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(株)property technologies

東証GRT 5527

決算:11月末日

20251104

CP&X


決算概要

2025年11月期第3四半期の決算は、売上高36,071百万円(前期比+8,236百万円)、営業利益1,544百万円(前期比+1,111百万円)、純利益780百万円(前期比+732百万円)。マンション、開発、戸建と全般的に好調。相対的に人件費等固定費負担の少ないプレミアムマンション、開発の売上計上により販管費率が低下し高利益確保に繋がっています。


セグメント別または事業別の増減要因

中古マンションは都心(東京)の売れ行きが好調で各社都心集中の動きがあるように言われていますが、当社は札幌から沖縄まで15都市でそれぞれ高回転・高粗利を獲得できる物件を厳選して仕入れていることで、地方分散を保ったまま好業績を得られています。


主要KPIの進捗と変化

第3四半期累計の仕入契約額が前期比27.6%増、販売契約額が前期比34.0%増と、ビジネスが拡大しています。要因は2つで、厳選仕入の効果として単価が上がり販売期間が短縮してきていること、取扱商品の拡張(プレミアムマンションの本格取扱い)により仕入販売が成長していることです。


季節性・一過性要因の有無と影響

第3四半期は閑散期にあたりますが、上記「厳選仕入」「取扱商品の拡張」により販売が好調に推移しています。


通期見通しと進捗率・達成可能性

第3四半期決算発表と合わせて業績予想の上方修正を公表しました。残り1か月半の期間で中古マンション販売はまだ動きますが、毎期の販売動向や足もと状況を踏まえた計量に基づいていて、大きな未達リスクは無いものと思われます。


トピックス

中期経営計画2年目が順調に推移しており、最終年度の目標値は2年目のビジネスの延長線上にあるものとして、達成を目指して進めています。

・資料

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​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    2025年11月期第2四半期の決算は、売上高242億200万円(前年同期比27.4%増)、営業利益10億7,700万円(同284%増)、経常利益8億9,700万円(同530.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益5億4,500万円となり、大幅な増収増益を達成した。売上が順調な主な理由は、スタンダードマンションの販売増加と開発案件の計上である。

     

    主要KPIの進捗と変化

    主要KPIの一つである査定数は、従来の仕入クロージング力を活かした「大量仕入」から、狙った物件を確実に仕入れる「厳選仕入」へと方針を転換したことにより査定対象物件の範囲が狭まったため、減少傾向にある。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    外国人による不動産取得規制や金利上昇といった外部要因については、居住用や中古物件を主に取り扱っているため、ビジネスへの直接的な影響は少ないとの認識である。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    スタンダードマンションの販売は前年同期比では順調であったものの、上期の予算に対しては長期保有在庫の販売計画がずれ込み未達であった。この未達分は、第3〜第4四半期で販売する十分な営業体力があるため、下期でカバーできる見込みである。また、第2四半期に長期保有在庫の積極的な販売に備えて計上した評価損も下期の売却で取り返すことが可能である。予算通りに達成し、さらに開発案件分の利益が上乗せできれば、通期での着地は上振れる可能性もあるとの見解である。

     

    トピックス

    流通株式比率の改善を課題として捉え、株式分割や個人投資家向けIRを強化し、流動性向上を図る考えである。

    将来収益に繋がるトピックスとして、メガバンクグループの信用保証会社であるみずほ信用保証株式会社への「KAITRY finance」の本格導入があり、信用度向上と横展開の可能性を期待している。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?

    A:厳選した仕入れを強化することで、利益率の向上を目指します。今後は、来期に向けて良質な在庫を確保するため、下期に良い物件の仕入れをしっかりと行います。また、販売する商品の多様化や多角化によって、新たな収益源を創出する方針です。具体的には、スタンダードマンションよりも利益率が期待できるプレミアムマンションの取扱いを拡大することで成長を加速させていきます。

     

    Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:現時点では、本業の質の向上に注力するため、M&Aや業務提携は優先順位を下げています。M&Aを検討できるメンバーは社内にいますが、まずは自社のビジネスをしっかりと確立し、足腰の強いビジネスモデルを構築することが先決だと考えています。その上で、シナジー効果が期待できる場合にM&Aを検討する方針です。

     

    Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。

    A:当初の中期経営計画では、年間2拠点ずつ出店し、ボリュームを拡大することで売上600億円、利益28億円を目指していました。しかし、初年度の動向と利益率の推移を鑑み、仕入在庫の見直しが必要と判断しました。マーケットが二極化している現状では、厳選した仕入れを行わなければ改善が見込めないため、拠点を増やしてボリュームを追う戦略を抑え、販売商品の多様化と多角化によって新たな収益を確保する方向へシフトしました。今後は、プレミアムマンションの取扱いを拡大することで、計画の達成を目指します。現在、第3四半期以降の売上に繋がる申し込みが進んでおり、来期に向けた仕込みも順調に進んでいるため、今後の進捗に手応えを感じています。

     

    Q:株主還元の方針をご説明ください。

    A:現時点での株主還元方針に変更はありません。安定配当を継続する方針です。今後は、内部留保と配当のバランスを考慮し、利益が出た場合の還元策について第3四半期以降に検討していく予定です。また、流通株式比率の基準抵触を早期に払拭し、株式分割やIR強化により個人投資家層を拡大することで、流動性向上を図っていきます。

  • 取材者:まず、2025年11月期第2四半期の決算についてお聞きします。売上高242億200万円、前年同期比27.4%の増加。営業利益10億7,700万円、同284%の増加。経常利益8億9,700万円、同530.3%の増加。親会社株主に帰属する中間純利益5億4,500万円というところで、大幅な増収増益で非常に好調な決算だと見ていました。増減要因についてご説明いただけますか。

     

    回答者:決算説明資料のPLをご覧いただければと思います。売上高増減では、ホームネットが56億円増加でしたが、戸建が4億2,000万円ほど減少しています。利益は、粗利益で8億3,900万円増加し、営業利益は7億9,500万円増加しています。

    プレミアムマンション販売は、下期に本格化します。上期売上が順調なのは、スタンダードマンションの販売が増えていることと、開発案件が第1四半期に続いて入ってきたためです。決算説明資料のデータ集も開示しているのですが、お手元にございますか。

     

    取材者:見ております。

     

    回答者:2ページ目に分野ごとのPLを出しています。このうち開発分野が第1~第2四半期で、売上利益ともに上がっており、この分の貢献度はそれなりにあると思います。

    また、スタンダード分野の第1~第2四半期が2024年11月期の第1~第2四半期に比べて順調に来ている部分もあるかと思います。

    プレミアムの第1~第2四半期はそこまでではありません。第3~第4四半期で元々上がってくる感じで、仕込みがこの上期にうまく仕上がってきているのが実態です。予算上、第1四半期はかなり低めに見ていたところですが、開発案件がうまく入ってきて、スタンダードマンションは引き続き好調に売れている印象です。

    決算説明会資料の12ページになりますが、本年度の予算があり、売上高の前年増分が第1~第2四半期に集中して上がる形になっています。スタンダードマンションは在庫期間が比較的長期になっているものがあります。本年度はマーケット環境も良いので、上期に相当程度まで価格を下げて売っていこうということで売上を見立てていました。その分、利益率が多少下がっても良いという内訳にしているのですが、正直なところそこまで売れませんでした。

     

    取材者:そうなのですね。

     

    回答者:我々のスタンダードマンションのビジネスは、仕入れが大切で、物件を仕入れ、リフォームして、仲介会社に売っていただくというビジネスモデルです。価格を下げて訴求力が上がれば売れるだろうと、そこまで簡単には思っていませんでしたが、ある程度そういった手は打っていました。しかし、我々の方から「価格を下げました、周辺の平均相場と比較しても良い物件になっているので、ぜひ販売してください」と働きかけをしないとなかなか気づいてもらえません。現地販売をするなど、営業力をかけないとやはり販売は進んでいかないというところがあり、そこを甘く見ていたところがあります。少し高望みしすぎたかなというところはありますが、前年比でいうとマンションは順調です。開発案件が入ったので、すごく良い決算が第1~第2四半期に出ているのですが、長期在庫販売の未達分を第3、第4四半期でやっていこうと考えています。予算をご覧いただいた通り、下期は前年比でそこまで上げていません。第1~第2四半期で売れなかった分を第3~第4四半期で売っていく営業体力が十分あるので、そこでカバーできるかと思います。加えて、第2四半期に評価損を織り込んだ営業利益になっていますが、下期に長期在庫を販売することで取り返すことができます。第3~第4四半期で埋めていければ、予算通りプラス開発分ぐらいが上乗せできれば、かなり上振れて着地出来るかも知れないということで進めています。

     

    取材者:マンションの販売について、今後、第3~第4四半期に向けた戦略や施策はございますか。

     

    回答者:現在、厳選仕入を強化しており、在庫物件の入れ替えが進んでいます。粗利率も、長期在庫販売を除けば18%を超えてきていて、かなり良い状況です。単価が上がってきていますので、売った件数に対して売上も上がるようになってきています。無理をしなくても良いものがちゃんと売れて、売上・利益が出るという形になってきています。これを阻害するのが、長期在庫物件で、先ほど申し上げたように、営業体力をかけないと売れなくなってしまいます。

     

    取材者:これをこの下期の間にやっていくということですね。

     

    回答者:はい。下期が終わって来期になった時点で、いい在庫が手元にたまっていると、まさにここに書いてあるような単価や粗利がそのまま販売実績の数値になっていくことになります。できるだけこれを阻害しないように、今の在庫をうまく解消させて期末を迎えたいと考えています。

     

    取材者:なるほど。そうすると、この下期の仕入れの部分に関しては、プレミアムマンションの部分が大きくなってくるようなイメージですか。

     

    回答者:プレミアムマンションは、本年度売ろうと思っている分は、契約ベースでは昨年末ぐらいまでに相当仕入られていました。仕入決済は第2四半期ぐらいまでかかったのですが、今期分の営業を仕掛けて販売契約を取っていくものについては、ある程度早く終わっています。来期ボリュームを増やしていきたいので、その仕込みをこの下期にしっかりやりたいと思います。販売をしながら新しいものを仕入れていっている形です。

    ちょうど1年ぐらいになりますが、我々もだいぶマーケットの状況が分かってきた中で、多少移り変わる部分があります。このあたりのエリアのこれぐらいの物件だと利益が取れるというところに、結果的にプレミアムマンションを少し厳選していく形になっています。良いものをこの下期に仕入れられると、来期に弾みがつくかなという感じで考えています。

     

    取材者:主要KPIなどございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:そうですね、査定数が実は少し落ち込んでいるのですが、厳選仕入れを始めたためです。以前は、たくさん情報を取り、たくさん仕入れるというやり方だったのが、少し変わりました。どちらかというと、我々が狙っているものをしっかりとれているかという基準で今見ています。外部からご覧いただいてKPIがうまくいっていないかというと、過渡期なので分かりづらいかと思いますが、この期末に向けて在庫が順調に入れ替わっていると捉えていただければと思います。

     

    取材者:前期比で人の採用数の推移などはいかがですか。

     

    回答者:採用は正直そんなに増やしていません。プレミアムマンションは既存人員で対応しています。単価が非常に高いものもあり、目線としては平均価格5億円ぐらいで見ています。スタンダードマンションは今だと平均販売価格3,000万円ぐらいには持ってきてはいるのですが、単価が10倍以上開くので、売上高を得るために必要な人の数が少なくなります。新卒は採用しますが、自然減で減っていく部分もあるので、人数はそれほど増えておりません。売上600億円よりも利益28億円を確実に捉えたいので、販管費を抑えて売上高が取れると、まず28億円が見えてきます。まずはそちらを優先かなと思っています。

     

    取材者:やはりそうすると、利益率という部分が今後はかなりキーワードになってくるのですか。

     

    回答者:そうですね。元々、2022年の上場直前期の営業利益率6%だったものが2.8%ぐらいまで下がっていきました。粗利率と販管費率の両方があるのですが、粗利のところは物件を入れ替え、厳選していくことで、少しアクセルを踏んで在庫を増やしてしまった部分がうまくこなれてくると、自然に利益率が上がってきます。プレミアムマンションはスタンダードより少し率が取れるので、そこでカバーできます。プレミアムマンションと、スタンダードマンションの単価が結果的に上がっていることで、売上に対する販管費の割合が下がります。この両方で、良かった頃の営業利益率を目指して回復させていきたいと考えています。

     

    取材者:そういった形で、数を追うより厳選することによって、ツールの使用の有無などによって、従業員の働き方の改善、つまり労働時間などに影響が出てきますか。

     

    回答者:元々ホワイトです。ただどうしても春先の繁忙期といった繁閑の波があります。理想としては、繁忙期に無理しなくても良いように、社内DXによる作業量の抑制を図っていきます。我々の手元にあるデータがどんなもので、それがどういった活動をするのに有効かというのを、もう一度洗い出すという作業を社内的に実施しております。外向きの商売もそうですが、効率化がもっと図れると、もっとホワイトにするのも良いですし、社内の皆さんが良い仕事ができるようになります。お客様にも良い提案ができ、良い商売のつながりになっていくのかなと思います。もう少し頑張ってデータ活用を進めていきたいと考えています。

     

    取材者:中期経営計画の進捗についてはいかがですか。

     

    回答者:元々、2拠点ずつ出してボリュームでいこうという計画を立てました。これには理由があって、中期経営計画を発表する前に下方修正を出してしまったため、市場が信用してくれないだろうという中で、粗利率を上げて改善していきますと出しても、「どうやってやるのか」というところで引っかかるだろうと思ったからです。我々は、上場するまでの過程でボリュームを追いかけながら、結果的に売上・利益がついてきましたという説明をしていました。この3カ年の間には、2拠点ずつぐらい新店を出していって、まだフル稼働していないお店もありましたので、そういった新しいところで上がってくる売上高と、既存店を拡大させていくところと、あとは質を改善し向上させていくところで上がってくる売上高、利益等を合わせて600億円、28億円にするという形で中期経営計画は作ったのですが、初年度の物件の動きと利益率の推移を見て、やはり在庫を相当手直ししないといけないと考えました。マーケットも動いてはいるのですが、売れるものと売り難いものの二極化がはっきりしてきています。厳選仕入をやらないと改善していかないという思いが強くなり、ここで厳選仕入れをして、合わせて一緒に拠点を出してボリュームを増やしていくというのは、そんなにできるものではないのです。半年ぐらいずっと企画を練っていたのですが、プレミアムマンションがうまくいけるとなり、成長部分をプレミアムマンションにシフトするように変えました。この中期経営計画の3カ年の数字は、1年目にして、売上利益の成長をどこが担っていくかという部分について、既存のマンション販売のボリュームで上げていきますというところを抑え、販売する商品の多様化、多角化によって、新しい収益を生みますというところに方向を変えています。

    第3四半期以降、売上に繋がっていく形が見えてきており、来期に向けての仕込みもやっているところですので、そういう意味で「進捗どうですか」と言われると、今やっていることの延長線上に中計数値はあるのかなという手応えは感じています。

     

    取材者:M&Aや業務提携に対して、実施の有無や検討状況などございましたら、お答えできる範囲でお話いただけますか。

     

    回答者:元々、上場する前に買収の経験があり、検討できるメンバーも中にいるのですが、正直この1年、1年半ぐらいは、とにかく本業をきれいにしようということで抑えています。色々な話が来るのですが、少し落ち着かないと本腰を入れられないと考えております。M&Aの本質はシナジーです。我々のビジネス自体がしっかりしないと、それに合わせたシナジーをどこと結ぶことでどう生まれるのかが見えないものです。優先順位として、まず我々のビジネスをもう一度見直し、足腰がしっかりした質の良いビジネスにしましょうと考えております。その上で、例えばこの分野と組んだときに、こういった我々のプラス部分を提供できてシナジーが生まれるからM&Aに意味があるよねということになっていくのかなと考えております。アンテナは立てていますし、色々な情報も入ってくるのですが、今この瞬間は優先順位としてはもう少し後です。

     

    取材者:本腰を入れづらいのですね。やはり次の中期経営計画あたりで、そういったところも含めて入ってくるようなイメージですか。

     

    回答者:そうですね。次の中期経営計画を中期経営計画として作って出すかどうかは少し微妙ですが、やっぱり選択肢として時間を買うということもありますし、自分たちのリソースだけではない選択肢があるのは当然です。縁があって、もしくは本当に行きたい方向性がある中で、でもそれを使わないと時間がかかってしょうがないというときに発動するということになるかと思います。今はそこまで考えていません。

     

    取材者:今期ここまでで業績に影響を与えたような一過性の要因や、季節性、外的要因などがございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:世の中でニュースが多々ある中で、あまり当社ビジネスに影響してきていないという印象です。直近だと、外国人による不動産取得に対して何らかの規制がかかりそうだというニュースや、千代田区の話が出てきたりしていますが、我々は居住向けの物件や中古物件を扱っているので、直接的な影響はほとんどありません。金利も上がってきていますが、金利が上がるときは、それなりに給与所得が上がっている筈で、基本的にニュートラルだと思っています。会社としては一定程度の借り入れはもちろんありますが、営業外損益には影響するものの、その分ちゃんと収益を上げていくことと、毎期その分ぐらいは成長していくという見込みですので、我々の商売は幸い金利上昇を吸収してやっていける、そんなに大きく何かを変えなければいけないということは起きないと考えています。

     

    取材者:株主還元の方針につきまして、変更などございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:現時点では変更はありません。最初に配当を始める際に、とにかく安定配当しますと申し上げました。当時の配当性向が3割ぐらいでしたので、「利益があれば3割出してくれるのか」という質問を受けることがありますが、3割出していきますとは発表していません。たまたま45円が3割水準だったということです。やはり内部留保をどれだけ貯めていくかと、利益が出たときに配当などで還元していくこと、両方大切だと思っています。アセットを使うビジネスなので、外部流出をあまり増やせないのですが、すごく期待されているのは感じます。利益が出たときにどうするかというのは、第3四半期以降にどうすべきか検討して参ります。目先で少し気になるのが、流通株式比率に未だ抵触していることです。また流動性が低いので、対応は必要だと思っています。まずは株式を分割して、少しでも個人の方が持てるように、また今月から個人投資家向けIRも始めたりして、幅広い個人投資家層を増やしていければと考えています。流通株式比率に関しての質問も多く寄せられていまして、「上場廃止になるのですか」という電話受けたりしますので、できるだけ早くご安心いただけるようにしたいと考えています。

     

    取材者:その他、何か足元の状況につきましてトピックスなどございますか。

     

    回答者:まだ収益に繋がることは先にはなると思いますが、先月末に出したKAITRY financeのみずほ信用保証株式会社様による本格導入というのは、我々としては大きなことです。メガバンクの信用保証会社は、住宅ローンの審査を実質的にやっているところで、すごく作業量が多いです。できるだけこういったものにシフトできればというニーズは元々ありました。他のサービスなどと比べて半年ほど運用していただいた上で今回導入となりました。みずほ信用保証株式会社様にたくさん使っていただきたいのと合わせて、メガバンクの信用保証会社が査定などで使えるということになると、信用度も上がって、さらに横展開できる可能性もあるので、ここは広げていきたいと考えております。非常に大切なトピックスだと思っています。

  • 取締役CFOコーポレート本部長 松岡耕平 様

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取材アーカイブ

  • ビジネスモデル・事業内容

    (株)property technologiesは、中古マンションを区分所有で購入し、リノベーションを施して付加価値を高めた上で再販する、いわゆる再生事業を主力としている。この事業が全体の売上高と利益の約8割を占め、その他に山口県と秋田県で戸建て住宅の請負工事を行う2社を傘下に持つ。

     

    創業の経緯と転機

    創業者は元々、大手不動産会社に勤務していたが、独立してホームネットを設立した。当初は仲介事業から始めたが、リーマンショックを契機に、事業の安定化と効率化を重視し、中古マンションの買取再販に特化することを決断した。

     

    直近の決算状況

    2024年11月期のマンション販売戸数は約1,200戸、平均販売単価は約2,500万円で、増収増益を達成した。しかし、2022年11月期と比較すると売上高の伸びに対して利益率は低下しており、これは金利上昇による市況の変化と固定費の増加が影響している。

     

    特徴・強み

    中古マンション再生事業において、規模のメリットを活かした部材調達コストの抑制、リノベーションの効率化、販売期間の短縮を実現している。また、全国展開を行い、地域ごとのマーケットニーズに対応した事業展開を強みとしている。

     

    成長戦略

    昨年から、眺望に優れたプレミアムマンションの取り扱いを開始した。これにより、収益の拡大を目指すとともに、従来の価格帯のマンションについては、厳選した仕入れを行い、収益性を重視した戦略に転換している。

     

    株主還元策

    株主への利益還元として配当を実施しており、今後は配当を維持しながら、業績向上による増配を目指す。

  • Q:貴社のビジネスモデルの特徴と強みは何ですか?

    A:当社グループは、中古マンションを区分所有で購入し、リノベーションを施して付加価値を高めた上で再販する、いわゆる再生事業を主力事業としています。この事業が、全体の売上高と利益の約8割を占めています。また、全国展開を行い、地域ごとのマーケットニーズに対応した事業展開を強みとしています。また、山口県と秋田県で戸建て住宅の請負工事を行う2社を傘下に持っています。これらの会社はM&Aで取得しました。事業会社としては、中古マンション再生事業のホームネット、戸建て請負事業のファーストホームなど、3社で売上を構成しています。

     

    Q:戸建て事業の現状はいかがでしょうか?

    A:戸建て住宅市場は、大手パワービルダーによる供給過剰の影響で厳しい状況です。当社の傘下の2社は、注文住宅の請負を主体としており、在庫販売は限定的に扱うことでリスクを低減させています。競争が激しいものの底堅い需要があることから、地域でのシェアを維持・向上させながら安定的に推移しています。

     

    Q:賃貸管理事業の現状と今後の展望について教えてください。

    A:賃貸管理事業は、現在約300室程度を管理しており、安定的な収益源となっています。今後は、管理戸数を増やすとともに、オーナー様向けのサービスを充実させることで、収益拡大を目指します。また、賃貸管理事業で得られたデータを活用し、中古マンション再生事業の仕入れや販売に活かしていきたいと考えています。

     

    Q:中古マンション再生事業の強みは何ですか?

    A:中古マンション再生事業は、一定の規模を確保することで収益化が可能となります。規模のメリットにより、部材の調達コストを抑え、リノベーションの効率化を図り、販売期間の短縮を実現できます。

     

    Q:顧客層はどのような方々ですか?

    A:主に30代後半から40代の初めて住宅を購入される方をターゲットとしています。人口動態の変化はあるものの、賃貸住宅からの住み替え需要は根強く、安定的な需要が見込めます。

     

    Q:テック事業について教えてください。

    A:当社は、AI査定などのテクノロジーを活用し、業務効率化を図っています。例えば、AI査定を活用することで、物件の査定を迅速に行い、仕入れに結びつけています。またデータを活用して販売までの期間を短縮しています。その他に、金融機関との取引においても、テクノロジーを活用したサービスを提供しています。

     

    Q:テック事業の収益化についてはいかがでしょうか?

    A:現時点では、テック事業による直接的な収益は限定的です。しかし、将来的には、AI査定の精度向上や用途拡張などにより、収益貢献を拡大できると考えています。

  • 取材者:本日はお忙しい中、インタビューのお時間をいただきありがとうございます。まずは、貴社のビジネスモデルの特徴や強みについてご説明いただけますか?

    回答者:ありがとうございます。弊社のグループ全体としましては、中古マンションを区分所有で購入し、リノベーションを施して新品同様の状態に再生した上で再販する、いわゆる「中古マンション再生事業」を主力事業としております。この事業が、全体の売上高と利益の約8割を占めております。

    取材者:他に事業はございますか?

    回答者:はい、他に山口県と秋田県で戸建て住宅の請負工事を行うビルダーを2社保有しております。これらの会社はM&Aによりグループ傘下に入った会社です。事業会社としては、中古マンション再生事業を担う株式会社ホームネットと、戸建て住宅事業を行う株式会社ファーストホーム、そしてM&Aで取得した2社のビルダーで構成されております。

    取材者:M&Aで取得した2社のビルダーは、どのような会社ですか?

    回答者:どちらも地域に密着した事業を展開しており、長年にわたり地域のお客様から信頼を得ている会社です。株式会社ファーストホームは山口県で、もう1社は秋田県で事業を行っています。どちらも地域のお客様のニーズを捉え、高品質な注文住宅を提供することに強みを持っています。

    取材者:これらのビルダーと、貴社のマンション再生事業との間には、シナジー効果はありますか?

    回答者:はい、M&Aによるシナジー効果は、大きく分けて二つあります。一つ目は、グループ全体での仕入れ力の強化です。マンション再生事業で培ってきた仕入れノウハウを戸建て住宅事業にも活用することで、より効率的な仕入れが可能になります。二つ目は、顧客基盤の共有です。マンション再生事業の顧客に戸建て住宅を紹介したり、逆に戸建て住宅の顧客にマンションを紹介したりすることで、顧客の選択肢を増やし、新たなニーズを掘り起こすことができます。

    取材者:戸建て住宅事業の現状はいかがですか?

    回答者:戸建て住宅事業につきましては、現在、市場環境が厳しい状況です。全国展開する大手パワービルダー各社が、住宅を建築して在庫として販売する、いわゆる「建売」住宅の在庫水準が比較的高く維持されているためです。弊社傘下の2社は、建売住宅ではなく、お客様からのオーダーに基づいて注文住宅を請け負い、引き渡すという方法をとっております。しかしながら、新築の戸建て住宅のニーズに対しては、建売住宅との競合が避けられず、市場が大きく拡大する状況にはなく、一定程度地域に密着した事業展開により、一定のシェアを維持している状況です。

    取材者:戸建て住宅事業の市場規模は縮小傾向にありますか?

    回答者:はい、新築戸建て住宅市場全体の規模は縮小傾向にあります。これは、少子高齢化や人口減少の影響に加え、住宅価格の高騰や建築費の上昇などが要因として挙げられます。

    取材者:競合環境はいかがですか?

    回答者:競合環境としては、大手パワービルダーの参入や、既存の地域ビルダーとの競争激化など、厳しい状況が続いています。

    取材者:そのような厳しい状況下で、貴社はどのようにして戸建て住宅事業を展開していくのですか?

    回答者:私たちは、地域密着型の事業展開を強化し、顧客との長期的な関係構築を重視することで、安定的な収益を確保していきたいと考えています。具体的には、地域のお客様のニーズを丁寧にヒアリングし、最適な住まいを提供することで、顧客満足度を高め、リピーターや紹介を増やしていく戦略です。また、アフターサービスの充実や、地域貢献活動への積極的な参加などを通じて、地域社会との信頼関係を築き、長期的な視点で事業を継続していく考えです。

    取材者:中古マンション再生事業の強みについて、詳しくお聞かせください。

    回答者:中古マンション再生事業の強みは、収益性の高さです。物件のリノベーションを通じて付加価値を高めることで、再販時に利益を確保することができます。また、事業規模が大きいことも強みです。規模のメリットを活かすことで、部材の調達コストを抑えたり、リノベーション工事を効率的に行うことが可能となります。さらに、仕入れから販売までの期間が短いことも強みです。中古マンションは、販売期間が長引くと価格を下げざるを得ない傾向があるため、早期に販売することが重要となります。弊社では、社内DXを推進することで、物件情報を迅速に把握し、効率的な販売活動を行っております。

    取材者:貴社は全国展開されているそうですが、地域ごとの戦略はありますか?

    回答者:はい、札幌から沖縄まで全国展開していることも弊社の強みです。同様の事業を行う企業の中でも、ここまで広範囲に展開している企業は多くありません。各地域で市場環境を分析し、競合状況などを踏まえながら、柔軟な事業展開を行っております。

    取材者:顧客ターゲットについて教えてください。

    回答者:主な顧客ターゲットは、30代後半から40代で初めて住宅を購入される方です。人口動態の変化はあるものの、賃貸住宅から持ち家への移行というニーズは根強く、一定の需要が見込める市場と考えております。

    取材者:貴社の歴史についてお聞かせください。

    回答者:弊社は、元々は大手不動産会社に勤務していた現社長が、独立して創業した株式会社ホームネットという会社からスタートしました。当初は仲介業などを行っていましたが、リーマンショックを契機に、事業の安定化と効率化を図るため、中古マンションの買取再販に特化することを決断しました。以来、10年以上にわたり、この事業に特化することでノウハウを蓄積し、独自のビジネスモデルを確立してまいりました。

    取材者:なぜ中古マンションの買取再販に特化することになったのですか?

    回答者:リーマンショックを経験し、事業の安定化を図るには、プロジェクトの回転率を上げる必要があると痛感しました。そこで、開発期間の長い分譲事業よりも、比較的短期間で完結する中古マンションの買取再販に特化することにしたのです。

    取材者:近年、注力されている事業はありますか?

    回答者:近年は、従来の2,000万円台半ばの価格帯のマンションに加え、より高価格帯のプレミアムマンションの取り扱いを開始しました。これは、眺望などの優れた特徴を持つマンションに特化することで、差別化を図り、新たな収益源とすることを目的としています。

    取材者:プレミアムマンションの定義や特徴について、詳しく教えてください。

    回答者:はい、プレミアムマンションとは、都心の一等地や駅近に立地し、高層階で眺望が良く、広々とした間取りで、高級感のある内装や設備を備えたマンションのことです。これらの物件は、富裕層や高所得者層をターゲットとしており、高い収益性が見込めます。

    取材者:プレミアムマンションの仕入れはどのように行っているのですか?

    回答者:プレミアムマンションの仕入れは、通常のマンションよりも難易度が高いです。そのため、不動産仲介会社との連携を強化したり、独自の仕入れルートを開拓するなど、様々な取り組みを行っています。

    取材者:今後の事業展開についてお聞かせください。

    回答者:プレミアムマンションの販売を強化することで、増収増益を目指します。また、従来のマンション事業においては、厳選した物件を仕入れることで収益性の向上を図ります。将来的には、市場環境の変化に対応しながら、新たな事業展開も検討してまいります。

    取材者:テクノロジー活用についてお聞かせください。

    回答者:弊社では、AI査定などを活用することで、業務効率化を図っております。例えば、物件の査定をAIで行うことで、迅速かつ効率的に査定額を算出することが可能となり、仕入れや販売のスピードアップに繋がっております。また、AI査定の精度向上により、更なる業務効率化と収益向上を目指します。

    取材者:マンション再生事業における、仕入れから販売までの期間について詳しく教えてください。

    回答者:はい、マンション再生事業においては、物件の仕入れから販売までの期間が短いことが重要です。具体的には、現在、仕入れから販売までの期間は約7~8ヶ月ですが、これを1ヶ月程度短縮したいと考えています。

    取材者:業界全体で見ると、どれくらい早いのですか?

    回答者:他社、特に上場企業の開示情報を見ても、定義が異なるため単純比較が難しいです。開始日や対象物件の範囲などが異なるため、正確な比較が困難な状況です。同じエリアで同じような事業を行っている企業と比較しても、仕入れから販売までの期間に大きな差はないと感じています。各社とも、すでに効率化を追求しており、これ以上の期間短縮は難しい状況です。

    取材者:AI査定の導入は、期間短縮に貢献していますか?

    回答者:はい、AI査定の導入により、物件の査定にかかる時間を大幅に短縮することができました。従来は、経験豊富な社員でも物件の査定にある程度の時間を要していましたが、AI査定を活用することで、経験の浅い社員でも迅速に査定を行うことができるようになりました。

    取材者:AI査定の精度はいかがですか?

    回答者:AI査定は、まだ精度が完璧ではありません。不動産の取引には、経験値やノウハウも必要であり、AI査定の結果を参考にしながら、最終的な判断を行うことが重要です。

    取材者:他に、期間短縮に貢献している要素はありますか?

    回答者:仲介会社と協力して物件の仕入れを行っていることも、期間短縮に貢献しています。仲介会社が保有する物件情報を、弊社の買取プラットフォームと連携させることで、迅速な仕入れを可能にしています。また、仕入れ契約から決済までの間に、リフォーム工事を先行して行うなど、工夫を凝らしています。

    取材者:貴社の創業から現在に至るまでの経緯について、詳しくお聞かせください。

    回答者:創業当初は、資金調達の難しさから、仲介業を中心に事業を行っていました。その後、信用力を高め、資金調達が可能になったことで、分譲住宅の販売にも着手しました。しかし、リーマンショックを契機に、事業の安定化と効率化を図るため、中古マンションの買取再販に特化することを決断しました。2000年から中古マンションの買取再販事業に特化し、現在に至ります。

    取材者:2024年11月期の決算について、増収増益と好調に見えますが、2022年11月期と比べると、売上高の伸びが鈍化しているように見えます。これは、どのような要因によるのですか?

    回答者:2022年11月期は、事業拡大を図るため、積極的に仕入れを行い、出店も増やしました。しかし、その直後に金利上昇の影響で市況が悪化し、販売が伸び悩んだ結果、売上高は前年並みとなりました。費用は先行して増加していたため、利益率が低下しました。また、前期に仕入れた物件の在庫が積み上がり、販売に時間がかかったことも、売上高の伸び悩みの一因です。前期は、プレミアムマンションの導入などにより、増収増益を達成しましたが、まだ改善の余地はあります。特に、粗利率の改善が課題です。

    取材者:今期の業績見通しはいかがですか?

    回答者:今期は、プレミアムマンションの販売を強化することで、更なる増収増益を目指します。また、従来のマンション事業においては、厳選した物件を仕入れることで収益性の向上を図ります。

    取材者:物件を厳選する基準について、詳しく教えてください。

    回答者:はい、物件の厳選には、過去の販売実績データを分析し活用しています。各支店ごとに、どのエリアでどのような物件が売れやすいか、あるいは売れにくいかを把握しています。さらに、エリア特性なども考慮し、総合的に判断して仕入れを行っています。

    取材者:エリア戦略については、いかがですか?

    回答者:エリア戦略としては、基本的に売れるエリアを重視しています。しかし、そうでないエリアでも良い物件があれば仕入れることもあります。ただし、リスクが高いと判断した場合は、仕入れを見送ることもあります。

    取材者:仕入れから販売までのプロセスについて、詳しく教えてください。

    回答者:仕入れから販売までは、以下のプロセスを経ています。まず、仲介会社から物件情報を取得し、AI査定などを活用して査定額を算出します。査定額が妥当であれば、仕入れ契約を締結し、物件の所有権を取得します。その後、約1ヶ月半~2ヶ月かけてリフォームを行い、販売を開始します。販売契約が成立したら、お客様の住宅ローン手続きなどを経て、最終的に決済を行います。

    取材者:社内DXについて、どのような取り組みをされていますか?

    回答者:社内DXとしては、AI査定の導入により、物件査定の効率化を図っています。従来は、物件情報や周辺環境などを参考に、ベテラン社員が時間をかけて査定を行っていましたが、AI査定の導入により、経験の浅い社員でも迅速に査定を行うことができるようになりました。また、過去の販売実績データなどをデータベース化することで、物件の査定精度向上に役立てています。これにより、人材育成の効率化にも繋がっています。

    取材者:株主還元策についてお聞かせください。

    回答者:株主還元策としましては、配当を実施しております。当初は内部留保の充実を優先し、配当には消極的でしたが、株主への利益還元も重要な経営課題であると認識し、配当を開始いたしました。具体的には、1株あたりの配当額を維持しながら、業績向上に伴い、配当性向を高めていきたいと考えています。安定的な配当を継続していくためには、収益基盤の安定化と成長が不可欠です。そのため、売上高や利益率、ROEなどの指標を重視し、経営状況を総合的に判断しながら、配当政策を決定していきます。

  • 取締役CFOコーポレート本部長 松岡耕平様

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(株)property technologies

東証GRT 5527

決算:11月末日

CP&X


決算概要

2025年11月期第3四半期の決算は、売上高36,071百万円(前期比+8,236百万円)、営業利益1,544百万円(前期比+1,111百万円)、純利益780百万円(前期比+732百万円)。マンション、開発、戸建と全般的に好調。相対的に人件費等固定費負担の少ないプレミアムマンション、開発の売上計上により販管費率が低下し高利益確保に繋がっています。


セグメント別または事業別の増減要因

中古マンションは都心(東京)の売れ行きが好調で各社都心集中の動きがあるように言われていますが、当社は札幌から沖縄まで15都市でそれぞれ高回転・高粗利を獲得できる物件を厳選して仕入れていることで、地方分散を保ったまま好業績を得られています。


主要KPIの進捗と変化

第3四半期累計の仕入契約額が前期比27.6%増、販売契約額が前期比34.0%増と、ビジネスが拡大しています。要因は2つで、厳選仕入の効果として単価が上がり販売期間が短縮してきていること、取扱商品の拡張(プレミアムマンションの本格取扱い)により仕入販売が成長していることです。


季節性・一過性要因の有無と影響

第3四半期は閑散期にあたりますが、上記「厳選仕入」「取扱商品の拡張」により販売が好調に推移しています。


通期見通しと進捗率・達成可能性

第3四半期決算発表と合わせて業績予想の上方修正を公表しました。残り1か月半の期間で中古マンション販売はまだ動きますが、毎期の販売動向や足もと状況を踏まえた計量に基づいていて、大きな未達リスクは無いものと思われます。


トピックス

中期経営計画2年目が順調に推移しており、最終年度の目標値は2年目のビジネスの延長線上にあるものとして、達成を目指して進めています。

・資料

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取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    2025年11月期第2四半期の決算は、売上高242億200万円(前年同期比27.4%増)、営業利益10億7,700万円(同284%増)、経常利益8億9,700万円(同530.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益5億4,500万円となり、大幅な増収増益を達成した。売上が順調な主な理由は、スタンダードマンションの販売増加と開発案件の計上である。

     

    主要KPIの進捗と変化

    主要KPIの一つである査定数は、従来の仕入クロージング力を活かした「大量仕入」から、狙った物件を確実に仕入れる「厳選仕入」へと方針を転換したことにより査定対象物件の範囲が狭まったため、減少傾向にある。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    外国人による不動産取得規制や金利上昇といった外部要因については、居住用や中古物件を主に取り扱っているため、ビジネスへの直接的な影響は少ないとの認識である。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    スタンダードマンションの販売は前年同期比では順調であったものの、上期の予算に対しては長期保有在庫の販売計画がずれ込み未達であった。この未達分は、第3〜第4四半期で販売する十分な営業体力があるため、下期でカバーできる見込みである。また、第2四半期に長期保有在庫の積極的な販売に備えて計上した評価損も下期の売却で取り返すことが可能である。予算通りに達成し、さらに開発案件分の利益が上乗せできれば、通期での着地は上振れる可能性もあるとの見解である。

     

    トピックス

    流通株式比率の改善を課題として捉え、株式分割や個人投資家向けIRを強化し、流動性向上を図る考えである。

    将来収益に繋がるトピックスとして、メガバンクグループの信用保証会社であるみずほ信用保証株式会社への「KAITRY finance」の本格導入があり、信用度向上と横展開の可能性を期待している。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?

    A:厳選した仕入れを強化することで、利益率の向上を目指します。今後は、来期に向けて良質な在庫を確保するため、下期に良い物件の仕入れをしっかりと行います。また、販売する商品の多様化や多角化によって、新たな収益源を創出する方針です。具体的には、スタンダードマンションよりも利益率が期待できるプレミアムマンションの取扱いを拡大することで成長を加速させていきます。

     

    Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:現時点では、本業の質の向上に注力するため、M&Aや業務提携は優先順位を下げています。M&Aを検討できるメンバーは社内にいますが、まずは自社のビジネスをしっかりと確立し、足腰の強いビジネスモデルを構築することが先決だと考えています。その上で、シナジー効果が期待できる場合にM&Aを検討する方針です。

     

    Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。

    A:当初の中期経営計画では、年間2拠点ずつ出店し、ボリュームを拡大することで売上600億円、利益28億円を目指していました。しかし、初年度の動向と利益率の推移を鑑み、仕入在庫の見直しが必要と判断しました。マーケットが二極化している現状では、厳選した仕入れを行わなければ改善が見込めないため、拠点を増やしてボリュームを追う戦略を抑え、販売商品の多様化と多角化によって新たな収益を確保する方向へシフトしました。今後は、プレミアムマンションの取扱いを拡大することで、計画の達成を目指します。現在、第3四半期以降の売上に繋がる申し込みが進んでおり、来期に向けた仕込みも順調に進んでいるため、今後の進捗に手応えを感じています。

     

    Q:株主還元の方針をご説明ください。

    A:現時点での株主還元方針に変更はありません。安定配当を継続する方針です。今後は、内部留保と配当のバランスを考慮し、利益が出た場合の還元策について第3四半期以降に検討していく予定です。また、流通株式比率の基準抵触を早期に払拭し、株式分割やIR強化により個人投資家層を拡大することで、流動性向上を図っていきます。

  • 取材者:まず、2025年11月期第2四半期の決算についてお聞きします。売上高242億200万円、前年同期比27.4%の増加。営業利益10億7,700万円、同284%の増加。経常利益8億9,700万円、同530.3%の増加。親会社株主に帰属する中間純利益5億4,500万円というところで、大幅な増収増益で非常に好調な決算だと見ていました。増減要因についてご説明いただけますか。

     

    回答者:決算説明資料のPLをご覧いただければと思います。売上高増減では、ホームネットが56億円増加でしたが、戸建が4億2,000万円ほど減少しています。利益は、粗利益で8億3,900万円増加し、営業利益は7億9,500万円増加しています。

    プレミアムマンション販売は、下期に本格化します。上期売上が順調なのは、スタンダードマンションの販売が増えていることと、開発案件が第1四半期に続いて入ってきたためです。決算説明資料のデータ集も開示しているのですが、お手元にございますか。

     

    取材者:見ております。

     

    回答者:2ページ目に分野ごとのPLを出しています。このうち開発分野が第1~第2四半期で、売上利益ともに上がっており、この分の貢献度はそれなりにあると思います。

    また、スタンダード分野の第1~第2四半期が2024年11月期の第1~第2四半期に比べて順調に来ている部分もあるかと思います。

    プレミアムの第1~第2四半期はそこまでではありません。第3~第4四半期で元々上がってくる感じで、仕込みがこの上期にうまく仕上がってきているのが実態です。予算上、第1四半期はかなり低めに見ていたところですが、開発案件がうまく入ってきて、スタンダードマンションは引き続き好調に売れている印象です。

    決算説明会資料の12ページになりますが、本年度の予算があり、売上高の前年増分が第1~第2四半期に集中して上がる形になっています。スタンダードマンションは在庫期間が比較的長期になっているものがあります。本年度はマーケット環境も良いので、上期に相当程度まで価格を下げて売っていこうということで売上を見立てていました。その分、利益率が多少下がっても良いという内訳にしているのですが、正直なところそこまで売れませんでした。

     

    取材者:そうなのですね。

     

    回答者:我々のスタンダードマンションのビジネスは、仕入れが大切で、物件を仕入れ、リフォームして、仲介会社に売っていただくというビジネスモデルです。価格を下げて訴求力が上がれば売れるだろうと、そこまで簡単には思っていませんでしたが、ある程度そういった手は打っていました。しかし、我々の方から「価格を下げました、周辺の平均相場と比較しても良い物件になっているので、ぜひ販売してください」と働きかけをしないとなかなか気づいてもらえません。現地販売をするなど、営業力をかけないとやはり販売は進んでいかないというところがあり、そこを甘く見ていたところがあります。少し高望みしすぎたかなというところはありますが、前年比でいうとマンションは順調です。開発案件が入ったので、すごく良い決算が第1~第2四半期に出ているのですが、長期在庫販売の未達分を第3、第4四半期でやっていこうと考えています。予算をご覧いただいた通り、下期は前年比でそこまで上げていません。第1~第2四半期で売れなかった分を第3~第4四半期で売っていく営業体力が十分あるので、そこでカバーできるかと思います。加えて、第2四半期に評価損を織り込んだ営業利益になっていますが、下期に長期在庫を販売することで取り返すことができます。第3~第4四半期で埋めていければ、予算通りプラス開発分ぐらいが上乗せできれば、かなり上振れて着地出来るかも知れないということで進めています。

     

    取材者:マンションの販売について、今後、第3~第4四半期に向けた戦略や施策はございますか。

     

    回答者:現在、厳選仕入を強化しており、在庫物件の入れ替えが進んでいます。粗利率も、長期在庫販売を除けば18%を超えてきていて、かなり良い状況です。単価が上がってきていますので、売った件数に対して売上も上がるようになってきています。無理をしなくても良いものがちゃんと売れて、売上・利益が出るという形になってきています。これを阻害するのが、長期在庫物件で、先ほど申し上げたように、営業体力をかけないと売れなくなってしまいます。

     

    取材者:これをこの下期の間にやっていくということですね。

     

    回答者:はい。下期が終わって来期になった時点で、いい在庫が手元にたまっていると、まさにここに書いてあるような単価や粗利がそのまま販売実績の数値になっていくことになります。できるだけこれを阻害しないように、今の在庫をうまく解消させて期末を迎えたいと考えています。

     

    取材者:なるほど。そうすると、この下期の仕入れの部分に関しては、プレミアムマンションの部分が大きくなってくるようなイメージですか。

     

    回答者:プレミアムマンションは、本年度売ろうと思っている分は、契約ベースでは昨年末ぐらいまでに相当仕入られていました。仕入決済は第2四半期ぐらいまでかかったのですが、今期分の営業を仕掛けて販売契約を取っていくものについては、ある程度早く終わっています。来期ボリュームを増やしていきたいので、その仕込みをこの下期にしっかりやりたいと思います。販売をしながら新しいものを仕入れていっている形です。

    ちょうど1年ぐらいになりますが、我々もだいぶマーケットの状況が分かってきた中で、多少移り変わる部分があります。このあたりのエリアのこれぐらいの物件だと利益が取れるというところに、結果的にプレミアムマンションを少し厳選していく形になっています。良いものをこの下期に仕入れられると、来期に弾みがつくかなという感じで考えています。

     

    取材者:主要KPIなどございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:そうですね、査定数が実は少し落ち込んでいるのですが、厳選仕入れを始めたためです。以前は、たくさん情報を取り、たくさん仕入れるというやり方だったのが、少し変わりました。どちらかというと、我々が狙っているものをしっかりとれているかという基準で今見ています。外部からご覧いただいてKPIがうまくいっていないかというと、過渡期なので分かりづらいかと思いますが、この期末に向けて在庫が順調に入れ替わっていると捉えていただければと思います。

     

    取材者:前期比で人の採用数の推移などはいかがですか。

     

    回答者:採用は正直そんなに増やしていません。プレミアムマンションは既存人員で対応しています。単価が非常に高いものもあり、目線としては平均価格5億円ぐらいで見ています。スタンダードマンションは今だと平均販売価格3,000万円ぐらいには持ってきてはいるのですが、単価が10倍以上開くので、売上高を得るために必要な人の数が少なくなります。新卒は採用しますが、自然減で減っていく部分もあるので、人数はそれほど増えておりません。売上600億円よりも利益28億円を確実に捉えたいので、販管費を抑えて売上高が取れると、まず28億円が見えてきます。まずはそちらを優先かなと思っています。

     

    取材者:やはりそうすると、利益率という部分が今後はかなりキーワードになってくるのですか。

     

    回答者:そうですね。元々、2022年の上場直前期の営業利益率6%だったものが2.8%ぐらいまで下がっていきました。粗利率と販管費率の両方があるのですが、粗利のところは物件を入れ替え、厳選していくことで、少しアクセルを踏んで在庫を増やしてしまった部分がうまくこなれてくると、自然に利益率が上がってきます。プレミアムマンションはスタンダードより少し率が取れるので、そこでカバーできます。プレミアムマンションと、スタンダードマンションの単価が結果的に上がっていることで、売上に対する販管費の割合が下がります。この両方で、良かった頃の営業利益率を目指して回復させていきたいと考えています。

     

    取材者:そういった形で、数を追うより厳選することによって、ツールの使用の有無などによって、従業員の働き方の改善、つまり労働時間などに影響が出てきますか。

     

    回答者:元々ホワイトです。ただどうしても春先の繁忙期といった繁閑の波があります。理想としては、繁忙期に無理しなくても良いように、社内DXによる作業量の抑制を図っていきます。我々の手元にあるデータがどんなもので、それがどういった活動をするのに有効かというのを、もう一度洗い出すという作業を社内的に実施しております。外向きの商売もそうですが、効率化がもっと図れると、もっとホワイトにするのも良いですし、社内の皆さんが良い仕事ができるようになります。お客様にも良い提案ができ、良い商売のつながりになっていくのかなと思います。もう少し頑張ってデータ活用を進めていきたいと考えています。

     

    取材者:中期経営計画の進捗についてはいかがですか。

     

    回答者:元々、2拠点ずつ出してボリュームでいこうという計画を立てました。これには理由があって、中期経営計画を発表する前に下方修正を出してしまったため、市場が信用してくれないだろうという中で、粗利率を上げて改善していきますと出しても、「どうやってやるのか」というところで引っかかるだろうと思ったからです。我々は、上場するまでの過程でボリュームを追いかけながら、結果的に売上・利益がついてきましたという説明をしていました。この3カ年の間には、2拠点ずつぐらい新店を出していって、まだフル稼働していないお店もありましたので、そういった新しいところで上がってくる売上高と、既存店を拡大させていくところと、あとは質を改善し向上させていくところで上がってくる売上高、利益等を合わせて600億円、28億円にするという形で中期経営計画は作ったのですが、初年度の物件の動きと利益率の推移を見て、やはり在庫を相当手直ししないといけないと考えました。マーケットも動いてはいるのですが、売れるものと売り難いものの二極化がはっきりしてきています。厳選仕入をやらないと改善していかないという思いが強くなり、ここで厳選仕入れをして、合わせて一緒に拠点を出してボリュームを増やしていくというのは、そんなにできるものではないのです。半年ぐらいずっと企画を練っていたのですが、プレミアムマンションがうまくいけるとなり、成長部分をプレミアムマンションにシフトするように変えました。この中期経営計画の3カ年の数字は、1年目にして、売上利益の成長をどこが担っていくかという部分について、既存のマンション販売のボリュームで上げていきますというところを抑え、販売する商品の多様化、多角化によって、新しい収益を生みますというところに方向を変えています。

    第3四半期以降、売上に繋がっていく形が見えてきており、来期に向けての仕込みもやっているところですので、そういう意味で「進捗どうですか」と言われると、今やっていることの延長線上に中計数値はあるのかなという手応えは感じています。

     

    取材者:M&Aや業務提携に対して、実施の有無や検討状況などございましたら、お答えできる範囲でお話いただけますか。

     

    回答者:元々、上場する前に買収の経験があり、検討できるメンバーも中にいるのですが、正直この1年、1年半ぐらいは、とにかく本業をきれいにしようということで抑えています。色々な話が来るのですが、少し落ち着かないと本腰を入れられないと考えております。M&Aの本質はシナジーです。我々のビジネス自体がしっかりしないと、それに合わせたシナジーをどこと結ぶことでどう生まれるのかが見えないものです。優先順位として、まず我々のビジネスをもう一度見直し、足腰がしっかりした質の良いビジネスにしましょうと考えております。その上で、例えばこの分野と組んだときに、こういった我々のプラス部分を提供できてシナジーが生まれるからM&Aに意味があるよねということになっていくのかなと考えております。アンテナは立てていますし、色々な情報も入ってくるのですが、今この瞬間は優先順位としてはもう少し後です。

     

    取材者:本腰を入れづらいのですね。やはり次の中期経営計画あたりで、そういったところも含めて入ってくるようなイメージですか。

     

    回答者:そうですね。次の中期経営計画を中期経営計画として作って出すかどうかは少し微妙ですが、やっぱり選択肢として時間を買うということもありますし、自分たちのリソースだけではない選択肢があるのは当然です。縁があって、もしくは本当に行きたい方向性がある中で、でもそれを使わないと時間がかかってしょうがないというときに発動するということになるかと思います。今はそこまで考えていません。

     

    取材者:今期ここまでで業績に影響を与えたような一過性の要因や、季節性、外的要因などがございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:世の中でニュースが多々ある中で、あまり当社ビジネスに影響してきていないという印象です。直近だと、外国人による不動産取得に対して何らかの規制がかかりそうだというニュースや、千代田区の話が出てきたりしていますが、我々は居住向けの物件や中古物件を扱っているので、直接的な影響はほとんどありません。金利も上がってきていますが、金利が上がるときは、それなりに給与所得が上がっている筈で、基本的にニュートラルだと思っています。会社としては一定程度の借り入れはもちろんありますが、営業外損益には影響するものの、その分ちゃんと収益を上げていくことと、毎期その分ぐらいは成長していくという見込みですので、我々の商売は幸い金利上昇を吸収してやっていける、そんなに大きく何かを変えなければいけないということは起きないと考えています。

     

    取材者:株主還元の方針につきまして、変更などございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:現時点では変更はありません。最初に配当を始める際に、とにかく安定配当しますと申し上げました。当時の配当性向が3割ぐらいでしたので、「利益があれば3割出してくれるのか」という質問を受けることがありますが、3割出していきますとは発表していません。たまたま45円が3割水準だったということです。やはり内部留保をどれだけ貯めていくかと、利益が出たときに配当などで還元していくこと、両方大切だと思っています。アセットを使うビジネスなので、外部流出をあまり増やせないのですが、すごく期待されているのは感じます。利益が出たときにどうするかというのは、第3四半期以降にどうすべきか検討して参ります。目先で少し気になるのが、流通株式比率に未だ抵触していることです。また流動性が低いので、対応は必要だと思っています。まずは株式を分割して、少しでも個人の方が持てるように、また今月から個人投資家向けIRも始めたりして、幅広い個人投資家層を増やしていければと考えています。流通株式比率に関しての質問も多く寄せられていまして、「上場廃止になるのですか」という電話受けたりしますので、できるだけ早くご安心いただけるようにしたいと考えています。

     

    取材者:その他、何か足元の状況につきましてトピックスなどございますか。

     

    回答者:まだ収益に繋がることは先にはなると思いますが、先月末に出したKAITRY financeのみずほ信用保証株式会社様による本格導入というのは、我々としては大きなことです。メガバンクの信用保証会社は、住宅ローンの審査を実質的にやっているところで、すごく作業量が多いです。できるだけこういったものにシフトできればというニーズは元々ありました。他のサービスなどと比べて半年ほど運用していただいた上で今回導入となりました。みずほ信用保証株式会社様にたくさん使っていただきたいのと合わせて、メガバンクの信用保証会社が査定などで使えるということになると、信用度も上がって、さらに横展開できる可能性もあるので、ここは広げていきたいと考えております。非常に大切なトピックスだと思っています。

  • 取締役CFOコーポレート本部長 松岡耕平 様

取材アーカイブ

  • ビジネスモデル・事業内容

    (株)property technologiesは、中古マンションを区分所有で購入し、リノベーションを施して付加価値を高めた上で再販する、いわゆる再生事業を主力としている。この事業が全体の売上高と利益の約8割を占め、その他に山口県と秋田県で戸建て住宅の請負工事を行う2社を傘下に持つ。

     

    創業の経緯と転機

    創業者は元々、大手不動産会社に勤務していたが、独立してホームネットを設立した。当初は仲介事業から始めたが、リーマンショックを契機に、事業の安定化と効率化を重視し、中古マンションの買取再販に特化することを決断した。

     

    直近の決算状況

    2024年11月期のマンション販売戸数は約1,200戸、平均販売単価は約2,500万円で、増収増益を達成した。しかし、2022年11月期と比較すると売上高の伸びに対して利益率は低下しており、これは金利上昇による市況の変化と固定費の増加が影響している。

     

    特徴・強み

    中古マンション再生事業において、規模のメリットを活かした部材調達コストの抑制、リノベーションの効率化、販売期間の短縮を実現している。また、全国展開を行い、地域ごとのマーケットニーズに対応した事業展開を強みとしている。

     

    成長戦略

    昨年から、眺望に優れたプレミアムマンションの取り扱いを開始した。これにより、収益の拡大を目指すとともに、従来の価格帯のマンションについては、厳選した仕入れを行い、収益性を重視した戦略に転換している。

     

    株主還元策

    株主への利益還元として配当を実施しており、今後は配当を維持しながら、業績向上による増配を目指す。

  • Q:貴社のビジネスモデルの特徴と強みは何ですか?

    A:当社グループは、中古マンションを区分所有で購入し、リノベーションを施して付加価値を高めた上で再販する、いわゆる再生事業を主力事業としています。この事業が、全体の売上高と利益の約8割を占めています。また、全国展開を行い、地域ごとのマーケットニーズに対応した事業展開を強みとしています。また、山口県と秋田県で戸建て住宅の請負工事を行う2社を傘下に持っています。これらの会社はM&Aで取得しました。事業会社としては、中古マンション再生事業のホームネット、戸建て請負事業のファーストホームなど、3社で売上を構成しています。

     

    Q:戸建て事業の現状はいかがでしょうか?

    A:戸建て住宅市場は、大手パワービルダーによる供給過剰の影響で厳しい状況です。当社の傘下の2社は、注文住宅の請負を主体としており、在庫販売は限定的に扱うことでリスクを低減させています。競争が激しいものの底堅い需要があることから、地域でのシェアを維持・向上させながら安定的に推移しています。

     

    Q:賃貸管理事業の現状と今後の展望について教えてください。

    A:賃貸管理事業は、現在約300室程度を管理しており、安定的な収益源となっています。今後は、管理戸数を増やすとともに、オーナー様向けのサービスを充実させることで、収益拡大を目指します。また、賃貸管理事業で得られたデータを活用し、中古マンション再生事業の仕入れや販売に活かしていきたいと考えています。

     

    Q:中古マンション再生事業の強みは何ですか?

    A:中古マンション再生事業は、一定の規模を確保することで収益化が可能となります。規模のメリットにより、部材の調達コストを抑え、リノベーションの効率化を図り、販売期間の短縮を実現できます。

     

    Q:顧客層はどのような方々ですか?

    A:主に30代後半から40代の初めて住宅を購入される方をターゲットとしています。人口動態の変化はあるものの、賃貸住宅からの住み替え需要は根強く、安定的な需要が見込めます。

     

    Q:テック事業について教えてください。

    A:当社は、AI査定などのテクノロジーを活用し、業務効率化を図っています。例えば、AI査定を活用することで、物件の査定を迅速に行い、仕入れに結びつけています。またデータを活用して販売までの期間を短縮しています。その他に、金融機関との取引においても、テクノロジーを活用したサービスを提供しています。

     

    Q:テック事業の収益化についてはいかがでしょうか?

    A:現時点では、テック事業による直接的な収益は限定的です。しかし、将来的には、AI査定の精度向上や用途拡張などにより、収益貢献を拡大できると考えています。

  • 取材者:本日はお忙しい中、インタビューのお時間をいただきありがとうございます。まずは、貴社のビジネスモデルの特徴や強みについてご説明いただけますか?

    回答者:ありがとうございます。弊社のグループ全体としましては、中古マンションを区分所有で購入し、リノベーションを施して新品同様の状態に再生した上で再販する、いわゆる「中古マンション再生事業」を主力事業としております。この事業が、全体の売上高と利益の約8割を占めております。

    取材者:他に事業はございますか?

    回答者:はい、他に山口県と秋田県で戸建て住宅の請負工事を行うビルダーを2社保有しております。これらの会社はM&Aによりグループ傘下に入った会社です。事業会社としては、中古マンション再生事業を担う株式会社ホームネットと、戸建て住宅事業を行う株式会社ファーストホーム、そしてM&Aで取得した2社のビルダーで構成されております。

    取材者:M&Aで取得した2社のビルダーは、どのような会社ですか?

    回答者:どちらも地域に密着した事業を展開しており、長年にわたり地域のお客様から信頼を得ている会社です。株式会社ファーストホームは山口県で、もう1社は秋田県で事業を行っています。どちらも地域のお客様のニーズを捉え、高品質な注文住宅を提供することに強みを持っています。

    取材者:これらのビルダーと、貴社のマンション再生事業との間には、シナジー効果はありますか?

    回答者:はい、M&Aによるシナジー効果は、大きく分けて二つあります。一つ目は、グループ全体での仕入れ力の強化です。マンション再生事業で培ってきた仕入れノウハウを戸建て住宅事業にも活用することで、より効率的な仕入れが可能になります。二つ目は、顧客基盤の共有です。マンション再生事業の顧客に戸建て住宅を紹介したり、逆に戸建て住宅の顧客にマンションを紹介したりすることで、顧客の選択肢を増やし、新たなニーズを掘り起こすことができます。

    取材者:戸建て住宅事業の現状はいかがですか?

    回答者:戸建て住宅事業につきましては、現在、市場環境が厳しい状況です。全国展開する大手パワービルダー各社が、住宅を建築して在庫として販売する、いわゆる「建売」住宅の在庫水準が比較的高く維持されているためです。弊社傘下の2社は、建売住宅ではなく、お客様からのオーダーに基づいて注文住宅を請け負い、引き渡すという方法をとっております。しかしながら、新築の戸建て住宅のニーズに対しては、建売住宅との競合が避けられず、市場が大きく拡大する状況にはなく、一定程度地域に密着した事業展開により、一定のシェアを維持している状況です。

    取材者:戸建て住宅事業の市場規模は縮小傾向にありますか?

    回答者:はい、新築戸建て住宅市場全体の規模は縮小傾向にあります。これは、少子高齢化や人口減少の影響に加え、住宅価格の高騰や建築費の上昇などが要因として挙げられます。

    取材者:競合環境はいかがですか?

    回答者:競合環境としては、大手パワービルダーの参入や、既存の地域ビルダーとの競争激化など、厳しい状況が続いています。

    取材者:そのような厳しい状況下で、貴社はどのようにして戸建て住宅事業を展開していくのですか?

    回答者:私たちは、地域密着型の事業展開を強化し、顧客との長期的な関係構築を重視することで、安定的な収益を確保していきたいと考えています。具体的には、地域のお客様のニーズを丁寧にヒアリングし、最適な住まいを提供することで、顧客満足度を高め、リピーターや紹介を増やしていく戦略です。また、アフターサービスの充実や、地域貢献活動への積極的な参加などを通じて、地域社会との信頼関係を築き、長期的な視点で事業を継続していく考えです。

    取材者:中古マンション再生事業の強みについて、詳しくお聞かせください。

    回答者:中古マンション再生事業の強みは、収益性の高さです。物件のリノベーションを通じて付加価値を高めることで、再販時に利益を確保することができます。また、事業規模が大きいことも強みです。規模のメリットを活かすことで、部材の調達コストを抑えたり、リノベーション工事を効率的に行うことが可能となります。さらに、仕入れから販売までの期間が短いことも強みです。中古マンションは、販売期間が長引くと価格を下げざるを得ない傾向があるため、早期に販売することが重要となります。弊社では、社内DXを推進することで、物件情報を迅速に把握し、効率的な販売活動を行っております。

    取材者:貴社は全国展開されているそうですが、地域ごとの戦略はありますか?

    回答者:はい、札幌から沖縄まで全国展開していることも弊社の強みです。同様の事業を行う企業の中でも、ここまで広範囲に展開している企業は多くありません。各地域で市場環境を分析し、競合状況などを踏まえながら、柔軟な事業展開を行っております。

    取材者:顧客ターゲットについて教えてください。

    回答者:主な顧客ターゲットは、30代後半から40代で初めて住宅を購入される方です。人口動態の変化はあるものの、賃貸住宅から持ち家への移行というニーズは根強く、一定の需要が見込める市場と考えております。

    取材者:貴社の歴史についてお聞かせください。

    回答者:弊社は、元々は大手不動産会社に勤務していた現社長が、独立して創業した株式会社ホームネットという会社からスタートしました。当初は仲介業などを行っていましたが、リーマンショックを契機に、事業の安定化と効率化を図るため、中古マンションの買取再販に特化することを決断しました。以来、10年以上にわたり、この事業に特化することでノウハウを蓄積し、独自のビジネスモデルを確立してまいりました。

    取材者:なぜ中古マンションの買取再販に特化することになったのですか?

    回答者:リーマンショックを経験し、事業の安定化を図るには、プロジェクトの回転率を上げる必要があると痛感しました。そこで、開発期間の長い分譲事業よりも、比較的短期間で完結する中古マンションの買取再販に特化することにしたのです。

    取材者:近年、注力されている事業はありますか?

    回答者:近年は、従来の2,000万円台半ばの価格帯のマンションに加え、より高価格帯のプレミアムマンションの取り扱いを開始しました。これは、眺望などの優れた特徴を持つマンションに特化することで、差別化を図り、新たな収益源とすることを目的としています。

    取材者:プレミアムマンションの定義や特徴について、詳しく教えてください。

    回答者:はい、プレミアムマンションとは、都心の一等地や駅近に立地し、高層階で眺望が良く、広々とした間取りで、高級感のある内装や設備を備えたマンションのことです。これらの物件は、富裕層や高所得者層をターゲットとしており、高い収益性が見込めます。

    取材者:プレミアムマンションの仕入れはどのように行っているのですか?

    回答者:プレミアムマンションの仕入れは、通常のマンションよりも難易度が高いです。そのため、不動産仲介会社との連携を強化したり、独自の仕入れルートを開拓するなど、様々な取り組みを行っています。

    取材者:今後の事業展開についてお聞かせください。

    回答者:プレミアムマンションの販売を強化することで、増収増益を目指します。また、従来のマンション事業においては、厳選した物件を仕入れることで収益性の向上を図ります。将来的には、市場環境の変化に対応しながら、新たな事業展開も検討してまいります。

    取材者:テクノロジー活用についてお聞かせください。

    回答者:弊社では、AI査定などを活用することで、業務効率化を図っております。例えば、物件の査定をAIで行うことで、迅速かつ効率的に査定額を算出することが可能となり、仕入れや販売のスピードアップに繋がっております。また、AI査定の精度向上により、更なる業務効率化と収益向上を目指します。

    取材者:マンション再生事業における、仕入れから販売までの期間について詳しく教えてください。

    回答者:はい、マンション再生事業においては、物件の仕入れから販売までの期間が短いことが重要です。具体的には、現在、仕入れから販売までの期間は約7~8ヶ月ですが、これを1ヶ月程度短縮したいと考えています。

    取材者:業界全体で見ると、どれくらい早いのですか?

    回答者:他社、特に上場企業の開示情報を見ても、定義が異なるため単純比較が難しいです。開始日や対象物件の範囲などが異なるため、正確な比較が困難な状況です。同じエリアで同じような事業を行っている企業と比較しても、仕入れから販売までの期間に大きな差はないと感じています。各社とも、すでに効率化を追求しており、これ以上の期間短縮は難しい状況です。

    取材者:AI査定の導入は、期間短縮に貢献していますか?

    回答者:はい、AI査定の導入により、物件の査定にかかる時間を大幅に短縮することができました。従来は、経験豊富な社員でも物件の査定にある程度の時間を要していましたが、AI査定を活用することで、経験の浅い社員でも迅速に査定を行うことができるようになりました。

    取材者:AI査定の精度はいかがですか?

    回答者:AI査定は、まだ精度が完璧ではありません。不動産の取引には、経験値やノウハウも必要であり、AI査定の結果を参考にしながら、最終的な判断を行うことが重要です。

    取材者:他に、期間短縮に貢献している要素はありますか?

    回答者:仲介会社と協力して物件の仕入れを行っていることも、期間短縮に貢献しています。仲介会社が保有する物件情報を、弊社の買取プラットフォームと連携させることで、迅速な仕入れを可能にしています。また、仕入れ契約から決済までの間に、リフォーム工事を先行して行うなど、工夫を凝らしています。

    取材者:貴社の創業から現在に至るまでの経緯について、詳しくお聞かせください。

    回答者:創業当初は、資金調達の難しさから、仲介業を中心に事業を行っていました。その後、信用力を高め、資金調達が可能になったことで、分譲住宅の販売にも着手しました。しかし、リーマンショックを契機に、事業の安定化と効率化を図るため、中古マンションの買取再販に特化することを決断しました。2000年から中古マンションの買取再販事業に特化し、現在に至ります。

    取材者:2024年11月期の決算について、増収増益と好調に見えますが、2022年11月期と比べると、売上高の伸びが鈍化しているように見えます。これは、どのような要因によるのですか?

    回答者:2022年11月期は、事業拡大を図るため、積極的に仕入れを行い、出店も増やしました。しかし、その直後に金利上昇の影響で市況が悪化し、販売が伸び悩んだ結果、売上高は前年並みとなりました。費用は先行して増加していたため、利益率が低下しました。また、前期に仕入れた物件の在庫が積み上がり、販売に時間がかかったことも、売上高の伸び悩みの一因です。前期は、プレミアムマンションの導入などにより、増収増益を達成しましたが、まだ改善の余地はあります。特に、粗利率の改善が課題です。

    取材者:今期の業績見通しはいかがですか?

    回答者:今期は、プレミアムマンションの販売を強化することで、更なる増収増益を目指します。また、従来のマンション事業においては、厳選した物件を仕入れることで収益性の向上を図ります。

    取材者:物件を厳選する基準について、詳しく教えてください。

    回答者:はい、物件の厳選には、過去の販売実績データを分析し活用しています。各支店ごとに、どのエリアでどのような物件が売れやすいか、あるいは売れにくいかを把握しています。さらに、エリア特性なども考慮し、総合的に判断して仕入れを行っています。

    取材者:エリア戦略については、いかがですか?

    回答者:エリア戦略としては、基本的に売れるエリアを重視しています。しかし、そうでないエリアでも良い物件があれば仕入れることもあります。ただし、リスクが高いと判断した場合は、仕入れを見送ることもあります。

    取材者:仕入れから販売までのプロセスについて、詳しく教えてください。

    回答者:仕入れから販売までは、以下のプロセスを経ています。まず、仲介会社から物件情報を取得し、AI査定などを活用して査定額を算出します。査定額が妥当であれば、仕入れ契約を締結し、物件の所有権を取得します。その後、約1ヶ月半~2ヶ月かけてリフォームを行い、販売を開始します。販売契約が成立したら、お客様の住宅ローン手続きなどを経て、最終的に決済を行います。

    取材者:社内DXについて、どのような取り組みをされていますか?

    回答者:社内DXとしては、AI査定の導入により、物件査定の効率化を図っています。従来は、物件情報や周辺環境などを参考に、ベテラン社員が時間をかけて査定を行っていましたが、AI査定の導入により、経験の浅い社員でも迅速に査定を行うことができるようになりました。また、過去の販売実績データなどをデータベース化することで、物件の査定精度向上に役立てています。これにより、人材育成の効率化にも繋がっています。

    取材者:株主還元策についてお聞かせください。

    回答者:株主還元策としましては、配当を実施しております。当初は内部留保の充実を優先し、配当には消極的でしたが、株主への利益還元も重要な経営課題であると認識し、配当を開始いたしました。具体的には、1株あたりの配当額を維持しながら、業績向上に伴い、配当性向を高めていきたいと考えています。安定的な配当を継続していくためには、収益基盤の安定化と成長が不可欠です。そのため、売上高や利益率、ROEなどの指標を重視し、経営状況を総合的に判断しながら、配当政策を決定していきます。

  • 取締役CFOコーポレート本部長 松岡耕平様

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