20250123
Q. 事業内容をご説明ください。
A. 当社は仮想デスクトップシステムのインテグレーターとして、お客様に最適な仮想デスクトップシステムの提案を行います。
Q. 強みをご説明ください。
A. 当社の強みは、
(1) 間接販売モデルであること
(2) 仮想デスクトップにかかわる世界中で当社しか持っていないオリジナル製品があること。
(3) 仮想デスクトップを構築できる高スキルなSEを、日本最大規模で擁していること。
Q. 今後の展望をご説明ください。
A. 当社は、仮想デスクトップのリーディングカンパニーとして、お客様に最適な仮想デスクトップ環境を提供し続けます。また①継続収入モデルを推進して収益を安定的に成長させること、②海外の優れたテクノロジーベンダー、また国内の力のある販売パートナーとの資本提携を含む協業を進めてまいります。
Q. 業績の状況をご説明ください。
A. 当社の業績は、おかげさまで好調に推移しています。業種によって異なりますがハイブリッドワークの普及に伴い、場所やデバイスを問わずに業務ができる仮想デスクトップの需要が拡大しています。また、情報漏洩などのセキュリティリスクが高まる中、セキュリティ強化の観点からも仮想デスクトップの導入が進んでいます。これらの要因により、当社の業績は好調に推移しています。
Q. 株主還元に対する考え方を教えていただけますか?
A. 配当性向30%を目標として配当を行ってまいります。
Q. 御社のビジネスモデルや事業内容の特徴、強みをご説明ください。
A. 当社は仮想デスクトップのシステムインテグレーターです。仮想デスクトップとは、パソコンのデスクトップ環境をサーバーに集約し、ネットワーク経由で利用できるようにする技術です。ハイブリッドワークやセキュリティ強化のニーズの高まりから導入企業が増えています。多くの販売パートナーと協力し、お客様に最適な仮想デスクトップ環境を提供しています。
Q. 仮想デスクトップのセキュリティ対策についてご説明ください。
A. 仮想デスクトップシステムは、端末側にデータを置かないことで、端末からの情報漏洩のリスクを大きく軽減できます。
Q. 新たな取り組みやトピックスをご説明ください。
A. 最近では、Citrixの親会社であるクラウドソフトウェアグループという会社から出資を受け入れました。この出資により、Citrixの国内販売体制を強化していきます。この業務提携を受けてアセンテック100%子会社のCXJという会社を作りました。Citrixジャパンが今まで行っていた業務をCXJと2社で行うという体制になります。CXJは、Citrix製品の販売だけでなく、サポートも行います。 これにより、Citrix製品をお使いのお客様の満足度の向上を図れると考えています。
Q. 中期経営計画の進捗状況を教えてください。
A.現在の計画では、2027年1月期に売上高100億円を目標としています。 しかし、今期の業績が好調に推移しており、すでに2年後の目標を超えているため、中期経営計画の見直しも検討しています。
取材者: 貴社のビジネスモデルや事業内容について、特徴や強みなども含めてご説明いただけますでしょうか?
回答者: 当社は仮想デスクトップというシステムのシステムインテグレーターです。
取材者: 仮想デスクトップというのは、どのようなシステムでしょうか?
回答者: 簡単に言うと、パソコンの機能をサーバー側に集約し、端末からはそのサーバーにアクセスして利用するシステムです。 例えば、100名、200名、あるいは数万人の社員がいる場合、それぞれのパソコンの代わりに、サーバーに集約した仮想デスクトップ環境を用意します。 社員は、手元の端末からそのサーバーにアクセスすることで、自分のデスクトップ環境を利用することができます。
取材者: 仮想デスクトップには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
回答者: 大きく分けて3つのメリットがあります。 1つ目は、情報セキュリティの強化です。 サーバーにデータを集約することで、端末からの情報漏えいを防ぐことができます。 サイバー攻撃の標的となることが多い端末を、安全に管理することができます。
2つ目は、場所を選ばない働き方の実現です。 サーバーにアクセスできれば、どこからでも自分のデスクトップ環境を利用することができます。 在宅勤務やハイブリットワークなど、柔軟な働き方を支援することができます。
取材者: 最近はハイブリッドワークという働き方も注目されていますね。
回答者: はい、その通りです。 仮想デスクトップは、ハイブリッドワークにも最適なソリューションです。 会社と自宅で同じ環境を利用できるため、業務効率の向上に繋がります。
3つ目のメリットは、BCP対策ということです。災害などでオフィスが使えなくなった場合でも、サーバーにアクセスできれば業務を継続することができます。 また、端末の紛失や盗難のリスクを軽減することもできます。
取材者: 情報システム担当者にとってのメリットはありますか?
回答者: はい、もちろんあります。 仮想デスクトップを導入することで、セキュリティ対策やシステム管理の負担を軽減することができます。 例えば、Windowsのアップデート作業なども、サーバー側で一括して行うことができます。特に、昨今のようなサイバー攻撃の増加を考えると、情報セキュリティの強化は喫緊の課題です。 仮想デスクトップは、その解決策として有効な手段となります。
取材者: 貴社はSIerとして、仮想デスクトップの構築をされているということですが、ビジネスモデルの特徴はありますか?
回答者: 私たちはSIerではありますが、クライアント企業から直接仕事を受注するケースはあまり多くありません。 多くの場合、NTTデータさんやIBMさん、日立さんなどの大手SIerの二次請けとして、仮想デスクトップ部分の構築を任されるという形です。結果として、当社の売上の8~9割は、SIerからの受注によるものです。
取材者: どのような企業に仮想デスクトップシステムを導入されているのでしょうか?
回答者: お客様は多岐にわたりますが、例えば、三菱UFJ銀行さんやセコムさんなどは、導入事例として公表させていただいています。 その他にも、多くの企業に導入実績があります。
これらの実績が、NTTデータさんやIBMさんの営業の方々に評価され、多くの案件に繋がっています。そして、もう一つの強みは、仮想デスクトップの構築に特化した技術力です。 当社は、仮想デスクトップのSEを多数抱えており、国内最大規模の体制を構築しています。
取材者:SEの人数はどれくらいなのでしょうか?
回答者: 社員で40名ほど、パートナーさんを含めると60数名になります。
仮想デスクトップの構築は、非常に難易度が高いものです。 それを実現できるSEを、これだけの規模で揃えている企業は、国内では他にないと思います。
取材者:IBMさんやNTTデータさんにも、仮想デスクトップのSEはいるのでしょうか?
回答者: はい、もちろんいらっしゃいます。 しかし、実際にシステムを構築するとなると、経験豊富なSEが必要になります。 その点、当社は仮想デスクトップに特化しているため、豊富な経験とノウハウを持つSEを揃えています。 そのため、大手SIerからも、仮想デスクトップ部分の構築を任されることが多いのです。
また、仕入れルートもしっかりと確立しています。 例えば、Citrix製品については、国内総販売代理店3社のうちの1社であるため、有利な条件で仕入れることができます。
取材者:Citrix製品は、どのような販売店から購入できるのでしょうか?
回答者: 国内には200数十社の販売店があり、NTTデータさんやIBMさん、NECさんなどの大手SIerも含まれます。 これらの販売店を通じて、エンドユーザーにCitrix製品を販売しています。Citrix製品は仮想デスクトップを構築するためのソフトウェアです。
取材者: オリジナル商品をお持ちだそうですが?
回答者: はい。まずリモートPCアレイという製品があります。 これは、ラック1Uの高さの中にPCカートリッジが20または30入っているという機器です。 これにより、ラック上に多数のPCを集約することができます。
取材者: それは、どのようなメリットがあるのでしょうか?
回答者: 仮想デスクトップのサーバーと同じ機能を、より安価に構築することができます。 通常の仮想デスクトップシステムと比べて、構築期間も短く、高度なSEを必要としません。ただし、個々のユーザーに合わせたカスタマイズが難しいというデメリットもあります。 そのため、お客様のニーズに合わせて、最適なソリューションを提案しています。
取材者: 他に、オリジナル商品はありますか?
回答者: はい。 シンクライアントOSの「レサリオ リンクス」という製品もあります。 これは、セキュリティを重視したシンクライアントOSです。 通常のPCにインストールすることで、シンクライアント端末として利用することができます。
取材者: シンクライアント端末とは、どのようなものでしょうか?
回答者: 簡単に言うと、特定の用途に特化した端末です。 例えば、インターネット閲覧やメールの送受信など、限定的な機能しか利用できません。 そのため、セキュリティリスクを低減することができます。シンクライアントOSは、三菱UFJ銀行などの金融機関を中心に、10万ライセンス程度を出荷しています。
取材者: 次に、貴社の創業の経緯についてご説明いただけますか?
回答者: はい。 当社は、前身の会社から独立する形で創業しました。 前身の会社では、様々な事業を行っていましたが、その中で、仮想デスクトップを広めていこうといった活動をしていました。
取材者: 創業時から仮想デスクトップに特化していたのですね。
回答者: はい、その通りです。 当時のメンバーは10名ほどでした。 そして、MBOという形で独立しました。
取材者:MBOとは、どのようなものなのでしょうか?
回答者: 経営陣が、自社の株式を買い取って独立する手法です。
回答者: MBOによって独立し、現在に至っています。
取材者: それでは、仮想デスクトップに特化したSEの採用や育成について、どのような取り組みをされているのでしょうか?
回答者: 仮想デスクトップのSEは、中途採用が難しいという現状があります。 そのため、新卒採用と育成に力を入れています。
取材者: 具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか?
回答者:2018年から新卒採用を開始し、充実した環境で育成を行っています。入社後は約2ヶ月間の新入社員集中研修で社会人基礎と広くIT基礎を学んでいただきます。修了後はそれぞれSE部門や営業部門に配属されて、メーカー主催研修やOJTを通じて実務や当社扱い商品を学んでいきます。常に周囲に自社の先輩がいるので、未経験者でも安心です。
一人前になるまでには、3年程度かかります。仮想デスクトップの構築は、非常に専門性が高いものです。 だからこそ、時間をかけてじっくりと育成していく必要があるのです。また、社内にはナレッジベースを構築し、技術情報の共有を促進しています。 これにより、SE全体のレベルアップを図っています。
取材者: それでは、今期の業績についてご説明いただけますか?
回答者: 今期は、仮想デスクトップ案件の増加と大型案件の受注により、業績は好調に推移しています。
取材者: 大型案件とは、具体的にはどのような案件でしょうか?
回答者: 例えば、中央官庁や大手企業グループ様からの受注がありました。また、ワンズコーポレーションとSIPという会社を100%子会社化しましたので、連結売上増加に繋がっています。
取材者: それでは、ストックビジネスの状況はいかがでしょうか?
回答者: ストックビジネスは、大きく分けて4つの項目があります。1つ目は、シンクライアントOSのライセンス収入です。 シンクライアントOSは、年間3,000円のサブスクリプション型で提供しています。 2つ目は、プロフェッショナルサービスです。 これは、1年以上継続する長期的なサービスです。 3つ目は、ハードウェア保守です。 これは、お客様の機器が故障した場合に、修理や交換を行うサービスです。 4つ目は、クラウドサービスです。 これは、クラウド上で仮想デスクトップ環境を提供するサービスです。
シンクライアントOSのライセンス収入は、年間3億円程度です。 プロフェッショナルサービスは、年間10億円程度です。 ハードウェア保守は、年間数億円程度です。 クラウドサービスは、まだ立ち上がったばかりなので、収益はそれほど大きくありません。この中で、最も利益率が高いのは、ハードウェア保守です。
取材者: それでは、株主還元策についてご説明していただけますか?
回答者: 当社は、成長のための投資やM&Aを積極的に行いつつ、安定的な配当を継続していく方針です。 配当性向は30%を目標としています。
取材者: 成長戦略として、M&Aについてどのような方針をお持ちでしょうか?
回答者: 当社は、M&Aを成長戦略の柱の一つとして位置付けています。 具体的には、海外のテクノロジーベンダーとの協業や、国内の販売会社とのM&Aなどを行っています。
取材者: 海外展開は考えていないのでしょうか?
回答者: 現時点では、海外展開は考えていません。 国内市場に注力しています。海外のテクノロジーベンダーとの協業は、積極的に進めています。 海外には、優れた技術を持つ企業がたくさんあります。 そうした企業と連携することで、お客様に、より良い製品やサービスを提供していきたいと考えています。
取材者: それでは、最後に、新たに始めた取り組みや、トピックスがあれば教えてください。
回答者: 最近では、Citrixの親会社であるクラウドソフトウェアグループという会社から出資を受け入れました。この出資により、Citrixの国内販売体制を強化していきます。この業務提携を受けてアセンテック100%子会社のCXJという会社を作りました。
Citrixジャパンが今まで行っていた業務をCXJと2社で行うという体制になります。
CXJは、Citrix製品の販売だけでなく、サポートも行います。 これにより、Citrix製品をお使いのお客様の満足度の向上を図れると考えています。
また、中期経営計画の見直しも検討しています。 現在の計画では、2027年1月期に売上高100億円を目標としています。 しかし、今期の業績が好調に推移しているため、この2年後の目標をすでに超えています。
20250123 CP&X
仮想デスクトップに関連する製品開発、販売及びコンサルティングサービスの提供
顧客のニーズに合わせた仮想デスクトップ環境の構築。
専門性・実績・サポート体制
仮想デスクトップの専門知識を持つエンジニアが多数在籍し、顧客に仮想デスクトップ環境を導入してきた実績。仮想デスクトップはITインフラであるため、業種を問わず採用されている。
ハイブリッドワークとセキュリティ強化で業績好調
セキュアなハイブリッドワーク、サイバーセキュリティ対応、BCP対策に有効な仮想デスクトップの需要が堅調で、同社の業績は好調。
安定した収益基盤と効率的な経営
継続収入ビジネスが好調で、安定した収益基盤を構築。為替変動リスクを回避して無借金経営を継続。
株主還元
同社の配当に関する基本方針は、成長のための投資やM&Aを積極的に行いつつ、安定的な配当を継続していく方針であり、配当性向30%を目標としている。
新たな取り組み
Citrixの親会社であるクラウドソフトウェアグループという会社から出資を受けCitrixの国内販売体制を強化している。この業務提携を受け、アセンテック100%子会社のCXJを設立。これまでCitrixジャパン行っていた業務をCXJと2社で行う体制となっている。CXJは、Citrix製品の販売だけでなく、サポートも実施。 これにより、Citrix製品を使用する顧客満足度の向上を図れるとしている。
中期経営計画について
今期の業績が好調に推移しており、すでに2027年1月期の計画値、売上高100億円を超過。中期経営計画の見直しも検討している。
IR担当

アセンテック(株)
東証STD 3565
決算:1月末日
Q. 事業内容をご説明ください。
A. 当社は仮想デスクトップシステムのインテグレーターとして、お客様に最適な仮想デスクトップシステムの提案を行います。
Q. 強みをご説明ください。
A. 当社の強みは、
(1) 間接販売モデルであること
(2) 仮想デスクトップにかかわる世界中で当社しか持っていないオリジナル製品があること。
(3) 仮想デスクトップを構築できる高スキルなSEを、日本最大規模で擁していること。
Q. 今後の展望をご説明ください。
A. 当社は、仮想デスクトップのリーディングカンパニーとして、お客様に最適な仮想デスクトップ環境を提供し続けます。また①継続収入モデルを推進して収益を安定的に成長させること、②海外の優れたテクノロジーベンダー、また国内の力のある販売パートナーとの資本提携を含む協業を進めてまいります。
Q. 業績の状況をご説明ください。
A. 当社の業績は、おかげさまで好調に推移しています。業種によって異なりますがハイブリッドワークの普及に伴い、場所やデバイスを問わずに業務ができる仮想デスクトップの需要が拡大しています。また、情報漏洩などのセキュリティリスクが高まる中、セキュリティ強化の観点からも仮想デスクトップの導入が進んでいます。これらの要因により、当社の業績は好調に推移しています。
Q. 株主還元に対する考え方を教えていただけますか?
A. 配当性向30%を目標として配当を行ってまいります。
Q. 御社のビジネスモデルや事業内容の特徴、強みをご説明ください。
A. 当社は仮想デスクトップのシステムインテグレーターです。仮想デスクトップとは、パソコンのデスクトップ環境をサーバーに集約し、ネットワーク経由で利用できるようにする技術です。ハイブリッドワークやセキュリティ強化のニーズの高まりから導入企業が増えています。多くの販売パートナーと協力し、お客様に最適な仮想デスクトップ環境を提供しています。
Q. 仮想デスクトップのセキュリティ対策についてご説明ください。
A. 仮想デスクトップシステムは、端末側にデータを置かないことで、端末からの情報漏洩のリスクを大きく軽減できます。
Q. 新たな取り組みやトピックスをご説明ください。
A. 最近では、Citrixの親会社であるクラウドソフトウェアグループという会社から出資を受け入れました。この出資により、Citrixの国内販売体制を強化していきます。この業務提携を受けてアセンテック100%子会社のCXJという会社を作りました。Citrixジャパンが今まで行っていた業務をCXJと2社で行うという体制になります。CXJは、Citrix製品の販売だけでなく、サポートも行います。 これにより、Citrix製品をお使いのお客様の満足度の向上を図れると考えています。
Q. 中期経営計画の進捗状況を教えてください。
A.現在の計画では、2027年1月期に売上高100億円を目標としています。 しかし、今期の業績が好調に推移しており、すでに2年後の目標を超えているため、中期経営計画の見直しも検討しています。
取材者: 貴社のビジネスモデルや事業内容について、特徴や強みなども含めてご説明いただけますでしょうか?
回答者: 当社は仮想デスクトップというシステムのシステムインテグレーターです。
取材者: 仮想デスクトップというのは、どのようなシステムでしょうか?
回答者: 簡単に言うと、パソコンの機能をサーバー側に集約し、端末からはそのサーバーにアクセスして利用するシステムです。 例えば、100名、200名、あるいは数万人の社員がいる場合、それぞれのパソコンの代わりに、サーバーに集約した仮想デスクトップ環境を用意します。 社員は、手元の端末からそのサーバーにアクセスすることで、自分のデスクトップ環境を利用することができます。
取材者: 仮想デスクトップには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
回答者: 大きく分けて3つのメリットがあります。 1つ目は、情報セキュリティの強化です。 サーバーにデータを集約することで、端末からの情報漏えいを防ぐことができます。 サイバー攻撃の標的となることが多い端末を、安全に管理することができます。
2つ目は、場所を選ばない働き方の実現です。 サーバーにアクセスできれば、どこからでも自分のデスクトップ環境を利用することができます。 在宅勤務やハイブリットワークなど、柔軟な働き方を支援することができます。
取材者: 最近はハイブリッドワークという働き方も注目されていますね。
回答者: はい、その通りです。 仮想デスクトップは、ハイブリッドワークにも最適なソリューションです。 会社と自宅で同じ環境を利用できるため、業務効率の向上に繋がります。
3つ目のメリットは、BCP対策ということです。災害などでオフィスが使えなくなった場合でも、サーバーにアクセスできれば業務を継続することができます。 また、端末の紛失や盗難のリスクを軽減することもできます。
取材者: 情報システム担当者にとってのメリットはありますか?
回答者: はい、もちろんあります。 仮想デスクトップを導入することで、セキュリティ対策やシステム管理の負担を軽減することができます。 例えば、Windowsのアップデート作業なども、サーバー側で一括して行うことができます。特に、昨今のようなサイバー攻撃の増加を考えると、情報セキュリティの強化は喫緊の課題です。 仮想デスクトップは、その解決策として有効な手段となります。
取材者: 貴社はSIerとして、仮想デスクトップの構築をされているということですが、ビジネスモデルの特徴はありますか?
回答者: 私たちはSIerではありますが、クライアント企業から直接仕事を受注するケースはあまり多くありません。 多くの場合、NTTデータさんやIBMさん、日立さんなどの大手SIerの二次請けとして、仮想デスクトップ部分の構築を任されるという形です。結果として、当社の売上の8~9割は、SIerからの受注によるものです。
取材者: どのような企業に仮想デスクトップシステムを導入されているのでしょうか?
回答者: お客様は多岐にわたりますが、例えば、三菱UFJ銀行さんやセコムさんなどは、導入事例として公表させていただいています。 その他にも、多くの企業に導入実績があります。
これらの実績が、NTTデータさんやIBMさんの営業の方々に評価され、多くの案件に繋がっています。そして、もう一つの強みは、仮想デスクトップの構築に特化した技術力です。 当社は、仮想デスクトップのSEを多数抱えており、国内最大規模の体制を構築しています。
取材者:SEの人数はどれくらいなのでしょうか?
回答者: 社員で40名ほど、パートナーさんを含めると60数名になります。
仮想デスクトップの構築は、非常に難易度が高いものです。 それを実現できるSEを、これだけの規模で揃えている企業は、国内では他にないと思います。
取材者:IBMさんやNTTデータさんにも、仮想デスクトップのSEはいるのでしょうか?
回答者: はい、もちろんいらっしゃいます。 しかし、実際にシステムを構築するとなると、経験豊富なSEが必要になります。 その点、当社は仮想デスクトップに特化しているため、豊富な経験とノウハウを持つSEを揃えています。 そのため、大手SIerからも、仮想デスクトップ部分の構築を任されることが多いのです。
また、仕入れルートもしっかりと確立しています。 例えば、Citrix製品については、国内総販売代理店3社のうちの1社であるため、有利な条件で仕入れることができます。
取材者:Citrix製品は、どのような販売店から購入できるのでしょうか?
回答者: 国内には200数十社の販売店があり、NTTデータさんやIBMさん、NECさんなどの大手SIerも含まれます。 これらの販売店を通じて、エンドユーザーにCitrix製品を販売しています。Citrix製品は仮想デスクトップを構築するためのソフトウェアです。
取材者: オリジナル商品をお持ちだそうですが?
回答者: はい。まずリモートPCアレイという製品があります。 これは、ラック1Uの高さの中にPCカートリッジが20または30入っているという機器です。 これにより、ラック上に多数のPCを集約することができます。
取材者: それは、どのようなメリットがあるのでしょうか?
回答者: 仮想デスクトップのサーバーと同じ機能を、より安価に構築することができます。 通常の仮想デスクトップシステムと比べて、構築期間も短く、高度なSEを必要としません。ただし、個々のユーザーに合わせたカスタマイズが難しいというデメリットもあります。 そのため、お客様のニーズに合わせて、最適なソリューションを提案しています。
取材者: 他に、オリジナル商品はありますか?
回答者: はい。 シンクライアントOSの「レサリオ リンクス」という製品もあります。 これは、セキュリティを重視したシンクライアントOSです。 通常のPCにインストールすることで、シンクライアント端末として利用することができます。
取材者: シンクライアント端末とは、どのようなものでしょうか?
回答者: 簡単に言うと、特定の用途に特化した端末です。 例えば、インターネット閲覧やメールの送受信など、限定的な機能しか利用できません。 そのため、セキュリティリスクを低減することができます。シンクライアントOSは、三菱UFJ銀行などの金融機関を中心に、10万ライセンス程度を出荷しています。
取材者: 次に、貴社の創業の経緯についてご説明いただけますか?
回答者: はい。 当社は、前身の会社から独立する形で創業しました。 前身の会社では、様々な事業を行っていましたが、その中で、仮想デスクトップを広めていこうといった活動をしていました。
取材者: 創業時から仮想デスクトップに特化していたのですね。
回答者: はい、その通りです。 当時のメンバーは10名ほどでした。 そして、MBOという形で独立しました。
取材者:MBOとは、どのようなものなのでしょうか?
回答者: 経営陣が、自社の株式を買い取って独立する手法です。
回答者: MBOによって独立し、現在に至っています。
取材者: それでは、仮想デスクトップに特化したSEの採用や育成について、どのような取り組みをされているのでしょうか?
回答者: 仮想デスクトップのSEは、中途採用が難しいという現状があります。 そのため、新卒採用と育成に力を入れています。
取材者: 具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか?
回答者:2018年から新卒採用を開始し、充実した環境で育成を行っています。入社後は約2ヶ月間の新入社員集中研修で社会人基礎と広くIT基礎を学んでいただきます。修了後はそれぞれSE部門や営業部門に配属されて、メーカー主催研修やOJTを通じて実務や当社扱い商品を学んでいきます。常に周囲に自社の先輩がいるので、未経験者でも安心です。
一人前になるまでには、3年程度かかります。仮想デスクトップの構築は、非常に専門性が高いものです。 だからこそ、時間をかけてじっくりと育成していく必要があるのです。また、社内にはナレッジベースを構築し、技術情報の共有を促進しています。 これにより、SE全体のレベルアップを図っています。
取材者: それでは、今期の業績についてご説明いただけますか?
回答者: 今期は、仮想デスクトップ案件の増加と大型案件の受注により、業績は好調に推移しています。
取材者: 大型案件とは、具体的にはどのような案件でしょうか?
回答者: 例えば、中央官庁や大手企業グループ様からの受注がありました。また、ワンズコーポレーションとSIPという会社を100%子会社化しましたので、連結売上増加に繋がっています。
取材者: それでは、ストックビジネスの状況はいかがでしょうか?
回答者: ストックビジネスは、大きく分けて4つの項目があります。1つ目は、シンクライアントOSのライセンス収入です。 シンクライアントOSは、年間3,000円のサブスクリプション型で提供しています。 2つ目は、プロフェッショナルサービスです。 これは、1年以上継続する長期的なサービスです。 3つ目は、ハードウェア保守です。 これは、お客様の機器が故障した場合に、修理や交換を行うサービスです。 4つ目は、クラウドサービスです。 これは、クラウド上で仮想デスクトップ環境を提供するサービスです。
シンクライアントOSのライセンス収入は、年間3億円程度です。 プロフェッショナルサービスは、年間10億円程度です。 ハードウェア保守は、年間数億円程度です。 クラウドサービスは、まだ立ち上がったばかりなので、収益はそれほど大きくありません。この中で、最も利益率が高いのは、ハードウェア保守です。
取材者: それでは、株主還元策についてご説明していただけますか?
回答者: 当社は、成長のための投資やM&Aを積極的に行いつつ、安定的な配当を継続していく方針です。 配当性向は30%を目標としています。
取材者: 成長戦略として、M&Aについてどのような方針をお持ちでしょうか?
回答者: 当社は、M&Aを成長戦略の柱の一つとして位置付けています。 具体的には、海外のテクノロジーベンダーとの協業や、国内の販売会社とのM&Aなどを行っています。
取材者: 海外展開は考えていないのでしょうか?
回答者: 現時点では、海外展開は考えていません。 国内市場に注力しています。海外のテクノロジーベンダーとの協業は、積極的に進めています。 海外には、優れた技術を持つ企業がたくさんあります。 そうした企業と連携することで、お客様に、より良い製品やサービスを提供していきたいと考えています。
取材者: それでは、最後に、新たに始めた取り組みや、トピックスがあれば教えてください。
回答者: 最近では、Citrixの親会社であるクラウドソフトウェアグループという会社から出資を受け入れました。この出資により、Citrixの国内販売体制を強化していきます。この業務提携を受けてアセンテック100%子会社のCXJという会社を作りました。
Citrixジャパンが今まで行っていた業務をCXJと2社で行うという体制になります。
CXJは、Citrix製品の販売だけでなく、サポートも行います。 これにより、Citrix製品をお使いのお客様の満足度の向上を図れると考えています。
また、中期経営計画の見直しも検討しています。 現在の計画では、2027年1月期に売上高100億円を目標としています。 しかし、今期の業績が好調に推移しているため、この2年後の目標をすでに超えています。
20250123 CP&X
仮想デスクトップに関連する製品開発、販売及びコンサルティングサービスの提供
顧客のニーズに合わせた仮想デスクトップ環境の構築。
専門性・実績・サポート体制
仮想デスクトップの専門知識を持つエンジニアが多数在籍し、顧客に仮想デスクトップ環境を導入してきた実績。仮想デスクトップはITインフラであるため、業種を問わず採用されている。
ハイブリッドワークとセキュリティ強化で業績好調
セキュアなハイブリッドワーク、サイバーセキュリティ対応、BCP対策に有効な仮想デスクトップの需要が堅調で、同社の業績は好調。
安定した収益基盤と効率的な経営
継続収入ビジネスが好調で、安定した収益基盤を構築。為替変動リスクを回避して無借金経営を継続。
株主還元
同社の配当に関する基本方針は、成長のための投資やM&Aを積極的に行いつつ、安定的な配当を継続していく方針であり、配当性向30%を目標としている。
新たな取り組み
Citrixの親会社であるクラウドソフトウェアグループという会社から出資を受けCitrixの国内販売体制を強化している。この業務提携を受け、アセンテック100%子会社のCXJを設立。これまでCitrixジャパン行っていた業務をCXJと2社で行う体制となっている。CXJは、Citrix製品の販売だけでなく、サポートも実施。 これにより、Citrix製品を使用する顧客満足度の向上を図れるとしている。
中期経営計画について
今期の業績が好調に推移しており、すでに2027年1月期の計画値、売上高100億円を超過。中期経営計画の見直しも検討している。
IR担当