
株式会社ネクストジェン
東証STD 3842
決算:3月末日
20241125
Q:貴社の事業内容、ビジネスモデル、特徴、強みについてご説明ください。
A:弊社は、1998年の創業以来、IP電話技術を基盤とした事業を展開しています。 創業当初は、通信キャリア向けにIP電話システムを構築するワンタイム型のビジネスモデルを採用していました。 近年では、企業や自治体向けにクラウド型の音声通話サービスを提供するボイスコミュニケーション事業、音声認識技術やAIを活用したコミュニケーションDX事業を展開しています。 強みは、通信キャリアグレードの高度な技術力と長年の経験に基づくノウハウです。
Q:コミュニケーションDX事業は、ボイスコミュニケーション事業で培われた知見を活かした事業でしょうか?
A:はい、その通りです。 音声処理技術や通信技術を応用し、建設業界向けに音声認識を活用したソリューションなどを提供しています。
Q:市場や顧客の開拓はどのように行っていますか?
A:筆頭株主であるエクシオグループと連携し、通信建設業界におけるネットワークを活かした営業活動を行っています。
Q:ボイスコミュニケーション事業のエンタープライズ向けにおいて、サブスクリプション型への移行を進めている理由をお聞かせください。
A:従来のワンタイム型ビジネスモデルでは、収益が下期に偏重する傾向にありました。 サブスクリプション型へ移行することにより、収益の安定化と利益率の向上が見込めます。
Q:クラウドサービスの利益率が高い理由は何ですか?
A:クラウドサービスは、ハードウェアの仕入れが不要なため、利益率が高くなります。
Q:今後の新商品はクラウド型になるのでしょうか?
A:はい、原則としてクラウド型で提供する予定です。
Q:通信事業者向けにクラウドサービスを提供することはありますか?
A:通信事業者向けには、法人向けサービスとしてクラウドサービスを提供しています。 一方、通信事業者自身の設備に関しては、クラウド化は限定的であり、保守サービスが中心になると考えています。
Q:第2四半期の業績が向上しているのは、クラウドサービスへの移行による影響が大きいのでしょうか?
A:はい、クラウドサービスへの移行により収益が安定したことが主な要因です。 特に、従来ハードウェアビジネスがメインだったU-cube voiceというサービスがクラウド型に移行したことが、収益の安定化に繋がっています。
Q:クラウドサービスのID数が増加しているのは、ハードウェアからクラウドに移行したユーザーが多いからでしょうか?
A:クラウドサービスの需要が高まっており、シェアを拡大しています。
Q:クラウドサービスのシェア拡大に向けた取り組みについてお聞かせください。
A:販売代理店向けの施策として、「Enablerモデル」を導入しています。
Q:「Enablerモデル」について詳細な説明をお願いします。
A:「Enablerモデル」とは、弊社のサービスをパートナー企業のサービスとして提供できるようにするものです。 OEM供給に近い形態ですが、クラウドサービス運営の役割分担をパートナー企業のニーズに合わせて柔軟に変更できる点が特徴です。
Q:パートナー企業のメリットは何ですか?
A:パートナー様は自由にサービスを追加することができます。 これによって、唯一無二のサービスを展開することができます。
Q:今後の取り組みについて教えてください。
A:コミュニケーションDX事業を強化し、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)分野に注力していきます。 通信事業者向けに提供してきた課金・SIM管理システムを一般企業向けに展開し、クラウドサービスで培った技術を活かして、社内管理機能などを強化したサービスを提供していく予定です。
Q:コンタクトセンターなどの受付業務の音声認識も強化していくのでしょうか?
A:はい、既存の音声認識技術を継続的に改良し、精度向上に努めていきます。
Q:創業の経緯について教えてください。
A:創業メンバーは、元NTTのエンジニアです。 海外の優れた技術を日本に導入し、日本の市場に合わせてローカライズすることを得意としています。 最初に手がけたIP電話も、アメリカのスタートアップ企業のSBCという製品を導入したことがきっかけです。
Q:SBCとは何ですか?
A:SBC(セッションボーダーコントローラー)は、異なる通信方式を相互接続するための装置です。 北米のスタートアップ企業からSBCを導入し、日本の通信事業者に提供しました。 その後、自社でSBCのソフトウェアを開発し、通信キャリアに導入するようになりました。 さらに、エンタープライズ向けにもSBCを販売し、クラウドサービス化しました。
Q:創業から現在までの事業の変遷をご説明ください。
A:創業当初はIP電話の普及を促進し、日本の通信に貢献することを目指しました。 その後、顧客層を拡大するためにエンタープライズ向けに事業を展開し、さらに電話以外のコミュニケーション手段にも対応するために、コミュニケーションDX事業を立ち上げました。 また、2014年にはティアック株式会社から通話録音事業を譲り受け、録音した音声を活用したいというニーズに応えるために、音声認識事業にも進出し、AIを活用したサービスも展開しています。 近年では、SNSなどコミュニケーション手段が多様化しているため、CPaaSというコミュニケーションプラットフォームサービスを開始し、様々なサービスを展開しています。
Q:海外の技術を日本向けにカスタマイズし、それを基に新しい技術を開発しているのですね。
A:はい、海外の最新技術を導入し、日本の市場ニーズに合わせて製品開発を行っています。
Q:貴社には、高度な技術力を持つ技術者はどのようにして集まっているのでしょうか?
A:創業メンバーは、元NTTのエンジニアで、高い技術力と豊富な経験を有しています。 専門性の高いエンジニアが集まっています。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者:元々弊社は、簡単に言うならば、日本にIP電話を商用で初めて実現した会社です。当時、確実な接続や安定した通話が求められる電話の世界を保証された基盤を持たないインターネットの技術で実現するのは非常に難しいと考えられていた時代でしたが、20年ほど前に先進性を持って実現しました。その上で、まず通信キャリア向けのビジネスを展開してまいりました。 いわゆるワンタイム型で、1回大きな設備を入れさせていただくようなビジネスモデルです。その後、通信キャリア向けに培ってきた技術力を、エンタープライズ、つまり企業や自治体向けに展開したのが、ボイスコミュニケーション事業です。エンタープライズ向けに音声通話ソフトを提供する我々の強みは、通信キャリアで培ってきた高い技術力にあります。通信キャリアの世界では、一瞬の停止も許されません。そこで培われた技術力は、大きな差別化ポイントだと考えています。一方で、コミュニケーションは音声だけではない、電話が通信の中心とは言えないという認識から生まれたのが、コミュニケーションDX事業です。チャットやSMS、動画など、電話以外のコミュニケーション手段を使ったDXを推進しています。こちらは特定のマーケットに向けた事業であり、市場を拡大していく段階です。そのため、全く同じような商品はあまりないと考えています。例えば、建設業界の工事現場の危険予知ミーティングで音声認識を使ったソリューションを展開していますが、これに似たような商品・サービスは他に知りません。
取材者: なるほど。コミュニケーションDX事業については、ボイスコミュニケーション事業で培われた音声などの知見を生かして、何か新しい価値を提供するようなイメージでしょうか?
回答者: その通りです。例えば、建設業界に注目し、既存のソリューションを使って市場を開拓しています。
取材者: 特定のマーケットに特化したという部分ですが、市場や顧客の開拓についてはどのような取り組みをされていますか?
回答者: 我々の筆頭株主はエクシオグループです。エクシオグループは通信建設業界を熟知しており、建設業界とのつながりもあります。そのため、我々だけで開拓していくというよりは、パートナーであるエクシオグループの力を借りて、既に関係のある企業に一緒に提案していくというイメージです。
取材者: なるほど。共同で展開していくようなイメージですね。
回答者: はい、そうです。
取材者: ボイスコミュニケーション事業のエンタープライズ向けの部分は、徐々にサブスクリプション型に移行しており、それが営業利益などに影響しているという記載がありましたが、元々はワンタイム型で売り切りでやっていたものを、サブスクリプション型にした理由についてご説明いただけますか?
回答者: まず、創業当初は電話がコミュニケーションの中心だったため、通信事業者様は設備投資に積極的でした。しかし、通信事業者様の数は限られています。そのため、案件単価は高いものの、案件数はそれほど多くありませんでした。さらに、近年では電話がコミュニケーションの中心ではなくなり、通信事業者様も投資を減らしています。そのため、案件数は減少傾向にあります。一方で、エンタープライズ向けはワンタイム型で、通信事業者様向けよりも案件単価は低いものの、案件数は多いです。当然のことながら競合が多く、競争が激しくなり、利益率も低くなってしまいます。もう一つ、ワンタイム型のビジネスモデルにおける課題があります。それは、設備販売であるがゆえに、年度予算に縛られ検収が下期偏重になってしまうことです。リードタイムの長い設備投資の検収が多くの企業で下期や第4四半期に集中しがちで、どうしても下期に売り上げが偏ってしまう傾向がありました。
回答者: しかし、ワンタイム型からクラウドサービスに移行してきたことで、毎月の売り上げがかなり安定するようになりました。また、クラウドサービスの方が利益率が高い傾向にあります。
取材者: クラウドサービスの方が利益率が高いのはなぜでしょうか?
回答者: 我々はソフトウェアメーカーですが、ソフトウェアを納品する際にはハードウェアが必要になります。ハードウェアは自社で製造していないため、仕入れなければなりません。ハードウェアの利益率は約3%と低いのです。結果として、売り上げは高く見えても利益率は低く、最終的な利益はそれほど大きくありません。一方、クラウドサービスの場合はハードウェアが不要なため、利益率が高くなります。
取材者: なるほど。クラウド化によって利益率が向上しているのですね。
回答者: はい、その通りです。
取材者: 今後の新しい商品に関しても、ほとんどクラウド型になってくるのでしょうか?
回答者: はい、ほとんどがクラウド型になると思います。
取材者: 通信事業者様向けにクラウドサービスを提供することはないのでしょうか?
回答者: 通信事業者様には、法人向けと自社設備の2つの枠組みがあります。法人向けに販売するサービスとしては、我々のクラウドサービスを当然提供しています。しかし、自社設備に関しては、クラウド化の流れはあったものの、完全に移行しているわけではありません。最終的には、保守サービスで売り上げを確保していくような形になるかと思います。開発から保守まで、一貫してサービスを提供しています。
取材者: 2年前まで第2四半期は営業損失だったのが、今年度は前年同期比で357%に増加しているのは、クラウドサービスへの移行による影響が大きいのでしょうか?
回答者: クラウドサービスへの移行によって収益が安定してきたことが大きな要因です。クラウドサービス自体は以前から提供していましたが、近年では売り上げに占める割合が大きくなっています。
特に、従来ハードウェアビジネスがメインだったU-cube voiceというサービスがクラウド型に移行したことが、良い事例です。クラウド化によって収益が平準化され、販売代理店も慣れてきたということもあると思います。
取材者: クラウドサービスのID数が増加しているのは、ハードウェアからクラウドに移行してきたユーザーが多いからでしょうか?
回答者: 世の中のハードウェアメーカーが撤退しているという流れもあり、クラウドサービスへの移行によってシェアを拡大しています。
取材者: クラウドサービスのシェアを奪うために、具体的にどのような取り組みや施策を行っていますか?
回答者: 1つは、販売代理店向けの施策です。我々は直販をほとんど行わず、販売代理店を通じてサービスを提供しています。販売代理店向けの施策として、「Enablerモデル」というものを導入しています。
取材者: Enablerモデルとはどのようなものでしょうか?
回答者: 簡単に言うと、我々のサービスをパートナー様のサービスとして提供できるようにするものです。OEMに近いイメージですが、単にラベルを変えるだけでなく、クラウドサービスを運営する際の役割分担をパートナー様に合わせて変更することができます。これによって、我々はパートナー様にサービスを安く提供することができます。また、パートナー様は自由に価格を設定することができます。役割分担と割引率の調整によって、販売代理店のモチベーションを高め、販売を促進しています。
取材者: パートナー企業のメリットは、自由度が高くなるということでしょうか?
回答者: はい、その通りです。我々はプラットフォームを提供しますが、パートナー様は自由にサービスを追加することができます。これによって、唯一無二のサービスを展開することができます。
取材者: 今後の取り組みについてご説明ください。しょうか?
回答者: 現在、来期の事業計画を策定している段階ですが、コミュニケーションDX事業を強化していく予定です。具体的には、ビジネスプロセスマネジメント、つまりBPMというキーワードで事業を展開していきます。元々通信事業者様向けに提供していた課金・SIM管理システムを、一般企業向けに提供していきます。このシステムは、細かいワークフローを活用したシステムです。まずプラットフォームを提供し、その上に我々のコミュニケーションプラットフォームサービスの機能を組み合わせて、サービスを提供していきます。クラウドサービスで培ってきた技術をさらに発展させ、社内管理機能などを強化したものを提供していく予定です。
取材者: コンタクトセンターなどの受付業務の音声認識の部分についても、既存のものを強化していくようなイメージでしょうか?
回答者: はい、その通りです。
取材者: 創業の経緯についてお伺いできますでしょうか?
回答者:我々は日本で初めてIP電話を商用で実現した会社です。インターネット技術を使って、創業メンバーが頑張って開発したのが出発点です。我々の得意なことは、海外の技術を見極めることです。海外で優れた技術や製品を見つけてきて、それを日本に導入し、日本の環境に合わせて展開することを得意としています。
回答者: 最初のIP電話も、アメリカのスタートアップ企業の優れた製品を見つけてきたことがきっかけです。セッションボーダーコントローラー、SBCという製品ですが、これが最初の成功事例です。
取材者: SBCとはどのようなものでしょうか?
回答者: 通信において、A社とB社の通信を単純に接続しても、うまくかみ合わない場合があります。なぜなら、A社とB社で通信方式に若干の違いがあるからです。これを調整するのがSBCです。分かりやすく言うと、翻訳のようなものです。このSBCを、北米のスタートアップ企業から導入し、日本の通信事業者様に提供しました。構築やSI、日本の規制への対応などは、我々が得意とするところです。ある程度慣れてくると、他社の製品を販売するよりも、自社開発した方が利益率が高くなります。そこで、自社でソフトウェアを開発し、通信キャリア様に導入していくようになりました。その後、エンタープライズ向けに事業を展開する際にも、SBCの需要があると見込み、販売を開始しました。例えば、LINEの電話と普通の電話を接続するようなケースです。コンタクトセンターなどで、LINE電話で問い合わせに対応できるようになっているのは、我々の技術が使われているからです。エンタープライズ向けには、ソフトウェアをワンタイム型で提供していましたが、これをクラウドサービス化しています。
創業当初は、日本の通信に大きな変化を与えようという思いからスタートしました。その後、顧客層を拡大するためにエンタープライズ向けに事業を展開し、さらに電話以外のコミュニケーション手段にも対応するために、コミュニケーションDX事業を立ち上げました。
電話の先には音声があるため、通話録音のニーズがあります。そこで、2014年にティアック様から通話録音事業を譲り受けました。さらに、録音した音声を活用したいというニーズに応えるために、音声認識事業にも進出しました。音声認識事業では、AIを活用したサービスも展開しています。近年では、SNSなどコミュニケーション手段が多様化しているため、CPaaSというコミュニケーションプラットフォームサービスを開始しました。このプラットフォーム上で、様々なサービスを展開していく予定です。
取材者: 日本で初めてIP電話を商用化してから、様々な分野に事業を拡大してきたのですね。
回答者: はい、その通りです。
取材者: 海外の技術を日本向けにカスタマイズし、それを基に新しい技術を開発するというのは、高度な技術力が必要ですね。
回答者: はい。
取材者: 貴社には、そのような技術者がどのようにして集まっているのでしょうか?
回答者: 創業メンバーは、元NTTのエンジニアです。海外の技術を見極める力を持った、優秀なエンジニアが集まっています。創業メンバーが優秀なので、入ってくる人材も優秀です。ニッチな分野ではありますが、専門性の高いメンバーが集まってくれています。
取材者:先日スタンダード市場への市場変更申請の取締役会決議をされましたが、投資家の方々の反応はいかがでしたか?
回答者: 上場申請をすることは、事前に様々なところで話していました。そのため、「ついに来たね」という感じだったと思います。株価も大きな変動はありませんでした。
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
ネクストジェンは、日本で初めてIP電話を商用化した技術力を基盤に、ボイスコミュニケーション事業とコミュニケーションDX事業を展開している。近年では、従来のワンタイム型のビジネスモデルからクラウドサービスへの移行を進めており、収益の安定化と利益率向上を実現。また、特定のマーケットに特化したソリューションを提供することで、競争優位性を築いている。さらに、通信キャリア向けの課金・SIM管理システムなど、多分野への展開も視野に入れている。
創業の経緯と転機となった出来事
創業メンバーは元NTTのエンジニアで、海外の技術を日本に導入し、日本の市場に合わせてローカライズすることを得意としている。 最初のIP電話は、アメリカのスタートアップ企業の優れた製品であるSBCを導入したことがきっかけである。 その後、自社でソフトウェアを開発し、通信キャリアに導入していくようになった。 その後、エンタープライズ向けに事業を展開する際にも、SBCの需要があると見込み、販売を開始した。 エンタープライズ向けには、ソフトウェアをワンタイム型で提供していたが、これをクラウドサービス化している。
直近の決算状況
2年前まで第2四半期は営業損失だったが、今年度は前年同期比で357%に増加している。 これは、クラウドサービスへの移行によって収益が安定したことが大きな要因である。
特徴や強み
同社の強みは、高い技術力と海外の優れた技術を見極める目利き力、そして顧客のニーズに応じた柔軟なサービス提供力にある。
成長戦略
コミュニケーションDX事業を強化し、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)分野に注力していく。 通信事業者向けに提供してきた課金・SIM管理システムを一般企業向けに展開し、クラウドサービスで培ってきた技術を活かして、社内管理機能などを強化したサービスを提供していく。
今期の取り組みやトピックス
販売代理店向けの施策として、「Enablerモデル」を導入している。 これは、同社のサービスをパートナー企業のサービスとして提供できるようにするもので、OEM供給に近い形態であるが、クラウドサービス運営の役割分担をパートナー企業のニーズに合わせて柔軟に変更できる点が特徴である。
IR担当
・資料
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株式会社ネクストジェン
東証STD 3842
決算:3月末日
Q:貴社の事業内容、ビジネスモデル、特徴、強みについてご説明ください。
A:弊社は、1998年の創業以来、IP電話技術を基盤とした事業を展開しています。 創業当初は、通信キャリア向けにIP電話システムを構築するワンタイム型のビジネスモデルを採用していました。 近年では、企業や自治体向けにクラウド型の音声通話サービスを提供するボイスコミュニケーション事業、音声認識技術やAIを活用したコミュニケーションDX事業を展開しています。 強みは、通信キャリアグレードの高度な技術力と長年の経験に基づくノウハウです。
Q:コミュニケーションDX事業は、ボイスコミュニケーション事業で培われた知見を活かした事業でしょうか?
A:はい、その通りです。 音声処理技術や通信技術を応用し、建設業界向けに音声認識を活用したソリューションなどを提供しています。
Q:市場や顧客の開拓はどのように行っていますか?
A:筆頭株主であるエクシオグループと連携し、通信建設業界におけるネットワークを活かした営業活動を行っています。
Q:ボイスコミュニケーション事業のエンタープライズ向けにおいて、サブスクリプション型への移行を進めている理由をお聞かせください。
A:従来のワンタイム型ビジネスモデルでは、収益が下期に偏重する傾向にありました。 サブスクリプション型へ移行することにより、収益の安定化と利益率の向上が見込めます。
Q:クラウドサービスの利益率が高い理由は何ですか?
A:クラウドサービスは、ハードウェアの仕入れが不要なため、利益率が高くなります。
Q:今後の新商品はクラウド型になるのでしょうか?
A:はい、原則としてクラウド型で提供する予定です。
Q:通信事業者向けにクラウドサービスを提供することはありますか?
A:通信事業者向けには、法人向けサービスとしてクラウドサービスを提供しています。 一方、通信事業者自身の設備に関しては、クラウド化は限定的であり、保守サービスが中心になると考えています。
Q:第2四半期の業績が向上しているのは、クラウドサービスへの移行による影響が大きいのでしょうか?
A:はい、クラウドサービスへの移行により収益が安定したことが主な要因です。 特に、従来ハードウェアビジネスがメインだったU-cube voiceというサービスがクラウド型に移行したことが、収益の安定化に繋がっています。
Q:クラウドサービスのID数が増加しているのは、ハードウェアからクラウドに移行したユーザーが多いからでしょうか?
A:クラウドサービスの需要が高まっており、シェアを拡大しています。
Q:クラウドサービスのシェア拡大に向けた取り組みについてお聞かせください。
A:販売代理店向けの施策として、「Enablerモデル」を導入しています。
Q:「Enablerモデル」について詳細な説明をお願いします。
A:「Enablerモデル」とは、弊社のサービスをパートナー企業のサービスとして提供できるようにするものです。 OEM供給に近い形態ですが、クラウドサービス運営の役割分担をパートナー企業のニーズに合わせて柔軟に変更できる点が特徴です。
Q:パートナー企業のメリットは何ですか?
A:パートナー様は自由にサービスを追加することができます。 これによって、唯一無二のサービスを展開することができます。
Q:今後の取り組みについて教えてください。
A:コミュニケーションDX事業を強化し、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)分野に注力していきます。 通信事業者向けに提供してきた課金・SIM管理システムを一般企業向けに展開し、クラウドサービスで培った技術を活かして、社内管理機能などを強化したサービスを提供していく予定です。
Q:コンタクトセンターなどの受付業務の音声認識も強化していくのでしょうか?
A:はい、既存の音声認識技術を継続的に改良し、精度向上に努めていきます。
Q:創業の経緯について教えてください。
A:創業メンバーは、元NTTのエンジニアです。 海外の優れた技術を日本に導入し、日本の市場に合わせてローカライズすることを得意としています。 最初に手がけたIP電話も、アメリカのスタートアップ企業のSBCという製品を導入したことがきっかけです。
Q:SBCとは何ですか?
A:SBC(セッションボーダーコントローラー)は、異なる通信方式を相互接続するための装置です。 北米のスタートアップ企業からSBCを導入し、日本の通信事業者に提供しました。 その後、自社でSBCのソフトウェアを開発し、通信キャリアに導入するようになりました。 さらに、エンタープライズ向けにもSBCを販売し、クラウドサービス化しました。
Q:創業から現在までの事業の変遷をご説明ください。
A:創業当初はIP電話の普及を促進し、日本の通信に貢献することを目指しました。 その後、顧客層を拡大するためにエンタープライズ向けに事業を展開し、さらに電話以外のコミュニケーション手段にも対応するために、コミュニケーションDX事業を立ち上げました。 また、2014年にはティアック株式会社から通話録音事業を譲り受け、録音した音声を活用したいというニーズに応えるために、音声認識事業にも進出し、AIを活用したサービスも展開しています。 近年では、SNSなどコミュニケーション手段が多様化しているため、CPaaSというコミュニケーションプラットフォームサービスを開始し、様々なサービスを展開しています。
Q:海外の技術を日本向けにカスタマイズし、それを基に新しい技術を開発しているのですね。
A:はい、海外の最新技術を導入し、日本の市場ニーズに合わせて製品開発を行っています。
Q:貴社には、高度な技術力を持つ技術者はどのようにして集まっているのでしょうか?
A:創業メンバーは、元NTTのエンジニアで、高い技術力と豊富な経験を有しています。 専門性の高いエンジニアが集まっています。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者:元々弊社は、簡単に言うならば、日本にIP電話を商用で初めて実現した会社です。当時、確実な接続や安定した通話が求められる電話の世界を保証された基盤を持たないインターネットの技術で実現するのは非常に難しいと考えられていた時代でしたが、20年ほど前に先進性を持って実現しました。その上で、まず通信キャリア向けのビジネスを展開してまいりました。 いわゆるワンタイム型で、1回大きな設備を入れさせていただくようなビジネスモデルです。その後、通信キャリア向けに培ってきた技術力を、エンタープライズ、つまり企業や自治体向けに展開したのが、ボイスコミュニケーション事業です。エンタープライズ向けに音声通話ソフトを提供する我々の強みは、通信キャリアで培ってきた高い技術力にあります。通信キャリアの世界では、一瞬の停止も許されません。そこで培われた技術力は、大きな差別化ポイントだと考えています。一方で、コミュニケーションは音声だけではない、電話が通信の中心とは言えないという認識から生まれたのが、コミュニケーションDX事業です。チャットやSMS、動画など、電話以外のコミュニケーション手段を使ったDXを推進しています。こちらは特定のマーケットに向けた事業であり、市場を拡大していく段階です。そのため、全く同じような商品はあまりないと考えています。例えば、建設業界の工事現場の危険予知ミーティングで音声認識を使ったソリューションを展開していますが、これに似たような商品・サービスは他に知りません。
取材者: なるほど。コミュニケーションDX事業については、ボイスコミュニケーション事業で培われた音声などの知見を生かして、何か新しい価値を提供するようなイメージでしょうか?
回答者: その通りです。例えば、建設業界に注目し、既存のソリューションを使って市場を開拓しています。
取材者: 特定のマーケットに特化したという部分ですが、市場や顧客の開拓についてはどのような取り組みをされていますか?
回答者: 我々の筆頭株主はエクシオグループです。エクシオグループは通信建設業界を熟知しており、建設業界とのつながりもあります。そのため、我々だけで開拓していくというよりは、パートナーであるエクシオグループの力を借りて、既に関係のある企業に一緒に提案していくというイメージです。
取材者: なるほど。共同で展開していくようなイメージですね。
回答者: はい、そうです。
取材者: ボイスコミュニケーション事業のエンタープライズ向けの部分は、徐々にサブスクリプション型に移行しており、それが営業利益などに影響しているという記載がありましたが、元々はワンタイム型で売り切りでやっていたものを、サブスクリプション型にした理由についてご説明いただけますか?
回答者: まず、創業当初は電話がコミュニケーションの中心だったため、通信事業者様は設備投資に積極的でした。しかし、通信事業者様の数は限られています。そのため、案件単価は高いものの、案件数はそれほど多くありませんでした。さらに、近年では電話がコミュニケーションの中心ではなくなり、通信事業者様も投資を減らしています。そのため、案件数は減少傾向にあります。一方で、エンタープライズ向けはワンタイム型で、通信事業者様向けよりも案件単価は低いものの、案件数は多いです。当然のことながら競合が多く、競争が激しくなり、利益率も低くなってしまいます。もう一つ、ワンタイム型のビジネスモデルにおける課題があります。それは、設備販売であるがゆえに、年度予算に縛られ検収が下期偏重になってしまうことです。リードタイムの長い設備投資の検収が多くの企業で下期や第4四半期に集中しがちで、どうしても下期に売り上げが偏ってしまう傾向がありました。
回答者: しかし、ワンタイム型からクラウドサービスに移行してきたことで、毎月の売り上げがかなり安定するようになりました。また、クラウドサービスの方が利益率が高い傾向にあります。
取材者: クラウドサービスの方が利益率が高いのはなぜでしょうか?
回答者: 我々はソフトウェアメーカーですが、ソフトウェアを納品する際にはハードウェアが必要になります。ハードウェアは自社で製造していないため、仕入れなければなりません。ハードウェアの利益率は約3%と低いのです。結果として、売り上げは高く見えても利益率は低く、最終的な利益はそれほど大きくありません。一方、クラウドサービスの場合はハードウェアが不要なため、利益率が高くなります。
取材者: なるほど。クラウド化によって利益率が向上しているのですね。
回答者: はい、その通りです。
取材者: 今後の新しい商品に関しても、ほとんどクラウド型になってくるのでしょうか?
回答者: はい、ほとんどがクラウド型になると思います。
取材者: 通信事業者様向けにクラウドサービスを提供することはないのでしょうか?
回答者: 通信事業者様には、法人向けと自社設備の2つの枠組みがあります。法人向けに販売するサービスとしては、我々のクラウドサービスを当然提供しています。しかし、自社設備に関しては、クラウド化の流れはあったものの、完全に移行しているわけではありません。最終的には、保守サービスで売り上げを確保していくような形になるかと思います。開発から保守まで、一貫してサービスを提供しています。
取材者: 2年前まで第2四半期は営業損失だったのが、今年度は前年同期比で357%に増加しているのは、クラウドサービスへの移行による影響が大きいのでしょうか?
回答者: クラウドサービスへの移行によって収益が安定してきたことが大きな要因です。クラウドサービス自体は以前から提供していましたが、近年では売り上げに占める割合が大きくなっています。
特に、従来ハードウェアビジネスがメインだったU-cube voiceというサービスがクラウド型に移行したことが、良い事例です。クラウド化によって収益が平準化され、販売代理店も慣れてきたということもあると思います。
取材者: クラウドサービスのID数が増加しているのは、ハードウェアからクラウドに移行してきたユーザーが多いからでしょうか?
回答者: 世の中のハードウェアメーカーが撤退しているという流れもあり、クラウドサービスへの移行によってシェアを拡大しています。
取材者: クラウドサービスのシェアを奪うために、具体的にどのような取り組みや施策を行っていますか?
回答者: 1つは、販売代理店向けの施策です。我々は直販をほとんど行わず、販売代理店を通じてサービスを提供しています。販売代理店向けの施策として、「Enablerモデル」というものを導入しています。
取材者: Enablerモデルとはどのようなものでしょうか?
回答者: 簡単に言うと、我々のサービスをパートナー様のサービスとして提供できるようにするものです。OEMに近いイメージですが、単にラベルを変えるだけでなく、クラウドサービスを運営する際の役割分担をパートナー様に合わせて変更することができます。これによって、我々はパートナー様にサービスを安く提供することができます。また、パートナー様は自由に価格を設定することができます。役割分担と割引率の調整によって、販売代理店のモチベーションを高め、販売を促進しています。
取材者: パートナー企業のメリットは、自由度が高くなるということでしょうか?
回答者: はい、その通りです。我々はプラットフォームを提供しますが、パートナー様は自由にサービスを追加することができます。これによって、唯一無二のサービスを展開することができます。
取材者: 今後の取り組みについてご説明ください。しょうか?
回答者: 現在、来期の事業計画を策定している段階ですが、コミュニケーションDX事業を強化していく予定です。具体的には、ビジネスプロセスマネジメント、つまりBPMというキーワードで事業を展開していきます。元々通信事業者様向けに提供していた課金・SIM管理システムを、一般企業向けに提供していきます。このシステムは、細かいワークフローを活用したシステムです。まずプラットフォームを提供し、その上に我々のコミュニケーションプラットフォームサービスの機能を組み合わせて、サービスを提供していきます。クラウドサービスで培ってきた技術をさらに発展させ、社内管理機能などを強化したものを提供していく予定です。
取材者: コンタクトセンターなどの受付業務の音声認識の部分についても、既存のものを強化していくようなイメージでしょうか?
回答者: はい、その通りです。
取材者: 創業の経緯についてお伺いできますでしょうか?
回答者:我々は日本で初めてIP電話を商用で実現した会社です。インターネット技術を使って、創業メンバーが頑張って開発したのが出発点です。我々の得意なことは、海外の技術を見極めることです。海外で優れた技術や製品を見つけてきて、それを日本に導入し、日本の環境に合わせて展開することを得意としています。
回答者: 最初のIP電話も、アメリカのスタートアップ企業の優れた製品を見つけてきたことがきっかけです。セッションボーダーコントローラー、SBCという製品ですが、これが最初の成功事例です。
取材者: SBCとはどのようなものでしょうか?
回答者: 通信において、A社とB社の通信を単純に接続しても、うまくかみ合わない場合があります。なぜなら、A社とB社で通信方式に若干の違いがあるからです。これを調整するのがSBCです。分かりやすく言うと、翻訳のようなものです。このSBCを、北米のスタートアップ企業から導入し、日本の通信事業者様に提供しました。構築やSI、日本の規制への対応などは、我々が得意とするところです。ある程度慣れてくると、他社の製品を販売するよりも、自社開発した方が利益率が高くなります。そこで、自社でソフトウェアを開発し、通信キャリア様に導入していくようになりました。その後、エンタープライズ向けに事業を展開する際にも、SBCの需要があると見込み、販売を開始しました。例えば、LINEの電話と普通の電話を接続するようなケースです。コンタクトセンターなどで、LINE電話で問い合わせに対応できるようになっているのは、我々の技術が使われているからです。エンタープライズ向けには、ソフトウェアをワンタイム型で提供していましたが、これをクラウドサービス化しています。
創業当初は、日本の通信に大きな変化を与えようという思いからスタートしました。その後、顧客層を拡大するためにエンタープライズ向けに事業を展開し、さらに電話以外のコミュニケーション手段にも対応するために、コミュニケーションDX事業を立ち上げました。
電話の先には音声があるため、通話録音のニーズがあります。そこで、2014年にティアック様から通話録音事業を譲り受けました。さらに、録音した音声を活用したいというニーズに応えるために、音声認識事業にも進出しました。音声認識事業では、AIを活用したサービスも展開しています。近年では、SNSなどコミュニケーション手段が多様化しているため、CPaaSというコミュニケーションプラットフォームサービスを開始しました。このプラットフォーム上で、様々なサービスを展開していく予定です。
取材者: 日本で初めてIP電話を商用化してから、様々な分野に事業を拡大してきたのですね。
回答者: はい、その通りです。
取材者: 海外の技術を日本向けにカスタマイズし、それを基に新しい技術を開発するというのは、高度な技術力が必要ですね。
回答者: はい。
取材者: 貴社には、そのような技術者がどのようにして集まっているのでしょうか?
回答者: 創業メンバーは、元NTTのエンジニアです。海外の技術を見極める力を持った、優秀なエンジニアが集まっています。創業メンバーが優秀なので、入ってくる人材も優秀です。ニッチな分野ではありますが、専門性の高いメンバーが集まってくれています。
取材者:先日スタンダード市場への市場変更申請の取締役会決議をされましたが、投資家の方々の反応はいかがでしたか?
回答者: 上場申請をすることは、事前に様々なところで話していました。そのため、「ついに来たね」という感じだったと思います。株価も大きな変動はありませんでした。
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
ネクストジェンは、日本で初めてIP電話を商用化した技術力を基盤に、ボイスコミュニケーション事業とコミュニケーションDX事業を展開している。近年では、従来のワンタイム型のビジネスモデルからクラウドサービスへの移行を進めており、収益の安定化と利益率向上を実現。また、特定のマーケットに特化したソリューションを提供することで、競争優位性を築いている。さらに、通信キャリア向けの課金・SIM管理システムなど、多分野への展開も視野に入れている。
創業の経緯と転機となった出来事
創業メンバーは元NTTのエンジニアで、海外の技術を日本に導入し、日本の市場に合わせてローカライズすることを得意としている。 最初のIP電話は、アメリカのスタートアップ企業の優れた製品であるSBCを導入したことがきっかけである。 その後、自社でソフトウェアを開発し、通信キャリアに導入していくようになった。 その後、エンタープライズ向けに事業を展開する際にも、SBCの需要があると見込み、販売を開始した。 エンタープライズ向けには、ソフトウェアをワンタイム型で提供していたが、これをクラウドサービス化している。
直近の決算状況
2年前まで第2四半期は営業損失だったが、今年度は前年同期比で357%に増加している。 これは、クラウドサービスへの移行によって収益が安定したことが大きな要因である。
特徴や強み
同社の強みは、高い技術力と海外の優れた技術を見極める目利き力、そして顧客のニーズに応じた柔軟なサービス提供力にある。
成長戦略
コミュニケーションDX事業を強化し、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)分野に注力していく。 通信事業者向けに提供してきた課金・SIM管理システムを一般企業向けに展開し、クラウドサービスで培ってきた技術を活かして、社内管理機能などを強化したサービスを提供していく。
今期の取り組みやトピックス
販売代理店向けの施策として、「Enablerモデル」を導入している。 これは、同社のサービスをパートナー企業のサービスとして提供できるようにするもので、OEM供給に近い形態であるが、クラウドサービス運営の役割分担をパートナー企業のニーズに合わせて柔軟に変更できる点が特徴である。
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