
(株)シノプス
東証GRT 4428
決算:12月末日
20260521
CP&X
【取材日】2026年5月21日
【2026年12月期1Q】
決算概要
2026年12月期第1四半期の売上高は483百万円(YoY+6.5%)、営業利益は26百万円(YoY △39.4%)、経常利益は42百万円(YoY△5.7%)で着地した。一過性の利益貢献が大きいパッケージ売上高が3百万円(YoY△88.2%)に留まった一方で 、中長期的な収益基盤となるクラウド売上高は311百万円(YoY+21.9%)と成長している。通期目標の達成に向けて概ね期初想定通りに推移している。
セグメント別または事業別の増減要因
当社は「sinops事業」の単一セグメントである。ターゲットである小売業の生産性の向上・業務効率化・人手不足対応のためのIT投資は引き続き高い水準で推移しており、sinopsシリーズは順調に導入拡大。お客様の導入効果に対して費用をいただく基本方針に変更はないが、足元の人件費上昇や物価高等の情勢を鑑み、物価上昇に見合うだけの価格転化などは適宜検討する。
主要KPIの進捗と変化
通期業績目標に対する進捗率は、売上高が20.6%、営業利益が6.8%である。売上高・営業利益ともほぼ想定通りに進捗している。また、営業利益率が5.5%(YoY△4.1pt)となった要因としては、利益率の高いパッケージ売上高が昨対比で88.2%減であることが影響しているが、クラウド売上拡大に伴う通信費の増加が製品改善により抑えられていることからメインのクラウド売上高の利益率は向上している。また、経常利益が42百万円となっているが、これは「DeCM-PF」の活用による、経済産業省の「持続可能な物流を支える物流効率化実証事業」の補助金等を営業外収益として計上していることが主要因である。
主要なKPIとしては、ARR(ストック売上)の着実な増加が注視すべき指標である。ARRは店舗数×導入サービス数×単価で構成されており、先行指標は非開示であるものの、既存ユーザーの店舗あたりのサービス数が4.1サービス(YoY+0.2アカウント)に増加しており、これは新規顧客獲得だけでなく既存顧客のクロスセルも順調に進んでいることを示している。
季節性・一過性要因の有無と影響
第1四半期には、一過性要因は特に発生していない。
※大規模な企業であるほど、システム導入の意思決定プロセスに時間を要するため、小売業の決算期が多い2月から商談を開始した場合、システム稼働開始が12月頃になることも多く、当社としての売上計上時期も下期に偏重する傾向があった。パッケージのライセンス一括販売では売上偏重が顕著に表れてしまうため、初期投資が抑えられるクラウドサービスをメインとするようビジネスモデル転換を行い、現在では季節性は緩和されている。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績目標に対して、現在は概ね期初想定通りに進捗している。AIの利活用や業務の見直しによる全社的な効率化を本格化させており、外注費等のコストも軽減する見込みである。また、期末に向けて導入支援・クラウドの売上規模が大きくなることに伴い、固定費比率も低下し、利益の絶対額及び利益率の改善を見込んでいる。通期の営業利益率は16.6%で計画に変更はない。クラウド案件の受注が本格化する見込みの第3四半期以降の業績進捗が、通期目標の達成度を左右する要素となる。
トピックス
来期以降の非連続的な成長を牽引する新規事業「DeCM-PF」「sinops-WLMS」がそれぞれ進捗している。
特に「DeCM-PF」は経済産業省の「持続可能な物流を支える物流効率化実証事業」において実証実験を実施し、小売の需要予測を基にしたメーカーへの発注による物流効率改善効果などを確認した。実証実験の内容や実現した効果の詳細については、2026年3月26日にプレスリリースしている。参画メーカー数は100社を突破しており順調に拡大しているため、収益の源泉となる小売業の参画社数増加に向けて中長期的な営業活動を進める。

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
【2025年12月期(通期)】
決算概要
2025年12月期通期決算は、売上高2,040百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益309百万円(同99.6%増)、経常利益311百万円(同101.5%増)、当期純利益217百万円(同100.5%増)と、大幅な増益での着地。既存顧客の深耕を通じたクラウド売上高の牽引に加え、製品改善による通信費の効率化や販管費コントロールの徹底が大きく寄与。結果として、営業利益率は前年の8.7%から15.2%へと大幅改善。
セグメント別または事業別の増減要因
主力の自動発注分野において、グロサリー等は普及率が約8~9割に達する一方、惣菜カテゴリーは8〜9割が手作業であり、新規開拓領域としての注力。同領域において先行開発による参入障壁を築き、既に大手小売業2社と契約を獲得して年内の全店展開を予定。また、既存のコスト削減提案に加え、集約データを活用した適正売価・適正品揃え等による売上向上提案のプロトタイプ作成や、スーパーの資金繰り悪化に対応するため動産担保評価企業と提携した在庫資産評価サービス等の多角的な営業活動を展開。
主要KPIの進捗と変化
ストック収益の指標であるARRは1,586百万円(前年同期比18.8%増)へと順調に拡大。既存ユーザーへのアップセル・クロスセルや新規事業の寄与により、クラウド有償アカウント数も13,278件(同1,243件増)へと増加。SaaSのAI代替リスクについては、実店舗における不完全な売り場情報や競合の特売状況といったデータ欠損と、全棚センサー等の完全無人店舗化に伴う莫大なデバイス投資コストが参入障壁となり、当面は当社クラウドサービスの優位性維持と活躍余地の残存。
季節性・一過性要因の有無と影響
導入支援売上高については、前年に大規模案件の導入支援が存在した反動により、前年同期比2.5%の微増にとどまる一時的な成長鈍化の発生。しかしながら、導入支援件数自体は着実に積み上がっており、基盤となるクラウド売上高へのネガティブな影響は皆無。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年12月期の通期予想は、売上高2,344百万円(前年比14.9%増)、営業利益390百万円(同26.1%増)の計画。「sinops-CLOUD」における既存顧客の深耕を通じた安定成長を堅持しつつ、「DeCM-PF」や「WLMS」等の新規事業ならびに経営基盤強化への成長投資を継続。クラウドサービスの粗利改善等にも取り組み、収益性の改善を通じて売上成長を上回る営業利益の成長を見込む強気の見通し。
トピックス
製・配・販のサプライチェーン全体を最適化するプラットフォーム「DeCM-PF」は、発注の2週間前確定による物流正常化と小売業への利用料キャッシュバック還元モデルを構築し、参画企業数が100社を突破。また、作業改善で創出した時間を適正シフトに反映し、スーパーの人件費高騰という根本課題にメスを入れる人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」の展開を推進。従業員のスマートフォンの作業ログを基にAIが翌月シフトを自動作成する仕組みにより、優秀な人材の適正評価と現場全体の生産性底上げを牽引。
【2025年12月期(通期)】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社が保有・集約するデータを活用し、適正売価や適正品揃えなどにより売上向上へアプローチする実験を行っていく予定です。また、キャッシュレス決済の普及等で資金繰りに課題を抱えるスーパーマーケット様に対し、動産担保評価を行う企業と提携して低料金で在庫資産を評価するサービスを検討するなど、多角的なアプローチを仕掛けてまいります。さらに、システム化が遅れている惣菜カテゴリーの自動発注領域において圧倒的なシェアを獲得し、これを起爆剤に既存サービスの強化を図ります。中長期的には、サプライチェーン全体でメリットを享受できるプラットフォーム「DeCM-PF」を展開し、物流に関するすべてのリソースを最適化し続けるインフラとなることを目指しております。加えて、作業改善で削減できた時間を適正なシフト作成に反映し、根本的な人件費削減にメスを入れる人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」の展開も推進してまいります。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:昨今のAI技術の進化により、完全なデータが存在する領域のSaaSサービスは容易にAIに代替される可能性があると認識しております。しかしながら、当社が対象とする実店舗を持つスーパーマーケット様等の領域は、売り場の状況や競合の特売情報などデータ化しにくい不完全な情報が多く、AIが実力を発揮しづらいため、当社の活躍余地は依然として十分に存在します。将来的にすべての棚にセンサー等を備えた完全無人店舗が標準となれば、完全なデータが揃うためAIの脅威に晒される可能性はあります。しかし、ハードウェアやRFIDチップなどの莫大なデバイス費用というコスト問題が障壁となり、投資対効果のバランスが取れないため、短期間でそのような環境が完全に成り立つ状況にはないと考えております。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年12月期は売上高2,344百万円、営業利益390百万円を計画し、新規事業による将来の成長に向けた先行投資を行いながらも増収増益を継続してまいります。「sinops-CLOUD」における既存顧客の深耕によるアップセルやクロスセルを通じて安定成長を堅持し、導入支援売上高の大幅な増加を見込んでおります。また、「DeCM-PF」や「WLMS」等の新規事業ならびに経営基盤強化への成長投資を継続する一方で、クラウドサービスの粗利改善等にも取り組み、収益性の改善を通じて売上成長を上回る営業利益の成長を見込んでおります。なお、ストック収益の指標であるARRについては、既存ユーザーにおける企業統合等に伴う店舗数の変動やサービス見直しの可能性を現時点で織り込み、16.7億円を計画しております。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:当社が主力とする需要予測・自動発注分野において、グロサリー等のカテゴリーでは既に約8割の企業が何らかのシステムを利用し普及が進んでおりますが、惣菜カテゴリーにおいては8割から9割の企業が未だ手作業に依存しております。当社はこの惣菜領域において先駆けて開発に参入し、既に大手小売業2社との契約を獲得して年内の全店展開を予定しております。惣菜分野は後発企業の参入も見られますが、非常に難易度が高く参入障壁は高いと認識しております。また、業界全体を最適化する「DeCM-PF」においては、製・配・販の参画企業数が100社を突破しており、他社が模倣しようとしても数百社のメーカー様から賛同を得ることは容易ではなく、独自の強力な競争優位性が構築できていると自負しております。なお、第三者機関の調査による需要予測や自動発注ツールを対象とした「食品ロス削減ソリューション市場」においては、3年連続で国内シェア1位を獲得しております。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:業務提携の取り組みとして、伊藤忠商事株式会社様と連携し、食品バリューチェーン全体の最適化を目指すプラットフォーム「DeCM-PF」の構築およびサービス拡張を推進しております。この取り組みは同社の他のカンパニーと連携することで、医療・医薬や雑貨など他業種へ展開・応用することも可能であると考えております。また、キャッシュフローに課題を抱えるスーパーマーケット様向けには、動産担保評価を行う企業と新たに提携し、当社のシステムを利用して低料金で在庫資産を評価するサービスも検討しております。さらに、株式会社T-Must様と提携して食品表示ラベル作成支援サービス「sinops-CLOUD FoodCAS」を共同開発し、法令に準じた正確なラベル作成と店舗の業務削減に貢献しております。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:2026年から2028年を対象とする新たな中期経営方針において、「既存事業の成長」に加えて「DeCM-PF」と「sinops-WLMS」に注力し、成長加速の核とすることを掲げております。既存事業である「sinops-CLOUD」を中心とした深耕によるアップセルやクロスセル、および新規顧客獲得を通じて、年平均成長率15%の安定的な成長を堅持いたします。同時に、プラットフォーム化を進める「DeCM-PF」と市場浸透を図る「sinops-WLMS」への投資を強化し、これらが2028年以降の業績に大きく貢献することで非連続的な売上成長を実現する計画です。本計画の実効性を高めるための取り組みとして、「ARRへの貢献」「生産性の向上」「顧客サクセス」の3本柱を推進すべく、2026年1月より新組織体制へと移行し強固な成長基盤の構築に取り組んでおります。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、事業拡大のための成長投資を継続的に推進しつつ、継続的な配当を行うことを基本方針としております。配当性向につきましては、毎期40%前後を目安としております。ストック型売上の堅調な推移や財務体質の強化が進捗したことなどを背景に、2025年12月期の1株当たり年間配当金は予定通り16円00銭とし、2026年12月期につきましては17円00銭と、4期連続となる増配を予定しております。
【2025年12月期(通期)】
取材者:2025年12月期の業績も非常に素晴らしく、利益も倍増されており、本当に素晴らしいと拝見しておりました。前期の業績などを踏まえながら、今後の取り組みも含めて、お話しいただけますか。
回答者:SaaSサービスの中で、AIによって早々に駆逐される分野というのは確かに存在すると考えております。それは、現場の知見や現場とのデータ接続が薄ければ薄いほど簡単に駆逐される領域です。代表的な例が、ネット通販における需要予測や発注の自動化です。これらは現場との接続がほぼ不要で、売り場自体がWebページとして完全にデータ化されています。既存のプレイヤーは「カートに何を入れたか」「何を買わなかったか」といったデータから既存のロジックで分析し、SaaSとして提供していますが、このようなサービスはあっという間にAIに置き換わるでしょう。なぜなら、AIが最も活躍できるのは「完全なデータ」が存在する領域だからです。例えば、AIが登場して世間を驚かせたのが将棋です。プロ棋士を凌駕し、オセロやチェスでも世界一に勝ちました。囲碁や将棋は選択肢が膨大で難しいと言われていましたが、あっという間に人間を超えました。これらがAIの得意分野である理由は、ルールが変わらず、過去の完全なデータである棋譜が膨大に存在するからです。このような、ルールが固定されデータが完全な領域では、AIが既存のSaaSサービスを容易に駆逐していくと考えられます。一方で、当社がサービスを提供しているのは、実店舗を持つユーザー様向けのクラウドサービスです。ここでAIが読み取れないのが、実際の売り場の状況です。どのような売り場で販売していたかはデータ化されておらず、その時の売り場の在庫もほぼデータ化されていないか欠落している状態です。さらに、競合他店がどのような特売を実施していたかなども非常にデータ化しにくい要素です。このような不完全な情報やルールの下で予測を求められても、私自身がAIの立場であれば「完全に読み取れるデータを用意してくれれば応えるが、不完全なデータで予測精度を問われても困る」と言いたくなるはずです。
スーパーマーケット様の運用はリアル店舗に紐付いており、現場の類推や補完が必要な要素が絡むため、AIが参入しても実力を発揮しづらい業界です。したがって、我々が活躍できる余地はまだまだ十分にあります。ただし、最終形態として、アメリカにあるAmazon Goのリアル店舗のような、すべての棚にセンサーと計量器を備え、会計が不要な無人店舗が標準となれば話は別です。その場合、完全なデータが揃うため、当社も対策を怠ればAIに駆逐されることになります。現在、日本でそうした店舗が実験的な数店舗にとどまっている理由は、コスト面で採算が全く合わないからです。全店舗で効果が出るなら巨大資本がとっくに導入しているはずですが、ハードウェアのデバイス費用や、商品にRFIDチップを埋め込む莫大な投資を企業が負担しきれず、何十年も踏み込めていないのが現状です。したがって、その環境が完全に成り立てば当社のサービスが脅かされる可能性は十分にありますが、AIの進化とは別軸のコスト問題があるため、すぐにそうなるわけではないという状況です。
取材者:実は市場でも「SaaSはすべてAIに代替される」という見方から、最近では「そうではない領域もたくさんある」という認識に少し折り返してきているように感じます。貴社はその強みを十分ご理解されていますが、投資家に対して明確に知っていただくことが重要です。
回答者:IRチームとも協議し、イメージ図などもありますので資料に加えていきたいと思います。
私どもはAIに完全なデータが渡りにくい領域におり、仮にデータを渡すための環境を整えるとしても、投資対効果のバランスが取れる状態になりにくいという、この2つの軸でご説明できれば非常に分かりやすいと感じました。
当社がお預かりして集約しているデータを活用し、現在はコスト削減やロス削減による直接的な利益向上がメインサービスですが、お客様からは「売上向上への提案も欲しい」というお声をいただいております。お客様の個別データそのものを他社に提供することはできませんが、集計したデータであれば利用可能という契約になっております。この状況を活用し、適正売価や適正品揃えなど、様々な技術を用いて売上向上へアプローチするプロトタイプを作成し、今後様々な実験を行っていく予定です。
取材者:無駄をなくして経費を削減し、さらに売上向上も提案できるようになれば、もはやコンサルティングの領域ですから、その企業のブレインになれると素晴らしいです。
回答者:スーパーマーケット様も卸売業様も当社のユーザー様ですが、決算報告書には当然在庫が計上されます。これまでは現場へアプローチして結果的に在庫が減るという流れでしたが、現在スーパー様はキャッシュレス決済の手数料負担などでキャッシュフローが悪化している企業もあります。そのため、資産価値がなく売れない滞留在庫をいかに減らすかが重要になっています。必要な商品は残しつつ、滞留在庫を減らすためには、そもそも発生させない仕組みが必要です。そこで、企業のIRや広報、経営企画部門などへアプローチし、「地方の状況はこうなっています。在庫をここまで減らしましょう」といった営業活動も仕掛けていきたいと考えております。
取材者:メーカーと小売りの間に立つ問屋様や商社様にとっても、フィルタリング機能は非常に重要です。貴社が貢献できる領域はまだまだたくさんあります。
回答者:まだニーズが顕在化していない部分もあります。スーパー様の中には資金繰りの問題が出てきているところもあります。以前は現金決済が多くキャッシュリッチでしたが、現在はキャッシュレス決済が増え、手数料が数パーセント引かれ、支払いサイトも1ヶ月から2ヶ月後になるため、手元資金が枯渇気味のスーパー様が増えてきています。そこに対して、当社は動産担保評価を行う企業と提携し、お客様の在庫資産を一定のルールで計算・評価して金額を算出するサービスの提供を検討しております。通常は資産評価だけでも多大な手間と費用がかかりますが、当社のシステムを利用すれば低料金で評価可能です。こうしたサービスを通じてデータを収集しつつ、多角的なアプローチができればと考えております。
続きまして、売上拡大の余地についてご説明いたします。スーパー様のシェアをもっと獲得していくという点に加えて、クロスセルの販売余地に関して、自動発注はかなり浸透しており、グロサリーなど難易度の低い食品カテゴリーの自動発注を含めると、当社や他社のシステムを利用している、あるいは自社開発で対応しているという企業様が8割から9割程度を占め、全くシステム化されていない企業様は10%程度です。一方で、当社が現在主力にしつつある「惣菜カテゴリー」の自動発注については状況が逆で、8割から9割の企業様がまだ手作業で行っており、システム化されておりません。当社はこの領域に先駆けとして開発に参入し、現在大手2社との契約を獲得しており、年内には全店展開の予定ですので、そこで大きく広報活動や宣伝ができると考えております。惣菜カテゴリーは後発企業も参入してきてはおりますが、非常に難易度が高い分野で、参入障壁はそれなりに高いと認識しております。まず当社がここで圧倒的なシェアを獲得し、これを起爆剤として既存サービスの強化や売上向上に繋げていく計画です。
続いて、新サービスの「DeCM-PF」についてご説明いたします。
取材者:ぜひ詳しく教えてください。
回答者:DeCM-PFは、当社の顧客である小売業様に対して展開しております。この領域では約6,600店舗とかなりのシェアを獲得しております。実態として、現在、小売業様が物流効率を上げることも下げることもできる状態です。具体的には、直前に大量の緊急発注を行うことができるのです。例えば、通常100円で販売している商品を80円で仕入れているとします。特売で70円で販売する場合、仕入れ単価が80円のままでは赤字になるため、卸売業様に交渉して仕入れ単価を60円にしてもらいます。通常、1〜2週間前に発注した分を60円とするのであれば感覚的にも理解できますが、特売の前日に発注した分まで60円で仕入れることができるのです。これが業界の長年の問題でして、小売業様は一度持った権利を手放そうとしません。昔は卸売業様も「そうは問屋が卸さない」という権力を持っていましたが、現在はそれがありません。この不合理ともいえる商習慣が残っていることが、業界の物流が非効率なままになっている大きな原因の一つです。これを解決するためにはどうすべきか。例えば大手飲食チェーンのように、小売機能と製造機能が同一の企業内にある場合は、生産・物流効率を上げるために店舗側でオペレーションを調整します。しかし、日本の小売業様は「物流や生産の効率は自分たちには関係ない」という考え方が現状です。我々が「IT技術を使って2週間前に確定できるデータを届けるので、確定してほしい」と小売業様にお願いしても、「なぜ2週間前に確定しなければならないのか。直前でも良いではないか。我々のメリットは何か」と言われてしまいます。そこで、このDeCM-PFでは、メーカー様や卸売業様にもご賛同いただき、2週間前に確定した物量の何パーセントかを利用料として当社が頂戴し、運営費を差し引いた上で、小売業様にキャッシュバックとしてシェアするモデルを構築しました。つまり、企業間は分断されていても、メリットはサプライチェーン全体で享受できるプラットフォームにしているのです。私は25年ほど前、大手飲食チェーンの食材製造工場のシステムや需要予測にプログラマーとして参加しておりましたが、あちらでは店舗に対して常に物流効率を意識した発注を行わせる仕組みが構築されていました。それを企業間で実現しようというのが、このDeCM-PFです。大手飲食チェーンがなぜそれを行うかといえば、同じ会社である以上、店舗で利益が出ても物流で損失が出ればトータルでマイナスになるからです。しかし日本の流通構造は分断されているため、小売業者は自社のことを優先して考えます。我々はこのシステムを通じて発注を正常化させつつ、最終決定権を持つ小売業者に対して還元する仕組みを作ることで、徐々に自動化された効率的な環境へ誘導しようと取り組んでおります。
取材者:どこかにひずみが出てしまっているのですね。逆に自動車業界で言えば、メーカーが中心となって全てを決めているため、下請けにひずみがいっているような構造ですね。
回答者:小売業界で言えばスーパー様がその歪みの中心におり、彼らの突発的な発注に対して、皆がなんとか耐えようと頑張ってしまっている状態です。車両の確保ができなくても、無理をして手配してしまうのです。そこで小売業様に対して、「このデータを使えば無理な発注をする必要はありませんし、協力してくださればキャッシュバックが得られます」とご提案したところ、「お試しで1回やってみようか」ということで、ようやく大手2社の導入を獲得できました。全店舗に展開し、実際に毎月キャッシュバックをお支払いしています。すると、ようやく実感をしていただけただけでなく、現場から「欠品がなくなった」「緊急車両の手配が不要になった」「ドライバーが楽になった」といった喜びの声が届くようになりました。それを受けて、今度は小売業の経営者様が「これは良い仕組みだから、仲間の企業にも自慢しよう」と、ご自身で積極的に周囲へ広めてくださるようになりました。業界の環境改善に貢献していることや、先進的な取り組みを行っていることを、同業他社にアピールしたくなる心理が働くようです。
取材者:分断されていた業界が、まるで一つのホールディングスカンパニーのように、製造から小売りまで全体を見渡し、どこにもひずみが生じないように循環させる仕組みなのですね。
回答者:まだようやく全体のひずみの1割5分程度がサービス化できた段階です。残り8割5分を解決していかなければならないため大変ですが、非常に社会貢献度が高く、難易度も高い取り組みです。当社だからこそ実現できることであり、他社が「伊藤忠商事社とシノプスがやっているから真似しよう」と言っても、メーカー数百社に説明して賛同を得ることは容易ではなく、実現できないと自負しております。
取材者:この仕組みは、将来的には他の業種や業態にも応用できそうですね。
回答者:十分可能です。現在、伊藤忠商事社の食料カンパニーと協業しておりますが、他にも医療・医薬などを扱うカンパニーがありますし、雑貨系は別のグループ会社が担当されていたりします。そういった部門と連携すれば、同じモデルを別業種へ応用することが可能です。例えば医薬品業界であれば、小売を病院に、卸売をA社などの大手卸に、製造業を医薬品メーカーに置き換えることができます。
取材者:貴社のDeCM-PFの形が確立すれば、小売も卸売も製造業も、無理な競争や消耗戦をしなくて済むようになるかもしれません。
回答者:最終的に私どもは、メーカー様の製造ライン、トラック、物流センター、そしてそこに関わる人々といった、物流に関するすべてのリソースを最適化し続けるインフラになりたいと考えております。「物流に関わる事業を行うなら、このプラットフォームに参画しなければ話にならない」というレベルを目指しています。日本の物流業界で働いている方々は、無理な業務の割り振りをされることが多く、正当な利益を得られている企業はほとんどありません。小売業様の発言力が強いため、業務改善を行ってもその対価を受け取れないのです。そうした状況を改善すれば、物流業界は無理な働き方がなくなり、給与水準も高くなるはずです。それが一つの大きな社会貢献になると考えております。
取材者:決算前になると、問屋がとりあえず売上を立てるために商品を預かったり、小売りからも逆に商品を預かったり、フィルタリングをしてあげたりしています。決算前には大量の返品が発生したり、「利益をコントロールするために一旦仕入れるが後で返品する」といったことも行われています。その狭間にいる物流会社は、「せっかく運んできたのに、まだ持っていかないのか」といった理不尽な対応を迫られ、とんでもない無駄が発生しています。
回答者:全て無駄なのです。そうしたひずみは必ず、間にいる立場の弱いところにやってきます。卸売業様自体の立場が弱く、さらに立場の弱い物流会社様が正当な売上や利益を得られていないケースが非常に多いのです。このDeCM-PFが収益化の大きな柱になるには、まだ少し時間がかかります。2028年まではしっかりと育てていく計画です。
もう一つ事業がありまして、「sinops-WLMS」というサービスです。私どもは25年間自動発注システムを提供してまいりました。プレスリリース等で「このお客様で年間40,000時間の作業時間を削減しました」と発表し、お客様にもその効果を認めていただいております。しかし後になって、「40,000時間削減できたのは事実だ。しかし、時給1,000円だとすれば年間4千万円、あるいは400,000時間削減で4億円の支払いコストが減っているはずなのに、四半期の人件費が全く変わっていない」と指摘されることがありました。私は当初から、「作業時間は削減できるので、浮いた時間を売上向上など何に使うかは、貴社で計画して実行してください」とお伝えしているのですが、それを実行できる企業様が少なかったのです。本来であれば、浮いた時間に付加価値の高い業務を割り当て、無駄な残業をカットし、忙しさのバランスを取り、適正なシフトを組むという活動をしなければ、削減したはずの時間やコストがどこかへ消えてしまいます。それを行うためには、誰が・いつ・何を・何時間働いたかというデータを把握しなければなりません。小売業様において年間売上の約10%を占める支払い人件費(例えば売上100億円の企業なら10億円)の使い道を詳細に分析している企業様は、現状ゼロ社です。そのため、いくら業務改善を行っても最終的な支払い人件費の削減に行き着かないという、日本のスーパー様の業務改善における根本的な課題にメスを入れるのがこのシステムです。具体的な仕組みとしては、従業員の方々にスマートフォンを持っていただき、「今からこの作業をしてください」という指示を出します。作業を開始する際にタップし、予定時間に対して実際に終わった時点で終了をタップしていただきます。終われば次の作業指示が飛んでくる、というルールで運用します。この裏で動いているのが「sinops-WLMS」であり、作業の割り当てや1ヶ月の適正作業時間を計算した上で、翌月のシフトをAIが自動で作成してくれます。つまり、作業改善によって削減できた時間が、翌月のシフトに直接反映される仕組みなのです。
取材者:本当に素晴らしいシステムです。導入された企業様は、一発でその価値をご理解いただけるでしょうし、小売業にとって革命的ですね。「やらざるを得ないからやる」というお気持ちになるのも納得です。
回答者:最初は、働いている方々が「監視されている」と感じて可哀想に思われるのではないかと心配しておりました。しかし、実際に導入してみると、意外にも機嫌良く作業の記録をつけてくださるのです。なぜかというと、非常に優秀で多くの仕事をこなしているパートタイマーや社員の方々は、積極的に記録を入力してくださいます。「これまで自分が懸命にこなしてきた作業量が、ようやく数値として証明されるのか」というお気持ちからです。ゆっくり作業して1時間かかる人と、同じ1時間で多くの作業をこなしている自分が同じ給与であることに不公平感を感じていた方々にとって、このシステムが自分たちの働きを証明してくれるツールになるのです。
逆に、それ以外の2割や3割の方々も、優秀な方々が記録をつけ始めると、「あの人たちがやっているなら自分もやらなければ」という心理になり、やらざるを得なくなります。
上位3割くらいの方々が非常に積極的にシステムを利用してくださいます。残りの4割くらいの方々は「どちらでもいいが、皆がやっているなら自分もやる」という層です。そして、残りの3割くらいに「正直やりたくない」と考える方々がいますが、全体の7割が記録をつけ始めると、やはりやらざるを得ない環境になります。その結果、「あなたはベテランだけれども、数値を見ると生産性が上がっていないので、もう少し頑張る必要がありますね」と面談でフィードバックを受けることになり、ご本人も改善に向けて努力されるようになるケースがほとんどです。導入時に、5%くらいの店長やチーフクラスで「こんなシステムは使わない」と反対する方がいらっしゃいましたが、本部から、「ツールを使いたくないなら使わなくても良い。ただし、他の店舗がツールを使って7%〜10%の改善をしているのだから、君も自力で同等の改善をしろ。3ヶ月でできなければ覚悟しておけ」と伝えられてスタートしました。結果的に、やはり自力ではできず、その方は店長を降りて別の店舗に異動になったり、成功したチームと入れ替わったりしました。
取材者:管理しすぎるのは従業員にとって厳しいですが、わざとゆっくり作業をして時間稼ぎをしているような方々を中程度の水準に引き上げることで、全体の生産性が大きく向上するのですね。全てを最も優秀な人たちの基準に合わせてしまうと厳しすぎますが。
回答者:適正時間のレベルをあえて下げており、「このくらいで良いよ」という基準に設定しています。逆に言えば、それだけでも全体の生産性は飛躍的に向上するのです。本部の担当者様も、「これまでこうした数値を全く把握せずに、何となく改善活動をやったつもりになっていた。このシステムがなければ、今後の改善活動はできない」と大変驚かれていました。電子棚札の導入判断などにおいても、こうしたシステムで費用対効果を評価していなかったため、「人数が減った」と言いながら支払い人件費は変わらず、誰も楽になっていないどころか残業が増えている、という現状にようやく気付かれたのです。
取材者:不動産業界の例でも、様々な物件の転記作業や契約書の入力などを、営業担当者が夜遅くまで手作業で行っていました。本来、営業担当者にとって重要なのは、お客様に物件を案内して接客し、契約をいただくことです。現在はIT化が進み、生産性が飛躍的に向上しました。その結果、一人当たりの接客可能人数が倍増し、売上や利益が大きく上がっています。つまり、余った時間をどのように使わせるかが非常に重要であり、それが売上・利益の向上に繋がれば、単に生産性が上がる以上の価値を生み出します。
回答者:小売業様も現在、人件費の高騰を吸収しきれず苦心されておりますので、売上向上に繋がっていくシステムとして大きく貢献できると考えております。
取材者:お客様であるスーパーの多くはまだアナログで業務を行っていると伺っております。お客様のIT化が進んでいないからこそ、逆にこうしたシステムが求められるのかもしれません。
回答者:引き続きよろしくお願いいたします。
代表取締役社長 岡本 数彦 様
管理管掌取締役 武谷 克裕 様

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【2025年12月期第3四半期】
決算概要
2025年12月期第3四半期の売上高は1,468百万円(YoY+15.2%)、営業利益は207百万円(YoY +223.0%)、経常利益は209百万円(YoY+226.8%)で、増収増益で着地した。通期目標の達成に向けて、売上・利益ともに順調に推移している。
セグメント別または事業別の増減要因
当社は「sinops事業」の単一セグメントである。
コアサービスである「sinops-CLOUD」では既存ユーザーのアップセル・クロスセルや新規ユーザーへの導入が主要因となり、売上が拡大。ARRも14.3%増と成長を継続している。また、既存ユーザーの製品ライセンス追加によりパッケージ売上が大幅に増加したこと及びクラウド売上の拡大により、売上総利益が大きく増加している。お客様の導入効果に対して費用をいただく基本方針に変更はないが、足元の人件費上昇や物価高等の情勢を鑑み、物価上昇に見合うだけの価格転化などは適宜検討する。
中長期を見据えた新規サービスである「DeCM-PF」では、物流業界の「2024年問題」や食品流通の持続性確保への課題に対応するためニーズが高まっており、官民連携した実証プロジェクトによるサービス拡張や、営業活動を進めている。
同様に「sinops-WLMS」では、小売業における労働需給のひっ迫や人件費・物流費の上昇が続く中、人時生産性の改善・向上ニーズが高く、既存・新規ユーザーへの提案、実証実験を行い、収益化への取り組みを着実に進めている。
主要KPIの進捗と変化
収益の安定性と成長性を示すストック型指標である「ARR」が、既存ユーザーへのクラウド製品追加・店舗展開 、および新規ユーザーとのクラウド契約により着実に進捗している。
また、ARRは店舗数×導入サービス数×単価で構成されている。クラウド各サービスの導入期間短縮の取り組みが功を奏し、「既存ユーザーの店舗あたりのサービス数」が4.1サービス(YoY+0.5アカウント)に増加しており、これは新規顧客獲得だけでなく既存顧客のクロスセルも順調に進んでいることを示している。
季節性・一過性要因の有無と影響
第3四半期には、一過性要因は特に発生していない。
なお、長期預金500百万円を流動資産に振り替えているが、これは当該預金が満期日までの期間が1年未満となったことによる会計上の処理によるものであり、特定の用途のためのものではない。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績目標に対する進捗率は、売上高が69.3%、営業利益が58.4%であり、ほぼ想定通りに進捗している。
前年比では大きく向上しているものの、営業利益の進捗率58.4%は通期予想に対しては一見低いように見えるが、期末に向けて導入支援・クラウドの売上規模が大きくなることに伴い、固定費比率も低下し、利益の絶対額及び利益率の改善を見込んでおり、現状の進捗は計画の範囲内であると認識している。クラウド案件の受注が本格化しはじめたことでARRは14.3%増の1,513百万円と積み上がっている。未達リスクとしては、導入支援売上の期ずれリスクがある。大型のプロジェクトに係る導入支援売上等が、顧客側の検討期間の延長や経営判断の変更等により、翌期へ繰り延べられるリスクが存在するが、昨年度の反省を踏まえ、特定の単一案件の動向で業績予想が大幅修正となるような予算組みは避けている。
トピックス
中長期成長に向けて事業領域を拡大する新サービス「DeCM-PF」「sinops-WLMS」がそれぞれ進捗している。
「DeCM-PF」は伊藤忠商事と共同で提供する、食品ディマンドチェーンマネジメント(DeCM)構築のためのプラットフォームであり、需要予測を活用して製・配・販を最適化することを目的としている。機能拡大に向けて官民連携した実証プロジェクトを実施しており、段階的なサービス拡充や収益化が進んでいる。「sinops-WLMS」は小売業の人時生産性改善・向上を目的としたAIサービスであり、拡販や機能拡充を継続し小売業のお客様から好感をいただいている。
【2025年12月期第3四半期】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)は何でしょうか?
A:成長戦略のポイントは、中長期成長に向けた新サービスの「DeCM-PF」「sinops-WLMS」です。当社は「sinops事業」の単一セグメントであり、sinopsシリーズを中心に事業成長してきましたが、中長期成長には競合優位性のあるsinopsシリーズの需要予測をコア技術とした事業領域拡大が必須だと考えております。2025年12月期は新サービスの拡充・実証を行い、2026年以降の事業の柱となるよう育てています。
※「DeCM-PF」は、伊藤忠商事と提携し、小売業の需要予測を、卸売業や製造業に連携することで食品流通の課題を解決し、食品バリューチェ―ンを最適化するプラットフォームです。需要予測データを活用し、小売業者から卸売業者やメーカーへの発注リードタイムを大幅に延長します。これにより、メーカーは無駄な在庫を抱えることがなくなるので、無駄な在庫を削減できたメーカーから利用料をいただき、その一部を小売業者に還元するシェアモデルを実施しております。小売業者に直接改善効果が出るものではなく、全体最適の効果を間接的に還元するモデルであるため、浸透には時間がかかりますが、その分、完成した際には在庫に関するインフラとして、他社の追随を許さない優位性が確立できると考えています。
※「sinops-WLMS」は、「作業」と「ヒト」に焦点をあて、人時生産性改善・向上を目的とした人的資源最大化AIサービスです。より少ないコスト(人時数)で最大のパフォーマンス(収益向上)を実現するための現場マネジメントを支援し、小売業の人手不足問題へ貢献します。
Q:通期業績の見通についてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想は、売上高は2,120百万円(YoY+19.3%)、営業利益は355百万円(YoY+129.2%)、経常利益は356百万円(YoY+130.0%)当期純利益は248百万円(YoY+129.1%)で変更ございません。
Q:受注・競合状況についてご説明ください。
A:小売業界での業務効率化・食品ロス削減ニーズは引き続き高く、「sinops-CLOUD」シリーズのPoC中の案件ボリュームは、「規模×件数の総計」で見て概ね横ばいで堅調に推移しています。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営方針として、需要予測をコア技術として、サプライチェーン全体でのデータ活用を目指しています。この目標を実現するために、以下の2つの方針を掲げ、成長を推進しています。
① 中長期成長に向けて、コア技術を活用した事業領域の拡大
食品バリューチェーン最適化サービス「DeCM-PF」は、今期は定番品LT長期化や、物量コントロールに向けた3つのサービス機能の収益化を目標としており、経済産業省の補助事業にも採択され、物流効率化に向けた実証を進めています。
人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」は、「作業」と「ヒト」に焦点をあて、人時生産性改善・向上を目的としたAIサービスであり、中長期の事業として既存・新規ユーザーへの拡販・実証実験を継続しています。
② 既存クラウドサービスで年20%〜25%の売上成長を維持
ARRは、2025年目標の1,700百万円に向けて、1,513百万円(前年比+14.3%)まで進捗しました 。ARR向上に向けて重要となる店舗あたりサービス数拡大についても、クロスセルが進捗しており、4.1まで順調に増加しました。また、既存顧客からの収益増減を示すNRRは101.1%(3Q平均)と、100%超を維持しています 。
‐
IR担当

企業名
上場市場 証券コード
決算日
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決算概要
2025年12月期第2四半期は、売上高995百万円で前年同期比20.7%増加、営業利益178百万円で同647.5%増加、経常利益179百万円で同641.3%増加、中間純利益115百万円で同718.7%増加と、大幅な増収増益を達成した。この要因の1つは、期首の計画にはなかった「sinops」シリーズの周辺サービスである賞味期限チェックサービスが、ユーザーの要望により導入されたことでパッケージ売上高が増加したことである。このシステムは、商品の賞味期限の確認業務を支援するものである。また、既存ユーザーのアップセル・クロスセルが順調に進捗したことや、クラウド売上拡大に伴う通信費の増加が製品改善により抑制できたこと等によりコストの増加が抑えられたことも増収増益の要因として寄与している。
セグメント別または事業別の増減要因
人的資本に関するサービス(sinops-WLMS)は、小売業全体をターゲットにしており 、ホームセンター系の複数の顧客でトライアルが決まっている。ホームセンターはスーパーに比べて利益率がかなり高い傾向にあるため、業績の良い企業との契約につながっている。
主要KPIの進捗と変化
第2四半期までのARR(年間経常収益)はほぼ順調。第3、第4四半期に向けては、ターゲットである小売業がインフレ、人件費上昇などの影響を受けていることからプラス面とマイナス面の両方が見られる。プラス面としては、業績の良い顧客は利益率改善のための投資意欲がさらに高まっており、横展開や新サービス追加検討の声が増加している。一方、マイナス面としては、今期の見通しが若干弱くなってきた企業が、サービス導入のペースを緩める懸念がある。採用状況は、第2四半期時点では計画に対して10名弱の未達であり、中途採用が計画を下回った。
季節性・一過性要因の有無と影響
業績に大きく影響する一過性の要因はなさそうである。季節性の要因もあまりない。猛暑や大雨による顧客の売上鈍化はあったが、当社のサービス利用を停止することにはつながっておらず、むしろ顧客への支援を通じて関係性の強化につながっている。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想について、昨年11月に業績予想を修正したような事態は避ける方針であり、現時点ではその可能性はなさそうであると述べている。
トピックス
当社は、サプライチェーン全体の最適化を推進する「DeCM-PF」プロジェクトに注力している。当社の予測データを活用し、小売業者から卸売業者やメーカーへの発注リードタイムを大幅に延長することで、無駄な在庫を削減することを目指している。特売品の発注リードタイムを14日まで延長するサービスの先行事例が成功し 、参加メーカーは100社を突破した。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社は、需要予測・自動発注サービス「sinops」シリーズで業績を拡大しています。需要予測市場で安定シェアを獲得した後も長期的に成長を継続できるよう、既存サービス以外への事業拡大と、サプライチェーン全体のDX化を推進しています。
当社の今期のパッケージ売上高成長をけん引したのは、「sinops」シリーズの周辺サービスである賞味期限チェックサービスです。期首の計画にはなかったものの、当社の需要予測・自動発注の周辺サービスとして提供している賞味期限チェックサービスのパッケージが、ユーザーからの要望によって導入されました。このパッケージにより、手作業で月におよそ100時間かかっていた賞味期限チェック業務を15分の1に短縮できます。このサービスは今後も人手不足に悩むスーパーマーケットからニーズがあると考えております。
また、当社の長期的な成長戦略の核となるのは、サプライチェーン全体を最適化する「DeCM-PF」プロジェクトと、人的資源最大化AIサービス「WLMS」です。
「DeCM-PF」は当社の自動発注システムが持つ正確な需要予測データを活用し、小売業者から卸売業者やメーカーへの発注リードタイムを大幅に延長します。これにより、メーカーは無駄な在庫を抱えることがなくなります。無駄な在庫を削減できたメーカーから利用料をいただき、その一部を小売業者に還元するシェアモデルを実施しております。この取り組みは当社の小売ユーザー2社で成功しており、今後は特に大手のユーザーに拡大していく予定です。小売業者に直接改善効果が出るものではなく、全体最適の効果を間接的に還元するモデルであるため、浸透には時間がかかりますが、その分、完成した際には在庫に関するインフラとして、他社の追随を許さない優位性が確立できると考えています。
Q:通期業績の見通しについてご説明ください。
A:現時点で具体的な数字は申し上げられませんが、去年11月に業績予想の修正を発表したようなことがないように取り組んでおり、現時点ではその可能性はなさそうです。
当社のARR(年間経常収益)は、第2 四半期までは順調に推移しましたが、第3、第4四半期に向けてプラス面とマイナス面の両方が出ています。プラス面としては、業績が良いお客様ほど横展開や新しいサービスの追加導入を前倒しで進めたいという声が増えています。一方で、マイナス面としては、今期の見通しが若干弱くなってきた企業から、サービス導入のペースを緩めたいという話が来ることが懸念されます。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aについては検討を進めています。当社の売上を数倍にするような大きな案件はすぐには見当たらず、現状は社員数と同規模の、非常に効果がありそうな案件が複数ある状況です。
取材者:まず初めに、2025年12月期第2四半期の決算状況についてお伺いいたします。売上高は995百万円で、前年同期比20.7%の増加です。営業利益は178百万円で同647.5%の増加、経常利益は179百万円で同641.3%の増加、中間純利益は115百万円で同718.7%の増加となりました。
大幅な増収増益であり、業績予想に向けても順調な進捗だと存じます。増減の要因についてご説明をお願いできますか?
回答者:増減の要因は、まずパッケージの部分です。期首の計画にはなかったパッケージ案件が、ユーザー様からの要望により導入が決定したことが、増加の大きな要因となりました。このシステムは、食品 の賞味期限チェック業務を支援するものです。この業務を全て手作業で行うと、月におよそ100時間かかります。当社のシステムでは、その時点で、直近で期限が切れる商品を登録しておくことで、次の確認が必要になるタイミングをシステムが把握します。これにより、毎月チェックする必要がなくなり、チェック時間を15分の1に短縮できます。これは、人手不足に悩むスーパーマーケットのニーズに合致しており、今回は比較的規模の大きいお客様だったこともあり、大きな商談となりました。
取材者:その商談は、既存のユーザー様との関係強化による横展開がうまくいったという認識でよろしいですか?
回答者:はい、おっしゃる通りです。当社と良好な関係を築いている既存のユーザー様からお声がけをいただきました。
取材者:前回お話いただいた際に、今後は人的資本に関わるサービスをどんどん提供していきたいというお話がありましたが、そちらの進捗はいかがですか?
回答者:そちらについては、今年はまずトライアルを実施するユーザーと契約を結び、しっかりと効果を証明し、利用料契約に進むことをミッションとしています。すでに複数のユーザー様でトライアルを開始しています。計画に対してほぼ順調に進んでいると考えています。当初は主にスーパーマーケットをターゲットにしていましたが、純粋なスーパーマーケットは1社で、残りはホームセンター系の複数のお客様でトライアルが決まりました。若干見込みとはずれていますが、ホームセンターはスーパーに比べて利益率がかなり高い傾向にあります。契約してくれたユーザーは業績が良い企業が多く、業績が悪いお客様は「ぜひやりたいが、今期は予算が確保できない」といった理由で導入が延期になるケースがあります。
取材者:人的資本以外のサービスについて、スーパーマーケット以外への販路拡大の進捗はいかがですか?
回答者:自動発注系サービスにつきましては、スーパーマーケット以外の専門店、具体的にはドラッグストア、コンビニ、家電量販店などで少し成果が見え始めていますが、今期は食品スーパーマーケットを最優先に営業活動を進めています。
取材者:サービスの増加やクラウド利用店舗数の増加に伴う、前期比での人員の採用状況の推移はいかがですか?
回答者:人員数は、それほど大きく伸びてはいません。
取材者:計画と比較してはいかがですか?
回答者:計画と比較して、10名弱の未達となっています。
取材者:計画に届かなかった要因はどのようなところにあるとお考えですか?
回答者:新卒採用は計画通り10名ほど採用できましたが、中途採用が計画を下回りました。退職者を見込んで多めに採用計画を立てていましたが、昨今の売り手市場で一定数の退職があったこともあり、人員数を伸ばせませんでした。
取材者:下期に向けて採用をさらに強化していくご予定ですか?
回答者:はい、採用は強化していきます。一方で、既存業務の効率化も進めており、管理職を含めて少ない人員でも対応できるように業務の見直しを行っています。また、生成AIなどの新しい技術も活用し、当初の計画よりも少ない人員で業務を回せているという現状もあります。今後はこの実態をしっかり見極めて、今後の採用計画に反映していきたいと考えています。
取材者:貴社が重要視しているARRの推移について、計画に対する進捗はいかがですか?
回答者:第2四半期まではほぼ順調でしたが、第3、第4四半期に向けてはプラス面とマイナス面の両方が出ています。プラス面としては、業績が良いお客様ほど横展開を前倒しで進めたい、あるいは新しいサービスを追加で検討したいという声が増えています。一方、マイナス面としては、今期の見通しが若干弱くなってきた企業様から、サービス導入のペースを緩めたい、あるいは下期の導入が微妙だといった話がいくつか来る懸念があります。営業担当は計画を上回るように尽力していますが、まだまだ予断を許さない状況です。
取材者:その他に業績に影響を与えた一過性の要因や季節性の要因はございますか?
回答者:季節性の要因はあまりないと思います。今年は猛暑でしたが、暑すぎるとスーパーの売り上げは鈍化する傾向にあります。水不足などで食料品よりまず水をという購買行動になったり、傷みやすいものを買いたがらないといった影響が各お客様から出ましたが、それが当社のサービス利用を停止することにつながるような話は一切聞いておりません。大雨などの際も、一時的な閉店などを行うお客様への支援も行なっており、そういった活動は高く評価されています。
取材者:逆にそういった状況が、関係性の強化につながったということですね。
回答者:毎年何かしらの一時的な要因はありますが、今のところ業績に大きく影響するような一過性の要因はなさそうです。去年は本社移転後に退職者が予定外に多かったということがありましたが、今年はそういった大きな環境変化がありません。
取材者:ARR以外に重要視している指標はございますか?
回答者:公式な指標にはしていませんが、お客様が当社のサービスをどの程度活用しているかという、「発注勧告の採用率」を把握しています。サービスの利用が進んでいない状態が続くと解約リスクが高まるため、その数値を追っています。例えば100店舗あるお客様のうち、10店舗ほどは新店舗などでまだうまく使えていないという状況があるため、CS活動のチームを作り、弊社から「この店舗はこういう状況ですが大丈夫でしょうか?」と積極的に働きかける取り組みを本格的に始めています。
取材者:業績予想の見通しはいかがですか?
回答者:現時点で何%という具体的な数字は申し上げられませんが、去年11月に業績予想の修正を発表したようなことがないように取り組んでいます。現時点ではその可能性はなさそうだというふうに考えております。
取材者:M&Aや業務提携の実施の有無や検討状況について、お答えできる範囲でお聞かせいただけますか?
回答者:M&Aについても検討はしております。当社の売上を数倍にするような大きな案件はすぐには見当たらず、現状は社員数と同規模の、非常に効果がありそうな案件が複数あるといった状況です。
取材者:株主還元の方針について変更はございましたか?
回答者:従来の計画通り、配当性向40%を維持し、今年は去年から1円増配の年間16円の配当を予定しております。
取材者:最後に、足元の状況で何かトピックスやニュースリリースはございますか?
回答者:はい、DeCM-PFのプロジェクトに力を入れています。当社の自動発注システムは、人が発注するよりも正確な需要予測が可能です。この予測データを活用して、製販連携(製造・販売の連携)を進めています。従来、小売業者が需要予測を卸売業者やメーカーに共有しても、それが確定した発注ではないため、在庫確保に繋がらずあまり活用が進まないという問題がありました。当社はこの慣習を変えようと、小売業者から卸売業者やメーカーへの発注リードタイムを大幅に伸ばす取り組みを進めています。例えば、特売品については、従来の6日程度から14日まで延長することに成功しました。従来は直前に追加発注が50%程度発生していましたが、当社のサービスを導入した企業では、2週間前に発注が確定し、直前の追加発注は数パーセントにまで抑えられています。このインパクトが大きかったため、参加メーカーが100社を突破しました。
当社のシステムは、需要予測をした上で小売業者に発注を確定してもらうため、それが確定した発注データとして卸売業者やメーカーに流れます。従来のように、「1万ケース買うかも」という不確定な情報ではなく、実際の確定発注が流れるため、卸売業者やメーカーは無駄な在庫を抱えることがなくなります。
この取り組みは当社の小売ユーザー2社で成功しており、今後は特に大手のユーザー様に拡大していく予定です。自動発注システム自体は他社も提供していますが、当社の目指す「DeCM-PF」は単なる自動発注ではなく、小売業者を中心としたサプライチェーン全体のインフラを構築するものです。このインフラが完成すれば、他社の追随を許さない優位性が確立できると考えています。また、この取り組みのメリットとして、メーカーから利用料をいただき、その一部を小売業者に還元するシェアモデルをこの2社で実施しています。これにより、小売業者にも実利があり、メーカーや卸売業者は負担が減り、物流業務の効率も上がります。こうした効果によって、当社のシステムを導入する動機が、自社の業務改善だけでなく、サプライチェーン全体の改善への貢献へと変わっていくことを目指しています。
取材者:検証期間が終わり、今期から本格的に提案を進めていくということですか?
回答者:はい、そうです。今はこの取り組みをさらに進めており、特売品だけでなく、定番商品の発注リードタイムも伸ばそうとしています。従来の1日、2日から、7日まで延長することを目指しています。
この取り組みが成功すれば、卸売業者やメーカーは予測をすることなく、発注を受けてから手配すればよい受注生産に切り替えられます。これにより、さらなる業務改善が進みます。また、卸売業者から見たら7日前に発注勧告が確定し、小売業者の発注担当者から見たら今まで通りのタイミングで発注勧告が来るという実質リードタイムを伸ばす試みも、ある小売業者様で実験中です。
取材者:そういった先の部分に関しても、結果が出るのはもう少し先ですか?
回答者:実験については今期、この秋口には成果が出ると思います。経産省の補助事業にも選ばれており、来年3月にはレポートを出すことになっていますので、そちらでも公開できるかと思います。
取材者:承知いたしました。結果なども非常に楽しみです。
回答者:ここまで進めば、卸売業者やメーカーは受注してから発注する業務が自動化できますので、クレームがなくなります。実は、隠れた問題として卸売業者やメーカーの受注担当者の高齢化があり、若手はクレームを言われるため定着しないという悩みがありました。このサービスを使い始めてからは、小売業者が欠品しないため、不用意な追加発注でも在庫がなくても、小売業者は「貴社は悪くない」と言ってくれるようになり、怒られなくなったそうです。
取材者:そういった影響もあるのですね。
回答者:はい。現場では「ぜひ進めてほしい」という反応が多いです。今までは理不尽な急な大量発注など、業界的にグレーで許されていたことがありましたが、このサービスを導入すれば、誰かが我慢するのではなく、皆で利益をシェアしながら効率的な運営ができるようになります。
代表取締役社長 岡本数彦 様
管理部管掌取締役 武谷克裕 様

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
決算概要
2025年12月期第1四半期の売上高は454百万円(YoY+17.6%)、営業利益は43百万円(YoY +438.0%)、経常利益は44百万円(YoY+461.5%)で、増収増益で着地した。通期目標の達成に向けて、売上・利益ともに順調に推移している。
セグメント別または事業別の増減要因
当社は「sinops事業」の単一セグメントである。ターゲットである小売業の生産性の向上・業務効率化のためのIT投資は引き続き高い水準で推移しており、sinopsシリーズは順調に導入拡大。お客様の導入効果に対して費用をいただく基本方針に変更はないが、足元の人件費上昇や物価高等の情勢を鑑み、物価上昇に見合うだけの価格転化などは適宜検討する。
主要KPIの進捗と変化
通期業績目標に対する進捗率は、売上高が21.4%、営業利益が12.3%である。売上高・営業利益ともほぼ想定通りに進捗している。また、営業利益率が9.6%(YoY+7.5pt増)まで向上した要因としては、クラウド売上拡大に伴う通信費の増加が製品改善により抑えられていること及び利益率の高いパッケージ売上高を計上したことが貢献している。
主要なKPIとしては、ARR(ストック売上)の着実な増加が注視すべき指標である。ARRは店舗数×導入サービス数×単価で構成されており、先行指標は非開示であるものの、既存ユーザーの店舗あたりのサービス数が3.9サービス(YoY+0.6アカウント)に増加しており、これは新規顧客獲得だけでなく既存顧客のクロスセルも順調に進んでいることを示している。
季節性・一過性要因の有無と影響
第1四半期には、一過性要因は特に発生していない。
※大規模な企業であるほど、システム導入の意思決定プロセスに時間を要するため、小売業の決算期が多い2月から商談を開始した場合、システム稼働開始が12月頃になることも多く、当社としての売上計上時期も下期に偏重する傾向があった。パッケージのライセンス一括販売では売上偏重が顕著に表れてしまうため、初期投資が抑えられるクラウドサービスをメインとするようビジネスモデル転換を行い、現在では季節性は緩和されている。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績目標に対して、前年比では大きく向上しているものの、営業利益の進捗率は12.3%である。期末に向けて導入支援・クラウドの売上規模が大きくなることに伴い、固定費比率も低下し、利益の絶対額及び利益率の改善を見込んでいる。通期の営業利益率は16.7%で計画に変更はない。クラウド案件の受注が本格化する見込みの第3四半期以降の業績進捗が、通期目標の達成度を左右する要素となる。
トピックス
今後の中長期成長を担う新サービス「DeCM-PF」「sinops-WLMS」がそれぞれ進捗している。
「DeCM-PF」は参画メーカー数が順調に増加し、当初はトップ30社のメーカー参画を目指していたが、大きく上振れし、3倍以上の社数のメーカーが参画。今期は「定番品LT長期化」や、物量コントロールに向けた3つのサービス(店舗納品平準化、店舗発注数量丸め、店舗発注曜日固定等の機能)の収益化を目標に、サービスを拡充する。「sinops-WLMS」は拡販に向けた実証実験を継続。全47店舗に「sinops-CLOUD」を導入完了したエバグリーン廣甚でも実証実験開始に好感をいただいている。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:成長戦略のポイントは、中長期成長に向けた新サービスの「DeCM-PF」「sinops-WLMS」です。当社は「sinops事業」の単一セグメントであり、sinopsシリーズを中心に事業成長してきましたが、中長期成長には競合優位性のあるsinopsシリーズの需要予測をコア技術とした事業領域拡大が必須だと考えております。2025年12月期は新サービスの拡充・実証を行い、2026年以降の事業の柱となるよう育てています。
※「DeCM-PF」は、小売業の需要予測を、卸売業や製造業に連携することで食品流通の課題を解決し、食品バリューチェ―ンを最適化するプラットフォームです。伊藤忠商事と提携し、卸売業の在庫調整業務の負荷軽減や、車両及びドライバーの手配の計画性の向上、物流センターの過剰在庫や欠品リスクの抑制に貢献します。
※「sinops-WLMS」は、「作業」と「ヒト」に焦点をあて、人時生産性改善・向上を目的とした人的資源最大化AIサービスです。より少ないコスト(人時数)で最大のパフォーマンス(収益向上)を実現するための現場マネジメントを支援し、小売業の人手不足問題へ貢献します。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想では、売上高は2,120百万円(YoY+19.3%)、営業利益は355百万円(YoY+129.2%)、経常利益は356百万円(YoY+130.0%)当期純利益は248百万円(YoY+129.1%)を計画しております。2024年12月期はクラウド大規模案件の検討期間延長のため対前年で売上高が+2.8%増にとどまりましたが、今期は売上の下振れ要因となりそうな案件を極力排した業績予想となっており、やや保守的に設定しております。
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IR担当

企業名
上場市場 証券コード
決算日
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
シノプスは、世界中の無駄を10%削減するという目標を掲げ、需要予測に基づく自動発注システムを提供している企業です。同社のシステムは、小売業における在庫管理の効率化に大きく貢献しており、長年の経験と実績に基づいた高い精度を誇る。
創業の経緯と転機となった出来事
創業者は、33歳の時に画像処理装置の製造販売を目的として会社を設立したが、その後、物流関係の在庫最適化というマーケットに出会い、需要予測による在庫の最適化という現在の事業に転換した。 「sinops」開発のきっかけは、ある卸売業の会社を訪れた際、山積みの在庫をたった一人で管理しているのを目の当たりにしたことで、在庫管理のソフトウェアを提案できないか考えたことだった。 当時は、在庫数を把握するだけのシステムはあっても、需要予測は人間の経験と勘に頼るしかなく、世の中にないなら、自分でつくってしまえ、ということで開発に着手した。
特徴や強み
シノプスは、KPIを設定し、お客様と共有することで、導入効果を明確化している。 また、比較的簡易な需要予測で対応可能な一般食品や雑貨だけでなく、日配品や惣菜など、賞味期限が短く需要予測が難しいといわれていた商品カテゴリでも需要予測を可能にすることで、効果の大きいロス削減にも取り組んでいる。
成長戦略
伊藤忠商事と連携し、小売業の販売データを地域ごとに最適化し、メーカーの生産計画に役立てることを目指してDeCM-PFサービスを開始している。 これにより、バリューチェーン全体の最適化を実現する。 シェア率や契約店舗数を増やすために、費用対効果の高いサービスを提供することに重点を置き、「ないと困る」機能やサービスを優先的に開発し、お客様に提供している。
株主還元策
配当性向40%を目安に、継続的な配当を実施していく方針である。
今期の取り組みやトピックス
今後は、需要予測に基づく自動発注システムに加え、現場の人の最適化に焦点を当てたサービスを展開していく。 具体的には、スーパーマーケットなどの店舗における、シフト作成や作業スケジュールの効率化を支援するサービスである。
さらに、モノの最適化だけでなくヒトの最適化に向けて、人的資源最大化AIサービスなど、新たな事業領域にも積極的に進出しており、今後の成長が期待される。
Q:貴社の事業内容、ビジネスモデル、特徴、強みをご説明ください。
A:当社は、食品や一般消費財の販売実績を元に需要量を予測し、日々の発注数を決定するシステムを提供しています。このシステムは、商品一点一点の需要量を予測し、お客様に様々なデータを提供することで、在庫の最適化を実現します。在庫管理は、企業のキャッシュフローに大きな影響を与えるため、最適な形でコントロールすることが重要です。当社は、近未来の需要予測を行い、必要な物を必要なだけ発注することを可能にしています。
Q:貴社が在庫管理において注力している点はどのような点ですか。
A:在庫管理は、単に在庫数を把握するだけでは不十分です。重要なのは、商品の需要量を予測し、適切な補充、保有、廃棄、値引きなどのアクションにつなげることです。当社は、在庫管理を有機的なお金の使い方につなげることが重要だと考えています。
Q:貴社の創業の経緯をご説明ください。
A:私は33歳の時に画像処理装置の製造販売を目的として会社を設立しましたが、その後、物流関係の在庫最適化というマーケットに出会い、需要予測による在庫の最適化という現在の事業に転換しました。
Q:全く異なる業態に移る中で、苦労された点はどのような点ですか。
A:当初は画像処理装置のハードウェアの製造開発に注力していましたが、「sinops」開発のきっかけとなったのは、ある卸売業の会社を訪れた際、山積みの在庫をたったひとりで管理しているのを目の当たりにしたことです。そこで在庫管理のソフトウェアを提案できないか調べてみると、在庫数を把握するだけのシステムはあっても、需要予測は人間の経験と勘に頼るしかありませんでした。世の中にないなら、自分でつくってしまえ、ということで開発に着手しました。大学の卒業論文で需要予測と在庫最適化を取り扱った知見を活かし、半年ほどを経てようやく完成したのがsinopsの先駆けとなる製品でした。
Q:需要予測を勘案した発注システムは、当時としては先駆的な取り組みだったと考えられますが、いかがでしょうか。
A:ええ、その通りです。当初は需要予測に基づく自動発注システムは難しいと考えられていましたが、長年の経験と改善改良により、今では多くのお客様に認められています。
Q:メインサービスである需要予測の高度化については、どのような取り組みをされていますか。
A:当社は、KPIを設定し、お客様と共有することで、導入効果を明確化しています。また、比較的簡易な需要予測で対応可能な一般食品や雑貨だけでなく、日配品や惣菜など、賞味期限が短く需要予測が難しいといわれていた商品カテゴリでも需要予測を可能にすることで、効果の大きいロス削減にも取り組んでいます。
Q:メーカーとの連携については、どのような取り組みをされていますか。
A:伊藤忠商事と連携し、小売業の販売データを地域ごとに最適化し、メーカーの生産計画に役立てることを目指してDeCM-PFサービスを開始しています。これにより、バリューチェーン全体の最適化を実現します。
Q:シェア率や契約店舗数を増やすために、どのような取り組みをされていますか。
A:費用対効果の高いサービスを提供することに重点を置いています。「ないと困る」機能やサービスを優先的に開発し、お客様に提供しています。
Q:第3四半期の決算状況について、営業利益と経常利益が前年同期比で減少した要因は何ですか。
A:ある大手との契約が来期にずれ込んだことが、減収の大きな要因です。これに伴い、経常利益も減少しました。
Q:今後の業績見通しについてご説明ください。
A:契約のずれ込みによる影響が大きく、今期の業績目標の達成は難しいと判断したため、2024年11月29日に業績予想の修正を開示いたしました。来期の予算については、現在検討中で、来年2月の通期決算発表時に公表予定です。
Q:株主還元策について、ご説明ください。
A:配当性向40%を目安に、継続的な配当を実施していく方針です。
Q:今後の展開についてご説明ください。
A:需要予測に基づく自動発注システムに加え、今後は現場の人の最適化に焦点を当てたサービスを展開していきます。具体的には、スーパーマーケットなどの店舗における、シフト作成や作業スケジュールの効率化を支援するサービスです。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者: 当社は、食品や一般消費財の販売実績を元に需要量を予測し、日々の発注数を決定するシステムを提供しています。このシステムは、商品一点一点の需要量を予測し、お客様に様々なデータを提供することで、在庫の最適化を実現します。
在庫管理は、企業のキャッシュフローに大きな影響を与えるため、最適な形でコントロールすることが重要です。当社は、近未来の需要予測を行い、必要な物を必要なだけ発注することを可能にしています。
取材者: 在庫管理において、御社はどのような点に注力していますか?
回答者: 在庫管理は、単に在庫数を把握するだけでは不十分です。重要なのは、商品の需要量を予測し、適切な補充、保有、廃棄、値引きなどのアクションにつなげることです。当社は、在庫管理を有機的なお金の使い方につなげることが重要だと考えています。
取材者: 御社の創業の経緯を教えてください。
回答者: 私は33歳の時に画像処理装置の 製造販売を目的として会社を設立しましたが、その後、物流関係の在庫最適化というマーケットに出会い、需要予測による在庫の最適化 という現在の事業に転換しました。
取材者: 全く異なる業態に移る中で、苦労された点はありますか?
回答者: 当初は画像処理装置のハードウェアの 製造開発に注力していましたが、「sinops」開発のきっかけとなったのは、ある卸売業の会社を訪れた際、山積みの在庫をたったひとりで管理しているのを目の当たりにしたことです。そこで在庫管理のソフトウェアを提案できないか調べてみると、在庫数を把握するだけのシステムはあっても、需要予測は人間の経験と勘に頼るしかありませんでした。世の中にないなら、自分でつくってしまえ、ということで開発に着手。大学の卒業論文で需要予測と在庫最適化を取り扱った知見を活かし、半年ほどを経てようやく完成したのがsinopsの先駆けとなる製品でした。
取材者: 需要予測を勘案した発注システムは、当時としては先駆的な取り組みだったのではないでしょうか?
回答者: ええ、その通りです。当初は需要予測に基づく自動発注システムは難しいと考えられていましたが、長年の経験と改善改良により、今では多くのお客様に認められています。
取材者:メインサービスである需要予測の高度化 については、どのような取り組みをされていますか?
回答者: 当社は、KPIを設定し、お客様と共有することで、導入効果を明確化しています。また、比較的簡易な需要予測で対応可能な一般食品や雑貨だけでなく、日配品や惣菜など、賞味期限が 短く 需要予測が難しいといわれていた商品カテゴリでも需要予測を可能にすることで、 効果の大きいロス削減にも取り組んでいます。
取材者: メーカーとの連携については、どのような取り組みをされていますか?
回答者: 伊藤忠商事と連携し、小売業の販売データを地域ごとに最適化し、メーカーの生産計画に役立てることを目指してDeCM-PFサービスを開始しています 。これにより、バリューチェーン全体の最適化を実現します 。
取材者: シェア率や契約店舗数を増やすために、どのような取り組みをされていますか?
回答者: 費用対効果の高いサービスを提供することに重点を置いています。「ないと困る」機能やサービスを優先的に開発し、お客様に提供しています。
取材者: 第3四半期の決算状況について、営業利益と経常利益が前年同期比で減少した要因は何ですか?
回答者: ある大手との契約が来期にずれ込んだことが、減収の大きな要因です。これに伴い、経常利益も減少しました。
取材者: 今後の業績見通しについてはいかがですか?
回答者: 契約のずれ込みによる影響が大きく、今期の業績目標の達成は難しいと判断したため、2024年11月29日に業績予想の修正を開示いたしました。来期の予算については、現在検討中で、来年2月の通期決算発表時に公表予定です。
取材者: 株主還元策については、どのような方針ですか?
回答者: 配当性向40%を目安に、継続的な配当を実施していく方針です。
取材者: 最後に、今後の展開についておしえてください。
回答者:需要予測に基づく自動発注システムに加え、今後は現場の人の最適化に焦点を当てたサービスを展開していきます。具体的には、スーパーマーケットなどの店舗における、シフト作成や作業スケジュールの効率化を支援するサービスです。
代表取締役社長 南谷洋志様
(3/26より代表取締役会長)

(株)シノプス
東証GRT 4428
決算:12月末日
CP&X
【取材日】2026年5月21日
【2026年12月期1Q】
決算概要
2026年12月期第1四半期の売上高は483百万円(YoY+6.5%)、営業利益は26百万円(YoY △39.4%)、経常利益は42百万円(YoY△5.7%)で着地した。一過性の利益貢献が大きいパッケージ売上高が3百万円(YoY△88.2%)に留まった一方で 、中長期的な収益基盤となるクラウド売上高は311百万円(YoY+21.9%)と成長している。通期目標の達成に向けて概ね期初想定通りに推移している。
セグメント別または事業別の増減要因
当社は「sinops事業」の単一セグメントである。ターゲットである小売業の生産性の向上・業務効率化・人手不足対応のためのIT投資は引き続き高い水準で推移しており、sinopsシリーズは順調に導入拡大。お客様の導入効果に対して費用をいただく基本方針に変更はないが、足元の人件費上昇や物価高等の情勢を鑑み、物価上昇に見合うだけの価格転化などは適宜検討する。
主要KPIの進捗と変化
通期業績目標に対する進捗率は、売上高が20.6%、営業利益が6.8%である。売上高・営業利益ともほぼ想定通りに進捗している。また、営業利益率が5.5%(YoY△4.1pt)となった要因としては、利益率の高いパッケージ売上高が昨対比で88.2%減であることが影響しているが、クラウド売上拡大に伴う通信費の増加が製品改善により抑えられていることからメインのクラウド売上高の利益率は向上している。また、経常利益が42百万円となっているが、これは「DeCM-PF」の活用による、経済産業省の「持続可能な物流を支える物流効率化実証事業」の補助金等を営業外収益として計上していることが主要因である。
主要なKPIとしては、ARR(ストック売上)の着実な増加が注視すべき指標である。ARRは店舗数×導入サービス数×単価で構成されており、先行指標は非開示であるものの、既存ユーザーの店舗あたりのサービス数が4.1サービス(YoY+0.2アカウント)に増加しており、これは新規顧客獲得だけでなく既存顧客のクロスセルも順調に進んでいることを示している。
季節性・一過性要因の有無と影響
第1四半期には、一過性要因は特に発生していない。
※大規模な企業であるほど、システム導入の意思決定プロセスに時間を要するため、小売業の決算期が多い2月から商談を開始した場合、システム稼働開始が12月頃になることも多く、当社としての売上計上時期も下期に偏重する傾向があった。パッケージのライセンス一括販売では売上偏重が顕著に表れてしまうため、初期投資が抑えられるクラウドサービスをメインとするようビジネスモデル転換を行い、現在では季節性は緩和されている。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績目標に対して、現在は概ね期初想定通りに進捗している。AIの利活用や業務の見直しによる全社的な効率化を本格化させており、外注費等のコストも軽減する見込みである。また、期末に向けて導入支援・クラウドの売上規模が大きくなることに伴い、固定費比率も低下し、利益の絶対額及び利益率の改善を見込んでいる。通期の営業利益率は16.6%で計画に変更はない。クラウド案件の受注が本格化する見込みの第3四半期以降の業績進捗が、通期目標の達成度を左右する要素となる。
トピックス
来期以降の非連続的な成長を牽引する新規事業「DeCM-PF」「sinops-WLMS」がそれぞれ進捗している。
特に「DeCM-PF」は経済産業省の「持続可能な物流を支える物流効率化実証事業」において実証実験を実施し、小売の需要予測を基にしたメーカーへの発注による物流効率改善効果などを確認した。実証実験の内容や実現した効果の詳細については、2026年3月26日にプレスリリースしている。参画メーカー数は100社を突破しており順調に拡大しているため、収益の源泉となる小売業の参画社数増加に向けて中長期的な営業活動を進める。
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取材アーカイブ
CP&X
【2025年12月期(通期)】
決算概要
2025年12月期通期決算は、売上高2,040百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益309百万円(同99.6%増)、経常利益311百万円(同101.5%増)、当期純利益217百万円(同100.5%増)と、大幅な増益での着地。既存顧客の深耕を通じたクラウド売上高の牽引に加え、製品改善による通信費の効率化や販管費コントロールの徹底が大きく寄与。結果として、営業利益率は前年の8.7%から15.2%へと大幅改善。
セグメント別または事業別の増減要因
主力の自動発注分野において、グロサリー等は普及率が約8~9割に達する一方、惣菜カテゴリーは8〜9割が手作業であり、新規開拓領域としての注力。同領域において先行開発による参入障壁を築き、既に大手小売業2社と契約を獲得して年内の全店展開を予定。また、既存のコスト削減提案に加え、集約データを活用した適正売価・適正品揃え等による売上向上提案のプロトタイプ作成や、スーパーの資金繰り悪化に対応するため動産担保評価企業と提携した在庫資産評価サービス等の多角的な営業活動を展開。
主要KPIの進捗と変化
ストック収益の指標であるARRは1,586百万円(前年同期比18.8%増)へと順調に拡大。既存ユーザーへのアップセル・クロスセルや新規事業の寄与により、クラウド有償アカウント数も13,278件(同1,243件増)へと増加。SaaSのAI代替リスクについては、実店舗における不完全な売り場情報や競合の特売状況といったデータ欠損と、全棚センサー等の完全無人店舗化に伴う莫大なデバイス投資コストが参入障壁となり、当面は当社クラウドサービスの優位性維持と活躍余地の残存。
季節性・一過性要因の有無と影響
導入支援売上高については、前年に大規模案件の導入支援が存在した反動により、前年同期比2.5%の微増にとどまる一時的な成長鈍化の発生。しかしながら、導入支援件数自体は着実に積み上がっており、基盤となるクラウド売上高へのネガティブな影響は皆無。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年12月期の通期予想は、売上高2,344百万円(前年比14.9%増)、営業利益390百万円(同26.1%増)の計画。「sinops-CLOUD」における既存顧客の深耕を通じた安定成長を堅持しつつ、「DeCM-PF」や「WLMS」等の新規事業ならびに経営基盤強化への成長投資を継続。クラウドサービスの粗利改善等にも取り組み、収益性の改善を通じて売上成長を上回る営業利益の成長を見込む強気の見通し。
トピックス
製・配・販のサプライチェーン全体を最適化するプラットフォーム「DeCM-PF」は、発注の2週間前確定による物流正常化と小売業への利用料キャッシュバック還元モデルを構築し、参画企業数が100社を突破。また、作業改善で創出した時間を適正シフトに反映し、スーパーの人件費高騰という根本課題にメスを入れる人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」の展開を推進。従業員のスマートフォンの作業ログを基にAIが翌月シフトを自動作成する仕組みにより、優秀な人材の適正評価と現場全体の生産性底上げを牽引。
【2025年12月期(通期)】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社が保有・集約するデータを活用し、適正売価や適正品揃えなどにより売上向上へアプローチする実験を行っていく予定です。また、キャッシュレス決済の普及等で資金繰りに課題を抱えるスーパーマーケット様に対し、動産担保評価を行う企業と提携して低料金で在庫資産を評価するサービスを検討するなど、多角的なアプローチを仕掛けてまいります。さらに、システム化が遅れている惣菜カテゴリーの自動発注領域において圧倒的なシェアを獲得し、これを起爆剤に既存サービスの強化を図ります。中長期的には、サプライチェーン全体でメリットを享受できるプラットフォーム「DeCM-PF」を展開し、物流に関するすべてのリソースを最適化し続けるインフラとなることを目指しております。加えて、作業改善で削減できた時間を適正なシフト作成に反映し、根本的な人件費削減にメスを入れる人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」の展開も推進してまいります。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:昨今のAI技術の進化により、完全なデータが存在する領域のSaaSサービスは容易にAIに代替される可能性があると認識しております。しかしながら、当社が対象とする実店舗を持つスーパーマーケット様等の領域は、売り場の状況や競合の特売情報などデータ化しにくい不完全な情報が多く、AIが実力を発揮しづらいため、当社の活躍余地は依然として十分に存在します。将来的にすべての棚にセンサー等を備えた完全無人店舗が標準となれば、完全なデータが揃うためAIの脅威に晒される可能性はあります。しかし、ハードウェアやRFIDチップなどの莫大なデバイス費用というコスト問題が障壁となり、投資対効果のバランスが取れないため、短期間でそのような環境が完全に成り立つ状況にはないと考えております。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年12月期は売上高2,344百万円、営業利益390百万円を計画し、新規事業による将来の成長に向けた先行投資を行いながらも増収増益を継続してまいります。「sinops-CLOUD」における既存顧客の深耕によるアップセルやクロスセルを通じて安定成長を堅持し、導入支援売上高の大幅な増加を見込んでおります。また、「DeCM-PF」や「WLMS」等の新規事業ならびに経営基盤強化への成長投資を継続する一方で、クラウドサービスの粗利改善等にも取り組み、収益性の改善を通じて売上成長を上回る営業利益の成長を見込んでおります。なお、ストック収益の指標であるARRについては、既存ユーザーにおける企業統合等に伴う店舗数の変動やサービス見直しの可能性を現時点で織り込み、16.7億円を計画しております。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:当社が主力とする需要予測・自動発注分野において、グロサリー等のカテゴリーでは既に約8割の企業が何らかのシステムを利用し普及が進んでおりますが、惣菜カテゴリーにおいては8割から9割の企業が未だ手作業に依存しております。当社はこの惣菜領域において先駆けて開発に参入し、既に大手小売業2社との契約を獲得して年内の全店展開を予定しております。惣菜分野は後発企業の参入も見られますが、非常に難易度が高く参入障壁は高いと認識しております。また、業界全体を最適化する「DeCM-PF」においては、製・配・販の参画企業数が100社を突破しており、他社が模倣しようとしても数百社のメーカー様から賛同を得ることは容易ではなく、独自の強力な競争優位性が構築できていると自負しております。なお、第三者機関の調査による需要予測や自動発注ツールを対象とした「食品ロス削減ソリューション市場」においては、3年連続で国内シェア1位を獲得しております。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:業務提携の取り組みとして、伊藤忠商事株式会社様と連携し、食品バリューチェーン全体の最適化を目指すプラットフォーム「DeCM-PF」の構築およびサービス拡張を推進しております。この取り組みは同社の他のカンパニーと連携することで、医療・医薬や雑貨など他業種へ展開・応用することも可能であると考えております。また、キャッシュフローに課題を抱えるスーパーマーケット様向けには、動産担保評価を行う企業と新たに提携し、当社のシステムを利用して低料金で在庫資産を評価するサービスも検討しております。さらに、株式会社T-Must様と提携して食品表示ラベル作成支援サービス「sinops-CLOUD FoodCAS」を共同開発し、法令に準じた正確なラベル作成と店舗の業務削減に貢献しております。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:2026年から2028年を対象とする新たな中期経営方針において、「既存事業の成長」に加えて「DeCM-PF」と「sinops-WLMS」に注力し、成長加速の核とすることを掲げております。既存事業である「sinops-CLOUD」を中心とした深耕によるアップセルやクロスセル、および新規顧客獲得を通じて、年平均成長率15%の安定的な成長を堅持いたします。同時に、プラットフォーム化を進める「DeCM-PF」と市場浸透を図る「sinops-WLMS」への投資を強化し、これらが2028年以降の業績に大きく貢献することで非連続的な売上成長を実現する計画です。本計画の実効性を高めるための取り組みとして、「ARRへの貢献」「生産性の向上」「顧客サクセス」の3本柱を推進すべく、2026年1月より新組織体制へと移行し強固な成長基盤の構築に取り組んでおります。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、事業拡大のための成長投資を継続的に推進しつつ、継続的な配当を行うことを基本方針としております。配当性向につきましては、毎期40%前後を目安としております。ストック型売上の堅調な推移や財務体質の強化が進捗したことなどを背景に、2025年12月期の1株当たり年間配当金は予定通り16円00銭とし、2026年12月期につきましては17円00銭と、4期連続となる増配を予定しております。
【2025年12月期(通期)】
取材者:2025年12月期の業績も非常に素晴らしく、利益も倍増されており、本当に素晴らしいと拝見しておりました。前期の業績などを踏まえながら、今後の取り組みも含めて、お話しいただけますか。
回答者:SaaSサービスの中で、AIによって早々に駆逐される分野というのは確かに存在すると考えております。それは、現場の知見や現場とのデータ接続が薄ければ薄いほど簡単に駆逐される領域です。代表的な例が、ネット通販における需要予測や発注の自動化です。これらは現場との接続がほぼ不要で、売り場自体がWebページとして完全にデータ化されています。既存のプレイヤーは「カートに何を入れたか」「何を買わなかったか」といったデータから既存のロジックで分析し、SaaSとして提供していますが、このようなサービスはあっという間にAIに置き換わるでしょう。なぜなら、AIが最も活躍できるのは「完全なデータ」が存在する領域だからです。例えば、AIが登場して世間を驚かせたのが将棋です。プロ棋士を凌駕し、オセロやチェスでも世界一に勝ちました。囲碁や将棋は選択肢が膨大で難しいと言われていましたが、あっという間に人間を超えました。これらがAIの得意分野である理由は、ルールが変わらず、過去の完全なデータである棋譜が膨大に存在するからです。このような、ルールが固定されデータが完全な領域では、AIが既存のSaaSサービスを容易に駆逐していくと考えられます。一方で、当社がサービスを提供しているのは、実店舗を持つユーザー様向けのクラウドサービスです。ここでAIが読み取れないのが、実際の売り場の状況です。どのような売り場で販売していたかはデータ化されておらず、その時の売り場の在庫もほぼデータ化されていないか欠落している状態です。さらに、競合他店がどのような特売を実施していたかなども非常にデータ化しにくい要素です。このような不完全な情報やルールの下で予測を求められても、私自身がAIの立場であれば「完全に読み取れるデータを用意してくれれば応えるが、不完全なデータで予測精度を問われても困る」と言いたくなるはずです。
スーパーマーケット様の運用はリアル店舗に紐付いており、現場の類推や補完が必要な要素が絡むため、AIが参入しても実力を発揮しづらい業界です。したがって、我々が活躍できる余地はまだまだ十分にあります。ただし、最終形態として、アメリカにあるAmazon Goのリアル店舗のような、すべての棚にセンサーと計量器を備え、会計が不要な無人店舗が標準となれば話は別です。その場合、完全なデータが揃うため、当社も対策を怠ればAIに駆逐されることになります。現在、日本でそうした店舗が実験的な数店舗にとどまっている理由は、コスト面で採算が全く合わないからです。全店舗で効果が出るなら巨大資本がとっくに導入しているはずですが、ハードウェアのデバイス費用や、商品にRFIDチップを埋め込む莫大な投資を企業が負担しきれず、何十年も踏み込めていないのが現状です。したがって、その環境が完全に成り立てば当社のサービスが脅かされる可能性は十分にありますが、AIの進化とは別軸のコスト問題があるため、すぐにそうなるわけではないという状況です。
取材者:実は市場でも「SaaSはすべてAIに代替される」という見方から、最近では「そうではない領域もたくさんある」という認識に少し折り返してきているように感じます。貴社はその強みを十分ご理解されていますが、投資家に対して明確に知っていただくことが重要です。
回答者:IRチームとも協議し、イメージ図などもありますので資料に加えていきたいと思います。
私どもはAIに完全なデータが渡りにくい領域におり、仮にデータを渡すための環境を整えるとしても、投資対効果のバランスが取れる状態になりにくいという、この2つの軸でご説明できれば非常に分かりやすいと感じました。
当社がお預かりして集約しているデータを活用し、現在はコスト削減やロス削減による直接的な利益向上がメインサービスですが、お客様からは「売上向上への提案も欲しい」というお声をいただいております。お客様の個別データそのものを他社に提供することはできませんが、集計したデータであれば利用可能という契約になっております。この状況を活用し、適正売価や適正品揃えなど、様々な技術を用いて売上向上へアプローチするプロトタイプを作成し、今後様々な実験を行っていく予定です。
取材者:無駄をなくして経費を削減し、さらに売上向上も提案できるようになれば、もはやコンサルティングの領域ですから、その企業のブレインになれると素晴らしいです。
回答者:スーパーマーケット様も卸売業様も当社のユーザー様ですが、決算報告書には当然在庫が計上されます。これまでは現場へアプローチして結果的に在庫が減るという流れでしたが、現在スーパー様はキャッシュレス決済の手数料負担などでキャッシュフローが悪化している企業もあります。そのため、資産価値がなく売れない滞留在庫をいかに減らすかが重要になっています。必要な商品は残しつつ、滞留在庫を減らすためには、そもそも発生させない仕組みが必要です。そこで、企業のIRや広報、経営企画部門などへアプローチし、「地方の状況はこうなっています。在庫をここまで減らしましょう」といった営業活動も仕掛けていきたいと考えております。
取材者:メーカーと小売りの間に立つ問屋様や商社様にとっても、フィルタリング機能は非常に重要です。貴社が貢献できる領域はまだまだたくさんあります。
回答者:まだニーズが顕在化していない部分もあります。スーパー様の中には資金繰りの問題が出てきているところもあります。以前は現金決済が多くキャッシュリッチでしたが、現在はキャッシュレス決済が増え、手数料が数パーセント引かれ、支払いサイトも1ヶ月から2ヶ月後になるため、手元資金が枯渇気味のスーパー様が増えてきています。そこに対して、当社は動産担保評価を行う企業と提携し、お客様の在庫資産を一定のルールで計算・評価して金額を算出するサービスの提供を検討しております。通常は資産評価だけでも多大な手間と費用がかかりますが、当社のシステムを利用すれば低料金で評価可能です。こうしたサービスを通じてデータを収集しつつ、多角的なアプローチができればと考えております。
続きまして、売上拡大の余地についてご説明いたします。スーパー様のシェアをもっと獲得していくという点に加えて、クロスセルの販売余地に関して、自動発注はかなり浸透しており、グロサリーなど難易度の低い食品カテゴリーの自動発注を含めると、当社や他社のシステムを利用している、あるいは自社開発で対応しているという企業様が8割から9割程度を占め、全くシステム化されていない企業様は10%程度です。一方で、当社が現在主力にしつつある「惣菜カテゴリー」の自動発注については状況が逆で、8割から9割の企業様がまだ手作業で行っており、システム化されておりません。当社はこの領域に先駆けとして開発に参入し、現在大手2社との契約を獲得しており、年内には全店展開の予定ですので、そこで大きく広報活動や宣伝ができると考えております。惣菜カテゴリーは後発企業も参入してきてはおりますが、非常に難易度が高い分野で、参入障壁はそれなりに高いと認識しております。まず当社がここで圧倒的なシェアを獲得し、これを起爆剤として既存サービスの強化や売上向上に繋げていく計画です。
続いて、新サービスの「DeCM-PF」についてご説明いたします。
取材者:ぜひ詳しく教えてください。
回答者:DeCM-PFは、当社の顧客である小売業様に対して展開しております。この領域では約6,600店舗とかなりのシェアを獲得しております。実態として、現在、小売業様が物流効率を上げることも下げることもできる状態です。具体的には、直前に大量の緊急発注を行うことができるのです。例えば、通常100円で販売している商品を80円で仕入れているとします。特売で70円で販売する場合、仕入れ単価が80円のままでは赤字になるため、卸売業様に交渉して仕入れ単価を60円にしてもらいます。通常、1〜2週間前に発注した分を60円とするのであれば感覚的にも理解できますが、特売の前日に発注した分まで60円で仕入れることができるのです。これが業界の長年の問題でして、小売業様は一度持った権利を手放そうとしません。昔は卸売業様も「そうは問屋が卸さない」という権力を持っていましたが、現在はそれがありません。この不合理ともいえる商習慣が残っていることが、業界の物流が非効率なままになっている大きな原因の一つです。これを解決するためにはどうすべきか。例えば大手飲食チェーンのように、小売機能と製造機能が同一の企業内にある場合は、生産・物流効率を上げるために店舗側でオペレーションを調整します。しかし、日本の小売業様は「物流や生産の効率は自分たちには関係ない」という考え方が現状です。我々が「IT技術を使って2週間前に確定できるデータを届けるので、確定してほしい」と小売業様にお願いしても、「なぜ2週間前に確定しなければならないのか。直前でも良いではないか。我々のメリットは何か」と言われてしまいます。そこで、このDeCM-PFでは、メーカー様や卸売業様にもご賛同いただき、2週間前に確定した物量の何パーセントかを利用料として当社が頂戴し、運営費を差し引いた上で、小売業様にキャッシュバックとしてシェアするモデルを構築しました。つまり、企業間は分断されていても、メリットはサプライチェーン全体で享受できるプラットフォームにしているのです。私は25年ほど前、大手飲食チェーンの食材製造工場のシステムや需要予測にプログラマーとして参加しておりましたが、あちらでは店舗に対して常に物流効率を意識した発注を行わせる仕組みが構築されていました。それを企業間で実現しようというのが、このDeCM-PFです。大手飲食チェーンがなぜそれを行うかといえば、同じ会社である以上、店舗で利益が出ても物流で損失が出ればトータルでマイナスになるからです。しかし日本の流通構造は分断されているため、小売業者は自社のことを優先して考えます。我々はこのシステムを通じて発注を正常化させつつ、最終決定権を持つ小売業者に対して還元する仕組みを作ることで、徐々に自動化された効率的な環境へ誘導しようと取り組んでおります。
取材者:どこかにひずみが出てしまっているのですね。逆に自動車業界で言えば、メーカーが中心となって全てを決めているため、下請けにひずみがいっているような構造ですね。
回答者:小売業界で言えばスーパー様がその歪みの中心におり、彼らの突発的な発注に対して、皆がなんとか耐えようと頑張ってしまっている状態です。車両の確保ができなくても、無理をして手配してしまうのです。そこで小売業様に対して、「このデータを使えば無理な発注をする必要はありませんし、協力してくださればキャッシュバックが得られます」とご提案したところ、「お試しで1回やってみようか」ということで、ようやく大手2社の導入を獲得できました。全店舗に展開し、実際に毎月キャッシュバックをお支払いしています。すると、ようやく実感をしていただけただけでなく、現場から「欠品がなくなった」「緊急車両の手配が不要になった」「ドライバーが楽になった」といった喜びの声が届くようになりました。それを受けて、今度は小売業の経営者様が「これは良い仕組みだから、仲間の企業にも自慢しよう」と、ご自身で積極的に周囲へ広めてくださるようになりました。業界の環境改善に貢献していることや、先進的な取り組みを行っていることを、同業他社にアピールしたくなる心理が働くようです。
取材者:分断されていた業界が、まるで一つのホールディングスカンパニーのように、製造から小売りまで全体を見渡し、どこにもひずみが生じないように循環させる仕組みなのですね。
回答者:まだようやく全体のひずみの1割5分程度がサービス化できた段階です。残り8割5分を解決していかなければならないため大変ですが、非常に社会貢献度が高く、難易度も高い取り組みです。当社だからこそ実現できることであり、他社が「伊藤忠商事社とシノプスがやっているから真似しよう」と言っても、メーカー数百社に説明して賛同を得ることは容易ではなく、実現できないと自負しております。
取材者:この仕組みは、将来的には他の業種や業態にも応用できそうですね。
回答者:十分可能です。現在、伊藤忠商事社の食料カンパニーと協業しておりますが、他にも医療・医薬などを扱うカンパニーがありますし、雑貨系は別のグループ会社が担当されていたりします。そういった部門と連携すれば、同じモデルを別業種へ応用することが可能です。例えば医薬品業界であれば、小売を病院に、卸売をA社などの大手卸に、製造業を医薬品メーカーに置き換えることができます。
取材者:貴社のDeCM-PFの形が確立すれば、小売も卸売も製造業も、無理な競争や消耗戦をしなくて済むようになるかもしれません。
回答者:最終的に私どもは、メーカー様の製造ライン、トラック、物流センター、そしてそこに関わる人々といった、物流に関するすべてのリソースを最適化し続けるインフラになりたいと考えております。「物流に関わる事業を行うなら、このプラットフォームに参画しなければ話にならない」というレベルを目指しています。日本の物流業界で働いている方々は、無理な業務の割り振りをされることが多く、正当な利益を得られている企業はほとんどありません。小売業様の発言力が強いため、業務改善を行ってもその対価を受け取れないのです。そうした状況を改善すれば、物流業界は無理な働き方がなくなり、給与水準も高くなるはずです。それが一つの大きな社会貢献になると考えております。
取材者:決算前になると、問屋がとりあえず売上を立てるために商品を預かったり、小売りからも逆に商品を預かったり、フィルタリングをしてあげたりしています。決算前には大量の返品が発生したり、「利益をコントロールするために一旦仕入れるが後で返品する」といったことも行われています。その狭間にいる物流会社は、「せっかく運んできたのに、まだ持っていかないのか」といった理不尽な対応を迫られ、とんでもない無駄が発生しています。
回答者:全て無駄なのです。そうしたひずみは必ず、間にいる立場の弱いところにやってきます。卸売業様自体の立場が弱く、さらに立場の弱い物流会社様が正当な売上や利益を得られていないケースが非常に多いのです。このDeCM-PFが収益化の大きな柱になるには、まだ少し時間がかかります。2028年まではしっかりと育てていく計画です。
もう一つ事業がありまして、「sinops-WLMS」というサービスです。私どもは25年間自動発注システムを提供してまいりました。プレスリリース等で「このお客様で年間40,000時間の作業時間を削減しました」と発表し、お客様にもその効果を認めていただいております。しかし後になって、「40,000時間削減できたのは事実だ。しかし、時給1,000円だとすれば年間4千万円、あるいは400,000時間削減で4億円の支払いコストが減っているはずなのに、四半期の人件費が全く変わっていない」と指摘されることがありました。私は当初から、「作業時間は削減できるので、浮いた時間を売上向上など何に使うかは、貴社で計画して実行してください」とお伝えしているのですが、それを実行できる企業様が少なかったのです。本来であれば、浮いた時間に付加価値の高い業務を割り当て、無駄な残業をカットし、忙しさのバランスを取り、適正なシフトを組むという活動をしなければ、削減したはずの時間やコストがどこかへ消えてしまいます。それを行うためには、誰が・いつ・何を・何時間働いたかというデータを把握しなければなりません。小売業様において年間売上の約10%を占める支払い人件費(例えば売上100億円の企業なら10億円)の使い道を詳細に分析している企業様は、現状ゼロ社です。そのため、いくら業務改善を行っても最終的な支払い人件費の削減に行き着かないという、日本のスーパー様の業務改善における根本的な課題にメスを入れるのがこのシステムです。具体的な仕組みとしては、従業員の方々にスマートフォンを持っていただき、「今からこの作業をしてください」という指示を出します。作業を開始する際にタップし、予定時間に対して実際に終わった時点で終了をタップしていただきます。終われば次の作業指示が飛んでくる、というルールで運用します。この裏で動いているのが「sinops-WLMS」であり、作業の割り当てや1ヶ月の適正作業時間を計算した上で、翌月のシフトをAIが自動で作成してくれます。つまり、作業改善によって削減できた時間が、翌月のシフトに直接反映される仕組みなのです。
取材者:本当に素晴らしいシステムです。導入された企業様は、一発でその価値をご理解いただけるでしょうし、小売業にとって革命的ですね。「やらざるを得ないからやる」というお気持ちになるのも納得です。
回答者:最初は、働いている方々が「監視されている」と感じて可哀想に思われるのではないかと心配しておりました。しかし、実際に導入してみると、意外にも機嫌良く作業の記録をつけてくださるのです。なぜかというと、非常に優秀で多くの仕事をこなしているパートタイマーや社員の方々は、積極的に記録を入力してくださいます。「これまで自分が懸命にこなしてきた作業量が、ようやく数値として証明されるのか」というお気持ちからです。ゆっくり作業して1時間かかる人と、同じ1時間で多くの作業をこなしている自分が同じ給与であることに不公平感を感じていた方々にとって、このシステムが自分たちの働きを証明してくれるツールになるのです。
逆に、それ以外の2割や3割の方々も、優秀な方々が記録をつけ始めると、「あの人たちがやっているなら自分もやらなければ」という心理になり、やらざるを得なくなります。
上位3割くらいの方々が非常に積極的にシステムを利用してくださいます。残りの4割くらいの方々は「どちらでもいいが、皆がやっているなら自分もやる」という層です。そして、残りの3割くらいに「正直やりたくない」と考える方々がいますが、全体の7割が記録をつけ始めると、やはりやらざるを得ない環境になります。その結果、「あなたはベテランだけれども、数値を見ると生産性が上がっていないので、もう少し頑張る必要がありますね」と面談でフィードバックを受けることになり、ご本人も改善に向けて努力されるようになるケースがほとんどです。導入時に、5%くらいの店長やチーフクラスで「こんなシステムは使わない」と反対する方がいらっしゃいましたが、本部から、「ツールを使いたくないなら使わなくても良い。ただし、他の店舗がツールを使って7%〜10%の改善をしているのだから、君も自力で同等の改善をしろ。3ヶ月でできなければ覚悟しておけ」と伝えられてスタートしました。結果的に、やはり自力ではできず、その方は店長を降りて別の店舗に異動になったり、成功したチームと入れ替わったりしました。
取材者:管理しすぎるのは従業員にとって厳しいですが、わざとゆっくり作業をして時間稼ぎをしているような方々を中程度の水準に引き上げることで、全体の生産性が大きく向上するのですね。全てを最も優秀な人たちの基準に合わせてしまうと厳しすぎますが。
回答者:適正時間のレベルをあえて下げており、「このくらいで良いよ」という基準に設定しています。逆に言えば、それだけでも全体の生産性は飛躍的に向上するのです。本部の担当者様も、「これまでこうした数値を全く把握せずに、何となく改善活動をやったつもりになっていた。このシステムがなければ、今後の改善活動はできない」と大変驚かれていました。電子棚札の導入判断などにおいても、こうしたシステムで費用対効果を評価していなかったため、「人数が減った」と言いながら支払い人件費は変わらず、誰も楽になっていないどころか残業が増えている、という現状にようやく気付かれたのです。
取材者:不動産業界の例でも、様々な物件の転記作業や契約書の入力などを、営業担当者が夜遅くまで手作業で行っていました。本来、営業担当者にとって重要なのは、お客様に物件を案内して接客し、契約をいただくことです。現在はIT化が進み、生産性が飛躍的に向上しました。その結果、一人当たりの接客可能人数が倍増し、売上や利益が大きく上がっています。つまり、余った時間をどのように使わせるかが非常に重要であり、それが売上・利益の向上に繋がれば、単に生産性が上がる以上の価値を生み出します。
回答者:小売業様も現在、人件費の高騰を吸収しきれず苦心されておりますので、売上向上に繋がっていくシステムとして大きく貢献できると考えております。
取材者:お客様であるスーパーの多くはまだアナログで業務を行っていると伺っております。お客様のIT化が進んでいないからこそ、逆にこうしたシステムが求められるのかもしれません。
回答者:引き続きよろしくお願いいたします。
代表取締役社長 岡本 数彦 様
管理管掌取締役 武谷 克裕 様
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CP&X
【2025年12月期第3四半期】
決算概要
2025年12月期第3四半期の売上高は1,468百万円(YoY+15.2%)、営業利益は207百万円(YoY +223.0%)、経常利益は209百万円(YoY+226.8%)で、増収増益で着地した。通期目標の達成に向けて、売上・利益ともに順調に推移している。
セグメント別または事業別の増減要因
当社は「sinops事業」の単一セグメントである。
コアサービスである「sinops-CLOUD」では既存ユーザーのアップセル・クロスセルや新規ユーザーへの導入が主要因となり、売上が拡大。ARRも14.3%増と成長を継続している。また、既存ユーザーの製品ライセンス追加によりパッケージ売上が大幅に増加したこと及びクラウド売上の拡大により、売上総利益が大きく増加している。お客様の導入効果に対して費用をいただく基本方針に変更はないが、足元の人件費上昇や物価高等の情勢を鑑み、物価上昇に見合うだけの価格転化などは適宜検討する。
中長期を見据えた新規サービスである「DeCM-PF」では、物流業界の「2024年問題」や食品流通の持続性確保への課題に対応するためニーズが高まっており、官民連携した実証プロジェクトによるサービス拡張や、営業活動を進めている。
同様に「sinops-WLMS」では、小売業における労働需給のひっ迫や人件費・物流費の上昇が続く中、人時生産性の改善・向上ニーズが高く、既存・新規ユーザーへの提案、実証実験を行い、収益化への取り組みを着実に進めている。
主要KPIの進捗と変化
収益の安定性と成長性を示すストック型指標である「ARR」が、既存ユーザーへのクラウド製品追加・店舗展開 、および新規ユーザーとのクラウド契約により着実に進捗している。
また、ARRは店舗数×導入サービス数×単価で構成されている。クラウド各サービスの導入期間短縮の取り組みが功を奏し、「既存ユーザーの店舗あたりのサービス数」が4.1サービス(YoY+0.5アカウント)に増加しており、これは新規顧客獲得だけでなく既存顧客のクロスセルも順調に進んでいることを示している。
季節性・一過性要因の有無と影響
第3四半期には、一過性要因は特に発生していない。
なお、長期預金500百万円を流動資産に振り替えているが、これは当該預金が満期日までの期間が1年未満となったことによる会計上の処理によるものであり、特定の用途のためのものではない。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績目標に対する進捗率は、売上高が69.3%、営業利益が58.4%であり、ほぼ想定通りに進捗している。
前年比では大きく向上しているものの、営業利益の進捗率58.4%は通期予想に対しては一見低いように見えるが、期末に向けて導入支援・クラウドの売上規模が大きくなることに伴い、固定費比率も低下し、利益の絶対額及び利益率の改善を見込んでおり、現状の進捗は計画の範囲内であると認識している。クラウド案件の受注が本格化しはじめたことでARRは14.3%増の1,513百万円と積み上がっている。未達リスクとしては、導入支援売上の期ずれリスクがある。大型のプロジェクトに係る導入支援売上等が、顧客側の検討期間の延長や経営判断の変更等により、翌期へ繰り延べられるリスクが存在するが、昨年度の反省を踏まえ、特定の単一案件の動向で業績予想が大幅修正となるような予算組みは避けている。
トピックス
中長期成長に向けて事業領域を拡大する新サービス「DeCM-PF」「sinops-WLMS」がそれぞれ進捗している。
「DeCM-PF」は伊藤忠商事と共同で提供する、食品ディマンドチェーンマネジメント(DeCM)構築のためのプラットフォームであり、需要予測を活用して製・配・販を最適化することを目的としている。機能拡大に向けて官民連携した実証プロジェクトを実施しており、段階的なサービス拡充や収益化が進んでいる。「sinops-WLMS」は小売業の人時生産性改善・向上を目的としたAIサービスであり、拡販や機能拡充を継続し小売業のお客様から好感をいただいている。
【2025年12月期第3四半期】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)は何でしょうか?
A:成長戦略のポイントは、中長期成長に向けた新サービスの「DeCM-PF」「sinops-WLMS」です。当社は「sinops事業」の単一セグメントであり、sinopsシリーズを中心に事業成長してきましたが、中長期成長には競合優位性のあるsinopsシリーズの需要予測をコア技術とした事業領域拡大が必須だと考えております。2025年12月期は新サービスの拡充・実証を行い、2026年以降の事業の柱となるよう育てています。
※「DeCM-PF」は、伊藤忠商事と提携し、小売業の需要予測を、卸売業や製造業に連携することで食品流通の課題を解決し、食品バリューチェ―ンを最適化するプラットフォームです。需要予測データを活用し、小売業者から卸売業者やメーカーへの発注リードタイムを大幅に延長します。これにより、メーカーは無駄な在庫を抱えることがなくなるので、無駄な在庫を削減できたメーカーから利用料をいただき、その一部を小売業者に還元するシェアモデルを実施しております。小売業者に直接改善効果が出るものではなく、全体最適の効果を間接的に還元するモデルであるため、浸透には時間がかかりますが、その分、完成した際には在庫に関するインフラとして、他社の追随を許さない優位性が確立できると考えています。
※「sinops-WLMS」は、「作業」と「ヒト」に焦点をあて、人時生産性改善・向上を目的とした人的資源最大化AIサービスです。より少ないコスト(人時数)で最大のパフォーマンス(収益向上)を実現するための現場マネジメントを支援し、小売業の人手不足問題へ貢献します。
Q:通期業績の見通についてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想は、売上高は2,120百万円(YoY+19.3%)、営業利益は355百万円(YoY+129.2%)、経常利益は356百万円(YoY+130.0%)当期純利益は248百万円(YoY+129.1%)で変更ございません。
Q:受注・競合状況についてご説明ください。
A:小売業界での業務効率化・食品ロス削減ニーズは引き続き高く、「sinops-CLOUD」シリーズのPoC中の案件ボリュームは、「規模×件数の総計」で見て概ね横ばいで堅調に推移しています。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営方針として、需要予測をコア技術として、サプライチェーン全体でのデータ活用を目指しています。この目標を実現するために、以下の2つの方針を掲げ、成長を推進しています。
① 中長期成長に向けて、コア技術を活用した事業領域の拡大
食品バリューチェーン最適化サービス「DeCM-PF」は、今期は定番品LT長期化や、物量コントロールに向けた3つのサービス機能の収益化を目標としており、経済産業省の補助事業にも採択され、物流効率化に向けた実証を進めています。
人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」は、「作業」と「ヒト」に焦点をあて、人時生産性改善・向上を目的としたAIサービスであり、中長期の事業として既存・新規ユーザーへの拡販・実証実験を継続しています。
② 既存クラウドサービスで年20%〜25%の売上成長を維持
ARRは、2025年目標の1,700百万円に向けて、1,513百万円(前年比+14.3%)まで進捗しました 。ARR向上に向けて重要となる店舗あたりサービス数拡大についても、クロスセルが進捗しており、4.1まで順調に増加しました。また、既存顧客からの収益増減を示すNRRは101.1%(3Q平均)と、100%超を維持しています 。
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IR担当
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CP&X
決算概要
2025年12月期第2四半期は、売上高995百万円で前年同期比20.7%増加、営業利益178百万円で同647.5%増加、経常利益179百万円で同641.3%増加、中間純利益115百万円で同718.7%増加と、大幅な増収増益を達成した。この要因の1つは、期首の計画にはなかった「sinops」シリーズの周辺サービスである賞味期限チェックサービスが、ユーザーの要望により導入されたことでパッケージ売上高が増加したことである。このシステムは、商品の賞味期限の確認業務を支援するものである。また、既存ユーザーのアップセル・クロスセルが順調に進捗したことや、クラウド売上拡大に伴う通信費の増加が製品改善により抑制できたこと等によりコストの増加が抑えられたことも増収増益の要因として寄与している。
セグメント別または事業別の増減要因
人的資本に関するサービス(sinops-WLMS)は、小売業全体をターゲットにしており 、ホームセンター系の複数の顧客でトライアルが決まっている。ホームセンターはスーパーに比べて利益率がかなり高い傾向にあるため、業績の良い企業との契約につながっている。
主要KPIの進捗と変化
第2四半期までのARR(年間経常収益)はほぼ順調。第3、第4四半期に向けては、ターゲットである小売業がインフレ、人件費上昇などの影響を受けていることからプラス面とマイナス面の両方が見られる。プラス面としては、業績の良い顧客は利益率改善のための投資意欲がさらに高まっており、横展開や新サービス追加検討の声が増加している。一方、マイナス面としては、今期の見通しが若干弱くなってきた企業が、サービス導入のペースを緩める懸念がある。採用状況は、第2四半期時点では計画に対して10名弱の未達であり、中途採用が計画を下回った。
季節性・一過性要因の有無と影響
業績に大きく影響する一過性の要因はなさそうである。季節性の要因もあまりない。猛暑や大雨による顧客の売上鈍化はあったが、当社のサービス利用を停止することにはつながっておらず、むしろ顧客への支援を通じて関係性の強化につながっている。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想について、昨年11月に業績予想を修正したような事態は避ける方針であり、現時点ではその可能性はなさそうであると述べている。
トピックス
当社は、サプライチェーン全体の最適化を推進する「DeCM-PF」プロジェクトに注力している。当社の予測データを活用し、小売業者から卸売業者やメーカーへの発注リードタイムを大幅に延長することで、無駄な在庫を削減することを目指している。特売品の発注リードタイムを14日まで延長するサービスの先行事例が成功し 、参加メーカーは100社を突破した。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社は、需要予測・自動発注サービス「sinops」シリーズで業績を拡大しています。需要予測市場で安定シェアを獲得した後も長期的に成長を継続できるよう、既存サービス以外への事業拡大と、サプライチェーン全体のDX化を推進しています。
当社の今期のパッケージ売上高成長をけん引したのは、「sinops」シリーズの周辺サービスである賞味期限チェックサービスです。期首の計画にはなかったものの、当社の需要予測・自動発注の周辺サービスとして提供している賞味期限チェックサービスのパッケージが、ユーザーからの要望によって導入されました。このパッケージにより、手作業で月におよそ100時間かかっていた賞味期限チェック業務を15分の1に短縮できます。このサービスは今後も人手不足に悩むスーパーマーケットからニーズがあると考えております。
また、当社の長期的な成長戦略の核となるのは、サプライチェーン全体を最適化する「DeCM-PF」プロジェクトと、人的資源最大化AIサービス「WLMS」です。
「DeCM-PF」は当社の自動発注システムが持つ正確な需要予測データを活用し、小売業者から卸売業者やメーカーへの発注リードタイムを大幅に延長します。これにより、メーカーは無駄な在庫を抱えることがなくなります。無駄な在庫を削減できたメーカーから利用料をいただき、その一部を小売業者に還元するシェアモデルを実施しております。この取り組みは当社の小売ユーザー2社で成功しており、今後は特に大手のユーザーに拡大していく予定です。小売業者に直接改善効果が出るものではなく、全体最適の効果を間接的に還元するモデルであるため、浸透には時間がかかりますが、その分、完成した際には在庫に関するインフラとして、他社の追随を許さない優位性が確立できると考えています。
Q:通期業績の見通しについてご説明ください。
A:現時点で具体的な数字は申し上げられませんが、去年11月に業績予想の修正を発表したようなことがないように取り組んでおり、現時点ではその可能性はなさそうです。
当社のARR(年間経常収益)は、第2 四半期までは順調に推移しましたが、第3、第4四半期に向けてプラス面とマイナス面の両方が出ています。プラス面としては、業績が良いお客様ほど横展開や新しいサービスの追加導入を前倒しで進めたいという声が増えています。一方で、マイナス面としては、今期の見通しが若干弱くなってきた企業から、サービス導入のペースを緩めたいという話が来ることが懸念されます。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aについては検討を進めています。当社の売上を数倍にするような大きな案件はすぐには見当たらず、現状は社員数と同規模の、非常に効果がありそうな案件が複数ある状況です。
取材者:まず初めに、2025年12月期第2四半期の決算状況についてお伺いいたします。売上高は995百万円で、前年同期比20.7%の増加です。営業利益は178百万円で同647.5%の増加、経常利益は179百万円で同641.3%の増加、中間純利益は115百万円で同718.7%の増加となりました。
大幅な増収増益であり、業績予想に向けても順調な進捗だと存じます。増減の要因についてご説明をお願いできますか?
回答者:増減の要因は、まずパッケージの部分です。期首の計画にはなかったパッケージ案件が、ユーザー様からの要望により導入が決定したことが、増加の大きな要因となりました。このシステムは、食品 の賞味期限チェック業務を支援するものです。この業務を全て手作業で行うと、月におよそ100時間かかります。当社のシステムでは、その時点で、直近で期限が切れる商品を登録しておくことで、次の確認が必要になるタイミングをシステムが把握します。これにより、毎月チェックする必要がなくなり、チェック時間を15分の1に短縮できます。これは、人手不足に悩むスーパーマーケットのニーズに合致しており、今回は比較的規模の大きいお客様だったこともあり、大きな商談となりました。
取材者:その商談は、既存のユーザー様との関係強化による横展開がうまくいったという認識でよろしいですか?
回答者:はい、おっしゃる通りです。当社と良好な関係を築いている既存のユーザー様からお声がけをいただきました。
取材者:前回お話いただいた際に、今後は人的資本に関わるサービスをどんどん提供していきたいというお話がありましたが、そちらの進捗はいかがですか?
回答者:そちらについては、今年はまずトライアルを実施するユーザーと契約を結び、しっかりと効果を証明し、利用料契約に進むことをミッションとしています。すでに複数のユーザー様でトライアルを開始しています。計画に対してほぼ順調に進んでいると考えています。当初は主にスーパーマーケットをターゲットにしていましたが、純粋なスーパーマーケットは1社で、残りはホームセンター系の複数のお客様でトライアルが決まりました。若干見込みとはずれていますが、ホームセンターはスーパーに比べて利益率がかなり高い傾向にあります。契約してくれたユーザーは業績が良い企業が多く、業績が悪いお客様は「ぜひやりたいが、今期は予算が確保できない」といった理由で導入が延期になるケースがあります。
取材者:人的資本以外のサービスについて、スーパーマーケット以外への販路拡大の進捗はいかがですか?
回答者:自動発注系サービスにつきましては、スーパーマーケット以外の専門店、具体的にはドラッグストア、コンビニ、家電量販店などで少し成果が見え始めていますが、今期は食品スーパーマーケットを最優先に営業活動を進めています。
取材者:サービスの増加やクラウド利用店舗数の増加に伴う、前期比での人員の採用状況の推移はいかがですか?
回答者:人員数は、それほど大きく伸びてはいません。
取材者:計画と比較してはいかがですか?
回答者:計画と比較して、10名弱の未達となっています。
取材者:計画に届かなかった要因はどのようなところにあるとお考えですか?
回答者:新卒採用は計画通り10名ほど採用できましたが、中途採用が計画を下回りました。退職者を見込んで多めに採用計画を立てていましたが、昨今の売り手市場で一定数の退職があったこともあり、人員数を伸ばせませんでした。
取材者:下期に向けて採用をさらに強化していくご予定ですか?
回答者:はい、採用は強化していきます。一方で、既存業務の効率化も進めており、管理職を含めて少ない人員でも対応できるように業務の見直しを行っています。また、生成AIなどの新しい技術も活用し、当初の計画よりも少ない人員で業務を回せているという現状もあります。今後はこの実態をしっかり見極めて、今後の採用計画に反映していきたいと考えています。
取材者:貴社が重要視しているARRの推移について、計画に対する進捗はいかがですか?
回答者:第2四半期まではほぼ順調でしたが、第3、第4四半期に向けてはプラス面とマイナス面の両方が出ています。プラス面としては、業績が良いお客様ほど横展開を前倒しで進めたい、あるいは新しいサービスを追加で検討したいという声が増えています。一方、マイナス面としては、今期の見通しが若干弱くなってきた企業様から、サービス導入のペースを緩めたい、あるいは下期の導入が微妙だといった話がいくつか来る懸念があります。営業担当は計画を上回るように尽力していますが、まだまだ予断を許さない状況です。
取材者:その他に業績に影響を与えた一過性の要因や季節性の要因はございますか?
回答者:季節性の要因はあまりないと思います。今年は猛暑でしたが、暑すぎるとスーパーの売り上げは鈍化する傾向にあります。水不足などで食料品よりまず水をという購買行動になったり、傷みやすいものを買いたがらないといった影響が各お客様から出ましたが、それが当社のサービス利用を停止することにつながるような話は一切聞いておりません。大雨などの際も、一時的な閉店などを行うお客様への支援も行なっており、そういった活動は高く評価されています。
取材者:逆にそういった状況が、関係性の強化につながったということですね。
回答者:毎年何かしらの一時的な要因はありますが、今のところ業績に大きく影響するような一過性の要因はなさそうです。去年は本社移転後に退職者が予定外に多かったということがありましたが、今年はそういった大きな環境変化がありません。
取材者:ARR以外に重要視している指標はございますか?
回答者:公式な指標にはしていませんが、お客様が当社のサービスをどの程度活用しているかという、「発注勧告の採用率」を把握しています。サービスの利用が進んでいない状態が続くと解約リスクが高まるため、その数値を追っています。例えば100店舗あるお客様のうち、10店舗ほどは新店舗などでまだうまく使えていないという状況があるため、CS活動のチームを作り、弊社から「この店舗はこういう状況ですが大丈夫でしょうか?」と積極的に働きかける取り組みを本格的に始めています。
取材者:業績予想の見通しはいかがですか?
回答者:現時点で何%という具体的な数字は申し上げられませんが、去年11月に業績予想の修正を発表したようなことがないように取り組んでいます。現時点ではその可能性はなさそうだというふうに考えております。
取材者:M&Aや業務提携の実施の有無や検討状況について、お答えできる範囲でお聞かせいただけますか?
回答者:M&Aについても検討はしております。当社の売上を数倍にするような大きな案件はすぐには見当たらず、現状は社員数と同規模の、非常に効果がありそうな案件が複数あるといった状況です。
取材者:株主還元の方針について変更はございましたか?
回答者:従来の計画通り、配当性向40%を維持し、今年は去年から1円増配の年間16円の配当を予定しております。
取材者:最後に、足元の状況で何かトピックスやニュースリリースはございますか?
回答者:はい、DeCM-PFのプロジェクトに力を入れています。当社の自動発注システムは、人が発注するよりも正確な需要予測が可能です。この予測データを活用して、製販連携(製造・販売の連携)を進めています。従来、小売業者が需要予測を卸売業者やメーカーに共有しても、それが確定した発注ではないため、在庫確保に繋がらずあまり活用が進まないという問題がありました。当社はこの慣習を変えようと、小売業者から卸売業者やメーカーへの発注リードタイムを大幅に伸ばす取り組みを進めています。例えば、特売品については、従来の6日程度から14日まで延長することに成功しました。従来は直前に追加発注が50%程度発生していましたが、当社のサービスを導入した企業では、2週間前に発注が確定し、直前の追加発注は数パーセントにまで抑えられています。このインパクトが大きかったため、参加メーカーが100社を突破しました。
当社のシステムは、需要予測をした上で小売業者に発注を確定してもらうため、それが確定した発注データとして卸売業者やメーカーに流れます。従来のように、「1万ケース買うかも」という不確定な情報ではなく、実際の確定発注が流れるため、卸売業者やメーカーは無駄な在庫を抱えることがなくなります。
この取り組みは当社の小売ユーザー2社で成功しており、今後は特に大手のユーザー様に拡大していく予定です。自動発注システム自体は他社も提供していますが、当社の目指す「DeCM-PF」は単なる自動発注ではなく、小売業者を中心としたサプライチェーン全体のインフラを構築するものです。このインフラが完成すれば、他社の追随を許さない優位性が確立できると考えています。また、この取り組みのメリットとして、メーカーから利用料をいただき、その一部を小売業者に還元するシェアモデルをこの2社で実施しています。これにより、小売業者にも実利があり、メーカーや卸売業者は負担が減り、物流業務の効率も上がります。こうした効果によって、当社のシステムを導入する動機が、自社の業務改善だけでなく、サプライチェーン全体の改善への貢献へと変わっていくことを目指しています。
取材者:検証期間が終わり、今期から本格的に提案を進めていくということですか?
回答者:はい、そうです。今はこの取り組みをさらに進めており、特売品だけでなく、定番商品の発注リードタイムも伸ばそうとしています。従来の1日、2日から、7日まで延長することを目指しています。
この取り組みが成功すれば、卸売業者やメーカーは予測をすることなく、発注を受けてから手配すればよい受注生産に切り替えられます。これにより、さらなる業務改善が進みます。また、卸売業者から見たら7日前に発注勧告が確定し、小売業者の発注担当者から見たら今まで通りのタイミングで発注勧告が来るという実質リードタイムを伸ばす試みも、ある小売業者様で実験中です。
取材者:そういった先の部分に関しても、結果が出るのはもう少し先ですか?
回答者:実験については今期、この秋口には成果が出ると思います。経産省の補助事業にも選ばれており、来年3月にはレポートを出すことになっていますので、そちらでも公開できるかと思います。
取材者:承知いたしました。結果なども非常に楽しみです。
回答者:ここまで進めば、卸売業者やメーカーは受注してから発注する業務が自動化できますので、クレームがなくなります。実は、隠れた問題として卸売業者やメーカーの受注担当者の高齢化があり、若手はクレームを言われるため定着しないという悩みがありました。このサービスを使い始めてからは、小売業者が欠品しないため、不用意な追加発注でも在庫がなくても、小売業者は「貴社は悪くない」と言ってくれるようになり、怒られなくなったそうです。
取材者:そういった影響もあるのですね。
回答者:はい。現場では「ぜひ進めてほしい」という反応が多いです。今までは理不尽な急な大量発注など、業界的にグレーで許されていたことがありましたが、このサービスを導入すれば、誰かが我慢するのではなく、皆で利益をシェアしながら効率的な運営ができるようになります。
代表取締役社長 岡本数彦 様
管理部管掌取締役 武谷克裕 様
取材アーカイブ
決算概要
2025年12月期第1四半期の売上高は454百万円(YoY+17.6%)、営業利益は43百万円(YoY +438.0%)、経常利益は44百万円(YoY+461.5%)で、増収増益で着地した。通期目標の達成に向けて、売上・利益ともに順調に推移している。
セグメント別または事業別の増減要因
当社は「sinops事業」の単一セグメントである。ターゲットである小売業の生産性の向上・業務効率化のためのIT投資は引き続き高い水準で推移しており、sinopsシリーズは順調に導入拡大。お客様の導入効果に対して費用をいただく基本方針に変更はないが、足元の人件費上昇や物価高等の情勢を鑑み、物価上昇に見合うだけの価格転化などは適宜検討する。
主要KPIの進捗と変化
通期業績目標に対する進捗率は、売上高が21.4%、営業利益が12.3%である。売上高・営業利益ともほぼ想定通りに進捗している。また、営業利益率が9.6%(YoY+7.5pt増)まで向上した要因としては、クラウド売上拡大に伴う通信費の増加が製品改善により抑えられていること及び利益率の高いパッケージ売上高を計上したことが貢献している。
主要なKPIとしては、ARR(ストック売上)の着実な増加が注視すべき指標である。ARRは店舗数×導入サービス数×単価で構成されており、先行指標は非開示であるものの、既存ユーザーの店舗あたりのサービス数が3.9サービス(YoY+0.6アカウント)に増加しており、これは新規顧客獲得だけでなく既存顧客のクロスセルも順調に進んでいることを示している。
季節性・一過性要因の有無と影響
第1四半期には、一過性要因は特に発生していない。
※大規模な企業であるほど、システム導入の意思決定プロセスに時間を要するため、小売業の決算期が多い2月から商談を開始した場合、システム稼働開始が12月頃になることも多く、当社としての売上計上時期も下期に偏重する傾向があった。パッケージのライセンス一括販売では売上偏重が顕著に表れてしまうため、初期投資が抑えられるクラウドサービスをメインとするようビジネスモデル転換を行い、現在では季節性は緩和されている。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績目標に対して、前年比では大きく向上しているものの、営業利益の進捗率は12.3%である。期末に向けて導入支援・クラウドの売上規模が大きくなることに伴い、固定費比率も低下し、利益の絶対額及び利益率の改善を見込んでいる。通期の営業利益率は16.7%で計画に変更はない。クラウド案件の受注が本格化する見込みの第3四半期以降の業績進捗が、通期目標の達成度を左右する要素となる。
トピックス
今後の中長期成長を担う新サービス「DeCM-PF」「sinops-WLMS」がそれぞれ進捗している。
「DeCM-PF」は参画メーカー数が順調に増加し、当初はトップ30社のメーカー参画を目指していたが、大きく上振れし、3倍以上の社数のメーカーが参画。今期は「定番品LT長期化」や、物量コントロールに向けた3つのサービス(店舗納品平準化、店舗発注数量丸め、店舗発注曜日固定等の機能)の収益化を目標に、サービスを拡充する。「sinops-WLMS」は拡販に向けた実証実験を継続。全47店舗に「sinops-CLOUD」を導入完了したエバグリーン廣甚でも実証実験開始に好感をいただいている。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:成長戦略のポイントは、中長期成長に向けた新サービスの「DeCM-PF」「sinops-WLMS」です。当社は「sinops事業」の単一セグメントであり、sinopsシリーズを中心に事業成長してきましたが、中長期成長には競合優位性のあるsinopsシリーズの需要予測をコア技術とした事業領域拡大が必須だと考えております。2025年12月期は新サービスの拡充・実証を行い、2026年以降の事業の柱となるよう育てています。
※「DeCM-PF」は、小売業の需要予測を、卸売業や製造業に連携することで食品流通の課題を解決し、食品バリューチェ―ンを最適化するプラットフォームです。伊藤忠商事と提携し、卸売業の在庫調整業務の負荷軽減や、車両及びドライバーの手配の計画性の向上、物流センターの過剰在庫や欠品リスクの抑制に貢献します。
※「sinops-WLMS」は、「作業」と「ヒト」に焦点をあて、人時生産性改善・向上を目的とした人的資源最大化AIサービスです。より少ないコスト(人時数)で最大のパフォーマンス(収益向上)を実現するための現場マネジメントを支援し、小売業の人手不足問題へ貢献します。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想では、売上高は2,120百万円(YoY+19.3%)、営業利益は355百万円(YoY+129.2%)、経常利益は356百万円(YoY+130.0%)当期純利益は248百万円(YoY+129.1%)を計画しております。2024年12月期はクラウド大規模案件の検討期間延長のため対前年で売上高が+2.8%増にとどまりましたが、今期は売上の下振れ要因となりそうな案件を極力排した業績予想となっており、やや保守的に設定しております。
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IR担当
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
シノプスは、世界中の無駄を10%削減するという目標を掲げ、需要予測に基づく自動発注システムを提供している企業です。同社のシステムは、小売業における在庫管理の効率化に大きく貢献しており、長年の経験と実績に基づいた高い精度を誇る。
創業の経緯と転機となった出来事
創業者は、33歳の時に画像処理装置の製造販売を目的として会社を設立したが、その後、物流関係の在庫最適化というマーケットに出会い、需要予測による在庫の最適化という現在の事業に転換した。 「sinops」開発のきっかけは、ある卸売業の会社を訪れた際、山積みの在庫をたった一人で管理しているのを目の当たりにしたことで、在庫管理のソフトウェアを提案できないか考えたことだった。 当時は、在庫数を把握するだけのシステムはあっても、需要予測は人間の経験と勘に頼るしかなく、世の中にないなら、自分でつくってしまえ、ということで開発に着手した。
特徴や強み
シノプスは、KPIを設定し、お客様と共有することで、導入効果を明確化している。 また、比較的簡易な需要予測で対応可能な一般食品や雑貨だけでなく、日配品や惣菜など、賞味期限が短く需要予測が難しいといわれていた商品カテゴリでも需要予測を可能にすることで、効果の大きいロス削減にも取り組んでいる。
成長戦略
伊藤忠商事と連携し、小売業の販売データを地域ごとに最適化し、メーカーの生産計画に役立てることを目指してDeCM-PFサービスを開始している。 これにより、バリューチェーン全体の最適化を実現する。 シェア率や契約店舗数を増やすために、費用対効果の高いサービスを提供することに重点を置き、「ないと困る」機能やサービスを優先的に開発し、お客様に提供している。
株主還元策
配当性向40%を目安に、継続的な配当を実施していく方針である。
今期の取り組みやトピックス
今後は、需要予測に基づく自動発注システムに加え、現場の人の最適化に焦点を当てたサービスを展開していく。 具体的には、スーパーマーケットなどの店舗における、シフト作成や作業スケジュールの効率化を支援するサービスである。
さらに、モノの最適化だけでなくヒトの最適化に向けて、人的資源最大化AIサービスなど、新たな事業領域にも積極的に進出しており、今後の成長が期待される。
Q:貴社の事業内容、ビジネスモデル、特徴、強みをご説明ください。
A:当社は、食品や一般消費財の販売実績を元に需要量を予測し、日々の発注数を決定するシステムを提供しています。このシステムは、商品一点一点の需要量を予測し、お客様に様々なデータを提供することで、在庫の最適化を実現します。在庫管理は、企業のキャッシュフローに大きな影響を与えるため、最適な形でコントロールすることが重要です。当社は、近未来の需要予測を行い、必要な物を必要なだけ発注することを可能にしています。
Q:貴社が在庫管理において注力している点はどのような点ですか。
A:在庫管理は、単に在庫数を把握するだけでは不十分です。重要なのは、商品の需要量を予測し、適切な補充、保有、廃棄、値引きなどのアクションにつなげることです。当社は、在庫管理を有機的なお金の使い方につなげることが重要だと考えています。
Q:貴社の創業の経緯をご説明ください。
A:私は33歳の時に画像処理装置の製造販売を目的として会社を設立しましたが、その後、物流関係の在庫最適化というマーケットに出会い、需要予測による在庫の最適化という現在の事業に転換しました。
Q:全く異なる業態に移る中で、苦労された点はどのような点ですか。
A:当初は画像処理装置のハードウェアの製造開発に注力していましたが、「sinops」開発のきっかけとなったのは、ある卸売業の会社を訪れた際、山積みの在庫をたったひとりで管理しているのを目の当たりにしたことです。そこで在庫管理のソフトウェアを提案できないか調べてみると、在庫数を把握するだけのシステムはあっても、需要予測は人間の経験と勘に頼るしかありませんでした。世の中にないなら、自分でつくってしまえ、ということで開発に着手しました。大学の卒業論文で需要予測と在庫最適化を取り扱った知見を活かし、半年ほどを経てようやく完成したのがsinopsの先駆けとなる製品でした。
Q:需要予測を勘案した発注システムは、当時としては先駆的な取り組みだったと考えられますが、いかがでしょうか。
A:ええ、その通りです。当初は需要予測に基づく自動発注システムは難しいと考えられていましたが、長年の経験と改善改良により、今では多くのお客様に認められています。
Q:メインサービスである需要予測の高度化については、どのような取り組みをされていますか。
A:当社は、KPIを設定し、お客様と共有することで、導入効果を明確化しています。また、比較的簡易な需要予測で対応可能な一般食品や雑貨だけでなく、日配品や惣菜など、賞味期限が短く需要予測が難しいといわれていた商品カテゴリでも需要予測を可能にすることで、効果の大きいロス削減にも取り組んでいます。
Q:メーカーとの連携については、どのような取り組みをされていますか。
A:伊藤忠商事と連携し、小売業の販売データを地域ごとに最適化し、メーカーの生産計画に役立てることを目指してDeCM-PFサービスを開始しています。これにより、バリューチェーン全体の最適化を実現します。
Q:シェア率や契約店舗数を増やすために、どのような取り組みをされていますか。
A:費用対効果の高いサービスを提供することに重点を置いています。「ないと困る」機能やサービスを優先的に開発し、お客様に提供しています。
Q:第3四半期の決算状況について、営業利益と経常利益が前年同期比で減少した要因は何ですか。
A:ある大手との契約が来期にずれ込んだことが、減収の大きな要因です。これに伴い、経常利益も減少しました。
Q:今後の業績見通しについてご説明ください。
A:契約のずれ込みによる影響が大きく、今期の業績目標の達成は難しいと判断したため、2024年11月29日に業績予想の修正を開示いたしました。来期の予算については、現在検討中で、来年2月の通期決算発表時に公表予定です。
Q:株主還元策について、ご説明ください。
A:配当性向40%を目安に、継続的な配当を実施していく方針です。
Q:今後の展開についてご説明ください。
A:需要予測に基づく自動発注システムに加え、今後は現場の人の最適化に焦点を当てたサービスを展開していきます。具体的には、スーパーマーケットなどの店舗における、シフト作成や作業スケジュールの効率化を支援するサービスです。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者: 当社は、食品や一般消費財の販売実績を元に需要量を予測し、日々の発注数を決定するシステムを提供しています。このシステムは、商品一点一点の需要量を予測し、お客様に様々なデータを提供することで、在庫の最適化を実現します。
在庫管理は、企業のキャッシュフローに大きな影響を与えるため、最適な形でコントロールすることが重要です。当社は、近未来の需要予測を行い、必要な物を必要なだけ発注することを可能にしています。
取材者: 在庫管理において、御社はどのような点に注力していますか?
回答者: 在庫管理は、単に在庫数を把握するだけでは不十分です。重要なのは、商品の需要量を予測し、適切な補充、保有、廃棄、値引きなどのアクションにつなげることです。当社は、在庫管理を有機的なお金の使い方につなげることが重要だと考えています。
取材者: 御社の創業の経緯を教えてください。
回答者: 私は33歳の時に画像処理装置の 製造販売を目的として会社を設立しましたが、その後、物流関係の在庫最適化というマーケットに出会い、需要予測による在庫の最適化 という現在の事業に転換しました。
取材者: 全く異なる業態に移る中で、苦労された点はありますか?
回答者: 当初は画像処理装置のハードウェアの 製造開発に注力していましたが、「sinops」開発のきっかけとなったのは、ある卸売業の会社を訪れた際、山積みの在庫をたったひとりで管理しているのを目の当たりにしたことです。そこで在庫管理のソフトウェアを提案できないか調べてみると、在庫数を把握するだけのシステムはあっても、需要予測は人間の経験と勘に頼るしかありませんでした。世の中にないなら、自分でつくってしまえ、ということで開発に着手。大学の卒業論文で需要予測と在庫最適化を取り扱った知見を活かし、半年ほどを経てようやく完成したのがsinopsの先駆けとなる製品でした。
取材者: 需要予測を勘案した発注システムは、当時としては先駆的な取り組みだったのではないでしょうか?
回答者: ええ、その通りです。当初は需要予測に基づく自動発注システムは難しいと考えられていましたが、長年の経験と改善改良により、今では多くのお客様に認められています。
取材者:メインサービスである需要予測の高度化 については、どのような取り組みをされていますか?
回答者: 当社は、KPIを設定し、お客様と共有することで、導入効果を明確化しています。また、比較的簡易な需要予測で対応可能な一般食品や雑貨だけでなく、日配品や惣菜など、賞味期限が 短く 需要予測が難しいといわれていた商品カテゴリでも需要予測を可能にすることで、 効果の大きいロス削減にも取り組んでいます。
取材者: メーカーとの連携については、どのような取り組みをされていますか?
回答者: 伊藤忠商事と連携し、小売業の販売データを地域ごとに最適化し、メーカーの生産計画に役立てることを目指してDeCM-PFサービスを開始しています 。これにより、バリューチェーン全体の最適化を実現します 。
取材者: シェア率や契約店舗数を増やすために、どのような取り組みをされていますか?
回答者: 費用対効果の高いサービスを提供することに重点を置いています。「ないと困る」機能やサービスを優先的に開発し、お客様に提供しています。
取材者: 第3四半期の決算状況について、営業利益と経常利益が前年同期比で減少した要因は何ですか?
回答者: ある大手との契約が来期にずれ込んだことが、減収の大きな要因です。これに伴い、経常利益も減少しました。
取材者: 今後の業績見通しについてはいかがですか?
回答者: 契約のずれ込みによる影響が大きく、今期の業績目標の達成は難しいと判断したため、2024年11月29日に業績予想の修正を開示いたしました。来期の予算については、現在検討中で、来年2月の通期決算発表時に公表予定です。
取材者: 株主還元策については、どのような方針ですか?
回答者: 配当性向40%を目安に、継続的な配当を実施していく方針です。
取材者: 最後に、今後の展開についておしえてください。
回答者:需要予測に基づく自動発注システムに加え、今後は現場の人の最適化に焦点を当てたサービスを展開していきます。具体的には、スーパーマーケットなどの店舗における、シフト作成や作業スケジュールの効率化を支援するサービスです。
代表取締役社長 南谷洋志様
(3/26より代表取締役会長)
