
日本空調サービス(株)
東証PRM、名証プレミア 4658
決算:3月末日
20251212
CP&X
【2026年3月期2Q】
決算概要
2026年3月期第2四半期は、売上高29,404百万円(前期比9.2%増)、営業利益2,310百万円(同28.9%増)、経常利益2,456百万円(同30.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,579百万円(同34.1%増)となった。主要事業であるメンテナンス・リニューアル工事ともに順調に伸びている。特に工事の伸びが大きく、お客様の需要に対して供給サイドが不足している状況が続いている。また、昨今の気温上昇に伴い、工場の暑熱対策や作業環境改善に関する需要が多くなっているため、工事を押し上げる要因になっている。
セグメント別または事業別の増減要因
セグメント別の業績については特筆すべきイレギュラーな点はなく、決算概要でも記載したように工事の伸びが特に大きい状況である。
主要KPIの進捗と変化
主要KPIの一つとして、非財務指標では社員のエンゲージメント向上を重視し、「社員エンゲージメントスコア」を設定している。このスコアは2025年3月期から導入されており、今後の推移を把握し、社員数の増加と掛け合わせることで価値創造の基盤を強化する方針である。直近では2025年10月に従業員に対する「エンゲージメント調査」を実施し、スコアは現在集計中であり、2026年3月期末決算では結果を開示できる見通しである。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年3月期の業績予想は、売上高66,000百万円(前期比2.4%増)、営業利益4,200百万円(同0.2%増)、経常利益4,400百万円(同0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,150百万円(同1.5%増)と、増収増益を見込んでいる。予想策定時点では、トランプ関税など国際情勢の不透明な要素があり、やや保守的な数字となっているが、足元は順調に進捗している。
トピックス
2025年9月より株主優待制度を導入した。当社は知名度が高い企業ではない為、当社株式の認知度向上や魅力向上、また、流動性改善に繋げていきたいと考えている。

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
決算概要
2025年3月期は、売上高644億3,800万円(前期比10.7%増)、営業利益41億9,100万円(同15.5%増)、経常利益43億7,300万円(同13.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益31億200万円(同13.8%増)となり、増収増益で着地した。売上・利益ともに、主要事業であるメンテナンスと工事が好調に推移したことが主な要因である。特に工事関係では、省エネ対策や暑熱対策といった分野での案件増加が顕著であった。人件費の上昇はあったものの、それを見積もりに転嫁することで売上・利益を増加させ、売上総利益率もメンテナンス・工事ともに上昇した。
セグメント別または事業別の増減要因
セグメント別の業績は想定通りの推移であった。イレギュラーな特筆すべき点はなく、工事の利益率が数年前に比べて大幅に上昇し、全体業績に大きく貢献した。主要KPIの進捗と変化
主要KPIの一つとして、非財務指標では社員のエンゲージメント向上を重視し、「社員エンゲージメントスコア」を設定している。このスコアは2025年3月期から導入されており、今後の推移を把握し、社員数の増加と掛け合わせることで価値創造の基盤を強化する方針である。エンゲージメント向上のための施策として、給与水準の引き上げに加え、福利厚生の充実も図られている。また、コア技術力指数も非財務の重要指標であり、現状では目標に対する進捗は不足しているものの、今後強化していく方針である。季節性・一過性要因の有無と影響
2025年3月期において、業績に影響を与えた特殊な一過性の要因はなかった。受注件数の増加よりも単価の上昇が、業績増加の主要因であった。通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年3月期の業績予想は、売上高660億円(前期比2.4%増)、営業利益42億円(同0.2%増)、経常利益44億円(同0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益31億5,000万円(同1.5%増)と、増収増益を見込んでいる。この見通しは、2025年3月期の好調な業績を継続して伸ばすことを意図している。しかし、予想策定時点では、トランプ関税など国際情勢の不透明な要素があり、顧客の設備投資への影響を考慮し、やや保守的な見通しとなっている。トピックス
2025年4月より技術・研修センターが本格稼働を開始し、同年4月からは新入社員向けの研修を1カ月間実施されている。当該研修施設を人材育成の重要拠点ととらえ、新入社員向けの研修だけでなく、既存社員向けにも様々な研修を実施される予定である。人への投資は中期経営計画達成に向けた最も重要な基盤であると認識されている。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:成長戦略においては、人材への投資が最も重要であると認識しております。特に、技術・研修センターが2025年4月より本格稼働しており、同年4月からは新入社員向けの研修を1カ月間実施しています。当該施設の活用により、社員の質の向上が期待され、一人前になるまでの期間を短縮することで生産性向上に繋がると考えております。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年3月期の通期業績予想は、売上高660億円(前期比2.4%増)、営業利益42億円(同0.2%増)、経常利益44億円(同0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益31億5,000万円(同1.5%増)と、増収増益を見込んでおります。この予想は、2025年3月期の好調な業績を継続して伸ばしていく方針に基づいております。しかしながら、業績予想の策定段階においては、トランプ関税などの国際情勢の不透明な要素があり、お客様の設備投資への影響を考慮し、やや保守的な見通しとしております。足元の環境は良好であり、売上および利益の向上に繋げていきたいと考えております。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:当社の主要事業であるメンテナンスと工事において、売上・利益ともに好調に推移しております。特に工事においては、省エネ対策や暑熱対策の分野で、病院や製造工場を中心に案件が豊富にありました。お客様からの設備投資需要に対し、施工サイドの供給が不足している状況であるため、当社は採算性を確保しながら案件を選別して受注できております。受注件数の増加よりも、工事単価の上昇が業績増加の大きな要因となっております。
Q:M&A、業務提携などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aや業務提携について、現時点では具体的な案件を積極的に進めている状況にはございません。しかしながら、選択肢としてはゼロではなく、自社でのオーガニックな成長だけでなく、M&Aを実施することにより迅速に企業価値を向上させられると判断した場合には、その選択肢も検討対象となります。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画の進捗状況につきましては、P/Lにおいて、初年度で想定を大きく上回る業績の伸びが見られました。特に利益面では想定以上に伸長しております。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主還元方針については、現在進行中の中期経営計画で定められた還元方針に沿って実施しており、変更はございません。安定的配当を継続する方針です。
取材者:まずは2025年3月期の決算状況についてお伺いいたします。売上高644億3,800万円、前期比10.7%の増加、営業利益41億9,100万円、同15.5%の増加、経常利益43億7,300万円、同13.2%増加、親会社株主に帰属する当期純利益31億200万円、同13.8%の増加と、2024年3月期に引き続きかなり好調な業績を維持し、増収増益で着地されたと認識しておりますが、こちらについての増加要因についてお伺いできますか。
回答者:売上・利益ともに、当社の主要事業であるメンテナンスと工事が好調でした。特に工事関係では、省エネ対策や暑熱対策といった分野で、病院や製造工場を中心に案件が豊富にありました。お客様からの設備投資の需要に対し、当社のような施工ができる供給サイドが不足している状況ですので、当社は仕事を選別し、採算性をしっかりと確保しながら受注ができました。当社も3期連続で給与水準の引き上げを実施しており、その分人件費は上昇しておりますが、それを見積もりに転嫁し、売上・利益ともに増加させることができたと認識しております。売上総利益率に関しても、メンテナンス・工事ともに上昇しています。
取材者:人件費のお話もありましたが、これだけ施工数も上がっている中で、採用数は前期比でいかがでしょうか。
回答者:採用数に大きな増減はございません。毎年グループ全体で80名程度の新卒採用を行っております。人員数はある程度売上にも比例しているので、しっかりと伸ばしていく必要性があると認識しています。ただ、ここ数年、社員数を大きく伸ばせている状況ではございませんので、このあたりはある意味ボトルネックと考えております。
取材者:この業績に対し、期初の予想に対する進捗度合いとしては、いかがでしたでしょうか。
回答者:進捗度合いとしては、売上・利益ともに当初の予想を上回っていますので、しっかりと確保できたと考えています。毎年給与水準の引き上げを実施しているため、当然それを価格に転嫁していくのですが、お客様がどこまで受け入れてくださるかという点には不透明な部分がありました。ただ、結果としてはしっかりと確保することができたと認識しています。
取材者:その中でかなり進捗も上回って順調に推移してきたかと思いますが、セグメント別で見たときに、予想以上に伸びた部分や、反対に進捗しなかった部分などはございますか。
回答者:業績については想定通りの推移で、イレギュラーな特筆すべき点はありませんでした。ただ、工事の利益率は数年前に比べてかなり上昇しており、その部分は着実に業績に貢献していると考えています。
取材者:季節性の要因、外的要因、あるいは内的要因でも構いませんが、業績に影響を与えた一過性の要因がございましたら、お聞かせいただけますでしょうか。
回答者:2025年3月期について何か特殊な要因があったとは考えていません。
取材者:受注件数もかなり順調に、特筆することなくしっかりと伸びてきており、それが積み重なって結果に出ているようなイメージでしょうか。
回答者:件数というよりは、単価が上がっていることの方が増加要因としては大きいです。
取材者:それでは、その他貴社の主要KPIがございましたら教えていただけますか。
回答者:主要KPIについてですが、財務指標と非財務指標がございます。まず非財務の部分では、当社は人が資本ですので、人的資本のところを管理する上で、社員エンゲージメントスコアを重視しています。当スコアの設定は、2025年3月期からスタートしていますので、これからどのように推移していくかを把握していくことになりますが、当スコアを上げていくことと、社員の数を増やすこととの掛け算によって、価値を創造していくベースが成り立ってくると考えています。
取材者:エンゲージメント向上のために、給与のベースアップ以外に行われていることはございますか。
回答者:前中期経営計画では、従業員満足度調査という、類似の調査を行っていたのですが、特に待遇面に関してネガティブな回答が多かったという状況がありました。現在は、ベースアップでその部分を補填している状況です。それ以外にも、福利厚生の面など、その他の充実も図っている状況ではございますので、今後のエンゲージメント調査の中で各スコアがどのような推移をしていくのかを見て、対策を取っていきたいと考えています。
取材者:その他、重要指標などはございますか。
回答者:こちらも非財務ですが、コア技術力指数というものをKPIとして設定しており、これは、技術系公的資格取得数×資格点数÷技術系従業員数で算出する技術力指数というものから、より本業の成長と相関が高いと考えられる公的資格にて再構築したKPIです。もちろん、資格だけで技術力の全てが測れるわけではありませんが、一つの重要な指標になってくると考えています。現在、目標に対して進捗は不足している状況ではありますが、コア技術力指数もしっかりと強化していきたいと考えております。
取材者:中期経営計画の達成に向けても、人に対する投資というのはかなり重要な項目になってくるようなイメージでよろしいですか。
回答者:はい。やはり人への投資が一番のベースになってきます。
取材者:それでは、中期経営計画の進捗状況についても伺いたいのですが、2025年3月期までの進捗状況はいかがでしたでしょうか。
回答者:P/Lに関しては、初年度で想定をかなり上回る業績の伸びがありました。売上はまだ最終年度に近いところまでは到達していませんが、特に利益面は想定以上に伸びているという状況です。
取材者:それでは、2026年3月期の業績予想についてもお聞きしたいのですが、売上高660億円、前期比2.4%の増加、営業利益42億円、同0.2%の増加、経常利益44億円、同0.6%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益31億5,000万円、同1.5%増加と、増収増益ではありますが、2025年3月期と比べて比較的現状維持に近い形の着地を予想されているかと思います。こちらの見通しとしては、2025年3月期の業績が良かった分、引き続き伸ばしていくような見通しなのでしょうか。
回答者:はい、引き続き業績は伸ばしていきたいと考えております。しかし、業績予想を検討していた段階では、特にトランプ関税などが話題になり始めた頃でした。当社に直接影響があるというよりは、お客様の設備投資の部分にどのような影響が出てくるかという点で、予測しづらい部分がありました。そのため、若干保守的に設定しているところはありますが、足元の環境としては悪くありませんので、売上・利益の向上に繋げたいと考えております。
取材者:2026年3月期に関して、中期経営計画の達成に向けて新たに行う施策はございますか。
回答者:新たにというわけではございませんが、2025年4月から技術・研修センターが本格稼働しています。今年の4月に入社した新入社員が、当該施設で1カ月間研修を実施しました。当該施設の活用により、社員の質の向上という点で言いますと、例えば今まで一人前になるのに4年~5年かかっていたところが、1年でも短くなれば、当然ながら生産性の向上に繋がってくると思います。その効果が実際に数字として出てくるのはまだ先にはなりますが、今後も技術・研修センターをしっかりと活用していきたいと考えています。
取材者:まさにそういった部分が人への投資の部分ですね。あとはM&Aや業務提携に対して、実施のご予定や検討状況などございましたら、お答えできる範囲で結構ですので、お話しいただけますか。
回答者:具体的に何か積極的に案件を進めているというわけではございません。ただ、当然選択肢としてゼロではないという状況ではあります。仮にM&Aを行うにしても、ある分野を伸ばしていくためには自社でオーガニックに成長するのではなく、M&Aをする必要性があるのかというところをしっかりと見極めなければなりません。M&Aという選択肢を取った方がより速いスピードで企業価値を上げていくことができるのであれば、選択肢としてM&Aも入ってくるという認識です。
取材者:承知いたしました。あとは、株主還元の方針につきまして何か変更などございましたら教えていただけますか。
回答者:株主還元方針について、特に変更はございません。現在進んでいる中期経営計画の還元方針に沿って実施していくということに基本的には変わりはありません。
取材者:安定的な配当といったところで承知いたしました。それでは、最後に足元の状況につきまして、何かトピックス、あるいはニュースリリースがございましたら教えていただけますか。
回答者:トピックスについてですが、今期がスタートした段階では、アメリカの経済状況や国際情勢の不安定な部分もありましたが、概ね足元の状況としては、そこまで大きく乱れることなく、順調に推移していると考えています。2025年3月期のスタートは例年に比べて出だしが良かったのですが、2026年3月期も遜色ない滑り出しができていると認識しています。
IR担当

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
ビジネスモデル・事業内容
日本空調サービスは、空調を始めとした建物設備全般の保守点検・メンテナンスを行うPM事業、お客様の施設の中央監視室等に常駐して24時間体制で設備管理を行うFM事業、リニューアル工事を行うRAC事業の3つを柱としている。メーカーフリーで、全国47都道府県に対応できる体制を持つ。
創業の経緯と転機
創業者は、日本で予防保全の概念が浸透していなかった時代に、海外の維持管理の考え方に触発され、メンテナンス事業を立ち上げた。当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心だったが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになった。
直近の決算状況
業績は好調に推移しており、2025年3月期第1四半期は、前期からの繰越案件に加え、受注の平準化に努めたことにより、売上と利益が大きく伸長した。例年、第3四半期、第4四半期に売上・利益ともに集中する傾向がある。
特徴・強み
3つの事業を包括的に提供することで、顧客の多様なニーズに対応できる点が強みである。また、独立系メンテナンス企業であるため、幅広いメーカーの機器に対応できる点も強みとなっている。長年の経験と蓄積されたノウハウ、充実した研修制度により、高い技術力を持つ人材を育成している。
成長戦略
本業であるメンテナンス・工事を軸に、成長を継続していく方針である。特に、国内の製造工場関係の需要拡大に対応するため、暑熱対策や作業環境改善等、顧客のニーズに合わせたサービスを提供していく。また、省エネニーズの高まりに対応するため、太陽光発電等の事業も展開していく。
株主還元策
株主還元は安定配当を基本方針とし、配当性向50%程度の維持を目指している。新中期経営計画では、1株当たり年間配当金の下限を40円に設定し、DOE5%の目標を掲げている。
今期の取り組み・トピックス
今期は、社員エンゲージメント向上を目的とした社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充している。これは、将来的な売上と利益増加を見据えた重要な先行投資と位置付けている。人的資本を重視し、社員の処遇改善を図ることで、企業価値向上を目指している。
Q:貴社のビジネスモデルと事業内容の特徴、強みについてご説明ください。
A: 当社は、PM(Preventive Maintenance:保守)、FM(Facility Management:保守・管理)、RAC(Reform and Construction:設計・施工)の3つの事業を柱としています。PMは、顧客の施設に定期的に訪問し、設備の保守点検やメンテナンスを行う事業です。これは、メーカー系メンテナンス会社が行う作業と同様です。FMは、24時間365日稼働している大型病院の中央監視室等の顧客の施設に当社社員が常駐し、設備の運転・監視、点検、緊急対応等を24時間体制で行う事業です。RACは、設備のリニューアル工事を行う事業であり、サブコンのような事業形態をイメージしていただければと思います。
これら3つの事業を包括的に提供できることが当社の強みのひとつです。また、特定メーカーの資本が入っていないため、メーカーフリーで対応できることも強みです。さらに、全国47都道府県すべてに拠点を展開しており、全国規模で顧客をサポートできる体制を整えています。
Q:さまざまなメーカーの機械を扱われているとのことですが、高い技術力を維持する仕組みについてご説明ください。
A: 当社は、さまざまなメーカーと良好な関係を築き、メーカーが実施する研修にも積極的に参加することで、常に最新の知識と技術を習得しています。また、社内でも充実した研修制度を設け、社員一人ひとりが高いレベルの技術力を身につけることができるよう、継続的な人材育成に注力しています。一人前になるまでには3年~5年と時間がかかりますが、その分、高度な専門性を有する人材を育成しています。
Q:人材採用戦略についてご説明ください。
A: 当社は、人材採用においても業界全体が抱える課題と同様に、厳しい状況にあります。連結で毎年平均80名程度の新卒採用を行っていますが、人材不足は深刻化しています。そこで、近年はベースアップを実施する等、処遇面の改善を図っています。また、本年4月には新たに技術・研修センターを開設し、研修を一層充実させることで、人材育成の強化を加速させていきます。社員一人ひとりの能力向上を促進することで、生産性向上と人材不足の解消を目指しています。さらに、社員の定着率向上のため、働きがいのある環境づくりにも積極的に取り組んでいます。
Q:3つの事業におけるシナジー効果についてご説明ください。
A: 当社の3つの事業は、それぞれが独立しているのではなく、相互に連携しながらシナジー効果を生み出すことで、顧客に最適なサービスを提供しています。例えば、顧客のニーズの変化や、より高効率な機器の登場等により、メンテナンスからリニューアル工事、そして再びメンテナンスへと繋がる、一連のサービスを提供することが可能です。
Q:新規顧客の獲得施策についてご説明ください。
A: 病院の新規顧客獲得においては、数年先の新設情報を収集し、事前に営業活動を行うことで、新規顧客獲得を目指しています。また、顧客の現状の設備管理に対する不満等を把握し、適切な提案を行うことで顧客獲得に繋げることもあります。工場に対しては、飛び込み営業のような形で、小さな仕事から始めて実績を積み重ねることで信頼関係を構築し、大きな仕事へと繋げていくこともあります。
Q:貴社の創業の経緯についてご説明ください。
A: 当社の創業者は、まだ日本で予防保全の概念がほとんどなかった時代に、海外における建物設備の維持管理の考え方を知り、日本でもそのような流れになると考え、メンテナンス事業を始めました。当時はまだ、壊れてから直すという考え方が主流でしたが、創業者は壊れないようにメンテナンスを実施することの重要性を認識し、事業を立ち上げました。
Q:創業当初からの事業活動の変遷は?
A: 当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心でしたが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになりました。
Q:業績が順調に推移している要因についてご説明ください。
A: 現在の事業環境は非常に良好であり、メンテナンス・工事ともに仕事量が多く、利益率も改善しています。顧客の需要に対して、供給側が人手不足等で対応しきれていない状況です。そのため、当社もある程度仕事を選別して受注する必要があり、結果としてしっかりと利益を確保できています。また、近年ベースアップを実施していますが、高品質サービスの提供を前提とした顧客との丁寧なコミュニケーションを図ることで、しっかりと価格転嫁もできている状況です。
Q:第1四半期の営業利益の伸びが大きかった理由についてご説明ください。
A: 当社は第3四半期、第4四半期に売上と利益が伸びていく傾向にありますが、今期は第1四半期から好調でした。前期からの繰越案件もありますが、前期や前々期には半導体不足や資機材の納期遅延等の影響で仕事が年度末に完成せず、顧客側も困っていたということがありました。そのため、今期は早め早めに仕事を発注していただいたことが、第1四半期からの好調に繋がったと感じています。
Q:第3四半期、第4四半期に売上が集中する季節性要因はありますか?
A: 顧客の予算執行状況により、年度末にかけて予算消化の動きが活発化するため、下期に売上が偏る傾向があります。
Q:特殊な環境を有する施設の売上比率が高いとのことですが、安全面についてはどのような対策をされていますか?
A: 病院や工場では、設備の停止が患者様の命や企業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社は高い技術を持った人材育成に注力し、安全対策を徹底しています。社員一人ひとりが高い安全意識を持ち、作業に取り組むよう指導しています。また、定期的な安全教育を実施し、常に最新の安全知識を習得できるよう努めています。
Q:海外戦略についてご説明ください。
A: 当社は1999年に中国に進出し、現在はアジアの複数の国で日系の製造工場向けに日本国内と同様のサービスを展開しています。海外事業においては、日系製造工場向けに高品質なサービスを提供することで、顧客との長期的な関係構築を目指しています。
Q:海外人材の採用についてご説明ください。
A: 海外各国にはマネジメントを担う人材を日本から2名程度送り込み、技術者は現地採用という形をとっています。海外では、採用して育ててもすぐに転職してしまう等、定着が難しいという課題があります。文化や習慣の違いを理解し、現地社員が働きやすい環境を作ることで、定着率向上を目指しています。
Q:株主還元策についてご説明ください。
A: 株主還元は基本的に配当で行っています。配当性向50%程度の維持を基本としており、新中期経営計画では1株当たり年間配当金の下限を40円に設定しました。ROE10%の目標も掲げており、配当性向とROEを掛け合わせてDOE5%程度を維持するという安定配当を基本方針としています。
Q:今後の成長戦略についてご説明ください。
A: 今後の成長戦略は、本業であるメンテナンス・工事を堅調に伸ばしていく方針です。特に、国内では製造工場関係の需要が拡大しており、暑熱対策や作業環境改善等、顧客のニーズに合わせたサービスを提供することで、更なる成長を目指します。また、省エネニーズの高まりに対応するため、太陽光発電等の事業も展開しており、多角的な事業展開を通じて成長を図ります。
Q:今期、新たに取り組まれていることや、業績に関わらずトピックスがあれば教えてください。
A: 本業であるメンテナンス・工事ともに順調に伸ばしていますが、決算上の数値を見ると、第2四半期から第3四半期にかけて営業利益の伸び率が鈍化しているように見えるかもしれません。これは、販管費が膨らんでいることが原因であり、具体的には社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充させていることが挙げられます。これは、処遇を改善することで社員エンゲージメントを高め、将来的な売上と利益に繋がる重要な先行投資と考えています。社員に対する還元は今後も継続していく方針です。株主様への還元も充実させていく方針に変わりはありませんが、人的資本が成長の源泉であるという考えのもと、社員エンゲージメント向上を最優先事項と位置付け、企業価値向上を目指します。
取材者:
貴社のビジネスモデルと事業内容の特徴、強み等をご説明いただけますでしょうか。
回答者:
当社の事業部門は大きく3つに分かれており、PM、FM、RACと呼んでおります。
まず、PMは、お客様の施設に定期的に訪問し、保守点検やメンテナンスを行う事業です。メーカー系メンテナンス会社が行っている作業をイメージしていただければわかりやすいと考えます。次に、FMは、24時間365日稼働している大型病院の中央監視室等のお客様の施設に当社の社員が常駐し、24時間体制で管理を行う事業です。PMとFMを合わせて、当社ではメンテナンスと呼んでいます。最後に、RACは、リニューアル工事を行う事業です。サブコンのような事業形態をイメージしていただければと思います。
PM事業、FM事業、RAC事業を行うそれぞれ3つの会社が1つの会社になっているようなイメージで、このように包括的なサポートができる会社はほとんどありません。対応力の広さが当社の強みの一つです。また、メーカーフリーで対応できるという強みもあります。特定のメーカーの資本が入っているわけではないので、さまざまなメーカーの機器を扱えます。大規模な施設になればなるほど、1つのメーカーの機器だけで賄われていることはほとんどなく、複数のメーカーの機器が混在していることが一般的です。お客様の立場からすると、何かトラブルがあったときに、それぞれのメーカーに連絡を取るのは大変です。その点、当社に連絡いただければ、設備全体をまとめて見てもらえるという安心感があり、お客様の手間を省くことができます。さらに、全国展開をしているという強みもあります。47都道府県すべてに拠点を展開しており、全国どこでも同じレベルの高品質サービスを提供できます。全国展開している工場等のお客様にとっては大きなメリットであり、強みであると考えています。そして、これらの事業を支えているのは、高い技術力を有する社員です。長年の経験と蓄積されたノウハウ、そして充実した研修制度によって、高い技術力と知識を備えた人材を育成しています。
取材者:
さまざまなメーカーの機器を扱われているとのことですが、高い技術力や知識が必要になるかと思います。資料に記載されている特殊な施設での作業について、高い技術力をお持ちの背景についてお聞かせください。
回答者:
さまざまなメーカーと良好な関係を築いており、メーカーが実施する研修にも参加することで、常に知識と技術をアップデートしています。社内でも研修制度を充実させており、技術や知識の習得には時間を要しますが、幅広い知識と高い技術を身につけた社員が多いのが現状です。一人前になるまでには3年~5年と時間がかかりますが、その分、高いレベルの技術力を身につけることができます。
取材者:
時間をかけて教育をされているのですね。次に、採用についてお伺いします。どの業界も人材の採用に苦労されているかと思いますが、貴社の人材採用戦略についてお聞かせください。
回答者:
当社も他社と同様に、採用には苦労しています。連結で毎年平均80名程度の新卒採用を行っていますが、人材不足は深刻です。そこで、近年はベースアップを実施して処遇面の改善を図ったり、4月からは新たに技術・研修センターを開設することで、人材育成の強化を加速させていきます。一人前になるまでの期間を短縮できれば、生産性の向上に繋がります。質の高い人材を育成することで、人材不足に対応しています。また、社員の定着率向上のため、働きがいのある環境づくりにも力を入れています。
取材者:
3つの事業があるとのことですが、それぞれシナジー効果はございますか?
回答者:
どの段階からでもお客様との取引を開始できるという強みがあります。長いお付き合いの中で、基本的には保守やメンテナンスという形で機器を長く効率的に使っていくことになりますが、需要の変化や、より高効率な機器の登場等により、リニューアル工事を行い、そこからまたメンテナンスに繋げていくというような形で、永続的なお付き合いができます。3つの部門は深く連携しており、お客様に最適なサービスを提供できる体制を整えています。
取材者:
新規のお客様の獲得施策についてお聞かせください。
回答者:
病院であれば、新設の情報を何年も前から入手し、丁寧な営業活動を実施しながら新規のお客様の獲得を目指します。また、既存の設備管理体制に対する不満を把握して提案することで、お客様を獲得していくこともあります。工場に対しては、飛び込み営業のような形で、小さな仕事から始めて実績を積み重ね、大きな仕事に繋げていくこともあります。地道な営業活動を通じて、お客様との信頼関係を構築し、長期的な関係を築けるよう努めています。
取材者:
貴社の創業の経緯についてお聞かせください。
回答者:
創業者は、まだ日本で予防保全の概念がほとんどなかった時代に、海外では機器を壊れないように維持管理していくという考え方があることを知り、日本でもそのような流れになると考え、メンテナンス事業を始めました。当時はまだ、壊れてから直すという考え方が主流でしたが、創業者は壊れないようにメンテナンスを実施することの重要性を認識し、事業を立ち上げました。
取材者:
創業当初から事業活動はどのように変遷していったのでしょうか?
回答者:
当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心でしたが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになりました。
取材者:
業績が順調に推移している要因はどのようなところにあるのですか?
回答者:
事業環境は非常に良好で、メンテナンス・工事ともに仕事量が多く、利益率も改善しています。お客様の需要に対して、供給側が人手不足等で対応しきれていない状況です。そのため、当社もある程度仕事を選別して受注する必要があり、結果としてしっかりと利益を確保できています。近年ベースアップを実施していますが、高品質サービスの提供を前提としたお客様との丁寧なコミュニケーションを図ることで、しっかりと価格転嫁もできている状況です。
取材者:
第1四半期の営業利益の伸びが大きかったですが、理由は何ですか?
回答者:
当社は第3四半期、第4四半期に売上と利益が伸びていく傾向にありますが、今期は第1四半期から好調でした。前期からの繰越案件もありますが、前期や前々期には半導体不足や資機材の納期遅延等の影響で仕事が年度末に完成せず、お客様側も困っていたということがありました。そのため、今期は早め早めに仕事を発注していただいたということが、第1四半期からの好調に繋がったと感じています。
取材者:
第3四半期、第4四半期に売上が集中するような季節性要因はございますか?
回答者:
お客様の予算執行状況により、年度末にかけて予算消化の動きが活発化するため、下期に売上が偏る傾向があります。
取材者:
特殊な環境を有する施設の売上比率が高いとのことですが、安全面についてはどのような対策をされていますか?
回答者:
病院では空調や電気が止まると患者様の命に関わりますし、工場でもラインが止まると大損害が出ます。そのため、高い技術を持った人材育成に注力し、安全対策を徹底しています。社員一人ひとりが高い安全意識を持ち、作業に取り組むよう指導しています。また、定期的な安全教育を実施し、常に最新の安全知識を習得できるよう努めています。
取材者:
他社からすると参入障壁が高い部分なのですね。
回答者:
その通りです。それだけ難しい事業です。
取材者:
海外戦略について教えていただけますか?
回答者:
1999年に中国に進出し、現在はアジアの複数の国で日系の製造工場向けに日本国内と同様のサービスを展開しています。海外事業は、主に日系製造工場向けに、日本国内と同様のサービスを展開することで、お客様との長期的な関係構築を目指し、高品質なサービスの提供を通じて信頼を獲得していきたいと考えています。
取材者:
海外人材の採用についてはいかがでしょうか?
回答者:
各国にマネジメントを担う人材を日本から2名程度送り込み、技術者は現地採用という形にしています。海外では、採用して育ててもすぐに転職してしまう等、定着が難しいという課題があります。文化や習慣の違いを理解し、現地社員が働きやすい環境を作ることで、定着率向上を目指しています。
取材者:
海外でも採用の競争は厳しいのですか?
回答者:
条件面で少しでも良いところがあればすぐに転職してしまうという傾向があります。当社では時間をかけて技術を身につけてもらう必要があるため、人材の定着が難しいという課題があります。
取材者:
株主還元策について教えてください。
回答者:
株主還元は基本的に配当で行っています。配当性向50%程度の維持を基本としており、新中期経営計画では1株当たり配当金の下限を40円に設定しました。ROE10%の目標も掲げており、配当性向とROEを掛け合わせてDOE5%程度を維持するという安定配当を基本方針としています。
取材者:
今後の成長戦略について教えてください。
回答者:
基本的には本業のメンテナンス・工事をしっかりと伸ばしていく方針です。特に国内においては一番伸びているのが製造工場関係です。工場関係では、暑熱対策や作業される方の働く環境等を改善していこうという動きが活発で、そういったお客様のニーズに沿って対応していきます。当然、省エネのニーズも高いですので、主軸はあくまでもメンテナンス事業にはなるのですけれども、例えば太陽光発電等を行う部署もありますので、様々なツールを使っていきながら本業をしっかり伸ばしていこうと考えております。
取材者:
今期に関して、何か新たに取り組まれていることや、業績に関わらず何かトピックス等ございますか?
回答者:
トピックスとしましては、本業自体は、お話しているようにメンテナンス・工事ともに順調に伸びているのですけれども、決算の数字を見ていただくと、特に第2クォーターから第3クォーターにかけては、営業利益の伸び率が鈍化しているように見えるかと思います。その原因としては販管費が膨らんでいるからで、それは社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充させているというところがあります。これは、処遇を改善することで社員エンゲージメントを高め、将来的な売上と利益に繋がる重要な先行投資と考えています。社員に対する還元は今後も重視していきたいと考えています。当然、その上で株主様に対しても還元を充実させていくという方針には変わりはないですけれども、特に当社の場合、人的資本が成長の源泉となりますので、今回の新中計においても重要なKPIとして社員エンゲージメントを設定しており、そこをしっかりと高めていくことが企業価値向上に繋がっていくと考えております。
IR担当

日本空調サービス(株)
東証PRM、名証プレミア 4658
決算:3月 末日
CP&X
【2026年3月期2Q】
決算概要
2026年3月期第2四半期は、売上高29,404百万円(前期比9.2%増)、営業利益2,310百万円(同28.9%増)、経常利益2,456百万円(同30.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,579百万円(同34.1%増)となった。主要事業であるメンテナンス・リニューアル工事ともに順調に伸びている。特に工事の伸びが大きく、お客様の需要に対して供給サイドが不足している状況が続いている。また、昨今の気温上昇に伴い、工場の暑熱対策や作業環境改善に関する需要が多くなっているため、工事を押し上げる要因になっている。
セグメント別または事業別の増減要因
セグメント別の業績については特筆すべきイレギュラーな点はなく、決算概要でも記載したように工事の伸びが特に大きい状況である。
主要KPIの進捗と変化
主要KPIの一つとして、非財務指標では社員のエンゲージメント向上を重視し、「社員エンゲージメントスコア」を設定している。このスコアは2025年3月期から導入されており、今後の推移を把握し、社員数の増加と掛け合わせることで価値創造の基盤を強化する方針である。直近では2025年10月に従業員に対する「エンゲージメント調査」を実施し、スコアは現在集計中であり、2026年3月期末決算では結果を開示できる見通しである。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年3月期の業績予想は、売上高66,000百万円(前期比2.4%増)、営業利益4,200百万円(同0.2%増)、経常利益4,400百万円(同0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,150百万円(同1.5%増)と、増収増益を見込んでいる。予想策定時点では、トランプ関税など国際情勢の不透明な要素があり、やや保守的な数字となっているが、足元は順調に進捗している。
トピックス
2025年9月より株主優待制度を導入した。当社は知名度が高い企業ではない為、当社株式の認知度向上や魅力向上、また、流動性改善に繋げていきたいと考えている。
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取材アーカイブ
決算概要
2025年3月期は、売上高644億3,800万円(前期比10.7%増)、営業利益41億9,100万円(同15.5%増)、経常利益43億7,300万円(同13.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益31億200万円(同13.8%増)となり、増収増益で着地した。売上・利益ともに、主要事業であるメンテナンスと工事が好調に推移したことが主な要因である。特に工事関係では、省エネ対策や暑熱対策といった分野での案件増加が顕著であった。人件費の上昇はあったものの、それを見積もりに転嫁することで売上・利益を増加させ、売上総利益率もメンテナンス・工事ともに上昇した。
セグメント別または事業別の増減要因
セグメント別の業績は想定通りの推移であった。イレギュラーな特筆すべき点はなく、工事の利益率が数年前に比べて大幅に上昇し、全体業績に大きく貢献した。主要KPIの進捗と変化
主要KPIの一つとして、非財務指標では社員のエンゲージメント向上を重視し、「社員エンゲージメントスコア」を設定している。このスコアは2025年3月期から導入されており、今後の推移を把握し、社員数の増加と掛け合わせることで価値創造の基盤を強化する方針である。エンゲージメント向上のための施策として、給与水準の引き上げに加え、福利厚生の充実も図られている。また、コア技術力指数も非財務の重要指標であり、現状では目標に対する進捗は不足しているものの、今後強化していく方針である。季節性・一過性要因の有無と影響
2025年3月期において、業績に影響を与えた特殊な一過性の要因はなかった。受注件数の増加よりも単価の上昇が、業績増加の主要因であった。通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年3月期の業績予想は、売上高660億円(前期比2.4%増)、営業利益42億円(同0.2%増)、経常利益44億円(同0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益31億5,000万円(同1.5%増)と、増収増益を見込んでいる。この見通しは、2025年3月期の好調な業績を継続して伸ばすことを意図している。しかし、予想策定時点では、トランプ関税など国際情勢の不透明な要素があり、顧客の設備投資への影響を考慮し、やや保守的な見通しとなっている。トピックス
2025年4月より技術・研修センターが本格稼働を開始し、同年4月からは新入社員向けの研修を1カ月間実施されている。当該研修施設を人材育成の重要拠点ととらえ、新入社員向けの研修だけでなく、既存社員向けにも様々な研修を実施される予定である。人への投資は中期経営計画達成に向けた最も重要な基盤であると認識されている。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:成長戦略においては、人材への投資が最も重要であると認識しております。特に、技術・研修センターが2025年4月より本格稼働しており、同年4月からは新入社員向けの研修を1カ月間実施しています。当該施設の活用により、社員の質の向上が期待され、一人前になるまでの期間を短縮することで生産性向上に繋がると考えております。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年3月期の通期業績予想は、売上高660億円(前期比2.4%増)、営業利益42億円(同0.2%増)、経常利益44億円(同0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益31億5,000万円(同1.5%増)と、増収増益を見込んでおります。この予想は、2025年3月期の好調な業績を継続して伸ばしていく方針に基づいております。しかしながら、業績予想の策定段階においては、トランプ関税などの国際情勢の不透明な要素があり、お客様の設備投資への影響を考慮し、やや保守的な見通しとしております。足元の環境は良好であり、売上および利益の向上に繋げていきたいと考えております。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:当社の主要事業であるメンテナンスと工事において、売上・利益ともに好調に推移しております。特に工事においては、省エネ対策や暑熱対策の分野で、病院や製造工場を中心に案件が豊富にありました。お客様からの設備投資需要に対し、施工サイドの供給が不足している状況であるため、当社は採算性を確保しながら案件を選別して受注できております。受注件数の増加よりも、工事単価の上昇が業績増加の大きな要因となっております。
Q:M&A、業務提携などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aや業務提携について、現時点では具体的な案件を積極的に進めている状況にはございません。しかしながら、選択肢としてはゼロではなく、自社でのオーガニックな成長だけでなく、M&Aを実施することにより迅速に企業価値を向上させられると判断した場合には、その選択肢も検討対象となります。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画の進捗状況につきましては、P/Lにおいて、初年度で想定を大きく上回る業績の伸びが見られました。特に利益面では想定以上に伸長しております。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主還元方針については、現在進行中の中期経営計画で定められた還元方針に沿って実施しており、変更はございません。安定的配当を継続する方針です。
取材者:まずは2025年3月期の決算状況についてお伺いいたします。売上高644億3,800万円、前期比10.7%の増加、営業利益41億9,100万円、同15.5%の増加、経常利益43億7,300万円、同13.2%増加、親会社株主に帰属する当期純利益31億200万円、同13.8%の増加と、2024年3月期に引き続きかなり好調な業績を維持し、増収増益で着地されたと認識しておりますが、こちらについての増加要因についてお伺いできますか。
回答者:売上・利益ともに、当社の主要事業であるメンテナンスと工事が好調でした。特に工事関係では、省エネ対策や暑熱対策といった分野で、病院や製造工場を中心に案件が豊富にありました。お客様からの設備投資の需要に対し、当社のような施工ができる供給サイドが不足している状況ですので、当社は仕事を選別し、採算性をしっかりと確保しながら受注ができました。当社も3期連続で給与水準の引き上げを実施しており、その分人件費は上昇しておりますが、それを見積もりに転嫁し、売上・利益ともに増加させることができたと認識しております。売上総利益率に関しても、メンテナンス・工事ともに上昇しています。
取材者:人件費のお話もありましたが、これだけ施工数も上がっている中で、採用数は前期比でいかがでしょうか。
回答者:採用数に大きな増減はございません。毎年グループ全体で80名程度の新卒採用を行っております。人員数はある程度売上にも比例しているので、しっかりと伸ばしていく必要性があると認識しています。ただ、ここ数年、社員数を大きく伸ばせている状況ではございませんので、このあたりはある意味ボトルネックと考えております。
取材者:この業績に対し、期初の予想に対する進捗度合いとしては、いかがでしたでしょうか。
回答者:進捗度合いとしては、売上・利益ともに当初の予想を上回っていますので、しっかりと確保できたと考えています。毎年給与水準の引き上げを実施しているため、当然それを価格に転嫁していくのですが、お客様がどこまで受け入れてくださるかという点には不透明な部分がありました。ただ、結果としてはしっかりと確保することができたと認識しています。
取材者:その中でかなり進捗も上回って順調に推移してきたかと思いますが、セグメント別で見たときに、予想以上に伸びた部分や、反対に進捗しなかった部分などはございますか。
回答者:業績については想定通りの推移で、イレギュラーな特筆すべき点はありませんでした。ただ、工事の利益率は数年前に比べてかなり上昇しており、その部分は着実に業績に貢献していると考えています。
取材者:季節性の要因、外的要因、あるいは内的要因でも構いませんが、業績に影響を与えた一過性の要因がございましたら、お聞かせいただけますでしょうか。
回答者:2025年3月期について何か特殊な要因があったとは考えていません。
取材者:受注件数もかなり順調に、特筆することなくしっかりと伸びてきており、それが積み重なって結果に出ているようなイメージでしょうか。
回答者:件数というよりは、単価が上がっていることの方が増加要因としては大きいです。
取材者:それでは、その他貴社の主要KPIがございましたら教えていただけますか。
回答者:主要KPIについてですが、財務指標と非財務指標がございます。まず非財務の部分では、当社は人が資本ですので、人的資本のところを管理する上で、社員エンゲージメントスコアを重視しています。当スコアの設定は、2025年3月期からスタートしていますので、これからどのように推移していくかを把握していくことになりますが、当スコアを上げていくことと、社員の数を増やすこととの掛け算によって、価値を創造していくベースが成り立ってくると考えています。
取材者:エンゲージメント向上のために、給与のベースアップ以外に行われていることはございますか。
回答者:前中期経営計画では、従業員満足度調査という、類似の調査を行っていたのですが、特に待遇面に関してネガティブな回答が多かったという状況がありました。現在は、ベースアップでその部分を補填している状況です。それ以外にも、福利厚生の面など、その他の充実も図っている状況ではございますので、今後のエンゲージメント調査の中で各スコアがどのような推移をしていくのかを見て、対策を取っていきたいと考えています。
取材者:その他、重要指標などはございますか。
回答者:こちらも非財務ですが、コア技術力指数というものをKPIとして設定しており、これは、技術系公的資格取得数×資格点数÷技術系従業員数で算出する技術力指数というものから、より本業の成長と相関が高いと考えられる公的資格にて再構築したKPIです。もちろん、資格だけで技術力の全てが測れるわけではありませんが、一つの重要な指標になってくると考えています。現在、目標に対して進捗は不足している状況ではありますが、コア技術力指数もしっかりと強化していきたいと考えております。
取材者:中期経営計画の達成に向けても、人に対する投資というのはかなり重要な項目になってくるようなイメージでよろしいですか。
回答者:はい。やはり人への投資が一番のベースになってきます。
取材者:それでは、中期経営計画の進捗状況についても伺いたいのですが、2025年3月期までの進捗状況はいかがでしたでしょうか。
回答者:P/Lに関しては、初年度で想定をかなり上回る業績の伸びがありました。売上はまだ最終年度に近いところまでは到達していませんが、特に利益面は想定以上に伸びているという状況です。
取材者:それでは、2026年3月期の業績予想についてもお聞きしたいのですが、売上高660億円、前期比2.4%の増加、営業利益42億円、同0.2%の増加、経常利益44億円、同0.6%の増加、親会社株主に帰属する当期純利益31億5,000万円、同1.5%増加と、増収増益ではありますが、2025年3月期と比べて比較的現状維持に近い形の着地を予想されているかと思います。こちらの見通しとしては、2025年3月期の業績が良かった分、引き続き伸ばしていくような見通しなのでしょうか。
回答者:はい、引き続き業績は伸ばしていきたいと考えております。しかし、業績予想を検討していた段階では、特にトランプ関税などが話題になり始めた頃でした。当社に直接影響があるというよりは、お客様の設備投資の部分にどのような影響が出てくるかという点で、予測しづらい部分がありました。そのため、若干保守的に設定しているところはありますが、足元の環境としては悪くありませんので、売上・利益の向上に繋げたいと考えております。
取材者:2026年3月期に関して、中期経営計画の達成に向けて新たに行う施策はございますか。
回答者:新たにというわけではございませんが、2025年4月から技術・研修センターが本格稼働しています。今年の4月に入社した新入社員が、当該施設で1カ月間研修を実施しました。当該施設の活用により、社員の質の向上という点で言いますと、例えば今まで一人前になるのに4年~5年かかっていたところが、1年でも短くなれば、当然ながら生産性の向上に繋がってくると思います。その効果が実際に数字として出てくるのはまだ先にはなりますが、今後も技術・研修センターをしっかりと活用していきたいと考えています。
取材者:まさにそういった部分が人への投資の部分ですね。あとはM&Aや業務提携に対して、実施のご予定や検討状況などございましたら、お答えできる範囲で結構ですので、お話しいただけますか。
回答者:具体的に何か積極的に案件を進めているというわけではございません。ただ、当然選択肢としてゼロではないという状況ではあります。仮にM&Aを行うにしても、ある分野を伸ばしていくためには自社でオーガニックに成長するのではなく、M&Aをする必要性があるのかというところをしっかりと見極めなければなりません。M&Aという選択肢を取った方がより速いスピードで企業価値を上げていくことができるのであれば、選択肢としてM&Aも入ってくるという認識です。
取材者:承知いたしました。あとは、株主還元の方針につきまして何か変更などございましたら教えていただけますか。
回答者:株主還元方針について、特に変更はございません。現在進んでいる中期経営計画の還元方針に沿って実施していくということに基本的には変わりはありません。
取材者:安定的な配当といったところで承知いたしました。それでは、最後に足元の状況につきまして、何かトピックス、あるいはニュースリリースがございましたら教えていただけますか。
回答者:トピックスについてですが、今期がスタートした段階では、アメリカの経済状況や国際情勢の不安定な部分もありましたが、概ね足元の状況としては、そこまで大きく乱れることなく、順調に推移していると考えています。2025年3月期のスタートは例年に比べて出だしが良かったのですが、2026年3月期も遜色ない滑り出しができていると認識しています。
IR担当
取材アーカイブ
CP&X
ビジネスモデル・事業内容
日本空調サービスは、空調を始めとした建物設備全般の保守点検・メンテナンスを行うPM事業、お客様の施設の中央監視室等に常駐して24時間体制で設備管理を行うFM事業、リニューアル工事を行うRAC事業の3つを柱としている。メーカーフリーで、全国47都道府県に対応できる体制を持つ。
創業の経緯と転機
創業者は、日本で予防保全の概念が浸透していなかった時代に、海外の維持管理の考え方に触発され、メンテナンス事業を立ち上げた。当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心だったが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになった。
直近の決算状況
業績は好調に推移しており、2025年3月期第1四半期は、前期からの繰越案件に加え、受注の平準化に努めたことにより、売上と利益が大きく伸長した。例年、第3四半期、第4四半期に売上・利益ともに集中する傾向がある。
特徴・強み
3つの事業を包括的に提供することで、顧客の多様なニーズに対応できる点が強みである。また、独立系メンテナンス企業であるため、幅広いメーカーの機器に対応できる点も強みとなっている。長年の経験と蓄積されたノウハウ、充実した研修制度により、高い技術力を持つ人材を育成している。
成長戦略
本業であるメンテナンス・工事を軸に、成長を継続していく方針である。特に、国内の製造工場関係の需要拡大に対応するため、暑熱対策や作業環境改善等、顧客のニーズに合わせたサービスを提供していく。また、省エネニーズの高まりに対応するため、太陽光発電等の事業も展開していく。
株主還元策
株主還元は安定配当を基本方針とし、配当性向50%程度の維持を目指している。新中期経営計画では、1株当たり年間配当金の下限を40円に設定し、DOE5%の目標を掲げている。
今期の取り組み・トピックス
今期は、社員エンゲージメント向上を目的とした社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充している。これは、将来的な売上と利益増加を見据えた重要な先行投資と位置付けている。人的資本を重視し、社員の処遇改善を図ることで、企業価値向上を目指している。
Q:貴社のビジネスモデルと事業内容の特徴、強みについてご説明ください。
A: 当社は、PM(Preventive Maintenance:保守)、FM(Facility Management:保守・管理)、RAC(Reform and Construction:設計・施工)の3つの事業を柱としています。PMは、顧客の施設に定期的に訪問し、設備の保守点検やメンテナンスを行う事業です。これは、メーカー系メンテナンス会社が行う作業と同様です。FMは、24時間365日稼働している大型病院の中央監視室等の顧客の施設に当社社員が常駐し、設備の運転・監視、点検、緊急対応等を24時間体制で行う事業です。RACは、設備のリニューアル工事を行う事業であり、サブコンのような事業形態をイメージしていただければと思います。
これら3つの事業を包括的に提供できることが当社の強みのひとつです。また、特定メーカーの資本が入っていないため、メーカーフリーで対応できることも強みです。さらに、全国47都道府県すべてに拠点を展開しており、全国規模で顧客をサポートできる体制を整えています。
Q:さまざまなメーカーの機械を扱われているとのことですが、高い技術力を維持する仕組みについてご説明ください。
A: 当社は、さまざまなメーカーと良好な関係を築き、メーカーが実施する研修にも積極的に参加することで、常に最新の知識と技術を習得しています。また、社内でも充実した研修制度を設け、社員一人ひとりが高いレベルの技術力を身につけることができるよう、継続的な人材育成に注力しています。一人前になるまでには3年~5年と時間がかかりますが、その分、高度な専門性を有する人材を育成しています。
Q:人材採用戦略についてご説明ください。
A: 当社は、人材採用においても業界全体が抱える課題と同様に、厳しい状況にあります。連結で毎年平均80名程度の新卒採用を行っていますが、人材不足は深刻化しています。そこで、近年はベースアップを実施する等、処遇面の改善を図っています。また、本年4月には新たに技術・研修センターを開設し、研修を一層充実させることで、人材育成の強化を加速させていきます。社員一人ひとりの能力向上を促進することで、生産性向上と人材不足の解消を目指しています。さらに、社員の定着率向上のため、働きがいのある環境づくりにも積極的に取り組んでいます。
Q:3つの事業におけるシナジー効果についてご説明ください。
A: 当社の3つの事業は、それぞれが独立しているのではなく、相互に連携しながらシナジー効果を生み出すことで、顧客に最適なサービスを提供しています。例えば、顧客のニーズの変化や、より高効率な機器の登場等により、メンテナンスからリニューアル工事、そして再びメンテナンスへと繋がる、一連のサービスを提供することが可能です。
Q:新規顧客の獲得施策についてご説明ください。
A: 病院の新規顧客獲得においては、数年先の新設情報を収集し、事前に営業活動を行うことで、新規顧客獲得を目指しています。また、顧客の現状の設備管理に対する不満等を把握し、適切な提案を行うことで顧客獲得に繋げることもあります。工場に対しては、飛び込み営業のような形で、小さな仕事から始めて実績を積み重ねることで信頼関係を構築し、大きな仕事へと繋げていくこともあります。
Q:貴社の創業の経緯についてご説明ください。
A: 当社の創業者は、まだ日本で予防保全の概念がほとんどなかった時代に、海外における建物設備の維持管理の考え方を知り、日本でもそのような流れになると考え、メンテナンス事業を始めました。当時はまだ、壊れてから直すという考え方が主流でしたが、創業者は壊れないようにメンテナンスを実施することの重要性を認識し、事業を立ち上げました。
Q:創業当初からの事業活動の変遷は?
A: 当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心でしたが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになりました。
Q:業績が順調に推移している要因についてご説明ください。
A: 現在の事業環境は非常に良好であり、メンテナンス・工事ともに仕事量が多く、利益率も改善しています。顧客の需要に対して、供給側が人手不足等で対応しきれていない状況です。そのため、当社もある程度仕事を選別して受注する必要があり、結果としてしっかりと利益を確保できています。また、近年ベースアップを実施していますが、高品質サービスの提供を前提とした顧客との丁寧なコミュニケーションを図ることで、しっかりと価格転嫁もできている状況です。
Q:第1四半期の営業利益の伸びが大きかった理由についてご説明ください。
A: 当社は第3四半期、第4四半期に売上と利益が伸びていく傾向にありますが、今期は第1四半期から好調でした。前期からの繰越案件もありますが、前期や前々期には半導体不足や資機材の納期遅延等の影響で仕事が年度末に完成せず、顧客側も困っていたということがありました。そのため、今期は早め早めに仕事を発注していただいたことが、第1四半期からの好調に繋がったと感じています。
Q:第3四半期、第4四半期に売上が集中する季節性要因はありますか?
A: 顧客の予算執行状況により、年度末にかけて予算消化の動きが活発化するため、下期に売上が偏る傾向があります。
Q:特殊な環境を有する施設の売上比率が高いとのことですが、安全面についてはどのような対策をされていますか?
A: 病院や工場では、設備の停止が患者様の命や企業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社は高い技術を持った人材育成に注力し、安全対策を徹底しています。社員一人ひとりが高い安全意識を持ち、作業に取り組むよう指導しています。また、定期的な安全教育を実施し、常に最新の安全知識を習得できるよう努めています。
Q:海外戦略についてご説明ください。
A: 当社は1999年に中国に進出し、現在はアジアの複数の国で日系の製造工場向けに日本国内と同様のサービスを展開しています。海外事業においては、日系製造工場向けに高品質なサービスを提供することで、顧客との長期的な関係構築を目指しています。
Q:海外人材の採用についてご説明ください。
A: 海外各国にはマネジメントを担う人材を日本から2名程度送り込み、技術者は現地採用という形をとっています。海外では、採用して育ててもすぐに転職してしまう等、定着が難しいという課題があります。文化や習慣の違いを理解し、現地社員が働きやすい環境を作ることで、定着率向上を目指しています。
Q:株主還元策についてご説明ください。
A: 株主還元は基本的に配当で行っています。配当性向50%程度の維持を基本としており、新中期経営計画では1株当たり年間配当金の下限を40円に設定しました。ROE10%の目標も掲げており、配当性向とROEを掛け合わせてDOE5%程度を維持するという安定配当を基本方針としています。
Q:今後の成長戦略についてご説明ください。
A: 今後の成長戦略は、本業であるメンテナンス・工事を堅調に伸ばしていく方針です。特に、国内では製造工場関係の需要が拡大しており、暑熱対策や作業環境改善等、顧客のニーズに合わせたサービスを提供することで、更なる成長を目指します。また、省エネニーズの高まりに対応するため、太陽光発電等の事業も展開しており、多角的な事業展開を通じて成長を図ります。
Q:今期、新たに取り組まれていることや、業績に関わらずトピックスがあれば教えてください。
A: 本業であるメンテナンス・工事ともに順調に伸ばしていますが、決算上の数値を見ると、第2四半期から第3四半期にかけて営業利益の伸び率が鈍化しているように見えるかもしれません。これは、販管費が膨らんでいることが原因であり、具体的には社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充させていることが挙げられます。これは、処遇を改善することで社員エンゲージメントを高め、将来的な売上と利益に繋がる重要な先行投資と考えています。社員に対する還元は今後も継続していく方針です。株主様への還元も充実させていく方針に変わりはありませんが、人的資本が成長の源泉であるという考えのもと、社員エンゲージメント向上を最優先事項と位置付け、企業価値向上を目指します。
取材者:
貴社のビジネスモデルと事業内容の特徴、強み等をご説明いただけますでしょうか。
回答者:
当社の事業部門は大きく3つに分かれており、PM、FM、RACと呼んでおります。
まず、PMは、お客様の施設に定期的に訪問し、保守点検やメンテナンスを行う事業です。メーカー系メンテナンス会社が行っている作業をイメージしていただければわかりやすいと考えます。次に、FMは、24時間365日稼働している大型病院の中央監視室等のお客様の施設に当社の社員が常駐し、24時間体制で管理を行う事業です。PMとFMを合わせて、当社ではメンテナンスと呼んでいます。最後に、RACは、リニューアル工事を行う事業です。サブコンのような事業形態をイメージしていただければと思います。
PM事業、FM事業、RAC事業を行うそれぞれ3つの会社が1つの会社になっているようなイメージで、このように包括的なサポートができる会社はほとんどありません。対応力の広さが当社の強みの一つです。また、メーカーフリーで対応できるという強みもあります。特定のメーカーの資本が入っているわけではないので、さまざまなメーカーの機器を扱えます。大規模な施設になればなるほど、1つのメーカーの機器だけで賄われていることはほとんどなく、複数のメーカーの機器が混在していることが一般的です。お客様の立場からすると、何かトラブルがあったときに、それぞれのメーカーに連絡を取るのは大変です。その点、当社に連絡いただければ、設備全体をまとめて見てもらえるという安心感があり、お客様の手間を省くことができます。さらに、全国展開をしているという強みもあります。47都道府県すべてに拠点を展開しており、全国どこでも同じレベルの高品質サービスを提供できます。全国展開している工場等のお客様にとっては大きなメリットであり、強みであると考えています。そして、これらの事業を支えているのは、高い技術力を有する社員です。長年の経験と蓄積されたノウハウ、そして充実した研修制度によって、高い技術力と知識を備えた人材を育成しています。
取材者:
さまざまなメーカーの機器を扱われているとのことですが、高い技術力や知識が必要になるかと思います。資料に記載されている特殊な施設での作業について、高い技術力をお持ちの背景についてお聞かせください。
回答者:
さまざまなメーカーと良好な関係を築いており、メーカーが実施する研修にも参加することで、常に知識と技術をアップデートしています。社内でも研修制度を充実させており、技術や知識の習得には時間を要しますが、幅広い知識と高い技術を身につけた社員が多いのが現状です。一人前になるまでには3年~5年と時間がかかりますが、その分、高いレベルの技術力を身につけることができます。
取材者:
時間をかけて教育をされているのですね。次に、採用についてお伺いします。どの業界も人材の採用に苦労されているかと思いますが、貴社の人材採用戦略についてお聞かせください。
回答者:
当社も他社と同様に、採用には苦労しています。連結で毎年平均80名程度の新卒採用を行っていますが、人材不足は深刻です。そこで、近年はベースアップを実施して処遇面の改善を図ったり、4月からは新たに技術・研修センターを開設することで、人材育成の強化を加速させていきます。一人前になるまでの期間を短縮できれば、生産性の向上に繋がります。質の高い人材を育成することで、人材不足に対応しています。また、社員の定着率向上のため、働きがいのある環境づくりにも力を入れています。
取材者:
3つの事業があるとのことですが、それぞれシナジー効果はございますか?
回答者:
どの段階からでもお客様との取引を開始できるという強みがあります。長いお付き合いの中で、基本的には保守やメンテナンスという形で機器を長く効率的に使っていくことになりますが、需要の変化や、より高効率な機器の登場等により、リニューアル工事を行い、そこからまたメンテナンスに繋げていくというような形で、永続的なお付き合いができます。3つの部門は深く連携しており、お客様に最適なサービスを提供できる体制を整えています。
取材者:
新規のお客様の獲得施策についてお聞かせください。
回答者:
病院であれば、新設の情報を何年も前から入手し、丁寧な営業活動を実施しながら新規のお客様の獲得を目指します。また、既存の設備管理体制に対する不満を把握して提案することで、お客様を獲得していくこともあります。工場に対しては、飛び込み営業のような形で、小さな仕事から始めて実績を積み重ね、大きな仕事に繋げていくこともあります。地道な営業活動を通じて、お客様との信頼関係を構築し、長期的な関係を築けるよう努めています。
取材者:
貴社の創業の経緯についてお聞かせください。
回答者:
創業者は、まだ日本で予防保全の概念がほとんどなかった時代に、海外では機器を壊れないように維持管理していくという考え方があることを知り、日本でもそのような流れになると考え、メンテナンス事業を始めました。当時はまだ、壊れてから直すという考え方が主流でしたが、創業者は壊れないようにメンテナンスを実施することの重要性を認識し、事業を立ち上げました。
取材者:
創業当初から事業活動はどのように変遷していったのでしょうか?
回答者:
当初は一般的なオフィスビル等に対するメンテナンス・工事が中心でしたが、培われた高度な技術力を生かし、病院や製造工場等の特殊な環境を有する施設に力を入れるようになりました。
取材者:
業績が順調に推移している要因はどのようなところにあるのですか?
回答者:
事業環境は非常に良好で、メンテナンス・工事ともに仕事量が多く、利益率も改善しています。お客様の需要に対して、供給側が人手不足等で対応しきれていない状況です。そのため、当社もある程度仕事を選別して受注する必要があり、結果としてしっかりと利益を確保できています。近年ベースアップを実施していますが、高品質サービスの提供を前提としたお客様との丁寧なコミュニケーションを図ることで、しっかりと価格転嫁もできている状況です。
取材者:
第1四半期の営業利益の伸びが大きかったですが、理由は何ですか?
回答者:
当社は第3四半期、第4四半期に売上と利益が伸びていく傾向にありますが、今期は第1四半期から好調でした。前期からの繰越案件もありますが、前期や前々期には半導体不足や資機材の納期遅延等の影響で仕事が年度末に完成せず、お客様側も困っていたということがありました。そのため、今期は早め早めに仕事を発注していただいたということが、第1四半期からの好調に繋がったと感じています。
取材者:
第3四半期、第4四半期に売上が集中するような季節性要因はございますか?
回答者:
お客様の予算執行状況により、年度末にかけて予算消化の動きが活発化するため、下期に売上が偏る傾向があります。
取材者:
特殊な環境を有する施設の売上比率が高いとのことですが、安全面についてはどのような対策をされていますか?
回答者:
病院では空調や電気が止まると患者様の命に関わりますし、工場でもラインが止まると大損害が出ます。そのため、高い技術を持った人材育成に注力し、安全対策を徹底しています。社員一人ひとりが高い安全意識を持ち、作業に取り組むよう指導しています。また、定期的な安全教育を実施し、常に最新の安全知識を習得できるよう努めています。
取材者:
他社からすると参入障壁が高い部分なのですね。
回答者:
その通りです。それだけ難しい事業です。
取材者:
海外戦略について教えていただけますか?
回答者:
1999年に中国に進出し、現在はアジアの複数の国で日系の製造工場向けに日本国内と同様のサービスを展開しています。海外事業は、主に日系製造工場向けに、日本国内と同様のサービスを展開することで、お客様との長期的な関係構築を目指し、高品質なサービスの提供を通じて信頼を獲得していきたいと考えています。
取材者:
海外人材の採用についてはいかがでしょうか?
回答者:
各国にマネジメントを担う人材を日本から2名程度送り込み、技術者は現地採用という形にしています。海外では、採用して育ててもすぐに転職してしまう等、定着が難しいという課題があります。文化や習慣の違いを理解し、現地社員が働きやすい環境を作ることで、定着率向上を目指しています。
取材者:
海外でも採用の競争は厳しいのですか?
回答者:
条件面で少しでも良いところがあればすぐに転職してしまうという傾向があります。当社では時間をかけて技術を身につけてもらう必要があるため、人材の定着が難しいという課題があります。
取材者:
株主還元策について教えてください。
回答者:
株主還元は基本的に配当で行っています。配当性向50%程度の維持を基本としており、新中期経営計画では1株当たり配当金の下限を40円に設定しました。ROE10%の目標も掲げており、配当性向とROEを掛け合わせてDOE5%程度を維持するという安定配当を基本方針としています。
取材者:
今後の成長戦略について教えてください。
回答者:
基本的には本業のメンテナンス・工事をしっかりと伸ばしていく方針です。特に国内においては一番伸びているのが製造工場関係です。工場関係では、暑熱対策や作業される方の働く環境等を改善していこうという動きが活発で、そういったお客様のニーズに沿って対応していきます。当然、省エネのニーズも高いですので、主軸はあくまでもメンテナンス事業にはなるのですけれども、例えば太陽光発電等を行う部署もありますので、様々なツールを使っていきながら本業をしっかり伸ばしていこうと考えております。
取材者:
今期に関して、何か新たに取り組まれていることや、業績に関わらず何かトピックス等ございますか?
回答者:
トピックスとしましては、本業自体は、お話しているようにメンテナンス・工事ともに順調に伸びているのですけれども、決算の数字を見ていただくと、特に第2クォーターから第3クォーターにかけては、営業利益の伸び率が鈍化しているように見えるかと思います。その原因としては販管費が膨らんでいるからで、それは社員への還元充実の一環として、業績賞与の引き当てを拡充させているというところがあります。これは、処遇を改善することで社員エンゲージメントを高め、将来的な売上と利益に繋がる重要な先行投資と考えています。社員に対する還元は今後も重視していきたいと考えています。当然、その上で株主様に対しても還元を充実させていくという方針には変わりはないですけれども、特に当社の場合、人的資本が成長の源泉となりますので、今回の新中計においても重要なKPIとして社員エンゲージメントを設定しており、そこをしっかりと高めていくことが企業価値向上に繋がっていくと考えております。
IR担当
