取材者: セグエグループ様のビジネスモデルにつきまして、他社と比べたときの強みや特徴などを教えていただけますでしょうか？

回答者:ジェイズ・コミュニケーションの創業当初は「システムインテグレーション」からスタートしましたが、グローバルに展開しているメーカーのネットワーク・セキュリティ製品やサービスの販売する「VAD」を展開、また、それら事業で培ってきた技術力を活かして独自のセキュリティ製品・サービスを提供する「自社開発」も行っています。

取材者: ビジネスモデルの強みはどのような点でしょうか？

回答者: ネットワークとセキュリティに特化、事業領域を限定することで、深い技術的知見をもつ技術者を確保、またパートナー企業との密接な協業関係の確立を可能にしております。また、自社開発のセキュリティ製品、サービスの提供とも組み合わせることで、セキュリティコンサルティングから製品導入・ＩＴインフラ構築、保守サービス、マネージドセキュリティサービスと、お客様に最適なソリューションをワンストップで提供できる体制を整えています。

取材者: 製品やサービスにセグエグループならではの付加価値はありますか？

回答者: VADビジネスでは、海外製品を扱っていますが、多くの代理店が提供できないようなサポートサービスを提供できる点が強みです。これは、少数の製品に絞り込み、各製品の技術的な知識に精通したエンジニアを育成しているためです。また、国内の代理店の中でもトップクラスの販売実績を目指しており、メーカーとの強力なリレーションシップを構築することで、メーカーからのサポートも充実しています。

取材者: セグエグループ様の創業の経緯や思いについて教えてください。

回答者: 当社の創業者は、若い頃にIT業界で働き、ネットワークの時代の到来を確信していました。そして、自らビジネスを立ち上げ、SI事業からスタートし、海外製品の輸入販売、自社製品の開発へと事業を拡大してきました。「ITで社会に貢献したい」という創業者の思いは、今もなお受け継がれています。

取材者: 今後の事業展開についてお聞かせください。

回答者: VAD事業においては、引き続き取り扱い製品を増やしていくとともに、自社製品の開発にも力を入れていきます。また、2022年にはセキュリティコンサルティングやマネージドセキュリティサービス、ＳＯＣサービス等を提供する新会社「セグエセキュリティ株式会社」を設立しました。セキュリティのソリューションサービスをワンストップで提供できる体制を確立したことで、付加価値を高めていく方針です。さらに、海外においてもビジネスを展開し、事業の拡大を目指します。

取材者: M&A戦略について教えてください。

回答者: 当面は、セキュリティや海外事業など、注力領域の事業基盤確立を優先します。国内では、セキュリティ関連企業や、技術者の確保に繋がる企業のM&Aを検討しています。

取材者: ブロックチェーン技術との関連やシナジー効果はありますか？

回答者: ブロックチェーンについては、当社においては現在注力している領域ではありません。なお、出資先には、秘密計算や秘密分散などブロックチェーン類似のサービス展開を行っているEaglysやZenmuTechがあり、資本業務提携の形で支援しています。

取材者: 第3四半期の決算について、増収の要因を教えてください。

回答者: 昨年はコロナの影響で2022年までに受注残が積み上がり、それが解消、売上計上されたことで大幅増収となりました。対して今年は伸長が見えにくい年ですが、セキュリティ製品を中心に堅調に推移、そして新たにテクノクリエイションとタイ法人のFirst One Systemsを買収したことで、増収を維持できました。

取材者: セキュリティ製品の販売を伸ばすことができた具体的な施策はありますか？

回答者: 国がセキュリティ対策に力を入れていることを背景に、中央省庁向けの案件を獲得できたことが大きいです。

取材者: 営業利益についてはいかがでしょうか？

回答者: 予算的には想定通りです。ただし、M&Aに伴う費用が発生したため、減益となっています。

取材者: 株主還元の方針を教えてください。

回答者: 成長とのバランスをとりながら、株主還元にも力を入れています。プライム市場上場を維持するため、配当、自己株式の取得、株主優待などを実施しています。

取材者: 足元の決算状況はいかがでしょうか？

回答者: M&Aを実施した企業については、PMIを進めているところです。また、新規事業領域への取り組みや、AIの活用、新製品の開発なども進めています。

取材者: 最後に、投資家に向けてメッセージをお願いします。

回答者: セグエグループは、ネットワークセキュリティに特化した事業を展開し、2012年以降、毎期増収を続け、二桁台の年平均成長率で着実に成長を続けています。

VAD事業では、深い技術的知見を持つエンジニアにより、他の代理店では実現が難しいソリューションも提供可能にしており、高い顧客満足度を実現しています。また、メーカーとの強力なリレーションシップを構築することで、安定的な製品供給と情報提供体制を確立しています。

さらに、システムインテグレーションや自社開発の独自のセキュリティ製品・サービスの提供と組み合わせていくことで、トータルセキュリティソリューションを展開していくことで、収益基盤の強化を図っています。

今後も、M&Aや新規事業の開拓、AIの活用などにも積極的に取り組み、更なる成長を目指しますので、引き続きご期待ください。