
(株)シャノン
東証GRT 3976
決算:10月末日
20260826
CP&X
【取材日】2026年8月26日
【2026年12月期2Q】
決算概要
増収・黒字転換と半期ベースでの歴代最高益の更新
2026年12月期第2四半期決算は、売上高は1,441百万円、営業利益311百万円、経常利益310百万円、親会社株主に帰属する中間純利益396百万円で増収・黒字転換。決算期変更のため前年同期比の増減率は不記載であるものの、半期ベースで歴代最高益を更新する好調な推移。不採算事業の整理や子会社取得によりストック型売上が増加したことに加え、採用抑制やAI活用等により販管費率が47.7%へ低下したことが利益率改善の主要因。
セグメント別または事業別の増減要因
マーケティングクラウド事業のストック収益拡大とイベント事業の安定推移
主力のマーケティングクラウド事業は、前期末に取得したList Finder事業の寄与によりストック型売上が1,012百万円と大幅に伸長した状況。イベントクラウド事業は、大型案件の会期の都合により一時的に減少したものの、通期予算達成に向けて想定通りの進捗。
主要KPIの進捗と変化
アカウント数の大幅増加と販管費率の目標水準維持
総アカウント数は、List Finderのアカウント譲受が寄与したことで前期末の571件から888件へと大幅な増加。経営KPIである販管費率は、徹底したコスト管理と人員適正化により47.7%へと低下し、目標の55%以下を維持する順調な推移。課題とされていた解約率は全体として横ばいであるものの、List Finderの解約率が高めであるため、競合ツールへのリプレイスを少しでも食い止めるべく、自社のサービスである「SHANON MARKETING PLATFORM」への移行を促すなど、継続的な見直しと施策実行を行っている段階。
季節性・一過性要因の有無と影響
M&Aによる事業構造の変化と大型案件の下期偏重傾向
イベントクラウド事業において、大型案件の会期の都合による納品時期変更により売上計上が下期偏重となる特有の季節変動が発生。また、前期末のList Finder事業取得による売上・利益の追加計上に加え、当第2四半期において繰延税金資産を計上したことが純利益を一時的に押し上げる結果。
通期見通しと進捗率・達成可能性
成長投資を織り込んだ保守的な利益計画と上振れ着地の可能性
通期ガイダンスは営業利益500百万円、純利益600百万円等へと上方修正され、第2四半期末時点の期初予想(350百万円)に対する営業利益進捗率は88.9%に到達。売上高は期初予想の3,000百万円をを据え置くものの、利益面は来期以降の成長投資を織り込んだ保守的な設定。利益見通しに対する下振れリスクは想定しておらず、有効な投資先が見つからない場合は利益が上振れて着地する可能性もある確度の高い見通し。
トピックス
SMB領域へのターゲット拡大と他社製品からのリプレイス戦略へのシフト
従来のエンタープライズ層に加えSMB領域の開拓に向け、AIを活用した「Webページ」機能の実装や廉価プランの導入を推進する戦略的展開。市場環境の変化を踏まえて新規獲得からリプレイス戦略へと明確にシフトし、List Finderユーザーを主力製品であるSMPへ移行させることで顧客流出を防ぐ施策の実行。リアルイベントのシステム支援を行うイベントクラウド事業の成長にも、今後取り組みマーケティングクラウド事業とのシナジー創出を目指す。

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
【2025年12月期4Q】
決算概要
コスト構造改革による大幅な黒字転換
2025年12月期は14ヶ月の変則決算。12ヶ月累計(10月31日時点)での売上高は2,740百万円、営業利益は53百万円であったが、12月31日までの連結業績予想としては売上高が3,150百万円、営業利益は50百万円と、当初予想を上方修正する形での増収・増益(黒字転換)の見通しであるが、リスク要素も織り込んでいるため更なる上振れの余地も大きい。利益改善の最大要因は、従業員数を約250名から約200名へと適正化したことに伴う人件費の削減であり、単月ベースで前年同期比約20百万円の固定費低減を実現。税引前利益については、期初に発生したTOB関連費用や体制変更の臨時コストにより赤字の可能性があるものの、会社体制と財務基盤の立て直しは完了との評価。
セグメント別または事業別の増減要因
不採算案件の排除とリソースの集中
マーケティングクラウド事業では、累計10億円以上の売上を計上した万博関連の大型スポット案件の消失や、サブスクリプションに寄与しないコンサルティング案件の縮小を選択。2025年9月末付で損益面での寄与が少なかった広告事業を親会社へ譲渡したことにより、利益面へのマイナス影響を排除しつつ、経営リソースを主力事業へ集中させる体制を構築。イベントクラウド事業は、展示会等の主催者向けにショット単位のシステム提供を継続しており、利益を確実に残す別軸の事業体として安定稼働を維持する方針。
主要KPIの進捗と変化
解約率の高止まりと新規獲得の強化
サブスクリプション売上成長率は前年同期比9.8%増の17億円に留まっており、当初目標の13.4%に対しては新規獲得の遅れが影響した形。解約率については、長年の目標である10%以内に対し、近年は金額ベースで約13%を超えて推移している点が重要な改善課題。今後は既存顧客の維持という強みを活かしつつ、営業活動の抜本的な見直しにより、新規アカウント獲得の加速と純増ペースの適正化を最優先課題とする戦略。
季節性・一過性要因の有無と影響
大型スポット案件の終了による実質的な事業回帰
過去3年間にわたり売上を下支えしていた特定の大型案件は、将来のサブスクリプションに繋がらないスポット収益であったため、この消失を本来の事業姿への回帰と定義。特需的な売上がなくなることで一時的な減収要因とはなるものの、本業のリソースを圧迫していた要因が排除されたことで、本来注力すべきサブスクリプションの純増に注力できる環境が整備。体制変更に伴う一時的な人件費や管理コストは今期中に処理を終えており、来期以降は削減されたコスト水準でスタートできる利益体質への転換。
通期見通しと進捗率・達成可能性
来期営業利益2億円規模へのスタートライン
2025年12月期の営業利益は、12月時点の修正予想50百万円を大幅に上回る着地が確実視されており、経常利益までの黒字化は必達の情勢。来期は広告事業の譲渡や万博案件の消失によりトップラインの拡大は限定的となるが、フル寄与するコスト削減効果とM&Aによる利益上乗せにより、実力値として数億円規模の営業利益を狙える水準。安定したストック売上を基盤に、固定費を抑制しながら利益を確実に積み上げる「利益重視」の経営フェーズへ移行。
トピックス
M&Aによるローエンド市場進出とシェアNo.1奪回戦略
2025年12月末に、売上高約3.5億円で高収益なMAツール「List Finder」を展開する株式会社イノベーションXを1億円で取得し、100%子会社化を完了。同社の取得により、従来はターゲットとしていなかったローエンド層の顧客を補完し、2〜3年をかけてサービスを一本化することで、コスト削減と収益性向上の両立を図る計画。中期経営計画では「国内シェアNo.1の奪回」を掲げ、AIの日常業務への活用や次世代MAの開発投資を加速させることで、5年後の市場環境を見据えた競争力の維持を目指す構え。
【2025年12月期4Q】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:弊社の成長戦略における最重要課題は、国内マーケティングオートメーション(MA)市場におけるシェアNo.1の奪回です。かつてパイオニアとして市場を牽引してきた立ち位置に再び返り咲くため、今後2~3年の中期的な軸として取り組んでまいります。具体的な施策としては、これまで弊社の強みであった既存顧客の維持に加え、課題であった新規アカウント獲得力を抜本的に強化いたします。また、親会社から取得した株式会社イノベーションXの「List Finder」を傘下に収めることで、従来のメインターゲットであったミドル・ハイエンド層に加え、ローエンド領域への進出も図ります。将来的にはサービスの統合も視野に入れ、効率的な事業運営を目指します。さらに、AIの日常業務への活用を推進しており、人員を適正化した体制下でも高い生産性を維持しながら、次世代のMAの形を模索して投資の選択肢を広げていく方針です。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:成長に向けた大前提として、過去数年間の赤字要因を排除するための組織のダウンサイズを断行いたしました。従業員数を約250名から約200名へと適正化したことで、人件費を中心とした固定費の大幅な削減を実現しており、これが利益体質への転換を支える基盤となっています。また、戦略面においては、売上総額の拡大を優先するあまり、本業のリソースを圧迫していた特定の大型のスポット案件や、サブスクリプションに繋がらないマーケティングコンサルティング案件を「潔く諦める」という選択と集中を行いました。これにより、一時的な売上の減少は生じるものの、本来注力すべきサブスクリプション売上の純増にリソースを集中できる体制を整えています。一方で、解約率が近年13%を超えて高止まりしている点は課題として認識しており、この抑制と新規獲得のバランスを最適化していくことが今後の成長に向けた重要な前提条件となります。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2025年12月期は14ヶ月間の変則決算となりますが、売上高は3,200百万円近辺、実質的な営業利益は公表予算の50百万円を超える見通しです。今期は売上の急拡大よりも、組織の適正化により利益の出せる体制の維持を最優先課題として取り組んでまいりました。人件費の削減効果が単月ベースで前年同期比約20百万円出ており、これが今期の黒字化の最大要因となっています。税引前利益については、体制変更に伴う臨時コストやTOB関連費用により黒字化に届かない可能性がありますが、会社体制の立て直しという最低ラインの組み換えは完了したと評価しています。来期以降は、この削減されたコスト水準でスタートするため、今期以上に利益に寄与する見通しです。売上高についても、広告事業の譲渡や万博関連売上の消失といったマイナス要因はありますが、実力値としては営業利益は数億円規模を狙えるスタートラインに立っていると考えています。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:現在の国内MA市場は、外資系ツールの参入や国内企業の乱立により非常に競争が激化しており、弊社のシェアも以前と比較して減少している状況にあります。しかしながら、弊社の強みは日本固有のビジネス習慣に沿ったサービス設計と、手厚い人的サポートにあります。外資系ツールはコストをかけなければ十分なサポートを受けられない側面があるのに対し、弊社は国産ベンダーとして長期利用を頂いているお客様から高い評価を得ており、外資系からのリプレース需要も存在します。受注面では、近年は新規獲得が計画に追いついていない状況が続いておりましたが、今後は営業活動を強化し、既存顧客を守る強みを活かしつつ、純増ペースを加速させていく方針です。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:事業の選択と集中を進めるため、2025年9月末付で、損益面で寄与の少なかった広告事業を親会社である株式会社イノベーションへ譲渡いたしました。これにより、利益面へのマイナス影響を与えることなく、経営リソースを主力事業へ集中させることが可能となりました。一方で、2025年12月末にはイノベーション社から株式会社イノベーションXを1億円で取得し、100%子会社化いたしました。同社が展開する「List Finder」は、約3.5億円の売上規模と高い収益性を持っており、販管費を大きく引き継ぐことなく連結利益に加算されるため、来期の業績には非常に大きなプラスインパクトを与える見込みです。さらに、これまで弊社が手薄だったローエンドの客層を取り込むフックとして活用し、2~3年をかけてサービスの一本化を進めることで、さらなるコスト削減と収益性の向上を目指します。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:現在、3月末までには公表を予定している中期経営計画を策定中ですが、その主軸はマーケティングオートメーションというニッチ領域における国内シェアNo.1の奪回です。単なるシェア拡大だけでなく、安定したストック売上をベースに固定費を抑制し、利益を確実に残せる体質への転換を形にしていく段階にあります。進捗としては、組織の適正化や不採算事業の譲渡といった「ベースの立て直し」が完了し、次なる投資や成長戦略に打って出るための余力を回復した状況です。5年後の市場環境を予測し、AIの高度な活用を含む次世代MAの開発についても検討と仕込みを開始しており、中長期的な競争力を維持するための戦略的な準備を並行して進めています。
【2025年12月期4Q】
取材者:黒字転換を達成され、新しい経営体制へと移行されたこの数年間は、非常に重要な時期であったと推察いたします。御社がコスト管理を含めた見通しを着実に実行してこられた高く評価しています。
御社のように黒字回復を果たし、新しい経営体制における親会社となる株式会社イノベーションとの相乗効果や、ターゲットとする顧客層の棲み分けについても、今後の成果を期待しています。
まずは、2025年12月12日に公表された第4四半期決算説明資料をベースに、上方修正の要因や数字の背景をご説明いただけますか。併せて、直近の株主構成についても教えてください。
回答者:株主構成については、2025年12月で名簿を締めており、後ほど詳細が公開されますが、大きな変化はございません。株式会社イノベーションが約56%を保有する親会社である点は変わらず、以前代表を務めていた創業者の中村の保有比率は5%を上回る程度です。その下に準創業者の永島や堀がおり、それ以外は外部株主という構成です。
取材者:決算状況をご説明ください。
回答者:決算状況について、定性的な背景を補足しながらご説明いたします。
現在、弊社は14ヶ月間の変則決算期にありますが、12月の発表は2024年11月から2025年10月までの12ヶ月間の実績に基づく第4四半期決算です。2025年5月の公表値から業績予想の上方修正を行いました。売上高はリスクを考慮し修正後の予想を3,100百万円としていますが、足元の進捗状況から最終的には3,200百万円近辺まで到達する見込みです。
利益面については、12月時点で営業利益を20百万円から50百万円へと修正しましたが、こちらも保守的な見積もりです。納品リスク等の大きな懸念事項が顕在化しなければ、90百万円から100百万円程度の営業利益を確保できる可能性もあり、経常利益までは黒字化の可能性があると考えています。ただし、税引前利益については、期初のTOB関連費用や体制変更に伴う臨時コストが発生しているため、黒字化には一歩届かない可能性があります。それでも、会社体制や財務面の立て直しという最低ラインの組み換えは完了したと評価しています。
取材者:営業利益が100百万円規模に達する見通しは、非常に良い傾向です。
回答者:今期は売上の急拡大よりも、組織サイズの適正化を優先した1年でした。過去数年の赤字要因を排除するため、組織のダウンサイズを断行し、従業員数は約250名から約200名へと約50名減少しました。これは大々的なリストラではなく、実質的には自然退職の範囲内ですが、組織の適正化を目標として臨んだ結果です。残ったメンバーは、人数が減った中で現場を回しており、非常に努力しています。経営としても、しっかりと利益を出せる体制を維持し、その上で再成長を目指す方針に切り替えました。
人件費については、単月ベースで前年同期比約20百万円の削減を実現しており、来期(2026年1月から)はこのコスト水準でスタートするため、今期以上に利益に寄与する見通しです。今期黒字化した最大の要因として、人件費が適正化されたと考えています。
また、社内での位置付けが曖昧になっていた広告事業を、2025年9月末付で親会社へ譲渡しました。当該事業は1億数千万円ほどの売上がありましたが、損益面ではあまり芳しくなく、全社コストの配賦も含めると赤字もしくはトントンの状況でしたので、損益の観点からは譲渡による利益面へのマイナスインパクトはないと考えています。
取材者:今回の決算に関して売上総利益率はいかがでしたか。
回答者:売上総利益率の改善についても、主に人件費等の固定費削減が寄与しています。弊社の事業はサブスクリプションが主体ですが、新規販売時の導入的な作業や、マーケティングコンサルティング、イベント支援等、人の稼働が原価となる部分が含まれており、人件費を売上原価に割り振っているためです。本当は、サブスクリプションがより厚みを増した分、利益率が改善したと言いたいところですが、今期の売上総利益率の改善はコスト削減が間接的に寄与しているとみるのが正解と捉えています。
取材者:何があっても黒字化するという方針を有言実行されている点は心強いです。ベースとなるビジネス基盤が維持されているか懸念しておりましたが、問題ないようで、安心しました。
回答者:その点について補足いたします。弊社の主力はミドル・ハイの層をターゲットにしたマーケティングオートメーション市場ですが、実際は今期で言えば31~32億の売上に対し、創業者の直轄であったエンプラ向けの別部隊が約6億円を予算として6.5億円の実績をあげており、この部隊の動かし方がこの半年の課題であったのですが、その創業者が外に出てしまったものの、結果的には、その部隊では大口のSMPという弊社のサブスクリプションを支えている製品の大口顧客を持っていますので、この部隊をしっかりと今の新体制の中で維持する方向にありますが、エンプラを新規で攻めるという部分でしっかりした舵取り役を短期的に充てきれなかった背景に加え、近年、本来は大口のサブスクリプション獲得を目標にしていましたが、トータル売上をどう作るかという方向に移ってしまった結果、サブスクリプションよりむしろスポット的なマーケティングコンサルティング案件で売上を作る傾向にありましたので、経営体制の変化とともにそこを改めて、無理にそうした売上を作るのではなく、敢えてその部分は捨てる方向でこの半年は進めてきました。
あらためて、今期以降、会社全体としてサブスクリプションを今一度しっかり伸ばしきる方向へ明確に舵を切り、中期的に取り組んでいこうという話も並行してありますので、従来の体制との比較で言いますと、エンプラ部隊だけに着目すると形を変えなければならないのが実情でしたし、見方によってはマイナスの影響が現実にあったのではと考えられる状況です。ただ、マイナスと言うよりは方針がぶれてきていましてので、今一度、全社的な方向性に対してエンプラ部隊の本来の趣旨を含めた定義をしっかり見直し、マイナスではなく軸をきちんと元に戻して再出発する方向に移行する段階にあります。
取材者:サマリーのページにありますが、ストック売上のうちサブスクリプション売上が17億円で、前年同期比では9.8%増ですが、KPI目標は13.4%ですね。
回答者:資料の数字を見つつ補足しますと、先ほど説明しましたエンプラ部隊や、人区の動きに関して言えばマーケティングクラウド事業の中のプロフェッショナル売上が該当します。こちらは人が動いて作る売上という概念で分けていますので、逆にサブスクリプション売上はシステム代といった位置付けで、人が動いて作る売上とは異なります。そうした形で分けていますが、プロフェッショナル売上は2025年12月期でみると前年同期比で大きく減少していますが、これについては、表には出していませんが、直近2~3年でエンプラ部隊が特定の大型案件に携わっており、約3年かけて当該案件だけで10億円以上の売上があったのですが、これは残念ながら未来のサブスクリプションとして残るものではありません。2~3年限定の帯で発生する運用・保守などはありましたが、弊社の主力サービスを組み込んだものではなく、言わば下駄を履いたような状況でしたので、これを前年同期比として見た場合に大きく落ち込みますが、むしろその落ちた状態が本来の姿であると考えています。逆にこれを10億円に引き上げるとなると方向性を誤ってしまうことが懸念されます。実際、大型案件を受注すると、ある意味本業ではない部分で本業のリソースを取られてしまう状況が起こっており、本当に伸ばしたい部分に注力しきれなくなる原因の1つでもありましたので、そうした部分は潔く諦めることにしました。
取材者:やはり選択と集中は大事ですね。特に今、リソースが限られていますし、キャッシュフローが必要であることから売上を作らなければならない場合は仕方ありませんが、そうでなければ下手に売上を作る必要はなく、やはり利益が重要ですから、リソースの選択と集中を抜本的に断行しているところであると理解できます。
回答者:その通りです。イベントクラウド事業の記載がありますが、これは提供しているシステム、つまりイベント等の主催者向けにイベントの管理面で弊社のシステムを導入して支援しており、このシステムのベースはサブスクリプション側で売っているシステムと一緒なのですが、販売方法がショットなのです。分かりやすいイメージで説明しますと、この10年ほど、テック系はもとより大手企業も、自社カンファレンスのようなものを年1回開催するといった傾向がありますが、例えばそうしたカンファレンスを管理するためにショットで弊社のシステムをイベント支援システムとして使っていただくという事業形態です。
展示会も同様です。ビッグサイトなどでの展示会の主催者が出展者を管理したり、展示会自体を管理する中で使っていただいておりますが、これは事業としてはターゲットも含めて全く別物ですので、今後も別軸として切り離して動いていきます。こちらは足元で中期的にはプラスアルファ程度の売上水準で利益をしっかり残すことを重視して動かそうとしている事業体です。話を戻しますと、プロフェッショナルの上に記載のサブスクリプションについては目標が大きかったのですが、10%弱しか伸ばせなかったというのが足元の状況です。これに関して、悲観的に言えば新規が予定通りに獲得できておらず、計画に追いついていない状況が近年続いている状況なのですが、新規獲得の営業活動が追いつかない状況で今期は動いてしまっています。また、この2~3年の傾向としまして、弊社はこの事業を20年近く展開しておりますが、解約率が高止まりの状況にあり、マーケティングクラウド事業におけるサブスクリプションの解約率は、上場以来、年10%以内に抑えることを目標にしてきましたが、近年では金額ベースで約13%を超えて推移しており、これをなかなか下げに行けていない状況が、計画目標に対して結果を伸ばしきれていない要因の1つです。
取材者:その出し方を件数ベースに変えていませんでしたか。
回答者:はい。プレスリリースでは件数ベースにしています。
取材者:この13.4%(サブスク売上成長率継続目標)の背景を説明していただけますか。
回答者:新規獲得力との釣り合いの側面もありますが、弊社の過去を客観的に考えた場合に、新規獲得は昔からあまり強くなかった一方で解約率は低かったので、しっかりと純増で伸ばし、他のサブスク自体は純増してきたのですが、10%を超えてくると、新規獲得でそれを補う能力に欠けていた半面、元々、既存のお客様を守る方の強みが大きいのがこれまでの状況でした。この辺は来期以降に向けた戦略あるいは重点をしっかり見直し、新規アカウント獲得を強化してまいりたいと考えています。
取材者:新経営方針KPIに解約率は含まれていませんね。
回答者:はい、そうです。この後、2月か3月に中期経営計画を出す予定なのですが、そこでのイメージとして、解約率の抑制策を前面に出すつもりはなく、解約を抑える一方で新規も獲得しなければならないものの、しっかりとマーケティングオートメーションというニッチ領域において、この2~3年の中期でNo.1奪回を1つの大きな軸にしてまいります。
取材者:奪回ということは、以前はNo.1だったということですね。
回答者:もともと弊社は国内マーケティングオートメーション市場のパイオニアであり、どちらかというと競合が出てこない間、メインプレーヤーは弊社だけでしたし、競合が育つまでは当然、弊社がNo.1でした。10年ほど前に、今ではしっかり日本でも幅を利かせている外資系のツールが参入してきた頃から業界の図式がかなり変化してきましたが、その頃ようやく国内でマーケティングオートメーションという単語が使われるようになり、その中で国産系の新規参入があり、またいわゆるメールSPのようなところから機能を付加してマーケティングオートメーションと称する企業が乱立してきて、現在に至るという状況ですが、その過程で当然ながら弊社のシェアもだいぶ減りましたので、あらためて、順繰りですが、弊社の歴史的に言えば、まず国産No.1の立ち位置を奪回することを目指しています。
回答者:内情の話になりますが、私自身は上場前から携わっていますので、そういう意味で、奪回、つまりNo.1になるぞというよりはNo.1に返り咲きたいという要素が個人的にも強いので、あらためて、奪回するというニュアンスをしっかりと打ち出していきたいと考えています。
取材者:通期の見込みは、あと2ヶ月ですがいい感じで落ち着きそうだということですね。来期は特別な要素がないので当期利益までは利益が出てくるであろうと予想します。その利益がどの程度出るのかが非常に注目されるのではと思います。
回答者:今、逆に悩ましいのは、25年12月期の着地が営業利益ベースで考えると思ったよりも上で着地しそうなので、来期のインパクトがその分、目減りするのではという点です。
来期について中期的な目線で言いますと、まずトップラインベースでいくと比較がなかなか難しい変則決算ではありますが、大体、25年12月期の14ヶ月を12ヶ月相当程度の横ばいのような感じの目線で落とし込みたいと考えていますので、月数はさておき、前期と同程度の水準であると見込んでいます。実際にその中身で言いますと、広告事業の譲渡によって売上だけで言えばマイナスのインパクトもありますし、直近までの特定の大型案件の売上もありました。これが来期は全くありませんので、そうした下駄の部分がなくなるというマイナス要素も、1億~2億円の単位であります。もちろん、体制と方向性を改めてしっかり伸ばしそうとしている部分もありますので、そのマイナス要素を補って、昨年並み程度の売上を作れるよう努力するのはもちろんですが、昨年より増えていると一目で分かるようにしなければならないと考えているわけではなく、昨年並みくらいの印象で邪魔しない程度の売上高で着地を目指そうと思っています。ただ、利益側はだいぶ構成が変わってきますので、今期が仮に営業利益1億円で着地したと仮定すると、実際には事業的に言いますと特定の大型案件の影響などで利益がマイナスに動く部分がゼロではない一方、コスト削減効果は来期の方がフルに出てきますので、その辺も社内的に組み合わせていくと、今期の着地よりもスタートラインの実力値はもっと十分にあるという状態です。大まかに実力値として見ているのは、今期の着地が1億だったとしても来期の通期のイメージとしては、1億に対して言えば数億ぐらいの実力値を持ってスタートするという感覚で見ています。
取材者:これはやはり、安定したストック売上があるからこそできる技ですね。
回答者:はい、もちろんです。ここが突然半減するといった事態になれば話は変わりますが、当然、そうではないのがストック売上でもありますので、そこに対して固定費が減っていけば当然、利益が残る体制に変わっていくという部分が少し形として来期にもう少し明確になっていくであろうと考えています。また、昨年12月末に広告事業の譲渡と逆でイノベーション社から弊社がイノベーションX社を取得しました。これはイノベーション社が同業でやっていた部分です。ここはマーケティングオートメーション市場で弊社とは少し棲み分ける状況で市場の中で共存していた会社ですが、100%子会社として1月から加わります。同社は3億円超の売上を持って弊社に加わりますが、極力、販管費等(人員を含む)は引き継がない方針です。
シャノンとしては来期はその分が上乗せされることになります。M&Aに伴ってのれんの発生もありますが、その償却負担はそれほど重たくはないと考えていますので、結果としてはこれにより当社の利益は増えると想定しています。
取材者:元々の親会社は、御社とターゲットは異なるけれども同業者だったのですか。
回答者:そうです。
取材者:ある意味、ライバルではあったのですか。
回答者:はい。一昔前であれば弊社内でも、いつかイノベーションXの「List Finder(リストファインダー)」というツールを買収したいという議論もあったくらいです。
結果的にこのリストファインダーは形を変えて弊社に入ってくることになりました。弊社から見て相対的にローエンド側のサービス・顧客を持つリストファインダーが傘下に入り、この客層をフックにして、弊社として従来ターゲットよりも下の価格帯の市場にも入っていきます。
加えて申しますと、ターゲットは被っていなかったとはいえ、サービス機能は被っていますので、なるべく早期にサービスとしての一本化を目指すべきとは考えています。システムのインフラなどの固定費は現状では二重になりますが、サービスを一本化できればその辺も削減できるためPL的にも更にプラスになると考えています。
取材者:この資料の中に、Webサイト構築、潜在顧客リストの管理、定期的なメールのやり取りの関係性構築、商材購入時期見極め、といった記述があり、他にも色々あると思うのですが、反復的に行われる活動を定型化・自動化していきますというのがマーケティングオートメーションであるとのことでわかりづらい部分です。
回答者:効率といいますか、簡単に言えば人手で無理にやらなくてもシステムがある程度自動的にプロセスを回してくれるということです。
取材者:ここが肝だと思うのですが、「顧客の購入決定までの時間が長く、また顧客との関係性も購入に影響することから、MAを活用するメリットが大きいことが背景としてあります。」と書いてあります。ここが非常に重要な気がしていて、結局、すぐ決められる人はよいけれども、お客さんとのやり取りを持って、お客さんとの購入決定まで持っていくようなビジネスモデル、例えば、1取引あたりの価格が大きい製造業や、長期の利用が前提との金融業といった会社にとっては非常にメリットが大きい。
日本固有のビジネス習慣に沿った国内企業向けサービスのMAナンバーワンを目指すということですから、ここが黒字化に向けた再スタートになると思います。来期以降、非常に楽しみだなと思いながら見ています。
回答者:ありがとうございます。資本政策的な部分も含めてですが、一旦ベースの立て直しができないと逆に身動きが取れないような状況だったところから、まさに次の1年2年の中ではそういったことも改めて手段として回復できると思っていますので、当然、そういったことも中長期の目線でいくとやはりこの市場も、やはりマーケティングオートメーションの世界も保守的に考えてリスクを考えると、下手すると3年後にはそんな単語もなくなっている可能性もあると認識しています。今でいうマーケティングオートメーションの次世代の形のようなものがどうなっていくのかということについては、弊社内でも検討を始めてますが、本格的に投資する段階では今以上の投資余力も持っていなければならないと思います。市場環境が大きく変わるときに、大事になるのはその時点でのシェアだったりアカウント数だったりしますから、そういう意味でもこの2、3年という期間はしっかりそこを広げて、5年後の業界自体の予測をしっかりと立てる必要があると思います。
AIの活用について、実際人員減の分をどうやってこなしているのかというと、さほど高度ではない使い方であったとしても、積極的にAIを日常業務の中で皆が使っていこうという話は、取り組みとしてはこの半年、社内でも改めて会社としての動きとして、社内発信も現在行っています。
取材者:御社のMAはシステム上ですよね。これがフィジカルAIに進化するのではないでしょうか。例えば弊社はこのAIロボットを派遣し、貴方の隣に座らせます、というのはいかがでしょうか。
回答者:どうなるのでしょうね。現実は一足飛びにいきなり変わるということは起こらないと思いますので、その過程があると思いますが、弊社もきちんと柔軟性を持って臨んでいきたいと思っています。弊社は元々国産サービスとしては、サポートなどの領域が既存のお客様からも好評でして、そうした部分を評価して長期利用頂いたり、逆に外資系ツールはそういう部分が弱いので、それでリプレースをあえて国産にしましたという人もいらっしゃいます。弊社は人的サービスサポートを含めた部分に関しては、元々日本で商売している中で文化的にも大事だという認識の中でやってきましたので、それをAI時代においてどのような形で人が介在する部分が残るのか考えていますが、中長期にも人的サービスに強みを持っているという部分はやはり活かしていきたいと思っています。
執行役員CFO兼経営管理本部長 友清 学 様

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決算概要
2025年12月期第3四半期決算は、売上高20億9,700万円(前年同期比7.8%減)、営業損益9.8万円の黒字、経常損益5,800万円の赤字、四半期純損益1億4,800万円の赤字を計上した。売上減少の主な要因は、前期に広告関連事業を行っていた連結子会社を売却したこと及びマーケティングクラウド事業におけるプロフェッショナルサービス売上が減少したことによるもので、これは過去の大型案件の収束によるものである。一方で、採用抑制と自然退職による人件費削減や、広告宣伝費の適正化による販管費の減少が、4期ぶりの3Q累計営業黒字化に寄与している。
セグメント別または事業別の増減要因
マーケティングクラウド事業のうち、新規顧客の初期導入費用やコンサルティング等で構成されるプロフェッショナルサービスの売上が前年同期を下回ったことが、全体の売上減少に繋がっている。しかし、メインであるサブスクリプションの収益は前年同期比約10.9%増加しており、オーガニックな成長を重視する方針に沿って堅調な成長をしている。また、イベントクラウド事業も計画以上の進捗を見せており、順調である。
主要KPIの進捗と変化
主要KPIである月次経常収益(MRR)を含むサブスクリプション売上は、今半期で前年同期比10%強増加した。また、もう一つの主要KPIである解約率は少し前まで年率7~8%前後で推移していたが、近年10%程度まで上昇していた。現在は、高止まっており、また、初年度解約の増加傾向に対し、オンボーディング支援体制の強化が奏功し、今期は改善する見込みである。
季節性・一過性要因の有無と影響
今期は変則の14ヶ月決算であるため、単純な年度比較では売上が減少していないように見えるが、実質的には減収である。これは、プロフェッショナルサービスにおける大型案件の収束に加え、昨年末に売上数億円規模を計上していた広告会社の売却による影響が大きい。しかし、本業ベースでの売上は実質的に堅調に推移している。
通期見通しと進捗率・達成可能性
現在の進捗ペースを踏まえると、通期予算達成の確度は高いと見込んでいる。今期はコストバランスの見直しと調整を最優先しており、それが順調に進捗していることが業績改善に繋がっている。
トピックス
コスト削減が順調に進捗し、想定したコストバランスの見直しがほぼ完了していることが最大のトピックである。今期中にやるべき調整を全て完了させ、来期は純利益ベースでの確実な黒字化を目指す。これにより、銀行融資の再開や、株価回復後の新株発行による資本調達の選択肢を回復させる意図がある。
また、2025年9月12日に公表した「グループ再編(株式会社Innovation X Solutionsの株式取得(完全子会社化)及び株式会社Innovation & Co.への事業の一部譲渡)に関するお知らせ
」に記載の通り、Innovation X Solutionsが提供する「List Finder」と、シャノンが提供する「SHANON MARKETING PLATFORM(以下、「SMP」といいます。)」という2つのマーケティングオートメーションサービスをシャノンに統合します。
これまで両サービスは、機能や価格帯の違いからターゲットとする顧客層を分けていましたが、今後はシャノンが「List Finder」も通じて、従来よりも幅広い顧客層にアプローチを開始します。これにより、両サービスの市場シェアを拡大し、営業やカスタマーサポートといった関連業務の効率化を進めてまいります。
将来的には、両サービスを統合し、より強力で効率的なソリューションとして提供することを目指します。この取り組みは、両社の事業競争力を高めるだけでなく、株主の皆様の利益にも貢献するものです。
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IR担当
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企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
決算概要
2025年12月期第2四半期決算は、売上高14億3,600万円(前年同期比3.1%減)、営業損益2,100万円の赤字、経常損益7,000万円の赤字、中間純損益1億5,700万円の赤字を計上した。売上減少の主な要因は、前期に広告関連事業を行っていた連結子会社を売却したこと及びマーケティングクラウド事業におけるプロフェッショナルサービス売上が減少したことによるもので、これは過去の大型案件の収束によるものである。一方で、採用抑制と自然退職による人件費削減が進み、販管費の減少が営業損失の改善に寄与している。
セグメント別または事業別の増減要因
マーケティングクラウド事業のうち、新規顧客の初期導入費用やコンサルティング等で構成されるプロフェッショナルサービスの売上が前年同期を下回ったことが、全体の売上減少に繋がっている。しかし、メインであるサブスクリプションの収益は前年同期比約10%増加しており、オーガニックな成長を重視する方針に沿って堅調な成長をしている。また、イベントクラウド事業も計画以上の進捗を見せており、順調である。
主要KPIの進捗と変化
主要KPIである月次経常収益(MRR)を含むサブスクリプション売上は、今半期で前年同期比10%強増加した。また、もう一つの主要KPIである解約率は少し前まで年率7~8%前後で推移していたが、近年10%程度まで上昇していた。現在は、高止まっており、また、初年度解約の増加傾向に対し、オンボーディング支援体制の強化が奏功し、今期は改善する見込みである。
季節性・一過性要因の有無と影響
今期は変則の14ヶ月決算であるため、単純な年度比較では売上が減少していないように見えるが、実質的には減収である。これは、プロフェッショナルサービスにおける大型案件の収束に加え、昨年末に売上数億円規模を計上していた広告会社の売却による影響が大きい。しかし、本業ベースでの売上は実質的に堅調に推移している。
通期見通しと進捗率・達成可能性
現在の進捗ペースを踏まえると、通期予算達成の確度は高いと見込んでいる。今期はコストバランスの見直しと調整を最優先しており、それが順調に進捗していることが業績改善に繋がっている。
トピックス
コスト削減が順調に進捗し、想定したコストバランスの見直しがほぼ完了していることが最大のトピックである。今期中にやるべき調整を全て完了させ、来期は純利益ベースでの確実な黒字化を目指す。これにより、銀行融資の再開や、株価回復後の新株発行による資本調達の選択肢を回復させる意図がある。国内マーケティングオートメーション市場の飽和に伴う業界再編が進む中で、親会社との統合を足がかりに、国産ナンバーワンを目指す方針である。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:現在当社では、コスト削減を優先的課題と位置づけ、コストバランスの見直しを全社的に推進しております。今期中に必要な調整を完了させることを大きな目標としており、これにより来期以降、年間を通じた本質的なコスト削減効果が業績に寄与し、堅実な黒字化が実現可能になる見込みです。
また、安定的な収益確保への具体的な取り組みとしては、過剰な投資を抑えつつ、サブスクリプション売上のオーガニックな成長を基軸に事業を進めております。また、近年増加傾向にあった初年度での解約に対しては、オンボーディング体制の強化などを通じて、解約率の改善を図っています。
Q:通期業績の見通についてご説明ください。
A:2025年12月期第2四半期決算において、売上高は14億3,600万円(前年同期比3.1%減)、営業損益は2,100万円の赤字、経常損益は7,000万円の赤字、中間純損益は1億5,700万円の赤字となりました。
売上減少の主な要因は、マーケティングクラウド事業におけるサブスクリプション以外の収益、特に新規顧客の初期導入費用やコンサルティング等で構成される「プロフェッショナルサービス」の売上が前年同期を下回ったことにあります。これは、過去1~2年で受注した大型案件の納品完了に伴い、該当売上が収束しつつあるためです。
一方で、サブスクリプション収益は前年同期比で約10%増加しており、現在、当社が基本線としている「過剰な投資を抑えつつ、オーガニックな成長を重視する方針」に沿って、順調に事業基盤の強化が進んでいます。また、イベントクラウド事業においても計画以上の進捗を見せております。
費用面では、過去半年~1年をかけて採用を抑制し、自然退職による人員調整を実施した結果、固定費の削減が進み、営業利益および営業損失の改善に寄与しております。現状の進捗ペースを踏まえると、通期での営業黒字化に向けては順調であり、会社予想を上回る着地も視野に入れられると考えています。
なお、今期は変則の14か月決算となるため、単純な年度比較では売上が減少していないように見える部分もありますが、実質的には減収となっております。要因としては、プロフェッショナルサービスにおける大型案件の収束に加え、昨年末に売上数億円規模を計上していた広告会社の売却による影響が大きいです。しかし、本業ベースでの売上は堅調に推移しています。
そのため、下半期を含めた通期業績の達成に向けては高い確度があると見込んでおります。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:受注状況は堅調であり、主要事業であるサブスクリプションモデルの売上は前年同期比で10%以上の伸びを記録しています。
一方、競合状況については、国内のマーケティングオートメーション市場は飽和状態にあり、業界内での統廃合が進むと考えています。当社としては、親会社とのマーケティングオートメーション事業統合を足がかりに、これまでアプローチできていなかったミドル~ローエンド層への展開も含め、国産No.1のマーケティングオートメーションの位置を目指しておリます。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aや業務提携に関しては、現時点で具体的な内容を明確にお伝えすることは難しい状況ですが、当社の主要事業であるマーケティングオートメーション事業と、親会社が展開する同事業との統合は、TOBを受けた段階から重要なテーマの一つとなっており、今年中にその整理を進める予定です。
当社が提供するサービスは、親会社の同種サービスよりも上位モデルに位置づけられ、価格帯も高いため、統合を通じてこれまでターゲットとしていなかったミドル~ローエンド層の取り込みを検討しております。
また、事業売却に関しては、昨年、広告事業関連のグループ会社1社を外部に売却しましたが、現在も一部広告事業が残っており、条件が整えば親会社事業との統合を含めて、グループでの最適化を目指していきたいと考えています。
こうしたM&Aや事業整理は、当社の事業ポートフォリオの最適化および再編を目的としたものであり、将来の成長に向けた布石と位置づけております。なお、昨年の広告関連子会社の売却や今後予定される一部事業の整理に伴い、売上高としては一時的に約3億円相当の減少が生じておりますが、これは本業の縮小によるものではなく、事業構造の転換に起因するものです。
将来的には、国内マーケティングオートメーション市場の飽和に伴う業界再編が進む中で、積極的にM&Aを検討する可能性も視野に入れております。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:現時点で公表している具体的な中期経営計画はございませんが、当社の足元の取り組みとしては、本年度中に事業基盤の再構築を完了させることを最重要課題と位置づけており、進捗としては、ほぼ完了しております。また、今期においては営業損益レベルでの黒字化を見込んでおり、来期には純利益ベースでの確実な黒字化を目指しております。
これにより、金融機関からの融資再開や、株価の回復を前提とした新株発行による資本調達の選択肢が視野に入ると見込んでおります。
来期以降は、立て直しフェーズを終え、再び成長軌道に回帰することを計画しており、その過程で必要となる資金確保の手段として、資金調達力の回復を戦略的に位置づけております。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:現時点において、株主還元に関する具体的な方針や変更はございません。ただし。来期以降に当社が持続的な黒字を達成した場合、親会社による投資資金の回収ニーズを背景に、配当の実施を求められる可能性があると認識しております。これは、親会社のみならず、一般株主を含む株主全体への還元にもつながるものであり、業績の推移次第では、来期または、翌々期に配当を実施する可能性があると見込んでおります。当社としましても、安定的な利益が見込まれる状況においては、株主還元の実施について検討してまいります。
取材者:初めに、2025年12月期第2四半期決算についてお伺いいたします。売上高が14億3,600万円で前年同期比3.1%の減少、営業利益がマイナス2,100万円、経常利益がマイナス7,000万円、中間純利益がマイナス1億5,700万円でした。通期での営業利益の黒字化に向けては順調に進捗していると拝見いたしましたが、こちらの増減要因についてご説明いただけますか?
回答者:サマリーとしては順調に推移している状況です。内容的に申し上げますと、昨対で売上が減少している部分というのは、主に弊社のマーケティングクラウド事業における、いわゆるシステム系のサブスクリプションの売上ではない部分です。それは具体的に言うと新規のお客様のイニシャル費用や、開示資料などではプロフェッショナルと記載している売上の増減なのですが、ここが昔からかなり変動があり、その変動を生み出しているのが、システムのイニシャル導入費用などではなく、別動隊で動いているコンサルティングのようなところの売上です。今期で申し上げますと、この2年ほどプロフェッショナルと記載している部分で大型の案件が動いており、それでここ1〜2年くらい直近で少し膨らんでいたところなのですが、その大型案件の納品が完了し、収束しつつあるため、プロフェッショナルと記載している部分の売上が昨対で減少していることや前期に広告関連子会社を売却したことが、全体の売上が伸びていないように見えている要因です。サブスクリプション自体は無理な過剰投資をせずにオーガニックにしっかり成長させていくのを基本線としており、その部分は現状予定通りに動いています。
売上面ではプロフェッショナルの売上が昨対で減少しているといったところはございますが、全体としては特に特別なことはございません。それに対し、原価や販管費のところに影響していますが、この半年、実質この1年ほど採用を絞りながら自然退職で人員調整をかなり進めてきたため、その部分でのコスト減少が営業損失の改善に繋がっています。方向感としては、売上は現状横ばい想定で、それに対してコストは減少していくような図式の中で順調に改善してきています。このペースでいけば、ガイダンス以上の着地も目指せる可能性はあると考えております。
取材者:そうしますと、かなり進捗としても上振れとまではいかないにしても、かなり順調に推移しているのですね。
回答者:現時点で既に黒字が確定しているということではないですが、進捗としては、元々何か特別に売上を積み増すという発想では今期に関してはなく、コストバランスをしっかり見直して調整していくのがベースにありますので、それが順調に進んでいるという点で改善しており、確度の高い形で動いております。
取材者:その他主要なKPIの進捗などございましたら教えていただけますか?
回答者:従来から弊社で気にしているのは解約率などです。だいたい過去10年レベルで見ても年率で10%前後。また、もう少し昔だと年率で7~8%くらいの解約率で推移していました。しかし近年はそれが10%くらいまでは上がっている状態です。ここは今上げ止まっておりますが、今期については昨年よりは解約率が改善する見込みです。
弊社の顧客層では基本的にサブスクリプションを年契約で更新しており、更新のピークが3月末で、4月からまた新しい1年が始まるというお客様が全体で見るとやはりボリュームが多いので、そこを乗り越えたときにどの程度の解約が出ているかというのが、おおよその年間解約の指針になっております。今日の時点で申し上げますと、直近で解約、もしくは解約予定があればそれはすでに把握しています。そのため、現状、この後追加で特別な解約が入らなければ、昨年よりも解約率は多少ですが改善する見込みです。
取材者:それは何か実施した施策や取り組みなどはございましたか?
回答者:直接的にこれをやったから改善しましたという分かりやすい関連性というのはなかなかありません。しかし、近年、いわゆる初年度解約、つまり1年で解約してしまうお客様が少し増加傾向にあったのですが、そこはいわゆる既存営業部隊やカスタマーサクセス部隊のようなところで、オンボーディングの対応を強化したりもしていますので、1年解約のようなものは減少しているというのが要因だと考えています。
取材者:その他、何か解約率以外のKPIでいきますといかがでしょうか?
回答者:解約率以外で申し上げますと、KPIという表現が適切かはありますが、やはりサブスクリプション、それもMRR(月次経常収益)のようなところというのは当然主力事業の一番の部分ですので、そこはしっかりと追っています。今、半期のサブスクリプション売上そのものというのは、昨対で10%少し増加しています。そこは解約と獲得とアップセル、クロスセルといったところの集合体ではありますが、現状の弊社の基本方針でいくと、この10%増をどうやって20%増にするかというのは、短期的には無理には追っていません。10%増くらいの横ばいを目指して、コストは削減していくという目線で追っていますので、その辺も順調だと考えています。
取材者:その他何かここまで業績に影響を与えたような一過性の要因や季節性、外的要因などございましたら教えていただけますか?
回答者:近年のこの数年の推移の中でいきますと、今期はイベントクラウド事業と記載している方の事業の進捗がとても順調です。今、半期時点ですが、これを通期で大幅に上振れるといったことを前提にしているわけでは全くないですが、半期時点で見ても、要は下半期にあとどれくらいしっかり売上が作れるかといった見込みを含めて、通期の予算達成が早い段階で、ある程度の確度で見えているという意味で、イベントクラウド事業は順調に進捗しております。これはこのまま上振れで着地するということを言っているつもりはなく、その上期が順調なことも含めて通期の部分というのはしっかりと数字が作れそうだということです。最終的には多少上振れる可能性もありますが。
取材者:通期の中で、売上高に関しては去年よりも一応増収という形で着地が見込まれると思いますが、こちらに対しての見通しとしてはやはりそういった部分が大きいのでしょうか?
回答者:年度比較で言ってしまうと、今期は変則で14ヶ月決算になっています。12ヶ月で考えてしまいますと減収です。その減収と記載している部分は、先ほど冒頭で申し上げたプロフェッショナルのところが大型案件が収束してきているため、そこの膨らみがなくなった分や前期に広告関連子会社を売却したことに起因するものとなります。プラス2ヶ月あるので、結果的に売上が減っていない見え方にはなりますが、実態としては減収です。
取材者:来期以降の見せ方も難しそうですね。
回答者:来期予算はこれから具体的な編成になるのですが、今期は14ヶ月ですが、12ヶ月対14ヶ月の中で少し増える、横ばいプラスアルファのようなイメージで数字を見ています。来期は12ヶ月決算に戻った状態で何とか横ばいの内容にしたいと考えています。横ばいが維持できるということは、実態は上がっているという実情ですので。今期自体は昨年末に、売上高でいきますと数億円を計上していた広告の会社を1つ外部に売却してしまっていますので、そこで下駄が1つ外れているのが実情なので、本業ベースでいったら特に売上が減少しているような状況ではなく、事業の統廃合というか整理をする過程で、売上高としては3億円くらいを切り離していますので、それがそのまま減少要因にもなっているという状態です。
取材者:M&Aや業務提携に対しまして実施で状況であったり、検討状況などございましたら、お答えできる範囲で教えていただけますか?
回答者:具体的に明確にお伝えすることは難しいところもありますが、元々親会社ができて、対外的にも大方針としては記載しているところなのですが、親会社(株式会社イノベーション)側でも弊社の主力のマーケティングオートメーション事業を手掛けており、そこをどう統合するかが今回のTOBの大きなテーマの一つでもありました。そこは今年中に整理を進めたいと考えています。
基本的にはマーケティングオートメーションという分野では、親会社が持っているサービスよりも、当社が手掛けているサービスの方が上位に位置しているサービスです。価格帯としては弊社の方が高いです。弊社がミドルからミドルハイくらいをターゲットにサービスを展開していますが、親会社が持っているものはミドルからミドルローのようなところですので、弊社からすると、そこを統合しにいく過程で、従来はターゲットにしていなかったローエンド市場を、どのようにして獲得していくかというテーマになると考えています。そのローエンド戦略のきっかけが、結果的にはその親会社サービスをどうやって弊社のサービスと統合させるか、ということになってくるのではないかと考えております。
あとは、今後実際に動くかどうかは現時点ではわからないですが、昨年、広告関連の連結子会社を1社売却はしているものの、まだ弊社には広告事業が残っています。事業の親和性なども踏まえて、例えば親会社のメディア事業と一緒にする方が良いということになれば、そういう整理を行うこともあるかもしれません。これに限らず、グループ全体での最適化に資するものについては積極的に今後も検討を進めたいと考えています。
取材者:最初に説明いただきました人材の整理がしっかり進んでいるのも、親会社の影響も大きいのでしょうか?
回答者:内情でいけば、この半年から1年の中で、実際2、3年の軸の中で色々混乱がありましたので、その最終的な帰結が今、親会社ができたといったところでもあります。そのような中で、あまりポジティブな話ではないですが、自然退職という状態ではありますが、社長もこの半年で3人交代するなどかなり大きな環境変化がありましたので、やはりそういったところで現場に近いところほど、方針が見えないといったことも含めて、離職が一次的に加速した感はあります。しかし、そこ自体は現状ではそんなにネガティブには受け止めていません。例年よりも2倍とは言いませんが、自然退職のペースというのはやはり1.5倍を超える形で動いていて、一方で採用を抑制しているため人件費が減少しています。一方で、仮に退職がなかった場合には他の手段でコスト削減を進める必要があるという認識もありましたので、決してポジティブな話ではないのですが、自然減で調整が進んでいるという捉え方をすれば、ある意味ポジティブな状況です。
取材者:株主還元の方針につきまして変更などございましたら教えていただけますか?
回答者:今の時点で何か明確な方針や変更はありませんが、ただ常識的に考えれば、来期以降黒字化していく中で、親会社は投資したお金を回収しなければなりませんので、シャノンがきちんと黒字化したら、恐らく配当を出すように言われるでしょう。それはでも逆に言うと親会社にも出しますが、市場にも配当を出すということになるので、順調にいけば来年、再来年と配当するようなことが起こるのではないかと現状では想像しております。
取材者:最後に、何かここまで足元の状況につきましてトピックスやニュースリリース等はございましたら教えていただけますか?
回答者:会社全体の業績動向でいけば、トピックは、しっかりとコスト削減が進み、想定したコストバランスの見直しがほぼ完了していることです。元々の会社の目線でいきますと、今期は変則ですが12月末までの今期中に、やるべき調整はすべて終わらせるのを一つの大命題としています。その結果、来年1月からいきなり単月でしっかり黒字化するところまでいくかというのはまだ分かりませんが、本質的な部分でいくと、だいぶコスト削減効果がすでに進んできていますので、来期はそこがしっかりと年間で寄与してくる見込みです。そのため、しっかりと黒字化路線を突き進んでいるというところが、トピックというか、今の弊社の状況で一番のサマリーです。
また、これからの中期的な計画などは特に公表していませんが、当然この後、時価総額40億円、100億円というところに向かっていかなければならない中で、今期は何よりもベースの立て直しをしっかりと終えて、営業損益レベルでは黒字化することが重要だと考えております。そのうえで、来期は純利益ベースでしっかりと黒字化させるといった計画です。そのような中で、例えば銀行融資も復活できるでしょうし、株価は市場動向となると思いますが、株価がもう少し戻ってくれば、資本での調達も含めて検討できると考えています。来期以降は立て直しフェーズが終わり、新たな成長軌道にもう一度戻さないといけない状況で、当然ながら投資資金は必要になるということ考えたときに、その手段を回復するのが短期的には重要なことである位置付けています。無茶なことはやるつもりはありませんが、国内のマーケティングオートメーション市場というのも飽和してきており、業界内の統廃合はやはり進んでいくと考えています。M&Aをするか、競合にダイレクトにぶつかって、勝ち残っていくか、その辺はまだ手段は決まっていませんが、親会社(イノベーション)と一緒になることをスタートに、マーケティングオートメーションの国産ナンバーワンと言うのをしっかりと作り直したいと考えています。競合外資も存在しますが、まずは国内のマーケティングオートメーション市場において、国産ではシャノン、あとは外資系という戦いの構図というのをこの1年2年で作っていきたいと考えています。その実現過程でM&Aをする可能性もございます。
執行役員CFO兼 経営管理本部長 友清学様

企業名
上場市場 証券コード
決算日
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事業内容
株式会社シャノンは、マーケティングオートメーション分野におけるリーディングカンパニーとして、イベント管理、名刺情報管理、リードナーチャリングなど、多岐にわたる機能を備えており、堅調な成長を続けている。同社の主力事業であるサブスクリプション事業は、顧客企業の商談化率向上に大きく貢献しており、高い収益性を誇る。
ビジネスモデル
同社の主力事業はサブスクリプション事業であり、顧客企業にマーケティングオートメーションプラットフォームを提供することで収益を得ている。 先行投資を積極的に行いながら、顧客基盤の拡大を図ってたが、2024年10月期からは、収益性を重視し、利益を確保できる範囲で成長を追求する方針に転換。
戦略
近年、同社は事業ポートフォリオの見直しを行い、メタバースサービス事業の縮小、広告事業を営む子会社の売却など、選択と集中を進めている。これは、主力事業であるサブスクリプション事業への投資を強化し、更なる成長を促進するための戦略的な決断である。
イノベーション株式会社との経営統合により、国内マーケティングオートメーション市場におけるシェア拡大を目指す。両社の強みを結集することで、外資系企業との競争を優位に進め、更なる成長を遂げることが期待される。
Q:貴社の事業内容、ビジネスモデル、特徴、および強みについてご教示ください。
A:近年、代表者の交代など、いくつかの大きな変化がありました。これらの変化とビジネスそのものの影響に直接的な関係はありませんが、方向性としては、2024年10月期の予算編成あたりから、いくつかの方針転換を行っています。
Q:具体的な方針転換の内容についてご教示ください。
A:大きく変更したのは、主力事業であるサブスクリプション事業に関する方針です。従来は、積極的な先行投資により、顧客基盤の拡大を最優先としてきました。しかし、2024年10月期からは、収益性を重視し、利益を確保できる範囲で成長を追求する方針に転換しました。
Q:サブスクリプション事業以外の事業についてご教示ください。
A:子会社で運営していたメタバースサービス事業は、収益化が困難であることから縮小しています。また、広告事業については、その一部を担っていた子会社を売却しました。
Q:これらの事業見直しは、収益性の高いビジネスモデルへの移行を目的としたものですか?
A:元々、サブスクリプション事業単体では十分な利益を確保できていました。しかし、新規顧客獲得には多額のコストが発生するため、短期的な収益は圧迫される傾向にありました。そこで、財務状況を改善し、より安定的な収益構造を構築するために、事業ポートフォリオの見直しを行いました。
Q:今後、サブスクリプション事業において注力していくことは何ですか?
A:既存顧客へのサービス拡充を図りながら、既存の営業戦略による新規顧客獲得を着実に進めていきます。ただし、営業体制の拡大には慎重な姿勢を保ち、収益性を重視した運営を継続します。
Q:貴社のマーケティングプラットフォームを導入することで、企業にもたらすメリットは何ですか?
A:当社のプラットフォームは、見込み顧客の獲得から商談化、受注に至るまでのプロセス全体を効率化し、売上増加に貢献します。具体的には、Webサイトやメール、セミナーなどを通じて収集した見込み顧客の行動履歴を分析し、興味関心の度合いに応じてスコアリングを行います。これにより、営業担当者(インサイドセールスを含む)はより確度の高い見込み顧客に絞ってアプローチすることができ、商談化率の向上が期待できます。
Q:貴社の創業の経緯と事業内容をご教示ください。
A:当社は、イベント開催の支援を目的としたイベント管理システムの提供から事業を開始しました。その後、顧客のニーズに応える形で、名刺情報管理、リードナーチャリングなど、マーケティングオートメーション分野の機能を拡充してきました。
Q:今期から開始される取り組みやトピックスについてご教示ください。
A:営業体制のさらなる効率化を図るとともに、既存の営業担当者の能力向上に注力します。また、新規顧客獲得のためのマーケティング活動を強化します。
Q:事業戦略をご教示ください。
A:イノベーション株式会社との経営統合により、国内マーケティングオートメーション市場におけるシェア拡大を目指します。統合後は、両社の製品の強みを生かしながら、顧客基盤の拡大を図ります。
Q:イノベーション株式会社との統合によるシナジー効果についてご教示ください。
A:イノベーション株式会社は、当社よりも低価格帯のマーケティングオートメーションサービスを提供しています。統合により、両社の顧客基盤を共有することで、より幅広い顧客層にアプローチすることが可能となります。また、製品開発や営業活動における効率化も期待されます。
Q:今後の事業展開についてご教示ください。
A:イノベーション株式会社との統合効果を最大限に発揮し、国内マーケティングオートメーション市場におけるリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにします。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者: 近年、代表者の交代など、いくつか大きな変化がありました。これらの変化とビジネスそのものの影響に直接的な関係はありませんが、方向性としては、2024年10月期の予算編成あたりから、いくつかの方針転換を行っています。
取材者: 具体的な方針転換の内容について教えてください。
回答者: 大きく変更したのは、主力事業であるサブスクリプション事業に関する方針です。従来は、積極的な先行投資により、顧客基盤の拡大を最優先としてきました。しかし、2024年10月期からは、収益性を重視し、利益を確保できる範囲で成長を追求する方針に転換しました。
取材者: サブスクリプション事業以外の事業についてはいかがでしょうか?
回答者: 子会社で運営していたメタバースサービス事業は、収益化が困難であることから縮小しています。また、広告事業については、その一部を担っていた子会社を売却しました。
取材者: これらの事業見直しは、収益性の高いビジネスモデルへの移行を目的としたものですか?
回答者: 元々、サブスクリプション事業単体では十分な利益を確保できていました。しかし、新規顧客獲得には多額のコストが発生するため、短期的な収益は圧迫される傾向にありました。そこで、財務状況を改善し、より安定的な収益構造を構築するために、事業ポートフォリオの見直しを行いました。
取材者: 今後、サブスクリプション事業において注力していくことは何ですか?
回答者: 既存顧客へのサービス拡充を図りながら、既存の営業戦略による新規顧客獲得を着実に進めていきます。ただし、営業体制の拡大には慎重な姿勢を保ち、収益性を重視した運営を継続します。
取材者: 貴社のマーケティングプラットフォームを導入することで、企業はどのようなメリットを享受できますか?
回答者: 当社のプラットフォームは、見込み顧客の獲得から商談化、受注に至るまでのプロセス全体を効率化し、売上増加に貢献します。具体的には、Webサイトやメール、セミナーなどを通じて収集した見込み顧客の行動履歴を分析し、興味関心の度合いに応じてスコアリングを行います。これにより、営業担当者(インサイドセールスを含む)はより確度の高い見込み顧客に絞ってアプローチすることができ、商談化率の向上が期待できます。
取材者: 貴社の創業の経緯や事業内容について教えてください。
回答者: 当社は、イベント開催の支援を目的としたイベント管理システムの提供から事業を開始しました。その後、顧客のニーズに応える形で、名刺情報管理、リードナーチャリングなど、マーケティングオートメーション分野の機能を拡充してきました。
取材者: 今期から始められるような取り組みやトピックスはございますか?
回答者: 営業体制の一層の効率化を図るとともに、既存の営業担当者の能力向上にも注力します。また、新規顧客獲得のためのマーケティング活動も強化していきます。
取材者: 今後の株主還元策や事業戦略について教えてください。
回答者: イノベーション株式会社との経営統合により、国内マーケティングオートメーション市場におけるシェア拡大を目指します。統合後は、両社の製品の強みを生かしながら、顧客基盤の拡大を図ります。
取材者: イノベーション株式会社との統合によるシナジー効果について具体的に教えてください。
回答者: イノベーション株式会社は、当社よりも低価格帯のマーケティングオートメーションサービスを提供しています。統合により、両社の顧客基盤を共有することで、より幅広い顧客層にアプローチすることが可能となります。また、製品開発や営業活動における効率化も期待されます。
取材者: 今後の事業展開について教えてください。
回答者: イノベーション株式会社との統合効果を最大限に発揮し、国内マーケティングオートメーション市場におけるリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにします。また、海外市場への進出も視野に入れ、更なる事業拡大を目指します。
執行役員CFO兼 経営管理本部長 友清学様
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(株)シャノン
東証GRT 3976
決算:10月末日
CP&X
【取材日】2026年8月26日
【2026年12月期2Q】
決算概要
増収・黒字転換と半期ベースでの歴代最高益の更新
2026年12月期第2四半期決算は、売上高は1,441百万円、営業利益311百万円、経常利益310百万円、親会社株主に帰属する中間純利益396百万円で増収・黒字転換。決算期変更のため前年同期比の増減率は不記載であるものの、半期ベースで歴代最高益を更新する好調な推移。不採算事業の整理や子会社取得によりストック型売上が増加したことに加え、採用抑制やAI活用等により販管費率が47.7%へ低下したことが利益率改善の主要因。
セグメント別または事業別の増減要因
マーケティングクラウド事業のストック収益拡大とイベント事業の安定推移
主力のマーケティングクラウド事業は、前期末に取得したList Finder事業の寄与によりストック型売上が1,012百万円と大幅に伸長した状況。イベントクラウド事業は、大型案件の会期の都合により一時的に減少したものの、通期予算達成に向けて想定通りの進捗。
主要KPIの進捗と変化
アカウント数の大幅増加と販管費率の目標水準維持
総アカウント数は、List Finderのアカウント譲受が寄与したことで前期末の571件から888件へと大幅な増加。経営KPIである販管費率は、徹底したコスト管理と人員適正化により47.7%へと低下し、目標の55%以下を維持する順調な推移。課題とされていた解約率は全体として横ばいであるものの、List Finderの解約率が高めであるため、競合ツールへのリプレイスを少しでも食い止めるべく、自社のサービスである「SHANON MARKETING PLATFORM」への移行を促すなど、継続的な見直しと施策実行を行っている段階。
季節性・一過性要因の有無と影響
M&Aによる事業構造の変化と大型案件の下期偏重傾向
イベントクラウド事業において、大型案件の会期の都合による納品時期変更により売上計上が下期偏重となる特有の季節変動が発生。また、前期末のList Finder事業取得による売上・利益の追加計上に加え、当第2四半期において繰延税金資産を計上したことが純利益を一時的に押し上げる結果。
通期見通しと進捗率・達成可能性
成長投資を織り込んだ保守的な利益計画と上振れ着地の可能性
通期ガイダンスは営業利益500百万円、純利益600百万円等へと上方修正され、第2四半期末時点の期初予想(350百万円)に対する営業利益進捗率は88.9%に到達。売上高は期初予想の3,000百万円をを据え置くものの、利益面は来期以降の成長投資を織り込んだ保守的な設定。利益見通しに対する下振れリスクは想定しておらず、有効な投資先が見つからない場合は利益が上振れて着地する可能性もある確度の高い見通し。
トピックス
SMB領域へのターゲット拡大と他社製品からのリプレイス戦略へのシフト
従来のエンタープライズ層に加えSMB領域の開拓に向け、AIを活用した「Webページ」機能の実装や廉価プランの導入を推進する戦略的展開。市場環境の変化を踏まえて新規獲得からリプレイス戦略へと明確にシフトし、List Finderユーザーを主力製品であるSMPへ移行させることで顧客流出を防ぐ施策の実行。リアルイベントのシステム支援を行うイベントクラウド事業の成長にも、今後取り組みマーケティングクラウド事業とのシナジー創出を目指す。
取材アーカイブ
CP&X
【2025年12月期4Q】
決算概要
コスト構造改革による大幅な黒字転換
2025年12月期は14ヶ月の変則決算。12ヶ月累計(10月31日時点)での売上高は2,740百万円、営業利益は53百万円であったが、12月31日までの連結業績予想としては売上高が3,150百万円、営業利益は50百万円と、当初予想を上方修正する形での増収・増益(黒字転換)の見通しであるが、リスク要素も織り込んでいるため更なる上振れの余地も大きい。利益改善の最大要因は、従業員数を約250名から約200名へと適正化したことに伴う人件費の削減であり、単月ベースで前年同期比約20百万円の固定費低減を実現。税引前利益については、期初に発生したTOB関連費用や体制変更の臨時コストにより赤字の可能性があるものの、会社体制と財務基盤の立て直しは完了との評価。
セグメント別または事業別の増減要因
不採算案件の排除とリソースの集中
マーケティングクラウド事業では、累計10億円以上の売上を計上した万博関連の大型スポット案件の消失や、サブスクリプションに寄与しないコンサルティング案件の縮小を選択。2025年9月末付で損益面での寄与が少なかった広告事業を親会社へ譲渡したことにより、利益面へのマイナス影響を排除しつつ、経営リソースを主力事業へ集中させる体制を構築。イベントクラウド事業は、展示会等の主催者向けにショット単位のシステム提供を継続しており、利益を確実に残す別軸の事業体として安定稼働を維持する方針。
主要KPIの進捗と変化
解約率の高止まりと新規獲得の強化
サブスクリプション売上成長率は前年同期比9.8%増の17億円に留まっており、当初目標の13.4%に対しては新規獲得の遅れが影響した形。解約率については、長年の目標である10%以内に対し、近年は金額ベースで約13%を超えて推移している点が重要な改善課題。今後は既存顧客の維持という強みを活かしつつ、営業活動の抜本的な見直しにより、新規アカウント獲得の加速と純増ペースの適正化を最優先課題とする戦略。
季節性・一過性要因の有無と影響
大型スポット案件の終了による実質的な事業回帰
過去3年間にわたり売上を下支えしていた特定の大型案件は、将来のサブスクリプションに繋がらないスポット収益であったため、この消失を本来の事業姿への回帰と定義。特需的な売上がなくなることで一時的な減収要因とはなるものの、本業のリソースを圧迫していた要因が排除されたことで、本来注力すべきサブスクリプションの純増に注力できる環境が整備。体制変更に伴う一時的な人件費や管理コストは今期中に処理を終えており、来期以降は削減されたコスト水準でスタートできる利益体質への転換。
通期見通しと進捗率・達成可能性
来期営業利益2億円規模へのスタートライン
2025年12月期の営業利益は、12月時点の修正予想50百万円を大幅に上回る着地が確実視されており、経常利益までの黒字化は必達の情勢。来期は広告事業の譲渡や万博案件の消失によりトップラインの拡大は限定的となるが、フル寄与するコスト削減効果とM&Aによる利益上乗せにより、実力値として数億円規模の営業利益を狙える水準。安定したストック売上を基盤に、固定費を抑制しながら利益を確実に積み上げる「利益重視」の経営フェーズへ移行。
トピックス
M&Aによるローエンド市場進出とシェアNo.1奪回戦略
2025年12月末に、売上高約3.5億円で高収益なMAツール「List Finder」を展開する株式会社イノベーションXを1億円で取得し、100%子会社化を完了。同社の取得により、従来はターゲットとしていなかったローエンド層の顧客を補完し、2〜3年をかけてサービスを一本化することで、コスト削減と収益性向上の両立を図る計画。中期経営計画では「国内シェアNo.1の奪回」を掲げ、AIの日常業務への活用や次世代MAの開発投資を加速させることで、5年後の市場環境を見据えた競争力の維持を目指す構え。
【2025年12月期4Q】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:弊社の成長戦略における最重要課題は、国内マーケティングオートメーション(MA)市場におけるシェアNo.1の奪回です。かつてパイオニアとして市場を牽引してきた立ち位置に再び返り咲くため、今後2~3年の中期的な軸として取り組んでまいります。具体的な施策としては、これまで弊社の強みであった既存顧客の維持に加え、課題であった新規アカウント獲得力を抜本的に強化いたします。また、親会社から取得した株式会社イノベーションXの「List Finder」を傘下に収めることで、従来のメインターゲットであったミドル・ハイエンド層に加え、ローエンド領域への進出も図ります。将来的にはサービスの統合も視野に入れ、効率的な事業運営を目指します。さらに、AIの日常業務への活用を推進しており、人員を適正化した体制下でも高い生産性を維持しながら、次世代のMAの形を模索して投資の選択肢を広げていく方針です。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:成長に向けた大前提として、過去数年間の赤字要因を排除するための組織のダウンサイズを断行いたしました。従業員数を約250名から約200名へと適正化したことで、人件費を中心とした固定費の大幅な削減を実現しており、これが利益体質への転換を支える基盤となっています。また、戦略面においては、売上総額の拡大を優先するあまり、本業のリソースを圧迫していた特定の大型のスポット案件や、サブスクリプションに繋がらないマーケティングコンサルティング案件を「潔く諦める」という選択と集中を行いました。これにより、一時的な売上の減少は生じるものの、本来注力すべきサブスクリプション売上の純増にリソースを集中できる体制を整えています。一方で、解約率が近年13%を超えて高止まりしている点は課題として認識しており、この抑制と新規獲得のバランスを最適化していくことが今後の成長に向けた重要な前提条件となります。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2025年12月期は14ヶ月間の変則決算となりますが、売上高は3,200百万円近辺、実質的な営業利益は公表予算の50百万円を超える見通しです。今期は売上の急拡大よりも、組織の適正化により利益の出せる体制の維持を最優先課題として取り組んでまいりました。人件費の削減効果が単月ベースで前年同期比約20百万円出ており、これが今期の黒字化の最大要因となっています。税引前利益については、体制変更に伴う臨時コストやTOB関連費用により黒字化に届かない可能性がありますが、会社体制の立て直しという最低ラインの組み換えは完了したと評価しています。来期以降は、この削減されたコスト水準でスタートするため、今期以上に利益に寄与する見通しです。売上高についても、広告事業の譲渡や万博関連売上の消失といったマイナス要因はありますが、実力値としては営業利益は数億円規模を狙えるスタートラインに立っていると考えています。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:現在の国内MA市場は、外資系ツールの参入や国内企業の乱立により非常に競争が激化しており、弊社のシェアも以前と比較して減少している状況にあります。しかしながら、弊社の強みは日本固有のビジネス習慣に沿ったサービス設計と、手厚い人的サポートにあります。外資系ツールはコストをかけなければ十分なサポートを受けられない側面があるのに対し、弊社は国産ベンダーとして長期利用を頂いているお客様から高い評価を得ており、外資系からのリプレース需要も存在します。受注面では、近年は新規獲得が計画に追いついていない状況が続いておりましたが、今後は営業活動を強化し、既存顧客を守る強みを活かしつつ、純増ペースを加速させていく方針です。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:事業の選択と集中を進めるため、2025年9月末付で、損益面で寄与の少なかった広告事業を親会社である株式会社イノベーションへ譲渡いたしました。これにより、利益面へのマイナス影響を与えることなく、経営リソースを主力事業へ集中させることが可能となりました。一方で、2025年12月末にはイノベーション社から株式会社イノベーションXを1億円で取得し、100%子会社化いたしました。同社が展開する「List Finder」は、約3.5億円の売上規模と高い収益性を持っており、販管費を大きく引き継ぐことなく連結利益に加算されるため、来期の業績には非常に大きなプラスインパクトを与える見込みです。さらに、これまで弊社が手薄だったローエンドの客層を取り込むフックとして活用し、2~3年をかけてサービスの一本化を進めることで、さらなるコスト削減と収益性の向上を目指します。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:現在、3月末までには公表を予定している中期経営計画を策定中ですが、その主軸はマーケティングオートメーションというニッチ領域における国内シェアNo.1の奪回です。単なるシェア拡大だけでなく、安定したストック売上をベースに固定費を抑制し、利益を確実に残せる体質への転換を形にしていく段階にあります。進捗としては、組織の適正化や不採算事業の譲渡といった「ベースの立て直し」が完了し、次なる投資や成長戦略に打って出るための余力を回復した状況です。5年後の市場環境を予測し、AIの高度な活用を含む次世代MAの開発についても検討と仕込みを開始しており、中長期的な競争力を維持するための戦略的な準備を並行して進めています。
【2025年12月期4Q】
取材者:黒字転換を達成され、新しい経営体制へと移行されたこの数年間は、非常に重要な時期であったと推察いたします。御社がコスト管理を含めた見通しを着実に実行してこられた高く評価しています。
御社のように黒字回復を果たし、新しい経営体制における親会社となる株式会社イノベーションとの相乗効果や、ターゲットとする顧客層の棲み分けについても、今後の成果を期待しています。
まずは、2025年12月12日に公表された第4四半期決算説明資料をベースに、上方修正の要因や数字の背景をご説明いただけますか。併せて、直近の株主構成についても教えてください。
回答者:株主構成については、2025年12月で名簿を締めており、後ほど詳細が公開されますが、大きな変化はございません。株式会社イノベーションが約56%を保有する親会社である点は変わらず、以前代表を務めていた創業者の中村の保有比率は5%を上回る程度です。その下に準創業者の永島や堀がおり、それ以外は外部株主という構成です。
取材者:決算状況をご説明ください。
回答者:決算状況について、定性的な背景を補足しながらご説明いたします。
現在、弊社は14ヶ月間の変則決算期にありますが、12月の発表は2024年11月から2025年10月までの12ヶ月間の実績に基づく第4四半期決算です。2025年5月の公表値から業績予想の上方修正を行いました。売上高はリスクを考慮し修正後の予想を3,100百万円としていますが、足元の進捗状況から最終的には3,200百万円近辺まで到達する見込みです。
利益面については、12月時点で営業利益を20百万円から50百万円へと修正しましたが、こちらも保守的な見積もりです。納品リスク等の大きな懸念事項が顕在化しなければ、90百万円から100百万円程度の営業利益を確保できる可能性もあり、経常利益までは黒字化の可能性があると考えています。ただし、税引前利益については、期初のTOB関連費用や体制変更に伴う臨時コストが発生しているため、黒字化には一歩届かない可能性があります。それでも、会社体制や財務面の立て直しという最低ラインの組み換えは完了したと評価しています。
取材者:営業利益が100百万円規模に達する見通しは、非常に良い傾向です。
回答者:今期は売上の急拡大よりも、組織サイズの適正化を優先した1年でした。過去数年の赤字要因を排除するため、組織のダウンサイズを断行し、従業員数は約250名から約200名へと約50名減少しました。これは大々的なリストラではなく、実質的には自然退職の範囲内ですが、組織の適正化を目標として臨んだ結果です。残ったメンバーは、人数が減った中で現場を回しており、非常に努力しています。経営としても、しっかりと利益を出せる体制を維持し、その上で再成長を目指す方針に切り替えました。
人件費については、単月ベースで前年同期比約20百万円の削減を実現しており、来期(2026年1月から)はこのコスト水準でスタートするため、今期以上に利益に寄与する見通しです。今期黒字化した最大の要因として、人件費が適正化されたと考えています。
また、社内での位置付けが曖昧になっていた広告事業を、2025年9月末付で親会社へ譲渡しました。当該事業は1億数千万円ほどの売上がありましたが、損益面ではあまり芳しくなく、全社コストの配賦も含めると赤字もしくはトントンの状況でしたので、損益の観点からは譲渡による利益面へのマイナスインパクトはないと考えています。
取材者:今回の決算に関して売上総利益率はいかがでしたか。
回答者:売上総利益率の改善についても、主に人件費等の固定費削減が寄与しています。弊社の事業はサブスクリプションが主体ですが、新規販売時の導入的な作業や、マーケティングコンサルティング、イベント支援等、人の稼働が原価となる部分が含まれており、人件費を売上原価に割り振っているためです。本当は、サブスクリプションがより厚みを増した分、利益率が改善したと言いたいところですが、今期の売上総利益率の改善はコスト削減が間接的に寄与しているとみるのが正解と捉えています。
取材者:何があっても黒字化するという方針を有言実行されている点は心強いです。ベースとなるビジネス基盤が維持されているか懸念しておりましたが、問題ないようで、安心しました。
回答者:その点について補足いたします。弊社の主力はミドル・ハイの層をターゲットにしたマーケティングオートメーション市場ですが、実際は今期で言えば31~32億の売上に対し、創業者の直轄であったエンプラ向けの別部隊が約6億円を予算として6.5億円の実績をあげており、この部隊の動かし方がこの半年の課題であったのですが、その創業者が外に出てしまったものの、結果的には、その部隊では大口のSMPという弊社のサブスクリプションを支えている製品の大口顧客を持っていますので、この部隊をしっかりと今の新体制の中で維持する方向にありますが、エンプラを新規で攻めるという部分でしっかりした舵取り役を短期的に充てきれなかった背景に加え、近年、本来は大口のサブスクリプション獲得を目標にしていましたが、トータル売上をどう作るかという方向に移ってしまった結果、サブスクリプションよりむしろスポット的なマーケティングコンサルティング案件で売上を作る傾向にありましたので、経営体制の変化とともにそこを改めて、無理にそうした売上を作るのではなく、敢えてその部分は捨てる方向でこの半年は進めてきました。
あらためて、今期以降、会社全体としてサブスクリプションを今一度しっかり伸ばしきる方向へ明確に舵を切り、中期的に取り組んでいこうという話も並行してありますので、従来の体制との比較で言いますと、エンプラ部隊だけに着目すると形を変えなければならないのが実情でしたし、見方によってはマイナスの影響が現実にあったのではと考えられる状況です。ただ、マイナスと言うよりは方針がぶれてきていましてので、今一度、全社的な方向性に対してエンプラ部隊の本来の趣旨を含めた定義をしっかり見直し、マイナスではなく軸をきちんと元に戻して再出発する方向に移行する段階にあります。
取材者:サマリーのページにありますが、ストック売上のうちサブスクリプション売上が17億円で、前年同期比では9.8%増ですが、KPI目標は13.4%ですね。
回答者:資料の数字を見つつ補足しますと、先ほど説明しましたエンプラ部隊や、人区の動きに関して言えばマーケティングクラウド事業の中のプロフェッショナル売上が該当します。こちらは人が動いて作る売上という概念で分けていますので、逆にサブスクリプション売上はシステム代といった位置付けで、人が動いて作る売上とは異なります。そうした形で分けていますが、プロフェッショナル売上は2025年12月期でみると前年同期比で大きく減少していますが、これについては、表には出していませんが、直近2~3年でエンプラ部隊が特定の大型案件に携わっており、約3年かけて当該案件だけで10億円以上の売上があったのですが、これは残念ながら未来のサブスクリプションとして残るものではありません。2~3年限定の帯で発生する運用・保守などはありましたが、弊社の主力サービスを組み込んだものではなく、言わば下駄を履いたような状況でしたので、これを前年同期比として見た場合に大きく落ち込みますが、むしろその落ちた状態が本来の姿であると考えています。逆にこれを10億円に引き上げるとなると方向性を誤ってしまうことが懸念されます。実際、大型案件を受注すると、ある意味本業ではない部分で本業のリソースを取られてしまう状況が起こっており、本当に伸ばしたい部分に注力しきれなくなる原因の1つでもありましたので、そうした部分は潔く諦めることにしました。
取材者:やはり選択と集中は大事ですね。特に今、リソースが限られていますし、キャッシュフローが必要であることから売上を作らなければならない場合は仕方ありませんが、そうでなければ下手に売上を作る必要はなく、やはり利益が重要ですから、リソースの選択と集中を抜本的に断行しているところであると理解できます。
回答者:その通りです。イベントクラウド事業の記載がありますが、これは提供しているシステム、つまりイベント等の主催者向けにイベントの管理面で弊社のシステムを導入して支援しており、このシステムのベースはサブスクリプション側で売っているシステムと一緒なのですが、販売方法がショットなのです。分かりやすいイメージで説明しますと、この10年ほど、テック系はもとより大手企業も、自社カンファレンスのようなものを年1回開催するといった傾向がありますが、例えばそうしたカンファレンスを管理するためにショットで弊社のシステムをイベント支援システムとして使っていただくという事業形態です。
展示会も同様です。ビッグサイトなどでの展示会の主催者が出展者を管理したり、展示会自体を管理する中で使っていただいておりますが、これは事業としてはターゲットも含めて全く別物ですので、今後も別軸として切り離して動いていきます。こちらは足元で中期的にはプラスアルファ程度の売上水準で利益をしっかり残すことを重視して動かそうとしている事業体です。話を戻しますと、プロフェッショナルの上に記載のサブスクリプションについては目標が大きかったのですが、10%弱しか伸ばせなかったというのが足元の状況です。これに関して、悲観的に言えば新規が予定通りに獲得できておらず、計画に追いついていない状況が近年続いている状況なのですが、新規獲得の営業活動が追いつかない状況で今期は動いてしまっています。また、この2~3年の傾向としまして、弊社はこの事業を20年近く展開しておりますが、解約率が高止まりの状況にあり、マーケティングクラウド事業におけるサブスクリプションの解約率は、上場以来、年10%以内に抑えることを目標にしてきましたが、近年では金額ベースで約13%を超えて推移しており、これをなかなか下げに行けていない状況が、計画目標に対して結果を伸ばしきれていない要因の1つです。
取材者:その出し方を件数ベースに変えていませんでしたか。
回答者:はい。プレスリリースでは件数ベースにしています。
取材者:この13.4%(サブスク売上成長率継続目標)の背景を説明していただけますか。
回答者:新規獲得力との釣り合いの側面もありますが、弊社の過去を客観的に考えた場合に、新規獲得は昔からあまり強くなかった一方で解約率は低かったので、しっかりと純増で伸ばし、他のサブスク自体は純増してきたのですが、10%を超えてくると、新規獲得でそれを補う能力に欠けていた半面、元々、既存のお客様を守る方の強みが大きいのがこれまでの状況でした。この辺は来期以降に向けた戦略あるいは重点をしっかり見直し、新規アカウント獲得を強化してまいりたいと考えています。
取材者:新経営方針KPIに解約率は含まれていませんね。
回答者:はい、そうです。この後、2月か3月に中期経営計画を出す予定なのですが、そこでのイメージとして、解約率の抑制策を前面に出すつもりはなく、解約を抑える一方で新規も獲得しなければならないものの、しっかりとマーケティングオートメーションというニッチ領域において、この2~3年の中期でNo.1奪回を1つの大きな軸にしてまいります。
取材者:奪回ということは、以前はNo.1だったということですね。
回答者:もともと弊社は国内マーケティングオートメーション市場のパイオニアであり、どちらかというと競合が出てこない間、メインプレーヤーは弊社だけでしたし、競合が育つまでは当然、弊社がNo.1でした。10年ほど前に、今ではしっかり日本でも幅を利かせている外資系のツールが参入してきた頃から業界の図式がかなり変化してきましたが、その頃ようやく国内でマーケティングオートメーションという単語が使われるようになり、その中で国産系の新規参入があり、またいわゆるメールSPのようなところから機能を付加してマーケティングオートメーションと称する企業が乱立してきて、現在に至るという状況ですが、その過程で当然ながら弊社のシェアもだいぶ減りましたので、あらためて、順繰りですが、弊社の歴史的に言えば、まず国産No.1の立ち位置を奪回することを目指しています。
回答者:内情の話になりますが、私自身は上場前から携わっていますので、そういう意味で、奪回、つまりNo.1になるぞというよりはNo.1に返り咲きたいという要素が個人的にも強いので、あらためて、奪回するというニュアンスをしっかりと打ち出していきたいと考えています。
取材者:通期の見込みは、あと2ヶ月ですがいい感じで落ち着きそうだということですね。来期は特別な要素がないので当期利益までは利益が出てくるであろうと予想します。その利益がどの程度出るのかが非常に注目されるのではと思います。
回答者:今、逆に悩ましいのは、25年12月期の着地が営業利益ベースで考えると思ったよりも上で着地しそうなので、来期のインパクトがその分、目減りするのではという点です。
来期について中期的な目線で言いますと、まずトップラインベースでいくと比較がなかなか難しい変則決算ではありますが、大体、25年12月期の14ヶ月を12ヶ月相当程度の横ばいのような感じの目線で落とし込みたいと考えていますので、月数はさておき、前期と同程度の水準であると見込んでいます。実際にその中身で言いますと、広告事業の譲渡によって売上だけで言えばマイナスのインパクトもありますし、直近までの特定の大型案件の売上もありました。これが来期は全くありませんので、そうした下駄の部分がなくなるというマイナス要素も、1億~2億円の単位であります。もちろん、体制と方向性を改めてしっかり伸ばしそうとしている部分もありますので、そのマイナス要素を補って、昨年並み程度の売上を作れるよう努力するのはもちろんですが、昨年より増えていると一目で分かるようにしなければならないと考えているわけではなく、昨年並みくらいの印象で邪魔しない程度の売上高で着地を目指そうと思っています。ただ、利益側はだいぶ構成が変わってきますので、今期が仮に営業利益1億円で着地したと仮定すると、実際には事業的に言いますと特定の大型案件の影響などで利益がマイナスに動く部分がゼロではない一方、コスト削減効果は来期の方がフルに出てきますので、その辺も社内的に組み合わせていくと、今期の着地よりもスタートラインの実力値はもっと十分にあるという状態です。大まかに実力値として見ているのは、今期の着地が1億だったとしても来期の通期のイメージとしては、1億に対して言えば数億ぐらいの実力値を持ってスタートするという感覚で見ています。
取材者:これはやはり、安定したストック売上があるからこそできる技ですね。
回答者:はい、もちろんです。ここが突然半減するといった事態になれば話は変わりますが、当然、そうではないのがストック売上でもありますので、そこに対して固定費が減っていけば当然、利益が残る体制に変わっていくという部分が少し形として来期にもう少し明確になっていくであろうと考えています。また、昨年12月末に広告事業の譲渡と逆でイノベーション社から弊社がイノベーションX社を取得しました。これはイノベーション社が同業でやっていた部分です。ここはマーケティングオートメーション市場で弊社とは少し棲み分ける状況で市場の中で共存していた会社ですが、100%子会社として1月から加わります。同社は3億円超の売上を持って弊社に加わりますが、極力、販管費等(人員を含む)は引き継がない方針です。
シャノンとしては来期はその分が上乗せされることになります。M&Aに伴ってのれんの発生もありますが、その償却負担はそれほど重たくはないと考えていますので、結果としてはこれにより当社の利益は増えると想定しています。
取材者:元々の親会社は、御社とターゲットは異なるけれども同業者だったのですか。
回答者:そうです。
取材者:ある意味、ライバルではあったのですか。
回答者:はい。一昔前であれば弊社内でも、いつかイノベーションXの「List Finder(リストファインダー)」というツールを買収したいという議論もあったくらいです。
結果的にこのリストファインダーは形を変えて弊社に入ってくることになりました。弊社から見て相対的にローエンド側のサービス・顧客を持つリストファインダーが傘下に入り、この客層をフックにして、弊社として従来ターゲットよりも下の価格帯の市場にも入っていきます。
加えて申しますと、ターゲットは被っていなかったとはいえ、サービス機能は被っていますので、なるべく早期にサービスとしての一本化を目指すべきとは考えています。システムのインフラなどの固定費は現状では二重になりますが、サービスを一本化できればその辺も削減できるためPL的にも更にプラスになると考えています。
取材者:この資料の中に、Webサイト構築、潜在顧客リストの管理、定期的なメールのやり取りの関係性構築、商材購入時期見極め、といった記述があり、他にも色々あると思うのですが、反復的に行われる活動を定型化・自動化していきますというのがマーケティングオートメーションであるとのことでわかりづらい部分です。
回答者:効率といいますか、簡単に言えば人手で無理にやらなくてもシステムがある程度自動的にプロセスを回してくれるということです。
取材者:ここが肝だと思うのですが、「顧客の購入決定までの時間が長く、また顧客との関係性も購入に影響することから、MAを活用するメリットが大きいことが背景としてあります。」と書いてあります。ここが非常に重要な気がしていて、結局、すぐ決められる人はよいけれども、お客さんとのやり取りを持って、お客さんとの購入決定まで持っていくようなビジネスモデル、例えば、1取引あたりの価格が大きい製造業や、長期の利用が前提との金融業といった会社にとっては非常にメリットが大きい。
日本固有のビジネス習慣に沿った国内企業向けサービスのMAナンバーワンを目指すということですから、ここが黒字化に向けた再スタートになると思います。来期以降、非常に楽しみだなと思いながら見ています。
回答者:ありがとうございます。資本政策的な部分も含めてですが、一旦ベースの立て直しができないと逆に身動きが取れないような状況だったところから、まさに次の1年2年の中ではそういったことも改めて手段として回復できると思っていますので、当然、そういったことも中長期の目線でいくとやはりこの市場も、やはりマーケティングオートメーションの世界も保守的に考えてリスクを考えると、下手すると3年後にはそんな単語もなくなっている可能性もあると認識しています。今でいうマーケティングオートメーションの次世代の形のようなものがどうなっていくのかということについては、弊社内でも検討を始めてますが、本格的に投資する段階では今以上の投資余力も持っていなければならないと思います。市場環境が大きく変わるときに、大事になるのはその時点でのシェアだったりアカウント数だったりしますから、そういう意味でもこの2、3年という期間はしっかりそこを広げて、5年後の業界自体の予測をしっかりと立てる必要があると思います。
AIの活用について、実際人員減の分をどうやってこなしているのかというと、さほど高度ではない使い方であったとしても、積極的にAIを日常業務の中で皆が使っていこうという話は、取り組みとしてはこの半年、社内でも改めて会社としての動きとして、社内発信も現在行っています。
取材者:御社のMAはシステム上ですよね。これがフィジカルAIに進化するのではないでしょうか。例えば弊社はこのAIロボットを派遣し、貴方の隣に座らせます、というのはいかがでしょうか。
回答者:どうなるのでしょうね。現実は一足飛びにいきなり変わるということは起こらないと思いますので、その過程があると思いますが、弊社もきちんと柔軟性を持って臨んでいきたいと思っています。弊社は元々国産サービスとしては、サポートなどの領域が既存のお客様からも好評でして、そうした部分を評価して長期利用頂いたり、逆に外資系ツールはそういう部分が弱いので、それでリプレースをあえて国産にしましたという人もいらっしゃいます。弊社は人的サービスサポートを含めた部分に関しては、元々日本で商売している中で文化的にも大事だという認識の中でやってきましたので、それをAI時代においてどのような形で人が介在する部分が残るのか考えていますが、中長期にも人的サービスに強みを持っているという部分はやはり活かしていきたいと思っています。
執行役員CFO兼経営管理本部長 友清 学 様
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決算概要
2025年12月期第3四半期決算は、売上高20億9,700万円(前年同期比7.8%減)、営業損益9.8万円の黒字、経常損益5,800万円の赤字、四半期純損益1億4,800万円の赤字を計上した。売上減少の主な要因は、前期に広告関連事業を行っていた連結子会社を売却したこと及びマーケティングクラウド事業におけるプロフェッショナルサービス売上が減少したことによるもので、これは過去の大型案件の収束によるものである。一方で、採用抑制と自然退職による人件費削減や、広告宣伝費の適正化による販管費の減少が、4期ぶりの3Q累計営業黒字化に寄与している。
セグメント別または事業別の増減要因
マーケティングクラウド事業のうち、新規顧客の初期導入費用やコンサルティング等で構成されるプロフェッショナルサービスの売上が前年同期を下回ったことが、全体の売上減少に繋がっている。しかし、メインであるサブスクリプションの収益は前年同期比約10.9%増加しており、オーガニックな成長を重視する方針に沿って堅調な成長をしている。また、イベントクラウド事業も計画以上の進捗を見せており、順調である。
主要KPIの進捗と変化
主要KPIである月次経常収益(MRR)を含むサブスクリプション売上は、今半期で前年同期比10%強増加した。また、もう一つの主要KPIである解約率は少し前まで年率7~8%前後で推移していたが、近年10%程度まで上昇していた。現在は、高止まっており、また、初年度解約の増加傾向に対し、オンボーディング支援体制の強化が奏功し、今期は改善する見込みである。
季節性・一過性要因の有無と影響
今期は変則の14ヶ月決算であるため、単純な年度比較では売上が減少していないように見えるが、実質的には減収である。これは、プロフェッショナルサービスにおける大型案件の収束に加え、昨年末に売上数億円規模を計上していた広告会社の売却による影響が大きい。しかし、本業ベースでの売上は実質的に堅調に推移している。
通期見通しと進捗率・達成可能性
現在の進捗ペースを踏まえると、通期予算達成の確度は高いと見込んでいる。今期はコストバランスの見直しと調整を最優先しており、それが順調に進捗していることが業績改善に繋がっている。
トピックス
コスト削減が順調に進捗し、想定したコストバランスの見直しがほぼ完了していることが最大のトピックである。今期中にやるべき調整を全て完了させ、来期は純利益ベースでの確実な黒字化を目指す。これにより、銀行融資の再開や、株価回復後の新株発行による資本調達の選択肢を回復させる意図がある。
また、2025年9月12日に公表した「グループ再編(株式会社Innovation X Solutionsの株式取得(完全子会社化)及び株式会社Innovation & Co.への事業の一部譲渡)に関するお知らせ
」に記載の通り、Innovation X Solutionsが提供する「List Finder」と、シャノンが提供する「SHANON MARKETING PLATFORM(以下、「SMP」といいます。)」という2つのマーケティングオートメーションサービスをシャノンに統合します。
これまで両サービスは、機能や価格帯の違いからターゲットとする顧客層を分けていましたが、今後はシャノンが「List Finder」も通じて、従来よりも幅広い顧客層にアプローチを開始します。これにより、両サービスの市場シェアを拡大し、営業やカスタマーサポートといった関連業務の効率化を進めてまいります。
将来的には、両サービスを統合し、より強力で効率的なソリューションとして提供することを目指します。この取り組みは、両社の事業競争力を高めるだけでなく、株主の皆様の利益にも貢献するものです。
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IR担当
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取材アーカイブ
CP&X
決算概要
2025年12月期第2四半期決算は、売上高14億3,600万円(前年同期比3.1%減)、営業損益2,100万円の赤字、経常損益7,000万円の赤字、中間純損益1億5,700万円の赤字を計上した。売上減少の主な要因は、前期に広告関連事業を行っていた連結子会社を売却したこと及びマーケティングクラウド事業におけるプロフェッショナルサービス売上が減少したことによるもので、これは過去の大型案件の収束によるものである。一方で、採用抑制と自然退職による人件費削減が進み、販管費の減少が営業損失の改善に寄与している。
セグメント別または事業別の増減要因
マーケティングクラウド事業のうち、新規顧客の初期導入費用やコンサルティング等で構成されるプロフェッショナルサービスの売上が前年同期を下回ったことが、全体の売上減少に繋がっている。しかし、メインであるサブスクリプションの収益は前年同期比約10%増加しており、オーガニックな成長を重視する方針に沿って堅調な成長をしている。また、イベントクラウド事業も計画以上の進捗を見せており、順調である。
主要KPIの進捗と変化
主要KPIである月次経常収益(MRR)を含むサブスクリプション売上は、今半期で前年同期比10%強増加した。また、もう一つの主要KPIである解約率は少し前まで年率7~8%前後で推移していたが、近年10%程度まで上昇していた。現在は、高止まっており、また、初年度解約の増加傾向に対し、オンボーディング支援体制の強化が奏功し、今期は改善する見込みである。
季節性・一過性要因の有無と影響
今期は変則の14ヶ月決算であるため、単純な年度比較では売上が減少していないように見えるが、実質的には減収である。これは、プロフェッショナルサービスにおける大型案件の収束に加え、昨年末に売上数億円規模を計上していた広告会社の売却による影響が大きい。しかし、本業ベースでの売上は実質的に堅調に推移している。
通期見通しと進捗率・達成可能性
現在の進捗ペースを踏まえると、通期予算達成の確度は高いと見込んでいる。今期はコストバランスの見直しと調整を最優先しており、それが順調に進捗していることが業績改善に繋がっている。
トピックス
コスト削減が順調に進捗し、想定したコストバランスの見直しがほぼ完了していることが最大のトピックである。今期中にやるべき調整を全て完了させ、来期は純利益ベースでの確実な黒字化を目指す。これにより、銀行融資の再開や、株価回復後の新株発行による資本調達の選択肢を回復させる意図がある。国内マーケティングオートメーション市場の飽和に伴う業界再編が進む中で、親会社との統合を足がかりに、国産ナンバーワンを目指す方針である。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:現在当社では、コスト削減を優先的課題と位置づけ、コストバランスの見直しを全社的に推進しております。今期中に必要な調整を完了させることを大きな目標としており、これにより来期以降、年間を通じた本質的なコスト削減効果が業績に寄与し、堅実な黒字化が実現可能になる見込みです。
また、安定的な収益確保への具体的な取り組みとしては、過剰な投資を抑えつつ、サブスクリプション売上のオーガニックな成長を基軸に事業を進めております。また、近年増加傾向にあった初年度での解約に対しては、オンボーディング体制の強化などを通じて、解約率の改善を図っています。
Q:通期業績の見通についてご説明ください。
A:2025年12月期第2四半期決算において、売上高は14億3,600万円(前年同期比3.1%減)、営業損益は2,100万円の赤字、経常損益は7,000万円の赤字、中間純損益は1億5,700万円の赤字となりました。
売上減少の主な要因は、マーケティングクラウド事業におけるサブスクリプション以外の収益、特に新規顧客の初期導入費用やコンサルティング等で構成される「プロフェッショナルサービス」の売上が前年同期を下回ったことにあります。これは、過去1~2年で受注した大型案件の納品完了に伴い、該当売上が収束しつつあるためです。
一方で、サブスクリプション収益は前年同期比で約10%増加しており、現在、当社が基本線としている「過剰な投資を抑えつつ、オーガニックな成長を重視する方針」に沿って、順調に事業基盤の強化が進んでいます。また、イベントクラウド事業においても計画以上の進捗を見せております。
費用面では、過去半年~1年をかけて採用を抑制し、自然退職による人員調整を実施した結果、固定費の削減が進み、営業利益および営業損失の改善に寄与しております。現状の進捗ペースを踏まえると、通期での営業黒字化に向けては順調であり、会社予想を上回る着地も視野に入れられると考えています。
なお、今期は変則の14か月決算となるため、単純な年度比較では売上が減少していないように見える部分もありますが、実質的には減収となっております。要因としては、プロフェッショナルサービスにおける大型案件の収束に加え、昨年末に売上数億円規模を計上していた広告会社の売却による影響が大きいです。しかし、本業ベースでの売上は堅調に推移しています。
そのため、下半期を含めた通期業績の達成に向けては高い確度があると見込んでおります。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:受注状況は堅調であり、主要事業であるサブスクリプションモデルの売上は前年同期比で10%以上の伸びを記録しています。
一方、競合状況については、国内のマーケティングオートメーション市場は飽和状態にあり、業界内での統廃合が進むと考えています。当社としては、親会社とのマーケティングオートメーション事業統合を足がかりに、これまでアプローチできていなかったミドル~ローエンド層への展開も含め、国産No.1のマーケティングオートメーションの位置を目指しておリます。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:M&Aや業務提携に関しては、現時点で具体的な内容を明確にお伝えすることは難しい状況ですが、当社の主要事業であるマーケティングオートメーション事業と、親会社が展開する同事業との統合は、TOBを受けた段階から重要なテーマの一つとなっており、今年中にその整理を進める予定です。
当社が提供するサービスは、親会社の同種サービスよりも上位モデルに位置づけられ、価格帯も高いため、統合を通じてこれまでターゲットとしていなかったミドル~ローエンド層の取り込みを検討しております。
また、事業売却に関しては、昨年、広告事業関連のグループ会社1社を外部に売却しましたが、現在も一部広告事業が残っており、条件が整えば親会社事業との統合を含めて、グループでの最適化を目指していきたいと考えています。
こうしたM&Aや事業整理は、当社の事業ポートフォリオの最適化および再編を目的としたものであり、将来の成長に向けた布石と位置づけております。なお、昨年の広告関連子会社の売却や今後予定される一部事業の整理に伴い、売上高としては一時的に約3億円相当の減少が生じておりますが、これは本業の縮小によるものではなく、事業構造の転換に起因するものです。
将来的には、国内マーケティングオートメーション市場の飽和に伴う業界再編が進む中で、積極的にM&Aを検討する可能性も視野に入れております。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:現時点で公表している具体的な中期経営計画はございませんが、当社の足元の取り組みとしては、本年度中に事業基盤の再構築を完了させることを最重要課題と位置づけており、進捗としては、ほぼ完了しております。また、今期においては営業損益レベルでの黒字化を見込んでおり、来期には純利益ベースでの確実な黒字化を目指しております。
これにより、金融機関からの融資再開や、株価の回復を前提とした新株発行による資本調達の選択肢が視野に入ると見込んでおります。
来期以降は、立て直しフェーズを終え、再び成長軌道に回帰することを計画しており、その過程で必要となる資金確保の手段として、資金調達力の回復を戦略的に位置づけております。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:現時点において、株主還元に関する具体的な方針や変更はございません。ただし。来期以降に当社が持続的な黒字を達成した場合、親会社による投資資金の回収ニーズを背景に、配当の実施を求められる可能性があると認識しております。これは、親会社のみならず、一般株主を含む株主全体への還元にもつながるものであり、業績の推移次第では、来期または、翌々期に配当を実施する可能性があると見込んでおります。当社としましても、安定的な利益が見込まれる状況においては、株主還元の実施について検討してまいります。
取材者:初めに、2025年12月期第2四半期決算についてお伺いいたします。売上高が14億3,600万円で前年同期比3.1%の減少、営業利益がマイナス2,100万円、経常利益がマイナス7,000万円、中間純利益がマイナス1億5,700万円でした。通期での営業利益の黒字化に向けては順調に進捗していると拝見いたしましたが、こちらの増減要因についてご説明いただけますか?
回答者:サマリーとしては順調に推移している状況です。内容的に申し上げますと、昨対で売上が減少している部分というのは、主に弊社のマーケティングクラウド事業における、いわゆるシステム系のサブスクリプションの売上ではない部分です。それは具体的に言うと新規のお客様のイニシャル費用や、開示資料などではプロフェッショナルと記載している売上の増減なのですが、ここが昔からかなり変動があり、その変動を生み出しているのが、システムのイニシャル導入費用などではなく、別動隊で動いているコンサルティングのようなところの売上です。今期で申し上げますと、この2年ほどプロフェッショナルと記載している部分で大型の案件が動いており、それでここ1〜2年くらい直近で少し膨らんでいたところなのですが、その大型案件の納品が完了し、収束しつつあるため、プロフェッショナルと記載している部分の売上が昨対で減少していることや前期に広告関連子会社を売却したことが、全体の売上が伸びていないように見えている要因です。サブスクリプション自体は無理な過剰投資をせずにオーガニックにしっかり成長させていくのを基本線としており、その部分は現状予定通りに動いています。
売上面ではプロフェッショナルの売上が昨対で減少しているといったところはございますが、全体としては特に特別なことはございません。それに対し、原価や販管費のところに影響していますが、この半年、実質この1年ほど採用を絞りながら自然退職で人員調整をかなり進めてきたため、その部分でのコスト減少が営業損失の改善に繋がっています。方向感としては、売上は現状横ばい想定で、それに対してコストは減少していくような図式の中で順調に改善してきています。このペースでいけば、ガイダンス以上の着地も目指せる可能性はあると考えております。
取材者:そうしますと、かなり進捗としても上振れとまではいかないにしても、かなり順調に推移しているのですね。
回答者:現時点で既に黒字が確定しているということではないですが、進捗としては、元々何か特別に売上を積み増すという発想では今期に関してはなく、コストバランスをしっかり見直して調整していくのがベースにありますので、それが順調に進んでいるという点で改善しており、確度の高い形で動いております。
取材者:その他主要なKPIの進捗などございましたら教えていただけますか?
回答者:従来から弊社で気にしているのは解約率などです。だいたい過去10年レベルで見ても年率で10%前後。また、もう少し昔だと年率で7~8%くらいの解約率で推移していました。しかし近年はそれが10%くらいまでは上がっている状態です。ここは今上げ止まっておりますが、今期については昨年よりは解約率が改善する見込みです。
弊社の顧客層では基本的にサブスクリプションを年契約で更新しており、更新のピークが3月末で、4月からまた新しい1年が始まるというお客様が全体で見るとやはりボリュームが多いので、そこを乗り越えたときにどの程度の解約が出ているかというのが、おおよその年間解約の指針になっております。今日の時点で申し上げますと、直近で解約、もしくは解約予定があればそれはすでに把握しています。そのため、現状、この後追加で特別な解約が入らなければ、昨年よりも解約率は多少ですが改善する見込みです。
取材者:それは何か実施した施策や取り組みなどはございましたか?
回答者:直接的にこれをやったから改善しましたという分かりやすい関連性というのはなかなかありません。しかし、近年、いわゆる初年度解約、つまり1年で解約してしまうお客様が少し増加傾向にあったのですが、そこはいわゆる既存営業部隊やカスタマーサクセス部隊のようなところで、オンボーディングの対応を強化したりもしていますので、1年解約のようなものは減少しているというのが要因だと考えています。
取材者:その他、何か解約率以外のKPIでいきますといかがでしょうか?
回答者:解約率以外で申し上げますと、KPIという表現が適切かはありますが、やはりサブスクリプション、それもMRR(月次経常収益)のようなところというのは当然主力事業の一番の部分ですので、そこはしっかりと追っています。今、半期のサブスクリプション売上そのものというのは、昨対で10%少し増加しています。そこは解約と獲得とアップセル、クロスセルといったところの集合体ではありますが、現状の弊社の基本方針でいくと、この10%増をどうやって20%増にするかというのは、短期的には無理には追っていません。10%増くらいの横ばいを目指して、コストは削減していくという目線で追っていますので、その辺も順調だと考えています。
取材者:その他何かここまで業績に影響を与えたような一過性の要因や季節性、外的要因などございましたら教えていただけますか?
回答者:近年のこの数年の推移の中でいきますと、今期はイベントクラウド事業と記載している方の事業の進捗がとても順調です。今、半期時点ですが、これを通期で大幅に上振れるといったことを前提にしているわけでは全くないですが、半期時点で見ても、要は下半期にあとどれくらいしっかり売上が作れるかといった見込みを含めて、通期の予算達成が早い段階で、ある程度の確度で見えているという意味で、イベントクラウド事業は順調に進捗しております。これはこのまま上振れで着地するということを言っているつもりはなく、その上期が順調なことも含めて通期の部分というのはしっかりと数字が作れそうだということです。最終的には多少上振れる可能性もありますが。
取材者:通期の中で、売上高に関しては去年よりも一応増収という形で着地が見込まれると思いますが、こちらに対しての見通しとしてはやはりそういった部分が大きいのでしょうか?
回答者:年度比較で言ってしまうと、今期は変則で14ヶ月決算になっています。12ヶ月で考えてしまいますと減収です。その減収と記載している部分は、先ほど冒頭で申し上げたプロフェッショナルのところが大型案件が収束してきているため、そこの膨らみがなくなった分や前期に広告関連子会社を売却したことに起因するものとなります。プラス2ヶ月あるので、結果的に売上が減っていない見え方にはなりますが、実態としては減収です。
取材者:来期以降の見せ方も難しそうですね。
回答者:来期予算はこれから具体的な編成になるのですが、今期は14ヶ月ですが、12ヶ月対14ヶ月の中で少し増える、横ばいプラスアルファのようなイメージで数字を見ています。来期は12ヶ月決算に戻った状態で何とか横ばいの内容にしたいと考えています。横ばいが維持できるということは、実態は上がっているという実情ですので。今期自体は昨年末に、売上高でいきますと数億円を計上していた広告の会社を1つ外部に売却してしまっていますので、そこで下駄が1つ外れているのが実情なので、本業ベースでいったら特に売上が減少しているような状況ではなく、事業の統廃合というか整理をする過程で、売上高としては3億円くらいを切り離していますので、それがそのまま減少要因にもなっているという状態です。
取材者:M&Aや業務提携に対しまして実施で状況であったり、検討状況などございましたら、お答えできる範囲で教えていただけますか?
回答者:具体的に明確にお伝えすることは難しいところもありますが、元々親会社ができて、対外的にも大方針としては記載しているところなのですが、親会社(株式会社イノベーション)側でも弊社の主力のマーケティングオートメーション事業を手掛けており、そこをどう統合するかが今回のTOBの大きなテーマの一つでもありました。そこは今年中に整理を進めたいと考えています。
基本的にはマーケティングオートメーションという分野では、親会社が持っているサービスよりも、当社が手掛けているサービスの方が上位に位置しているサービスです。価格帯としては弊社の方が高いです。弊社がミドルからミドルハイくらいをターゲットにサービスを展開していますが、親会社が持っているものはミドルからミドルローのようなところですので、弊社からすると、そこを統合しにいく過程で、従来はターゲットにしていなかったローエンド市場を、どのようにして獲得していくかというテーマになると考えています。そのローエンド戦略のきっかけが、結果的にはその親会社サービスをどうやって弊社のサービスと統合させるか、ということになってくるのではないかと考えております。
あとは、今後実際に動くかどうかは現時点ではわからないですが、昨年、広告関連の連結子会社を1社売却はしているものの、まだ弊社には広告事業が残っています。事業の親和性なども踏まえて、例えば親会社のメディア事業と一緒にする方が良いということになれば、そういう整理を行うこともあるかもしれません。これに限らず、グループ全体での最適化に資するものについては積極的に今後も検討を進めたいと考えています。
取材者:最初に説明いただきました人材の整理がしっかり進んでいるのも、親会社の影響も大きいのでしょうか?
回答者:内情でいけば、この半年から1年の中で、実際2、3年の軸の中で色々混乱がありましたので、その最終的な帰結が今、親会社ができたといったところでもあります。そのような中で、あまりポジティブな話ではないですが、自然退職という状態ではありますが、社長もこの半年で3人交代するなどかなり大きな環境変化がありましたので、やはりそういったところで現場に近いところほど、方針が見えないといったことも含めて、離職が一次的に加速した感はあります。しかし、そこ自体は現状ではそんなにネガティブには受け止めていません。例年よりも2倍とは言いませんが、自然退職のペースというのはやはり1.5倍を超える形で動いていて、一方で採用を抑制しているため人件費が減少しています。一方で、仮に退職がなかった場合には他の手段でコスト削減を進める必要があるという認識もありましたので、決してポジティブな話ではないのですが、自然減で調整が進んでいるという捉え方をすれば、ある意味ポジティブな状況です。
取材者:株主還元の方針につきまして変更などございましたら教えていただけますか?
回答者:今の時点で何か明確な方針や変更はありませんが、ただ常識的に考えれば、来期以降黒字化していく中で、親会社は投資したお金を回収しなければなりませんので、シャノンがきちんと黒字化したら、恐らく配当を出すように言われるでしょう。それはでも逆に言うと親会社にも出しますが、市場にも配当を出すということになるので、順調にいけば来年、再来年と配当するようなことが起こるのではないかと現状では想像しております。
取材者:最後に、何かここまで足元の状況につきましてトピックスやニュースリリース等はございましたら教えていただけますか?
回答者:会社全体の業績動向でいけば、トピックは、しっかりとコスト削減が進み、想定したコストバランスの見直しがほぼ完了していることです。元々の会社の目線でいきますと、今期は変則ですが12月末までの今期中に、やるべき調整はすべて終わらせるのを一つの大命題としています。その結果、来年1月からいきなり単月でしっかり黒字化するところまでいくかというのはまだ分かりませんが、本質的な部分でいくと、だいぶコスト削減効果がすでに進んできていますので、来期はそこがしっかりと年間で寄与してくる見込みです。そのため、しっかりと黒字化路線を突き進んでいるというところが、トピックというか、今の弊社の状況で一番のサマリーです。
また、これからの中期的な計画などは特に公表していませんが、当然この後、時価総額40億円、100億円というところに向かっていかなければならない中で、今期は何よりもベースの立て直しをしっかりと終えて、営業損益レベルでは黒字化することが重要だと考えております。そのうえで、来期は純利益ベースでしっかりと黒字化させるといった計画です。そのような中で、例えば銀行融資も復活できるでしょうし、株価は市場動向となると思いますが、株価がもう少し戻ってくれば、資本での調達も含めて検討できると考えています。来期以降は立て直しフェーズが終わり、新たな成長軌道にもう一度戻さないといけない状況で、当然ながら投資資金は必要になるということ考えたときに、その手段を回復するのが短期的には重要なことである位置付けています。無茶なことはやるつもりはありませんが、国内のマーケティングオートメーション市場というのも飽和してきており、業界内の統廃合はやはり進んでいくと考えています。M&Aをするか、競合にダイレクトにぶつかって、勝ち残っていくか、その辺はまだ手段は決まっていませんが、親会社(イノベーション)と一緒になることをスタートに、マーケティングオートメーションの国産ナンバーワンと言うのをしっかりと作り直したいと考えています。競合外資も存在しますが、まずは国内のマーケティングオートメーション市場において、国産ではシャノン、あとは外資系という戦いの構図というのをこの1年2年で作っていきたいと考えています。その実現過程でM&Aをする可能性もございます。
執行役員CFO兼 経営管理本部長 友清学様
取材アーカイブ
事業内容
株式会社シャノンは、マーケティングオートメーション分野におけるリーディングカンパニーとして、イベント管理、名刺情報管理、リードナーチャリングなど、多岐にわたる機能を備えており、堅調な成長を続けている。同社の主力事業であるサブスクリプション事業は、顧客企業の商談化率向上に大きく貢献しており、高い収益性を誇る。
ビジネスモデル
同社の主力事業はサブスクリプション事業であり、顧客企業にマーケティングオートメーションプラットフォームを提供することで収益を得ている。 先行投資を積極的に行いながら、顧客基盤の拡大を図ってたが、2024年10月期からは、収益性を重視し、利益を確保できる範囲で成長を追求する方針に転換。
戦略
近年、同社は事業ポートフォリオの見直しを行い、メタバースサービス事業の縮小、広告事業を営む子会社の売却など、選択と集中を進めている。これは、主力事業であるサブスクリプション事業への投資を強化し、更なる成長を促進するための戦略的な決断である。
イノベーション株式会社との経営統合により、国内マーケティングオートメーション市場におけるシェア拡大を目指す。両社の強みを結集することで、外資系企業との競争を優位に進め、更なる成長を遂げることが期待される。
Q:貴社の事業内容、ビジネスモデル、特徴、および強みについてご教示ください。
A:近年、代表者の交代など、いくつかの大きな変化がありました。これらの変化とビジネスそのものの影響に直接的な関係はありませんが、方向性としては、2024年10月期の予算編成あたりから、いくつかの方針転換を行っています。
Q:具体的な方針転換の内容についてご教示ください。
A:大きく変更したのは、主力事業であるサブスクリプション事業に関する方針です。従来は、積極的な先行投資により、顧客基盤の拡大を最優先としてきました。しかし、2024年10月期からは、収益性を重視し、利益を確保できる範囲で成長を追求する方針に転換しました。
Q:サブスクリプション事業以外の事業についてご教示ください。
A:子会社で運営していたメタバースサービス事業は、収益化が困難であることから縮小しています。また、広告事業については、その一部を担っていた子会社を売却しました。
Q:これらの事業見直しは、収益性の高いビジネスモデルへの移行を目的としたものですか?
A:元々、サブスクリプション事業単体では十分な利益を確保できていました。しかし、新規顧客獲得には多額のコストが発生するため、短期的な収益は圧迫される傾向にありました。そこで、財務状況を改善し、より安定的な収益構造を構築するために、事業ポートフォリオの見直しを行いました。
Q:今後、サブスクリプション事業において注力していくことは何ですか?
A:既存顧客へのサービス拡充を図りながら、既存の営業戦略による新規顧客獲得を着実に進めていきます。ただし、営業体制の拡大には慎重な姿勢を保ち、収益性を重視した運営を継続します。
Q:貴社のマーケティングプラットフォームを導入することで、企業にもたらすメリットは何ですか?
A:当社のプラットフォームは、見込み顧客の獲得から商談化、受注に至るまでのプロセス全体を効率化し、売上増加に貢献します。具体的には、Webサイトやメール、セミナーなどを通じて収集した見込み顧客の行動履歴を分析し、興味関心の度合いに応じてスコアリングを行います。これにより、営業担当者(インサイドセールスを含む)はより確度の高い見込み顧客に絞ってアプローチすることができ、商談化率の向上が期待できます。
Q:貴社の創業の経緯と事業内容をご教示ください。
A:当社は、イベント開催の支援を目的としたイベント管理システムの提供から事業を開始しました。その後、顧客のニーズに応える形で、名刺情報管理、リードナーチャリングなど、マーケティングオートメーション分野の機能を拡充してきました。
Q:今期から開始される取り組みやトピックスについてご教示ください。
A:営業体制のさらなる効率化を図るとともに、既存の営業担当者の能力向上に注力します。また、新規顧客獲得のためのマーケティング活動を強化します。
Q:事業戦略をご教示ください。
A:イノベーション株式会社との経営統合により、国内マーケティングオートメーション市場におけるシェア拡大を目指します。統合後は、両社の製品の強みを生かしながら、顧客基盤の拡大を図ります。
Q:イノベーション株式会社との統合によるシナジー効果についてご教示ください。
A:イノベーション株式会社は、当社よりも低価格帯のマーケティングオートメーションサービスを提供しています。統合により、両社の顧客基盤を共有することで、より幅広い顧客層にアプローチすることが可能となります。また、製品開発や営業活動における効率化も期待されます。
Q:今後の事業展開についてご教示ください。
A:イノベーション株式会社との統合効果を最大限に発揮し、国内マーケティングオートメーション市場におけるリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにします。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者: 近年、代表者の交代など、いくつか大きな変化がありました。これらの変化とビジネスそのものの影響に直接的な関係はありませんが、方向性としては、2024年10月期の予算編成あたりから、いくつかの方針転換を行っています。
取材者: 具体的な方針転換の内容について教えてください。
回答者: 大きく変更したのは、主力事業であるサブスクリプション事業に関する方針です。従来は、積極的な先行投資により、顧客基盤の拡大を最優先としてきました。しかし、2024年10月期からは、収益性を重視し、利益を確保できる範囲で成長を追求する方針に転換しました。
取材者: サブスクリプション事業以外の事業についてはいかがでしょうか?
回答者: 子会社で運営していたメタバースサービス事業は、収益化が困難であることから縮小しています。また、広告事業については、その一部を担っていた子会社を売却しました。
取材者: これらの事業見直しは、収益性の高いビジネスモデルへの移行を目的としたものですか?
回答者: 元々、サブスクリプション事業単体では十分な利益を確保できていました。しかし、新規顧客獲得には多額のコストが発生するため、短期的な収益は圧迫される傾向にありました。そこで、財務状況を改善し、より安定的な収益構造を構築するために、事業ポートフォリオの見直しを行いました。
取材者: 今後、サブスクリプション事業において注力していくことは何ですか?
回答者: 既存顧客へのサービス拡充を図りながら、既存の営業戦略による新規顧客獲得を着実に進めていきます。ただし、営業体制の拡大には慎重な姿勢を保ち、収益性を重視した運営を継続します。
取材者: 貴社のマーケティングプラットフォームを導入することで、企業はどのようなメリットを享受できますか?
回答者: 当社のプラットフォームは、見込み顧客の獲得から商談化、受注に至るまでのプロセス全体を効率化し、売上増加に貢献します。具体的には、Webサイトやメール、セミナーなどを通じて収集した見込み顧客の行動履歴を分析し、興味関心の度合いに応じてスコアリングを行います。これにより、営業担当者(インサイドセールスを含む)はより確度の高い見込み顧客に絞ってアプローチすることができ、商談化率の向上が期待できます。
取材者: 貴社の創業の経緯や事業内容について教えてください。
回答者: 当社は、イベント開催の支援を目的としたイベント管理システムの提供から事業を開始しました。その後、顧客のニーズに応える形で、名刺情報管理、リードナーチャリングなど、マーケティングオートメーション分野の機能を拡充してきました。
取材者: 今期から始められるような取り組みやトピックスはございますか?
回答者: 営業体制の一層の効率化を図るとともに、既存の営業担当者の能力向上にも注力します。また、新規顧客獲得のためのマーケティング活動も強化していきます。
取材者: 今後の株主還元策や事業戦略について教えてください。
回答者: イノベーション株式会社との経営統合により、国内マーケティングオートメーション市場におけるシェア拡大を目指します。統合後は、両社の製品の強みを生かしながら、顧客基盤の拡大を図ります。
取材者: イノベーション株式会社との統合によるシナジー効果について具体的に教えてください。
回答者: イノベーション株式会社は、当社よりも低価格帯のマーケティングオートメーションサービスを提供しています。統合により、両社の顧客基盤を共有することで、より幅広い顧客層にアプローチすることが可能となります。また、製品開発や営業活動における効率化も期待されます。
取材者: 今後の事業展開について教えてください。
回答者: イノベーション株式会社との統合効果を最大限に発揮し、国内マーケティングオートメーション市場におけるリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにします。また、海外市場への進出も視野に入れ、更なる事業拡大を目指します。
執行役員CFO兼 経営管理本部長 友清学様
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