20250214
Q:貴社のビジネスモデルと事業内容の特徴、強みについてご説明ください。
A: 当社は、PM(Preventive Maintenance:保守)、FM(Facility Management:保守・管理)、RAC(Reform and Construction:設計・施工)の3つの事業を柱としています。PMは、顧客の施設に定期的に訪問し、設備の保守点検やメンテナンスを行う事業です。これは、メーカー系メンテナンス会社が行う作業と同様です。FMは、24時間365日稼働している大型病院の中央監視室等の顧客の施設に当社社員が常駐し、設備の運転・監視、点検、緊急対応等を24時間体制で行う事業です。RACは、設備のリニューアル工事を行う事業であり、サブコンのような事業形態をイメージしていただければと思います。
これら3つの事業を包括的に提供できることが当社の強みのひとつです。また、特定メーカーの資本が入っていないため、メーカーフリーで対応できることも強みです。さらに、全国47都道府県すべてに拠点を展開しており、全国規模で顧客をサポートできる体制を整えています。
Q:さまざまなメーカーの機械を扱われているとのことですが、高い技術力を維持する仕組みについてご説明ください。
A: 当社は、さまざまなメーカーと良好な関係を築き、メーカーが実施する研修にも積極的に参加することで、常に最新の知識と技術を習得しています。また、社内でも充実した研修制度を設け、社員一人ひとりが高いレベルの技術力を身につけることができるよう、継続的な人材育成に注力しています。一人前になるまでには3年~5年と時間がかかりますが、その分、高度な専門性を有する人材を育成しています。
Q:人材採用戦略についてご説明ください。
A: 当社は、人材採用においても業界全体が抱える課題と同様に、厳しい状況にあります。連結で毎年平均80名程度の新卒採用を行っていますが、人材不足は深刻化しています。そこで、近年はベースアップを実施する等、処遇面の改善を図っています。また、本年4月には新たに技術・研修センターを開設し、研修を一層充実させることで、人材育成の強化を加速させていきます。社員一人ひとりの能力向上を促進することで、生産性向上と人材不足の解消を目指しています。さらに、社員の定着率向上のため、働きがいのある環境づくりにも積極的に取り組んでいます。
Q:3つの事業におけるシナジー効果についてご説明ください。
A: 当社の3つの事業は、それぞれが独立しているのではなく、相互に連携しながらシナジー効果を生み出すことで、顧客に最適なサービスを提供しています。例えば、顧客のニーズの変化や、より高効率な機器の登場等により、メンテナンスからリニューアル工事、そして再びメンテナンスへと繋がる、一連のサービスを提供することが可能です。
Q:新規顧客の獲得施策についてご説明ください。
A: 病院の新規顧客獲得においては、数年先の新設情報を収集し、事前に営業活動を行うことで、新規顧客獲得を目指しています。また、顧客の現状の設備管理に対する不満等を把握し、適切な提案を行うことで顧客獲得に繋げることもあります。工場に対しては、飛び込み営業のような形で、小さな仕事から始めて実績を積み重ねることで信頼関係を構築し、大きな仕事へと繋げていくこともあります。
Q:貴社の創業の経緯についてご説明ください。
A: 当社の創業者は、まだ日本で予防保全の概念がほとんどなかった時代に、海外における建物設備の維持管理の考え方を知り、日本でもそのような流れになると考え、メンテナンス事業を始めました。当時はまだ、壊れてから直すという考え方が主流でしたが、創業者は壊れないようにメンテナンスを実施することの重要性を認識し、事業を立ち上げました。
Q:創業当初からの事業活動の変遷は?
A: 当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心でしたが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになりました。
Q:業績が順調に推移している要因についてご説明ください。
A: 現在の事業環境は非常に良好であり、メンテナンス・工事ともに仕事量が多く、利益率も改善しています。顧客の需要に対して、供給側が人手不足等で対応しきれていない状況です。そのため、当社もある程度仕事を選別して受注する必要があり、結果としてしっかりと利益を確保できています。また、近年ベースアップを実施していますが、高品質サービスの提供を前提とした顧客との丁寧なコミュニケーションを図ることで、しっかりと価格転嫁もできている状況です。
Q:第1四半期の営業利益の伸びが大きかった理由についてご説明ください。
A: 当社は第3四半期、第4四半期に売上と利益が伸びていく傾向にありますが、今期は第1四半期から好調でした。前期からの繰越案件もありますが、前期や前々期には半導体不足や資機材の納期遅延等の影響で仕事が年度末に完成せず、顧客側も困っていたということがありました。そのため、今期は早め早めに仕事を発注していただいたことが、第1四半期からの好調に繋がったと感じています。
Q:第3四半期、第4四半期に売上が集中する季節性要因はありますか?
A: 顧客の予算執行状況により、年度末にかけて予算消化の動きが活発化するため、下期に売上が偏る傾向があります。
Q:特殊な環境を有する施設の売上比率が高いとのことですが、安全面についてはどのような対策をされていますか?
A: 病院や工場では、設備の停止が患者様の命や企業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社は高い技術を持った人材育成に注力し、安全対策を徹底しています。社員一人ひとりが高い安全意識を持ち、作業に取り組むよう指導しています。また、定期的な安全教育を実施し、常に最新の安全知識を習得できるよう努めています。
Q:海外戦略についてご説明ください。
A: 当社は1999年に中国に進出し、現在はアジアの複数の国で日系の製造工場向けに日本国内と同様のサービスを展開しています。海外事業においては、日系製造工場向けに高品質なサービスを提供することで、顧客との長期的な関係構築を目指しています。
Q:海外人材の採用についてご説明ください。
A: 海外各国にはマネジメントを担う人材を日本から2名程度送り込み、技術者は現地採用という形をとっています。海外では、採用して育ててもすぐに転職してしまう等、定着が難しいという課題があります。文化や習慣の違いを理解し、現地社員が働きやすい環境を作ることで、定着率向上を目指しています。
Q:株主還元策についてご説明ください。
A: 株主還元は基本的に配当で行っています。配当性向50%程度の維持を基本としており、新中期経営計画では1株当たり年間配当金の下限を40円に設定しました。ROE10%の目標も掲げており、配当性向とROEを掛け合わせてDOE5%程度を維持するという安定配当を基本方針としています。
Q:今後の成長戦略についてご説明ください。
A: 今後の成長戦略は、本業であるメンテナンス・工事を堅調に伸ばしていく方針です。特に、国内では製造工場関係の需要が拡大しており、暑熱対策や作業環境改善等、顧客のニーズに合わせたサービスを提供することで、更なる成長を目指します。また、省エネニーズの高まりに対応するため、太陽光発電等の事業も展開しており、多角的な事業展開を通じて成長を図ります。
Q:今期、新たに取り組まれていることや、業績に関わらずトピックスがあれば教えてください。
A: 本業であるメンテナンス・工事ともに順調に伸ばしていますが、決算上の数値を見ると、第2四半期から第3四半期にかけて営業利益の伸び率が鈍化しているように見えるかもしれません。これは、販管費が膨らんでいることが原因であり、具体的には社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充させていることが挙げられます。これは、処遇を改善することで社員エンゲージメントを高め、将来的な売上と利益に繋がる重要な先行投資と考えています。社員に対する還元は今後も継続していく方針です。株主様への還元も充実させていく方針に変わりはありませんが、人的資本が成長の源泉であるという考えのもと、社員エンゲージメント向上を最優先事項と位置付け、企業価値向上を目指します。
取材者:
貴社のビジネスモデルと事業内容の特徴、強み等をご説明いただけますでしょうか。
回答者:
当社の事業部門は大きく3つに分かれており、PM、FM、RACと呼んでおります。
まず、PMは、お客様の施設に定期的に訪問し、保守点検やメンテナンスを行う事業です。メーカー系メンテナンス会社が行っている作業をイメージしていただければわかりやすいと考えます。次に、FMは、24時間365日稼働している大型病院の中央監視室等のお客様の施設に当社の社員が常駐し、24時間体制で管理を行う事業です。PMとFMを合わせて、当社ではメンテナンスと呼んでいます。最後に、RACは、リニューアル工事を行う事業です。サブコンのような事業形態をイメージしていただければと思います。
PM事業、FM事業、RAC事業を行うそれぞれ3つの会社が1つの会社になっているようなイメージで、このように包括的なサポートができる会社はほとんどありません。対応力の広さが当社の強みの一つです。また、メーカーフリーで対応できるという強みもあります。特定のメーカーの資本が入っているわけではないので、さまざまなメーカーの機器を扱えます。大規模な施設になればなるほど、1つのメーカーの機器だけで賄われていることはほとんどなく、複数のメーカーの機器が混在していることが一般的です。お客様の立場からすると、何かトラブルがあったときに、それぞれのメーカーに連絡を取るのは大変です。その点、当社に連絡いただければ、設備全体をまとめて見てもらえるという安心感があり、お客様の手間を省くことができます。さらに、全国展開をしているという強みもあります。47都道府県すべてに拠点を展開しており、全国どこでも同じレベルの高品質サービスを提供できます。全国展開している工場等のお客様にとっては大きなメリットであり、強みであると考えています。そして、これらの事業を支えているのは、高い技術力を有する社員です。長年の経験と蓄積されたノウハウ、そして充実した研修制度によって、高い技術力と知識を備えた人材を育成しています。
取材者:
さまざまなメーカーの機器を扱われているとのことですが、高い技術力や知識が必要になるかと思います。資料に記載されている特殊な施設での作業について、高い技術力をお持ちの背景についてお聞かせください。
回答者:
さまざまなメーカーと良好な関係を築いており、メーカーが実施する研修にも参加することで、常に知識と技術をアップデートしています。社内でも研修制度を充実させており、技術や知識の習得には時間を要しますが、幅広い知識と高い技術を身につけた社員が多いのが現状です。一人前になるまでには3年~5年と時間がかかりますが、その分、高いレベルの技術力を身につけることができます。
取材者:
時間をかけて教育をされているのですね。次に、採用についてお伺いします。どの業界も人材の採用に苦労されているかと思いますが、貴社の人材採用戦略についてお聞かせください。
回答者:
当社も他社と同様に、採用には苦労しています。連結で毎年平均80名程度の新卒採用を行っていますが、人材不足は深刻です。そこで、近年はベースアップを実施して処遇面の改善を図ったり、4月からは新たに技術・研修センターを開設することで、人材育成の強化を加速させていきます。一人前になるまでの期間を短縮できれば、生産性の向上に繋がります。質の高い人材を育成することで、人材不足に対応しています。また、社員の定着率向上のため、働きがいのある環境づくりにも力を入れています。
取材者:
3つの事業があるとのことですが、それぞれシナジー効果はございますか?
回答者:
どの段階からでもお客様との取引を開始できるという強みがあります。長いお付き合いの中で、基本的には保守やメンテナンスという形で機器を長く効率的に使っていくことになりますが、需要の変化や、より高効率な機器の登場等により、リニューアル工事を行い、そこからまたメンテナンスに繋げていくというような形で、永続的なお付き合いができます。3つの部門は深く連携しており、お客様に最適なサービスを提供できる体制を整えています。
取材者:
新規のお客様の獲得施策についてお聞かせください。
回答者:
病院であれば、新設の情報を何年も前から入手し、丁寧な営業活動を実施しながら新規のお客様の獲得を目指します。また、既存の設備管理体制に対する不満を把握して提案することで、お客様を獲得していくこともあります。工場に対しては、飛び込み営業のような形で、小さな仕事から始めて実績を積み重ね、大きな仕事に繋げていくこともあります。地道な営業活動を通じて、お客様との信頼関係を構築し、長期的な関係を築けるよう努めています。
取材者:
貴社の創業の経緯についてお聞かせください。
回答者:
創業者は、まだ日本で予防保全の概念がほとんどなかった時代に、海外では機器を壊れないように維持管理していくという考え方があることを知り、日本でもそのような流れになると考え、メンテナンス事業を始めました。当時はまだ、壊れてから直すという考え方が主流でしたが、創業者は壊れないようにメンテナンスを実施することの重要性を認識し、事業を立ち上げました。
取材者:
創業当初から事業活動はどのように変遷していったのでしょうか?
回答者:
当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心でしたが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになりました。
取材者:
業績が順調に推移している要因はどのようなところにあるのですか?
回答者:
事業環境は非常に良好で、メンテナンス・工事ともに仕事量が多く、利益率も改善しています。お客様の需要に対して、供給側が人手不足等で対応しきれていない状況です。そのため、当社もある程度仕事を選別して受注する必要があり、結果としてしっかりと利益を確保できています。近年ベースアップを実施していますが、高品質サービスの提供を前提としたお客様との丁寧なコミュニケーションを図ることで、しっかりと価格転嫁もできている状況です。
取材者:
第1四半期の営業利益の伸びが大きかったですが、理由は何ですか?
回答者:
当社は第3四半期、第4四半期に売上と利益が伸びていく傾向にありますが、今期は第1四半期から好調でした。前期からの繰越案件もありますが、前期や前々期には半導体不足や資機材の納期遅延等の影響で仕事が年度末に完成せず、お客様側も困っていたということがありました。そのため、今期は早め早めに仕事を発注していただいたということが、第1四半期からの好調に繋がったと感じています。
取材者:
第3四半期、第4四半期に売上が集中するような季節性要因はございますか?
回答者:
お客様の予算執行状況により、年度末にかけて予算消化の動きが活発化するため、下期に売上が偏る傾向があります。
取材者:
特殊な環境を有する施設の売上比率が高いとのことですが、安全面についてはどのような対策をされていますか?
回答者:
病院では空調や電気が止まると患者様の命に関わりますし、工場でもラインが止まると大損害が出ます。そのため、高い技術を持った人材育成に注力し、安全対策を徹底しています。社員一人ひとりが高い安全意識を持ち、作業に取り組むよう指導しています。また、定期的な安全教育を実施し、常に最新の安全知識を習得できるよう努めています。
取材者:
他社からすると参入障壁が高い部分なのですね。
回答者:
その通りです。それだけ難しい事業です。
取材者:
海外戦略について教えていただけますか?
回答者:
1999年に中国に進出し、現在はアジアの複数の国で日系の製造工場向けに日本国内と同様のサービスを展開しています。海外事業は、主に日系製造工場向けに、日本国内と同様のサービスを展開することで、お客様との長期的な関係構築を目指し、高品質なサービスの提供を通じて信頼を獲得していきたいと考えています。
取材者:
海外人材の採用についてはいかがでしょうか?
回答者:
各国にマネジメントを担う人材を日本から2名程度送り込み、技術者は現地採用という形にしています。海外では、採用して育ててもすぐに転職してしまう等、定着が難しいという課題があります。文化や習慣の違いを理解し、現地社員が働きやすい環境を作ることで、定着率向上を目指しています。
取材者:
海外でも採用の競争は厳しいのですか?
回答者:
条件面で少しでも良いところがあればすぐに転職してしまうという傾向があります。当社では時間をかけて技術を身につけてもらう必要があるため、人材の定着が難しいという課題があります。
取材者:
株主還元策について教えてください。
回答者:
株主還元は基本的に配当で行っています。配当性向50%程度の維持を基本としており、新中期経営計画では1株当たり配当金の下限を40円に設定しました。ROE10%の目標も掲げており、配当性向とROEを掛け合わせてDOE5%程度を維持するという安定配当を基本方針としています。
取材者:
今後の成長戦略について教えてください。
回答者:
基本的には本業のメンテナンス・工事をしっかりと伸ばしていく方針です。特に国内においては一番伸びているのが製造工場関係です。工場関係では、暑熱対策や作業される方の働く環境等を改善していこうという動きが活発で、そういったお客様のニーズに沿って対応していきます。当然、省エネのニーズも高いですので、主軸はあくまでもメンテナンス事業にはなるのですけれども、例えば太陽光発電等を行う部署もありますので、様々なツールを使っていきながら本業をしっかり伸ばしていこうと考えております。
取材者:
今期に関して、何か新たに取り組まれていることや、業績に関わらず何かトピックス等ございますか?
回答者:
トピックスとしましては、本業自体は、お話しているようにメンテナンス・工事ともに順調に伸びているのですけれども、決算の数字を見ていただくと、特に第2クォーターから第3クォーターにかけては、営業利益の伸び率が鈍化しているように見えるかと思います。その原因としては販管費が膨らんでいるからで、それは社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充させているというところがあります。これは、処遇を改善することで社員エンゲージメントを高め、将来的な売上と利益に繋がる重要な先行投資と考えています。社員に対する還元は今後も重視していきたいと考えています。当然、その上で株主様に対しても還元を充実させていくという方針には変わりはないですけれども、特に当社の場合、人的資本が成長の源泉となりますので、今回の新中計においても重要なKPIとして社員エンゲージメントを設定しており、そこをしっかりと高めていくことが企業価値向上に繋がっていくと考えております。
20250214 CP&X
ビジネスモデル・事業内容
日本空調サービスは、空調を始めとした建物設備全般の保守点検・メンテナンスを行うPM事業、お客様の施設の中央監視室等に常駐して24時間体制で設備管理を行うFM事業、リニューアル工事を行うRAC事業の3つを柱としている。メーカーフリーで、全国47都道府県に対応できる体制を持つ。
創業の経緯と転機
創業者は、日本で予防保全の概念が浸透していなかった時代に、海外の維持管理の考え方に触発され、メンテナンス事業を立ち上げた。当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心だったが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになった。
直近の決算状況
業績は好調に推移しており、2025年3月期第1四半期は、前期からの繰越案件に加え、受注の平準化に努めたことにより、売上と利益が大きく伸長した。例年、第3四半期、第4四半期に売上・利益ともに集中する傾向がある。
特徴・強み
3つの事業を包括的に提供することで、顧客の多様なニーズに対応できる点が強みである。また、独立系メンテナンス企業であるため、幅広いメーカーの機器に対応できる点も強みとなっている。長年の経験と蓄積されたノウハウ、充実した研修制度により、高い技術力を持つ人材を育成している。
成長戦略
本業であるメンテナンス・工事を軸に、成長を継続していく方針である。特に、国内の製造工場関係の需要拡大に対応するため、暑熱対策や作業環境改善等、顧客のニーズに合わせたサービスを提供していく。また、省エネニーズの高まりに対応するため、太陽光発電等の事業も展開していく。
株主還元策
株主還元は安定配当を基本方針とし、配当性向50%程度の維持を目指している。新中期経営計画では、1株当たり年間配当金の下限を40円に設定し、DOE5%の目標を掲げている。
今期の取り組み・トピックス
今期は、社員エンゲージメント向上を目的とした社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充している。これは、将来的な売上と利益増加を見据えた重要な先行投資と位置付けている。人的資本を重視し、社員の処遇改善を図ることで、企業価値向上を目指している。
IR担当

日本空調サービス(株)
東証PRM、名証プレミア 4658
決算:3月末日
Q:貴社のビジネスモデルと事業内容の特徴、強みについてご説明ください。
A: 当社は、PM(Preventive Maintenance:保守)、FM(Facility Management:保守・管理)、RAC(Reform and Construction:設計・施工)の3つの事業を柱としています。PMは、顧客の施設に定期的に訪問し、設備の保守点検やメンテナンスを行う事業です。これは、メーカー系メンテナンス会社が行う作業と同様です。FMは、24時間365日稼働している大型病院の中央監視室等の顧客の施設に当社社員が常駐し、設備の運転・監視、点検、緊急対応等を24時間体制で行う事業です。RACは、設備のリニューアル工事を行う事業であり、サブコンのような事業形態をイメージしていただければと思います。
これら3つの事業を包括的に提供できることが当社の強みのひとつです。また、特定メーカーの資本が入っていないため、メーカーフリーで対応できることも強みです。さらに、全国47都道府県すべてに拠点を展開しており、全国規模で顧客をサポートできる体制を整えています。
Q:さまざまなメーカーの機械を扱われているとのことですが、高い技術力を維持する仕組みについてご説明ください。
A: 当社は、さまざまなメーカーと良好な関係を築き、メーカーが実施する研修にも積極的に参加することで、常に最新の知識と技術を習得しています。また、社内でも充実した研修制度を設け、社員一人ひとりが高いレベルの技術力を身につけることができるよう、継続的な人材育成に注力しています。一人前になるまでには3年~5年と時間がかかりますが、その分、高度な専門性を有する人材を育成しています。
Q:人材採用戦略についてご説明ください。
A: 当社は、人材採用においても業界全体が抱える課題と同様に、厳しい状況にあります。連結で毎年平均80名程度の新卒採用を行っていますが、人材不足は深刻化しています。そこで、近年はベースアップを実施する等、処遇面の改善を図っています。また、本年4月には新たに技術・研修センターを開設し、研修を一層充実させることで、人材育成の強化を加速させていきます。社員一人ひとりの能力向上を促進することで、生産性向上と人材不足の解消を目指しています。さらに、社員の定着率向上のため、働きがいのある環境づくりにも積極的に取り組んでいます。
Q:3つの事業におけるシナジー効果についてご説明ください。
A: 当社の3つの事業は、それぞれが独立しているのではなく、相互に連携しながらシナジー効果を生み出すことで、顧客に最適なサービスを提供しています。例えば、顧客のニーズの変化や、より高効率な機器の登場等により、メンテナンスからリニューアル工事、そして再びメンテナンスへと繋がる、一連のサービスを提供することが可能です。
Q:新規顧客の獲得施策についてご説明ください。
A: 病院の新規顧客獲得においては、数年先の新設情報を収集し、事前に営業活動を行うことで、新規顧客獲得を目指しています。また、顧客の現状の設備管理に対する不満等を把握し、適切な提案を行うことで顧客獲得に繋げることもあります。工場に対しては、飛び込み営業のような形で、小さな仕事から始めて実績を積み重ねることで信頼関係を構築し、大きな仕事へと繋げていくこともあります。
Q:貴社の創業の経緯についてご説明ください。
A: 当社の創業者は、まだ日本で予防保全の概念がほとんどなかった時代に、海外における建物設備の維持管理の考え方を知り、日本でもそのような流れになると考え、メンテナンス事業を始めました。当時はまだ、壊れてから直すという考え方が主流でしたが、創業者は壊れないようにメンテナンスを実施することの重要性を認識し、事業を立ち上げました。
Q:創業当初からの事業活動の変遷は?
A: 当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心でしたが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになりました。
Q:業績が順調に推移している要因についてご説明ください。
A: 現在の事業環境は非常に良好であり、メンテナンス・工事ともに仕事量が多く、利益率も改善しています。顧客の需要に対して、供給側が人手不足等で対応しきれていない状況です。そのため、当社もある程度仕事を選別して受注する必要があり、結果としてしっかりと利益を確保できています。また、近年ベースアップを実施していますが、高品質サービスの提供を前提とした顧客との丁寧なコミュニケーションを図ることで、しっかりと価格転嫁もできている状況です。
Q:第1四半期の営業利益の伸びが大きかった理由についてご説明ください。
A: 当社は第3四半期、第4四半期に売上と利益が伸びていく傾向にありますが、今期は第1四半期から好調でした。前期からの繰越案件もありますが、前期や前々期には半導体不足や資機材の納期遅延等の影響で仕事が年度末に完成せず、顧客側も困っていたということがありました。そのため、今期は早め早めに仕事を発注していただいたことが、第1四半期からの好調に繋がったと感じています。
Q:第3四半期、第4四半期に売上が集中する季節性要因はありますか?
A: 顧客の予算執行状況により、年度末にかけて予算消化の動きが活発化するため、下期に売上が偏る傾向があります。
Q:特殊な環境を有する施設の売上比率が高いとのことですが、安全面についてはどのような対策をされていますか?
A: 病院や工場では、設備の停止が患者様の命や企業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社は高い技術を持った人材育成に注力し、安全対策を徹底しています。社員一人ひとりが高い安全意識を持ち、作業に取り組むよう指導しています。また、定期的な安全教育を実施し、常に最新の安全知識を習得できるよう努めています。
Q:海外戦略についてご説明ください。
A: 当社は1999年に中国に進出し、現在はアジアの複数の国で日系の製造工場向けに日本国内と同様のサービスを展開しています。海外事業においては、日系製造工場向けに高品質なサービスを提供することで、顧客との長期的な関係構築を目指しています。
Q:海外人材の採用についてご説明ください。
A: 海外各国にはマネジメントを担う人材を日本から2名程度送り込み、技術者は現地採用という形をとっています。海外では、採用して育ててもすぐに転職してしまう等、定着が難しいという課題があります。文化や習慣の違いを理解し、現地社員が働きやすい環境を作ることで、定着率向上を目指しています。
Q:株主還元策についてご説明ください。
A: 株主還元は基本的に配当で行っています。配当性向50%程度の維持を基本としており、新中期経営計画では1株当たり年間配当金の下限を40円に設定しました。ROE10%の目標も掲げており、配当性向とROEを掛け合わせてDOE5%程度を維持するという安定配当を基本方針としています。
Q:今後の成長戦略についてご説明ください。
A: 今後の成長戦略は、本業であるメンテナンス・工事を堅調に伸ばしていく方針です。特に、国内では製造工場関係の需要が拡大しており、暑熱対策や作業環境改善等、顧客のニーズに合わせたサービスを提供することで、更なる成長を目指します。また、省エネニーズの高まりに対応するため、太陽光発電等の事業も展開しており、多角的な事業展開を通じて成長を図ります。
Q:今期、新たに取り組まれていることや、業績に関わらずトピックスがあれば教えてください。
A: 本業であるメンテナンス・工事ともに順調に伸ばしていますが、決算上の数値を見ると、第2四半期から第3四半期にかけて営業利益の伸び率が鈍化しているように見えるかもしれません。これは、販管費が膨らんでいることが原因であり、具体的には社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充させていることが挙げられます。これは、処遇を改善することで社員エンゲージメントを高め、将来的な売上と利益に繋がる重要な先行投資と考えています。社員に対する還元は今後も継続していく方針です。株主様への還元も充実させていく方針に変わりはありませんが、人的資本が成長の源泉であるという考えのもと、社員エンゲージメント向上を最優先事項と位置付け、企業価値向上を目指します。
取材者:
貴社のビジネスモデルと事業内容の特徴、強み等をご説明いただけますでしょうか。
回答者:
当社の事業部門は大きく3つに分かれており、PM、FM、RACと呼んでおります。
まず、PMは、お客様の施設に定期的に訪問し、保守点検やメンテナンスを行う事業です。メーカー系メンテナンス会社が行っている作業をイメージしていただければわかりやすいと考えます。次に、FMは、24時間365日稼働している大型病院の中央監視室等のお客様の施設に当社の社員が常駐し、24時間体制で管理を行う事業です。PMとFMを合わせて、当社ではメンテナンスと呼んでいます。最後に、RACは、リニューアル工事を行う事業です。サブコンのような事業形態をイメージしていただければと思います。
PM事業、FM事業、RAC事業を行うそれぞれ3つの会社が1つの会社になっているようなイメージで、このように包括的なサポートができる会社はほとんどありません。対応力の広さが当社の強みの一つです。また、メーカーフリーで対応できるという強みもあります。特定のメーカーの資本が入っているわけではないので、さまざまなメーカーの機器を扱えます。大規模な施設になればなるほど、1つのメーカーの機器だけで賄われていることはほとんどなく、複数のメーカーの機器が混在していることが一般的です。お客様の立場からすると、何かトラブルがあったときに、それぞれのメーカーに連絡を取るのは大変です。その点、当社に連絡いただければ、設備全体をまとめて見てもらえるという安心感があり、お客様の手間を省くことができます。さらに、全国展開をしているという強みもあります。47都道府県すべてに拠点を展開しており、全国どこでも同じレベルの高品質サービスを提供できます。全国展開している工場等のお客様にとっては大きなメリットであり、強みであると考えています。そして、これらの事業を支えているのは、高い技術力を有する社員です。長年の経験と蓄積されたノウハウ、そして充実した研修制度によって、高い技術力と知識を備えた人材を育成しています。
取材者:
さまざまなメーカーの機器を扱われているとのことですが、高い技術力や知識が必要になるかと思います。資料に記載されている特殊な施設での作業について、高い技術力をお持ちの背景についてお聞かせください。
回答者:
さまざまなメーカーと良好な関係を築いており、メーカーが実施する研修にも参加することで、常に知識と技術をアップデートしています。社内でも研修制度を充実させており、技術や知識の習得には時間を要しますが、幅広い知識と高い技術を身につけた社員が多いのが現状です。一人前になるまでには3年~5年と時間がかかりますが、その分、高いレベルの技術力を身につけることができます。
取材者:
時間をかけて教育をされているのですね。次に、採用についてお伺いします。どの業界も人材の採用に苦労されているかと思いますが、貴社の人材採用戦略についてお聞かせください。
回答者:
当社も他社と同様に、採用には苦労しています。連結で毎年平均80名程度の新卒採用を行っていますが、人材不足は深刻です。そこで、近年はベースアップを実施して処遇面の改善を図ったり、4月からは新たに技術・研修センターを開設することで、人材育成の強化を加速させていきます。一人前になるまでの期間を短縮できれば、生産性の向上に繋がります。質の高い人材を育成することで、人材不足に対応しています。また、社員の定着率向上のため、働きがいのある環境づくりにも力を入れています。
取材者:
3つの事業があるとのことですが、それぞれシナジー効果はございますか?
回答者:
どの段階からでもお客様との取引を開始できるという強みがあります。長いお付き合いの中で、基本的には保守やメンテナンスという形で機器を長く効率的に使っていくことになりますが、需要の変化や、より高効率な機器の登場等により、リニューアル工事を行い、そこからまたメンテナンスに繋げていくというような形で、永続的なお付き合いができます。3つの部門は深く連携しており、お客様に最適なサービスを提供できる体制を整えています。
取材者:
新規のお客様の獲得施策についてお聞かせください。
回答者:
病院であれば、新設の情報を何年も前から入手し、丁寧な営業活動を実施しながら新規のお客様の獲得を目指します。また、既存の設備管理体制に対する不満を把握して提案することで、お客様を獲得していくこともあります。工場に対しては、飛び込み営業のような形で、小さな仕事から始めて実績を積み重ね、大きな仕事に繋げていくこともあります。地道な営業活動を通じて、お客様との信頼関係を構築し、長期的な関係を築けるよう努めています。
取材者:
貴社の創業の経緯についてお聞かせください。
回答者:
創業者は、まだ日本で予防保全の概念がほとんどなかった時代に、海外では機器を壊れないように維持管理していくという考え方があることを知り、日本でもそのような流れになると考え、メンテナンス事業を始めました。当時はまだ、壊れてから直すという考え方が主流でしたが、創業者は壊れないようにメンテナンスを実施することの重要性を認識し、事業を立ち上げました。
取材者:
創業当初から事業活動はどのように変遷していったのでしょうか?
回答者:
当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心でしたが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになりました。
取材者:
業績が順調に推移している要因はどのようなところにあるのですか?
回答者:
事業環境は非常に良好で、メンテナンス・工事ともに仕事量が多く、利益率も改善しています。お客様の需要に対して、供給側が人手不足等で対応しきれていない状況です。そのため、当社もある程度仕事を選別して受注する必要があり、結果としてしっかりと利益を確保できています。近年ベースアップを実施していますが、高品質サービスの提供を前提としたお客様との丁寧なコミュニケーションを図ることで、しっかりと価格転嫁もできている状況です。
取材者:
第1四半期の営業利益の伸びが大きかったですが、理由は何ですか?
回答者:
当社は第3四半期、第4四半期に売上と利益が伸びていく傾向にありますが、今期は第1四半期から好調でした。前期からの繰越案件もありますが、前期や前々期には半導体不足や資機材の納期遅延等の影響で仕事が年度末に完成せず、お客様側も困っていたということがありました。そのため、今期は早め早めに仕事を発注していただいたということが、第1四半期からの好調に繋がったと感じています。
取材者:
第3四半期、第4四半期に売上が集中するような季節性要因はございますか?
回答者:
お客様の予算執行状況により、年度末にかけて予算消化の動きが活発化するため、下期に売上が偏る傾向があります。
取材者:
特殊な環境を有する施設の売上比率が高いとのことですが、安全面についてはどのような対策をされていますか?
回答者:
病院では空調や電気が止まると患者様の命に関わりますし、工場でもラインが止まると大損害が出ます。そのため、高い技術を持った人材育成に注力し、安全対策を徹底しています。社員一人ひとりが高い安全意識を持ち、作業に取り組むよう指導しています。また、定期的な安全教育を実施し、常に最新の安全知識を習得できるよう努めています。
取材者:
他社からすると参入障壁が高い部分なのですね。
回答者:
その通りです。それだけ難しい事業です。
取材者:
海外戦略について教えていただけますか?
回答者:
1999年に中国に進出し、現在はアジアの複数の国で日系の製造工場向けに日本国内と同様のサービスを展開しています。海外事業は、主に日系製造工場向けに、日本国内と同様のサービスを展開することで、お客様との長期的な関係構築を目指し、高品質なサービスの提供を通じて信頼を獲得していきたいと考えています。
取材者:
海外人材の採用についてはいかがでしょうか?
回答者:
各国にマネジメントを担う人材を日本から2名程度送り込み、技術者は現地採用という形にしています。海外では、採用して育ててもすぐに転職してしまう等、定着が難しいという課題があります。文化や習慣の違いを理解し、現地社員が働きやすい環境を作ることで、定着率向上を目指しています。
取材者:
海外でも採用の競争は厳しいのですか?
回答者:
条件面で少しでも良いところがあればすぐに転職してしまうという傾向があります。当社では時間をかけて技術を身につけてもらう必要があるため、人材の定着が難しいという課題があります。
取材者:
株主還元策について教えてください。
回答者:
株主還元は基本的に配当で行っています。配当性向50%程度の維持を基本としており、新中期経営計画では1株当たり配当金の下限を40円に設定しました。ROE10%の目標も掲げており、配当性向とROEを掛け合わせてDOE5%程度を維持するという安定配当を基本方針としています。
取材者:
今後の成長戦略について教えてください。
回答者:
基本的には本業のメンテナンス・工事をしっかりと伸ばしていく方針です。特に国内においては一番伸びているのが製造工場関係です。工場関係では、暑熱対策や作業される方の働く環境等を改善していこうという動きが活発で、そういったお客様のニーズに沿って対応していきます。当然、省エネのニーズも高いですので、主軸はあくまでもメンテナンス事業にはなるのですけれども、例えば太陽光発電等を行う部署もありますので、様々なツールを使っていきながら本業をしっかり伸ばしていこうと考えております。
取材者:
今期に関して、何か新たに取り組まれていることや、業績に関わらず何かトピックス等ございますか?
回答者:
トピックスとしましては、本業自体は、お話しているようにメンテナンス・工事ともに順調に伸びているのですけれども、決算の数字を見ていただくと、特に第2クォーターから第3クォーターにかけては、営業利益の伸び率が鈍化しているように見えるかと思います。その原因としては販管費が膨らんでいるからで、それは社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充させているというところがあります。これは、処遇を改善することで社員エンゲージメントを高め、将来的な売上と利益に繋がる重要な先行投資と考えています。社員に対する還元は今後も重視していきたいと考えています。当然、その上で株主様に対しても還元を充実させていくという方針には変わりはないですけれども、特に当社の場合、人的資本が成長の源泉となりますので、今回の新中計においても重要なKPIとして社員エンゲージメントを設定しており、そこをしっかりと高めていくことが企業価値向上に繋がっていくと考えております。
20250214 CP&X
ビジネスモデル・事業内容
日本空調サービスは、空調を始めとした建物設備全般の保守点検・メンテナンスを行うPM事業、お客様の施設の中央監視室等に常駐して24時間体制で設備管理を行うFM事業、リニューアル工事を行うRAC事業の3つを柱としている。メーカーフリーで、全国47都道府県に対応できる体制を持つ。
創業の経緯と転機
創業者は、日本で予防保全の概念が浸透していなかった時代に、海外の維持管理の考え方に触発され、メンテナンス事業を立ち上げた。当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心だったが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになった。
直近の決算状況
業績は好調に推移しており、2025年3月期第1四半期は、前期からの繰越案件に加え、受注の平準化に努めたことにより、売上と利益が大きく伸長した。例年、第3四半期、第4四半期に売上・利益ともに集中する傾向がある。
特徴・強み
3つの事業を包括的に提供することで、顧客の多様なニーズに対応できる点が強みである。また、独立系メンテナンス企業であるため、幅広いメーカーの機器に対応できる点も強みとなっている。長年の経験と蓄積されたノウハウ、充実した研修制度により、高い技術力を持つ人材を育成している。
成長戦略
本業であるメンテナンス・工事を軸に、成長を継続していく方針である。特に、国内の製造工場関係の需要拡大に対応するため、暑熱対策や作業環境改善等、顧客のニーズに合わせたサービスを提供していく。また、省エネニーズの高まりに対応するため、太陽光発電等の事業も展開していく。
株主還元策
株主還元は安定配当を基本方針とし、配当性向50%程度の維持を目指している。新中期経営計画では、1株当たり年間配当金の下限を40円に設定し、DOE5%の目標を掲げている。
今期の取り組み・トピックス
今期は、社員エンゲージメント向上を目的とした社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充している。これは、将来的な売上と利益増加を見据えた重要な先行投資と位置付けている。人的資本を重視し、社員の処遇改善を図ることで、企業価値向上を目指している。
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