
エコナックホールディングス(株)
東証STD 3521
決算:3月末日
20250819
決算概要
直近の決算の売上高4億9,100万円、営業利益6,700万円、純利益2,300万円、前四半期比・前年同期比の数値売上高6.9%、営業利益57.4%、純利益12%とそれぞれ増収増益。
理由は前年の4-6月になかったテルマー湯 新宿の値上げ分が寄与、またテルマー湯 西麻布についても、知名度・リピーターが増加し売上・利益に貢献。
セグメント別または事業別の増減要因
不動産事業は横ばい、温浴事業については、前年4-6月になかったテルマー湯 新宿の値上げ分が寄与、またテルマー湯 西麻布についても、知名度・リピーターが増加し売上・利益に貢献。
主要KPIの進捗と変化
売上・利益が主要KPI 推移は予定通り。
季節性・一過性要因の有無と影響
季節性としては、例年温浴業界としては下期から売上・利益が伸びる。影響としては予想に織り込んでいるため特になし。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期の見通しは直近で変更しているため進捗率・達成可能性とも問題なし。
トピックス
テルマー湯 新宿店が8月18日で10周年を迎え、新宿店のみスペシャルアウフグース、レストラン内にて10周年記念メニュー・ドリンク限定割引、回数券割引販売を実施。
・資料
―

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
決算概要
2025年3月期決算は、売上高19億8,000万円(前年同期比4.6%増)、営業利益3億4,100万円(前年同期比81.1%増)、経常利益3億3,900万円(前年同期比85.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1億9,100万円(前年同期比99.1%増)と、増収・大幅な増益を達成した。この増益の主な要因は、新宿における価格改定による売上の押し上げである。
セグメント別または事業別の増減要因
新宿店における2024年8月1日の価格改定が売上増加に大きく寄与した。加えて、西麻布店も知名度向上とリピーターおよび新規顧客の増加により、前年比で売上・利益ともに増加傾向にある。飲食部門および関連グッズ販売も好調に推移し、売上増加要因となった。宿泊施設は、ビジネスマンの利用が多く、日によっては満室となるなど堅調に推移した。
主要KPIの進捗と変化
当社は特定のKPIを設けていないが、基本的には売上高と利益の確保を重視している。新宿店では値上げ後も客足数に大きな変化はなく、単価上昇が売上増加に直結したことが確認された。西麻布店ではリピーター
顧客の多さが特徴であり、新規顧客も増加傾向にある。
季節性・一過性要因の有無と影響
2024年10月から12月にかけては例年よりも非常に好調に推移した。通常、新宿店では10月、11月に売上が大きく伸びることはないが、今年は明確な原因は不明ながら好調であり、インバウンドの影響も要因の一つとして考えられる。また、季節ごとのフェア開催も業績に寄与した。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年3月期の業績見通しは、売上高20億5,000万円(前年比3.5%増)、営業利益3億7,000万円(前年同期比8.5%増)、経常利益3億6,500万円(前年同期比7.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2億3,000万円(前年同期比20.4%増)と、増収増益目標を設定している。新宿店は前年度の4月から7月が値上げ前の実績であったため、その分の売上・利益が今期は通期で寄与する予測である。西麻布店は、直近の2025年4月の数値が非常に好調に推移しており、この伸び率を考慮し、通期での売上・利益の増加を見込んでいる。突発的な売上・利益増加は想定しておらず、現状の事業状況からの堅実な達成を見込んでいる。
トピックス
M&Aや業務提携については、売上・利益に貢献できる機会があれば継続的に検討を進めている。株主還元方針については、今回配当を実施した配当水準を維持し、さらに上乗せしていく意向である。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社は既存事業の強化を通じて成長を目指しております。新宿店においては、2024年8月1日に実施した価格改定が引き続き売上と利益に寄与すると見込んでおり、この値上げ効果が2026年3月期の業績にも通期で反映されることで、安定的な収益基盤を確立したいと考えております。また、季節ごとのフェア開催など、既存のプロモーション活動も引き続き売上増加に貢献すると認識しております。西麻布店につきましては、徐々に知名度が向上し、リピーターのお客様に加えて新規のお客様も増加している状況です。直近の4月の実績も非常に好調に推移しており、この傾向を維持することで、売上・利益のさらなる増加を見込んでおります。宿泊施設においても、ビジネスマンの利用を中心に稼働率が良好であり、現状の好調を維持していく方針です。現状、売上高と利益を堅実に確保していくことを基本的な方針としており、突発的な売上増加を想定するよりも、各店舗の安定した運営と既存施策の積み上げによる成長を目指してまいります。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年3月期の通期業績見通しにおける戦略と施策は、主に既存事業の収益力強化にあります。売上高20億5,000万円、営業利益3億7,000万円、経常利益3億6,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億3,000万円の増収増益目標は、新宿店における価格改定の効果が通年で寄与することを中心に策定されました。2024年8月1日の値上げは、2025年3月期においては一部期間のみの貢献でしたが、2026年3月期では通期にわたって売上・利益を押し上げる要因となります。この効果により、新宿店は堅調な推移を維持できると見込んでおります。また、西麻布店においては、知名度の向上とリピーターおよび新規顧客の着実な増加を背景に、売上・利益の両面で一定の成長を見込んでおります。直近の4月の実績が好調であることから、その勢いを、年間を通じて維持できるよう、引き続き顧客サービスの向上に努めてまいります。飲食部門や関連グッズの販売も、これまでの実績を踏まえ、引き続き売上増加に貢献する施策として取り組んでまいります。
Q:M&A、業務提携などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:現在、M&Aや業務提携については継続的に検討を進めております。具体的な実施予定や決定事項はございませんが、当社の事業成長に合致し、売上や利益に貢献しうる機会があれば、積極的に模索していく方針です。現時点では検討段階であり、個別の案件について詳細を公表できる状況にはございません。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:当社の株主還元方針につきましては、今期に配当を実施したことを踏まえ、この配当水準を維持することを基本とし、将来的にはさらに上乗せしていきたいと考えております。これは、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と認識しており、安定的な配当に加え、業績の進展に応じて還元を強化していく意向を示しております。
取材者:まず、2025年3月期の決算についてお伺いいたします。売上高は19億8,000万円で前年同期比4.6%増加、営業利益は3億4,100万円で前年同期比81.1%増加、経常利益は3億3,900万円で前年同期比85.5%増加、親会社株主に帰属する当期純利益は1億9,100万円で前年同期比99.1%増加と、増収・大幅な増益を達成されておりますが、これらの増減要因についてご説明いただけますか。
回答者:主な要因としましては、新宿における価格改定が挙げられます。2024年8月1日に値上げを実施した影響が大きく、売上を押し上げたと考えております。
取材者:値上げ後の客足数はいかがでしたか。
回答者:客足数については、それほど変化はございません。単価を上げたことによって売上が増加いたしました。
取材者:10月、11月、12月の状況はいかがでしたか。
回答者:この期間は例年よりも非常に好調でした。原因は明確ではないのですが、前年に比べて非常に好調に推移いたしました。インバウンドの影響も考えられます。
取材者:特段、例年と比べて気候に大きな変化はなかったように思いますが。
回答者:通常、新宿店では10月、11月に売上が大きく伸びることはありません 。12月は季節的な要因で増加しますが、今年は明確な原因は不明ながら非常に好調でした。また、季節ごとにフェアを開催しておりましたので、そちらも寄与したと考えております。飲食部門も通常に比べて好調で、関連グッズの販売も売上増加要因となりました。
取材者:営業利益につきましても、当初の業績予想から大幅に上振れて着地されたと認識しておりますが、やはりグッズや飲食の売上が大きかったという認識でよろしいですか。
回答者:はい、その認識で問題ございません。加えて、西麻布店も徐々に知名度が向上し、リピーターのお客様が多いことに加え、新規のお客様も徐々に増加しており、前年よりも売上・利益ともに増加傾向にございます。
取材者:西麻布店はリピーターのお客様が多いのですね。
回答者:はい、その通りです。宿泊施設につきましても、非常に好調とまでは言えませんが、まずまずの状況で、ビジネスマンの方のご利用が多く、日によっては満室になることもございました 。全体的に好調に推移いたしました。
取材者:貴社にとって、主要なKPI(重要業績評価指標)のようなものはございますか。
回答者:特定の指標や数値は設けておりませんが、基本的には売上高と利益をしっかりと確保していく方針でございます。
取材者:承知いたしました。次に、2026年3月期の業績見通しについてお伺いいたします。2025年3月期の業績予想としては、売上高20億5,000万円(前年比3.5%増)、営業利益3億7,000万円(前年同期比8.5%増)、経常利益3億6,500万円(前年同期比7.7%増)、当期純利益2億3,000万円(前年同期比20.4%増)と、今期と同様に増収増益の目標を設定されていますが、この見通しについてご説明いただけますか。
回答者:まず、新宿店につきましては、前年度は4月から7月までが値上げ前の実績でしたので、その分の売上・利益がプラスに寄与するという予測で全体の数値を見ております。突発的に売上・利益が増加することは想定しておらず、この範囲で新宿店が着地すると考えております。
西麻布店は、直近の発表前である4月の数値を見ると非常に好調でありました。この全体的な数値から、4月の数値の伸び率を考慮して通期を計算いたしました。西麻布店は売上・利益ともに大幅とまでは言いませんが、ある程度の増加が見込まれると予測し、発表しております。
取材者:M&Aや業務提携について、何か実施予定または検討状況がございましたら、お答えいただける範囲で教えていただけますか。
回答者:M&Aや業務提携につきましては、検討を続けております。当社に合致する機会があれば、という認識で、売上・利益に貢献できる形を模索しております。
取材者:株主還元方針について、ご変更点などございましたら教えていただけますか。
回答者:株主還元方針についてですが、今回配当を実施いたしましたので、その配当水準を維持し、さらに上乗せしていきたいと考えております。
取材者:その他、直近のトピックスやニュースリリースなどございましたら教えていただけますか。
回答者:現在のところ、特筆すべき大きな動きはございません 。今後、さまざまな動きが出てくる可能性はございます。
経理部 部長 野村嘉之様
―

企業名
上場市場 証券コード
決算日
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
エコナックホールディングスは、不動産事業と温浴事業を主な柱とする。不動産事業では、立地の良い物件を保有し、居住者への賃貸および子会社への物件賃貸が収益の源泉である。温浴事業は、子会社のエレナによる西麻布でのスパ・サウナ運営と、株式会社テルマー湯による新宿での温浴施設運営の二つが存在する。
創業の経緯と転機となった出来事
元々、新宿の土地は駐車場として利用されていたが、その有効活用策として温浴事業が開始された経緯を持つ。温浴事業開始以前には、化粧品の製造販売、ゴルフ場の運営、アパレル事業など多角的な事業展開を行っていたが、温浴事業が時代のニーズに合致し、現在の主要事業へと転換した。
特徴や強み
不動産事業においては、立地の良さが強みであり、高い入居率を維持し安定的な収益を確保している点が特徴である。温浴事業においても、新宿の施設は駅からのアクセスが良いことや周辺に繁華街があることが集客の大きな要因であり、立地の優位性が事業の強みとなっている。
成長戦略
現状維持では収益・売上の向上が見込めないため、経営陣は新規事業の必要性を認識している。温浴事業の多店舗展開も視野に入れているが、コロナ禍のような事態に備え、温浴事業に偏らない別事業の展開も検討している。M&Aも選択肢の一つとして考慮し、シナジーのある事業だけでなく、広い視野で様々な事業機会を検討する方針である。
直近の決算状況
今期業績は上方修正され、対前年比でも好調に推移しているものの、昨今の物価高騰などの影響もあり、直近では温浴施設の客足が鈍っている状況も見受けられる。ただし、温浴事業は一般的に冬季に売上が伸びる季節要因がある。
株主還元策
安定した収益と売上を上げ、投資家の理解を得ることが基本的な株主還元の方針である。業績回復を株主に示すため、復配を実施した。
今期の取り組みやトピックス
新宿の温浴施設が10周年を迎え、老朽化による修繕の必要が出てきている。ただし、大規模な修繕ではなく、メンテナンスを行う必要がある箇所がいくつか存在する。
Q:特徴や優位性をご説明ください。
A:当社の主な事業は不動産事業と温浴事業の二つでございます。不動産事業においては、立地の良い場所に物件を保有しており、居住者の方々が中心となっております。また、子会社への物件賃貸も重要な事業の一つです。特に住居に関しては、立地の優位性から高い入居率を維持しており、安定的な収益を確保しております。
温浴事業につきましては、子会社のエレナが西麻布でスパ・サウナ事業を、株式会社テルマー湯が新宿で温浴施設を運営しております。新宿の施設はコロナ禍で大きな影響を受けましたが、徐々に回復し、現在は安定した運営ができております。立地の良さが集客の強みであり、駅からのアクセスや周辺の繁華街が利用客増加に貢献しております。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックスなどを含む)はなんでしょうか?
A:現状維持では収益・売上の向上は見込めないため、経営陣は新規事業の必要性を認識しております。温浴事業の多店舗展開も視野に入れておりますが、コロナ禍のような事態に備え、温浴事業に偏らない別事業の展開も検討しております。M&Aも選択肢の一つとして考慮しており、シナジーのある事業だけでなく、広い視野で様々な事業機会を検討していく方針です。
Q:業績の増減要因をご説明ください。
A:業績の増減要因を一概に申し上げるのは難しい状況です。昨今の物価高騰などの影響もあり、直近では温浴施設の客足が鈍っていると感じております 。一方で、温浴事業は一般的に季節要因に影響され、寒くなる時期、具体的には12月から3月にかけて売上が伸びる傾向にあります。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主還元に関する基本的な方針としましては、安定した収益と売上を確保し、投資家の皆様にご理解いただくことを目指しております。業績の回復を株主の皆様に示すため、復配を実施いたしました。コロナ禍直前には過去最高の売上と利益を達成しており、当時から復配を検討しておりましたが、コロナ禍の影響で延期せざるを得なかったという経緯がございます。
取材者
貴社のビジネスモデル、事業内容につきまして、不動産事業と温浴事業が主な柱となっているとのことですので、改めて事業の特徴や強みなども含め、ご説明いただけますでしょうか。
回答者
承知いたしました。不動産事業からご説明いたします。不動産事業におきましては、立地の良い場所に物件を有しており、居住者の方が大半を占めている状況です。また、子会社に物件を賃貸していることも主な事業の一つです。住居につきましては、立地が良いこともあり、あまり空室が出ず、安定して収益を得ている状況です。
西麻布の物件につきましては、同じく子会社であるエレナが賃貸しており、温浴事業、具体的にはスパ・サウナの事業を展開しております。スパ・サウナにつきましては、オープンしてまだ2年ほどですが、徐々に認知度が向上しており、安定した運営ができていると考えております。
東京・新宿にも物件を有しており、こちらにつきましては、株式会社テルマー湯が賃貸しております。こちらについては、コロナ禍において大きな影響を受けましたが、徐々に収束し、ほぼ回復いたしました。しかしながら、コロナ禍前と状況が変わり、深夜帯のお客様が減少する一方で、日中の利用客が増加し、インバウンドの効果も見られるという状況です。
昨年8月に料金改定を実施しましたが、そのタイミングも良かったようで、現在のところ、株式会社テルマー湯の業績は堅調に推移しております。温浴事業の内容としては以上です。
取材者
深夜のお客様が伸び悩んでいるとのことですが、その理由についてどのようにお考えでしょうか。
回答者
新宿界隈の飲み屋街に人が少ないことが要因であると考えております。以前は、終電を逃した方が宿泊代わりに弊社の温浴施設を利用されることが多かったのですが、そのような方が少なくなっているようです。
取材者
昨今のサウナブームの影響はいかがでしょうか。温浴施設の昼間の集客に関して、近年サウナブームが顕著であるように思われますが、その影響も大きいのでしょうか。
回答者
新宿の施設は、一般的なサウナであり、特に特色があるわけではありません。そのため、サウナブームの影響はそれほど大きくないと考えております。やはり、立地の良さが集客の大きな要因であると考えております。駅からのアクセスが良いことや、周辺に繁華街があることが、多くのお客様にご利用いただいている理由です。
取材者
もともと不動産事業をされていましたが、温浴事業のような不動産の活用をされるに至った経緯について、お伺いできますでしょうか。あるいは、全く別の要因があったのでしょうか。
回答者
温浴事業に関しましては、幸運なことに、全くの別事業として開始いたしました。弊社も新宿の施設を立ち上げた際には、ノウハウが一切ない状態で、手探りで運営していたというのが実情です。
取材者
貴社の創業の経緯から、温浴事業を開始された転換点について、お教えいただけますでしょうか。
回答者
その点につきましては、私も当時重要な役職に就いていなかったため、詳しい経緯は把握しておりません。ただ、元々新宿の土地は駐車場として利用しており、月極駐車場として運営しておりました。その広い土地を有効活用するために、温浴事業が候補として挙がったと聞いております。
取材者
もともとの繊維の事業とは全く別ということでしょうか。
回答者
全く関係がありません。繊維事業につきましては、私が入社した頃から縮小傾向にあり、事業規模が小さくなっていく状況でした。いずれ、別の事業を行わないと会社として存続できないという状況に至る可能性がありました。温浴事業の前にも、様々な事業を手がけております。
様々な事業を行う中で、温浴事業が時代のニーズに合致したということです。
取材者
例えば、温浴事業が柱となる前は、どのような事業をされていたのですか。
回答者
化粧品の製造販売や、ゴルフ場の運営、アパレル事業なども行っておりました。他にも短期的にいくつか事業を試みましたが、うまくいかずに撤退したという経緯もございます。
取材者
まさに時代の変化に合わせて様々な事業を展開されていたのですね。
回答者
はい、どの事業が適切であるかを模索していたというのが実情です。
取材者
温浴事業が大きな柱となっている現在、今後の新規事業の拡大という観点からはいかがでしょうか。
回答者
現状のままでは、収益も売上も向上していかないため、何か新しい取り組みが必要であるということは、経営陣の間でも認識されています。
取材者
今後の温浴施設の店舗展開など、温浴事業の成長戦略はいかがでしょうか。
回答者
温浴事業に偏りすぎているという認識があり、多店舗展開は、施設そのものを作っていくことになるため、容易ではありません。また、コロナ禍のような突発的な事態が発生した場合、同じ事業のみでは一気に業績が悪化するリスクがあります。そのため、そういったリスクを検討しながら、多店舗化も視野に入れてはおりますが、現時点では、コロナ禍のような事態に影響されない別事業の展開も検討しております。
取材者
そのような新規事業に関して、M&Aなどは考えられていますか。
回答者
はい、M&Aも選択肢の一つとして検討しております。
取材者
シナジーのある事業だけでなく、全く別の事業であっても、良いと思われるものがあれば検討していくというお考えでしょうか。
回答者
はい、比較的広い視野で、様々な情報にアンテナを張り、機会があれば検討したいと考えております。
取材者
温浴事業についてですが、インバウンドの需要も高まっている中で、外国人の方が温浴施設を利用する際のマナーの問題など、利用者の方々が気にされる点もあるかと思います。その点についてはいかがでしょうか。
回答者
現状では、特に問題視されていることはありません。ただ、外国人の方、特に欧米の方には、刺青をされている方がいらっしゃるため、入浴をお断りせざるを得ない場合があります。そのため、すべての方にご利用いただけるわけではないという点が課題です。また、海外向けの広報活動を積極的に行っていないため、海外での認知度はまだ低いと感じています。
取材者
今後は、海外の旅行情報誌などに広告を掲載するなど、インバウンド向けの施策を検討されていますでしょうか。
回答者
具体的な計画はまだありませんが、そういったことも含めて、対策を検討してまいります。
取材者
それでは、今期の業績についてお伺いします。今期業績は上方修正をされており、対前年比でも好調に推移しているように見受けられますが、業績好調の要因について、どのようにお考えでしょうか。
回答者
業績好調の要因は、一概に申し上げるのが難しいところです。昨今、物価高騰など、様々な問題がある中で、直近ではやや芳しくない状況も見受けられます。これまでは、皆様に温浴施設をご利用いただくことが多かったのですが、ここにきて客足が鈍っていると感じております。
取材者
貴社の売上に季節性はございますか。例えば、寒くなると温泉に行かれる方が増えるといったことはございますか。
回答者
はい、一般な温浴施設と同様に、寒くなると利用客が増える傾向にあります。季節要因は大きく影響します。
取材者
やはり、冬場の方が売上は伸びるのですか。
回答者
そうですね。例年、12月、1月、2月、3月あたりが最も売上が伸びます。
取材者
貴社の温浴施設では宿泊も可能とのことですが、宿泊されるお客様は、地方から来られる方が多いのですか。それとも、先ほどおっしゃっていたように、終電を逃した方が多いのですか。
回答者
詳細な統計を取っていないため、明確なことは申し上げられませんが、感覚的には、都心、あるいは関東圏内の方が多いのではないかと考えております。
取材者
他のサウナ施設は、カプセルホテルのようなイメージが強いのですが、貴社の施設はいかがですか。
回答者
弊社の宿泊施設は、ビジネスホテルに近い形態で、出張で来られるビジネスマンの方の利用が多いです。
取材者
復配もされていますが、株主還元策について、方針などございましたらお教えいただけますでしょうか。
回答者
一般的なお話になりますが、安定した収益と売上を上げ、投資家の皆様にご理解いただくというのが基本的な方針です。ただ、人的コストの問題もあり、難しいところもあります。
取材者
今回復配されたのは、業績が回復してきたことが大きな理由なのですか。
回答者
はい、業績が回復してきたことを株主の皆様にアピールするという意図もあります。ある程度、事業の安定性が見込めたため、復配に至りました。実は、コロナ禍直前までは、過去最高の売上と利益を達成しており、その時点で復配を検討していたのですが、コロナ禍の影響で延期せざるを得なかったという経緯があります。
取材者
それでは、今期から始められたことや、業績以外でのトピックスなどはございますか。
回答者
少々ネガティブな話題で恐縮ですが、新宿の施設が10周年を迎え、老朽化が目立ってきたため、修繕の必要が出てきております。ただ、大規模な修繕というわけではなく、メンテナンスを行う必要がある箇所がいくつか出てきているという状況です。
取材者
来年の創業100周年に向けて、何かプロジェクトなどはございますか。
回答者
企画したいという思いはありますが、現在のところ、社内で具体的な話は出ておりません。
経理部 部長 野村嘉之様
―

エコナックホールディングス(株)
東証STD 3521
決算:3月末日
決算概要
直近の決算の売上高4億9,100万円、営業利益6,700万円、純利益2,300万円、前四半期比・前年同期比の数値売上高6.9%、営業利益57.4%、純利益12%とそれぞれ増収増益。
理由は前年の4-6月になかったテルマー湯 新宿の値上げ分が寄与、またテルマー湯 西麻布についても、知名度・リピーターが増加し売上・利益に貢献。
セグメント別または事業別の増減要因
不動産事業は横ばい、温浴事業については、前年4-6月になかったテルマー湯 新宿の値上げ分が寄与、またテルマー湯 西麻布についても、知名度・リピーターが増加し売上・利益に貢献。
主要KPIの進捗と変化
売上・利益が主要KPI 推移は予定通り。
季節性・一過性要因の有無と影響
季節性としては、例年温浴業界としては下期から売上・利益が伸びる。影響としては予想に織り込んでいるため特になし。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期の見通しは直近で変更しているため進捗率・達成可能性とも問題なし。
トピックス
テルマー湯 新宿店が8月18日で10周年を迎え、新宿店のみスペシャルアウフグース、レストラン内にて10周年記念メニュー・ドリンク限定割引、回数券割引販売を実施。
・資料
Add a Title
―
取材アーカイブ
CP&X
決算概要
2025年3月期決算は、売上高19億8,000万円(前年同期比4.6%増)、営業利益3億4,100万円(前年同期比81.1%増)、経常利益3億3,900万円(前年同期比85.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1億9,100万円(前年同期比99.1%増)と、増収・大幅な増益を達成した。この増益の主な要因は、新宿における価格改定による売上の押し上げである。
セグメント別または事業別の増減要因
新宿店における2024年8月1日の価格改定が売上増加に大きく寄与した。加えて、西麻布店も知名度向上とリピーターおよび新規顧客の増加により、前年比で売上・利益ともに増加傾向にある。飲食部門および関連グッズ販売も好調に推移し、売上増加要因となった。宿泊施設は、ビジネスマンの利用が多く、日によっては満室となるなど堅調に推移した。
主要KPIの進捗と変化
当社は特定のKPIを設けていないが、基本的には売上高と利益の確保を重視している。新宿店では値上げ後も客足数に大きな変化はなく、単価上昇が売上増加に直結したことが確認された。西麻布店ではリピーター
顧客の多さが特徴であり、新規顧客も増加傾向にある。
季節性・一過性要因の有無と影響
2024年10月から12月にかけては例年よりも非常に好調に推移した。通常、新宿店では10月、11月に売上が大きく伸びることはないが、今年は明確な原因は不明ながら好調であり、インバウンドの影響も要因の一つとして考えられる。また、季節ごとのフェア開催も業績に寄与した。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年3月期の業績見通しは、売上高20億5,000万円(前年比3.5%増)、営業利益3億7,000万円(前年同期比8.5%増)、経常利益3億6,500万円(前年同期比7.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2億3,000万円(前年同期比20.4%増)と、増収増益目標を設定している。新宿店は前年度の4月から7月が値上げ前の実績であったため、その分の売上・利益が今期は通期で寄与する予測である。西麻布店は、直近の2025年4月の数値が非常に好調に推移しており、この伸び率を考慮し、通期での売上・利益の増加を見込んでいる。突発的な売上・利益増加は想定しておらず、現状の事業状況からの堅実な達成を見込んでいる。
トピックス
M&Aや業務提携については、売上・利益に貢献できる機会があれば継続的に検討を進めている。株主還元方針については、今回配当を実施した配当水準を維持し、さらに上乗せしていく意向である。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社は既存事業の強化を通じて成長を目指しております。新宿店においては、2024年8月1日に実施した価格改定が引き続き売上と利益に寄与すると見込んでおり、この値上げ効果が2026年3月期の業績にも通期で反映されることで、安定的な収益基盤を確立したいと考えております。また、季節ごとのフェア開催など、既存のプロモーション活動も引き続き売上増加に貢献すると認識しております。西麻布店につきましては、徐々に知名度が向上し、リピーターのお客様に加えて新規のお客様も増加している状況です。直近の4月の実績も非常に好調に推移しており、この傾向を維持することで、売上・利益のさらなる増加を見込んでおります。宿泊施設においても、ビジネスマンの利用を中心に稼働率が良好であり、現状の好調を維持していく方針です。現状、売上高と利益を堅実に確保していくことを基本的な方針としており、突発的な売上増加を想定するよりも、各店舗の安定した運営と既存施策の積み上げによる成長を目指してまいります。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年3月期の通期業績見通しにおける戦略と施策は、主に既存事業の収益力強化にあります。売上高20億5,000万円、営業利益3億7,000万円、経常利益3億6,500万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億3,000万円の増収増益目標は、新宿店における価格改定の効果が通年で寄与することを中心に策定されました。2024年8月1日の値上げは、2025年3月期においては一部期間のみの貢献でしたが、2026年3月期では通期にわたって売上・利益を押し上げる要因となります。この効果により、新宿店は堅調な推移を維持できると見込んでおります。また、西麻布店においては、知名度の向上とリピーターおよび新規顧客の着実な増加を背景に、売上・利益の両面で一定の成長を見込んでおります。直近の4月の実績が好調であることから、その勢いを、年間を通じて維持できるよう、引き続き顧客サービスの向上に努めてまいります。飲食部門や関連グッズの販売も、これまでの実績を踏まえ、引き続き売上増加に貢献する施策として取り組んでまいります。
Q:M&A、業務提携などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:現在、M&Aや業務提携については継続的に検討を進めております。具体的な実施予定や決定事項はございませんが、当社の事業成長に合致し、売上や利益に貢献しうる機会があれば、積極的に模索していく方針です。現時点では検討段階であり、個別の案件について詳細を公表できる状況にはございません。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:当社の株主還元方針につきましては、今期に配当を実施したことを踏まえ、この配当水準を維持することを基本とし、将来的にはさらに上乗せしていきたいと考えております。これは、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と認識しており、安定的な配当に加え、業績の進展に応じて還元を強化していく意向を示しております。
取材者:まず、2025年3月期の決算についてお伺いいたします。売上高は19億8,000万円で前年同期比4.6%増加、営業利益は3億4,100万円で前年同期比81.1%増加、経常利益は3億3,900万円で前年同期比85.5%増加、親会社株主に帰属する当期純利益は1億9,100万円で前年同期比99.1%増加と、増収・大幅な増益を達成されておりますが、これらの増減要因についてご説明いただけますか。
回答者:主な要因としましては、新宿における価格改定が挙げられます。2024年8月1日に値上げを実施した影響が大きく、売上を押し上げたと考えております。
取材者:値上げ後の客足数はいかがでしたか。
回答者:客足数については、それほど変化はございません。単価を上げたことによって売上が増加いたしました。
取材者:10月、11月、12月の状況はいかがでしたか。
回答者:この期間は例年よりも非常に好調でした。原因は明確ではないのですが、前年に比べて非常に好調に推移いたしました。インバウンドの影響も考えられます。
取材者:特段、例年と比べて気候に大きな変化はなかったように思いますが。
回答者:通常、新宿店では10月、11月に売上が大きく伸びることはありません 。12月は季節的な要因で増加しますが、今年は明確な原因は不明ながら非常に好調でした。また、季節ごとにフェアを開催しておりましたので、そちらも寄与したと考えております。飲食部門も通常に比べて好調で、関連グッズの販売も売上増加要因となりました。
取材者:営業利益につきましても、当初の業績予想から大幅に上振れて着地されたと認識しておりますが、やはりグッズや飲食の売上が大きかったという認識でよろしいですか。
回答者:はい、その認識で問題ございません。加えて、西麻布店も徐々に知名度が向上し、リピーターのお客様が多いことに加え、新規のお客様も徐々に増加しており、前年よりも売上・利益ともに増加傾向にございます。
取材者:西麻布店はリピーターのお客様が多いのですね。
回答者:はい、その通りです。宿泊施設につきましても、非常に好調とまでは言えませんが、まずまずの状況で、ビジネスマンの方のご利用が多く、日によっては満室になることもございました 。全体的に好調に推移いたしました。
取材者:貴社にとって、主要なKPI(重要業績評価指標)のようなものはございますか。
回答者:特定の指標や数値は設けておりませんが、基本的には売上高と利益をしっかりと確保していく方針でございます。
取材者:承知いたしました。次に、2026年3月期の業績見通しについてお伺いいたします。2025年3月期の業績予想としては、売上高20億5,000万円(前年比3.5%増)、営業利益3億7,000万円(前年同期比8.5%増)、経常利益3億6,500万円(前年同期比7.7%増)、当期純利益2億3,000万円(前年同期比20.4%増)と、今期と同様に増収増益の目標を設定されていますが、この見通しについてご説明いただけますか。
回答者:まず、新宿店につきましては、前年度は4月から7月までが値上げ前の実績でしたので、その分の売上・利益がプラスに寄与するという予測で全体の数値を見ております。突発的に売上・利益が増加することは想定しておらず、この範囲で新宿店が着地すると考えております。
西麻布店は、直近の発表前である4月の数値を見ると非常に好調でありました。この全体的な数値から、4月の数値の伸び率を考慮して通期を計算いたしました。西麻布店は売上・利益ともに大幅とまでは言いませんが、ある程度の増加が見込まれると予測し、発表しております。
取材者:M&Aや業務提携について、何か実施予定または検討状況がございましたら、お答えいただける範囲で教えていただけますか。
回答者:M&Aや業務提携につきましては、検討を続けております。当社に合致する機会があれば、という認識で、売上・利益に貢献できる形を模索しております。
取材者:株主還元方針について、ご変更点などございましたら教えていただけますか。
回答者:株主還元方針についてですが、今回配当を実施いたしましたので、その配当水準を維持し、さらに上乗せしていきたいと考えております。
取材者:その他、直近のトピックスやニュースリリースなどございましたら教えていただけますか。
回答者:現在のところ、特筆すべき大きな動きはございません 。今後、さまざまな動きが出てくる可能性はございます。
経理部 部長 野村嘉之様
―
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
エコナックホールディングスは、不動産事業と温浴事業を主な柱とする。不動産事業では、立地の良い物件を保有し、居住者への賃貸および子会社への物件賃貸が収益の源泉である。温浴事業は、子会社のエレナによる西麻布でのスパ・サウナ運営と、株式会社テルマー湯による新宿での温浴施設運営の二つが存在する。
創業の経緯と転機となった出来事
元々、新宿の土地は駐車場として利用されていたが、その有効活用策として温浴事業が開始された経緯を持つ。温浴事業開始以前には、化粧品の製造販売、ゴルフ場の運営、アパレル事業など多角的な事業展開を行っていたが、温浴事業が時代のニーズに合致し、現在の主要事業へと転換した。
特徴や強み
不動産事業においては、立地の良さが強みであり、高い入居率を維持し安定的な収益を確保している点が特徴である。温浴事業においても、新宿の施設は駅からのアクセスが良いことや周辺に繁華街があることが集客の大きな要因であり、立地の優位性が事業の強みとなっている。
成長戦略
現状維持では収益・売上の向上が見込めないため、経営陣は新規事業の必要性を認識している。温浴事業の多店舗展開も視野に入れているが、コロナ禍のような事態に備え、温浴事業に偏らない別事業の展開も検討している。M&Aも選択肢の一つとして考慮し、シナジーのある事業だけでなく、広い視野で様々な事業機会を検討する方針である。
直近の決算状況
今期業績は上方修正され、対前年比でも好調に推移しているものの、昨今の物価高騰などの影響もあり、直近では温浴施設の客足が鈍っている状況も見受けられる。ただし、温浴事業は一般的に冬季に売上が伸びる季節要因がある。
株主還元策
安定した収益と売上を上げ、投資家の理解を得ることが基本的な株主還元の方針である。業績回復を株主に示すため、復配を実施した。
今期の取り組みやトピックス
新宿の温浴施設が10周年を迎え、老朽化による修繕の必要が出てきている。ただし、大規模な修繕ではなく、メンテナンスを行う必要がある箇所がいくつか存在する。
Q:特徴や優位性をご説明ください。
A:当社の主な事業は不動産事業と温浴事業の二つでございます。不動産事業においては、立地の良い場所に物件を保有しており、居住者の方々が中心となっております。また、子会社への物件賃貸も重要な事業の一つです。特に住居に関しては、立地の優位性から高い入居率を維持しており、安定的な収益を確保しております。
温浴事業につきましては、子会社のエレナが西麻布でスパ・サウナ事業を、株式会社テルマー湯が新宿で温浴施設を運営しております。新宿の施設はコロナ禍で大きな影響を受けましたが、徐々に回復し、現在は安定した運営ができております。立地の良さが集客の強みであり、駅からのアクセスや周辺の繁華街が利用客増加に貢献しております。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックスなどを含む)はなんでしょうか?
A:現状維持では収益・売上の向上は見込めないため、経営陣は新規事業の必要性を認識しております。温浴事業の多店舗展開も視野に入れておりますが、コロナ禍のような事態に備え、温浴事業に偏らない別事業の展開も検討しております。M&Aも選択肢の一つとして考慮しており、シナジーのある事業だけでなく、広い視野で様々な事業機会を検討していく方針です。
Q:業績の増減要因をご説明ください。
A:業績の増減要因を一概に申し上げるのは難しい状況です。昨今の物価高騰などの影響もあり、直近では温浴施設の客足が鈍っていると感じております 。一方で、温浴事業は一般的に季節要因に影響され、寒くなる時期、具体的には12月から3月にかけて売上が伸びる傾向にあります。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主還元に関する基本的な方針としましては、安定した収益と売上を確保し、投資家の皆様にご理解いただくことを目指しております。業績の回復を株主の皆様に示すため、復配を実施いたしました。コロナ禍直前には過去最高の売上と利益を達成しており、当時から復配を検討しておりましたが、コロナ禍の影響で延期せざるを得なかったという経緯がございます。
取材者
貴社のビジネスモデル、事業内容につきまして、不動産事業と温浴事業が主な柱となっているとのことですので、改めて事業の特徴や強みなども含め、ご説明いただけますでしょうか。
回答者
承知いたしました。不動産事業からご説明いたします。不動産事業におきましては、立地の良い場所に物件を有しており、居住者の方が大半を占めている状況です。また、子会社に物件を賃貸していることも主な事業の一つです。住居につきましては、立地が良いこともあり、あまり空室が出ず、安定して収益を得ている状況です。
西麻布の物件につきましては、同じく子会社であるエレナが賃貸しており、温浴事業、具体的にはスパ・サウナの事業を展開しております。スパ・サウナにつきましては、オープンしてまだ2年ほどですが、徐々に認知度が向上しており、安定した運営ができていると考えております。
東京・新宿にも物件を有しており、こちらにつきましては、株式会社テルマー湯が賃貸しております。こちらについては、コロナ禍において大きな影響を受けましたが、徐々に収束し、ほぼ回復いたしました。しかしながら、コロナ禍前と状況が変わり、深夜帯のお客様が減少する一方で、日中の利用客が増加し、インバウンドの効果も見られるという状況です。
昨年8月に料金改定を実施しましたが、そのタイミングも良かったようで、現在のところ、株式会社テルマー湯の業績は堅調に推移しております。温浴事業の内容としては以上です。
取材者
深夜のお客様が伸び悩んでいるとのことですが、その理由についてどのようにお考えでしょうか。
回答者
新宿界隈の飲み屋街に人が少ないことが要因であると考えております。以前は、終電を逃した方が宿泊代わりに弊社の温浴施設を利用されることが多かったのですが、そのような方が少なくなっているようです。
取材者
昨今のサウナブームの影響はいかがでしょうか。温浴施設の昼間の集客に関して、近年サウナブームが顕著であるように思われますが、その影響も大きいのでしょうか。
回答者
新宿の施設は、一般的なサウナであり、特に特色があるわけではありません。そのため、サウナブームの影響はそれほど大きくないと考えております。やはり、立地の良さが集客の大きな要因であると考えております。駅からのアクセスが良いことや、周辺に繁華街があることが、多くのお客様にご利用いただいている理由です。
取材者
もともと不動産事業をされていましたが、温浴事業のような不動産の活用をされるに至った経緯について、お伺いできますでしょうか。あるいは、全く別の要因があったのでしょうか。
回答者
温浴事業に関しましては、幸運なことに、全くの別事業として開始いたしました。弊社も新宿の施設を立ち上げた際には、ノウハウが一切ない状態で、手探りで運営していたというのが実情です。
取材者
貴社の創業の経緯から、温浴事業を開始された転換点について、お教えいただけますでしょうか。
回答者
その点につきましては、私も当時重要な役職に就いていなかったため、詳しい経緯は把握しておりません。ただ、元々新宿の土地は駐車場として利用しており、月極駐車場として運営しておりました。その広い土地を有効活用するために、温浴事業が候補として挙がったと聞いております。
取材者
もともとの繊維の事業とは全く別ということでしょうか。
回答者
全く関係がありません。繊維事業につきましては、私が入社した頃から縮小傾向にあり、事業規模が小さくなっていく状況でした。いずれ、別の事業を行わないと会社として存続できないという状況に至る可能性がありました。温浴事業の前にも、様々な事業を手がけております。
様々な事業を行う中で、温浴事業が時代のニーズに合致したということです。
取材者
例えば、温浴事業が柱となる前は、どのような事業をされていたのですか。
回答者
化粧品の製造販売や、ゴルフ場の運営、アパレル事業なども行っておりました。他にも短期的にいくつか事業を試みましたが、うまくいかずに撤退したという経緯もございます。
取材者
まさに時代の変化に合わせて様々な事業を展開されていたのですね。
回答者
はい、どの事業が適切であるかを模索していたというのが実情です。
取材者
温浴事業が大きな柱となっている現在、今後の新規事業の拡大という観点からはいかがでしょうか。
回答者
現状のままでは、収益も売上も向上していかないため、何か新しい取り組みが必要であるということは、経営陣の間でも認識されています。
取材者
今後の温浴施設の店舗展開など、温浴事業の成長戦略はいかがでしょうか。
回答者
温浴事業に偏りすぎているという認識があり、多店舗展開は、施設そのものを作っていくことになるため、容易ではありません。また、コロナ禍のような突発的な事態が発生した場合、同じ事業のみでは一気に業績が悪化するリスクがあります。そのため、そういったリスクを検討しながら、多店舗化も視野に入れてはおりますが、現時点では、コロナ禍のような事態に影響されない別事業の展開も検討しております。
取材者
そのような新規事業に関して、M&Aなどは考えられていますか。
回答者
はい、M&Aも選択肢の一つとして検討しております。
取材者
シナジーのある事業だけでなく、全く別の事業であっても、良いと思われるものがあれば検討していくというお考えでしょうか。
回答者
はい、比較的広い視野で、様々な情報にアンテナを張り、機会があれば検討したいと考えております。
取材者
温浴事業についてですが、インバウンドの需要も高まっている中で、外国人の方が温浴施設を利用する際のマナーの問題など、利用者の方々が気にされる点もあるかと思います。その点についてはいかがでしょうか。
回答者
現状では、特に問題視されていることはありません。ただ、外国人の方、特に欧米の方には、刺青をされている方がいらっしゃるため、入浴をお断りせざるを得ない場合があります。そのため、すべての方にご利用いただけるわけではないという点が課題です。また、海外向けの広報活動を積極的に行っていないため、海外での認知度はまだ低いと感じています。
取材者
今後は、海外の旅行情報誌などに広告を掲載するなど、インバウンド向けの施策を検討されていますでしょうか。
回答者
具体的な計画はまだありませんが、そういったことも含めて、対策を検討してまいります。
取材者
それでは、今期の業績についてお伺いします。今期業績は上方修正をされており、対前年比でも好調に推移しているように見受けられますが、業績好調の要因について、どのようにお考えでしょうか。
回答者
業績好調の要因は、一概に申し上げるのが難しいところです。昨今、物価高騰など、様々な問題がある中で、直近ではやや芳しくない状況も見受けられます。これまでは、皆様に温浴施設をご利用いただくことが多かったのですが、ここにきて客足が鈍っていると感じております。
取材者
貴社の売上に季節性はございますか。例えば、寒くなると温泉に行かれる方が増えるといったことはございますか。
回答者
はい、一般な温浴施設と同様に、寒くなると利用客が増える傾向にあります。季節要因は大きく影響します。
取材者
やはり、冬場の方が売上は伸びるのですか。
回答者
そうですね。例年、12月、1月、2月、3月あたりが最も売上が伸びます。
取材者
貴社の温浴施設では宿泊も可能とのことですが、宿泊されるお客様は、地方から来られる方が多いのですか。それとも、先ほどおっしゃっていたように、終電を逃した方が多いのですか。
回答者
詳細な統計を取っていないため、明確なことは申し上げられませんが、感覚的には、都心、あるいは関東圏内の方が多いのではないかと考えております。
取材者
他のサウナ施設は、カプセルホテルのようなイメージが強いのですが、貴社の施設はいかがですか。
回答者
弊社の宿泊施設は、ビジネスホテルに近い形態で、出張で来られるビジネスマンの方の利用が多いです。
取材者
復配もされていますが、株主還元策について、方針などございましたらお教えいただけますでしょうか。
回答者
一般的なお話になりますが、安定した収益と売上を上げ、投資家の皆様にご理解いただくというのが基本的な方針です。ただ、人的コストの問題もあり、難しいところもあります。
取材者
今回復配されたのは、業績が回復してきたことが大きな理由なのですか。
回答者
はい、業績が回復してきたことを株主の皆様にアピールするという意図もあります。ある程度、事業の安定性が見込めたため、復配に至りました。実は、コロナ禍直前までは、過去最高の売上と利益を達成しており、その時点で復配を検討していたのですが、コロナ禍の影響で延期せざるを得なかったという経緯があります。
取材者
それでは、今期から始められたことや、業績以外でのトピックスなどはございますか。
回答者
少々ネガティブな話題で恐縮ですが、新宿の施設が10周年を迎え、老朽化が目立ってきたため、修繕の必要が出てきております。ただ、大規模な修繕というわけではなく、メンテナンスを行う必要がある箇所がいくつか出てきているという状況です。
取材者
来年の創業100周年に向けて、何かプロジェクトなどはございますか。
回答者
企画したいという思いはありますが、現在のところ、社内で具体的な話は出ておりません。
経理部 部長 野村嘉之様
―