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(株)No. 1

東証STD 3562

決算:2月末日

20250616

決算概要

2025年2月期の売上高は142億900万円となり、前期比5.6%の増加を達成し過去最高を更新した。一方で、営業利益は10億3,900万円で前期比15.4%減、経常利益は10億3,600万円で同14.8%減、親会社株主に帰属する当期純利益は5億7,400万円で同35.2%減と、営業利益以下は減益での着地となった。この減益は、将来の成長のための基盤作りの一年と位置付けたことによるものであり、当初予算はクリアしている。


セグメント別または事業別の増減要因

過去最高の売上高を達成した主な要因として、No.1単体では支店長の役割を個人の売上・利益貢献から部下の育成中心へと変更した施策が奏功し、組織全体の底上げが図られたことが挙げられる。また、子会社であるアレクソン社においては、マーケットイン型の商品開発が成功し、No.1における当該商品の販売が順調であったことに加え、当社以外の代理店への売上も順調に推移したことが、売上増に貢献している。


主要KPIの進捗と変化

主要KPIをNo.1単体とアレクソン社の2社に関して開示している。No.1単体では販売台数、新規顧客数、新規代理店数、IT・経営支援サービスである「No.1ビジネスサポート」の件数、および平均解約率の数値などが設定されている。アレクソン社についてはセキュリティ機器の販売台数をKPIと設定している。当期の進捗については、現時点では具体的な数字の発表はないものの、順調に推移している認識である。


季節性・一過性要因の有無と影響

2025年2月期は、将来の成長のための基盤作りの一年と位置付けられたことによる減益に加え、複数の費用が一過性要因として発生している。M&Aの実施に伴う費用や手数料として7,500万円、さらに2024年2月期に株式報酬を戻入れたことで4,900万円費用が増加している。これらの費用は一過性のものであり、業績に影響を与えた。


通期見通しと進捗率・達成可能性

2026年2月期の業績予想は、売上高160億円(前期比12.6%増)、営業利益13億円(同25.1%増)、経常利益12億8,000万円(同23.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7億円(同21.9%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。この目標数値は、3ヶ年計画で設定された数字を踏襲したものであり、前期と当期にM&Aを実施した会社が新たに連結に含まれることで、これらの目標達成に強くコミットしており、現時点では比較的順調に推移している。


トピックス

成長戦略として、新規事業と既存事業拡大の二つの軸でM&Aを継続的に実施する方針である。新規事業では、前期にソフトウェア関連会社のアイ・ティ・エンジニアリング社、OZ MODE社、当期にコード社を子会社化した。既存事業では、前期に岩手県北上市の同業S.I.T社を子会社化し、人材派遣や独自の販売手法導入により計画を大きく上回る成果を出している。また、資本提携及び業務提携契約を締結したclosip社とアレクソン社が「LTE over IP®」(closip社が提供する携帯電話の認証技術を応用した特許技術を持つ認証セキュリティシステム)を搭載した新製品を共同開発した。目標を上回る順調な販売を記録しており、この技術を活用した新たな製品開発をアレクソン社と共同で進めている。

株主還元については、昨年発表した累進配当の方針に変更はなく、35周年記念配当を含めてもそれを上回る配当を目標としている。株主優待の半期1万5,000円のクオカード年2回贈呈も継続する方針である。

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​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    事業内容

    株式会社No. 1は、ソフトウェアの販売を目的として創業し、OA機器等のオフィスに関するソリューションを幅広く展開している企業である。現在は、子会社化したネットワークセキュリティ機器メーカーのアレクソンを通してネットワークセキュリティ機器の販売にも注力している。 売上構成としては、従来の複合機よりもネットワークセキュリティ機器の方が大きくなってきている。

     

    強み

    同社はメーカー機能を有しており、顧客のニーズを捉え、企画・製造まで行えることが強みである。 また、顧客のネットワークにリモート接続し、攻撃状況などをレポートすることで、セキュリティ対策の必要性を認識していただき、最適な商材の提案によって顧客の課題解決を支援している。

     

    創業の経緯と転機

    4人のオーナーが横浜でソフトウェア販売を目的として創業したのが始まりである。その後、光通信との関係を深め、複合機の販売に注力した。 しかし、近年はテレワークやペーパーレス化の影響で、複合機市場が縮小傾向にあるため、ネットワークセキュリティという成長分野に事業をシフトした。

     

    直近の決算状況

    第3四半期時点で、営業利益は年間目標の68.5%を達成している。 昨年同期は49.5%となるため今期は順調に推移している。

     

    成長戦略

    M&Aを積極的に活用する方針を掲げており、昨年から今年にかけて、3社のM&Aを実施した。 また、営業体制の強化にも取り組んでおり、組織全体で売上を上げていく体制を構築している。

     

    株主還元策

    今期から累進配当の方針を明確に打ち出した。 2019年から配当を開始し、増配を続けてきたが、今後は前年の配当金を下限として、それを上回る配当を行うことを明確にしている。 また、昨年10月には株主優待制度の導入を発表し、300株以上の保有者に対して、半期に1回1万5,000円のQUOカードを贈呈する。

     

    今期の取り組みやトピックス

    closipという会社と業務提携および資本提携を行った。 closipは、携帯電話の認証技術を応用した端末認証領域において特許技術を持つ認証セキュリティシステムを開発しており、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からシステムを守る画期的な技術を有している。

  • Q:貴社の事業内容について教えてください。

    A:当社は、ソフトウェアの販売を目的として横浜で創業しました。その後、複合機やOA機器等の様々な商品の展開を増やし、現在では、2020年7月に子会社化したネットワークセキュリティ機器メーカーのアレクソンを通して、ネットワークセキュリティ機器の販売にも力を入れています。具体的には、UTMなどのネットワークセキュリティ機器をアレクソンから仕入れて販売しており、売上構成としては、従来の複合機よりもネットワークセキュリティ機器の方が大きくなってきています。

     

    Q:貴社の強みは何ですか?

    A:メーカー機能を有していること自体が強みです。複合機販売においては、シャープやキヤノンなどから仕入れて販売する企業が多い中、他社との差別化が難しく、価格競争に陥りがちです。その結果、顧客が他社へ流れてしまうという課題があります。しかし、当社は顧客の声を直接聞き、アレクソンを通してニーズに合った商品を開発・販売することで、他社との差別化を図っています。いわゆるマーケットイン型のビジネスモデルで、顧客のニーズを捉え、企画・製造まで行えるのが強みです。

     

    Q:どのような商品を開発しているのですか?

    A:当社の顧客層は従業員9名以下の小規模企業がメインとなります。小規模企業は家庭用Wi-Fiを使用しているケースが多く、セキュリティ対策が不十分な場合が多いという現状があります。そこで、外部からの攻撃をブロックしたり、従業員が持ち込んだデバイスのウイルス検知を行うビジネス用Wi-Fiを開発しました。また、サーバーの設置環境に関する課題を解決するため、埃や温度、停電対策を施したサーバーラックも開発しました。さらに、情報セキュリティに関する法改正に対応したサーバーなども開発しています。

     

    Q:ビジネスWi-Fiのニーズは、営業活動を通して把握したのですか?

    A:小規模企業は、ネットワーク攻撃を受けても対応できる人材が不足しているケースが多いです。当社は、顧客のネットワークにリモート接続し、攻撃状況などをレポートすることで、セキュリティ対策の必要性を認識していただいています。そして、そのレポートに基づいて最適な商材を提案することで、顧客の課題解決を支援しています。

     

    Q:顧客のネットワーク環境を直接診断し、問題点を見つけて解決策を提案しているのですか?

    A:はい、その通りです。ハードディスクの回転数など、詳細な部分までチェックし、潜在的なリスクを把握しています。また、「No.1ビジネスサポート」というお客様専任のビジネスコンサルタントがDX化や経営課題の解決を伴走支援するサービスも提供しています。平均顧客単価は1万2,000円で、PowerPointの操作方法から士業の紹介など、幅広いサポートによる課題解決を通じて顧客企業の成長に貢献しています。

     

    Q:No.1ビジネスサポートサービスは、どのように構築されたのですか?

    A:元々は、複合機やパソコンのトラブル対応など、既存顧客向けの保守サービスからスタートしました。その後、顧客のニーズに合わせてサービス内容を拡充し、パソコンやタブレットのデータ復旧サービスなども提供するようになりました。現在では、OA機器販売の同業他社で同様のサービスを提供しているところもありますが、当社は独自性を出すために、事業展開や求人支援など、顧客の課題解決に役立つメニューを拡充しています。

     

    Q:M&A戦略についてはどのようなものですか?

    A:計画においては、M&Aを積極的に活用する方針を掲げており、昨年から今年にかけて、3社のM&Aを実施しました。

     

    Q:具体的には、どのような企業のM&Aを行ったのですか?

    A:事業領域の拡大のため、SES事業を行うOZ MODEとアイ・ティ・エンジニアリングの2社をM&Aしました。また、東北エリアの販売拠点の確立、及び周辺地域への進出の足掛かりとするため、岩手のOA機器販売会社であるS.I.TをM&Aしました。さらに、2025年1月30日にニュースリリースを発表したのですが、closipという会社と業務提携および資本提携を行いました。closipは、携帯電話の認証技術を応用した端末認証領域において特許技術を持つ認証セキュリティシステムを開発しており、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からシステムを守る画期的な技術を有しています。この技術を活用することで、顧客のニーズに合ったセキュリティ対策を提供できると考えています。例えば、建設会社では、サーバーに図面を保存し、外部からアクセスするニーズがありますが、セキュリティ確保が課題でした。closipの技術を活用することで、セキュリティを確保しつつ、ユーザーフレンドリーな環境を構築することができます。今後は、病院や学校など、様々な分野への展開も視野に入れています。このように、新しい技術を有する企業や、シナジー効果が見込める企業とのM&Aを積極的に推進していく方針です。

     

    Q:closipとの提携は、事業領域の拡大という点で大きな意味を持つものですか?

    A:closipの特許技術を独占的に活用できるという大きなメリットもありますし、アレクソン製品にclosipの技術を搭載した新商品の展開も予定しています。

     

    Q:貴社の創業の経緯について教えてください。

    A:元々は、4人のオーナーが横浜でソフトウェア販売を目的として創業したと聞いています。その後、光通信との関係を深め、複合機の販売に注力していました。しかし、近年はテレワークやペーパーレス化の影響で、複合機市場が縮小傾向にあります。そこで、ネットワークセキュリティという成長分野に事業をシフトしていったという経緯があります。

     

    Q:貴社の業績についてお伺いしたいのですが、季節性などはありますか?

    A:2月決算と8月の中間決算期には、キャンペーン等の施策により売上が伸びる傾向があります。反面、月ごとの売上変動が大きいため、ストック型のビジネスモデルに力を入れているところです。

     

    Q:今期の業績の達成状況はいかがでしょうか?

    A:第3四半期時点で、営業利益は年間目標の68.5%を達成しています。昨年同期は49.5%となるため、順調に推移しています。ただし、スポット型の売上は変動が大きいため、通期業績予想は据え置いています。

     

    Q:好調な事業はどのあたりですか?

    A:中期経営計画で掲げている2027年、2030年の目標達成に向けて、営業人員の底上げによる営業体制の強化に取り組んでおり、組織全体で売上を上げていく体制を構築しています。また、アレクソンが好調で、ウクライナ情勢以降、ネットワーク攻撃が増加している中で、中小企業向けに開発したセキュリティ機器が貢献しています。さらに、今期M&Aを実施したSES事業会社と岩手の会社も、来期以降の連結決算に貢献してくれると期待しています。

     

    Q:人材の採用面については、どのような戦略をお持ちですか?

    A:今年の採用は、当初目標としていた50名には届かず、25名にとどまりました。そこで来期に向けて採用戦略を見直し、現在60名弱の内定が出ている状況です。人材への投資は強化しており、春には非管理職層の賃上げを実施しました。また、奨学金返還支援制度の導入や、地域限定社員制度も新設しました。一方で、新入社員が一人前になるまでには時間とコストがかかるため、その課題を解決していく必要があります。

     

    Q:株主優待導入の狙いは?

    A:100株保有の株主が多かったため、300株以上の保有を促進し、長期保有を促す狙いがあります。株価が上昇したため、配当利回りは低下しましたが、それでも上場企業の中では高い水準を維持しています。

  • 取材者:貴社のビジネスモデル、事業内容の特徴と強みについてご説明いただけますか?

    回答者: 当社はソフトウェアの販売を目的として横浜で創業いたしました。

    回答者: その後、複合機やOA機器等の様々な商品の展開を増やし様々な商品の展開を増やしており、現在では、2020年7月に子会社化したネットワークセキュリティ機器メーカーのアレクソンを通して、ネットワークセキュリティ機器の販売にも力を入れています。具体的には、UTMなどのネットワークセキュリティ機器をアレクソンから仕入れて販売しており、売上構成としては、従来の複合機よりもネットワークセキュリティ機器の方が大きくなってきています。

    取材者: 貴社のようにメーカー機能を有している企業は珍しいと思いますが、強みはどのような点ですか?

    回答者: メーカー機能を有していること自体が強みです。複合機販売においては、シャープやキヤノンなどから仕入れて販売する企業が多い中、他社との差別化が難しく、価格競争に陥りがちです。その結果、顧客が他社へ流れてしまうという課題があります。しかし、当社はアレクソンを通して顧客の声を直接聞き、ニーズに合った商品を開発・販売することで、他社との差別化を図っています。いわゆるマーケットイン型のビジネスモデルで、顧客のニーズを捉え、企画・製造まで行えるのが強みです。

    取材者: 具体的には、どのような商品を開発されているのですか?

    回答者: 例えば、当社の顧客層は従業員9名以下の小規模企業がメインとなります。小規模企業は家庭用Wi-Fiを使用しているケースが多く、セキュリティ対策が不十分な場合が多いという現状があります。そこで、外部からの攻撃をブロックしたり、従業員が持ち込んだデバイスのウイルス検知を行うビジネス用Wi-Fiを開発しました。また、サーバーの設置環境に関する課題を解決するため、埃や温度、停電対策を施したサーバーラックも開発しました。さらに、情報セキュリティに関する法改正に対応したサーバーなども、タイムリーに開発しています。

    取材者: ビジネスWi-Fiのニーズは、営業活動を通して把握されたのですか?

    回答者: そうですね。小規模企業は、ネットワーク攻撃を受けていても対応できる人材が不足しているケースが多いです。当社は、顧客のネットワークにリモート接続し、攻撃状況などをレポートすることで、セキュリティ対策の必要性を認識していただいています。そして、そのレポートに基づいて最適な商材を提案することで、顧客の課題解決を支援しています。

    取材者: 顧客のネットワーク環境を直接診断し、問題点を見つけて解決策を提案しているのですね。

    回答者: はい、その通りです。ハードディスクの回転数など、詳細な部分までチェックし、潜在的なリスクを把握しています。また、「No.1ビジネスサポート」というお客様専任のビジネスコンサルタントがDX化や経営課題の解決を伴走支援するサービスも提供しています。平均顧客単価は1万2,000円で、PowerPointの操作方法から士業の紹介など、幅広いサポートによる課題解決を通じて顧客企業の成長に貢献しています。

    取材者: 大企業のシステム部門や、中小企業の経営者をサポートするようなサービスですね。

    回答者: まさにその通りです。

    取材者: ビジネスサポートサービスは、どのようにして構築されたのですか?

    回答者: 元々は、複合機やパソコンのトラブル対応など、既存顧客向けの保守サービスからスタートしました。その後、顧客のニーズに合わせてサービス内容を拡充し、パソコンやタブレットのデータ復旧サービスなども提供するようになりました。現在では、OA機器販売の同業他社で同様のサービスを提供しているところもありますが、当社は独自性を出すために、事業展開や求人支援など、顧客の課題解決に役立つメニューを拡充しています。

    取材者: メニュー拡充にはM&Aも関係するのでしょうか?

    回答者: 「No.1ビジネスサポート」に関しては、M&Aは直接関係していません。しかし、中期経営計画においては、M&Aを積極的に活用する方針を掲げており、昨年から今年にかけて、3社のM&Aを実施しました。

    取材者: 具体的には、どのような企業のM&Aを行ったのですか?

    回答者:事業領域の拡大のため、SES事業を行うOZ MODEとアイ・ティ・エンジニアリングの2社をM&Aしました。また、東北エリアの販売拠点の確立、及び周辺地域への進出の足掛かりとするため、岩手のOA機器販売会社であるS.I.TをM&Aしました。さらに、closipという会社と業務提携および資本提携を行いました。closipは、携帯電話の認証技術を応用した端末認証領域において特許技術を持つ認証セキュリティシステムを開発しており、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からシステムを守る画期的な技術を有しています。この技術を活用することで、顧客のニーズに合ったセキュリティ対策を提供できると考えています。

    回答者: 例えば、建設会社では、サーバーに図面を保存し、外部からアクセスするニーズがありますが、セキュリティ確保が課題でした。closipの技術を活用することで、セキュリティを確保しつつ、ユーザーフレンドリーな環境を構築することができます。今後は、病院や学校など、様々な分野への展開も視野に入れています。

    回答者: このように、新しい技術を有する企業や、シナジー効果が見込める企業とのM&Aを積極的に推進していく方針です。

    取材者: closipとの提携は、事業領域の拡大という点で大きな意味を持つものですね。

    回答者: そうですね。closipの特許技術を独占的に活用できるという点も大きなメリットですし、アレクソン製品にclosipの技術を搭載した新商品の展開も予定しています。

    取材者: M&Aの方針としては、事業領域の拡大と販路拡大の2点が重要ということですか?

    回答者: その通りです。

    取材者: 貴社の創業の経緯について、もう少し詳しく教えていただけますか?

    回答者: 元々は、4人のオーナーが横浜でソフトウェア販売を目的として創業したと聞いています。その後、光通信との関係を深め、複合機販売に注力していました。しかし、近年はテレワークやペーパーレス化の影響で、複合機市場が縮小傾向にあります。そこで、ネットワークセキュリティという成長分野に事業をシフトしていったという経緯があります。

    取材者:貴社の業績についてお伺いしたいのですが、季節性などはございますか?

    回答者: 2月決算と8月の中間決算期には、キャンペーン等の施策により、売上が伸びる傾向があります。

    回答者: 反面、月ごとの売上変動が大きいため、ストック型のビジネスモデルに力を入れているところです。

    取材者: 今期の業績の達成状況はいかがでしょうか?

    回答者: 第3四半期時点で、営業利益は年間目標の68.5%を達成しています。昨年同期は49.5%でしたので、順調に推移しています。ただし、スポット型の売上は変動が大きいため、通期業績予想は据え置いています。

    取材者: 好調な事業はどのあたりですか?

    回答者: 中期経営計画で掲げている2027年、2030年の目標達成に向けて、営業体制の強化に取り組んでおり、組織全体で売上を上げていく体制を構築しています。また、アレクソンが好調で、ウクライナ情勢以降、ネットワーク攻撃が増加している中で、中小企業向けに開発したセキュリティ機器が貢献しています。さらに、今期M&AしたSES事業会社と岩手の会社も、来期以降の連結決算に貢献してくれると期待しています。

    取材者: 人材の採用面については、どのような戦略をお持ちですか?

    回答者: 今年の採用は、当初目標としていた50名には届かず、25名にとどまりました。そこで、来期に向けて採用戦略を見直し、現在60名弱の内定が出ている状況です。人材への投資は強化しており、春には非管理職層の賃上げを実施しました。また、奨学金返還支援制度の導入や、地域限定社員制度も新設しました。

    回答者: 一方で、新入社員が一人前になるまでには時間とコストがかかるため、その課題を解決していく必要があります。

    取材者: 株主還元策についてはいかがでしょうか?

    回答者: 中期経営計画に基づき、今期から累進配当の方針を明確に打ち出しました。2019年から配当を開始し、増配を続けてきましたが、今後は前年の配当金を下限として、それを上回る配当を行うことを明確にしています。また、昨年10月には株主優待制度の導入を発表し、300株以上の保有者に対して、半期に1回1万5,000円のQUOカードを贈呈します。

    取材者: 株主優待導入の狙いは?

    回答者: 100株保有の株主が多かったため、300株以上の保有を促進し、長期保有を促す狙いがあります。

    回答者: 株価が上昇したため、配当利回りは低下しましたが、それでも上場企業の中では高い水準を維持しています。

    取材者: 今後の取り組みについて何かございましたら教えてください。

    回答者:当社グループとシナジーのある企業のM&Aについては引き続き積極的に行っていくことと、情報セキュリティ領域に関しては新しい技術を活用して差別化を図ってまいりたいと考えております。

  • 取締役 上級執行役員 経営管理本部長 平瀬和宏様

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(株)No. 1

東証STD 3562

決算:2月末日

決算概要

2025年2月期の売上高は142億900万円となり、前期比5.6%の増加を達成し過去最高を更新した。一方で、営業利益は10億3,900万円で前期比15.4%減、経常利益は10億3,600万円で同14.8%減、親会社株主に帰属する当期純利益は5億7,400万円で同35.2%減と、営業利益以下は減益での着地となった。この減益は、将来の成長のための基盤作りの一年と位置付けたことによるものであり、当初予算はクリアしている。


セグメント別または事業別の増減要因

過去最高の売上高を達成した主な要因として、No.1単体では支店長の役割を個人の売上・利益貢献から部下の育成中心へと変更した施策が奏功し、組織全体の底上げが図られたことが挙げられる。また、子会社であるアレクソン社においては、マーケットイン型の商品開発が成功し、No.1における当該商品の販売が順調であったことに加え、当社以外の代理店への売上も順調に推移したことが、売上増に貢献している。


主要KPIの進捗と変化

主要KPIをNo.1単体とアレクソン社の2社に関して開示している。No.1単体では販売台数、新規顧客数、新規代理店数、IT・経営支援サービスである「No.1ビジネスサポート」の件数、および平均解約率の数値などが設定されている。アレクソン社についてはセキュリティ機器の販売台数をKPIと設定している。当期の進捗については、現時点では具体的な数字の発表はないものの、順調に推移している認識である。


季節性・一過性要因の有無と影響

2025年2月期は、将来の成長のための基盤作りの一年と位置付けられたことによる減益に加え、複数の費用が一過性要因として発生している。M&Aの実施に伴う費用や手数料として7,500万円、さらに2024年2月期に株式報酬を戻入れたことで4,900万円費用が増加している。これらの費用は一過性のものであり、業績に影響を与えた。


通期見通しと進捗率・達成可能性

2026年2月期の業績予想は、売上高160億円(前期比12.6%増)、営業利益13億円(同25.1%増)、経常利益12億8,000万円(同23.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7億円(同21.9%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。この目標数値は、3ヶ年計画で設定された数字を踏襲したものであり、前期と当期にM&Aを実施した会社が新たに連結に含まれることで、これらの目標達成に強くコミットしており、現時点では比較的順調に推移している。


トピックス

成長戦略として、新規事業と既存事業拡大の二つの軸でM&Aを継続的に実施する方針である。新規事業では、前期にソフトウェア関連会社のアイ・ティ・エンジニアリング社、OZ MODE社、当期にコード社を子会社化した。既存事業では、前期に岩手県北上市の同業S.I.T社を子会社化し、人材派遣や独自の販売手法導入により計画を大きく上回る成果を出している。また、資本提携及び業務提携契約を締結したclosip社とアレクソン社が「LTE over IP®」(closip社が提供する携帯電話の認証技術を応用した特許技術を持つ認証セキュリティシステム)を搭載した新製品を共同開発した。目標を上回る順調な販売を記録しており、この技術を活用した新たな製品開発をアレクソン社と共同で進めている。

株主還元については、昨年発表した累進配当の方針に変更はなく、35周年記念配当を含めてもそれを上回る配当を目標としている。株主優待の半期1万5,000円のクオカード年2回贈呈も継続する方針である。

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    事業内容

    株式会社No. 1は、ソフトウェアの販売を目的として創業し、OA機器等のオフィスに関するソリューションを幅広く展開している企業である。現在は、子会社化したネットワークセキュリティ機器メーカーのアレクソンを通してネットワークセキュリティ機器の販売にも注力している。 売上構成としては、従来の複合機よりもネットワークセキュリティ機器の方が大きくなってきている。

     

    強み

    同社はメーカー機能を有しており、顧客のニーズを捉え、企画・製造まで行えることが強みである。 また、顧客のネットワークにリモート接続し、攻撃状況などをレポートすることで、セキュリティ対策の必要性を認識していただき、最適な商材の提案によって顧客の課題解決を支援している。

     

    創業の経緯と転機

    4人のオーナーが横浜でソフトウェア販売を目的として創業したのが始まりである。その後、光通信との関係を深め、複合機の販売に注力した。 しかし、近年はテレワークやペーパーレス化の影響で、複合機市場が縮小傾向にあるため、ネットワークセキュリティという成長分野に事業をシフトした。

     

    直近の決算状況

    第3四半期時点で、営業利益は年間目標の68.5%を達成している。 昨年同期は49.5%となるため今期は順調に推移している。

     

    成長戦略

    M&Aを積極的に活用する方針を掲げており、昨年から今年にかけて、3社のM&Aを実施した。 また、営業体制の強化にも取り組んでおり、組織全体で売上を上げていく体制を構築している。

     

    株主還元策

    今期から累進配当の方針を明確に打ち出した。 2019年から配当を開始し、増配を続けてきたが、今後は前年の配当金を下限として、それを上回る配当を行うことを明確にしている。 また、昨年10月には株主優待制度の導入を発表し、300株以上の保有者に対して、半期に1回1万5,000円のQUOカードを贈呈する。

     

    今期の取り組みやトピックス

    closipという会社と業務提携および資本提携を行った。 closipは、携帯電話の認証技術を応用した端末認証領域において特許技術を持つ認証セキュリティシステムを開発しており、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からシステムを守る画期的な技術を有している。

  • Q:貴社の事業内容について教えてください。

    A:当社は、ソフトウェアの販売を目的として横浜で創業しました。その後、複合機やOA機器等の様々な商品の展開を増やし、現在では、2020年7月に子会社化したネットワークセキュリティ機器メーカーのアレクソンを通して、ネットワークセキュリティ機器の販売にも力を入れています。具体的には、UTMなどのネットワークセキュリティ機器をアレクソンから仕入れて販売しており、売上構成としては、従来の複合機よりもネットワークセキュリティ機器の方が大きくなってきています。

     

    Q:貴社の強みは何ですか?

    A:メーカー機能を有していること自体が強みです。複合機販売においては、シャープやキヤノンなどから仕入れて販売する企業が多い中、他社との差別化が難しく、価格競争に陥りがちです。その結果、顧客が他社へ流れてしまうという課題があります。しかし、当社は顧客の声を直接聞き、アレクソンを通してニーズに合った商品を開発・販売することで、他社との差別化を図っています。いわゆるマーケットイン型のビジネスモデルで、顧客のニーズを捉え、企画・製造まで行えるのが強みです。

     

    Q:どのような商品を開発しているのですか?

    A:当社の顧客層は従業員9名以下の小規模企業がメインとなります。小規模企業は家庭用Wi-Fiを使用しているケースが多く、セキュリティ対策が不十分な場合が多いという現状があります。そこで、外部からの攻撃をブロックしたり、従業員が持ち込んだデバイスのウイルス検知を行うビジネス用Wi-Fiを開発しました。また、サーバーの設置環境に関する課題を解決するため、埃や温度、停電対策を施したサーバーラックも開発しました。さらに、情報セキュリティに関する法改正に対応したサーバーなども開発しています。

     

    Q:ビジネスWi-Fiのニーズは、営業活動を通して把握したのですか?

    A:小規模企業は、ネットワーク攻撃を受けても対応できる人材が不足しているケースが多いです。当社は、顧客のネットワークにリモート接続し、攻撃状況などをレポートすることで、セキュリティ対策の必要性を認識していただいています。そして、そのレポートに基づいて最適な商材を提案することで、顧客の課題解決を支援しています。

     

    Q:顧客のネットワーク環境を直接診断し、問題点を見つけて解決策を提案しているのですか?

    A:はい、その通りです。ハードディスクの回転数など、詳細な部分までチェックし、潜在的なリスクを把握しています。また、「No.1ビジネスサポート」というお客様専任のビジネスコンサルタントがDX化や経営課題の解決を伴走支援するサービスも提供しています。平均顧客単価は1万2,000円で、PowerPointの操作方法から士業の紹介など、幅広いサポートによる課題解決を通じて顧客企業の成長に貢献しています。

     

    Q:No.1ビジネスサポートサービスは、どのように構築されたのですか?

    A:元々は、複合機やパソコンのトラブル対応など、既存顧客向けの保守サービスからスタートしました。その後、顧客のニーズに合わせてサービス内容を拡充し、パソコンやタブレットのデータ復旧サービスなども提供するようになりました。現在では、OA機器販売の同業他社で同様のサービスを提供しているところもありますが、当社は独自性を出すために、事業展開や求人支援など、顧客の課題解決に役立つメニューを拡充しています。

     

    Q:M&A戦略についてはどのようなものですか?

    A:計画においては、M&Aを積極的に活用する方針を掲げており、昨年から今年にかけて、3社のM&Aを実施しました。

     

    Q:具体的には、どのような企業のM&Aを行ったのですか?

    A:事業領域の拡大のため、SES事業を行うOZ MODEとアイ・ティ・エンジニアリングの2社をM&Aしました。また、東北エリアの販売拠点の確立、及び周辺地域への進出の足掛かりとするため、岩手のOA機器販売会社であるS.I.TをM&Aしました。さらに、2025年1月30日にニュースリリースを発表したのですが、closipという会社と業務提携および資本提携を行いました。closipは、携帯電話の認証技術を応用した端末認証領域において特許技術を持つ認証セキュリティシステムを開発しており、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からシステムを守る画期的な技術を有しています。この技術を活用することで、顧客のニーズに合ったセキュリティ対策を提供できると考えています。例えば、建設会社では、サーバーに図面を保存し、外部からアクセスするニーズがありますが、セキュリティ確保が課題でした。closipの技術を活用することで、セキュリティを確保しつつ、ユーザーフレンドリーな環境を構築することができます。今後は、病院や学校など、様々な分野への展開も視野に入れています。このように、新しい技術を有する企業や、シナジー効果が見込める企業とのM&Aを積極的に推進していく方針です。

     

    Q:closipとの提携は、事業領域の拡大という点で大きな意味を持つものですか?

    A:closipの特許技術を独占的に活用できるという大きなメリットもありますし、アレクソン製品にclosipの技術を搭載した新商品の展開も予定しています。

     

    Q:貴社の創業の経緯について教えてください。

    A:元々は、4人のオーナーが横浜でソフトウェア販売を目的として創業したと聞いています。その後、光通信との関係を深め、複合機の販売に注力していました。しかし、近年はテレワークやペーパーレス化の影響で、複合機市場が縮小傾向にあります。そこで、ネットワークセキュリティという成長分野に事業をシフトしていったという経緯があります。

     

    Q:貴社の業績についてお伺いしたいのですが、季節性などはありますか?

    A:2月決算と8月の中間決算期には、キャンペーン等の施策により売上が伸びる傾向があります。反面、月ごとの売上変動が大きいため、ストック型のビジネスモデルに力を入れているところです。

     

    Q:今期の業績の達成状況はいかがでしょうか?

    A:第3四半期時点で、営業利益は年間目標の68.5%を達成しています。昨年同期は49.5%となるため、順調に推移しています。ただし、スポット型の売上は変動が大きいため、通期業績予想は据え置いています。

     

    Q:好調な事業はどのあたりですか?

    A:中期経営計画で掲げている2027年、2030年の目標達成に向けて、営業人員の底上げによる営業体制の強化に取り組んでおり、組織全体で売上を上げていく体制を構築しています。また、アレクソンが好調で、ウクライナ情勢以降、ネットワーク攻撃が増加している中で、中小企業向けに開発したセキュリティ機器が貢献しています。さらに、今期M&Aを実施したSES事業会社と岩手の会社も、来期以降の連結決算に貢献してくれると期待しています。

     

    Q:人材の採用面については、どのような戦略をお持ちですか?

    A:今年の採用は、当初目標としていた50名には届かず、25名にとどまりました。そこで来期に向けて採用戦略を見直し、現在60名弱の内定が出ている状況です。人材への投資は強化しており、春には非管理職層の賃上げを実施しました。また、奨学金返還支援制度の導入や、地域限定社員制度も新設しました。一方で、新入社員が一人前になるまでには時間とコストがかかるため、その課題を解決していく必要があります。

     

    Q:株主優待導入の狙いは?

    A:100株保有の株主が多かったため、300株以上の保有を促進し、長期保有を促す狙いがあります。株価が上昇したため、配当利回りは低下しましたが、それでも上場企業の中では高い水準を維持しています。

  • 取材者:貴社のビジネスモデル、事業内容の特徴と強みについてご説明いただけますか?

    回答者: 当社はソフトウェアの販売を目的として横浜で創業いたしました。

    回答者: その後、複合機やOA機器等の様々な商品の展開を増やし様々な商品の展開を増やしており、現在では、2020年7月に子会社化したネットワークセキュリティ機器メーカーのアレクソンを通して、ネットワークセキュリティ機器の販売にも力を入れています。具体的には、UTMなどのネットワークセキュリティ機器をアレクソンから仕入れて販売しており、売上構成としては、従来の複合機よりもネットワークセキュリティ機器の方が大きくなってきています。

    取材者: 貴社のようにメーカー機能を有している企業は珍しいと思いますが、強みはどのような点ですか?

    回答者: メーカー機能を有していること自体が強みです。複合機販売においては、シャープやキヤノンなどから仕入れて販売する企業が多い中、他社との差別化が難しく、価格競争に陥りがちです。その結果、顧客が他社へ流れてしまうという課題があります。しかし、当社はアレクソンを通して顧客の声を直接聞き、ニーズに合った商品を開発・販売することで、他社との差別化を図っています。いわゆるマーケットイン型のビジネスモデルで、顧客のニーズを捉え、企画・製造まで行えるのが強みです。

    取材者: 具体的には、どのような商品を開発されているのですか?

    回答者: 例えば、当社の顧客層は従業員9名以下の小規模企業がメインとなります。小規模企業は家庭用Wi-Fiを使用しているケースが多く、セキュリティ対策が不十分な場合が多いという現状があります。そこで、外部からの攻撃をブロックしたり、従業員が持ち込んだデバイスのウイルス検知を行うビジネス用Wi-Fiを開発しました。また、サーバーの設置環境に関する課題を解決するため、埃や温度、停電対策を施したサーバーラックも開発しました。さらに、情報セキュリティに関する法改正に対応したサーバーなども、タイムリーに開発しています。

    取材者: ビジネスWi-Fiのニーズは、営業活動を通して把握されたのですか?

    回答者: そうですね。小規模企業は、ネットワーク攻撃を受けていても対応できる人材が不足しているケースが多いです。当社は、顧客のネットワークにリモート接続し、攻撃状況などをレポートすることで、セキュリティ対策の必要性を認識していただいています。そして、そのレポートに基づいて最適な商材を提案することで、顧客の課題解決を支援しています。

    取材者: 顧客のネットワーク環境を直接診断し、問題点を見つけて解決策を提案しているのですね。

    回答者: はい、その通りです。ハードディスクの回転数など、詳細な部分までチェックし、潜在的なリスクを把握しています。また、「No.1ビジネスサポート」というお客様専任のビジネスコンサルタントがDX化や経営課題の解決を伴走支援するサービスも提供しています。平均顧客単価は1万2,000円で、PowerPointの操作方法から士業の紹介など、幅広いサポートによる課題解決を通じて顧客企業の成長に貢献しています。

    取材者: 大企業のシステム部門や、中小企業の経営者をサポートするようなサービスですね。

    回答者: まさにその通りです。

    取材者: ビジネスサポートサービスは、どのようにして構築されたのですか?

    回答者: 元々は、複合機やパソコンのトラブル対応など、既存顧客向けの保守サービスからスタートしました。その後、顧客のニーズに合わせてサービス内容を拡充し、パソコンやタブレットのデータ復旧サービスなども提供するようになりました。現在では、OA機器販売の同業他社で同様のサービスを提供しているところもありますが、当社は独自性を出すために、事業展開や求人支援など、顧客の課題解決に役立つメニューを拡充しています。

    取材者: メニュー拡充にはM&Aも関係するのでしょうか?

    回答者: 「No.1ビジネスサポート」に関しては、M&Aは直接関係していません。しかし、中期経営計画においては、M&Aを積極的に活用する方針を掲げており、昨年から今年にかけて、3社のM&Aを実施しました。

    取材者: 具体的には、どのような企業のM&Aを行ったのですか?

    回答者:事業領域の拡大のため、SES事業を行うOZ MODEとアイ・ティ・エンジニアリングの2社をM&Aしました。また、東北エリアの販売拠点の確立、及び周辺地域への進出の足掛かりとするため、岩手のOA機器販売会社であるS.I.TをM&Aしました。さらに、closipという会社と業務提携および資本提携を行いました。closipは、携帯電話の認証技術を応用した端末認証領域において特許技術を持つ認証セキュリティシステムを開発しており、ランサムウェアなどのサイバー攻撃からシステムを守る画期的な技術を有しています。この技術を活用することで、顧客のニーズに合ったセキュリティ対策を提供できると考えています。

    回答者: 例えば、建設会社では、サーバーに図面を保存し、外部からアクセスするニーズがありますが、セキュリティ確保が課題でした。closipの技術を活用することで、セキュリティを確保しつつ、ユーザーフレンドリーな環境を構築することができます。今後は、病院や学校など、様々な分野への展開も視野に入れています。

    回答者: このように、新しい技術を有する企業や、シナジー効果が見込める企業とのM&Aを積極的に推進していく方針です。

    取材者: closipとの提携は、事業領域の拡大という点で大きな意味を持つものですね。

    回答者: そうですね。closipの特許技術を独占的に活用できるという点も大きなメリットですし、アレクソン製品にclosipの技術を搭載した新商品の展開も予定しています。

    取材者: M&Aの方針としては、事業領域の拡大と販路拡大の2点が重要ということですか?

    回答者: その通りです。

    取材者: 貴社の創業の経緯について、もう少し詳しく教えていただけますか?

    回答者: 元々は、4人のオーナーが横浜でソフトウェア販売を目的として創業したと聞いています。その後、光通信との関係を深め、複合機販売に注力していました。しかし、近年はテレワークやペーパーレス化の影響で、複合機市場が縮小傾向にあります。そこで、ネットワークセキュリティという成長分野に事業をシフトしていったという経緯があります。

    取材者:貴社の業績についてお伺いしたいのですが、季節性などはございますか?

    回答者: 2月決算と8月の中間決算期には、キャンペーン等の施策により、売上が伸びる傾向があります。

    回答者: 反面、月ごとの売上変動が大きいため、ストック型のビジネスモデルに力を入れているところです。

    取材者: 今期の業績の達成状況はいかがでしょうか?

    回答者: 第3四半期時点で、営業利益は年間目標の68.5%を達成しています。昨年同期は49.5%でしたので、順調に推移しています。ただし、スポット型の売上は変動が大きいため、通期業績予想は据え置いています。

    取材者: 好調な事業はどのあたりですか?

    回答者: 中期経営計画で掲げている2027年、2030年の目標達成に向けて、営業体制の強化に取り組んでおり、組織全体で売上を上げていく体制を構築しています。また、アレクソンが好調で、ウクライナ情勢以降、ネットワーク攻撃が増加している中で、中小企業向けに開発したセキュリティ機器が貢献しています。さらに、今期M&AしたSES事業会社と岩手の会社も、来期以降の連結決算に貢献してくれると期待しています。

    取材者: 人材の採用面については、どのような戦略をお持ちですか?

    回答者: 今年の採用は、当初目標としていた50名には届かず、25名にとどまりました。そこで、来期に向けて採用戦略を見直し、現在60名弱の内定が出ている状況です。人材への投資は強化しており、春には非管理職層の賃上げを実施しました。また、奨学金返還支援制度の導入や、地域限定社員制度も新設しました。

    回答者: 一方で、新入社員が一人前になるまでには時間とコストがかかるため、その課題を解決していく必要があります。

    取材者: 株主還元策についてはいかがでしょうか?

    回答者: 中期経営計画に基づき、今期から累進配当の方針を明確に打ち出しました。2019年から配当を開始し、増配を続けてきましたが、今後は前年の配当金を下限として、それを上回る配当を行うことを明確にしています。また、昨年10月には株主優待制度の導入を発表し、300株以上の保有者に対して、半期に1回1万5,000円のQUOカードを贈呈します。

    取材者: 株主優待導入の狙いは?

    回答者: 100株保有の株主が多かったため、300株以上の保有を促進し、長期保有を促す狙いがあります。

    回答者: 株価が上昇したため、配当利回りは低下しましたが、それでも上場企業の中では高い水準を維持しています。

    取材者: 今後の取り組みについて何かございましたら教えてください。

    回答者:当社グループとシナジーのある企業のM&Aについては引き続き積極的に行っていくことと、情報セキュリティ領域に関しては新しい技術を活用して差別化を図ってまいりたいと考えております。

  • 取締役 上級執行役員 経営管理本部長 平瀬和宏様

  • 中期経営計画

    2025年2月期 第3四半期 決算説明資料

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