20241211
Q: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
A: 一つ目は、創業事業である住環境領域と呼んでいる事業領域です。弊社の創業はシロアリの駆除事業です。その流れを汲んで、住環境領域という形で事業を展開しています。メインはシロアリ駆除で、そこから派生して、住宅リフォームや戸建て住宅向けの太陽光発電システムの設置、外壁塗装なども行っています。また、集合住宅向けの給排水管のメンテナンスを行うES事業も展開しています。
競合という点では、東証プライム上場の株式会社アサンテが挙げられます。アサンテ様はシロアリ駆除を専門に行っている企業です。その他にも、小規模な事業者が多数存在しています。弊社のシロアリ駆除事業のシェアは、10%弱程度です。この事業は創業事業であり、粗利率が高く、大きな投資を必要としないため、安定したキャッシュを生み出しています。
Q: 住環境事業につきましては、他社と比べてサービス内容が充実しており、多方面に展開されているように思いますが、このようなことが実現できる要因は何でしょうか。
A: 創業以来積み重ねてきた顧客基盤が強固であること、そして営業力が高いことが要因として挙げられます。顧客基盤については、中間決算報告資料にも記載されている通り、シロアリ駆除の定期契約をいただいているお客様が12.7万件に達しています。シロアリ駆除は定期的に行う必要があるため、顧客基盤が安定した収益に繋がっています。また、シロアリ駆除をきっかけに、リフォームや太陽光発電システムの設置など、お客様のニーズに対応する形で事業を拡大してきました。
Q: エネルギー事業についてご説明ください。
A: エネルギー事業は、大きく分けて法人向けの太陽光発電システムの企画・設置・メンテナンスが中心となります。7月からは、株式会社サニックスエンジニアリングとして分社化しました。
太陽光発電事業の市場は、CO2削減の観点から法人向けを中心に拡大しています。しかし、競合が多く、価格競争が激しいため、粗利率の確保には苦労しています。最近は、太陽光発電システムだけでなく、蓄電池やEV充電設備などを組み合わせた案件が増加しており、案件が複雑化しています。そのため、納期が遅延するケースも出てきています。また、新電力事業では、電力ショックの影響で一時的に大赤字を計上しました。現在は、利益を重視した事業運営を行っており、売上規模は25億円程度に縮小しています。
Q:事業案件の大型化・高度化は、御社が設備を整えて対応できるようになったというよりは、太陽光発電システムのニーズが高度化・大型化しているという認識でよろしいでしょうか。
A: その通りです。案件自体が大型化・高度化しており、多くの手間隙がかかっています。
Q:御社の強みは教えてください。
A: 全国に拠点を持ち、多くの工場や店舗などを展開する企業から一括して受注し、メンテナンスまでトータルでサービスを提供できる点は強みだと考えています。また、3万件の施工実績があり、個人向けも含めて高い技術力を蓄積している点も強みです。
Q: 資源循環領域についてご説明ください。
A: 資源循環領域は、少し複雑ですので、詳しくご説明させていただきます。
まず、廃プラスチックの中間処理を行っています。具体的には、廃プラスチックを集めて破砕し、分別します。分別した廃プラスチックは、苫小牧にある発電所に運び、燃料として使用しています。苫小牧発電所は、廃プラスチックのみで発電を行う、世界で唯一の発電所です。他の発電所では、重油などと混ぜて燃焼させるケースが多いのですが、苫小牧発電所は廃プラスチックのみを燃焼して発電し、非化石証書により電気のCO2排出量ゼロを実現しています。
東日本の工場で受け入れた廃プラスチックは、苫小牧発電所の燃料として使用し、西日本の工場で受け入れた廃プラスチックは、主にセメント会社や製紙会社などに販売しています。また、北海道に最終処分場を保有しており、苫小牧発電所で燃焼した灰などを埋め立てています。さらに、廃液処理事業も行っています。食品工場や厨房などから排出される廃油を回収し、燃料化しています。燃料化された油は「再生油Bio」として販売しており、既に完売しています。来年には、汚泥燃料製造ラインを新設し、実証実験を開始する予定です。廃液処理事業のシェアは7%程度です。廃プラスチック処理事業も、全体のシェアで7~8%程度です。
Q: 廃プラスチックを燃料とした発電は、なぜ他の会社では行えないのでしょうか。
A: 廃プラスチックのみで安定的に発電を行うには、高度な技術とノウハウが必要です。弊社は20年前に苫小牧発電所を建設し、試行錯誤を繰り返しながら、安定稼働を実現しました。廃プラスチックは種類や大きさなどが異なるため、燃料として使用する際には、適切な処理や調整が必要となります。また、燃焼方法も異なるため、ボイラーの調整も難しいです。
Q: 廃プラスチックを燃やすためのコストは、重油などと比較してどの程度でしょうか。
A: 廃プラスチックは、排出業者から処理費用を支払って頂き、引き取っています。埋め立て処分する場合は、当社が最終処分場に埋め立て料を支払う必要があります。そのため、廃プラスチックを燃料として活用することで、コスト削減に繋がっています。また、苫小牧での発電事業は廃プラスチックを燃料として活用することで、サーマルリサイクルとして認められます。ヨーロッパなどでは、マテリアルリサイクルが主流ですが、サーマルリサイクルも一定の役割を果たすと考えています。弊社としても、マテリアルリサイクルにも取り組んでおり、今年から実証実験を開始する予定です。
Q: 新規事業として挙げられていた「産業廃棄物管理システム」は、どういった事業なのでしょうか。
A: 廃棄物を収集する際に、お客様から法律に関するご相談を受けることが多くあります。廃棄物処理に関する法律は複雑で、違反すると行政処分を受ける可能性もあります。そこで、法律を遵守し、書類作成の手間を省くことができるシステムを開発しました。このシステムはSaaS型で、毎月課金していただく形になります。現在、2年間の無料キャンペーンを実施して導入を進めています。
Q: このシステムを使うことで、事業者はどのように廃棄物を処理すれば良いかが分かりやすくなるのでしょうか。
A: どの廃棄物をどこに処分すれば良いかだけでなく、法律を遵守して処理できているかを簡単に確認することができます。また、書類作成の手間も省くことができます。
Q: 創業の経緯を教えてください。
A: 弊社は、1975年に長崎県佐世保市で防虫・防腐管理を目的に創業しました。「汚いところをきれいにする」という使命のもと、シロアリ防除事業を中心に業界初の予防型アプローチを取り、事業を拡大しました。1981年には法人向け衛生管理事業を分離し、1994年に産業廃棄物事業に進出。廃プラスチック燃料化や廃液処理、再生油製造を通じて静脈産業を確立しました。また、1989年から太陽光発電事業に着手し、FIT制度を契機に事業を拡大しています。
Q: 先日発表されました第2四半期の決算状況についてご説明をお願いします。
A: 苫小牧発電所の売電単価低下の影響で利益が減少しています。昨年は、ある会社と年間契約を結び、高い単価で電気を販売していました。しかし、今期は市場価格が下がった影響により高い単価での長期契約を結べておらず、利益が減少しました。苫小牧発電所を除いた他の事業では増益です。
Q: 既存事業の戦略をご教授ください。
A: 個人宅だけでなく、JAや建築業者などからの紹介による受注を拡大しています。また、シロアリ駆除だけでなく、リフォームなどの事業にも力を入れています。また法人や建築業者への訪問販売だけでなく、提携先を増やしていく方針で進めています。
Q: 足元の決算状況について、何かトピックスはございますか。
A: 第3四半期途中の状況ですが、計画以上に受注を獲得しています。しかし、エネルギー領域では案件が大型化しており、納期が遅延する可能性があります。技術者不足が懸念材料です。
Q: 今後の株主還元策と設備投資計画についてご説明ください。
A: 株主還元については、現中期経営計画において、来期までの間に経営基盤の強化と内部留保の充実を図り、復配を目指したいと考えています。
Q: 設備投資計画についてご説明ください。
A: 設備投資については、来期以降も資源循環領域を中心に投資を継続していきます。廃液処理事業では汚泥の燃料化設備、廃プラスチック処理事業ではマテリアルリサイクル設備への投資を検討しています。また、既存設備の修繕や補修なども計画しています。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者: 一つ目は、創業事業である住環境領域と呼んでいる事業領域です。
弊社の創業はシロアリの駆除事業です。その流れを汲んで、住環境領域という形で事業を展開しています。メインはシロアリ駆除で、そこから派生して、住宅リフォームや戸建て住宅向けの太陽光発電システムの設置、外壁塗装なども行っています。また、集合住宅向けの給排水管のメンテナンスを行うES事業も展開しています。
競合という点では、東証プライム上場の株式会社アサンテが挙げられます。アサンテ様はシロアリ駆除を専門に行っている企業です。その他にも、小規模な事業者が多数存在しています。弊社のシロアリ駆除事業のシェアは、10%弱程度です。
この事業は創業事業であり、粗利率が高く、大きな投資を必要としないため、安定したキャッシュを生み出しています。
取材者: 住環境事業につきましては、他社と比べてサービス内容が充実しており、多方面に展開されているように思いますが、このようなことが実現できる要因は何でしょうか。
回答者: 創業以来積み重ねてきた顧客基盤が強固であること、そして営業力が高いことが要因として挙げられます。
顧客基盤については、中間決算報告資料にも記載されている通り、シロアリ駆除の定期契約をいただいているお客様が12.7万件に達しています。シロアリ駆除は定期的に行う必要があるため、顧客基盤が安定した収益に繋がっています。
また、シロアリ駆除をきっかけに、リフォームや太陽光発電システムの設置など、お客様のニーズに対応する形で事業を拡大してきました。
取材者: 次に、エネルギー事業についてご説明いただけますでしょうか。
回答者: エネルギー事業は、大きく分けて法人向けの太陽光発電システムの企画・設置・メンテナンスが中心となります。7月からは、株式会社サニックスエンジニアリングとして分社化しました。
太陽光発電事業の市場は、CO2削減の観点から法人向けを中心に拡大しています。しかし、競合が多く、価格競争が激しいため、粗利率の確保には苦労しています。
最近は、太陽光発電システムだけでなく、蓄電池やEV充電設備などを組み合わせた案件が増加しており、案件が複雑化しています。そのため、納期が遅延するケースも出てきています。
また、新電力事業では、電力ショックの影響で一時的に大赤字を計上しました。現在は、利益を重視した事業運営を行っており、売上規模は25億円程度に縮小しています。
取材者: 今期の決算資料にも記載されていましたが、事業案件の大型化・高度化は、御社が設備を整えて対応できるようになったというよりは、太陽光発電システムのニーズが高度化・大型化しているという認識でよろしいでしょうか。
回答者: その通りです。案件自体が大型化・高度化しており、多くの手間隙がかかっています。
取材者: 太陽光発電システムの設置・メンテナンスを行う上で、御社の強みはどこにあるとお考えでしょうか。
回答者:全国に拠点を持ち、多くの工場や店舗などを展開する企業から一括して受注し、メンテナンスまでトータルでサービスを提供できる点は強みだと考えています。また、3万件の施工実績があり、個人向けも含めて高い技術力を蓄積している点も強みです。
取材者: それでは、資源循環領域についてご説明いただけますでしょうか。
回答者: 資源循環領域は、少し複雑ですので、詳しくご説明させていただきます。
まず、廃プラスチックの中間処理を行っています。具体的には、廃プラスチックを集めて破砕し、分別します。分別した廃プラスチックは、苫小牧にある発電所に運び、燃料として使用しています。
苫小牧発電所は、廃プラスチックのみで発電を行う、世界で唯一の発電所です。他の発電所では、重油などと混ぜて燃焼させるケースが多いのですが、苫小牧発電所は廃プラスチックのみを燃焼して発電し、非化石証書により電気のCO2排出量ゼロを実現しています。
東日本の工場で受け入れた廃プラスチックは、苫小牧発電所の燃料として使用し、西日本の工場で受け入れた廃プラスチックは、主にセメント会社や製紙会社などに販売しています。また、北海道に最終処分場を保有しており、苫小牧発電所で燃焼した灰などを埋め立てています。
さらに、廃液処理事業も行っています。食品工場や厨房などから排出される廃油を回収し、燃料化しています。燃料化された油は「再生油Bio」として販売しており、既に完売しています。来年には、汚泥燃料製造ラインを新設し、実証実験を開始する予定です。
廃液処理事業のシェアは7%程度です。廃プラスチック処理事業も、全体のシェアで7~8%程度です。
取材者: 廃プラスチックを燃料とした発電は、なぜ他の会社では行えないのでしょうか。
回答者: 廃プラスチックのみで安定的に発電を行うには、高度な技術とノウハウが必要です。弊社は20年前に苫小牧発電所を建設し、試行錯誤を繰り返しながら、安定稼働を実現しました。
廃プラスチックは種類や大きさなどが異なるため、燃料として使用する際には、適切な処理や調整が必要となります。また、燃焼方法も異なるため、ボイラーの調整も難しいです。
取材者: 廃プラスチックを燃やすためのコストは、重油などと比べていかがでしょうか。
回答者: 廃プラスチックは、排出業者から処理費用を支払って頂き、引き取っています。埋め立て処分する場合は、当社が最終処分場に埋め立て料を支払う必要があります。そのため、廃プラスチックを燃料として活用することで、コスト削減に繋がっています。
また、苫小牧での発電事業は廃プラスチックを燃料として活用することで、サーマルリサイクルとして認められます。ヨーロッパなどでは、マテリアルリサイクルが主流ですが、サーマルリサイクルも一定の役割を果たすと考えています。
弊社としても、マテリアルリサイクルにも取り組んでおり、今年から実証実験を開始する予定です。
取材者: 新規事業として挙げられていた「産業廃棄物管理システム」は、どういった事業なのでしょうか。
回答者: 廃棄物を収集する際に、お客様から法律に関するご相談を受けることが多くあります。廃棄物処理に関する法律は複雑で、違反すると行政処分を受ける可能性もあります。そこで、法律を遵守し、書類作成の手間を省くことができるシステムを開発しました。
このシステムはSaaS型で、毎月課金していただく形になります。現在、2年間の無料キャンペーンを実施して導入を進めています。
取材者: このシステムを使うことで、事業者はどのように廃棄物を処理すれば良いかが分かりやすくなるのでしょうか。
回答者: どの廃棄物をどこに処分すれば良いかだけでなく、法律を遵守して処理できているかを簡単に確認することができます。また、書類作成の手間も省くことができます。
取材者: 御社の創業の経緯や思いについて、わかる範囲で教えていただけますでしょうか。
回答者: 1975年に三洋消毒株式会社として創業し、シロアリの消毒事業を開始しました。当時は、「予防医学」という考え方が注目されており、シロアリの発生を予防するために薬剤を散布するという方法で事業をスタートしました。
1995年には産業廃棄物処理事業に参入し、1999年には廃プラスチックの燃料化事業を開始しました。
取材者: 創業者は、元々シロアリ駆除などの事業を行っていたのでしょうか。
回答者: 弊社は、1975年に長崎県佐世保市で防虫・防腐管理を目的に創業しました。「汚いところをきれいにする」という使命のもと、シロアリ防除事業を中心に業界初の予防型アプローチを取り、事業を拡大しました。1981年には法人向け衛生管理事業を分離し、1994年に産業廃棄物事業に進出。廃プラスチック燃料化や廃液処理、再生油製造を通じて静脈産業を確立しました。また、1989年から太陽光発電事業に着手し、FIT制度を契機に事業を拡大しています。
取材者: 先日発表されました第2四半期の決算状況についてお伺いしたいのですが、全体として利益が前年と比較して下がっているのは、設備投資の影響が大きいのでしょうか。
回答者: ほとんどが苫小牧発電所の売電単価低下の影響です。昨年は、ある会社と年間契約を結び、高い単価で電気を販売していました。しかし、今期は市場価格が下がった影響により高い単価での長期契約を結べておらず、利益が減少しました。
苫小牧発電所を除いた他の事業では増益です。
取材者: 既存事業の拡大に関して、今期行われている具体的な取り組みはありますか。
回答者: 個人宅だけでなく、JAや建築業者などからの紹介による受注を拡大しています。また、シロアリ駆除だけでなく、リフォームなどの事業にも力を入れています。
取材者: これまでは、法人や建築業者からの紹介には力を入れていなかったのでしょうか。
回答者: ここ数年は、訪問販売だけでなく、提携先を増やしていく方針で進めています。
取材者: 足元の決算状況について、何かトピックスはございますか。
回答者: 第3四半期途中の状況ですが、計画以上に受注を獲得しています。しかし、エネルギー領域では案件が大型化しており、納期が遅延する可能性があります。技術者不足が懸念材料です。
取材者: 計画の達成に向けては、納品をしっかりと行うことが重要になってくるということですね。
回答者: その通りです。
取材者: 今後は、株主還元策についてご教授ください。また、設備投資に関する計画がございましたら教えてください。
回答者: 株主還元については、現中期経営計画において、来期までの間に経営基盤の強化と内部留保の充実を図り、復配を目指したいと考えています。
取材者: 設備投資計画についてご教授ください。
設備投資については、来期以降も資源循環領域を中心に投資を継続していきます。廃液処理事業では汚泥の燃料化設備、廃プラスチック処理事業ではマテリアルリサイクル設備への投資を検討しています。また、既存設備の修繕や補修なども計画しています。
20241211 CP&X
ビジネスモデルや事業内容
株式会社サニックスは、住環境領域、エネルギー領域、資源循環領域の3つの事業を展開している。 住環境領域では、シロアリ駆除をメインに、住宅リフォームや太陽光発電システムの設置、外壁塗装などを行っている。 エネルギー領域では、法人向けの太陽光発電システムの企画・設置・メンテナンスが中心である。 資源循環領域では、廃プラスチックの中間処理や廃液処理事業を行っている。同社は、顧客基盤と営業力を強みとし、安定した収益を確保している。
創業の経緯と転機となった出来事
1975年に三洋消毒株式会社として創業し、シロアリの消毒事業を開始した。 当時は、「予防医学」という考え方が注目されており、シロアリの発生を予防するために薬剤を散布するという方法で事業をスタートした。 1995年には産業廃棄物処理事業に参入し、1999年には廃プラスチックの燃料化事業を開始した。
直近の決算状況
第2四半期の決算では、苫小牧発電所の売電単価が下落した影響で利益が減少した。 しかし、苫小牧発電所を除く他の事業では増収増益となっている。
特徴や強み
創業以来積み重ねてきた顧客基盤と営業力が高いことが強みである。 シロアリ駆除の定期契約をいただいているお客様は12.7万件に達しており、安定した収益に繋がっている。 また、太陽光発電システムの設置・メンテナンスにおいては、全国に拠点を持ち、多くの企業から一括して受注し、メンテナンスまでトータルでサービスを提供できる点が強みである。 競合が多い中でも、全国に拠点を持ち、3万件の施工実績があり、高い技術力を蓄積している。 廃プラスチックを燃料とした発電事業では、世界で唯一の技術を保有し、非化石証書により電気のCO2排出量ゼロを実現している。
成長戦略
新規事業の強化や提携先の拡大などに取り組むことで、更なる成長を目指している。設備投資については、資源循環領域を中心に、廃液処理設備やマテリアルリサイクル設備への投資を計画している。
株主還元策
現中期経営計画において、来期までの間に経営基盤の強化と内部留保の充実を図り、復配を目指している。
今期の取り組みやトピックス
個人宅だけでなく、JAや建築業者などからの紹介による受注を拡大している。 また、シロアリ駆除だけでなく、リフォームなどの事業にも力を入れている。 第3四半期途中の状況だが、計画以上に受注を獲得している。 しかし、エネルギー領域では案件が大型化しており、納期が遅延する可能性がある。また、 今期は排出事業者向け廃棄物管理システム「環境エース一元くん」の無料キャンペーンやCM広告を実施し、販売強化を実施しています。
IR担当
・資料
2025年3月期 第3四半期 決算説明資料

(株)サニックス
東証STD 4651
決算:3月末日
Q: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
A: 一つ目は、創業事業である住環境領域と呼んでいる事業領域です。弊社の創業はシロアリの駆除事業です。その流れを汲んで、住環境領域という形で事業を展開しています。メインはシロアリ駆除で、そこから派生して、住宅リフォームや戸建て住宅向けの太陽光発電システムの設置、外壁塗装なども行っています。また、集合住宅向けの給排水管のメンテナンスを行うES事業も展開しています。
競合という点では、東証プライム上場の株式会社アサンテが挙げられます。アサンテ様はシロアリ駆除を専門に行っている企業です。その他にも、小規模な事業者が多数存在しています。弊社のシロアリ駆除事業のシェアは、10%弱程度です。この事業は創業事業であり、粗利率が高く、大きな投資を必要としないため、安定したキャッシュを生み出しています。
Q: 住環境事業につきましては、他社と比べてサービス内容が充実しており、多方面に展開されているように思いますが、このようなことが実現できる要因は何でしょうか。
A: 創業以来積み重ねてきた顧客基盤が強固であること、そして営業力が高いことが要因として挙げられます。顧客基盤については、中間決算報告資料にも記載されている通り、シロアリ駆除の定期契約をいただいているお客様が12.7万件に達しています。シロアリ駆除は定期的に行う必要があるため、顧客基盤が安定した収益に繋がっています。また、シロアリ駆除をきっかけに、リフォームや太陽光発電システムの設置など、お客様のニーズに対応する形で事業を拡大してきました。
Q: エネルギー事業についてご説明ください。
A: エネルギー事業は、大きく分けて法人向けの太陽光発電システムの企画・設置・メンテナンスが中心となります。7月からは、株式会社サニックスエンジニアリングとして分社化しました。
太陽光発電事業の市場は、CO2削減の観点から法人向けを中心に拡大しています。しかし、競合が多く、価格競争が激しいため、粗利率の確保には苦労しています。最近は、太陽光発電システムだけでなく、蓄電池やEV充電設備などを組み合わせた案件が増加しており、案件が複雑化しています。そのため、納期が遅延するケースも出てきています。また、新電力事業では、電力ショックの影響で一時的に大赤字を計上しました。現在は、利益を重視した事業運営を行っており、売上規模は25億円程度に縮小しています。
Q:事業案件の大型化・高度化は、御社が設備を整えて対応できるようになったというよりは、太陽光発電システムのニーズが高度化・大型化しているという認識でよろしいでしょうか。
A: その通りです。案件自体が大型化・高度化しており、多くの手間隙がかかっています。
Q:御社の強みは教えてください。
A: 全国に拠点を持ち、多くの工場や店舗などを展開する企業から一括して受注し、メンテナンスまでトータルでサービスを提供できる点は強みだと考えています。また、3万件の施工実績があり、個人向けも含めて高い技術力を蓄積している点も強みです。
Q: 資源循環領域についてご説明ください。
A: 資源循環領域は、少し複雑ですので、詳しくご説明させていただきます。
まず、廃プラスチックの中間処理を行っています。具体的には、廃プラスチックを集めて破砕し、分別します。分別した廃プラスチックは、苫小牧にある発電所に運び、燃料として使用しています。苫小牧発電所は、廃プラスチックのみで発電を行う、世界で唯一の発電所です。他の発電所では、重油などと混ぜて燃焼させるケースが多いのですが、苫小牧発電所は廃プラスチックのみを燃焼して発電し、非化石証書により電気のCO2排出量ゼロを実現しています。
東日本の工場で受け入れた廃プラスチックは、苫小牧発電所の燃料として使用し、西日本の工場で受け入れた廃プラスチックは、主にセメント会社や製紙会社などに販売しています。また、北海道に最終処分場を保有しており、苫小牧発電所で燃焼した灰などを埋め立てています。さらに、廃液処理事業も行っています。食品工場や厨房などから排出される廃油を回収し、燃料化しています。燃料化された油は「再生油Bio」として販売しており、既に完売しています。来年には、汚泥燃料製造ラインを新設し、実証実験を開始する予定です。廃液処理事業のシェアは7%程度です。廃プラスチック処理事業も、全体のシェアで7~8%程度です。
Q: 廃プラスチックを燃料とした発電は、なぜ他の会社では行えないのでしょうか。
A: 廃プラスチックのみで安定的に発電を行うには、高度な技術とノウハウが必要です。弊社は20年前に苫小牧発電所を建設し、試行錯誤を繰り返しながら、安定稼働を実現しました。廃プラスチックは種類や大きさなどが異なるため、燃料として使用する際には、適切な処理や調整が必要となります。また、燃焼方法も異なるため、ボイラーの調整も難しいです。
Q: 廃プラスチックを燃やすためのコストは、重油などと比較してどの程度でしょうか。
A: 廃プラスチックは、排出業者から処理費用を支払って頂き、引き取っています。埋め立て処分する場合は、当社が最終処分場に埋め立て料を支払う必要があります。そのため、廃プラスチックを燃料として活用することで、コスト削減に繋がっています。また、苫小牧での発電事業は廃プラスチックを燃料として活用することで、サーマルリサイクルとして認められます。ヨーロッパなどでは、マテリアルリサイクルが主流ですが、サーマルリサイクルも一定の役割を果たすと考えています。弊社としても、マテリアルリサイクルにも取り組んでおり、今年から実証実験を開始する予定です。
Q: 新規事業として挙げられていた「産業廃棄物管理システム」は、どういった事業なのでしょうか。
A: 廃棄物を収集する際に、お客様から法律に関するご相談を受けることが多くあります。廃棄物処理に関する法律は複雑で、違反すると行政処分を受ける可能性もあります。そこで、法律を遵守し、書類作成の手間を省くことができるシステムを開発しました。このシステムはSaaS型で、毎月課金していただく形になります。現在、2年間の無料キャンペーンを実施して導入を進めています。
Q: このシステムを使うことで、事業者はどのように廃棄物を処理すれば良いかが分かりやすくなるのでしょうか。
A: どの廃棄物をどこに処分すれば良いかだけでなく、法律を遵守して処理できているかを簡単に確認することができます。また、書類作成の手間も省くことができます。
Q: 創業の経緯を教えてください。
A: 弊社は、1975年に長崎県佐世保市で防虫・防腐管理を目的に創業しました。「汚いところをきれいにする」という使命のもと、シロアリ防除事業を中心に業界初の予防型アプローチを取り、事業を拡大しました。1981年には法人向け衛生管理事業を分離し、1994年に産業廃棄物事業に進出。廃プラスチック燃料化や廃液処理、再生油製造を通じて静脈産業を確立しました。また、1989年から太陽光発電事業に着手し、FIT制度を契機に事業を拡大しています。
Q: 先日発表されました第2四半期の決算状況についてご説明をお願いします。
A: 苫小牧発電所の売電単価低下の影響で利益が減少しています。昨年は、ある会社と年間契約を結び、高い単価で電気を販売していました。しかし、今期は市場価格が下がった影響により高い単価での長期契約を結べておらず、利益が減少しました。苫小牧発電所を除いた他の事業では増益です。
Q: 既存事業の戦略をご教授ください。
A: 個人宅だけでなく、JAや建築業者などからの紹介による受注を拡大しています。また、シロアリ駆除だけでなく、リフォームなどの事業にも力を入れています。また法人や建築業者への訪問販売だけでなく、提携先を増やしていく方針で進めています。
Q: 足元の決算状況について、何かトピックスはございますか。
A: 第3四半期途中の状況ですが、計画以上に受注を獲得しています。しかし、エネルギー領域では案件が大型化しており、納期が遅延する可能性があります。技術者不足が懸念材料です。
Q: 今後の株主還元策と設備投資計画についてご説明ください。
A: 株主還元については、現中期経営計画において、来期までの間に経営基盤の強化と内部留保の充実を図り、復配を目指したいと考えています。
Q: 設備投資計画についてご説明ください。
A: 設備投資については、来期以降も資源循環領域を中心に投資を継続していきます。廃液処理事業では汚泥の燃料化設備、廃プラスチック処理事業ではマテリアルリサイクル設備への投資を検討しています。また、既存設備の修繕や補修なども計画しています。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者: 一つ目は、創業事業である住環境領域と呼んでいる事業領域です。
弊社の創業はシロアリの駆除事業です。その流れを汲んで、住環境領域という形で事業を展開しています。メインはシロアリ駆除で、そこから派生して、住宅リフォームや戸建て住宅向けの太陽光発電システムの設置、外壁塗装なども行っています。また、集合住宅向けの給排水管のメンテナンスを行うES事業も展開しています。
競合という点では、東証プライム上場の株式会社アサンテが挙げられます。アサンテ様はシロアリ駆除を専門に行っている企業です。その他にも、小規模な事業者が多数存在しています。弊社のシロアリ駆除事業のシェアは、10%弱程度です。
この事業は創業事業であり、粗利率が高く、大きな投資を必要としないため、安定したキャッシュを生み出しています。
取材者: 住環境事業につきましては、他社と比べてサービス内容が充実しており、多方面に展開されているように思いますが、このようなことが実現できる要因は何でしょうか。
回答者: 創業以来積み重ねてきた顧客基盤が強固であること、そして営業力が高いことが要因として挙げられます。
顧客基盤については、中間決算報告資料にも記載されている通り、シロアリ駆除の定期契約をいただいているお客様が12.7万件に達しています。シロアリ駆除は定期的に行う必要があるため、顧客基盤が安定した収益に繋がっています。
また、シロアリ駆除をきっかけに、リフォームや太陽光発電システムの設置など、お客様のニーズに対応する形で事業を拡大してきました。
取材者: 次に、エネルギー事業についてご説明いただけますでしょうか。
回答者: エネルギー事業は、大きく分けて法人向けの太陽光発電システムの企画・設置・メンテナンスが中心となります。7月からは、株式会社サニックスエンジニアリングとして分社化しました。
太陽光発電事業の市場は、CO2削減の観点から法人向けを中心に拡大しています。しかし、競合が多く、価格競争が激しいため、粗利率の確保には苦労しています。
最近は、太陽光発電システムだけでなく、蓄電池やEV充電設備などを組み合わせた案件が増加しており、案件が複雑化しています。そのため、納期が遅延するケースも出てきています。
また、新電力事業では、電力ショックの影響で一時的に大赤字を計上しました。現在は、利益を重視した事業運営を行っており、売上規模は25億円程度に縮小しています。
取材者: 今期の決算資料にも記載されていましたが、事業案件の大型化・高度化は、御社が設備を整えて対応できるようになったというよりは、太陽光発電システムのニーズが高度化・大型化しているという認識でよろしいでしょうか。
回答者: その通りです。案件自体が大型化・高度化しており、多くの手間隙がかかっています。
取材者: 太陽光発電システムの設置・メンテナンスを行う上で、御社の強みはどこにあるとお考えでしょうか。
回答者:全国に拠点を持ち、多くの工場や店舗などを展開する企業から一括して受注し、メンテナンスまでトータルでサービスを提供できる点は強みだと考えています。また、3万件の施工実績があり、個人向けも含めて高い技術力を蓄積している点も強みです。
取材者: それでは、資源循環領域についてご説明いただけますでしょうか。
回答者: 資源循環領域は、少し複雑ですので、詳しくご説明させていただきます。
まず、廃プラスチックの中間処理を行っています。具体的には、廃プラスチックを集めて破砕し、分別します。分別した廃プラスチックは、苫小牧にある発電所に運び、燃料として使用しています。
苫小牧発電所は、廃プラスチックのみで発電を行う、世界で唯一の発電所です。他の発電所では、重油などと混ぜて燃焼させるケースが多いのですが、苫小牧発電所は廃プラスチックのみを燃焼して発電し、非化石証書により電気のCO2排出量ゼロを実現しています。
東日本の工場で受け入れた廃プラスチックは、苫小牧発電所の燃料として使用し、西日本の工場で受け入れた廃プラスチックは、主にセメント会社や製紙会社などに販売しています。また、北海道に最終処分場を保有しており、苫小牧発電所で燃焼した灰などを埋め立てています。
さらに、廃液処理事業も行っています。食品工場や厨房などから排出される廃油を回収し、燃料化しています。燃料化された油は「再生油Bio」として販売しており、既に完売しています。来年には、汚泥燃料製造ラインを新設し、実証実験を開始する予定です。
廃液処理事業のシェアは7%程度です。廃プラスチック処理事業も、全体のシェアで7~8%程度です。
取材者: 廃プラスチックを燃料とした発電は、なぜ他の会社では行えないのでしょうか。
回答者: 廃プラスチックのみで安定的に発電を行うには、高度な技術とノウハウが必要です。弊社は20年前に苫小牧発電所を建設し、試行錯誤を繰り返しながら、安定稼働を実現しました。
廃プラスチックは種類や大きさなどが異なるため、燃料として使用する際には、適切な処理や調整が必要となります。また、燃焼方法も異なるため、ボイラーの調整も難しいです。
取材者: 廃プラスチックを燃やすためのコストは、重油などと比べていかがでしょうか。
回答者: 廃プラスチックは、排出業者から処理費用を支払って頂き、引き取っています。埋め立て処分する場合は、当社が最終処分場に埋め立て料を支払う必要があります。そのため、廃プラスチックを燃料として活用することで、コスト削減に繋がっています。
また、苫小牧での発電事業は廃プラスチックを燃料として活用することで、サーマルリサイクルとして認められます。ヨーロッパなどでは、マテリアルリサイクルが主流ですが、サーマルリサイクルも一定の役割を果たすと考えています。
弊社としても、マテリアルリサイクルにも取り組んでおり、今年から実証実験を開始する予定です。
取材者: 新規事業として挙げられていた「産業廃棄物管理システム」は、どういった事業なのでしょうか。
回答者: 廃棄物を収集する際に、お客様から法律に関するご相談を受けることが多くあります。廃棄物処理に関する法律は複雑で、違反すると行政処分を受ける可能性もあります。そこで、法律を遵守し、書類作成の手間を省くことができるシステムを開発しました。
このシステムはSaaS型で、毎月課金していただく形になります。現在、2年間の無料キャンペーンを実施して導入を進めています。
取材者: このシステムを使うことで、事業者はどのように廃棄物を処理すれば良いかが分かりやすくなるのでしょうか。
回答者: どの廃棄物をどこに処分すれば良いかだけでなく、法律を遵守して処理できているかを簡単に確認することができます。また、書類作成の手間も省くことができます。
取材者: 御社の創業の経緯や思いについて、わかる範囲で教えていただけますでしょうか。
回答者: 1975年に三洋消毒株式会社として創業し、シロアリの消毒事業を開始しました。当時は、「予防医学」という考え方が注目されており、シロアリの発生を予防するために薬剤を散布するという方法で事業をスタートしました。
1995年には産業廃棄物処理事業に参入し、1999年には廃プラスチックの燃料化事業を開始しました。
取材者: 創業者は、元々シロアリ駆除などの事業を行っていたのでしょうか。
回答者: 弊社は、1975年に長崎県佐世保市で防虫・防腐管理を目的に創業しました。「汚いところをきれいにする」という使命のもと、シロアリ防除事業を中心に業界初の予防型アプローチを取り、事業を拡大しました。1981年には法人向け衛生管理事業を分離し、1994年に産業廃棄物事業に進出。廃プラスチック燃料化や廃液処理、再生油製造を通じて静脈産業を確立しました。また、1989年から太陽光発電事業に着手し、FIT制度を契機に事業を拡大しています。
取材者: 先日発表されました第2四半期の決算状況についてお伺いしたいのですが、全体として利益が前年と比較して下がっているのは、設備投資の影響が大きいのでしょうか。
回答者: ほとんどが苫小牧発電所の売電単価低下の影響です。昨年は、ある会社と年間契約を結び、高い単価で電気を販売していました。しかし、今期は市場価格が下がった影響により高い単価での長期契約を結べておらず、利益が減少しました。
苫小牧発電所を除いた他の事業では増益です。
取材者: 既存事業の拡大に関して、今期行われている具体的な取り組みはありますか。
回答者: 個人宅だけでなく、JAや建築業者などからの紹介による受注を拡大しています。また、シロアリ駆除だけでなく、リフォームなどの事業にも力を入れています。
取材者: これまでは、法人や建築業者からの紹介には力を入れていなかったのでしょうか。
回答者: ここ数年は、訪問販売だけでなく、提携先を増やしていく方針で進めています。
取材者: 足元の決算状況について、何かトピックスはございますか。
回答者: 第3四半期途中の状況ですが、計画以上に受注を獲得しています。しかし、エネルギー領域では案件が大型化しており、納期が遅延する可能性があります。技術者不足が懸念材料です。
取材者: 計画の達成に向けては、納品をしっかりと行うことが重要になってくるということですね。
回答者: その通りです。
取材者: 今後は、株主還元策についてご教授ください。また、設備投資に関する計画がございましたら教えてください。
回答者: 株主還元については、現中期経営計画において、来期までの間に経営基盤の強化と内部留保の充実を図り、復配を目指したいと考えています。
取材者: 設備投資計画についてご教授ください。
設備投資については、来期以降も資源循環領域を中心に投資を継続していきます。廃液処理事業では汚泥の燃料化設備、廃プラスチック処理事業ではマテリアルリサイクル設備への投資を検討しています。また、既存設備の修繕や補修なども計画しています。
20241211 CP&X
ビジネスモデルや事業内容
株式会社サニックスは、住環境領域、エネルギー領域、資源循環領域の3つの事業を展開している。 住環境領域では、シロアリ駆除をメインに、住宅リフォームや太陽光発電システムの設置、外壁塗装などを行っている。 エネルギー領域では、法人向けの太陽光発電システムの企画・設置・メンテナンスが中心である。 資源循環領域では、廃プラスチックの中間処理や廃液処理事業を行っている。同社は、顧客基盤と営業力を強みとし、安定した収益を確保している。
創業の経緯と転機となった出来事
1975年に三洋消毒株式会社として創業し、シロアリの消毒事業を開始した。 当時は、「予防医学」という考え方が注目されており、シロアリの発生を予防するために薬剤を散布するという方法で事業をスタートした。 1995年には産業廃棄物処理事業に参入し、1999年には廃プラスチックの燃料化事業を開始した。
直近の決算状況
第2四半期の決算では、苫小牧発電所の売電単価が下落した影響で利益が減少した。 しかし、苫小牧発電所を除く他の事業では増収増益となっている。
特徴や強み
創業以来積み重ねてきた顧客基盤と営業力が高いことが強みである。 シロアリ駆除の定期契約をいただいているお客様は12.7万件に達しており、安定した収益に繋がっている。 また、太陽光発電システムの設置・メンテナンスにおいては、全国に拠点を持ち、多くの企業から一括して受注し、メンテナンスまでトータルでサービスを提供できる点が強みである。 競合が多い中でも、全国に拠点を持ち、3万件の施工実績があり、高い技術力を蓄積している。 廃プラスチックを燃料とした発電事業では、世界で唯一の技術を保有し、非化石証書により電気のCO2排出量ゼロを実現している。
成長戦略
新規事業の強化や提携先の拡大などに取り組むことで、更なる成長を目指している。設備投資については、資源循環領域を中心に、廃液処理設備やマテリアルリサイクル設備への投資を計画している。
株主還元策
現中期経営計画において、来期までの間に経営基盤の強化と内部留保の充実を図り、復配を目指している。
今期の取り組みやトピックス
個人宅だけでなく、JAや建築業者などからの紹介による受注を拡大している。 また、シロアリ駆除だけでなく、リフォームなどの事業にも力を入れている。 第3四半期途中の状況だが、計画以上に受注を獲得している。 しかし、エネルギー領域では案件が大型化しており、納期が遅延する可能性がある。また、 今期は排出事業者向け廃棄物管理システム「環境エース一元くん」の無料キャンペーンやCM広告を実施し、販売強化を実施しています。
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