20260910
国内機関投資家F様
【取材日】2026年9月10日
【2026年6月期(通期)】
Q1:プロパティマネジメントについて、従前はサブリースの粗利(利幅)が家賃の6〜7%ぐらいと伺っておりましたが、今でも変わらないという理解でよいですか。今の水準はどう見ておけばよいでしょうか。
A1:以前に比べれば上がっています。この数年、コロナ禍で一旦家賃の上昇を抑えましたが、明けた後に募集家賃を高めに設定して募集しており、これが粗利の上昇に寄与しています。
Q2:賃貸管理の契約の取り方について、マンション建設の時に、一部入札もあるがほとんどが建設段階からの直接の指名で管理契約を取れているとの理解でよいですか。
A2:基本的に開発の段階で、当社にこの賃料でできるのかという形で提案が来ますので、全部ではありませんが、競争の中で当社を選んでいただく形です。建築の段階からお話をいただくケースは結構多いです。
Q3:管理件数が順調に伸びていますが、今後の伸び率として中計の中では管理件数はどのように伸びる計画ですか。
A3:新築の不動産建築が足元で止まってきていますが、デベロッパーは作っていかないと商売にならないので開発は続けていただいています。当社としては、それ以外のオーナーも含めて新規開拓を進めており、管理戸数は着実に純増させていく方針です。通期実績として管理戸数は28,427戸(+1,073戸)です。2027年6月期は、管理戸数の着実な純増と入居率98%台の維持により1戸当たり収益を改善する方針です。
Q4:戸数を伸ばすにあたってDXシステムの活用で利益も取れるようになっているとのことですが、他社と何が違うのかもう少し具体的に教えてください。
A4:当社は「AMBITION Cloud」というDXシステムを使っており、まずオンラインで物件の申し込みを受け付けられる点が強みです。通常の管理会社は電話でのやり取りが中心で、営業時間外は連絡が取れなくなりますが、当社のシステムは24時間稼働しているため、仲介会社が空き確認や申込状況をいつでも確認でき便利です。入居審査の進捗もオンラインで一目でわかり、不足書類の連絡などもオンラインで完結するためスピーディーで、仲介会社のストレスも少ないです。また、重要事項説明や契約も当社独自の電子契約システムでオンライン完結できます。内装チェック(退去後のルームクリーニング等)も、業者と写真・動画でオンラインでやり取りしています。こうした業務効率化により、従業員1人当たりの契約件数が以前は月間100件程度だったのが、現在は月間300件程度こなせるレベルに変わっています。株主総会想定問答でも、1人が担当できる管理戸数は360戸(業界平均50戸の7倍)とお示ししています。
Q5:このAMBITION Cloudは無償提供なのですか。どういった形での提供ですか。
A5:仲介会社さんは基本的に当社のサイトで申し込みをするため、当社の管理物件を決めていただく関係づくりを優先し、無償で提供しています。当社が管理している物件のみがこのクラウド上に入っており、他社物件を当社のクラウドを使って決める場合は手数料をいただきます。2019年頃にこのシステムに切り替えた当初はアナログな不動産会社も多く使いたがらない方もいましたが、時代の変化で若い方はオンラインの方がやりやすく、言った言わないのトラブルも記録で残るため改善しています。
Q6:賃貸管理で家賃保証(サブリース)も一部されていたと思いますが、現状はいかがですか。
A6:サブリース(家賃保証)物件は、管理戸数28,427戸のうちサブリース管理戸数が16,437戸で、半分以上を占めています。サブリースは、オーナー様の状況にかかわらず当社が保証した賃料を支払い、それ以上の賃料を市場で受け取れればその差額が利益になる仕組みです。
Q7:サブリースのいいところと悪いところ(リスク)をお聞かせください。
A7:リスクとしては、管理物件の入居者が決まらず入居率が悪化すれば、当社が保証しているため逆ざやで損をするケースもあります。少子化などネガティブな見方もありますが、東京都内のしっかりした物件については外国人の流入なども含め需要があり、入居率は問題ありません。上場当初は入居率95%程度でしたが、物件数(分母)が増えたにもかかわらず、DX効果もあって現在は入居率が98.4%まで高まっています(業界平均90.5%)。
Q8:転貸差益というのは、保証していた家賃より収益が上がった場合だと思いますが、これは家賃交渉で上げられたのですか、あるいは想定より入居率が高かったのですか。
A8:家賃(賃料)が上がっていることによるものです。
Q9:外国人の入居も以前伺いましたが、今もだいぶ増えてきている状況ですか。
A9:コロナ期間中に比べれば増えています。ただ中国系の方々が少し引いていることもありますが、日本人のお客様だけで十分ご支持いただいており、入居率に関しては問題ありません。ストックビジネスこそが当社の生命線です。なお外国人入居比率は2026年6月末時点で15.19%です。
Q10:仲介については売上金額的にはそれほど大きくないようですが、現状と今後の見通しを教えてください。
A10:仲介店舗の位置づけは、まず当社の管理物件を最優先で決めていくことです。通期実績として、賃貸仲介事業はセグメント売上10.83億円、セグメント利益0.78億円(前期比44.2%増)です。「ラクテック」というRPA・AIを使ったデータ入力の一括システムがあり、SUUMOやHOME'Sへの物件情報掲載は通常、不動産会社が1件10〜20分かけて手入力しますが、これをボタン一つで一括入力できるようにしたものです。当社グループの仲介店舗はみなこれを使っており、データ入力の時間が大幅に削減され、大きな利益改善要因になっています。
Q11:仲介店舗自体は数をあまり増やさない形でできるのですか。
A11:今のところ大きく増やすつもりはありません。ただ直近では福岡で法人開拓を進めており、法人のお客様が増えてきたこともあって、福岡に1店舗出店しました。店舗は都内6・神奈川8・埼玉2・福岡1の計17店舗です。
Q12:売買DXインベストメントについて、価値の高い物件をあまり安売りせずゆっくり売ったため後ろずれになったとのことですが、現状どういったところを重視して仕入れを行っていますか。
A12:仕入れには非常にこだわっており、都内の良いエリア(都内以外では横浜エリアなど)の本当に価値がある物件しか仕入れません。賃貸管理・売買の実績があるエリアにこだわり、相場より安い金額でしっかり仕入れています。仕入れ後にリノベーションをかけて市場価値が高まるようにして提供しています。現在は富裕層向けの高額物件が主体です。これは、買取再販をしている業者(ムゲンエステート、インテリックス、スター・マイカ等)が一般的な物件で競争しており、同じ価格帯を狙っても仕入れ・募集競争で一番になれないため、プレイヤーの少ない富裕層向けにシフトした方が勝機があると考え、数年前からこの方針で事業をしているためです。
Q13:高額物件とはどれくらいの価格帯ですか。
A13:現在ご紹介している物件だと、区分で1部屋20億や10億といった物件も取り扱っています。普通の価格帯に比べるとお客様の層は限られますが、当社を含めたプレイヤーが少ないため、そこにチャンスを見出して事業をしています。
Q14:前回伺ったときは平均価格4,000万〜5,000万円でしたが、足元では平均でも1億を超えるくらいの価格になっています。前期から後ろずれになった物件はどれくらいのタイミングで販売できる計画ですか。
A14:今期中に売却する考えです。利益をある程度確保したいところもあり、昨年の年度末のようにほぼ利益のない形で売ればさばけるのですが、せっかく利幅を持って仕入れた物件なので安売りしたくなかったのが正直なところです。今期も早いうちに売りさばきたい一方、高額物件は検討されるお客様が申し込みはしても契約に至らないケースが結構あります。理由は、銀行ローンが高額になり想定ほど融資が出ない、あるいは富裕層でもそれなりのキャッシュを出したくないといったことです。ただ、昨年の売り残し分は年内に決めておかないとまずいので、最終段階では利幅がかなり少なくなっても売っていくスタンスです。
Q15:今期の仕入れは意義が(順調に)立っていますか。
A15:前期に比べ、BS上でも仕掛販売用不動産がかなり増えています。前期末比で約70億円増えており、売るラインナップは揃えています。価値がありいつでも成約できる物件という点はぶらさず、さらに仕入れを伸ばしていきたいと考えています。通期実績として販売用不動産は前期末比68.71億円増の210.18億円です。
Q16:今募集をかけている物件について、若干価格帯は下がる可能性はありますか。
A16:様子を見ながら、この価格なら早く決めてくれるだろうという程度の値下げや価格の見直しは随時行っています。
Q17:リノベーションコストがかなり上がっている状況だと思いますが、価格転嫁はできるのでしょうか、あるいは違う策を取りますか。これは利益率が押し下げられる要因になるのでしょうか。
A17:価格転嫁も十分取れる仕入れをしています。原材料費の上昇や工期の長期化のケースもあり一概には言えませんが、利益率(利益額)については、良い物件を仕入れて適正な価格で販売することで利益を取っていく形です。先日「タワマンダイレクト」というYouTubeでPRを始め、既に何万再生も来ており、当社のこだわったリノベーションに興味を持っていただいていると感じています。クローゼット部分を富裕層向けにブティックのようにするなど、ターゲット層に刺さる工夫を凝らしており、それなりの価格でリノベーションしています。プレイヤーも購入希望者も少ない中でやっているため、検討に多少時間がかかる難しさはありますが、長年やってきた経験から価格の落とし所や交渉の場数は積んでいます。
Q18:DXシステムの外販はどのように提供されていますか。
A18:仲介会社向けの「ラクテック」(データ入力システム)を仲介会社にどんどん提供しています。取引社数は以前より増えてきています。また「Property AI STUDIO」(AIを使ったサービス)も既に市場に提供しており、使用会社が増えています。いずれもストック型で、月額数万円のサブスクでいただく形です。金額はまだ小さいものです。
Q19:将来的にAMBITION Cloud(賃貸管理システム)も不動産会社向けに横展開していく予定ですか。
A19:そう考えています。不動産会社に提供するには基幹システムごと当社で作る必要性を感じており、今ちょうど基幹システムを社内で作り始めています。これが完成したら当社だけでなく他社も使えるような仕組みで構築しており、横展開していきたいと考えています。
Q20:この基幹システム等の開発費は今後も増えてくると考えてよいですか。
A20:開発は必要不可欠なものなので、しっかり使うべきものだと考えています。バージョンアップしながら時代に合わせた最先端のものを作り上げていきたく、それなりのコストとして毎年数億円かけてやっていきます。
Q21:一方で広告費は以前よりも少し低いレベルなのではと思いますが、いかがですか。
A21:おっしゃる通りです。社内でマーケティング人材を育成しており、この人材によってコストが削減されています。マーケティングは非常に重要だと考えており、企画などはAIを使いながらも人が重要だと考えています。将来的にはマーケティング部門を大きくしたり、よそでマーケティング会社を買ってくることも考えています。SNSマーケティングにかなり力を入れています。
Q22:従業員数の今後の伸びはどのように計画なさっていますか。
A22:新陳代謝もあり、部門や会社が増えるたびに人は増えます。特にM&Aを積極的に展開すると人材も増えるため、増加傾向で規模を大きくしていくつもりです。ただ、411人だったのが来年1000人になるようなことは考えておらず、生産性を上げることを重視します。理想としては、400人で売上540億円のところを、極端に言えば100人で540億円を上げる集団にしていきたい。人を増やすほど生産性も上げていき、その時には規模も大きくしていく考えです。通期末の連結従業員数は417名です。
Q23:配当について、DOEだと現状の配当で利回り8%程度かと思いますが、最低5%など何か基準を定めていますか。
A23:配当額という部分で考えており、最低でも前期よりは上げていきたく、右肩上がりで上げられる形を考えています。配当性向という形だとそこに縛られてしまうため、額というところにこだわりを持ってやっていきたいと考えています。今後はDOE(純資産配当率)を基準とした累進配当方針を導入し、引き上げた配当水準を原則として維持・向上させる方針です。目標とするDOEの水準は今後の経営会議での決定を経て別途開示いたします。2027年6月期予想は112円で7期連続増配となります。
・資料
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(株)アンビションDXホールディングス
東証GRT 3300
決算:6月末日
国内機関投資家F様
【取材日】2026年9月10日
【2026年6月期(通期)】
Q1:プロパティマネジメントについて、従前はサブリースの粗利(利幅)が家賃の6〜7%ぐらいと伺っておりましたが、今でも変わらないという理解でよいですか。今の水準はどう見ておけばよいでしょうか。
A1:以前に比べれば上がっています。この数年、コロナ禍で一旦家賃の上昇を抑えましたが、明けた後に募集家賃を高めに設定して募集しており、これが粗利の上昇に寄与しています。
Q2:賃貸管理の契約の取り方について、マンション建設の時に、一部入札もあるがほとんどが建設段階からの直接の指名で管理契約を取れているとの理解でよいですか。
A2:基本的に開発の段階で、当社にこの賃料でできるのかという形で提案が来ますので、全部ではありませんが、競争の中で当社を選んでいただく形です。建築の段階からお話をいただくケースは結構多いです。
Q3:管理件数が順調に伸びていますが、今後の伸び率として中計の中では管理件数はどのように伸びる計画ですか。
A3:新築の不動産建築が足元で止まってきていますが、デベロッパーは作っていかないと商売にならないので開発は続けていただいています。当社としては、それ以外のオーナーも含めて新規開拓を進めており、管理戸数は着実に純増させていく方針です。通期実績として管理戸数は28,427戸(+1,073戸)です。2027年6月期は、管理戸数の着実な純増と入居率98%台の維持により1戸当たり収益を改善する方針です。
Q4:戸数を伸ばすにあたってDXシステムの活用で利益も取れるようになっているとのことですが、他社と何が違うのかもう少し具体的に教えてください。
A4:当社は「AMBITION Cloud」というDXシステムを使っており、まずオンラインで物件の申し込みを受け付けられる点が強みです。通常の管理会社は電話でのやり取りが中心で、営業時間外は連絡が取れなくなりますが、当社のシステムは24時間稼働しているため、仲介会社が空き確認や申込状況をいつでも確認でき便利です。入居審査の進捗もオンラインで一目でわかり、不足書類の連絡などもオンラインで完結するためスピーディーで、仲介会社のストレスも少ないです。また、重要事項説明や契約も当社独自の電子契約システムでオンライン完結できます。内装チェック(退去後のルームクリーニング等)も、業者と写真・動画でオンラインでやり取りしています。こうした業務効率化により、従業員1人当たりの契約件数が以前は月間100件程度だったのが、現在は月間300件程度こなせるレベルに変わっています。株主総会想定問答でも、1人が担当できる管理戸数は360戸(業界平均50戸の7倍)とお示ししています。
Q5:このAMBITION Cloudは無償提供なのですか。どういった形での提供ですか。
A5:仲介会社さんは基本的に当社のサイトで申し込みをするため、当社の管理物件を決めていただく関係づくりを優先し、無償で提供しています。当社が管理している物件のみがこのクラウド上に入っており、他社物件を当社のクラウドを使って決める場合は手数料をいただきます。2019年頃にこのシステムに切り替えた当初はアナログな不動産会社も多く使いたがらない方もいましたが、時代の変化で若い方はオンラインの方がやりやすく、言った言わないのトラブルも記録で残るため改善しています。
Q6:賃貸管理で家賃保証(サブリース)も一部されていたと思いますが、現状はいかがですか。
A6:サブリース(家賃保証)物件は、管理戸数28,427戸のうちサブリース管理戸数が16,437戸で、半分以上を占めています。サブリースは、オーナー様の状況にかかわらず当社が保証した賃料を支払い、それ以上の賃料を市場で受け取れればその差額が利益になる仕組みです。
Q7:サブリースのいいところと悪いところ(リスク)をお聞かせください。
A7:リスクとしては、管理物件の入居者が決まらず入居率が悪化すれば、当社が保証しているため逆ざやで損をするケースもあります。少子化などネガティブな見方もありますが、東京都内のしっかりした物件については外国人の流入なども含め需要があり、入居率は問題ありません。上場当初は入居率95%程度でしたが、物件数(分母)が増えたにもかかわらず、DX効果もあって現在は入居率が98.4%まで高まっています(業界平均90.5%)。
Q8:転貸差益というのは、保証していた家賃より収益が上がった場合だと思いますが、これは家賃交渉で上げられたのですか、あるいは想定より入居率が高かったのですか。
A8:家賃(賃料)が上がっていることによるものです。
Q9:外国人の入居も以前伺いましたが、今もだいぶ増えてきている状況ですか。
A9:コロナ期間中に比べれば増えています。ただ中国系の方々が少し引いていることもありますが、日本人のお客様だけで十分ご支持いただいており、入居率に関しては問題ありません。ストックビジネスこそが当社の生命線です。なお外国人入居比率は2026年6月末時点で15.19%です。
Q10:仲介については売上金額的にはそれほど大きくないようですが、現状と今後の見通しを教えてください。
A10:仲介店舗の位置づけは、まず当社の管理物件を最優先で決めていくことです。通期実績として、賃貸仲介事業はセグメント売上10.83億円、セグメント利益0.78億円(前期比44.2%増)です。「ラクテック」というRPA・AIを使ったデータ入力の一括システムがあり、SUUMOやHOME'Sへの物件情報掲載は通常、不動産会社が1件10〜20分かけて手入力しますが、これをボタン一つで一括入力できるようにしたものです。当社グループの仲介店舗はみなこれを使っており、データ入力の時間が大幅に削減され、大きな利益改善要因になっています。
Q11:仲介店舗自体は数をあまり増やさない形でできるのですか。
A11:今のところ大きく増やすつもりはありません。ただ直近では福岡で法人開拓を進めており、法人のお客様が増えてきたこともあって、福岡に1店舗出店しました。店舗は都内6・神奈川8・埼玉2・福岡1の計17店舗です。
Q12:売買DXインベストメントについて、価値の高い物件をあまり安売りせずゆっくり売ったため後ろずれになったとのことですが、現状どういったところを重視して仕入れを行っていますか。
A12:仕入れには非常にこだわっており、都内の良いエリア(都内以外では横浜エリアなど)の本当に価値がある物件しか仕入れません。賃貸管理・売買の実績があるエリアにこだわり、相場より安い金額でしっかり仕入れています。仕入れ後にリノベーションをかけて市場価値が高まるようにして提供しています。現在は富裕層向けの高額物件が主体です。これは、買取再販をしている業者(ムゲンエステート、インテリックス、スター・マイカ等)が一般的な物件で競争しており、同じ価格帯を狙っても仕入れ・募集競争で一番になれないため、プレイヤーの少ない富裕層向けにシフトした方が勝機があると考え、数年前からこの方針で事業をしているためです。
Q13:高額物件とはどれくらいの価格帯ですか。
A13:現在ご紹介している物件だと、区分で1部屋20億や10億といった物件も取り扱っています。普通の価格帯に比べるとお客様の層は限られますが、当社を含めたプレイヤーが少ないため、そこにチャンスを見出して事業をしています。
Q14:前回伺ったときは平均価格4,000万〜5,000万円でしたが、足元では平均でも1億を超えるくらいの価格になっています。前期から後ろずれになった物件はどれくらいのタイミングで販売できる計画ですか。
A14:今期中に売却する考えです。利益をある程度確保したいところもあり、昨年の年度末のようにほぼ利益のない形で売ればさばけるのですが、せっかく利幅を持って仕入れた物件なので安売りしたくなかったのが正直なところです。今期も早いうちに売りさばきたい一方、高額物件は検討されるお客様が申し込みはしても契約に至らないケースが結構あります。理由は、銀行ローンが高額になり想定ほど融資が出ない、あるいは富裕層でもそれなりのキャッシュを出したくないといったことです。ただ、昨年の売り残し分は年内に決めておかないとまずいので、最終段階では利幅がかなり少なくなっても売っていくスタンスです。
Q15:今期の仕入れは意義が(順調に)立っていますか。
A15:前期に比べ、BS上でも仕掛販売用不動産がかなり増えています。前期末比で約70億円増えており、売るラインナップは揃えています。価値がありいつでも成約できる物件という点はぶらさず、さらに仕入れを伸ばしていきたいと考えています。通期実績として販売用不動産は前期末比68.71億円増の210.18億円です。
Q16:今募集をかけている物件について、若干価格帯は下がる可能性はありますか。
A16:様子を見ながら、この価格なら早く決めてくれるだろうという程度の値下げや価格の見直しは随時行っています。
Q17:リノベーションコストがかなり上がっている状況だと思いますが、価格転嫁はできるのでしょうか、あるいは違う策を取りますか。これは利益率が押し下げられる要因になるのでしょうか。
A17:価格転嫁も十分取れる仕入れをしています。原材料費の上昇や工期の長期化のケースもあり一概には言えませんが、利益率(利益額)については、良い物件を仕入れて適正な価格で販売することで利益を取っていく形です。先日「タワマンダイレクト」というYouTubeでPRを始め、既に何万再生も来ており、当社のこだわったリノベーションに興味を持っていただいていると感じています。クローゼット部分を富裕層向けにブティックのようにするなど、ターゲット層に刺さる工夫を凝らしており、それなりの価格でリノベーションしています。プレイヤーも購入希望者も少ない中でやっているため、検討に多少時間がかかる難しさはありますが、長年やってきた経験から価格の落とし所や交渉の場数は積んでいます。
Q18:DXシステムの外販はどのように提供されていますか。
A18:仲介会社向けの「ラクテック」(データ入力システム)を仲介会社にどんどん提供しています。取引社数は以前より増えてきています。また「Property AI STUDIO」(AIを使ったサービス)も既に市場に提供しており、使用会社が増えています。いずれもストック型で、月額数万円のサブスクでいただく形です。金額はまだ小さいものです。
Q19:将来的にAMBITION Cloud(賃貸管理システム)も不動産会社向けに横展開していく予定ですか。
A19:そう考えています。不動産会社に提供するには基幹システムごと当社で作る必要性を感じており、今ちょうど基幹システムを社内で作り始めています。これが完成したら当社だけでなく他社も使えるような仕組みで構築しており、横展開していきたいと考えています。
Q20:この基幹システム等の開発費は今後も増えてくると考えてよいですか。
A20:開発は必要不可欠なものなので、しっかり使うべきものだと考えています。バージョンアップしながら時代に合わせた最先端のものを作り上げていきたく、それなりのコストとして毎年数億円かけてやっていきます。
Q21:一方で広告費は以前よりも少し低いレベルなのではと思いますが、いかがですか。
A21:おっしゃる通りです。社内でマーケティング人材を育成しており、この人材によってコストが削減されています。マーケティングは非常に重要だと考えており、企画などはAIを使いながらも人が重要だと考えています。将来的にはマーケティング部門を大きくしたり、よそでマーケティング会社を買ってくることも考えています。SNSマーケティングにかなり力を入れています。
Q22:従業員数の今後の伸びはどのように計画なさっていますか。
A22:新陳代謝もあり、部門や会社が増えるたびに人は増えます。特にM&Aを積極的に展開すると人材も増えるため、増加傾向で規模を大きくしていくつもりです。ただ、411人だったのが来年1000人になるようなことは考えておらず、生産性を上げることを重視します。理想としては、400人で売上540億円のところを、極端に言えば100人で540億円を上げる集団にしていきたい。人を増やすほど生産性も上げていき、その時には規模も大きくしていく考えです。通期末の連結従業員数は417名です。
Q23:配当について、DOEだと現状の配当で利回り8%程度かと思いますが、最低5%など何か基準を定めていますか。
A23:配当額という部分で考えており、最低でも前期よりは上げていきたく、右肩上がりで上げられる形を考えています。配当性向という形だとそこに縛られてしまうため、額というところにこだわりを持ってやっていきたいと考えています。今後はDOE(純資産配当率)を基準とした累進配当方針を導入し、引き上げた配当水準を原則として維持・向上させる方針です。目標とするDOEの水準は今後の経営会議での決定を経て別途開示いたします。2027年6月期予想は112円で7期連続増配となります。
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