
(株)オハラ
東証STD 5218
決算:10月末日
20260402
CP&X
【2026年10月期1Q】
決算概要
2026年10月期第1四半期決算は、売上高71億7,500万円(前年同期比4.4%増)、営業利益3億2,900万円(同36.2%減)と、増収減益での着地。増収要因は、光事業のデジタルカメラ向け製品の需要が堅調に推移したことに伴う売上増加。減益の主因は、エレクトロニクス事業の半導体露光装置向け製品の在庫調整が継続したことによる製品ミックスの変化。
セグメント別または事業別の増減要因
光事業の業績は、売上高41億3,000万円(前年同期比15.2%増)、営業利益が前年同期のマイナス2億1,000万円から2億3,600万円改善して3,500万円と、増収増益での着地。要因としては、光学プレス品のうち、高単価な川下製品の売上がカメラ市場の堅調な需要に伴い増加したことに加え、価格改定の影響で収益性が改善したことによるもの。一方、エレクトロニクス事業の業績は、売上高の30億4,400万円(同7.4%減)、営業利益2億9,300万円(同59.6%減)と、減収減益での着地。要因としては、半導体露光装置向け製品の調整に伴い売上が減少したこと加え、製品ミックスの変化が営業利益に影響を及ぼしたことによるもの。
トピックス
今回、上期および通期の業績予想を上方修正。当初、光事業の関連市場であるカメラ市場の需要に対しては慎重な見立てをしていたものの、足元では中国を中心にレンズ交換式デジタルカメラやコンパクトデジタルカメラの需要が堅調に推移し、想定を上回る状況となったことによる増収効果が発生。また、原材料価格高騰による採算性悪化に対して、昨年より継続してきた価格交渉が進展し、採算性に改善が見られたことも今回の修正に反映。

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
【2025年10月期(通期)】
決算概要
2025年10月期(通期)の業績は、売上高28,895百万円(前期比3.5%増)、営業利益1,794百万円(17.6%減)での着地。増収要因は、光事業においてカメラ市場が堅調に推移し、顧客の在庫調整が一巡して実需に近い安定状態へ回復したことによる売上確保。減益の主因は、米中貿易摩擦等を背景とした光学ガラス生産に使用するレアアース原材料費の高騰およびその調達リスクへの対応費用の発生による光事業の収益圧迫と、エレクトロニクス事業における主要顧客の在庫調整。
セグメント別または事業別の増減要因
光事業は、カメラ用交換レンズ向けガラス需要が回復基調にあるものの、中国依存度の高いレアアース価格が高騰しており、価格転嫁の遅れが利益を圧迫する構造。エレクトロニクス事業は、半導体市場全体は好調ながらも、露光装置向け製品において顧客側の在庫調整が継続し、日本や欧米顧客向け出荷も減少状態で推移。
主要KPIの進捗と変化
新たな成長指標として、台湾工場にてAIサーバー向け電子基板等に使用される「低誘電ガラス」の事業化を開始し、前期6億円から今期10億円規模への売上拡大を計画。将来的には市場伸長に合わせて更なる売上規模拡大を見込む一方、現行の中期経営計画で掲げたROE6.5%目標については、外部環境変化による利益乖離により達成困難となる見通し。
季節性・一過性要因の有無と影響
エレクトロニクス事業における露光装置向け製品の在庫調整は、2026年10月期の上期末を目処に終了する見込みであり、一時的な受注抑制要因としての認識。恒常的なリスク要因としては、光事業において、世界の供給の大部分を中国が占めるレアアースの調達難航と価格高騰があり、代替調達には数年を要するため、当面の間はコスト高に対する耐性が求められる状況。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年10月期は、原材料高の継続や新規事業立ち上げに伴う製品ミックス変化による収益性低下を織り込み、営業減益を見込む保守的な計画。通期達成の前提条件として、顧客の在庫調整終了に伴う下期からの注文回復を見込んでおり、上期中の戻りが早まれば計画を上回る可能性も残すものの、基本的には下期偏重型の回復シナリオ。
トピックス
光事業の需要減により赤字が続いていた台湾工場の稼働率向上を目的とし、低誘電ガラス等の新規事業を同拠点で展開することで赤字幅緩和を推進。次期中期経営計画(2027年度~)では、売上が伸長しても利益が出にくい外部環境に対応するため、工場設備の余剰整理等を含めた構造改革を実施する方針。
【2025年10月期(通期)】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:今年から、AIサーバー向け電子基板等に使用される「低誘電ガラス」の事業に着手しており、これを10億円規模の売上に育成することを目指しております。低誘電ガラスなどの新規事業に関しては、元々光事業の需要減により赤字が続いていた台湾工場で開始しており、この新規事業によって稼働率を上げることで工場の赤字を改善させることが第一の目的となります。将来的には市場動向を踏まえると、更なる需要拡大のポテンシャルがあると考えており、市場の伸長に合わせて顧客と協議しながら増産等を進めていきたいと考えております。また、全固体電池関連など新しい取り組みも含め、徐々に事業を拡大していく方針です。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:光事業については、カメラ市場が比較的堅調に推移し顧客の在庫調整も一巡しましたが、米中貿易摩擦などの影響によるレアアース等の原材料費高騰が発生しており、収益面で厳しい状況が続いています。エレクトロニクス事業については、半導体市場自体は好調であるものの、露光装置向け製品において、顧客側での在庫調整局面にあります。また、レアアースに関しては世界的な供給の大部分を中国が占める中で、中国以外の調達ルートから確保しなければならず、これに伴って価格が高騰しており、また代替が進むには数年を要すると見ているため、ここ数年は耐える必要があると認識しております。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:新年度について、光事業はカメラ市場が堅調なため売上は横ばいを見込んでいますが、原材料費高騰分をすべて価格転嫁できる状況ではないため、依然として厳しい収益状況が続くと予想しています。エレクトロニクス事業については、調整局面からの戻りが鈍いことや、新規事業立ち上げに伴う製品ミックスの変化により収益性が一時的に低くなる傾向があるため、前年よりも厳しい数字を計画しています。全体としては、顧客の在庫調整終了に伴い下期には注文が戻ってくるという前提で計画を策定しており、台湾工場での新規事業拡大による光事業の赤字幅緩和などを進めていく方針です。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:光事業においては、昨年の顧客側の在庫過多による生産調整が終了し、現在は実需に近い安定した状態に回復しております。一方、エレクトロニクス事業においては、半導体市場自体は動いているものの、特定の顧客、特に露光装置向けにおいて在庫調整が継続しており、日本や欧米の顧客向け出荷にも厳しさが見られます。競合・供給環境としては、光学ガラスメーカーは世界でも数社に限られますが、原材料であるレアアースの調達において中国メーカーの方に優位性があり、コスト競争は厳しい状況となっております。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:現在は現行の中期経営計画の最終年度にあたりますが、売上は概ね計画通りである一方、外部環境の変化により利益面での乖離が生じております。次期中期経営計画は2027年度からの3カ年計画として策定中であり、発表は今年の12月頃を予定しております。次期計画においても、光事業の黒字化などの構造改革を引き続き進める方針ですが、原材料高や関税といった外部環境が悪化しており、売上が上がっても利益が出にくい構造になっているため、工場設備の余剰整理等を含めた対策を講じていく必要があると考えております。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:PBRの向上および中期経営計画で掲げたROE6.5%の目標未達への対応としては、BSの改善や株主還元もしっかり行う必要があると認識しておりますが、基本的にはメーカーとして新製品開発や利益向上を通じて企業価値を高め、その結果として株価を上げることが本筋であると考えております。あくまで本業での成長投資が最優先であるという認識のもと、バランスを取って経営を行ってまいります。
【2025年10月期(通期)】
取材者:創業90周年を迎えられたとのこと、おめでとうございます。非常に歴史のある企業であり、参入障壁の高い分野で御社独自の技術を数多くお持ちであると拝見しました。早速ですが、12月11日に発表された2025年10月期通期決算概要について、その要因や全体的な振り返りを教えていただけますか。
回答者:2025年10月期の決算について、光事業とエレクトロニクス事業の2つに分けて説明します。まず光事業はカメラの交換レンズ用光学ガラス販売が中心となります。昨年は顧客側の在庫過多による生産調整がありましたが、現在はカメラ市場も横ばいから比較的堅調に推移しており、在庫調整も一巡してほぼ実需に戻りました。その結果、売上は安定した状態に回復しております。しかし、光学ガラスには多くの原材料を使用しますが、特にレアアースの調達において、米中貿易摩擦などの影響を受け、入荷遅延や価格高騰が発生しています。この原材料高と調達リスクへの対応費用の発生の影響により、収益面では依然として厳しい状況が続いています。
一方、エレクトロニクス事業については、半導体関連の特殊ガラスが約半分を占めています。半導体市場自体は非常に好調なのですが、露光装置向け製品において顧客側の在庫調整が継続している状況です。総括しますと、両事業とも市場自体は悪くありませんが、米中関係や原材料費の高騰、在庫調整などの影響により、利益面で影響が出ているという状況です。
取材者:新年度2026年10月期の業績予想も発表されていますが、やや厳しい数字のように見受けられます。こちらはどのように受け止めればよろしいですか。
回答者:新年度についても、光事業の売上はカメラ市場が堅調なため横ばいを見込んでいます。本来であれば収支均衡レベルの売上規模ですが、レアアース等の原材料費高騰分を価格転嫁しきれていない現状があります。前期は800百万円程度の赤字でしたが、今期はそこまではいかないものの、依然として厳しい状況が続き、ほぼ横ばいの数字を見込んでいます。
エレクトロニクス事業についても、半導体関連は比較的収益性が高いのですが、調整局面からの戻りが鈍いことや、事業ポートフォリオのバランスを取るために新規事業を増やしている段階であることが影響しています。新規事業の立ち上げ時期は収益性が低くなる傾向があるため、製品ミックスの変化により、前年よりも収益面で厳しい数字を計画に入れています。
取材者:為替については、150円での想定ということでよろしいですか。
回答者:はい、そうです。
取材者:世界情勢が混沌とする中、日経平均株価は一部の銘柄に牽引されて上昇していますが、御社の場合、特に為替、円安の進行についてはどのように捉えていますか。
回答者:やはり原材料費の高騰という形で影響が出ております。また、半導体露光装置向け製品についても、現在は在庫調整が入っているため、出荷面でも厳しさがあると感じています。
取材者:エレクトロニクス事業の調整についてですが、製造装置向け、つまり露光装置向けの製品調整と考えてよろしいですか。また、地域的にはアメリカでの調整という認識で合っていますか。
回答者:はい、装置に入るレンズや構造部材になります。地域につきましては日本や欧米の顧客向けが該当します。
取材者:在庫調整は今期の上期末までで終了するという目処を発表されていますが、そのように捉えてよろしいですか。
回答者:現時点ではそのように考えています。市場自体は動いており、顧客側の在庫調整と認識していますので、顧客の製造が進めば注文も戻ってくるだろうと見ています。正確な時期については不透明な部分もありますが、今期の下期には戻ってくるのではないかという前提で計画をしております。
取材者:需要自体は旺盛ですから、製品の製造が進めば在庫は解消されると理解しています。次に、エレクトロニクス事業の今後3か年間の見通しについて伺います。トップラインの伸び率などはどの程度とお考えですか。
回答者:具体的な数字については、今年が現在の中期経営計画の最終年度であり、次期中期経営計画を策定中のため控えさせていただきますが、今年の通期決算発表時には発表できるかと思います。イメージとしては、半導体市場の伸びにある程度リンクして伸長すると考えています。また、今年からAIサーバー基板等に使用される「低誘電ガラス」に着手しており、これを10億円規模の売上に育てようとしています。その他、全固体電池関連など新しい取り組みも含め、徐々に増やしていく方針です。
取材者:増益に転じるタイミングはいつ頃になりそうですか。今期末には実質増益となる可能性もありますか。
回答者:半導体露光装置向け製品の戻り時期に大きく依存しますが、計画上は下期での回復を見込んでいます。もし上期中に戻りが早まれば、計画を上回る可能性もあります。売上が戻れば、収益性も回復します。
取材者:先ほどお話のあったAIサーバー基板用の低誘電ガラスですが、昨年が6億円、今期が10億円程度の売上目標ということですね。この事業の規模感や収益貢献の時期について教えていただけますか。
回答者:台湾に工場があり、元々は光事業の光学ガラスを製造していたのですが、需要減により赤字が続いておりました。この工場で低誘電率ガラスなどの新規事業を開始し、稼働率を上げることで赤字を改善させることが第一の目的です。ですので、すぐに大きな利益が出るというよりは、光事業の赤字幅が緩和されるという観点で今期は見ています。その後、生産体制を強化し、工場の採算性が改善した段階で、市場の伸びに合わせて顧客と協議しながら増産や新規開拓を進めていきたいと考えています。
取材者:今期10億円を達成し、顧客が増えれば20億円規模も見えてくるのでしょうか。AI基板向けということで期待も大きいかと思います。
回答者:弊社の供給能力次第ではありますが、市場動向を踏まえると20億円、30億円規模のポテンシャルはあると考えています。各社とも注力している分野ですので、市場の成長に遅れない様に対応していきたいと考えております。
取材者:中国のレアアースに関するコスト高についてですが、これは緩和されつつあるのでしょうか、それとも依然としてコストアップの要因となり続けるのでしょうか。
回答者:予測が難しいのが正直なところです。10年前の尖閣諸島問題の際は市場価格が10倍になりましたが、現在はそこまでではないものの、上昇している状況です。中国が輸出規制などの動きを見せる中、どこまで深刻化するかは不透明です。業界全体で「脱中国」として中国以外からの調達を検討していますが、現状は世界的な供給の7〜8割を中国が占めており、中国以外から調達できたとしても数量や品質、価格などの問題があるため、従来よりも価格が高騰しています。各国でレアアース生産の動きはありますが、代替が進むには2〜3年はかかると見ており、ここ数年は耐えるしかない、という感覚を持っています。この影響は特に光事業で大きいと見ています。
取材者:イランなど中東情勢の影響はございますか。
回答者:光学ガラス生産自体への直接的な影響はまだ見られませんが、ガス・電気代の高騰といったエネルギーコスト面での影響は懸念されます。ウクライナ情勢の際はエネルギーコストの上昇で利益が圧迫されましたので、原料以外の部分でのリスクはあると考えています。
取材者:御社として、中国からの生産シフト、いわゆる「チャイナリスク」への対応は進めないのですか。
回答者:リスクとしては認識していますが、主要顧客であるカメラメーカー様の生産拠点が中国や東南アジアに集中している現状があります。光学ガラスを現地で納入するケースが多いため、顧客が国内回帰や他国へのシフトを進めるタイミングに合わせることになると考えています。台湾工場についても、有事の際のリスクは顧客からも懸念として挙がっており、中国からの調達が困難になった場合の対応などは強く求められています。中国で製造しても製品を輸出できるかという問題もありますので、非常に難しい舵取りが必要です。
取材者:今期(2026年10月期)の業績は営業減益見通しですが、下期からの回復を予定されています。もし順調に回復すれば、来期(2027年10月期)は営業利益が倍増、あるいは3倍といった水準になる可能性もあるのでしょうか。
回答者:元々の計画ではそのような回復を見込んでおりました。半導体市場が確実に戻り、レアアース問題などが解消されれば、2024年度以前の利益水準には戻ると考えています。ただ、光事業においては海外工場を設立した当時に想定していた市場需要まで現状は戻っておらず、売上が上がっても利益が出にくい構造になっています。そのため、工場設備の余剰整理や構造改革を含め、次期中期経営計画で対策を講じていくことになると考えています。
取材者:現在進行中の中期経営計画は未達となりそうですが、次期中期経営計画の発表はいつ頃になりますか。
回答者:2027年度からの3カ年計画となりますので、先ほども申しましたが、発表は今年の12月頃、遅くとも2026年度の決算説明会までには行う予定です。現行の中計については、売上はほぼ計画通りですが、利益面が外部環境の変化により乖離してしまいました。次期計画では、光事業の黒字化などの構造改革を引き続き進めますが、予測困難な要素やコントロールがきかない要素も多いため、ある程度保守的な見通しにならざるを得ない面もあるかと考えています。
取材者:自社株買いを行われていますが、これはPBRの向上を意図されたものでしょうか。
回答者:はい、PBR向上や、中計で掲げたROE 6.5%の目標未達に対する対応でもあります。これまではPL重視でしたが、BSの改善や株主還元もしっかり行う必要があります。一方で、基本的にはメーカーですので、新製品開発や営業利益・純利益の向上を通じて企業価値を高め、その結果として株価を上げることが本筋であると考えています。
取材者:株価対策としての自社株買いも理解できますが、設備投資や利益体質の強化に資金を回すべきではないかとも感じますが、いかがでしょうか。
回答者:おっしゃる通り、本業での成長投資が最優先であるという認識は持っております。
取材者:すばる望遠鏡やTMT(30メートル望遠鏡)、宇宙衛星など、御社の技術がなければ成立しない重要な分野を支えていらっしゃいます。貴社の企業価値はそうした「替えの効かない技術」も評価されるべきだと考えています。
回答者:ありがとうございます。光学ガラスメーカーは世界でも数社しかなく、特に大型望遠鏡や宇宙分野では国産技術として弊社しか対応できないものも多いです。しかし、デジタル化以降、かつてのような「レンズが全て」という価値観から価格競争に巻き込まれている面もあります。製品の中に組み込まれているため「オハラ」のブランドが見えにくいという課題もありますが、本来の付加価値をもっと認めていただきたいという思いはあります。
取材者:チャイナリスクや地政学リスクの判断は非常に難しいところかと思いますが、投資家としてはリスクヘッジや回避策の開示を期待している部分もございます。需要は旺盛とのことですので、まずは今期下期からの回復、そしてトップラインの伸長に期待しております。
回答者:ありがとうございます。
IR担当

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決算概要
第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比1.1%増の21,067百万円、営業利益が前年同期比5.3%減の1,571百万円となりました。前年同期と比べて増収減益となった要因としましては、光事業において交換レンズ用途を中心に需要が回復し販売が増加したものの、エレクトロニクス事業において半導体露光装置用途製品の在庫調整に伴い販売が減少し、販売構成の変化が営業利益に影響を及ぼしたことによるものです。
セグメント別または事業別の増減要因
第3四半期連結累計期間における光事業の業績は、売上高が前年同期比5.9%増の11,083百万円、営業損失が前年同期の△716百万円から300百万円改善して△415百万円となりました。このような業績となった要因は、デジタルカメラ市場の需要が堅調に推移し販売が増加したことに加え、事業構造の転換に伴い、生産設備の稼働率が良化して原価率が改善したことによるものです。一方、エレクトロニクス事業の業績は、売上高が前年同期比3.8%減の9,983百万円、営業利益が前年同期比16.4%減の1,987百万円となりました。減収減益となった要因は、半導体露光装置用途製品の調整に伴い販売が減少したことに加え、販売構成の変化が営業利益に影響を及ぼしたことによるものです。
通期見通しと進捗率・達成可能性
光事業では、中国によるレアアース輸出規制が業績に与える影響を懸念しております。対象となっているレアアース原料を含有する製品については、中国の合弁会社において熔解し、ガラス化された材料を輸出することで対応しております。ただし、ガラス化された材料は、原料と比較すると加工進度が高く、調達コストが上昇することから、2025年10月期第4四半期の利益面に一定の影響が生じると見込んでおります。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)は何でしょうか?
A:エレクトロニクス事業の関連市場では、半導体露光装置市場は世界的な設備投資を背景とした需要の増加が見込まれています。このような状況を踏まえ、半導体露光装置向け高均質光学ガラス及び石英ガラスは、生産設備の増強を進め、旺盛な需要に応えていくとともに、アジア地域での販売体制を強化していきます。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2025年10月期の通期予想として、売上高を前期比1.5%減の275億円、営業利益を前期比12.7%減の19億円と見込んでおります。減益の要因は、光事業における営業損失の継続及びエレクトロニクス事業における在庫調整に伴う販売構成の変化よるものです。当社では、特に光事業における収益性の改善を重要な経営課題として位置づけており、稼働率の低い既存工場インフラを有効活用するとともに、光事業の生産設備をエレクトロニクス事業へ転換することで、資源の最適配分を進めております。エレクトロニクス事業においては、現在、半導体露光装置用途製品が在庫調整局面にありますが、2026年度下期以降にAI半導体市場の拡大や顧客による露光装置の生産能力増強といった動向が見込まれており、需要回復への期待が高まっているため、当社では慎重な需給見極めを継続しつつ、供給体制の強化に取り組んでおります。今後も事業構造の転換と成長分野への集中を通じて、収益性の改善と企業価値の向上を目指してまいります。
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IR担当

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
決算概要
2025年10月期第2四半期決算は、売上高138億100万円(前年同期比4.2%増)、営業利益10億5,100万円(同25.6%増)、経常利益12億9,100万円(同14.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益7億5,600万円(同25.0%増)と、増収増益で着地した。しかしながら、業績予想は修正されており、その進捗は遅延している。この要因は、光事業における原材料費、特にレアアース関連の価格上昇による原価改善の遅れと、エレクトロニクス事業における半導体関連の在庫調整の長期化が挙げられる。
セグメント別または事業別の増減要因
光事業は、在庫調整の終了により実需水準まで回復したことにより、売上は当初計画を上回る進捗である。しかし、レアアース関連の原材料費高騰が原価改善を阻害し、収益面が改善せず、結果として売上高は上方修正したものの、営業利益は下方修正となった。一方、エレクトロニクス事業は、半導体関連の在庫調整が予想以上に長引いたことで売上が伸び悩み下方修正されたものの、石英ガラスにおける価格転嫁などが奏功し、利益面は落ち込まずに推移した。
主要KPIの進捗と変化
今期の光事業におけるカメラ関連製品は順調な推移が見込まれる一方で、半導体市場の動向が今後の主要な注目点である。低誘電ガラスなどの新しい事業も進めているが、これらは今期の業績には影響せず、来期の貢献を目指し計画策定および取り組みを進めている段階である。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2025年10月期の通期業績見通しは、売上高275億円、営業利益19億円、経常利益23億円、親会社株主に帰属する当期純利益22億円であり、現在のところ開示されている数字で推移する見込みである。下期に特別な施策は予定されていないが、来期以降の新しい事業立ち上げに向けた投資が開始されており、下期から来期にかけて新しい体制構築を進めている。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:低誘電ガラスを含む新しい事業は、今期の業績には関係ありませんが、来期の計画において貢献できるよう現在取り組んでいます。下期からは、この新しい事業の立ち上げに向けた投資を開始しており、来期にかけて新しい体制を整えていく方針です。これらの取り組みは、将来の成長戦略における重要なポイントであると考えております。
Q:通期業績の見通についてご説明ください。
A:通期の業績は、現在開示している予想通りに推移する見込みです。Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aについては、特に公表できる内容はありません。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画は2026年度が最終年度となります。新規事業を立ち上げてある程度の収益性を確保するという目標を掲げていますが、顧客との調整が多く、売上や収益の進捗が遅れています。特に、売上はわずかに未達となる程度に留まる見込みである一方、収益面では大幅に未達となる可能性があります。
取材者:まず初めに、2025年10月期第2四半期の決算についてお伺いします。売上高は138億100万円で前年同期比4.2%の増加、営業利益は10億5,100万円で同25.6%の増加、経常利益は12億9,100万円で同14.5%の増加、親会社株主に帰属する中間純利益は7億5,600万円で同25.0%の増加と、前年と比較して増収増益で着地しました。ただし、業績予想の修正も出されている通り、業績予想に対する進捗が遅れてしまったように見受けられます。この増減要因についてご説明いただけますか?
回答者:光事業についてですが、元々は在庫調整等があったため、先行きが不透明でした。一方で、生産設備の稼働率改善や業務効率化によって収益面の改善に向けて取り組んでいくというのが当初の計画でした。それに対して、カメラ向け交換レンズの在庫調整が終わり、ほぼ実需の水準に戻ってきたため、売上は当初計画よりも上回っています。ただ、収益面では、原材料費、特にレアアース関連の価格が上昇しています。昨年、コストが高い時期に仕入れた在庫が残っていることもあり、なかなか原価が改善されません。そのため、収益面もなかなか改善されず、光事業に関しては売上は上方修正しましたが、営業利益は下方修正という形になりました。
一方、エレクトロニクス事業は基本的に半導体がメインです。光事業の在庫調整は終わりましたが、今度は半導体関連の在庫調整が予想より長引き、売上が伸びませんでした。そのため売上高は下方修正しましたが、利益に関しては石英ガラスなどで価格転嫁や収益性の良い製品が出たため、利益面は落ち込んでいません。
以上より、全体では売上高・営業利益ともに下方修正となりましたが、セグメント間の調整、特に営業利益の構成が想定と違ったため、これを補正させていただきました。
取材者:業績に影響を与えるような一時的な要因や季節性、外的要因などはございましたか?
回答者:季節性は特にないと思います。
取材者:やはり在庫調整が今期の上期の大きな要因だったということですか?
回答者:その通りです。
取材者:下期もエレクトロニクス事業に関しては、引き続き在庫調整を進めていくという認識でよろしいですか?
回答者:そうですね、下期ももう少し時間がかかるかと思います。
取材者:在庫を抱えてしまった要因について、改めて説明いただけますか?
回答者:半導体市場が非常に好調だったため、お客様も強気に発注していた時期があったようです。お客様も部品の一つでも滞ると生産が止まってしまうため、多めに発注していたのではないかと思います。昨年の下期は過去最高レベルの業績を出したため、市場は非常に強いと思っていましたが、おそらく実需よりも多めに発注がかかっていたのではないかと思います。最近は、半導体製造装置市場も一部製品によっては需要が減少しており、半導体もすべてが良いわけではないようです。弊社のお客様のケースでも、当初は強気な数字を出していたものが、最近見るとかなり下がっています。そういった状況を見ると、やはりお客様の強い計画が想定通りに進んでいないということがあったのではないかと推測します。
取材者:市場全体でそういった流れがあったということですね。主要なKPIなどがあれば教えていただけますか?
回答者:今期は、光事業の交換レンズ向け材料は比較的このまま順調に進むと思いますが、半導体の動向がどうなるかという点が挙げられます。他にも、低誘電ガラスなど新しい事業も始めていますが、これは今期の数字には関係ないと思います。来期の計画を策定中ですが、そういった新しい事業がきちんと貢献できるように、現在取り組んでいるところです。
取材者:それでは、前期比での採用数の推移はいかがですか?
回答者:採用に関しては、新入社員は予定通り採用しています。以前から高齢化が進んでおり、若年層が少なかったことが課題となっていたため、ここ数年間、来年も含めて定期的に新しい人材を確保しようと動いています。
取材者:それは順調に進捗していますか?
回答者:市場が売り手市場になっているため、内定を出しても辞退されることもありますが、ここ数年間は順調に採用できています。
取材者:2025年10月期の見通しについてお伺いします。売上高は275億円、営業利益は19億円、経常利益は23億円、親会社株主に帰属する当期純利益は22億円となっておりますが、進捗についてお伺いできますか?
回答者:通期については、現在のところは開示した数字で推移していく見込みです。
取材者:下期に向けた取り組みや施策はございますか?
回答者:下期だからといって特別なことはありませんが、来期の新しい事業に向けた立ち上げの投資を始めています。この下期から来期にかけて、新しい体制を整えていこうと動いています。
取材者:M&Aや業務提携について、実施の有無や検討状況があれば教えていただけますか?
回答者:M&Aについては、特に公表できるような話はありません。
取材者:株主還元の方針について、何か変更はございますか?
回答者:現在のところ、特に変更はありません。来年が中期経営計画の最終年度であり、再来年から新しい中期経営計画が始まるため、何かあるとすればそのタイミングになるかと思います。今年は特にないと考えています。
取材者:中期経営計画の進捗はいかがですか?
回答者:中期経営計画は来年2026年度が最終年度です。基本的には新規事業を立ち上げて、ある程度の収益性を確保するという目標で動いていますが、お客様との調整が多く、売上や収益面が進捗しませんでした。特に売上よりも利益の方が想定通りに進まず、売上は若干未達となる程度かと思いますが、収益面で大幅に未達となる可能性があります。
取材者:最後に、足元の状況について、何かトピックスやニュースリリースがあれば教えていただけますか?
回答者:特にトピックスのような話はありません。何かあれば随時発表していくことになります。現在のところは開示しているもの以上の情報はありません。
IR担当
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ビジネスモデル・事業内容
株式会社オハラは、来年創業90周年を迎える光学ガラスメーカーである。光学ガラスはカメラ用レンズなどに使用されており、HOYAと並び、両社で国内市場の7~8割を占めるリーディングカンパニーである。 創業当初は双眼鏡やカメラなどに使われるレンズを主力製品としていたが、近年ではエレクトロニクス事業にも注力し、半導体露光装置用ガラスで高い成長を遂げている。 AIやIoTの普及に伴い露光装置の需要は拡大しており、同社の業績を牽引している。創業当初は双眼鏡やカメラなどに使われるレンズを主力製品としていたが、近年ではエレクトロニクス事業にも注力し、半導体露光装置用ガラスで高い成長を遂げている。AIやIoTの普及に伴い露光装置の需要は拡大しており、同社の業績を牽引している。
創業の経緯と転機
1935年の創業当時は戦時中であり、潜望鏡やライフルスコープなど、光学ガラスの需要が高かった。 その後、エレクトロニクス事業への進出が転機となり、現在では半導体露光装置用ガラスが主力製品となっている。
直近の決算状況
2024年10月期の決算では、光学事業のカメラ向け製品において在庫調整が解消した一方で、光学プレス品や光学ブロック品の販売が前期水準まで回復しなかった。 これは、2022年度後半から2023年度前半にかけての半導体不足の影響による反動で、在庫調整が行われたことが要因である。 一方、エレクトロニクス事業は好調で、半導体露光装置用ガラスの需要増加が貢献している。
特徴・強み
光学ガラスは非常にニッチな分野であり、世界的に見ても光学ガラスを大量に生産しているメーカーは数社しか存在しない。 国内では、オハラとHOYAで市場の7~8割を占めており、高い技術力と市場シェアを有している。
成長戦略
海外市場の売上比率は6割を占めており、これまで日系カメラメーカーの海外工場への販売が中心であったが、今後は日系メーカー以外への販売拡大や、中国市場への進出も視野に入れている。
新規事業
新規事業としては、電子基板用低誘電ガラスや全固体電池向けガラスの開発に注力している。 電子基板用ガラスでは、ファイバーメーカーと提携し、原料からガラスを製造する工程を担うことで、顧客の高品質なファイバー製造を可能にする。 全固体電池向けガラスは、高いリチウムイオン電導性を有する材料で、安全性が高く、車載用電池などに適しており、次世代材料としての採用を目指している。
株主還元策
安定的な配当を継続していく方針で、総還元性向は30%以上を基準としている。
今期の取り組み
今期は、新規事業である電子基板用ガラスの量産化に注力している。
設備投資は毎年10億~20億円程度行っており、更新投資と新規事業への投資をバランスよく行うことで、持続的な成長を目指している。
Q:貴社のビジネスモデルについてお聞かせください。
A:弊社は来年で創業90周年を迎えます。創業当初は光学ガラスをメインに、双眼鏡やカメラなどに使われるレンズ材料を主体として事業を行っていました。1935年の創業当時は戦時中であったため、潜望鏡やライフルスコープなど、光学ガラスの需要が高かったと聞いています。
Q:半導体にも使われているということで、エレクトロニクス事業を展開されているということは、ガラスの分野においては、他の企業様と比較しても高い技術をお持ちであるという認識でよろしいでしょうか?
A:その通りです。ガラスといっても様々な種類がありますが、当社が注力している光学ガラスは非常にニッチな分野です。国内では、当社とHOYAで市場の7~8割を占めており、ニコンなど、その他のメーカーは小規模です。また、世界的に見ても光学ガラスを大量に生産しているメーカーは数社しか存在しない、独自性の高い市場です。
Q:貴社の中期経営計画では、国内外での販売額増加を掲げていらっしゃいますが、現状における国内売上と海外売上の比率はどのくらいでしょうか?
A:海外市場の売上が若干多く、4対6程度の比率です。
Q:今後の海外展開についてお聞かせください。
A:これまでは、キヤノンやニコンといった日系カメラメーカーの海外工場への販売が中心でした。今後は、日系メーカー以外への拡販にも力を入れていきたいと考えています。また、半導体関連では、欧米や台湾の企業とも取引を行っており、中国市場への展開も視野に入れています。
Q: 2024年10月期の決算についてお伺いします。光学事業のカメラ向け製品において、在庫調整が解消した一方で、光学プレス品や光学ブロック品の販売が前期水準まで回復しなかった要因は何でしょうか?
A:2022年度後半から2023年度前半は半導体不足の影響で、お客様からの注文が実需以上に殺到し、生産が追いつかない状況でした。その反動で、2023年度後半から2024年度前半にかけて在庫調整が行われたことが要因と考えています。しかし、最終顧客であるカメラメーカーの需要は堅調であり、市場環境は悪くないと認識しています。
Q:カメラ向け製品の市場環境は一定とのことですが、エレクトロニクス事業が好調だったのは、どのような要因があるのでしょうか?
A:エレクトロニクス事業でございますが、半導体関連がメインでございます。当社が製造しているガラスは、半導体露光装置のレンズに多く使用されています。近年、AIやIoTの普及により、露光装置の需要が高まっていることが好調の要因と考えています。エレクトロニクス事業は、一昨年頃から過去最高益を更新し続けています。
Q:エレクトロニクス事業の市場は好調であるという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。
Q:新規事業として参入を検討されている、電子基板用低誘電率ガラスについてご説明ください。
A:電子基板用ガラス市場において、原料をガラスにする工程には高度なノウハウが必要となります。従来、ファイバーメーカー様は原料から直接ファイバーを製造していましたが、当社が原料をガラス化することで、より低温で高品質なファイバーを製造することが可能になると考えています。そこで、当社の熔解設備で原料からガラスを製造する工程を担うことになりました。原料を一度ガラス化することで、ファイバーメーカー様は低い温度で加工ができるようになり、熔解時に発生する泡などの混入リスクも低減できます。
Q:貴社が原料を一度ガラス化してからファイバーメーカー様に提供することで、ファイバーの製造工程が簡略化され、品質が向上するという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。
Q:貴社が原料を一度ガラス化することで、ファイバーメーカー様はより低い温度で加工が可能になるという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。原料を溶かすには高い温度が必要ですが、ガラスを一度塊にすることで、ファイバーメーカー様は低い温度で加工ができるようになると考えています。ファイバーメーカー様は、ファイバーの引っ張り方など、様々なノウハウをお持ちですが、泡などの異物が無くガラスを溶かして均一な状態にするのは非常に難しい技術です。
Q:貴社の技術は、ファイバーメーカー様の生産性向上をサポートするためのものであるという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。
Q:貴社の新規事業の進捗状況についてお聞かせください。
A:エレクトロニクス事業では、光学ガラス以外の様々な製品開発に取り組んでいます。例えば、全固体電池向けガラスは、安全性が高く、車載用電池などに適しています。また、従来のリチウムイオン電池に添加剤として使用することで、電池性能を向上させることも可能です。これらの製品を、電池メーカーに評価していただいています。
Q:新規事業に関して、M&Aなども含めてご説明ください。
A:現状では、具体的な計画はございません。弊社は、お客様と一緒に課題に取り組んでいくことで、ユニークな価値を備えた「ひかる材料」を作っていくことを第一ステップと考えています。
Q:貴社は、顧客の要望に合わせて材料開発を行うことが可能とのことですが、それは貴社の高い技術力によるものという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。お客様から「こんな材料が欲しい」という要望があれば、それに合わせて開発を行うことができます。お客様のノウハウと当社の技術を組み合わせることで、様々な製品開発が可能になると考えています。
Q:新たな取り組みや、トピックスがございましたら教えてください。
A:今期は、新規事業である電子基板用ガラスの量産化に注力しています。
Q:株主還元策について方針を教えていただけますか?
A:経営基盤の強化と今後の事業拡大のため、必要な内部留保を充実しつつ、株主各位に対する安定かつ継続的な利益還元を実施していくことを基本方針としており、連結ベースでの30%以上の総還元性向を基準としています。
Q:設備投資についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか?
A:毎年10億~20億円程度の設備投資を行っています。その半分は更新投資で、残りは新規事業への投資です。工場の老朽化対策なども計画的に行っていく予定です。
取材者: 貴社のビジネスモデルについてお聞かせください。
回答者:弊社は来年で創業90周年を迎えます。創業当初は光学ガラスをメインに、双眼鏡やカメラなどに使われるレンズ材料を主体として事業を行っておりました。1935年の創業当時は戦時中であったため、潜望鏡やライフルスコープなど、光学ガラスの需要が高かったと聞いております。
取材者: 半導体にも使われているということで、エレクトロニクス事業を展開されているということは、ガラスの分野においては、他の企業様と比較しても高い技術をお持ちであるという認識でよろしいでしょうか?
回答者: その通りです。ガラスといっても様々な種類がありますが、当社が注力している光学ガラスは非常にニッチな分野です。国内では、当社とHOYAで市場の7~8割を占めており、ニコンなど、その他のメーカーは小規模です。また、世界的に見ても光学ガラスを大量に生産しているメーカーは数社しか存在しない、独自性の高い市場です。
取材者:貴社の中期経営計画では、国内外での販売額増加を掲げていらっしゃいますが、現状の売上比率はどのくらいでしょうか?
回答者: 海外市場の売上が若干多く、4対6程度の比率です。
取材者: 今後の海外展開についてお聞かせください。
回答者: これまでは、キヤノンやニコンといった日系カメラメーカーの海外工場への販売が中心でした。今後は、日系メーカー以外への拡販にも力を入れていきたいと考えております。また、半導体関連では、欧米や台湾の企業とも取引を行っており、中国市場への展開も視野に入れております。
取材者: 今期発表されました2024年10月期の決算についてお伺いします。光学事業のカメラ向け製品において、在庫調整が解消した一方で、光学プレス品や光学ブロック品の販売が前期水準まで回復しなかった要因は何でしょうか?
回答者: 2022年度後半から2023年度前半は半導体不足の影響で、お客様からの注文が実需以上に殺到し、生産が追いつかない状況でした。その反動で、2023年度後半から2024年度前半にかけて在庫調整が行われたことが要因と考えております。しかし、最終顧客であるカメラメーカーの需要は堅調であり、市場環境は悪くないと認識しております。
取材者: カメラ向け製品の市場環境は一定とのことですが、エレクトロニクス事業が好調だったのは、どのような要因があるのでしょうか?
回答者: エレクトロニクス事業でございますが、半導体関連がメインでございます。当社が製造しているガラスは、半導体露光装置のレンズに多く使用されております。近年、AIやIoTの普及により、露光装置の需要が高まっていることが好調の要因と考えております。エレクトロニクス事業は、一昨年頃から過去最高益を更新し続けております。
取材者: こちらは逆に市場は好調なのですか?
回答者: そうですね。
取材者: 新規事業として参入を検討されている、電子基板用低誘電率ガラスについてご説明ください。
回答者: 電子基板用ガラス市場において、原料をガラスにする工程には高度なノウハウが必要となります。従来、ファイバーメーカー様は原料から直接ファイバーを製造していましたが、当社が原料をガラス化することで、より低温で高品質なファイバーを製造することが可能になると考えております。そこで、当社の熔解設備で原料からガラスを製造する工程を担うことになりました。原料を一度ガラス化することで、ファイバーメーカー様は低い温度で加工ができるようになり、熔解時に発生する泡などの混入リスクも低減できます。
取材者: 原料からグラスファイバーを作るのでなく1回ガラスにすることによって、作りやすくなる、さらに良いものが作れるといったような認識でよろしいでしょうか?
回答者: はい、その通りです。
取材者: そうすると、低い温度での加工が可能になるという理解でよろしいでしょうか?
回答者: そうです。原料を溶かすには高い温度が必要ですが、ガラスを一度塊にすることで、ファイバーメーカー様は低い温度で加工ができるようになると考えています。 ファイバーメーカー様は、ファイバーの引っ張り方など、様々なノウハウをお持ちですが、泡などの異物が無くガラスを溶かして均一な状態にするのは非常に難しい技術です。
取材者: 貴社の技術を生かしてファイバーメーカー様の生産性の向上をサポートするようなイメージですよね?
回答者: はい、その通りです。
取材者: 貴社の新規事業の進捗状況についてお聞かせください。
回答者: エレクトロニクス事業では、光学ガラス以外の様々な製品開発に取り組んでおります。例えば、全固体電池向けガラスは、安全性が高く、車載用電池などに適しております。また、従来のリチウムイオン電池に添加剤として使用することで、電池性能を向上させることも可能です。これらの製品を、電池メーカーに評価していただいております。
取材者: 新規事業に関して、M&Aなども含めて考えはございますか?
回答者: 現状では、具体的な計画はございません。弊社は、お客様と一緒に課題に取り組んでいくことで、ユニークな価値を備えた「ひかる材料」を作っていくことを第一ステップと考えております。
取材者: 現状では、先ほどの電池の話も出たように、新規事業を行う企業様に技術を提供していくという方針でしょうか?
回答者: はい、その通りです。
取材者: それは貴社の技術力があるからこそできるようなことですか?
回答者: そうです。お客様から「こんな材料が欲しい」という要望があれば、それに合わせて開発を行うことができます。お客様のノウハウと当社の技術を組み合わせることで、様々な製品開発が可能になると考えております。
取材者: 今期新しく始まった取り組みや、トピックスがございましたら教えてください。
回答者: 新規事業である電子基板用ガラスの量産化に注力しております。
取材者: 承知いたしました。それでは、貴社の株主還元策について方針などございましたら教えていただけますか?
回答者:経営基盤の強化と今後の事業拡大のため、必要な内部留保を充実しつつ、株主各位に対する安定かつ継続的な利益還元を実施していくことを基本方針としており、連結ベースでの30%以上の総還元性向を基準としております。
取材者: 安定的に配当していくと。設備投資などにつきましてはどのようなお考えでしょうか?
回答者: 毎年10億~20億円程度の設備投資を行っております。その半分は更新投資で、残りは新規事業への投資です。工場の老朽化対策なども計画的に行っていく予定です。
IR担当
ー

(株)オハラ
東証STD 5218
決算:10月末日
CP&X
【2026年10月期1Q】
決算概要
2026年10月期第1四半期決算は、売上高71億7,500万円(前年同期比4.4%増)、営業利益3億2,900万円(同36.2%減)と、増収減益での着地。増収要因は、光事業のデジタルカメラ向け製品の需要が堅調に推移したことに伴う売上増加。減益の主因は、エレクトロニクス事業の半導体露光装置向け製品の在庫調整が継続したことによる製品ミックスの変化。
セグメント別または事業別の増減要因
光事業の業績は、売上高41億3,000万円(前年同期比15.2%増)、営業利益が前年同期のマイナス2億1,000万円から2億3,600万円改善して3,500万円と、増収増益での着地。要因としては、光学プレス品のうち、高単価な川下製品の売上がカメラ市場の堅調な需要に伴い増加したことに加え、価格改定の影響で収益性が改善したことによるもの。一方、エレクトロニクス事業の業績は、売上高の30億4,400万円(同7.4%減)、営業利益2億9,300万円(同59.6%減)と、減収減益での着地。要因としては、半導体露光装置向け製品の調整に伴い売上が減少したこと加え、製品ミックスの変化が営業利益に影響を及ぼしたことによるもの。
トピックス
今回、上期および通期の業績予想を上方修正。当初、光事業の関連市場であるカメラ市場の需要に対しては慎重な見立てをしていたものの、足元では中国を中心にレンズ交換式デジタルカメラやコンパクトデジタルカメラの需要が堅調に推移し、想定を上回る状況となったことによる増収効果が発生。また、原材料価格高騰による採算性悪化に対して、昨年より継続してきた価格交渉が進展し、採算性に改善が見られたことも今回の修正に反映。
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CP&X
【2025年10月期(通期)】
決算概要
2025年10月期(通期)の業績は、売上高28,895百万円(前期比3.5%増)、営業利益1,794百万円(17.6%減)での着地。増収要因は、光事業においてカメラ市場が堅調に推移し、顧客の在庫調整が一巡して実需に近い安定状態へ回復したことによる売上確保。減益の主因は、米中貿易摩擦等を背景とした光学ガラス生産に使用するレアアース原材料費の高騰およびその調達リスクへの対応費用の発生による光事業の収益圧迫と、エレクトロニクス事業における主要顧客の在庫調整。
セグメント別または事業別の増減要因
光事業は、カメラ用交換レンズ向けガラス需要が回復基調にあるものの、中国依存度の高いレアアース価格が高騰しており、価格転嫁の遅れが利益を圧迫する構造。エレクトロニクス事業は、半導体市場全体は好調ながらも、露光装置向け製品において顧客側の在庫調整が継続し、日本や欧米顧客向け出荷も減少状態で推移。
主要KPIの進捗と変化
新たな成長指標として、台湾工場にてAIサーバー向け電子基板等に使用される「低誘電ガラス」の事業化を開始し、前期6億円から今期10億円規模への売上拡大を計画。将来的には市場伸長に合わせて更なる売上規模拡大を見込む一方、現行の中期経営計画で掲げたROE6.5%目標については、外部環境変化による利益乖離により達成困難となる見通し。
季節性・一過性要因の有無と影響
エレクトロニクス事業における露光装置向け製品の在庫調整は、2026年10月期の上期末を目処に終了する見込みであり、一時的な受注抑制要因としての認識。恒常的なリスク要因としては、光事業において、世界の供給の大部分を中国が占めるレアアースの調達難航と価格高騰があり、代替調達には数年を要するため、当面の間はコスト高に対する耐性が求められる状況。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年10月期は、原材料高の継続や新規事業立ち上げに伴う製品ミックス変化による収益性低下を織り込み、営業減益を見込む保守的な計画。通期達成の前提条件として、顧客の在庫調整終了に伴う下期からの注文回復を見込んでおり、上期中の戻りが早まれば計画を上回る可能性も残すものの、基本的には下期偏重型の回復シナリオ。
トピックス
光事業の需要減により赤字が続いていた台湾工場の稼働率向上を目的とし、低誘電ガラス等の新規事業を同拠点で展開することで赤字幅緩和を推進。次期中期経営計画(2027年度~)では、売上が伸長しても利益が出にくい外部環境に対応するため、工場設備の余剰整理等を含めた構造改革を実施する方針。
【2025年10月期(通期)】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:今年から、AIサーバー向け電子基板等に使用される「低誘電ガラス」の事業に着手しており、これを10億円規模の売上に育成することを目指しております。低誘電ガラスなどの新規事業に関しては、元々光事業の需要減により赤字が続いていた台湾工場で開始しており、この新規事業によって稼働率を上げることで工場の赤字を改善させることが第一の目的となります。将来的には市場動向を踏まえると、更なる需要拡大のポテンシャルがあると考えており、市場の伸長に合わせて顧客と協議しながら増産等を進めていきたいと考えております。また、全固体電池関連など新しい取り組みも含め、徐々に事業を拡大していく方針です。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:光事業については、カメラ市場が比較的堅調に推移し顧客の在庫調整も一巡しましたが、米中貿易摩擦などの影響によるレアアース等の原材料費高騰が発生しており、収益面で厳しい状況が続いています。エレクトロニクス事業については、半導体市場自体は好調であるものの、露光装置向け製品において、顧客側での在庫調整局面にあります。また、レアアースに関しては世界的な供給の大部分を中国が占める中で、中国以外の調達ルートから確保しなければならず、これに伴って価格が高騰しており、また代替が進むには数年を要すると見ているため、ここ数年は耐える必要があると認識しております。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:新年度について、光事業はカメラ市場が堅調なため売上は横ばいを見込んでいますが、原材料費高騰分をすべて価格転嫁できる状況ではないため、依然として厳しい収益状況が続くと予想しています。エレクトロニクス事業については、調整局面からの戻りが鈍いことや、新規事業立ち上げに伴う製品ミックスの変化により収益性が一時的に低くなる傾向があるため、前年よりも厳しい数字を計画しています。全体としては、顧客の在庫調整終了に伴い下期には注文が戻ってくるという前提で計画を策定しており、台湾工場での新規事業拡大による光事業の赤字幅緩和などを進めていく方針です。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:光事業においては、昨年の顧客側の在庫過多による生産調整が終了し、現在は実需に近い安定した状態に回復しております。一方、エレクトロニクス事業においては、半導体市場自体は動いているものの、特定の顧客、特に露光装置向けにおいて在庫調整が継続しており、日本や欧米の顧客向け出荷にも厳しさが見られます。競合・供給環境としては、光学ガラスメーカーは世界でも数社に限られますが、原材料であるレアアースの調達において中国メーカーの方に優位性があり、コスト競争は厳しい状況となっております。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:現在は現行の中期経営計画の最終年度にあたりますが、売上は概ね計画通りである一方、外部環境の変化により利益面での乖離が生じております。次期中期経営計画は2027年度からの3カ年計画として策定中であり、発表は今年の12月頃を予定しております。次期計画においても、光事業の黒字化などの構造改革を引き続き進める方針ですが、原材料高や関税といった外部環境が悪化しており、売上が上がっても利益が出にくい構造になっているため、工場設備の余剰整理等を含めた対策を講じていく必要があると考えております。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:PBRの向上および中期経営計画で掲げたROE6.5%の目標未達への対応としては、BSの改善や株主還元もしっかり行う必要があると認識しておりますが、基本的にはメーカーとして新製品開発や利益向上を通じて企業価値を高め、その結果として株価を上げることが本筋であると考えております。あくまで本業での成長投資が最優先であるという認識のもと、バランスを取って経営を行ってまいります。
【2025年10月期(通期)】
取材者:創業90周年を迎えられたとのこと、おめでとうございます。非常に歴史のある企業であり、参入障壁の高い分野で御社独自の技術を数多くお持ちであると拝見しました。早速ですが、12月11日に発表された2025年10月期通期決算概要について、その要因や全体的な振り返りを教えていただけますか。
回答者:2025年10月期の決算について、光事業とエレクトロニクス事業の2つに分けて説明します。まず光事業はカメラの交換レンズ用光学ガラス販売が中心となります。昨年は顧客側の在庫過多による生産調整がありましたが、現在はカメラ市場も横ばいから比較的堅調に推移しており、在庫調整も一巡してほぼ実需に戻りました。その結果、売上は安定した状態に回復しております。しかし、光学ガラスには多くの原材料を使用しますが、特にレアアースの調達において、米中貿易摩擦などの影響を受け、入荷遅延や価格高騰が発生しています。この原材料高と調達リスクへの対応費用の発生の影響により、収益面では依然として厳しい状況が続いています。
一方、エレクトロニクス事業については、半導体関連の特殊ガラスが約半分を占めています。半導体市場自体は非常に好調なのですが、露光装置向け製品において顧客側の在庫調整が継続している状況です。総括しますと、両事業とも市場自体は悪くありませんが、米中関係や原材料費の高騰、在庫調整などの影響により、利益面で影響が出ているという状況です。
取材者:新年度2026年10月期の業績予想も発表されていますが、やや厳しい数字のように見受けられます。こちらはどのように受け止めればよろしいですか。
回答者:新年度についても、光事業の売上はカメラ市場が堅調なため横ばいを見込んでいます。本来であれば収支均衡レベルの売上規模ですが、レアアース等の原材料費高騰分を価格転嫁しきれていない現状があります。前期は800百万円程度の赤字でしたが、今期はそこまではいかないものの、依然として厳しい状況が続き、ほぼ横ばいの数字を見込んでいます。
エレクトロニクス事業についても、半導体関連は比較的収益性が高いのですが、調整局面からの戻りが鈍いことや、事業ポートフォリオのバランスを取るために新規事業を増やしている段階であることが影響しています。新規事業の立ち上げ時期は収益性が低くなる傾向があるため、製品ミックスの変化により、前年よりも収益面で厳しい数字を計画に入れています。
取材者:為替については、150円での想定ということでよろしいですか。
回答者:はい、そうです。
取材者:世界情勢が混沌とする中、日経平均株価は一部の銘柄に牽引されて上昇していますが、御社の場合、特に為替、円安の進行についてはどのように捉えていますか。
回答者:やはり原材料費の高騰という形で影響が出ております。また、半導体露光装置向け製品についても、現在は在庫調整が入っているため、出荷面でも厳しさがあると感じています。
取材者:エレクトロニクス事業の調整についてですが、製造装置向け、つまり露光装置向けの製品調整と考えてよろしいですか。また、地域的にはアメリカでの調整という認識で合っていますか。
回答者:はい、装置に入るレンズや構造部材になります。地域につきましては日本や欧米の顧客向けが該当します。
取材者:在庫調整は今期の上期末までで終了するという目処を発表されていますが、そのように捉えてよろしいですか。
回答者:現時点ではそのように考えています。市場自体は動いており、顧客側の在庫調整と認識していますので、顧客の製造が進めば注文も戻ってくるだろうと見ています。正確な時期については不透明な部分もありますが、今期の下期には戻ってくるのではないかという前提で計画をしております。
取材者:需要自体は旺盛ですから、製品の製造が進めば在庫は解消されると理解しています。次に、エレクトロニクス事業の今後3か年間の見通しについて伺います。トップラインの伸び率などはどの程度とお考えですか。
回答者:具体的な数字については、今年が現在の中期経営計画の最終年度であり、次期中期経営計画を策定中のため控えさせていただきますが、今年の通期決算発表時には発表できるかと思います。イメージとしては、半導体市場の伸びにある程度リンクして伸長すると考えています。また、今年からAIサーバー基板等に使用される「低誘電ガラス」に着手しており、これを10億円規模の売上に育てようとしています。その他、全固体電池関連など新しい取り組みも含め、徐々に増やしていく方針です。
取材者:増益に転じるタイミングはいつ頃になりそうですか。今期末には実質増益となる可能性もありますか。
回答者:半導体露光装置向け製品の戻り時期に大きく依存しますが、計画上は下期での回復を見込んでいます。もし上期中に戻りが早まれば、計画を上回る可能性もあります。売上が戻れば、収益性も回復します。
取材者:先ほどお話のあったAIサーバー基板用の低誘電ガラスですが、昨年が6億円、今期が10億円程度の売上目標ということですね。この事業の規模感や収益貢献の時期について教えていただけますか。
回答者:台湾に工場があり、元々は光事業の光学ガラスを製造していたのですが、需要減により赤字が続いておりました。この工場で低誘電率ガラスなどの新規事業を開始し、稼働率を上げることで赤字を改善させることが第一の目的です。ですので、すぐに大きな利益が出るというよりは、光事業の赤字幅が緩和されるという観点で今期は見ています。その後、生産体制を強化し、工場の採算性が改善した段階で、市場の伸びに合わせて顧客と協議しながら増産や新規開拓を進めていきたいと考えています。
取材者:今期10億円を達成し、顧客が増えれば20億円規模も見えてくるのでしょうか。AI基板向けということで期待も大きいかと思います。
回答者:弊社の供給能力次第ではありますが、市場動向を踏まえると20億円、30億円規模のポテンシャルはあると考えています。各社とも注力している分野ですので、市場の成長に遅れない様に対応していきたいと考えております。
取材者:中国のレアアースに関するコスト高についてですが、これは緩和されつつあるのでしょうか、それとも依然としてコストアップの要因となり続けるのでしょうか。
回答者:予測が難しいのが正直なところです。10年前の尖閣諸島問題の際は市場価格が10倍になりましたが、現在はそこまでではないものの、上昇している状況です。中国が輸出規制などの動きを見せる中、どこまで深刻化するかは不透明です。業界全体で「脱中国」として中国以外からの調達を検討していますが、現状は世界的な供給の7〜8割を中国が占めており、中国以外から調達できたとしても数量や品質、価格などの問題があるため、従来よりも価格が高騰しています。各国でレアアース生産の動きはありますが、代替が進むには2〜3年はかかると見ており、ここ数年は耐えるしかない、という感覚を持っています。この影響は特に光事業で大きいと見ています。
取材者:イランなど中東情勢の影響はございますか。
回答者:光学ガラス生産自体への直接的な影響はまだ見られませんが、ガス・電気代の高騰といったエネルギーコスト面での影響は懸念されます。ウクライナ情勢の際はエネルギーコストの上昇で利益が圧迫されましたので、原料以外の部分でのリスクはあると考えています。
取材者:御社として、中国からの生産シフト、いわゆる「チャイナリスク」への対応は進めないのですか。
回答者:リスクとしては認識していますが、主要顧客であるカメラメーカー様の生産拠点が中国や東南アジアに集中している現状があります。光学ガラスを現地で納入するケースが多いため、顧客が国内回帰や他国へのシフトを進めるタイミングに合わせることになると考えています。台湾工場についても、有事の際のリスクは顧客からも懸念として挙がっており、中国からの調達が困難になった場合の対応などは強く求められています。中国で製造しても製品を輸出できるかという問題もありますので、非常に難しい舵取りが必要です。
取材者:今期(2026年10月期)の業績は営業減益見通しですが、下期からの回復を予定されています。もし順調に回復すれば、来期(2027年10月期)は営業利益が倍増、あるいは3倍といった水準になる可能性もあるのでしょうか。
回答者:元々の計画ではそのような回復を見込んでおりました。半導体市場が確実に戻り、レアアース問題などが解消されれば、2024年度以前の利益水準には戻ると考えています。ただ、光事業においては海外工場を設立した当時に想定していた市場需要まで現状は戻っておらず、売上が上がっても利益が出にくい構造になっています。そのため、工場設備の余剰整理や構造改革を含め、次期中期経営計画で対策を講じていくことになると考えています。
取材者:現在進行中の中期経営計画は未達となりそうですが、次期中期経営計画の発表はいつ頃になりますか。
回答者:2027年度からの3カ年計画となりますので、先ほども申しましたが、発表は今年の12月頃、遅くとも2026年度の決算説明会までには行う予定です。現行の中計については、売上はほぼ計画通りですが、利益面が外部環境の変化により乖離してしまいました。次期計画では、光事業の黒字化などの構造改革を引き続き進めますが、予測困難な要素やコントロールがきかない要素も多いため、ある程度保守的な見通しにならざるを得ない面もあるかと考えています。
取材者:自社株買いを行われていますが、これはPBRの向上を意図されたものでしょうか。
回答者:はい、PBR向上や、中計で掲げたROE 6.5%の目標未達に対する対応でもあります。これまではPL重視でしたが、BSの改善や株主還元もしっかり行う必要があります。一方で、基本的にはメーカーですので、新製品開発や営業利益・純利益の向上を通じて企業価値を高め、その結果として株価を上げることが本筋であると考えています。
取材者:株価対策としての自社株買いも理解できますが、設備投資や利益体質の強化に資金を回すべきではないかとも感じますが、いかがでしょうか。
回答者:おっしゃる通り、本業での成長投資が最優先であるという認識は持っております。
取材者:すばる望遠鏡やTMT(30メートル望遠鏡)、宇宙衛星など、御社の技術がなければ成立しない重要な分野を支えていらっしゃいます。貴社の企業価値はそうした「替えの効かない技術」も評価されるべきだと考えています。
回答者:ありがとうございます。光学ガラスメーカーは世界でも数社しかなく、特に大型望遠鏡や宇宙分野では国産技術として弊社しか対応できないものも多いです。しかし、デジタル化以降、かつてのような「レンズが全て」という価値観から価格競争に巻き込まれている面もあります。製品の中に組み込まれているため「オハラ」のブランドが見えにくいという課題もありますが、本来の付加価値をもっと認めていただきたいという思いはあります。
取材者:チャイナリスクや地政学リスクの判断は非常に難しいところかと思いますが、投資家としてはリスクヘッジや回避策の開示を期待している部分もございます。需要は旺盛とのことですので、まずは今期下期からの回復、そしてトップラインの伸長に期待しております。
回答者:ありがとうございます。
IR担当
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決算概要
第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比1.1%増の21,067百万円、営業利益が前年同期比5.3%減の1,571百万円となりました。前年同期と比べて増収減益となった要因としましては、光事業において交換レンズ用途を中心に需要が回復し販売が増加したものの、エレクトロニクス事業において半導体露光装置用途製品の在庫調整に伴い販売が減少し、販売構成の変化が営業利益に影響を及ぼしたことによるものです。
セグメント別または事業別の増減要因
第3四半期連結累計期間における光事業の業績は、売上高が前年同期比5.9%増の11,083百万円、営業損失が前年同期の△716百万円から300百万円改善して△415百万円となりました。このような業績となった要因は、デジタルカメラ市場の需要が堅調に推移し販売が増加したことに加え、事業構造の転換に伴い、生産設備の稼働率が良化して原価率が改善したことによるものです。一方、エレクトロニクス事業の業績は、売上高が前年同期比3.8%減の9,983百万円、営業利益が前年同期比16.4%減の1,987百万円となりました。減収減益となった要因は、半導体露光装置用途製品の調整に伴い販売が減少したことに加え、販売構成の変化が営業利益に影響を及ぼしたことによるものです。
通期見通しと進捗率・達成可能性
光事業では、中国によるレアアース輸出規制が業績に与える影響を懸念しております。対象となっているレアアース原料を含有する製品については、中国の合弁会社において熔解し、ガラス化された材料を輸出することで対応しております。ただし、ガラス化された材料は、原料と比較すると加工進度が高く、調達コストが上昇することから、2025年10月期第4四半期の利益面に一定の影響が生じると見込んでおります。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)は何でしょうか?
A:エレクトロニクス事業の関連市場では、半導体露光装置市場は世界的な設備投資を背景とした需要の増加が見込まれています。このような状況を踏まえ、半導体露光装置向け高均質光学ガラス及び石英ガラスは、生産設備の増強を進め、旺盛な需要に応えていくとともに、アジア地域での販売体制を強化していきます。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2025年10月期の通期予想として、売上高を前期比1.5%減の275億円、営業利益を前期比12.7%減の19億円と見込んでおります。減益の要因は、光事業における営業損失の継続及びエレクトロニクス事業における在庫調整に伴う販売構成の変化よるものです。当社では、特に光事業における収益性の改善を重要な経営課題として位置づけており、稼働率の低い既存工場インフラを有効活用するとともに、光事業の生産設備をエレクトロニクス事業へ転換することで、資源の最適配分を進めております。エレクトロニクス事業においては、現在、半導体露光装置用途製品が在庫調整局面にありますが、2026年度下期以降にAI半導体市場の拡大や顧客による露光装置の生産能力増強といった動向が見込まれており、需要回復への期待が高まっているため、当社では慎重な需給見極めを継続しつつ、供給体制の強化に取り組んでおります。今後も事業構造の転換と成長分野への集中を通じて、収益性の改善と企業価値の向上を目指してまいります。
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IR担当
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CP&X
決算概要
2025年10月期第2四半期決算は、売上高138億100万円(前年同期比4.2%増)、営業利益10億5,100万円(同25.6%増)、経常利益12億9,100万円(同14.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益7億5,600万円(同25.0%増)と、増収増益で着地した。しかしながら、業績予想は修正されており、その進捗は遅延している。この要因は、光事業における原材料費、特にレアアース関連の価格上昇による原価改善の遅れと、エレクトロニクス事業における半導体関連の在庫調整の長期化が挙げられる。
セグメント別または事業別の増減要因
光事業は、在庫調整の終了により実需水準まで回復したことにより、売上は当初計画を上回る進捗である。しかし、レアアース関連の原材料費高騰が原価改善を阻害し、収益面が改善せず、結果として売上高は上方修正したものの、営業利益は下方修正となった。一方、エレクトロニクス事業は、半導体関連の在庫調整が予想以上に長引いたことで売上が伸び悩み下方修正されたものの、石英ガラスにおける価格転嫁などが奏功し、利益面は落ち込まずに推移した。
主要KPIの進捗と変化
今期の光事業におけるカメラ関連製品は順調な推移が見込まれる一方で、半導体市場の動向が今後の主要な注目点である。低誘電ガラスなどの新しい事業も進めているが、これらは今期の業績には影響せず、来期の貢献を目指し計画策定および取り組みを進めている段階である。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2025年10月期の通期業績見通しは、売上高275億円、営業利益19億円、経常利益23億円、親会社株主に帰属する当期純利益22億円であり、現在のところ開示されている数字で推移する見込みである。下期に特別な施策は予定されていないが、来期以降の新しい事業立ち上げに向けた投資が開始されており、下期から来期にかけて新しい体制構築を進めている。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:低誘電ガラスを含む新しい事業は、今期の業績には関係ありませんが、来期の計画において貢献できるよう現在取り組んでいます。下期からは、この新しい事業の立ち上げに向けた投資を開始しており、来期にかけて新しい体制を整えていく方針です。これらの取り組みは、将来の成長戦略における重要なポイントであると考えております。
Q:通期業績の見通についてご説明ください。
A:通期の業績は、現在開示している予想通りに推移する見込みです。Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aについては、特に公表できる内容はありません。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画は2026年度が最終年度となります。新規事業を立ち上げてある程度の収益性を確保するという目標を掲げていますが、顧客との調整が多く、売上や収益の進捗が遅れています。特に、売上はわずかに未達となる程度に留まる見込みである一方、収益面では大幅に未達となる可能性があります。
取材者:まず初めに、2025年10月期第2四半期の決算についてお伺いします。売上高は138億100万円で前年同期比4.2%の増加、営業利益は10億5,100万円で同25.6%の増加、経常利益は12億9,100万円で同14.5%の増加、親会社株主に帰属する中間純利益は7億5,600万円で同25.0%の増加と、前年と比較して増収増益で着地しました。ただし、業績予想の修正も出されている通り、業績予想に対する進捗が遅れてしまったように見受けられます。この増減要因についてご説明いただけますか?
回答者:光事業についてですが、元々は在庫調整等があったため、先行きが不透明でした。一方で、生産設備の稼働率改善や業務効率化によって収益面の改善に向けて取り組んでいくというのが当初の計画でした。それに対して、カメラ向け交換レンズの在庫調整が終わり、ほぼ実需の水準に戻ってきたため、売上は当初計画よりも上回っています。ただ、収益面では、原材料費、特にレアアース関連の価格が上昇しています。昨年、コストが高い時期に仕入れた在庫が残っていることもあり、なかなか原価が改善されません。そのため、収益面もなかなか改善されず、光事業に関しては売上は上方修正しましたが、営業利益は下方修正という形になりました。
一方、エレクトロニクス事業は基本的に半導体がメインです。光事業の在庫調整は終わりましたが、今度は半導体関連の在庫調整が予想より長引き、売上が伸びませんでした。そのため売上高は下方修正しましたが、利益に関しては石英ガラスなどで価格転嫁や収益性の良い製品が出たため、利益面は落ち込んでいません。
以上より、全体では売上高・営業利益ともに下方修正となりましたが、セグメント間の調整、特に営業利益の構成が想定と違ったため、これを補正させていただきました。
取材者:業績に影響を与えるような一時的な要因や季節性、外的要因などはございましたか?
回答者:季節性は特にないと思います。
取材者:やはり在庫調整が今期の上期の大きな要因だったということですか?
回答者:その通りです。
取材者:下期もエレクトロニクス事業に関しては、引き続き在庫調整を進めていくという認識でよろしいですか?
回答者:そうですね、下期ももう少し時間がかかるかと思います。
取材者:在庫を抱えてしまった要因について、改めて説明いただけますか?
回答者:半導体市場が非常に好調だったため、お客様も強気に発注していた時期があったようです。お客様も部品の一つでも滞ると生産が止まってしまうため、多めに発注していたのではないかと思います。昨年の下期は過去最高レベルの業績を出したため、市場は非常に強いと思っていましたが、おそらく実需よりも多めに発注がかかっていたのではないかと思います。最近は、半導体製造装置市場も一部製品によっては需要が減少しており、半導体もすべてが良いわけではないようです。弊社のお客様のケースでも、当初は強気な数字を出していたものが、最近見るとかなり下がっています。そういった状況を見ると、やはりお客様の強い計画が想定通りに進んでいないということがあったのではないかと推測します。
取材者:市場全体でそういった流れがあったということですね。主要なKPIなどがあれば教えていただけますか?
回答者:今期は、光事業の交換レンズ向け材料は比較的このまま順調に進むと思いますが、半導体の動向がどうなるかという点が挙げられます。他にも、低誘電ガラスなど新しい事業も始めていますが、これは今期の数字には関係ないと思います。来期の計画を策定中ですが、そういった新しい事業がきちんと貢献できるように、現在取り組んでいるところです。
取材者:それでは、前期比での採用数の推移はいかがですか?
回答者:採用に関しては、新入社員は予定通り採用しています。以前から高齢化が進んでおり、若年層が少なかったことが課題となっていたため、ここ数年間、来年も含めて定期的に新しい人材を確保しようと動いています。
取材者:それは順調に進捗していますか?
回答者:市場が売り手市場になっているため、内定を出しても辞退されることもありますが、ここ数年間は順調に採用できています。
取材者:2025年10月期の見通しについてお伺いします。売上高は275億円、営業利益は19億円、経常利益は23億円、親会社株主に帰属する当期純利益は22億円となっておりますが、進捗についてお伺いできますか?
回答者:通期については、現在のところは開示した数字で推移していく見込みです。
取材者:下期に向けた取り組みや施策はございますか?
回答者:下期だからといって特別なことはありませんが、来期の新しい事業に向けた立ち上げの投資を始めています。この下期から来期にかけて、新しい体制を整えていこうと動いています。
取材者:M&Aや業務提携について、実施の有無や検討状況があれば教えていただけますか?
回答者:M&Aについては、特に公表できるような話はありません。
取材者:株主還元の方針について、何か変更はございますか?
回答者:現在のところ、特に変更はありません。来年が中期経営計画の最終年度であり、再来年から新しい中期経営計画が始まるため、何かあるとすればそのタイミングになるかと思います。今年は特にないと考えています。
取材者:中期経営計画の進捗はいかがですか?
回答者:中期経営計画は来年2026年度が最終年度です。基本的には新規事業を立ち上げて、ある程度の収益性を確保するという目標で動いていますが、お客様との調整が多く、売上や収益面が進捗しませんでした。特に売上よりも利益の方が想定通りに進まず、売上は若干未達となる程度かと思いますが、収益面で大幅に未達となる可能性があります。
取材者:最後に、足元の状況について、何かトピックスやニュースリリースがあれば教えていただけますか?
回答者:特にトピックスのような話はありません。何かあれば随時発表していくことになります。現在のところは開示しているもの以上の情報はありません。
IR担当
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ビジネスモデル・事業内容
株式会社オハラは、来年創業90周年を迎える光学ガラスメーカーである。光学ガラスはカメラ用レンズなどに使用されており、HOYAと並び、両社で国内市場の7~8割を占めるリーディングカンパニーである。 創業当初は双眼鏡やカメラなどに使われるレンズを主力製品としていたが、近年ではエレクトロニクス事業にも注力し、半導体露光装置用ガラスで高い成長を遂げている。 AIやIoTの普及に伴い露光装置の需要は拡大しており、同社の業績を牽引している。創業当初は双眼鏡やカメラなどに使われるレンズを主力製品としていたが、近年ではエレクトロニクス事業にも注力し、半導体露光装置用ガラスで高い成長を遂げている。AIやIoTの普及に伴い露光装置の需要は拡大しており、同社の業績を牽引している。
創業の経緯と転機
1935年の創業当時は戦時中であり、潜望鏡やライフルスコープなど、光学ガラスの需要が高かった。 その後、エレクトロニクス事業への進出が転機となり、現在では半導体露光装置用ガラスが主力製品となっている。
直近の決算状況
2024年10月期の決算では、光学事業のカメラ向け製品において在庫調整が解消した一方で、光学プレス品や光学ブロック品の販売が前期水準まで回復しなかった。 これは、2022年度後半から2023年度前半にかけての半導体不足の影響による反動で、在庫調整が行われたことが要因である。 一方、エレクトロニクス事業は好調で、半導体露光装置用ガラスの需要増加が貢献している。
特徴・強み
光学ガラスは非常にニッチな分野であり、世界的に見ても光学ガラスを大量に生産しているメーカーは数社しか存在しない。 国内では、オハラとHOYAで市場の7~8割を占めており、高い技術力と市場シェアを有している。
成長戦略
海外市場の売上比率は6割を占めており、これまで日系カメラメーカーの海外工場への販売が中心であったが、今後は日系メーカー以外への販売拡大や、中国市場への進出も視野に入れている。
新規事業
新規事業としては、電子基板用低誘電ガラスや全固体電池向けガラスの開発に注力している。 電子基板用ガラスでは、ファイバーメーカーと提携し、原料からガラスを製造する工程を担うことで、顧客の高品質なファイバー製造を可能にする。 全固体電池向けガラスは、高いリチウムイオン電導性を有する材料で、安全性が高く、車載用電池などに適しており、次世代材料としての採用を目指している。
株主還元策
安定的な配当を継続していく方針で、総還元性向は30%以上を基準としている。
今期の取り組み
今期は、新規事業である電子基板用ガラスの量産化に注力している。
設備投資は毎年10億~20億円程度行っており、更新投資と新規事業への投資をバランスよく行うことで、持続的な成長を目指している。
Q:貴社のビジネスモデルについてお聞かせください。
A:弊社は来年で創業90周年を迎えます。創業当初は光学ガラスをメインに、双眼鏡やカメラなどに使われるレンズ材料を主体として事業を行っていました。1935年の創業当時は戦時中であったため、潜望鏡やライフルスコープなど、光学ガラスの需要が高かったと聞いています。
Q:半導体にも使われているということで、エレクトロニクス事業を展開されているということは、ガラスの分野においては、他の企業様と比較しても高い技術をお持ちであるという認識でよろしいでしょうか?
A:その通りです。ガラスといっても様々な種類がありますが、当社が注力している光学ガラスは非常にニッチな分野です。国内では、当社とHOYAで市場の7~8割を占めており、ニコンなど、その他のメーカーは小規模です。また、世界的に見ても光学ガラスを大量に生産しているメーカーは数社しか存在しない、独自性の高い市場です。
Q:貴社の中期経営計画では、国内外での販売額増加を掲げていらっしゃいますが、現状における国内売上と海外売上の比率はどのくらいでしょうか?
A:海外市場の売上が若干多く、4対6程度の比率です。
Q:今後の海外展開についてお聞かせください。
A:これまでは、キヤノンやニコンといった日系カメラメーカーの海外工場への販売が中心でした。今後は、日系メーカー以外への拡販にも力を入れていきたいと考えています。また、半導体関連では、欧米や台湾の企業とも取引を行っており、中国市場への展開も視野に入れています。
Q: 2024年10月期の決算についてお伺いします。光学事業のカメラ向け製品において、在庫調整が解消した一方で、光学プレス品や光学ブロック品の販売が前期水準まで回復しなかった要因は何でしょうか?
A:2022年度後半から2023年度前半は半導体不足の影響で、お客様からの注文が実需以上に殺到し、生産が追いつかない状況でした。その反動で、2023年度後半から2024年度前半にかけて在庫調整が行われたことが要因と考えています。しかし、最終顧客であるカメラメーカーの需要は堅調であり、市場環境は悪くないと認識しています。
Q:カメラ向け製品の市場環境は一定とのことですが、エレクトロニクス事業が好調だったのは、どのような要因があるのでしょうか?
A:エレクトロニクス事業でございますが、半導体関連がメインでございます。当社が製造しているガラスは、半導体露光装置のレンズに多く使用されています。近年、AIやIoTの普及により、露光装置の需要が高まっていることが好調の要因と考えています。エレクトロニクス事業は、一昨年頃から過去最高益を更新し続けています。
Q:エレクトロニクス事業の市場は好調であるという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。
Q:新規事業として参入を検討されている、電子基板用低誘電率ガラスについてご説明ください。
A:電子基板用ガラス市場において、原料をガラスにする工程には高度なノウハウが必要となります。従来、ファイバーメーカー様は原料から直接ファイバーを製造していましたが、当社が原料をガラス化することで、より低温で高品質なファイバーを製造することが可能になると考えています。そこで、当社の熔解設備で原料からガラスを製造する工程を担うことになりました。原料を一度ガラス化することで、ファイバーメーカー様は低い温度で加工ができるようになり、熔解時に発生する泡などの混入リスクも低減できます。
Q:貴社が原料を一度ガラス化してからファイバーメーカー様に提供することで、ファイバーの製造工程が簡略化され、品質が向上するという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。
Q:貴社が原料を一度ガラス化することで、ファイバーメーカー様はより低い温度で加工が可能になるという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。原料を溶かすには高い温度が必要ですが、ガラスを一度塊にすることで、ファイバーメーカー様は低い温度で加工ができるようになると考えています。ファイバーメーカー様は、ファイバーの引っ張り方など、様々なノウハウをお持ちですが、泡などの異物が無くガラスを溶かして均一な状態にするのは非常に難しい技術です。
Q:貴社の技術は、ファイバーメーカー様の生産性向上をサポートするためのものであるという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。
Q:貴社の新規事業の進捗状況についてお聞かせください。
A:エレクトロニクス事業では、光学ガラス以外の様々な製品開発に取り組んでいます。例えば、全固体電池向けガラスは、安全性が高く、車載用電池などに適しています。また、従来のリチウムイオン電池に添加剤として使用することで、電池性能を向上させることも可能です。これらの製品を、電池メーカーに評価していただいています。
Q:新規事業に関して、M&Aなども含めてご説明ください。
A:現状では、具体的な計画はございません。弊社は、お客様と一緒に課題に取り組んでいくことで、ユニークな価値を備えた「ひかる材料」を作っていくことを第一ステップと考えています。
Q:貴社は、顧客の要望に合わせて材料開発を行うことが可能とのことですが、それは貴社の高い技術力によるものという理解でよろしいでしょうか?
A:はい、その通りです。お客様から「こんな材料が欲しい」という要望があれば、それに合わせて開発を行うことができます。お客様のノウハウと当社の技術を組み合わせることで、様々な製品開発が可能になると考えています。
Q:新たな取り組みや、トピックスがございましたら教えてください。
A:今期は、新規事業である電子基板用ガラスの量産化に注力しています。
Q:株主還元策について方針を教えていただけますか?
A:経営基盤の強化と今後の事業拡大のため、必要な内部留保を充実しつつ、株主各位に対する安定かつ継続的な利益還元を実施していくことを基本方針としており、連結ベースでの30%以上の総還元性向を基準としています。
Q:設備投資についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか?
A:毎年10億~20億円程度の設備投資を行っています。その半分は更新投資で、残りは新規事業への投資です。工場の老朽化対策なども計画的に行っていく予定です。
取材者: 貴社のビジネスモデルについてお聞かせください。
回答者:弊社は来年で創業90周年を迎えます。創業当初は光学ガラスをメインに、双眼鏡やカメラなどに使われるレンズ材料を主体として事業を行っておりました。1935年の創業当時は戦時中であったため、潜望鏡やライフルスコープなど、光学ガラスの需要が高かったと聞いております。
取材者: 半導体にも使われているということで、エレクトロニクス事業を展開されているということは、ガラスの分野においては、他の企業様と比較しても高い技術をお持ちであるという認識でよろしいでしょうか?
回答者: その通りです。ガラスといっても様々な種類がありますが、当社が注力している光学ガラスは非常にニッチな分野です。国内では、当社とHOYAで市場の7~8割を占めており、ニコンなど、その他のメーカーは小規模です。また、世界的に見ても光学ガラスを大量に生産しているメーカーは数社しか存在しない、独自性の高い市場です。
取材者:貴社の中期経営計画では、国内外での販売額増加を掲げていらっしゃいますが、現状の売上比率はどのくらいでしょうか?
回答者: 海外市場の売上が若干多く、4対6程度の比率です。
取材者: 今後の海外展開についてお聞かせください。
回答者: これまでは、キヤノンやニコンといった日系カメラメーカーの海外工場への販売が中心でした。今後は、日系メーカー以外への拡販にも力を入れていきたいと考えております。また、半導体関連では、欧米や台湾の企業とも取引を行っており、中国市場への展開も視野に入れております。
取材者: 今期発表されました2024年10月期の決算についてお伺いします。光学事業のカメラ向け製品において、在庫調整が解消した一方で、光学プレス品や光学ブロック品の販売が前期水準まで回復しなかった要因は何でしょうか?
回答者: 2022年度後半から2023年度前半は半導体不足の影響で、お客様からの注文が実需以上に殺到し、生産が追いつかない状況でした。その反動で、2023年度後半から2024年度前半にかけて在庫調整が行われたことが要因と考えております。しかし、最終顧客であるカメラメーカーの需要は堅調であり、市場環境は悪くないと認識しております。
取材者: カメラ向け製品の市場環境は一定とのことですが、エレクトロニクス事業が好調だったのは、どのような要因があるのでしょうか?
回答者: エレクトロニクス事業でございますが、半導体関連がメインでございます。当社が製造しているガラスは、半導体露光装置のレンズに多く使用されております。近年、AIやIoTの普及により、露光装置の需要が高まっていることが好調の要因と考えております。エレクトロニクス事業は、一昨年頃から過去最高益を更新し続けております。
取材者: こちらは逆に市場は好調なのですか?
回答者: そうですね。
取材者: 新規事業として参入を検討されている、電子基板用低誘電率ガラスについてご説明ください。
回答者: 電子基板用ガラス市場において、原料をガラスにする工程には高度なノウハウが必要となります。従来、ファイバーメーカー様は原料から直接ファイバーを製造していましたが、当社が原料をガラス化することで、より低温で高品質なファイバーを製造することが可能になると考えております。そこで、当社の熔解設備で原料からガラスを製造する工程を担うことになりました。原料を一度ガラス化することで、ファイバーメーカー様は低い温度で加工ができるようになり、熔解時に発生する泡などの混入リスクも低減できます。
取材者: 原料からグラスファイバーを作るのでなく1回ガラスにすることによって、作りやすくなる、さらに良いものが作れるといったような認識でよろしいでしょうか?
回答者: はい、その通りです。
取材者: そうすると、低い温度での加工が可能になるという理解でよろしいでしょうか?
回答者: そうです。原料を溶かすには高い温度が必要ですが、ガラスを一度塊にすることで、ファイバーメーカー様は低い温度で加工ができるようになると考えています。 ファイバーメーカー様は、ファイバーの引っ張り方など、様々なノウハウをお持ちですが、泡などの異物が無くガラスを溶かして均一な状態にするのは非常に難しい技術です。
取材者: 貴社の技術を生かしてファイバーメーカー様の生産性の向上をサポートするようなイメージですよね?
回答者: はい、その通りです。
取材者: 貴社の新規事業の進捗状況についてお聞かせください。
回答者: エレクトロニクス事業では、光学ガラス以外の様々な製品開発に取り組んでおります。例えば、全固体電池向けガラスは、安全性が高く、車載用電池などに適しております。また、従来のリチウムイオン電池に添加剤として使用することで、電池性能を向上させることも可能です。これらの製品を、電池メーカーに評価していただいております。
取材者: 新規事業に関して、M&Aなども含めて考えはございますか?
回答者: 現状では、具体的な計画はございません。弊社は、お客様と一緒に課題に取り組んでいくことで、ユニークな価値を備えた「ひかる材料」を作っていくことを第一ステップと考えております。
取材者: 現状では、先ほどの電池の話も出たように、新規事業を行う企業様に技術を提供していくという方針でしょうか?
回答者: はい、その通りです。
取材者: それは貴社の技術力があるからこそできるようなことですか?
回答者: そうです。お客様から「こんな材料が欲しい」という要望があれば、それに合わせて開発を行うことができます。お客様のノウハウと当社の技術を組み合わせることで、様々な製品開発が可能になると考えております。
取材者: 今期新しく始まった取り組みや、トピックスがございましたら教えてください。
回答者: 新規事業である電子基板用ガラスの量産化に注力しております。
取材者: 承知いたしました。それでは、貴社の株主還元策について方針などございましたら教えていただけますか?
回答者:経営基盤の強化と今後の事業拡大のため、必要な内部留保を充実しつつ、株主各位に対する安定かつ継続的な利益還元を実施していくことを基本方針としており、連結ベースでの30%以上の総還元性向を基準としております。
取材者: 安定的に配当していくと。設備投資などにつきましてはどのようなお考えでしょうか?
回答者: 毎年10億~20億円程度の設備投資を行っております。その半分は更新投資で、残りは新規事業への投資です。工場の老朽化対策なども計画的に行っていく予定です。
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