    直近の決算状況

    前々期は、世界的な半導体需要の活況を受け、3事業とも好調に推移。昨年はその反動で需要が減少し、業績が悪化。 今期はAI関連を中心に半導体の需要は拡大しており、回復傾向だが、液晶関連分野においては液晶パネルの需要停滞しており、全体的にはやや苦戦を強いられる。

     

    成長戦略

    インクジェット技術の横展開を推進し、新たな顧客や市場の開拓に注力。プリント基板研磨装置の高精細化など、技術力の向上を追求。デバイス事業では、自動車関連など、高付加価値製品への参入を目指す。

     

    株主還元策

    安定的な配当を継続。過去の業績悪化に伴い、配当を一時停止した経験を踏まえ、安定配当を重視する方針。

     

    今期の取り組みやトピックス

    インクジェット技術の応用範囲拡大に向け、顧客と共同で開発を推進。プリント基板研磨装置のさらなる高精細化を図る。デバイス事業では、自動車関連分野への参入に向け、技術開発を強化。

  • Q. 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    A. 当社の事業は、デバイス事業、装置事業、インクジェット事業の3つの柱で成り立っています。強みは、少量生産の対応力と、高い技術力です。デバイス事業では、お客様のニーズに合わせて、液晶システム、ユニット製品、シルク印刷などを組み合わせたワンストップソリューションを提供しています。装置事業では、基板を薄く研磨する装置を製造しており、顧客の要望に応じたカスタマイズが可能です。インクジェット事業では、大型装置による液体の塗布技術を強みとしています。また、プリント基板実装においては、海外の子会社で大量生産に対応できる体制も整えています。

     

    Q. 各事業の関係性についてご説明ください。

    A. 各事業は、「表面」へのこだわりという点で共通しています。デバイス事業では表面への印刷、装置事業では表面の研磨、インクジェット事業では表面への液体塗布といったように、表面処理に関する技術を軸に事業を展開しています。

     

    Q. 今期の業績についてご説明ください。

    A. 今期は、世界的な半導体市況の悪化や、前年の特需の反動などにより、業績は苦戦しています。特に、中国経済の減速が影響し、主力の装置事業において、顧客の設備投資が抑制されている状況です。加えて、液晶パネルの需要減少に伴い、インクジェット事業も減収となっています。しかし、デバイス事業は堅調に推移しており、今後の回復が期待されます。

     

    Q. 液晶関連分野の新規参入需要はどのようなものですか?

    A. 液晶テレビ市場は、有機ELテレビへの移行や、テレビ全体の需要減少により縮小傾向にあり、既存顧客の新たな工場建設や設備増設はほとんど無くなってきていますが、一方で新たな企業の参入もあり、受注をいただけるよう注力しています。液晶関連分野で培ったインクジェット技術は環境負荷低減などサステナビリティへの取り組みに適応した技術であり、さまざまな分野のお客様に向けて展開していきたいと考えています。

     

    Q. 新規顧客に対する取り組みはどのようなものですか?

    A. 当社は、新規顧客の獲得に向けて、積極的に展示会やセミナーに参加し、製品や技術力のPRに努めています。また、顧客のニーズを的確に把握するため、営業担当者による訪問やヒアリングを強化しています。

     

    Q. 株主還元策の方針についてご説明ください。

    A. 当社は、株主還元を経営の重要課題の一つと認識し、安定的な配当の継続を基本方針としています。配当性向については、業績や財務状況などを総合的に勘案し、適切に判断していきます。

     

    Q. 成長戦略についてご説明ください。

    A. 今後は、既存事業の強化に加え、新規事業の開拓にも積極的に取り組んでいきます。具体的には、インクジェット技術を応用した新たな製品開発や、M&Aによる事業領域の拡大などを検討しています。

     

    Q. 創業の経緯を教えてください。

    A. 当社は、創業者の石井が中学校卒業後にネームプレート工場で技術を習得し、独立したのが始まりです。その後、印刷技術を応用した電子部品の製造や、表面処理技術を応用した装置事業へと、事業領域を拡大してきました。創業以来、お客様のニーズに応えるべく、技術革新と品質向上に努めてきた結果、今日の発展に至っています。

  • 取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    回答者:弊社は3つの事業部から成り立っております。 まずは、デバイス事業本部です。もともとは小ロットの注文を、社内で一貫して対応できることを強みとしていました。ワンストップソリューションと呼んでおり、他社では対応できないような小ロットの案件でも、社内で完結できる体制を整えています。液晶システムやユニット製品、シルク印刷などを組み合わせ、お客様のニーズに合わせた製品を製作しています。 中でも、自社製品として「GOPディレクションシステム」という、工作機械や産業機械などに組み込まれるスイッチパネルを開発しました。 スイッチパネルも小ロットに対応しており、10個から1,000個程度の注文をいただくことが多いです。 健康器具や産業機械、ガソリンスタンドのパネルなど、様々な用途で利用されています。

    次に、印刷製品事業本部です。従来は、小ロットのネームプレートやシルク印刷などを中心に手がけてきましたが、現在は、より大きな製品にも対応できる体制を構築しています。 例えば、マツダ様の車載ナビゲーションシステムのフロントパネルの印刷なども手がけています。 フィルムに印刷をして、それを窓で貼り付けるという工程で、フィルム印刷や加工の技術を駆使しています。

    取材者: 自動車関連の事業は、いつ頃から始められたのでしょうか?

    回答者: 10年ほど前から、小ロットではなく、大量ロットの印刷にも対応するようになったことがきっかけです。 自動車業界は、生産調整などが入りやすく、売上変動が大きいという側面もありますが、新たな分野として注力しています。

    3つ目の事業は、プリント基板実装事業本部です。少量のロットであれば、社内で対応していますが、大規模な案件は、海外子会社の上海工場で対応しています。 また、フィリピンの子会社では、グラビア印刷などの大量印刷に対応しています。

    4つ目の事業は、装置事業本部です。基板材料を高精度に研磨する装置をメインに製造しています。 お客様の要望に応じて、研磨軸の数を増やすなど、カスタマイズにも対応しています。 基板だけでなく、ブレーキパッドなどの自動車部品の研磨装置も手がけています。 装置事業の強みは、独自の技術力です。中国製の模倣品もありますが、高精度の研磨装置は、弊社の技術でなければ実現できません。 これは、長年の経験と、お客様の要望に応え続けることで培ってきたものです。何枚も重ねた基板を、歪みなく研磨する技術は、弊社の強みです。

    最後に、インクジェット事業本部です。大型装置で、液晶パネルなどに液体を塗布する技術を保有しています。 中国の液晶パネルメーカーを中心に、大型装置を納入してきました。 しかし、液晶パネル市場は、有機ELへの移行や価格低下が進み、ピークを過ぎています。 そこで、現在は小型装置の開発に力を入れています。 インクジェット技術は、狙った場所にピンポイントに塗布できるため、材料の無駄を削減できます。 資源の有効活用やコスト削減が求められる中、インクジェット技術への注目が高まっています。 お客様からは、様々な液体の塗布に関する相談をいただきます。液体の粘度や特性、塗布する素材など、お客様の要望は多岐にわたります。 そこで、お客様と共同でテストや評価を行い、最適な塗布方法を検討しています。

    取材者: 3つの事業をお伺いしましたが、いずれも表面処理や塗布技術が強みであると感じました。しかし、事業間の関連性が低いようにも見受けられます。これについて、どのようにお考えでしょうか?

    回答者: 表面にこだわっている点は、社内全体で共通認識となっています。印刷、研磨、塗布など、表面処理に関する技術を追求することで、お客様の要望に応えてきました。

    創業時から、表面処理技術にこだわってきたことが、現在の事業につながっています。最初はネームプレートの製造から始まり、お客様からの要望に応える形で、様々な分野に事業を拡大してきました。

    取材者: 創業の経緯について、詳しく教えていただけますか?

    回答者: 創業者の石井は、中学校卒業後、すぐに社会に出たいという強い意志を持っていました。 当時、学校の先生から紹介された会社の中で、大きな会社では技術を全て習得できないと考え、ネームプレート製造会社を選びました。 そこで、ネームプレートの製造に必要な技術を徹底的に学び、独立したことが創業のきっかけです。 創業者は、「社員一人ひとりが、自分の名前を刻んだ製品を世に送り出せるような会社にしたい」という思いを持っていたそうです。 その思いが、装置開発や事業拡大の原動力となっています。

    ネームプレートの製造で培った印刷技術を応用し、表面を適度に荒らす装置を開発しました。 この装置は、板金業界やプリント基板業界でも活用され、装置事業の基礎を築きました。

    取材者: 次に、業績についてお伺いします。近年、業績が低迷している要因は、中国経済の影響が大きいのでしょうか?

    回答者: はい、ここ3年間は、前年と比べて業績が低迷しています。 特に、一昨年は世界的に半導体需要が活況で、弊社の業績も好調でしたが、昨年は反動で需要が減少し、業績が悪化しました。 これは、世界的な半導体不足の影響で、お客様からの先行発注が集中した反動によるものです。

    プリント基板実装や装置事業は、半導体需要の影響を受けやすい傾向があります。 一方で、液晶関連分野は比較的堅調に推移しています。

    取材者: 液晶関連分野の新規顧客開拓については、いかがでしょうか?

    回答者: 液晶テレビ市場は縮小していますが、その他の分野で、新たな需要が生まれています。 新規顧客の開拓にも力を入れており、インクジェット技術を活用した新たなソリューションを提案しています。

    取材者: 具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか?

    回答者: インクジェット技術は、従来の塗布方法に比べて、材料の無駄を削減できるというメリットがあります。 環境意識の高まりやコスト削減のニーズに対応するため、インクジェット技術の活用範囲を広げています。 お客様の要望に合わせて、様々な液体の塗布に対応できるよう、技術開発を進めています。

    取材者: 株主還元策については、いかがでしょうか?

    回答者: 10数年前、ソーラー事業の失敗により、業績が悪化した時期がありました。 その際、配当を停止し、リストラも実施しました。 しかし、その後、業績が回復し、配当を再開しました。 当時は、どんなに赤字でも配当を継続したいという強い思いがありました。 配当を再開した際は、10円の配当を継続して支給しました。 現在でも、安定的な配当を継続することを基本方針としています。

    取材者: 最後に、今後の成長戦略についてお伺いします。

    回答者: 既存技術の深掘りと、新規分野への応用を推進していきます。 インクジェット技術は、液晶パネル以外の分野にも展開していきます。 また、プリント基板研磨装置は、より高精度な研磨を実現できるよう、技術開発を進めています。 さらに、デバイス事業においても、自動車部品などの分野に積極的に参入していきたいと考えています。 自動車部品は、屋外で使用するものが多いため、高い耐久性が求められます。 弊社の技術力を活かし、高品質な製品を提供することで、自動車部品市場でのシェア拡大を目指します。

  • IR担当

(株)石井表記

東証STD 6336

決算:1月末日

決算概要

当第1四半期連結累計期間の売上高は、海外子会社のJPN(フィリピン)および上海賽路客電子有限公司(中国)において、新規顧客や既存顧客からの量産案件獲得などにより受注が増加基調になり前年同期比で増収増益(売上高+13.0%、営業利益+267.0%)となりました。


セグメント別または事業別の増減要因

JPNおよび上海賽路客電子有限公司が属するセグメント「ディスプレイおよび電子部品」が前年同期比で増収増益です(上記決算概要より)。中国においては電子部品実装需要に回復傾向が見られました。

季節性・一過性要因の有無と影響

当四半期において、業績に影響した季節性、一過性要因はございません。


通期見通しと進捗率・達成可能性

上期の達成度は47.1%、通期では18.8%になっています。

工作機械並びに産業用機械向け操作パネルについては電子部品が不足した年の先行手配による増産が未だ尾を引き、客先での在庫解消が思うように進まず生産調整が続いています。装置関係ではメイン装置に前後装置を付帯したラインでの発注は見積金額も高くなりますが、納期も長くなりますので、受注時期が想定より遅れると売上計上時期が後ろ倒し(期ずれ)になる可能性があります。

株主還元の方針

安定かつ継続的に実施することを基本方針としています。

・資料

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取材アーカイブ

  • CP&X

     

    ビジネスモデルや事業内容

    3つの事業を展開。デバイス事業は、小ロット多品種の液晶システムやユニット製品、シルク印刷などを組み合わせたワンストップソリューションを提供。独自製品のGOPディレクションシステムは、工作機械や産業機械などに組み込まれるスイッチとして、高い評価を獲得。装置事業は、基板を薄く研磨する装置を主力製品とし、顧客の要望に応じたカスタマイズが可能。インクジェット事業は、大型装置による液体の塗布技術を保有。近年では、高精度な塗布が可能な小型装置の開発にも注力。

     

    創業の経緯と転機となった出来事

    会長の石井氏が中学校卒業後、ネームプレート工場で技術を習得し独立。その後、電子部品製造に必要な表面処理技術を応用し、装置事業に参入。顧客の要望に応える形で事業を拡大し、現在の3事業体制を確立。

     

    直近の決算状況

    前々期は、世界的な半導体需要の活況を受け、3事業とも好調に推移。昨年はその反動で需要が減少し、業績が悪化。 今期はAI関連を中心に半導体の需要は拡大しており、回復傾向だが、液晶関連分野においては液晶パネルの需要停滞しており、全体的にはやや苦戦を強いられる。

     

    成長戦略

    インクジェット技術の横展開を推進し、新たな顧客や市場の開拓に注力。プリント基板研磨装置の高精細化など、技術力の向上を追求。デバイス事業では、自動車関連など、高付加価値製品への参入を目指す。

     

    株主還元策

    安定的な配当を継続。過去の業績悪化に伴い、配当を一時停止した経験を踏まえ、安定配当を重視する方針。

     

    今期の取り組みやトピックス

    インクジェット技術の応用範囲拡大に向け、顧客と共同で開発を推進。プリント基板研磨装置のさらなる高精細化を図る。デバイス事業では、自動車関連分野への参入に向け、技術開発を強化。

  • Q. 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    A. 当社の事業は、デバイス事業、装置事業、インクジェット事業の3つの柱で成り立っています。強みは、少量生産の対応力と、高い技術力です。デバイス事業では、お客様のニーズに合わせて、液晶システム、ユニット製品、シルク印刷などを組み合わせたワンストップソリューションを提供しています。装置事業では、基板を薄く研磨する装置を製造しており、顧客の要望に応じたカスタマイズが可能です。インクジェット事業では、大型装置による液体の塗布技術を強みとしています。また、プリント基板実装においては、海外の子会社で大量生産に対応できる体制も整えています。

     

    Q. 各事業の関係性についてご説明ください。

    A. 各事業は、「表面」へのこだわりという点で共通しています。デバイス事業では表面への印刷、装置事業では表面の研磨、インクジェット事業では表面への液体塗布といったように、表面処理に関する技術を軸に事業を展開しています。

     

    Q. 今期の業績についてご説明ください。

    A. 今期は、世界的な半導体市況の悪化や、前年の特需の反動などにより、業績は苦戦しています。特に、中国経済の減速が影響し、主力の装置事業において、顧客の設備投資が抑制されている状況です。加えて、液晶パネルの需要減少に伴い、インクジェット事業も減収となっています。しかし、デバイス事業は堅調に推移しており、今後の回復が期待されます。

     

    Q. 液晶関連分野の新規参入需要はどのようなものですか?

    A. 液晶テレビ市場は、有機ELテレビへの移行や、テレビ全体の需要減少により縮小傾向にあり、既存顧客の新たな工場建設や設備増設はほとんど無くなってきていますが、一方で新たな企業の参入もあり、受注をいただけるよう注力しています。液晶関連分野で培ったインクジェット技術は環境負荷低減などサステナビリティへの取り組みに適応した技術であり、さまざまな分野のお客様に向けて展開していきたいと考えています。

     

    Q. 新規顧客に対する取り組みはどのようなものですか?

    A. 当社は、新規顧客の獲得に向けて、積極的に展示会やセミナーに参加し、製品や技術力のPRに努めています。また、顧客のニーズを的確に把握するため、営業担当者による訪問やヒアリングを強化しています。

     

    Q. 株主還元策の方針についてご説明ください。

    A. 当社は、株主還元を経営の重要課題の一つと認識し、安定的な配当の継続を基本方針としています。配当性向については、業績や財務状況などを総合的に勘案し、適切に判断していきます。

     

    Q. 成長戦略についてご説明ください。

    A. 今後は、既存事業の強化に加え、新規事業の開拓にも積極的に取り組んでいきます。具体的には、インクジェット技術を応用した新たな製品開発や、M&Aによる事業領域の拡大などを検討しています。

     

    Q. 創業の経緯を教えてください。

    A. 当社は、創業者の石井が中学校卒業後にネームプレート工場で技術を習得し、独立したのが始まりです。その後、印刷技術を応用した電子部品の製造や、表面処理技術を応用した装置事業へと、事業領域を拡大してきました。創業以来、お客様のニーズに応えるべく、技術革新と品質向上に努めてきた結果、今日の発展に至っています。

  • 取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    回答者:弊社は3つの事業部から成り立っております。 まずは、デバイス事業本部です。もともとは小ロットの注文を、社内で一貫して対応できることを強みとしていました。ワンストップソリューションと呼んでおり、他社では対応できないような小ロットの案件でも、社内で完結できる体制を整えています。液晶システムやユニット製品、シルク印刷などを組み合わせ、お客様のニーズに合わせた製品を製作しています。 中でも、自社製品として「GOPディレクションシステム」という、工作機械や産業機械などに組み込まれるスイッチパネルを開発しました。 スイッチパネルも小ロットに対応しており、10個から1,000個程度の注文をいただくことが多いです。 健康器具や産業機械、ガソリンスタンドのパネルなど、様々な用途で利用されています。

    次に、印刷製品事業本部です。従来は、小ロットのネームプレートやシルク印刷などを中心に手がけてきましたが、現在は、より大きな製品にも対応できる体制を構築しています。 例えば、マツダ様の車載ナビゲーションシステムのフロントパネルの印刷なども手がけています。 フィルムに印刷をして、それを窓で貼り付けるという工程で、フィルム印刷や加工の技術を駆使しています。

    取材者: 自動車関連の事業は、いつ頃から始められたのでしょうか?

    回答者: 10年ほど前から、小ロットではなく、大量ロットの印刷にも対応するようになったことがきっかけです。 自動車業界は、生産調整などが入りやすく、売上変動が大きいという側面もありますが、新たな分野として注力しています。

    3つ目の事業は、プリント基板実装事業本部です。少量のロットであれば、社内で対応していますが、大規模な案件は、海外子会社の上海工場で対応しています。 また、フィリピンの子会社では、グラビア印刷などの大量印刷に対応しています。

    4つ目の事業は、装置事業本部です。基板材料を高精度に研磨する装置をメインに製造しています。 お客様の要望に応じて、研磨軸の数を増やすなど、カスタマイズにも対応しています。 基板だけでなく、ブレーキパッドなどの自動車部品の研磨装置も手がけています。 装置事業の強みは、独自の技術力です。中国製の模倣品もありますが、高精度の研磨装置は、弊社の技術でなければ実現できません。 これは、長年の経験と、お客様の要望に応え続けることで培ってきたものです。何枚も重ねた基板を、歪みなく研磨する技術は、弊社の強みです。

    最後に、インクジェット事業本部です。大型装置で、液晶パネルなどに液体を塗布する技術を保有しています。 中国の液晶パネルメーカーを中心に、大型装置を納入してきました。 しかし、液晶パネル市場は、有機ELへの移行や価格低下が進み、ピークを過ぎています。 そこで、現在は小型装置の開発に力を入れています。 インクジェット技術は、狙った場所にピンポイントに塗布できるため、材料の無駄を削減できます。 資源の有効活用やコスト削減が求められる中、インクジェット技術への注目が高まっています。 お客様からは、様々な液体の塗布に関する相談をいただきます。液体の粘度や特性、塗布する素材など、お客様の要望は多岐にわたります。 そこで、お客様と共同でテストや評価を行い、最適な塗布方法を検討しています。

    取材者: 3つの事業をお伺いしましたが、いずれも表面処理や塗布技術が強みであると感じました。しかし、事業間の関連性が低いようにも見受けられます。これについて、どのようにお考えでしょうか?

    回答者: 表面にこだわっている点は、社内全体で共通認識となっています。印刷、研磨、塗布など、表面処理に関する技術を追求することで、お客様の要望に応えてきました。

    創業時から、表面処理技術にこだわってきたことが、現在の事業につながっています。最初はネームプレートの製造から始まり、お客様からの要望に応える形で、様々な分野に事業を拡大してきました。

    取材者: 創業の経緯について、詳しく教えていただけますか?

    回答者: 創業者の石井は、中学校卒業後、すぐに社会に出たいという強い意志を持っていました。 当時、学校の先生から紹介された会社の中で、大きな会社では技術を全て習得できないと考え、ネームプレート製造会社を選びました。 そこで、ネームプレートの製造に必要な技術を徹底的に学び、独立したことが創業のきっかけです。 創業者は、「社員一人ひとりが、自分の名前を刻んだ製品を世に送り出せるような会社にしたい」という思いを持っていたそうです。 その思いが、装置開発や事業拡大の原動力となっています。

    ネームプレートの製造で培った印刷技術を応用し、表面を適度に荒らす装置を開発しました。 この装置は、板金業界やプリント基板業界でも活用され、装置事業の基礎を築きました。

    取材者: 次に、業績についてお伺いします。近年、業績が低迷している要因は、中国経済の影響が大きいのでしょうか?

    回答者: はい、ここ3年間は、前年と比べて業績が低迷しています。 特に、一昨年は世界的に半導体需要が活況で、弊社の業績も好調でしたが、昨年は反動で需要が減少し、業績が悪化しました。 これは、世界的な半導体不足の影響で、お客様からの先行発注が集中した反動によるものです。

    プリント基板実装や装置事業は、半導体需要の影響を受けやすい傾向があります。 一方で、液晶関連分野は比較的堅調に推移しています。

    取材者: 液晶関連分野の新規顧客開拓については、いかがでしょうか?

    回答者: 液晶テレビ市場は縮小していますが、その他の分野で、新たな需要が生まれています。 新規顧客の開拓にも力を入れており、インクジェット技術を活用した新たなソリューションを提案しています。

    取材者: 具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか?

    回答者: インクジェット技術は、従来の塗布方法に比べて、材料の無駄を削減できるというメリットがあります。 環境意識の高まりやコスト削減のニーズに対応するため、インクジェット技術の活用範囲を広げています。 お客様の要望に合わせて、様々な液体の塗布に対応できるよう、技術開発を進めています。

    取材者: 株主還元策については、いかがでしょうか?

    回答者: 10数年前、ソーラー事業の失敗により、業績が悪化した時期がありました。 その際、配当を停止し、リストラも実施しました。 しかし、その後、業績が回復し、配当を再開しました。 当時は、どんなに赤字でも配当を継続したいという強い思いがありました。 配当を再開した際は、10円の配当を継続して支給しました。 現在でも、安定的な配当を継続することを基本方針としています。

    取材者: 最後に、今後の成長戦略についてお伺いします。

    回答者: 既存技術の深掘りと、新規分野への応用を推進していきます。 インクジェット技術は、液晶パネル以外の分野にも展開していきます。 また、プリント基板研磨装置は、より高精度な研磨を実現できるよう、技術開発を進めています。 さらに、デバイス事業においても、自動車部品などの分野に積極的に参入していきたいと考えています。 自動車部品は、屋外で使用するものが多いため、高い耐久性が求められます。 弊社の技術力を活かし、高品質な製品を提供することで、自動車部品市場でのシェア拡大を目指します。

  • IR担当

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