top of page
アンビションDXホールディングス_logo2.png

(株)アンビションDXホールディングス

東証GRT 3300

決算:6月末日

20260917

国内機関投資家B様

 

【取材日】2026年9月17日

【2026年6月期(通期)】

 

Q1:前期が少し下振れだったかと存じますが、全体感や要因をお聞かせください。

 

A1:前期は前年対比で売上高も営業利益も上がりましたが、当初計画していた数字からは落とした形になりました。主な要因は、売買DXの買取再販事業で売却が進まなかったことです。利益が出る大型案件があり、利益を度外視して値段を大きく下げれば売却できないこともなかったのですが、そもそも利益が出る物件なので、ここで売り切るのはやめようと判断しました。売上重視で売却しても営業利益は確保できない形になるため、それなら来期に利益を乗せようということで、この形を取りました。通期実績として、売買DXインベスト事業は売上高279.16億円(前期比0.5%減)・セグメント利益36.29億円(同5.3%減)、売却戸数267戸(前年同期比93戸減)で、当該物件は期末時点で販売用不動産として保有しており、翌期に売却を進めてまいります。

 

 

Q2:前期は環境として厳しかったのでしょうか、それとも個別案件・顧客都合によるものでしょうか。

 

A2:高額案件については、顧客都合を理由にはしたくないのが本音ですが、中華系の方々のビザの関係で、すぐ購入いただいていた方が本国に戻ってしまったところは正直ありました。その分カバーリングはしてきたつもりですが、インベスト事業は前年対比でほぼ横ばいです。また、計画をストレッチさせすぎたのは事実で、当初の計画(中計の上方修正)で考えれば悪くない数字ですが、ストレッチを効かせすぎたというのが結局のところです。

 

 

Q3:20%増益で前期の48億の利益水準からまた増益というところですが、少し流れた物件もあって、このハードルの高さ・低さはいかがでしょうか。

 

A3:そう思われてしまうと思いますが、今期については、固く必ず達成するという考えです。普通に計画通り進めば上振れする可能性は大きいと見ています。

 

 

Q4:中計を出せなくなった理由もこの辺にあるのでしょうか。

 

A4:中計は直前まで出そうと思っていました。ただ、この3年間の株価推移を見ると、ストレッチを効かせた中計を出してそれを超えても株価が反応せず、さらに上方修正でストレッチをかけて業績も残してきたのに株価が上がらない。だったら、普通の計画で上方修正していく形でよいのではないかと考えました。もちろん会社として野心的な目標を持たないわけではなく、営業利益100億円は近い将来にやり抜くつもりです。ただ、変にストレッチをかけて社内外にプレッシャーをかけ、達成しても株価に反映されないという状況がありました。当社は3か年の中期経営計画として売上高・利益の数値目標を開示する方法を取りやめ、経営の軸足を「規模の拡大」から資本効率の追求(高ROE)と株主還元の拡充(DOE)へ移しています。

 

 

Q5:営業利益100億円はいつ頃達成なさるイメージでしょうか。

 

A5:中長期の方向性として203X年6月期に営業利益100億円を目指しており、できるだけ早い段階で達成しようと事業を推進しています。

 

 

Q6:2024年8月に中計を開始してその後、新中期で塗り替えはなさっていませんか。26年48億営業利益の目標はそのままでしょうか。

 

A6:新中期計画として、前期で中計期間を区切り、新たに設定したものです。なお、当社は3か年の中期経営計画として売上高・利益の数値目標を開示する方法を取りやめており、今後の開示は「事業計画及び成長可能性に関する事項」の更新という形で行ってまいります。

 

 

Q7:プロパティマネジメントについて、前期の第4四半期あたりでの進捗・状況をお聞かせください。

 

A7:プロパティマネジメントは順調に利益を大幅に上げています。主な要因は、数年かけてやってきた家賃の上昇(交渉しながら家賃を上げ、粗利が増えている)と、AI・DXを使った独自システムの活用による業務改善・利益改善です。通期実績として、プロパティマネジメント事業はセグメント売上236.56億円(前期比9.3%増)・セグメント利益31.69億円(同31.4%増)、入居率は98.4%で、業界平均90.5%を大きく上回っています。管理戸数が増えるほど分母が増えて入居率は通常悪くなりますが、DX効果で1日の契約件数が過去以上にこなせるようになり、逆に入居率が高まっています。

 

 

 

Q8:サブリースの管理戸数は前期でどれくらい増えましたか。

 

A8:管理戸数全体で1,073戸、サブリース管理戸数で816戸の増加です(通期実績として管理戸数28,427戸、サブリース管理戸数16,437戸)。昨今、建築費・土地の高騰でデベロッパーの建築が少なくなってきている中での増加です。

 

 

Q9:今までは基本は新築で建てたところに営業をかける感じだったのでしょうか。また、中古への注力状況はいかがですか。

 

A9:新築物件は今まで同様あるいは今まで以上に力を入れますが、中古の管理物件も特に取ろうという形で部門を作りながらかなり力を入れています。既存の取引だけでも、物件管理を任せるならしっかり入居者をつけてくれるアンビションだという形で取引してきましたが、新築完成物件の減少もあり、中古にも目を向けています。

 

 

Q10:デベロッパーが建てて入居者づけを御社に依頼するという流れですか。

 

A10:完成する前から案件が来ます。新築物件の場合、当社がこの賃料で決めるとなれば、販売する会社(投資マンションの会社)も金融機関とのやり取りの中で、例えば10万円の物件を11万円で決めてくれるならこの価格で売れて利益も取れる、という形です。不動産会社が「12万円で決まる」と売って入居者がつかず苦労するケースもありますが、当社は完全保証のサブリース(家賃保証)なので、11万で保証すると言えば売れやすくなります。

 

 

Q11:残りの戸数はサブリースではなく集金代行ですか。

 

A11:そうです。集金代行は、当社が保証するのではなく、入居者をつけたら手数料(家賃の2〜3%程度)が入ってくる形です。サブリースは、例えば10万円で保証した物件を12万・13万でつければ差益になります。集金代行では11万・12万で決めても2〜3%(数千円)しか入りません。集金代行になるパターンは基本的に不動産リートで、リートは新築時から一番高い家賃で設定して売却するため(サブリース保証が難しい)です。

 

 

Q12:サブリースに依頼される会社は投資マンションを作っている不動産会社ですか。

 

A12:そうです。上場会社で言えばグッドコムアセット、シノケン、グローバルリンクなど投資マンションの不動産会社です。それ以外にもたくさんあります。また不動産リートだとモルガン・スタンレーなど、リートの物件を扱う会社から依頼が来ます。

 

 

Q13:賃貸管理(サブリース)を事業としてやっている上場会社は他にあまりいないのでしょうか。

 

A13:財閥系の会社ぐらいで、投資マンションのサブリースという形ではほとんどないと思います。あるとすれば自社で管理もしてしまう(自分で売って自分で管理を増やす)パターンです。委託でこれを事業としてやっている会社はあまりいません。もともとグッドコム、シノケンなどは入居者を決めようとしても決まらないので、だったら外に出そう(自社で決められないなら)と。売る方が大事で、入居者がつかないと利回りも確定せず家賃の持ち出しが毎月かかるので、しっかり保証して家賃を確保できる会社に任せようという流れです。当社はこの道20年やっておりノウハウがあり、相場ではわからない現場の部分(エリアごとの間取り別の賃料が取れる水準等)を独自に蓄積しています。

 

 

Q14:自前で管理物件を決める仕組みもあるのでしょうか。

 

A14:リーシング力という形で、自前で自社の管理物件を決める仕組みも作っています。子会社のアンビション・エージェンシー、アンビション・バローという会社があり、都内・神奈川に十数店舗あります。自社のスタッフが自社の管理物件を決めるため、お客様に優先的に当社の管理物件を紹介するスキームができており、ここもDXシステムを使っている点が強みです。

 

 

Q15:ビジネスモデルとしてはレオパレスのような感じですか。

 

A15:レオパレスも自社で仲介を持ち、自社で作った物件を自社の仲介につけて自社でサブリースしています。当社もヴェリタス・インベストメント(投資用ワンルームマンションを開発)でそういうイメージですが、他社が作った物件を当社が管理を取るという流れもあります。

 

 

Q16:第4四半期は管理個数・サブリースが少し横ばい(鈍化)でしたが、その要因は何ですか。

 

A16:解約が出たりする(オーナーの都合、物件売却など)ので出っ込み引っ込みはありますが、トータルで年間1,000戸増えています。もともと1,000戸ほどの計画で、できれば1,000戸以上上げたかったのが正直なところですが、施工がかなり少なくなってきています。今期は新築は今まで通り、プラスアルファで中古にも力を入れています。

 

 

Q17:中古市場は新築より大きいのでしょうか。今管理を任せている会社から御社に変更してもらう形ですか。

 

A17:中古の方がはるかに大きいです。今管理を任せている会社を当社に変更してもらう形です。自社(地場)もそうですし、地場でないところでも入居率で悩んでいる方が結構います。当社は98.4%という入居率で、皆さん90数%で満足していますが、それ以上に入居率が高まれば実入りも増えるので喜んでいただけます。

 

 

Q18:日本管理センターのような会社との違いは何ですか。

 

A18:日本管理センターはアパートがメインで地方の物件が中心です。買収で上場廃止になったと思いますが、地方も売りたかったのだろうと思います。個数(借り個数)でいうと日本管理センターの方が多く、物件の質や地方での空室率リスクで考えるとはるかに当社の方が高く、単純な比較対象にはなりません。レオパレスや日本管理センターは基本的に地方・郊外ですが、当社は都心中心です。買収の打診が来ても受け付けていません。都心でこういう形で突貫でやりつつ上場しているのは当社ぐらいだと思います。

 

 

Q19:今期の管理戸数の目線・目標はどれくらいですか。

 

A19:前年以上を目指しています。社内的には相応に大きな管理戸数を目指しており、環境的に難しい面はありますが、そうした状況下でも管理戸数を着実に増やしていく方針です。(具体的な目標戸数は開示していません。)

 

 

Q20:新築が減ると家賃も上げやすく、管理戸数を増やしていける環境の方が収益的には良いのでしょうか。

 

A20:安定していきます。当社のように入居率に自信を持っている会社だと、管理を取ってお客様に入居いただければ、粗利率とは別に利益額はどんどん積み上がっていきます。普通の売買をやっている会社と比べ、当社は景気に翻弄されないのが強みで、大きな事故が起こっても、売買は多少痛みますが、この管理がある限り会社として揺るぎません。

 

 

Q21:第1四半期のスタートは、第4で管理戸数が減っているので少し落ちる感じになるのでしょうか。

 

A21:第1四半期(7〜9月)は業界で一番お客様が少ない閑散期です。プロパティマネジメントもそこは例に漏れず多少下がると思いますが、大きな下げはありません。契約が少ないと初期費用の礼金収入が減ります。家賃収入は安定してきていますが、新たに募集・契約した際の礼金収入などが減るため、第1〜第4のうち一番数字が下振れするのがプロパティマネジメントです。前年の第1四半期と比較すると増えますが、直近の第4と比較すると落ちてくる可能性があります。

 

 

Q22:インベストについて、今期はプロパティマネジメントが安定的に10%ぐらい伸びるイメージだと思いますが、インベストもそれぐらい伸びる見込みですか。

 

A22:インベストは大きなドライバーなので、順調に売却が進めば大幅な利益になります。昨年度よりインベストで抱えている在庫が多く、去年に比べて決算時期の在庫が約70億円増えています。ただ同じ轍は踏まないよう慎重を期しています。通期実績として販売用不動産は前期末比68.71億円増の210.18億円で、前期も前々期から比較すると同程度増えていました。2027年6月期の連結業績予想は、売上高600億円(前期比10.8%増)、営業利益51億円(同23.6%増)です。

 

 

Q23:中華系顧客の影響について、実需と投資用それぞれの状況はいかがですか。

 

A23:両方同じぐらいですが、投資用マンションの場合は外国人は関係なく、お客様は日本人です。

 

 

Q24:客層はどのあたりでしょうか。金利上昇の影響はありますか。

 

A24:今までは年収500万円以上の方(お医者さんなど)をターゲットにしていましたが、金利が上がった影響が大きいです。東京のワンルームで家賃10万・11万ぐらいの物件で、今まで手出し(自分がローンで支払う金額)が2〜3万で済んでいたのが、金利が急激に上がって持ち出しが13万・14万になったりします。そうなると買い増しができない。今までは毎月1万円の持ち出しで資産が持てると売っていましたが、2万円になると年収500万ぐらいの方には財布として大きいので、社内でも年収のボーダーを上げようか検討しています。実需・投資用どちらも同じような展開ですが、実需は自分が住む部屋なので享受できる方もいる一方、投資用マンションは自分は住まずオーナーとして保有するので金利影響が出やすいところがあります。

 

 

Q25:金利の部分は前期の厳しかった要因としてあったのでしょうか(投資用マンションの方)。

 

A25:投資用マンションは前期はそこまで金利の影響はなく、金利が本格的に効いてきたのは最近なので、想定しながらやっています。当社の投資用マンションはいいエリアでクオリティの高い物件を作っており、土地の仕入れ部隊も他社に比べていい金額で仕入れができます。この時期は各社が売上利益を上げるために離れた土地や高い土地も買っていかざるを得ませんが、当社は賃貸管理も買取再販もあるので、無理して買うことはないと指示しています。利益が出ない可能性がある土地をわざわざ買う必要はありません。2年寝かせる間に建築費もガラッと変わるので、トータルで判断します。ただ仕入れを全くやめるわけではなく、年間2〜3棟はしっかり仕込んで上物を建ててやっています。

 

 

Q26:今期の投資用(ワンルーム開発)の引き渡し・竣工スケジュールはいかがですか。

 

A26:昨年同様、年度末(第4クォーター)に集中してくる計画です。前期はこの要因(ヴェリタス)というより買取再販の方で少し見立てた(期ずれした)ところです。

 

 

Q27:買取再販について、ターゲット(年収水準)を上げていく戦略で需要を吸収していける感じですか、また、その場合の販売への影響はいかがですか。

 

A27:あくまで予想ですが、十分決まっていけると思っています。去年と同じ轍を踏まないよう、去年はギリギリまでマックスの利益に近い形で引っ張りすぎたところがあるので、途中で例えば利益が半分になっても売るという戦略で、月に何回か進捗を見ながら値段の改定をしています。

 

 

Q28:買取再販(リノベ)で中華系の割合はどれくらいですか。

 

A28:中華系は今でも来ていますが少なくなりました。他は基本、日本の富裕層・投資家が中心です。(顧客の属性別の構成比は開示していません。)

 

 

Q29:高価格帯の買取再販がニュースでネガティブに報じられていますが、この環境をどう捉えていらっしゃいますか。

 

A29:高価格帯の売れ行きが世の中のデータ通り悪くなってきているのは事実です。ただ1億円前後の物件を多数の業者と競争して仕入れて売るのであれば、高額物件で少ないプレイヤーの中で戦った方が勝機があると考えています。普通の物件にされると競争が激しく、仕入れも利幅が全く取れません。逆にプレイヤーが少なくなってくれた方がありがたい。昨年・一昨年頃にタワマンブームがあり、素人の方も参入して高い金額で仕入れてべらぼうな金額で売りに出す人が出ました。

 

 

Q30:そのブームはどういうブームで起きて、どのように収まっているのでしょうか。

 

A30:外国人の影響が大きいですが、一番は麻布台ヒルズの影響です。麻布台ヒルズが最初に売り出した時に坪単価がどんどん上がり、周りの高級物件もそれに合わせて上がりました。IT企業のマーケティング会社の社長などが業態を変えてリノベ再販を始めたりしました。そうした会社は高すぎる金額で借入して仕入れており、不動産事業でやっている方は1〜2年で売却しなくてはいけないので、今は損切りしているところもあると思います。そうした話を聞いてマスコミも動いている節があります。

 

 

Q31:どれくらいの期間で落ち着いてきそうですか。

 

A31:以前のような活性化が生まれるとしたら、これは国の政策なのでビザの関係を是正すれば一気に様相が変わると思います。今は円安(155円という水準)なので外国人からすれば相当安い。規制を緩やかにすればまた一気に加速する気がします。

 

 

Q32:今期は下期・後半に偏重してくる感じになりそうですか。前期に売れなかった物件は来期の早い段階で売却するのでしょうか、あるいは下期まで残す予定ですか。

 

A32:今期は投資用ワンルームマンション開発の物件が第4クォーターに集中する可能性が高いですが、そこはしっかり売却する予算組みで進めています。買取再販の方は通期で流しながら、例年と同じように第3クォーター・第4クォーターで売却がくるイメージです。

 

 

Q33:販管費について、前期が1億ぐらい増えていましたが、今期はどれくらいですか。費用の増える部分はございますか。

 

A33:人に関してはそこまで増えていませんが、DX投資・AI投資は積極的に進めていきたい。グループ会社でAIをやっている会社もあり、AIエージェントやアバターを作っています。テクノロジー系の投資は緩めることなく、後で回収できると思っているので積極的に進めていきます。

 

 

Q34:自己資本比率について、今20%ぐらいですが、少し厳しくなってきている部分はございますか。

 

A34:自己資本は厚めに持ちたい反面、今の株価では(増資などは考えにくい)。証券会社からも、ガバナンスなどの仕組みは100点に近いと評価いただきましたが、やはり時価総額が(プライムの基準に)合わず、市場変更の申請も何もない状況です。例えばプライム上場のタイミングで自己資本に厚みを持たせたいというのはありました。今は、借入をたくさんすることによる金利増加のシミュレーション(1%増えたらいくら、ここから2%上がった時のシミュレーション)も社内でしています。金利上昇は痛いですが問題ないとは言えません。当社のように借入が多い会社は常にシミュレーションして対応する戦略を考えています。M&Aに関しては借入でやるのがどうかと思う部分もありますが、まだ今の水準ならよいかなとも考えています。

 

 

Q35:財務的にはそのように不利な状況でも問題なくやっていけそうですか。

 

A35:今のところは問題ありません。痛いのは痛いですが問題ありません。

 

 

Q36:配当は前期維持で、今期も利益に応じてというところでしょうか。

 

A36:利益に応じて増やしていく方針です。2026年6月期の年間配当は110円、2027年6月期予想は112円で7期連続増配となります。今後はDOE(純資産配当率)を基準とした累進配当方針を導入し、引き上げた配当水準を原則として維持・向上させる方針です。目標とするDOEの水準は今後の経営会議での決定を経て別途開示いたします。

・資料

​―

makuake_logo1.png

​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • 国内機関投資家B様

     

    事業セグメント構成

    ・アンビション社は主に「賃貸DX」「売買DX」「その他事業」の3つのセグメントで事業展開している

    ・賃貸DXのプロパティマネジメント(PM)は全体売上の40%以上を占める主力事業

    ・売買DXは売上の40〜50%を占め、新築開発と買取再販事業を展開

    ・その他事業は全体売上の3〜4%程度だが、今後の成長が期待される分野

     

    賃貸DXの特徴と強み

    ・PMでは約3万件の物件を管理、安定した家賃収入が基盤

    ・業界平均90%に対し入居率98%と高水準を維持、管理戸数が増加しても入居率が上昇

    ・自社開発のDXシステム「アンビションクラウド」で業務効率化を実現

    ・オンライン申込・審査・契約システムで、他社より圧倒的なスピードと利便性を提供

    ・都内と神奈川に計15店舗の賃貸仲介店舗を展開、自社管理物件を優先的に紹介

     

    売買DXの事業内容

    ・アンビションDX本体では「買取再販事業」実施、マンションを購入・リノベーション・販売

    ・グループ会社では自社開発の「プレミアムキューブシリーズ」を展開

    ・東京都内や横浜・川崎など首都圏の厳選エリアに特化したビジネス展開

    ・業績は四半期によって変動が大きく、特に第3・第4四半期に売上が集中する傾向

     

    その他事業の成長領域

    ・不動産会社向けRPAプロダクト「ラクテック」が急成長、導入社数が約200社に拡大

    ・小額短期保険事業を展開、自社管理物件だけでなく約60〜70社の不動産会社と取引

    ・ライフライン事業では入居者向けインターネット接続やウォーターサーバーなどの取次サービスを提供

    ・将来的に自社システム「アンビションクラウド」をサービスとして外部提供する計画

     

    業績動向と見通し

    ・業績は年々増加傾向にあり、コロナ明けから大きく成長

    ・PMは管理戸数増加により売上・利益額は増加するが、利益率は原価率の関係で低下傾向

    ・DXによる業務効率化と家賃値上げ効果で利益率は改善している

    ・賃貸仲介は1〜3月が繁忙期のため、第1四半期は厳しい状況も通期では成長

    ・2027-28年の中期計画は第2四半期頃に見通しが立った段階で公表予定

     

    競合環境と差別化要因

    ・賃貸管理では日本管理センターやレオパレスが競合だが、扱う物件タイプが異なる(アパートvs区分所有)

    ・売買事業ではプロパティエージェント、リノベーション販売ではインテリックスなどが競合

    ・DXサービスでは事業をしながらシステムを開発している点が差別化要因、現場の知見を活かした使い勝手の良さ

     

    今後の展望

    ・賃貸管理はサブリースを積極的に増やす方針

    ・DXサービスは不動産業界のアナログ業務をデジタル化し、効率化する需要を取り込む

    ・現在は売上拡大に注力、将来的には管理戸数増加と収益基盤の拡大が見込まれる

    ・株価が業績の伸びに反応していないことが課題、継続的な投資家向け情報発信を強化

  • Q:御社ならではの管理方法や強みは?

    A:一番の強みは「客付け力の強さ」、すなわち入居率の高さ。業界平均90%に対し、当社は98%と高稼働。管理戸数(分母)が増加する中でも、入居率はさらに上昇傾向にある。

     

    Q:高い入居率を支える具体的な要素は?

    A:社内向けDXシステム(他社が真似できない)による圧倒的な業務効率化。申込・審査の効率化:不動産会社(仲介)向けオンラインサイトで審査状況が24時間一目瞭然(書類不備の即時対応)。契約のシームレス化:自社開発の「アンビションサイン」で、重要事項説明と契約書をオンラインでシームレスに実施(弁護士ドットコム等では重要事項説明ができないため優位性)。その他:内装管理システムなど、細部にわたるDX化により、スピードと顧客満足度(ストレス軽減)を向上。競合との差別化:不動産事業を行いながら、自社のためにシステム開発をしている企業は少ない(現場の声が反映されやすい)。

     

    Q:仲介会社への物件販売(客付け)の割合は?

    A:自前の仲介部門が10%〜20%、他社仲介会社が8割ほど。

     

    Q:扱っている物件は新築マンションがメインか?

    A:新築(土地仕入れからのデベロッパー)と中古(買取再販リノベーション)の二本柱。

     

    Q:競合はどのような企業か?

    A:投資用ワンルーム(新築)販売:プロパティエージェントなど。

    リノベーション販売(中古):プロパティテクノロジーなど。

     

    Q:バッティングしがちな企業は?

    A:上場企業で管理戸数が多いのは、日本管理センターやレオパレスなど。ただし、扱っている物件種別(アパート系/独立系ワンルームなど)が異なるため、直接的な競合は少ない。

     

    Q:DXサービスの需要と今後の展開は?

    A:ここ数ヶ月で導入社数(約200社)が急増中。現在は市場での面取り(シェア獲得)のため、戦略的に相当安い価格で提供。一時的に赤字覚悟で加速させている。将来の野望:将来的に(2年後)は、PMで利用している自社システム「アンビションクラウド」をサービスとして販売することを計画。面取り後に販売することで売りやすくなる。

     

    Q:対象とする業務と企業は?

    A:対象業務:不動産会社のアナログなデータ入力業務(未だに手打ちが多い)をRPA/AIで自動化・効率化。対象企業:不動産仲介会社(賃貸/売買の両方)。

     

    Q:売上・利益が増加している背景は?

    A:「自力」がついてきた(コロナ禍を経て開けてから爆発)。DXサービスによる業務効率化で利益率も向上。

     

    Q:賃貸管理は戸数が増えると利益率は下がるのでは?

    A:管理戸数が増えると、利益額は増えるが、家賃が売上全体になるため原価率が高く、利益率は下がるのが本来のスタンス。しかし、最近はDX効果や入居率の上昇、売買DXの売上増加(利益率が高い)もあり、利益率まで上がっている状況。PMの利益率はほぼ100%に近い高水準であり、これ以上の大幅上昇は正直難しい。今後は利益額の最大化を目指すスタンス。

     

    Q:Q1業績(PMの伸び)の要因と足元の環境は?

    A:PMはより安定性が増してきている。Q1は賃貸の閑散期だが、DX効果や入居者アプリ導入などにより、入居者の満足度が高く退去が少ないことなども伸びを支えている可能性がある。家賃の値上げ効果も数パーセント程度寄与している。

     

    Q:下期の業績見通し(季節性)は?

    A:通期では上期よりも当然上がる見込み。賃貸DX:1月〜3月(Q3)に顧客が集中するため、圧倒的に下期の売上・利益インパクトが大きい。売買DX:開発物件の完成が下期に集中する傾向。また、買取再販は利幅を確保するため、Q4に向けて販売を集中させる傾向(今はチャレンジプライスで市場に出している)。

     

    Q:株価の反応が鈍いことについて

    A:業績が伸びているのに株価が反応しないのは正直悔しい。周囲の評価を待つしかないが、黙ってとにかく業績を上げ続けることで、皆に気付いてもらうしかないと考えている。

     

    Q:配当方針について

    A:増配を基本とし、前年を下回らない形で実施する(会社の利益状況と内部留保を考慮して決定)

  • 代表取締役社長 清水 剛 様

  • ​-

アンビションDXホールディングス_logo.png

(株)アンビションDXホールディングス

東証GRT 3300

決算:6月末日

国内機関投資家B様

 

【取材日】2026年9月17日

【2026年6月期(通期)】

 

Q1:前期が少し下振れだったかと存じますが、全体感や要因をお聞かせください。

 

A1:前期は前年対比で売上高も営業利益も上がりましたが、当初計画していた数字からは落とした形になりました。主な要因は、売買DXの買取再販事業で売却が進まなかったことです。利益が出る大型案件があり、利益を度外視して値段を大きく下げれば売却できないこともなかったのですが、そもそも利益が出る物件なので、ここで売り切るのはやめようと判断しました。売上重視で売却しても営業利益は確保できない形になるため、それなら来期に利益を乗せようということで、この形を取りました。通期実績として、売買DXインベスト事業は売上高279.16億円(前期比0.5%減)・セグメント利益36.29億円(同5.3%減)、売却戸数267戸(前年同期比93戸減)で、当該物件は期末時点で販売用不動産として保有しており、翌期に売却を進めてまいります。

 

 

Q2:前期は環境として厳しかったのでしょうか、それとも個別案件・顧客都合によるものでしょうか。

 

A2:高額案件については、顧客都合を理由にはしたくないのが本音ですが、中華系の方々のビザの関係で、すぐ購入いただいていた方が本国に戻ってしまったところは正直ありました。その分カバーリングはしてきたつもりですが、インベスト事業は前年対比でほぼ横ばいです。また、計画をストレッチさせすぎたのは事実で、当初の計画(中計の上方修正)で考えれば悪くない数字ですが、ストレッチを効かせすぎたというのが結局のところです。

 

 

Q3:20%増益で前期の48億の利益水準からまた増益というところですが、少し流れた物件もあって、このハードルの高さ・低さはいかがでしょうか。

 

A3:そう思われてしまうと思いますが、今期については、固く必ず達成するという考えです。普通に計画通り進めば上振れする可能性は大きいと見ています。

 

 

Q4:中計を出せなくなった理由もこの辺にあるのでしょうか。

 

A4:中計は直前まで出そうと思っていました。ただ、この3年間の株価推移を見ると、ストレッチを効かせた中計を出してそれを超えても株価が反応せず、さらに上方修正でストレッチをかけて業績も残してきたのに株価が上がらない。だったら、普通の計画で上方修正していく形でよいのではないかと考えました。もちろん会社として野心的な目標を持たないわけではなく、営業利益100億円は近い将来にやり抜くつもりです。ただ、変にストレッチをかけて社内外にプレッシャーをかけ、達成しても株価に反映されないという状況がありました。当社は3か年の中期経営計画として売上高・利益の数値目標を開示する方法を取りやめ、経営の軸足を「規模の拡大」から資本効率の追求(高ROE)と株主還元の拡充(DOE)へ移しています。

 

 

Q5:営業利益100億円はいつ頃達成なさるイメージでしょうか。

 

A5:中長期の方向性として203X年6月期に営業利益100億円を目指しており、できるだけ早い段階で達成しようと事業を推進しています。

 

 

Q6:2024年8月に中計を開始してその後、新中期で塗り替えはなさっていませんか。26年48億営業利益の目標はそのままでしょうか。

 

A6:新中期計画として、前期で中計期間を区切り、新たに設定したものです。なお、当社は3か年の中期経営計画として売上高・利益の数値目標を開示する方法を取りやめており、今後の開示は「事業計画及び成長可能性に関する事項」の更新という形で行ってまいります。

 

 

Q7:プロパティマネジメントについて、前期の第4四半期あたりでの進捗・状況をお聞かせください。

 

A7:プロパティマネジメントは順調に利益を大幅に上げています。主な要因は、数年かけてやってきた家賃の上昇(交渉しながら家賃を上げ、粗利が増えている)と、AI・DXを使った独自システムの活用による業務改善・利益改善です。通期実績として、プロパティマネジメント事業はセグメント売上236.56億円(前期比9.3%増)・セグメント利益31.69億円(同31.4%増)、入居率は98.4%で、業界平均90.5%を大きく上回っています。管理戸数が増えるほど分母が増えて入居率は通常悪くなりますが、DX効果で1日の契約件数が過去以上にこなせるようになり、逆に入居率が高まっています。

 

 

 

Q8:サブリースの管理戸数は前期でどれくらい増えましたか。

 

A8:管理戸数全体で1,073戸、サブリース管理戸数で816戸の増加です(通期実績として管理戸数28,427戸、サブリース管理戸数16,437戸)。昨今、建築費・土地の高騰でデベロッパーの建築が少なくなってきている中での増加です。

 

 

Q9:今までは基本は新築で建てたところに営業をかける感じだったのでしょうか。また、中古への注力状況はいかがですか。

 

A9:新築物件は今まで同様あるいは今まで以上に力を入れますが、中古の管理物件も特に取ろうという形で部門を作りながらかなり力を入れています。既存の取引だけでも、物件管理を任せるならしっかり入居者をつけてくれるアンビションだという形で取引してきましたが、新築完成物件の減少もあり、中古にも目を向けています。

 

 

Q10:デベロッパーが建てて入居者づけを御社に依頼するという流れですか。

 

A10:完成する前から案件が来ます。新築物件の場合、当社がこの賃料で決めるとなれば、販売する会社(投資マンションの会社)も金融機関とのやり取りの中で、例えば10万円の物件を11万円で決めてくれるならこの価格で売れて利益も取れる、という形です。不動産会社が「12万円で決まる」と売って入居者がつかず苦労するケースもありますが、当社は完全保証のサブリース(家賃保証)なので、11万で保証すると言えば売れやすくなります。

 

 

Q11:残りの戸数はサブリースではなく集金代行ですか。

 

A11:そうです。集金代行は、当社が保証するのではなく、入居者をつけたら手数料(家賃の2〜3%程度)が入ってくる形です。サブリースは、例えば10万円で保証した物件を12万・13万でつければ差益になります。集金代行では11万・12万で決めても2〜3%(数千円)しか入りません。集金代行になるパターンは基本的に不動産リートで、リートは新築時から一番高い家賃で設定して売却するため(サブリース保証が難しい)です。

 

 

Q12:サブリースに依頼される会社は投資マンションを作っている不動産会社ですか。

 

A12:そうです。上場会社で言えばグッドコムアセット、シノケン、グローバルリンクなど投資マンションの不動産会社です。それ以外にもたくさんあります。また不動産リートだとモルガン・スタンレーなど、リートの物件を扱う会社から依頼が来ます。

 

 

Q13:賃貸管理(サブリース)を事業としてやっている上場会社は他にあまりいないのでしょうか。

 

A13:財閥系の会社ぐらいで、投資マンションのサブリースという形ではほとんどないと思います。あるとすれば自社で管理もしてしまう(自分で売って自分で管理を増やす)パターンです。委託でこれを事業としてやっている会社はあまりいません。もともとグッドコム、シノケンなどは入居者を決めようとしても決まらないので、だったら外に出そう(自社で決められないなら)と。売る方が大事で、入居者がつかないと利回りも確定せず家賃の持ち出しが毎月かかるので、しっかり保証して家賃を確保できる会社に任せようという流れです。当社はこの道20年やっておりノウハウがあり、相場ではわからない現場の部分(エリアごとの間取り別の賃料が取れる水準等)を独自に蓄積しています。

 

 

Q14:自前で管理物件を決める仕組みもあるのでしょうか。

 

A14:リーシング力という形で、自前で自社の管理物件を決める仕組みも作っています。子会社のアンビション・エージェンシー、アンビション・バローという会社があり、都内・神奈川に十数店舗あります。自社のスタッフが自社の管理物件を決めるため、お客様に優先的に当社の管理物件を紹介するスキームができており、ここもDXシステムを使っている点が強みです。

 

 

Q15:ビジネスモデルとしてはレオパレスのような感じですか。

 

A15:レオパレスも自社で仲介を持ち、自社で作った物件を自社の仲介につけて自社でサブリースしています。当社もヴェリタス・インベストメント(投資用ワンルームマンションを開発)でそういうイメージですが、他社が作った物件を当社が管理を取るという流れもあります。

 

 

Q16:第4四半期は管理個数・サブリースが少し横ばい(鈍化)でしたが、その要因は何ですか。

 

A16:解約が出たりする(オーナーの都合、物件売却など)ので出っ込み引っ込みはありますが、トータルで年間1,000戸増えています。もともと1,000戸ほどの計画で、できれば1,000戸以上上げたかったのが正直なところですが、施工がかなり少なくなってきています。今期は新築は今まで通り、プラスアルファで中古にも力を入れています。

 

 

Q17:中古市場は新築より大きいのでしょうか。今管理を任せている会社から御社に変更してもらう形ですか。

 

A17:中古の方がはるかに大きいです。今管理を任せている会社を当社に変更してもらう形です。自社(地場)もそうですし、地場でないところでも入居率で悩んでいる方が結構います。当社は98.4%という入居率で、皆さん90数%で満足していますが、それ以上に入居率が高まれば実入りも増えるので喜んでいただけます。

 

 

Q18:日本管理センターのような会社との違いは何ですか。

 

A18:日本管理センターはアパートがメインで地方の物件が中心です。買収で上場廃止になったと思いますが、地方も売りたかったのだろうと思います。個数(借り個数)でいうと日本管理センターの方が多く、物件の質や地方での空室率リスクで考えるとはるかに当社の方が高く、単純な比較対象にはなりません。レオパレスや日本管理センターは基本的に地方・郊外ですが、当社は都心中心です。買収の打診が来ても受け付けていません。都心でこういう形で突貫でやりつつ上場しているのは当社ぐらいだと思います。

 

 

Q19:今期の管理戸数の目線・目標はどれくらいですか。

 

A19:前年以上を目指しています。社内的には相応に大きな管理戸数を目指しており、環境的に難しい面はありますが、そうした状況下でも管理戸数を着実に増やしていく方針です。(具体的な目標戸数は開示していません。)

 

 

Q20:新築が減ると家賃も上げやすく、管理戸数を増やしていける環境の方が収益的には良いのでしょうか。

 

A20:安定していきます。当社のように入居率に自信を持っている会社だと、管理を取ってお客様に入居いただければ、粗利率とは別に利益額はどんどん積み上がっていきます。普通の売買をやっている会社と比べ、当社は景気に翻弄されないのが強みで、大きな事故が起こっても、売買は多少痛みますが、この管理がある限り会社として揺るぎません。

 

 

Q21:第1四半期のスタートは、第4で管理戸数が減っているので少し落ちる感じになるのでしょうか。

 

A21:第1四半期(7〜9月)は業界で一番お客様が少ない閑散期です。プロパティマネジメントもそこは例に漏れず多少下がると思いますが、大きな下げはありません。契約が少ないと初期費用の礼金収入が減ります。家賃収入は安定してきていますが、新たに募集・契約した際の礼金収入などが減るため、第1〜第4のうち一番数字が下振れするのがプロパティマネジメントです。前年の第1四半期と比較すると増えますが、直近の第4と比較すると落ちてくる可能性があります。

 

 

Q22:インベストについて、今期はプロパティマネジメントが安定的に10%ぐらい伸びるイメージだと思いますが、インベストもそれぐらい伸びる見込みですか。

 

A22:インベストは大きなドライバーなので、順調に売却が進めば大幅な利益になります。昨年度よりインベストで抱えている在庫が多く、去年に比べて決算時期の在庫が約70億円増えています。ただ同じ轍は踏まないよう慎重を期しています。通期実績として販売用不動産は前期末比68.71億円増の210.18億円で、前期も前々期から比較すると同程度増えていました。2027年6月期の連結業績予想は、売上高600億円(前期比10.8%増)、営業利益51億円(同23.6%増)です。

 

 

Q23:中華系顧客の影響について、実需と投資用それぞれの状況はいかがですか。

 

A23:両方同じぐらいですが、投資用マンションの場合は外国人は関係なく、お客様は日本人です。

 

 

Q24:客層はどのあたりでしょうか。金利上昇の影響はありますか。

 

A24:今までは年収500万円以上の方(お医者さんなど)をターゲットにしていましたが、金利が上がった影響が大きいです。東京のワンルームで家賃10万・11万ぐらいの物件で、今まで手出し(自分がローンで支払う金額)が2〜3万で済んでいたのが、金利が急激に上がって持ち出しが13万・14万になったりします。そうなると買い増しができない。今までは毎月1万円の持ち出しで資産が持てると売っていましたが、2万円になると年収500万ぐらいの方には財布として大きいので、社内でも年収のボーダーを上げようか検討しています。実需・投資用どちらも同じような展開ですが、実需は自分が住む部屋なので享受できる方もいる一方、投資用マンションは自分は住まずオーナーとして保有するので金利影響が出やすいところがあります。

 

 

Q25:金利の部分は前期の厳しかった要因としてあったのでしょうか(投資用マンションの方)。

 

A25:投資用マンションは前期はそこまで金利の影響はなく、金利が本格的に効いてきたのは最近なので、想定しながらやっています。当社の投資用マンションはいいエリアでクオリティの高い物件を作っており、土地の仕入れ部隊も他社に比べていい金額で仕入れができます。この時期は各社が売上利益を上げるために離れた土地や高い土地も買っていかざるを得ませんが、当社は賃貸管理も買取再販もあるので、無理して買うことはないと指示しています。利益が出ない可能性がある土地をわざわざ買う必要はありません。2年寝かせる間に建築費もガラッと変わるので、トータルで判断します。ただ仕入れを全くやめるわけではなく、年間2〜3棟はしっかり仕込んで上物を建ててやっています。

 

 

Q26:今期の投資用(ワンルーム開発)の引き渡し・竣工スケジュールはいかがですか。

 

A26:昨年同様、年度末(第4クォーター)に集中してくる計画です。前期はこの要因(ヴェリタス)というより買取再販の方で少し見立てた(期ずれした)ところです。

 

 

Q27:買取再販について、ターゲット(年収水準)を上げていく戦略で需要を吸収していける感じですか、また、その場合の販売への影響はいかがですか。

 

A27:あくまで予想ですが、十分決まっていけると思っています。去年と同じ轍を踏まないよう、去年はギリギリまでマックスの利益に近い形で引っ張りすぎたところがあるので、途中で例えば利益が半分になっても売るという戦略で、月に何回か進捗を見ながら値段の改定をしています。

 

 

Q28:買取再販(リノベ)で中華系の割合はどれくらいですか。

 

A28:中華系は今でも来ていますが少なくなりました。他は基本、日本の富裕層・投資家が中心です。(顧客の属性別の構成比は開示していません。)

 

 

Q29:高価格帯の買取再販がニュースでネガティブに報じられていますが、この環境をどう捉えていらっしゃいますか。

 

A29:高価格帯の売れ行きが世の中のデータ通り悪くなってきているのは事実です。ただ1億円前後の物件を多数の業者と競争して仕入れて売るのであれば、高額物件で少ないプレイヤーの中で戦った方が勝機があると考えています。普通の物件にされると競争が激しく、仕入れも利幅が全く取れません。逆にプレイヤーが少なくなってくれた方がありがたい。昨年・一昨年頃にタワマンブームがあり、素人の方も参入して高い金額で仕入れてべらぼうな金額で売りに出す人が出ました。

 

 

Q30:そのブームはどういうブームで起きて、どのように収まっているのでしょうか。

 

A30:外国人の影響が大きいですが、一番は麻布台ヒルズの影響です。麻布台ヒルズが最初に売り出した時に坪単価がどんどん上がり、周りの高級物件もそれに合わせて上がりました。IT企業のマーケティング会社の社長などが業態を変えてリノベ再販を始めたりしました。そうした会社は高すぎる金額で借入して仕入れており、不動産事業でやっている方は1〜2年で売却しなくてはいけないので、今は損切りしているところもあると思います。そうした話を聞いてマスコミも動いている節があります。

 

 

Q31:どれくらいの期間で落ち着いてきそうですか。

 

A31:以前のような活性化が生まれるとしたら、これは国の政策なのでビザの関係を是正すれば一気に様相が変わると思います。今は円安(155円という水準)なので外国人からすれば相当安い。規制を緩やかにすればまた一気に加速する気がします。

 

 

Q32:今期は下期・後半に偏重してくる感じになりそうですか。前期に売れなかった物件は来期の早い段階で売却するのでしょうか、あるいは下期まで残す予定ですか。

 

A32:今期は投資用ワンルームマンション開発の物件が第4クォーターに集中する可能性が高いですが、そこはしっかり売却する予算組みで進めています。買取再販の方は通期で流しながら、例年と同じように第3クォーター・第4クォーターで売却がくるイメージです。

 

 

Q33:販管費について、前期が1億ぐらい増えていましたが、今期はどれくらいですか。費用の増える部分はございますか。

 

A33:人に関してはそこまで増えていませんが、DX投資・AI投資は積極的に進めていきたい。グループ会社でAIをやっている会社もあり、AIエージェントやアバターを作っています。テクノロジー系の投資は緩めることなく、後で回収できると思っているので積極的に進めていきます。

 

 

Q34:自己資本比率について、今20%ぐらいですが、少し厳しくなってきている部分はございますか。

 

A34:自己資本は厚めに持ちたい反面、今の株価では(増資などは考えにくい)。証券会社からも、ガバナンスなどの仕組みは100点に近いと評価いただきましたが、やはり時価総額が(プライムの基準に)合わず、市場変更の申請も何もない状況です。例えばプライム上場のタイミングで自己資本に厚みを持たせたいというのはありました。今は、借入をたくさんすることによる金利増加のシミュレーション(1%増えたらいくら、ここから2%上がった時のシミュレーション)も社内でしています。金利上昇は痛いですが問題ないとは言えません。当社のように借入が多い会社は常にシミュレーションして対応する戦略を考えています。M&Aに関しては借入でやるのがどうかと思う部分もありますが、まだ今の水準ならよいかなとも考えています。

 

 

Q35:財務的にはそのように不利な状況でも問題なくやっていけそうですか。

 

A35:今のところは問題ありません。痛いのは痛いですが問題ありません。

 

 

Q36:配当は前期維持で、今期も利益に応じてというところでしょうか。

 

A36:利益に応じて増やしていく方針です。2026年6月期の年間配当は110円、2027年6月期予想は112円で7期連続増配となります。今後はDOE(純資産配当率)を基準とした累進配当方針を導入し、引き上げた配当水準を原則として維持・向上させる方針です。目標とするDOEの水準は今後の経営会議での決定を経て別途開示いたします。

・資料

Add a Title

​―

取材アーカイブ

  • 国内機関投資家B様

     

    事業セグメント構成

    ・アンビション社は主に「賃貸DX」「売買DX」「その他事業」の3つのセグメントで事業展開している

    ・賃貸DXのプロパティマネジメント(PM)は全体売上の40%以上を占める主力事業

    ・売買DXは売上の40〜50%を占め、新築開発と買取再販事業を展開

    ・その他事業は全体売上の3〜4%程度だが、今後の成長が期待される分野

     

    賃貸DXの特徴と強み

    ・PMでは約3万件の物件を管理、安定した家賃収入が基盤

    ・業界平均90%に対し入居率98%と高水準を維持、管理戸数が増加しても入居率が上昇

    ・自社開発のDXシステム「アンビションクラウド」で業務効率化を実現

    ・オンライン申込・審査・契約システムで、他社より圧倒的なスピードと利便性を提供

    ・都内と神奈川に計15店舗の賃貸仲介店舗を展開、自社管理物件を優先的に紹介

     

    売買DXの事業内容

    ・アンビションDX本体では「買取再販事業」実施、マンションを購入・リノベーション・販売

    ・グループ会社では自社開発の「プレミアムキューブシリーズ」を展開

    ・東京都内や横浜・川崎など首都圏の厳選エリアに特化したビジネス展開

    ・業績は四半期によって変動が大きく、特に第3・第4四半期に売上が集中する傾向

     

    その他事業の成長領域

    ・不動産会社向けRPAプロダクト「ラクテック」が急成長、導入社数が約200社に拡大

    ・小額短期保険事業を展開、自社管理物件だけでなく約60〜70社の不動産会社と取引

    ・ライフライン事業では入居者向けインターネット接続やウォーターサーバーなどの取次サービスを提供

    ・将来的に自社システム「アンビションクラウド」をサービスとして外部提供する計画

     

    業績動向と見通し

    ・業績は年々増加傾向にあり、コロナ明けから大きく成長

    ・PMは管理戸数増加により売上・利益額は増加するが、利益率は原価率の関係で低下傾向

    ・DXによる業務効率化と家賃値上げ効果で利益率は改善している

    ・賃貸仲介は1〜3月が繁忙期のため、第1四半期は厳しい状況も通期では成長

    ・2027-28年の中期計画は第2四半期頃に見通しが立った段階で公表予定

     

    競合環境と差別化要因

    ・賃貸管理では日本管理センターやレオパレスが競合だが、扱う物件タイプが異なる(アパートvs区分所有)

    ・売買事業ではプロパティエージェント、リノベーション販売ではインテリックスなどが競合

    ・DXサービスでは事業をしながらシステムを開発している点が差別化要因、現場の知見を活かした使い勝手の良さ

     

    今後の展望

    ・賃貸管理はサブリースを積極的に増やす方針

    ・DXサービスは不動産業界のアナログ業務をデジタル化し、効率化する需要を取り込む

    ・現在は売上拡大に注力、将来的には管理戸数増加と収益基盤の拡大が見込まれる

    ・株価が業績の伸びに反応していないことが課題、継続的な投資家向け情報発信を強化

  • Q:御社ならではの管理方法や強みは?

    A:一番の強みは「客付け力の強さ」、すなわち入居率の高さ。業界平均90%に対し、当社は98%と高稼働。管理戸数(分母)が増加する中でも、入居率はさらに上昇傾向にある。

     

    Q:高い入居率を支える具体的な要素は?

    A:社内向けDXシステム(他社が真似できない)による圧倒的な業務効率化。申込・審査の効率化:不動産会社(仲介)向けオンラインサイトで審査状況が24時間一目瞭然(書類不備の即時対応)。契約のシームレス化:自社開発の「アンビションサイン」で、重要事項説明と契約書をオンラインでシームレスに実施(弁護士ドットコム等では重要事項説明ができないため優位性)。その他:内装管理システムなど、細部にわたるDX化により、スピードと顧客満足度(ストレス軽減)を向上。競合との差別化:不動産事業を行いながら、自社のためにシステム開発をしている企業は少ない(現場の声が反映されやすい)。

     

    Q:仲介会社への物件販売(客付け)の割合は?

    A:自前の仲介部門が10%〜20%、他社仲介会社が8割ほど。

     

    Q:扱っている物件は新築マンションがメインか?

    A:新築(土地仕入れからのデベロッパー)と中古(買取再販リノベーション)の二本柱。

     

    Q:競合はどのような企業か?

    A:投資用ワンルーム(新築)販売:プロパティエージェントなど。

    リノベーション販売(中古):プロパティテクノロジーなど。

     

    Q:バッティングしがちな企業は?

    A:上場企業で管理戸数が多いのは、日本管理センターやレオパレスなど。ただし、扱っている物件種別(アパート系/独立系ワンルームなど)が異なるため、直接的な競合は少ない。

     

    Q:DXサービスの需要と今後の展開は?

    A:ここ数ヶ月で導入社数(約200社)が急増中。現在は市場での面取り(シェア獲得)のため、戦略的に相当安い価格で提供。一時的に赤字覚悟で加速させている。将来の野望:将来的に(2年後)は、PMで利用している自社システム「アンビションクラウド」をサービスとして販売することを計画。面取り後に販売することで売りやすくなる。

     

    Q:対象とする業務と企業は?

    A:対象業務:不動産会社のアナログなデータ入力業務(未だに手打ちが多い)をRPA/AIで自動化・効率化。対象企業:不動産仲介会社(賃貸/売買の両方)。

     

    Q:売上・利益が増加している背景は?

    A:「自力」がついてきた(コロナ禍を経て開けてから爆発)。DXサービスによる業務効率化で利益率も向上。

     

    Q:賃貸管理は戸数が増えると利益率は下がるのでは?

    A:管理戸数が増えると、利益額は増えるが、家賃が売上全体になるため原価率が高く、利益率は下がるのが本来のスタンス。しかし、最近はDX効果や入居率の上昇、売買DXの売上増加(利益率が高い)もあり、利益率まで上がっている状況。PMの利益率はほぼ100%に近い高水準であり、これ以上の大幅上昇は正直難しい。今後は利益額の最大化を目指すスタンス。

     

    Q:Q1業績(PMの伸び)の要因と足元の環境は?

    A:PMはより安定性が増してきている。Q1は賃貸の閑散期だが、DX効果や入居者アプリ導入などにより、入居者の満足度が高く退去が少ないことなども伸びを支えている可能性がある。家賃の値上げ効果も数パーセント程度寄与している。

     

    Q:下期の業績見通し(季節性)は?

    A:通期では上期よりも当然上がる見込み。賃貸DX:1月〜3月(Q3)に顧客が集中するため、圧倒的に下期の売上・利益インパクトが大きい。売買DX:開発物件の完成が下期に集中する傾向。また、買取再販は利幅を確保するため、Q4に向けて販売を集中させる傾向(今はチャレンジプライスで市場に出している)。

     

    Q:株価の反応が鈍いことについて

    A:業績が伸びているのに株価が反応しないのは正直悔しい。周囲の評価を待つしかないが、黙ってとにかく業績を上げ続けることで、皆に気付いてもらうしかないと考えている。

     

    Q:配当方針について

    A:増配を基本とし、前年を下回らない形で実施する(会社の利益状況と内部留保を考慮して決定)

  • 代表取締役社長 清水 剛 様

  • ​-

bottom of page