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SFPホールディングス(株)

東証PRM 3198

決算:2月末日

20251031

CP&X


【2026年2月期第2四半期】

決算概要

2026年2月期第2四半期は、売上高15,344百万円(前年同期比2.0%増)と増収を達成したが、営業利益858百万円(同5.3%減)、経常利益910百万円(同11.1%減)純利益533百万円(同24.5%減)と利益面では減益となった。増収要因としては、注力業態である大衆業態「五の五」の既存店が好調に推移したこと、および出退店計画の進展が着実に積み重なったことによる。減益の主要因は、原価率が前期比で約1ポイント上昇し、粗利が1%低下したことである。原価率の上昇は、生ビールの価格改定に加え、米など仕入れ価格の高騰によるものであり、販管費率が0.5ポイント改善したにもかかわらず、粗利率の低下を吸収しきれなかったことが利益面の押し下げにつながった。


セグメント別または事業別の増減要因

増収に貢献した事業構成として、注力業態である大衆業態「五の五」が既存店とともに好調に推移している。一方で、主力の「磯丸水産」を含む既存店売上高は伸び悩んだ。既存店の伸び悩みは、前期の40周年キャンペーンの反動に加え、6月から7月にかけてSNSで拡散された巨大地震予言の影響により、訪日外国人客の伸びが一時的に鈍化したことが直接的な要因となった。


主要KPIの進捗と変化

主要KPIに関する具体的な数値の開示は見られないが、店舗数の進捗は計画通り、ないしは上振れ要素がある。出店計画は直営店がおおむね計画通りに進捗しているほか、FC店については上期に1店舗、第3四半期以降に2店舗の出店が予定されており、これは当初計画値からの上振れ要素と認識されている。また、既存店のリモデル施策として「鳥良商店」で低価格・大衆化を推進し、リニューアル完了店舗は前年比111%で推移しており、来客数増加の目標に対し好調と評価されている。


季節性・一過性要因の有無と影響

上期において、売上高の伸び悩みの一過性要因として、6月・7月にSNSで拡散された巨大地震予言の影響により、訪日外国人客の売上高の伸びが一時的に鈍化したことが挙げられる。ただし、7月後半から8月にかけては、訪日外国人客数は前期並みに回復している。また、昨年は大型台風の影響で一部店舗の休業があったため、前年比の伸び率(108.7%)には一定程度の注意が必要な状況である。費用面では、前期の政府補助金(光熱費など)効果が今期は剥落していることが販管費増の要因として作用している。


通期見通しと進捗率・達成可能性

通期の当初開示予想(売上高32,500百万円、営業利益2,500百万円)は粗利が前期並みであるという前提に基づいていたため、上期の粗利率低下により利益面ではややビハインドであると認識されている。しかしながら、第3四半期以降の年末までの出退店加速によるトップラインの引き上げ、および8月に実施した価格改定により原価率の上昇基調に一旦目途が立ったことから、十分巻き返しは可能であると捉えている。通年で最も繁忙期となる年末年始商戦での粗利・原価のコントロールが、通期見通し達成の鍵である。


トピックス

リピート率向上施策として、これまで積極的には行っていなかったリピート戦略を強化するため、2026年2月期末を目途に「磯丸水産アプリ」を準備していることが新たに公表された。また、「鳥良商店」のリニューアルは8月末時点で27店舗中22店舗が完了しており、第3四半期までに全て完了する予定である。年末までにできる限り多くの店舗を出店し、当社の最大の繁忙期である年末年始商戦に向けた準備が最大の注力点である。

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上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    2026年2月期第1四半期の売上高は77億5,100万円で前年同期比1.0%の増加、営業利益は5億9,300万円で同2.6%の減少、経常利益は5億9,900万円で同10.6%の減少、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億8,900万円で同18.5%の減少であった。売上高の増加は、前期からの出店数増加と注力業態である「大衆酒場 五の五」の好調な推移によるものである。営業利益の減少は、売上原価が前年同期に比べて1ポイント増加したことが主な要因であり、これは仕入れ価格の全体的な上昇傾向によるものである。第1四半期の途中、4月中旬頃に主力業態である磯丸水産をはじめとする各業態でメニュー変更を行い、原価上昇抑制の対策を講じた。

     

    セグメント別または事業別の増減要因

    主力業態である磯丸水産の既存店売上高は、前年の40周年キャンペーンの反動もあり、前年同期比で99.5%となり足踏み状態であった。一方で、「大衆酒場 五の五」は、小規模店舗の出店戦略と地域顧客の繰り返し来店により既存店売上を伸ばしており、オペレーションの簡素化が従業員の働きやすさにつながり、出店加速に寄与している。

     

    主要KPIの進捗と変化

    主要KPIである既存店売上高の前年比は、磯丸水産が店舗数と売上高の約6割から7割を占めるため、その影響が大きい。第1四半期は3月が97.3%、4月が100.0%、5月が101.1%で推移し、3月の出遅れにより第1四半期全体では99.5%であった。磯丸水産の既存店売上高は前年比を上回る予算を立てていたため、想定から大きくずれてはいないものの、既存店売上が落ち込んでいる点に課題を認識している。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    特定の噂(7月5日)が原因で香港、中国、台湾からの訪日客数の伸びが大きく鈍化し、これが5月頃から広まり始め6月はかなり影響が出ており、第1四半期、少なくとも5月には影響しており、第2四半期にも影響が続いている。さらに、トランプ関税による急激な円高(150円から140円台前半への変動)も訪日外国人客の消費意欲減退に影響を与えたと認識しており、これらの要因は当初計画外の事象であった。

     

    トピックス
    2025年6月に、親会社であるクリエイト・レストランツ・ホールディングスと合弁会社を設立し、食材だけでなく資材や人件費の高騰に対応するため、グループの最適化を図っている。この合弁会社は設計、施工、メンテナンス関連の事業を行い、価格交渉の一元化やノウハウ共有を通じて、建築資材価格が上昇しても投資額の増加を抑制することを目的としている。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?

    A:新規出店は当初の年間10店舗の目標に対し、順調に進捗しており、第1四半期に2店舗、第2四半期に2店舗、第3四半期以降に5店舗の出店を予定しています。注力業態である「大衆酒場 五の五」は、小規模な店舗を増やし、磯丸水産よりも集客が難しい場所でも出店することで、地域のお客様に何度も来店していただき、既存店売上を伸ばす戦略が今のところ功を奏しています。オペレーションも簡素的なため従業員が働きやすく、出店を加速させています。また、既存店の売上を底上げするため、創業ブランドの一つである「鳥良商店」の既存店売上を伸ばす取り組みも行っています。具体的には、今期中に全27店舗中25店舗を改装し、大衆感を強めることで来店客数の増加を目指しています。さらに、今年の6月には、親会社であるクリエイト・レストランツ・ホールディングスと合弁会社を設立しました。この合弁会社は、設計、施工、メンテナンス事業を手がけ、食材だけでなく、資材や人件費の高騰に対応するため、グループ全体の最適化を図ることを目的としています。価格交渉の一元化やノウハウ共有を通じて、建築資材価格が上昇しても、当社の投資額の増加を抑制することを目的としています。

     

    Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。

    A:第1四半期の既存店売上高は前年同期比で99.5%となり、当初計画の想定から大きくずれているわけではありませんが、課題を認識しています。この背景には、磯丸水産をはじめとする主力業態の既存店売上が、前年に実施した40周年キャンペーンの反動で足踏み状態となったことがあります。また、円高による訪日外国人客の消費意欲減退や、特定の噂が原因で香港、中国、台湾からの訪日客数が大きく鈍化したことも、当初の計画にはなかった想定外の要因でした。これらの要因は5月頃から影響が出始めており、第2四半期にも影響が続いています。一方で、仕入れ価格の全体的な上昇傾向により売上原価が前年同期比で1ポイント増加したため、第1四半期の途中に磯丸水産をはじめとする各業態でメニュー変更を実施し、原価上昇を抑制するための対策を講じました。この価格改定の効果が本格的に現れるのは第2四半期以降と見ています。

  • 取材者:まず、2026年2月期第1四半期の決算状況についてですが、売上高は77億5,100万円で前年同期比1.0%の増加、営業利益は5億9,300万円で同2.6%の減少、経常利益は5億9,900万円で同10.6%の減少、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億8,900万円で同18.5%の減少でした。これらの増減要因についてお聞かせいただけますか?

     

    回答者:売上高が増加した主な要因は、前期に出店を重ねてきたことによる出店数の増加です。この出店戦略による増収と、注力業態である「大衆酒場 五の五」が好調に推移していることが増収要因でした。一方で、磯丸水産をはじめとする主力業態の既存店売上高は、昨年実施した40周年キャンペーンの反動もあり、前年同期比で99.5%となり、足踏み状態でした。しかし、増収は確保いたしました。営業利益が減少した主な要因は、売上原価の部分が前年同期に比べて1ポイント増加したためです。この原価増加は、仕入れ価格の全体的な上昇傾向によるものです。しかし、第1四半期の途中、4月中旬頃に、主力業態である磯丸水産をはじめとする各業態でメニュー変更を行い、原価上昇を抑制するための対策を講じました。

     

    取材者:価格改定の影響が出てくるのは第2四半期以降になるのですか?

     

    回答者:基本的には第1四半期でも1ヶ月程度はその影響が出ており、その結果として原価が1ポイント増加したのですが、その効果が本格的に現れるのは第2四半期以降と見ています。営業利益の要因の一つである販売管理費については、前年同期とほぼ同水準で、前期よりも約200万円減少しました。増収が1%増加したものの、販売管理費は前期並みに抑えることができたため、結果として原価率の増加が営業利益を押し下げる要因となりました。

     

    取材者:価格改定が客足に与えた影響についてはいかがですか?

     

    回答者:価格改定の影響が客足にどう影響したかは、現時点では明確に判断できていません。昨年は当社が40周年を迎え、決済サービスとのコラボレーションや他社との共同キャンペーンを実施しました。これらの販促要因があったため、純粋な価格改定の影響を判断することは難しい状況です。

     

    取材者:「大衆酒場 五の五」が堅調に推移している部分に関して、これは販促要因によるものですか、それとも新規出店の影響が大きいですか?

     

    回答者:「五の五」は磯丸水産とは異なり、小規模な店舗が多く、磯丸水産の立地よりもやや集客が難しい場所でも出店していますが、地域のお客様に何度もご来店いただくことで、既存店売上を伸ばしていくという戦略です。オペレーションも簡素的であるため、従業員が働きやすく、出店を加速させています。この戦略が今のところ功を奏している状況です。

     

    取材者:前回の取材で、主要なKPIとして挙げていただいた既存店の売上という部分についてはいかがですか?

     

    回答者:当社の既存店前年比は、磯丸水産が店舗数と売上高の約6割から7割を占めているため、その影響が大きいです。決算補足説明資料の22ページにも記載していますが、第1四半期は3月が97.3%、4月が100.0%、5月が101.1%でした。出だしとなる3月に2.7%ほど既存店売上が前年を下回ったため、第1四半期全体では99.5%という結果になりました。これは、前段で申し上げた通り、磯丸水産が主な要因でした。

     

    取材者:磯丸水産の既存店売上の進捗は、計画に対してはいかがですか?

     

    回答者:進捗に関しては、既存店売上高は前年比を上回っていくという予算を立てていたので、想定から大きくずれているわけではありません。しかし、既存店売上が落ち込んでいる分、課題はあると認識しています。もちろん、取り返しは可能だと考えています。

     

    取材者:その遅れを取り戻すための取り組みや施策がございましたら教えていただけますか?

     

    回答者:一つは、先ほど申し上げたメニュー変更が今後どのような効果をもたらすかという点です。また、今期は創業ブランドの一つである「鳥良商店」の既存店売上を伸ばすため、大衆感を強めて来店客数の増加を狙っています。全210店舗中27店舗ある「鳥良商店」のうち、今期中に25店舗を改装し、リニューアルしていく計画です。これにより、既存店の売上を底上げすることを目指しています。

    取材者:出店に関しては順調に進んでいるという見方でよろしいですか?

     

    回答者:はい、当初掲げた年間10店舗の出店目標に対して、順調に進んでいると思います。

     

    取材者:ここまでの業績について、業績に影響を与えた一時的な要因は何かございましたか?

     

    回答者:既存店売上高が100%を下回ったり、原価率が上昇したりすることは、コロナ禍明け以降はあまりなかったことです。原価率の上昇に関しては、内部的な努力で見直しやコスト交渉などを行い、抑え込んでいく考えです。しかし、売上、つまり客数に関しては、当初の計画では想定していなかったことが起こりました。7月5日の特定の噂が、訪日外国人客数に影響を与えました。特に香港、中国、台湾からの訪日客数の伸びが大きく鈍化しました。当社も当初はインバウンド売上が鈍化している理由が分からず、ネット上の噂を把握できていませんでした。振り返ると、これが第1四半期でも一部、少なくとも5月には影響しており、第2四半期にも影響が続いています。また、トランプ関税による急激な円高も影響しました。為替の影響と当社のインバウンド売上の因果関係はそこまで強くはありませんが、150円だったものが一気に140円台前半になったことで、彼らの消費意欲への影響はあると考えています。これらの要因は当初の計画外で、当社の努力だけではどうにもならない部分もありました。

     

    取材者:最後に、足元の状況について、トピックスやニュースリリースがございましたら教えていただけますか?

     

    回答者:出店は引き続き重ねていく予定です。第1四半期に2店舗、第2四半期に2店舗、第3四半期以降に5店舗の出店を予定しており、当初の計画よりも多めに出店することになりそうです。また、今年の6月に、親会社であるクリエイト・レストランツ・ホールディングスと合弁会社を設立しました。これは、食材だけでなく、資材や人件費の高騰に対応するため、グループの最適化を図ることを目的としています。この合弁会社は、設計、施工、メンテナンス関連の事業を行い、価格交渉の一元化やノウハウ共有を通じて、建築資材価格が上昇しても、当社の投資額の増加を抑制することを目的としています。

  • 執行役員 管理本部長 原悦久様

    管理本部 経営企画部長 中原英祐様

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​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    SFPホールディングス株式会社の2025年2月期決算は、売上高303億8,900万円(前年比4.5%増)、営業利益21億8,600万円(前年比7.9%増)の増収増益。売上高の主な増加要因は、2024年2月期に段階的に延長した営業時間を2025年2月期は通期で継続できたことによる既存店の来客数増加であり、既存店売上高は前年比約104.9%から105%であった。訪日外国人客の来店増加も売上増に寄与。

     

    主要KPIの進捗と変化

    既存店の売上高は前年比約104.9%から105%で推移した。これは主に営業時間の通期継続による来客数の増加に起因しており、訪日外国人客の来店もその一因となっている。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    2024年2月期第4四半期の年末年始をターゲットとした営業時間延長が、2025年2月期の通期増収に貢献した。これは一過性ではなく、継続的な施策の定着による影響と捉えられる。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    2026年2月期の業績見通しは、売上高325億円(対前年比6.9%増)、営業利益25億円(対前年比14.3%増)、経常利益26億円(対前年比14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益17億円(対前年比14.5%増)と、引き続き増収増益を見込んでいる。新規出店は2025年2月期と同程度のペースで進める計画。

     

    トピックス

    現在、M&Aは検討していない。業界全体の再編は想定されるものの、自社がM&Aに直接乗り出す計画はない。中期経営計画については、現時点では未公表であるが、外部環境の変化や業界全体の変容を踏まえ、今後3年または5年といった期間での見通しを策定する予定である。

    株主還元については、安定継続的な配当を基本方針とし、2025年2月期は中間配当14円、期末配当14円の合計28円を予想している。

  • Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。

    A:2026年2月期の業績見通しとして、売上高は325億円(対前年比6.9%増)、営業利益は25億円(対前年比14.3%増)、経常利益は26億円(対前年比14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億円(対前年比14.5%増)を予想しております。新規出店については、2025年2月期と同程度のペースで進める計画です。

     

    Q:M&A、業務提携などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:M&Aについては現在検討しておりません。業界全体としてはM&Aによる再編が十分にあり得ると認識しておりますが、当社自身がM&Aに直接乗り出す計画はございません。

     

    Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。

    A:現在、中期経営計画は公表しておりませんが、今後策定する予定です。策定時期は未定ですが、外部環境の変化や業界全体の変容を踏まえ、3年または5年といった期間での見通しを策定する方針です。

     

    Q:株主還元の方針をご説明ください。

    A:当社の配当方針は「安定継続的」であることを基本としております。前期においては中間配当13円、期末配当13円を実施いたしました。今期(2026年2月期)については、中間配当14円、期末配当14円の合計28円を予想しております。

  • 取材者:まず、2025年2月期の決算につきまして、売上高が303億8,900万円、営業利益が21億8,600万円とのことですが、売上高は前年比4.5%の増加、営業利益は前年比7.9%の増加と、増収増益でした。この増減要因についてご説明いただけますか?

    回答者:はい、まず売上高についてですが、2024年2月期の部分からご説明させていただきますと、2024年2月期は人手不足であったため、採用を進めながら徐々に営業時間を延長してまいりました。2024年2月期の第4四半期、特に年末年始をターゲットに営業時間を延長してきた経緯がございます。

    2025年2月期、すなわち前期の既存店の増収要因としては、2024年2月期に段階的に延長した営業時間を、前期は通期で継続できたことが主な要因でした。したがって、既存店は前年比で約104.9%から105%ほどでしたが、その主な要因は来客数でございます。その他では、継続的に増加している訪日外国人のお客様のご来店も一つの要因として、社内では評価しております。

    取材者:年末年始の商戦において、客足が好調だったことに対して何か施策を講じられましたか?

    回答者:特段、年末年始に特化したお客様向けの施策や広告を打ったということはございません。まず、しっかりと営業時間と人員を整え、営業に臨んだというところになります。それまでに2024年2月期に出店した新店も、前期においてはしっかりと業績に寄与したという点も一つ挙げられます。

    取材者:2024年の新店が好調だったとのことですが、2025年の新店の出店状況はいかがですか?

    回答者:2024年2月期、2025年2月期ともに8店舗を出店しております。前期に出店した店舗の中には、4月にオープンした店舗もあれば7月にオープンした店舗もありますが、多くは11月と2月にオープンしております。そのため、前期においては一定程度の上積み要因とはなりましたが、今期においては前期出店分の寄与はさほど大きくなく、新店舗においては今期にしっかり寄与していくものと見込んでおります。

    取材者:それでは、2025年2月期の施策やその他のKPIについて、達成状況を教えていただけますか?

    回答者:そうですね。一つは先ほど申し上げた既存店前年比で105%という目標を掲げておりました。その牽引力は来客数であり、一方で客単価は前年同期と同水準を維持することを想定してKPIを設定しておりましたが、これは計画通りに達成できたと考えております。

    その達成要因の一つとしては、主に第4四半期になりますが、磯丸水産においてはエリア別の価格戦略を実施いたしました 。

    大きく分けて、繁華街エリアと郊外型の住宅街のようなエリアの2パターンに分けております。特に繁華街の中では、訪日客の多い浅草や難波・道頓堀地区においては、第4四半期より訪日客向けの料金設定も導入しております。

    取材者:よく浅草を通るのですが、外国人のお客様が大変多く利用されていますね。

    回答者:特に浅草は外国のお客様のご利用が多いので、客単価そのものも高水準となっており、そこはしっかりと取り込めたと評価しております 。加えて、前期に実施した施策としては、今期に効いてくる部分になるのですが、「おもてなしとりよし」のディフュージョンブランドである「鳥良商店」という業態がございます 。磯丸水産では一部、エリアによっては値上げを実施しましたが、その「鳥良商店」においては、生ビールやハイボールといった看板商品をそれぞれ税抜き299円、199円で販売するという値下げを行いました。それを全面的に打ち出し、大衆感を演出したことで来客数増に繋げる施策を第4四半期から一部実施いたしました 。当施策も少なくとも短期間ですが効果があり、複合的な要因で既存店前年比105%前後で着地できたと考えております 。

    取材者:そうしますと、2025年2月期の業績予想である売上高300億円、営業利益21億円に対して、そういった部分が寄与して目標達成できたと見てよろしいですか?

    回答者:そうですね。開示しております業績予想に対して、既存店前年比105%はそのKPIの一つです。粗利率についても前年同期並みを設定しておりましたので、そこは達成できたと考えております。仕入高そのものに関して言えば、報道でもお米の値上がり等が言及されていますが、当社においても値上がりはしていますが、基本的には居酒屋ビジネスですので、お米の仕入れ構成比2%前後と少なく、影響は限定的でした。加えて、第4四半期の価格戦略等もあり、結果として原価率は前年同期並みで推移することができたという評価をしております。

    あとは販売管理費の部分になりますが、前段でご説明したとおり人員の増加が主な要因となり、人件費の増加として販売管理費増に反映されています。前々期は通期をかけて、特に年末年始にかけて多くの人を採用した経緯がございます。その採用した従業員が前期の上期においては、習熟度合い、戦力化にはそれなりの時間と費用を要したという点がございました。特に直近ですと外国籍の従業員を多く採用することがございますので、その戦力化には一定程度の時間がかかりますが、人数自体は増加しました。それは第1四半期から第2四半期、第3四半期にかけて、増加幅は縮小していき、第4四半期においては人件費は前年同期並みとなりました。したがって、振り返りという部分においては、売上高、粗利、営業利益が計画通りに進捗したと考えております。

    取材者:今お話しいただいた人件費も関連してくる問題かと思うのですが、今後の成長戦略の前提条件として、例えば外部環境や内部環境の変化といった部分について、何か変化やそういったものはございましたか?例えばインバウンドの訪日外国人が想定通りに進むかといった部分はいかがですか?

    回答者:はい。訪日外国人観光客はここ2年くらいでかなり急激に増えましたが、これがずっと1.5倍や2倍になるかというと、まずインバウンドに関してはそのような見込みはございません。今の水準を維持することが一旦の目標となります。

    インバウンドに関連しては、為替が動くと訪日観光客に影響があり、このコロナ禍以降ずっと円安が続いている状況なので、円高になってインバウンドが減るということは見込んではいませんが、アップサイドとしてまだまだここから伸びるかというと、インバウンドに関してはあまりそのようには考えておりません。外部環境から言うと、客数は新店を増やしていくことに応じて増えていくことはあり得ますが、営業時間はもう適性な状態まで伸ばしている状況なので、客数がさらに伸びていくかというと、そこにもそんなに上積みの余地はないと考えております。

    したがって、ここから先は外部環境、つまり競争上の問題でもありますが、値上げ実施による客単価増は想定されます。それは他社もそうですが、人件費も食材の価格も上がっていますし、それらを価格に転嫁していくということが、外部環境が変わっていくことに対する一つの対応策です。値上げは前期末、第4四半期に実施しましたが、これも外部環境の変化に対する現在の打ち手の一つであると考えております。

    取材者:そうしますと、そういった価格競争の中で競合状況としてはいかがですか?

    回答者:今開示されている状況だけ見ると、各社さんほとんどの会社さんが値上げをしたと思いますが、少し足元は苦しんでいるように見受けられました。外食全体で見ると、特に当社も含めた居酒屋グループ全体で値上げをしましたが、少し客足が鈍り気味なのかなというのは、開示されている情報データからは読み取れます。

    取材者:貴社のように業績をしっかり伸ばされているのは素晴らしいですね。

    回答者:インバウンドの取り組みがうまくいっていることが他社との違いはあるかと認識しております 。

    取材者:今後、M&Aや業務提携の実施、あるいはそういった検討状況についてはいかがですか?

    回答者:M&Aは具体的な検討はしておりません。業界全体がM&Aで再編していくということは十分にあり得ると想定しておりますが、当社自身がM&Aに現在、積極的に乗り出しているということはございません。

    取材者:貴社では中期経営計画などは公表されていないですよね。今後、何か策定の予定などはございますか?

    回答者:まさに外部環境が変わってきており、業界全体も少し内容が変容してきておりますので、それを踏まえて一旦の見通しは策定する予定です。

    取材者:2026年2月期の業績の見通しと施策をご説明いただけますか?

    回答者:2026年2月期は、売上高は325億円(+6.9%増)、営業利益は、25億円(+14.3%増)、経常利益は26億円(14.0%増)、親会社株主に帰属 する当期純利益は17億円(+14.5%増)を予想しております。2026年2月期の新規出店も2025年2月期と同じくらいのペースで進めていくと思います。

    取材者:株主還元の方針や来期の配当についてご説明いただけますか?

    回答者:まず、前期においては中間13円、期末13円という配当を実施し、今期においては中間14円、期末14円の合計28円で予想を出している状況でございます。配当の考え方そのものとしては「安定継続的」という形であり、基本的には増収増益を叶える中で、配当においても増配を検討していくという状況ですので、来期においては28円となる予定です。出来上がりとしては、前期においては39.9%ほどの配当性向で、来期においては37%後半程度になるかと思いますが、引き続き40%に近い水準での継続となります。

    取材者:あとは優待も電子化されたのは今回からですよね。

    回答者:はい、そうです。5月から電子化いたしました 。

    取材者:その他何か足元の状況やトピックスがございましたら教えていただけますか?

    回答者:グループ会社で費用面の共通化を進めております。グループ会社が飲食事業で同じような事業をおこなっているので、店舗を作る際の店舗の内装など、一元化できるような会社を立ち上げ、そこで全ての業務を集約することでコスト抑制を進めていこうという取り組みを今後も続けていきたいと考えております。

    取材者:コスト削減の部分について、そういった関連の業務ですね 。

    回答者:はい。これは各社も同じようなことをやっているので、管理部門はどんどん小さくしていきたいと考えております。

    取材者:いかにどの部分でコストを下げるかというのは、今かなりどの企業さんも苦労されていますね。

    回答者:そうですね。

    取材者:その他何かトピックスはございますか?

    回答者:トピックスに関しては、先ほどご説明しました株主優待の電子化に加えて、進行期は親会社のクリエイト・レストランツ・ホールディングスとの店舗設計施工企画機能を担う合弁会社の設立、及び会計監査人の変更、物流拠点の集約がございます。

    取材者:承知いたしました。本日はありがとうございました。

    取材者:今後とも引き続き何卒よろしくお願いいたします。

  • 執行役員 管理本部長 原悦久様

    管理本部 経営企画部長 中原英祐様

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  • CP&X

     

    ビジネスモデルおよび事業内容

    SFPホールディングスは、「磯丸水産」を中心とした居酒屋経営を主力事業とする企業である。一都三県と関西圏の駅前一等地への出店に注力し、24時間営業することで高い賃料を吸収しながら収益を上げている。 親会社はクリエイト・レストランツ・ホールディングスで、親子上場という形態をとっている。

     

    創業の経緯と転機

    1984年に吉祥寺で「鳥良」という業態で創業。 2010年にファンドの傘下に入り、2013年にクリエイト・レストランツ・ホールディングスと資本提携し再上場した。 2014年までは創業家による経営だったが、その後、資本の体系の変化に伴い社名も変更してきた。

     

    直近の決算状況

    今期第3四半期までの業績は、コロナ禍からの回復基調を受け、ほぼ計画通りに推移している。 前期まで営業時間を延長してきたことと、外国人訪日客の増加により、既存店売上高は前年比105%を達成した。 客単価については、コロナ禍以降の円高、物価高の影響を受けながらも、価格転嫁によって粗利率を維持し、増収増益を達成している。

     

    特徴と強み

    駅前一等地への出店と24時間営業による高い収益力、そして「磯丸水産」と「おもてなしとりよし」という二つの強力なブランドを軸とした多様なブランドポートフォリオが強みである。 多様なブランドを展開することで、それぞれの立地や商圏に合わせて最適なブランドを出店できる。

     

    成長戦略

    「磯丸水産」を中心とした新規出店を継続し、特に中国、四国、九州といった地方の未開拓エリアへの進出を加速させている。 また、「磯丸水産」の近隣に大衆酒場「五の五」を出店することで相乗効果を狙う戦略をとっている。

     

    株主還元策

    コロナ前までは配当性向30%程度で配当を実施していた。 コロナ禍で一時中断していたが、2023年2月期から復配し、安定的な株主還元を目指している。 2024年2月には、前期に実施した自社株買いに伴い増配を実施した。

     

    今期の取り組みとトピックス

    今期は営業時間を維持拡大するための採用強化、特に外国籍社員の採用を積極的に行っている。 人事制度を整備し、社内体制を強化することで、今後の出店と人材確保を円滑に進める体制を構築した。 また、インバウンド需要を取り込むため、高単価な商品の投入や海外のグルメサイトでの予約システム導入など、新たな取り組みを実施している。

  • Q:貴社のビジネスモデル、事業内容、強みについてご教示ください。

    A:当社のビジネスモデルは、「磯丸水産」を中心とした居酒屋経営です。一都三県と関西圏の駅前一等立地への出店に注力し、24時間営業することで高い賃料を吸収しながら収益を上げています。2014年に東証二部に上場、2019年には東証一部に市場変更しました。親会社はクリエイト・レストランツ・ホールディングスで、親子上場という形態をとっています。また、2019年にはM&Aにより、株式会社ジョー・スマイル(熊本)と株式会社クルークダイニング(長野)をグループ傘下に収め、事業拡大を図りました。

     

    Q:M&Aの戦略について、詳細をご教示ください。

    A: 2019年のM&Aは、「磯丸水産」の全国展開を加速させるためのものでした。地方でのノウハウ不足を補うため、FC展開と直営展開を比較検討し、M&Aを選択しました。FC展開は、現在、名古屋と福岡で2社に展開しています。コロナ禍の影響でM&A先の企業は、当初の20店舗から12店舗に規模を縮小せざるを得ませんでした。現在、熊本と長野で各2店舗の「磯丸水産」を展開しており、コロナ禍からの回復に伴い、今後の業績拡大に期待しています。

     

    Q:出店戦略について、「磯丸水産」は駅前立地とのことですが、他のブランドの出店戦略はいかがでしょうか。

    A:基本的には「磯丸水産」を出店していく方針ですが、今期は地方の未開拓地である中国、四国、九州地方にも「磯丸水産」の出店を計画しています。「磯丸水産」で業績が確認できたエリアにおいては、もう一つの注力業態である大衆業態の「五の五」を「磯丸水産」の近隣に出店することで、相乗効果を狙います。「五の五」は、「磯丸水産」よりも駅から少し離れた立地でも集客が見込める業態です。その他に鳥良事業があり、「おもてなしとりよし」という高単価な業態と、「鳥良商店」という低単価な業態の二つがあります。前者は路面店に加えビルの空中階に出店しており、後者は「磯丸水産」に近い立地で、1階の路面で出店しています。

     

    Q:「鳥良」と「磯丸」という二つの強い軸のブランドがある中で、その他にも様々なブランド展開されている理由とメリットについてご教示ください。

    A:ブランド自体は、M&Aした2社も含めると全部で28ブランドほどありますが、基本的には「鳥良」と「磯丸」がメインとなります。その他事業は上場までに約20ブランド展開していました。それぞれの商圏に合わせた地域一番店を目指しており、経営理念の「時代を先見したこだわりの限りなき追求」に基づき、それぞれの商圏とタイミングで出店してきました。洋食、中華、餃子居酒屋なども展開しており、その立地や商圏に応じて出店できるブランドを選べる点がメリットです。

     

    Q:創業の経緯について、ご教示ください。

    A: 1984年に吉祥寺で、今は無くなった「鳥良」という業態の店がオープンしました。創業家が経営を続けていましたが、2010年にファンドの傘下に入り、2013年に現在のクリエイト・レストランツ・ホールディングスと資本提携、2014年に東証二部へ上場しました。2014年までは創業家兄弟で「株式会社サムカワフードプランニング」という会社で経営していましたが、2014年に「SFPダイニング」になり、現在「SFPホールディングス」というように、資本の体系の変化に応じて社名が変わってきました。

     

    Q: 最初「鳥良」から始まって、その後24時間営業形態の「磯丸水産」をオープンしていった経緯やきっかけをご教示ください。

    A:「磯丸水産」は、ちょうど15年前に1号店を吉祥寺に出店しました。創業業態である「鳥良」の成長が頭打ちとなったことがきっかけで、様々な業態を試す中で、手応えが良かったのが「磯丸水産」でした。鳥良はビルの空中階に出店していましたが、磯丸水産は1階路面、駅前の一等立地に出店し、収益モデルを2つ持っていることが強みでした。

     

    Q:今期のここまでの決算状況について、コロナ禍後で業績も回復してきているように拝見していますが、要因やトピックス的なものがありましたらご教示ください。

    A:今期の第3四半期までの状況は、ほぼ計画通りです。既存店前年比は105%で、これは前期まで営業時間を延長してきたことと、外国人訪日客が増加していることが要因です。客単価は、コロナ禍以降の円高、物価高の影響を受けながらも、価格転嫁によって粗利率を維持し、増収増益を達成しています。

     

    Q:採用強化について、飲食業界全体で人材の採用に苦労されていると思いますが、貴社の採用戦略についてご教示ください。

    A:アルバイトの時給は、首都圏を中心に上昇しています。当社は、最低賃金で募集することはなく、一定程度高く設定していますが、登録型のアルバイトが広がる中で、採用を継続することは容易ではありません。前期は人手不足解消のため、社員の採用を強化し、特に外国籍社員を採用しました。2023年2月期時点で外国籍社員の割合は10%未満でしたが、現在は3割近くまで増加しています。日本国籍の社員の採用は難しく、今後も賃上げや人事制度の見直しなどで離職率を抑制していく必要があります。

     

    Q:株主還元について、ご教示ください。

    A:株主還元は、コロナ前までは配当性向30%程度で実施していました。コロナ禍で配当できない状況になりましたが、2023年2月期から復配しました。安定的な株主還元が基本的な考え方です。2024年2月には、前期にプライム市場の要件を満たすための自社株買いを実施したことに伴い、配当総額を意識して1株あたり12円から13円に増配しました。今期は前期までの配当総額を意識して配当しています。

     

    Q:貴社のESGに対する取り組み、特に環境の観点から、例えばフードロスに対する取り組みなどがあればご教示ください。

    A:サステナビリティ経営は始まったばかりですが、フードロス削減として食材や調味料の共通化を進めています。「鳥良」では、手羽先の唐揚げなど揚げ物が多いことから廃油をリサイクルしペンキとして再利用しています。環境面では、店舗に節水コマを設置し節水に取り組んだり、LED電球への交換による消費電力抑制などを行っています。

     

    Q:今期新しく取り組んでいることや、業績に係るトピックス的なものがありましたらご教示ください。

    A:今期は、営業時間を維持拡大するために人員を増やし、出店攻勢により店舗数を純増に転換しました。人材採用は今後も容易ではないと考え、社内充実のため人事制度を整備しました。また、未開拓エリアである鹿児島への出店など、地方への出店も進めています。インバウンド需要の取り込みは堅調に推移しており、高単価な商品の投入や海外のグルメサイトでの予約システム導入などを行いました。来期以降は、物価高や水道光熱費の高騰が続くと予想されるため、一部商品では価格転嫁が必要と考えています。既存店前年比は100%を超えていく見込みです。

  • 取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    回答者: 弊社のビジネスモデルは、主力ブランドである「磯丸水産」を中心とした居酒屋経営です。特に、一都三県と関西圏の駅前一等地への出店に注力しており、24時間営業することで、高い賃料を吸収しながら収益を上げております。2014年に東証二部に上場、2019年には東証一部に市場変更いたしました。親会社はクリエイト・レストランツ・ホールディングスで、親子上場という形態をとっております。また、2019年にはM&Aにより、株式会社ジョー・スマイル(熊本)と株式会社クルークダイニング(長野)をグループ傘下に収め、事業拡大を図っております。

    取材者: M&Aの戦略について、もう少し詳しく教えていただけますか。

    回答者: 2019年のM&Aは、「磯丸水産」の全国展開を加速させるためのものでした。当時は、FC展開と直営展開のどちらが良いか検討しており、地方でのノウハウ不足を補うため、M&Aを選択いたしました。FC展開は、現在、名古屋と福岡で2社に展開していただいております。直営展開とFC展開のどちらが良いかという観点から、M&Aを選択したという経緯がございます。しかし、コロナ禍の影響でM&A先の企業は、それぞれ20店舗ずつぐらいあったのですが12店舗に規模を縮小せざるを得ませんでした。現在、熊本と長野で各2店舗の「磯丸水産」を展開しており、コロナ禍からの回復に伴い、今後の業績拡大に期待しています。M&Aの背景には、店舗拡大をするにあたってのFC展開が良いのか直営展開が良いのかという課題があり、M&Aを実施したという経緯がございます。

    取材者:出店戦略について、「磯丸水産」は駅前立地とのことですが、他のブランドの出店戦略はいかがでしょうか。

    回答者: 基本的には「磯丸水産」を出店していこうという方針ですが、今後の出店戦略としては、未開拓である地方の中核都市で「磯丸水産」を出店していこうと考えております。「磯丸水産」で盛業が確認できたエリアにおいては、もう一つの注力業態である大衆業態の「五の五」を「磯丸水産」の近隣に出店することで、相乗効果を狙います。「五の五」は、「磯丸水産」よりも駅から少し離れた立地でも集客が見込める業態です。「磯丸水産」は基本的に駅前の、一等立地の、駅から非常に近いところの路面店に出店しているのですが、「五の五」は「磯丸水産」よりも駅から少し離れたところでも、近隣に出店することによって集客できるという特性があるので、駅近よりも少し離れたところに出店しています。「磯丸水産」よりも少し規模も小さい店舗ですが、出店しているというのが現状です。その他に鳥良事業がございます。弊社では、磯丸事業、鳥良事業、その他事業というような形でIRを出させていただいているのですが、元々、鳥良事業というのは「鳥良」というブランドのことです。鳥良の中には、「おもてなしとりよし」という、単価が高い業態と、「鳥良商店」という低単価な業態の二つがあり、前者の高単価の「おもてなしとりよし」という業態は、路面店もございますが、ビルの空中階に出店しています。そして、「鳥良商店」という低単価な業態は、「磯丸水産」に近い立地で、1階の路面で出店しているというような形でございます。

    取材者: 貴社のように、「鳥良」と「磯丸」という二つの強い軸のブランドがある中で、その他にも様々なブランド展開されていると思いますが、ブランド数が多いことへのメリットはどのようにお考えでしょうか。

    回答者: ブランド自体は、M&Aした2社も含めると全部で28ブランドほどあるのですが、基本的にはメインとしては「鳥良」と「磯丸」になります。その他事業という形でやっておりまして、上場までに20ブランドぐらいはできていたものです。それぞれの立地、地域一番店を目指すという中に、弊社の経営理念の中で「時流を先見したこだわりの限りなき追求」というものがあるのですが、それぞれの商圏に応じて、それぞれのタイミングで出店してきたという背景がある中で、洋食業態であったり、中華業態、餃子居酒屋なんかも、その他業態の中には含まれるのですが、出店してきたということで、その立地に応じて、その商圏に応じて出せるブランドを選べること。「磯丸水産」が出せる地域しかなかったら、「磯丸水産」しか出せないということにはなりうるのですが、こういうロケーションで、こういう物件が空いたときに、選択肢として、「磯丸水産」と、それ以外のブランドをぶつけることができるというところは、一つのメリットだと考えています。

    取材者: 創業の経緯について、教えていただけますか。

    回答者: 1984年に吉祥寺で、今はないのですが、「鳥良」という業態がオープンしました。「おもてなしとりよし」とも「鳥良商店」とも違うのですが、「鳥良」という業態が吉祥寺にオープンしました。創業家がそのまま経営を続けていまして、2010年に、一旦ファンドに、上場企業が全てそのファンドの傘下に入り上場に向けた取組みをスタートさせました。2014年に今のクリエイト・レストランツ・ホールディングスと資本提携し、2017年12月に上場したという背景があります。社名については創業家兄弟で「株式会社サムカワフードプランニング」という会社としてやってきて、2011年に「SFPダイニング」になり、2017年に現在の「SFPホールディングス」というような形で、資本の体系の変化に応じて社名が変わってきました。

    取材者:そうした中で、最初「鳥良」から始まって、その後24時間営業形態の「磯丸水産」をオープンしていった経緯やきっかけについて教えていただけますか。

    回答者: 「磯丸水産」自体は、ちょうど15年前に1号店を吉祥寺に出店したのですが、「磯丸水産」を出すに至った経緯としては、まず、当時、創業業態である「鳥良」の成長が頭打ちとなったことがきっかけです。様々な業態のトライアルをする中で、比較的手応えが良かったのが「磯丸水産」でした。鳥良はビルの空中階に出店していましたが、磯丸水産は1階路面、駅前の一等立地に出店し、収益モデルを2つ持っていることが強みでした。それ以外にも様々な業態のトライアルは行うのですが、磯丸水産は特に手応えがあって、一気に店舗を拡大させていったという形です。

    取材者: 今期のここまでの決算状況についてもお伺いしたいのですが、コロナ禍後で業績も回復してきているように拝見しているのですが、今期ここまでの決算の要因やトピックス的なものがありましたら教えていただけますか。

    回答者: 今期の第3四半期までの状況としましては、前期の売上高が291億円、営業利益が20億円という着地から、今期は売上高300億円、営業利益21億円という計画を立てております。この背景には、コロナ禍が落ち着いて、抑制的に採用活動を行ってきたこと、そして固定費、賃料の高い物件や採算性の低い店舗を撤退してきたことが挙げられます。2023年の2月期からは平時に近い営業を取り戻せるようになってきており、2022年の11月頃に水際対策が緩和されて、外国人訪日客が増えてきたという背景もございます。その一方で、採用を抑制的に進めていた結果、人手不足により24時間営業ができないというような状況がありました。それを前期を通じて採用を強化し、営業時間を拡大してきました。前期が終わったタイミングで、売上高が290億円、営業利益が20億円、営業利益率は7%という形で、一旦コロナ前の2020年2月期に近い営業利益率まで戻りました。以降はここまで、基本的な出店戦略として直営店による出店を中心にすすめており、M&A、FCもお話があれば検討材料にはなりますけれども、基本的には直営出店というような形ですすめております。コロナ以降、固定費の削減や不採算店舗の撤退目的で店舗数は純減してきたのですが、今期はプラス着地に転じれるようすすめており、前期に人も採用しましたし、今期も着実に新規出店しております。順調に出店させて、増収をしっかりと確保していく。なおかつ、前期と同等の営業利益率を維持するというところから、300億で21億という形の営業計画を立てておりまして、第3四半期が終わった時点で、ほぼほぼ計画通りというような形です。既存店前年比でいうと105%という数字を出させていただいているのですが、これは前期まで営業時間を延ばしてきた分のギャップが来客数に反映されているということと、外国人訪日客が引き続き堅調に伸びてきているというところが、既存店売上高105%の要因と考えております。客単価に関しましては、コロナ禍以降の円高、物価高の影響を受けながらも、価格転嫁をしつつ粗利率を維持するといった形で、増収増益という形で前期、今期とやってきているという状況でございます。

    取材者: 採用強化のお話もありましたが、飲食業界全体で見ると、どうしても人材の採用に苦労されているという印象を受けるのですが、貴社の中で何か採用戦略のようなものはございますか。

    回答者: 特にアルバイトに関しては、首都圏を中心に時給が上がってきているというのが現状です。弊社も、居酒屋で最低賃金で募集することはございません。一定程度高くはするのですが、昨今、登録型のアルバイトが広がっている中で、時給を高くするというのはもちろんなのですが、アルバイトを採用し続けることは苦労しているというのが現状です。前期においては、人手不足というところを解消するために、社員の採用を強化してきて、特に外国籍の社員を採用してきました。コロナが落ち着いた2023年の2月期が終わった段階で、外国籍の社員の割合というのは全体の10%にも満たないぐらいだったのですが、それを今、足元では3割近くまで増やして、人手不足に対応できてきているというのが現状です。日本国籍の社員というのはなかなか採用が難しく、今後も社内の賃上げや人事制度の見直しなどをやっていきながら、離職率を下げながらやっていく必要があると考えております。

    取材者: 株主還元についてはいかがでしょうか。

    回答者: 株主還元に関しては、まず配当ですが、コロナ前までは配当性向30%程度でやってきたという背景がございます。コロナ禍においては配当ができないような状況になりましたけれども、2023年の2月期から復配という形で実施させていただいております。安定的に株主還元を提供していくというところが基本的な考え方です。2024年の2月に、増配をさせていただいたのですが、これは前期にプライム市場の要件を満たすために自社株買いを実施したという背景がありまして、配当総額を意識して12円から13円に引き上げたというところでございます。安定的に株主還元し続けるというところから、今期においては前期までの配当総額を意識して配当をさせていただいております。

    取材者: 貴社のESGに対する取り組み、特に環境の観点から何か、例えばフードロスに対する取り組みなどがあれば教えていただけますか。

    回答者: サステナビリティ、サステナビリティ的な経営というのは、まだ始まったばかりというところではあるのですが、これまでやってきたものとして、フードロスに関して言えば、食材や調味料の共通化を進めています。「鳥良」は手羽先の唐揚げなど揚げ物が多く、その廃油をリサイクルしてペンキに変えることで再利用しております。環境的な部分でいくと、店舗に節水用のコマをつけて節水に取り組んでいたり、LED電球に変えることによって消費電力を抑えるなど、そういった取り組みをやっております。

    取材者:今期何か新しく取り組まれていることや、業績に係るトピックス的なものがありましたら教えていただけますか。

    回答者: 今期においては、これまで申し上げたように、営業時間を維持拡大するために人を増やしてきました。そして、出店攻勢により純増に転換してきました。基本的なコスト面での動きですが、人材の採用が今後も必ずしも容易ではないと考えていますので、人事制度の整備をしてきました。それを踏まえて、出店の際に採用をしっかりと確保するというところもあるので、社内の整備を進めた上で、今月、未開拓エリアである鹿児島に出店を予定しておりますので、今期としては、地方への出店と、やはり「磯丸水産」を出店しているエリアに、「五の五」という大衆業態を出店という形ですすめております。それ以外に、インバウンドの取り込みというのは堅調に推移しておりますので、高付加価値で、かつ比較的高単価な商品を投入したり、これまで、旅行代理店を通じた予約集客はしておりましたが、直近では海外のグルメサイトを通じお客様自身で予約ができるような仕組みづくりを進めてきました。

    回答者:来期以降、既存店に関して言えば、物価高や水道光熱費の高騰というのは続くと思いますので、一部商品では価格転嫁が必要だと考えております。既存店前年比は100%を超えていく見込みです。

  • 執行役員 管理本部長 原悦久様

    管理本部 経営企画部長 中原英祐様

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SFPホールディングス(株)

東証PRM 3198

決算:2月末日

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【2026年2月期第2四半期】

決算概要

2026年2月期第2四半期は、売上高15,344百万円(前年同期比2.0%増)と増収を達成したが、営業利益858百万円(同5.3%減)、経常利益910百万円(同11.1%減)純利益533百万円(同24.5%減)と利益面では減益となった。増収要因としては、注力業態である大衆業態「五の五」の既存店が好調に推移したこと、および出退店計画の進展が着実に積み重なったことによる。減益の主要因は、原価率が前期比で約1ポイント上昇し、粗利が1%低下したことである。原価率の上昇は、生ビールの価格改定に加え、米など仕入れ価格の高騰によるものであり、販管費率が0.5ポイント改善したにもかかわらず、粗利率の低下を吸収しきれなかったことが利益面の押し下げにつながった。


セグメント別または事業別の増減要因

増収に貢献した事業構成として、注力業態である大衆業態「五の五」が既存店とともに好調に推移している。一方で、主力の「磯丸水産」を含む既存店売上高は伸び悩んだ。既存店の伸び悩みは、前期の40周年キャンペーンの反動に加え、6月から7月にかけてSNSで拡散された巨大地震予言の影響により、訪日外国人客の伸びが一時的に鈍化したことが直接的な要因となった。


主要KPIの進捗と変化

主要KPIに関する具体的な数値の開示は見られないが、店舗数の進捗は計画通り、ないしは上振れ要素がある。出店計画は直営店がおおむね計画通りに進捗しているほか、FC店については上期に1店舗、第3四半期以降に2店舗の出店が予定されており、これは当初計画値からの上振れ要素と認識されている。また、既存店のリモデル施策として「鳥良商店」で低価格・大衆化を推進し、リニューアル完了店舗は前年比111%で推移しており、来客数増加の目標に対し好調と評価されている。


季節性・一過性要因の有無と影響

上期において、売上高の伸び悩みの一過性要因として、6月・7月にSNSで拡散された巨大地震予言の影響により、訪日外国人客の売上高の伸びが一時的に鈍化したことが挙げられる。ただし、7月後半から8月にかけては、訪日外国人客数は前期並みに回復している。また、昨年は大型台風の影響で一部店舗の休業があったため、前年比の伸び率(108.7%)には一定程度の注意が必要な状況である。費用面では、前期の政府補助金(光熱費など)効果が今期は剥落していることが販管費増の要因として作用している。


通期見通しと進捗率・達成可能性

通期の当初開示予想(売上高32,500百万円、営業利益2,500百万円)は粗利が前期並みであるという前提に基づいていたため、上期の粗利率低下により利益面ではややビハインドであると認識されている。しかしながら、第3四半期以降の年末までの出退店加速によるトップラインの引き上げ、および8月に実施した価格改定により原価率の上昇基調に一旦目途が立ったことから、十分巻き返しは可能であると捉えている。通年で最も繁忙期となる年末年始商戦での粗利・原価のコントロールが、通期見通し達成の鍵である。


トピックス

リピート率向上施策として、これまで積極的には行っていなかったリピート戦略を強化するため、2026年2月期末を目途に「磯丸水産アプリ」を準備していることが新たに公表された。また、「鳥良商店」のリニューアルは8月末時点で27店舗中22店舗が完了しており、第3四半期までに全て完了する予定である。年末までにできる限り多くの店舗を出店し、当社の最大の繁忙期である年末年始商戦に向けた準備が最大の注力点である。

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    ビジネスモデルおよび事業内容

    SFPホールディングスは、「磯丸水産」を中心とした居酒屋経営を主力事業とする企業である。一都三県と関西圏の駅前一等地への出店に注力し、24時間営業することで高い賃料を吸収しながら収益を上げている。 親会社はクリエイト・レストランツ・ホールディングスで、親子上場という形態をとっている。

     

    創業の経緯と転機

    1984年に吉祥寺で「鳥良」という業態で創業。 2010年にファンドの傘下に入り、2013年にクリエイト・レストランツ・ホールディングスと資本提携し再上場した。 2014年までは創業家による経営だったが、その後、資本の体系の変化に伴い社名も変更してきた。

     

    直近の決算状況

    今期第3四半期までの業績は、コロナ禍からの回復基調を受け、ほぼ計画通りに推移している。 前期まで営業時間を延長してきたことと、外国人訪日客の増加により、既存店売上高は前年比105%を達成した。 客単価については、コロナ禍以降の円高、物価高の影響を受けながらも、価格転嫁によって粗利率を維持し、増収増益を達成している。

     

    特徴と強み

    駅前一等地への出店と24時間営業による高い収益力、そして「磯丸水産」と「おもてなしとりよし」という二つの強力なブランドを軸とした多様なブランドポートフォリオが強みである。 多様なブランドを展開することで、それぞれの立地や商圏に合わせて最適なブランドを出店できる。

     

    成長戦略

    「磯丸水産」を中心とした新規出店を継続し、特に中国、四国、九州といった地方の未開拓エリアへの進出を加速させている。 また、「磯丸水産」の近隣に大衆酒場「五の五」を出店することで相乗効果を狙う戦略をとっている。

     

    株主還元策

    コロナ前までは配当性向30%程度で配当を実施していた。 コロナ禍で一時中断していたが、2023年2月期から復配し、安定的な株主還元を目指している。 2024年2月には、前期に実施した自社株買いに伴い増配を実施した。

     

    今期の取り組みとトピックス

    今期は営業時間を維持拡大するための採用強化、特に外国籍社員の採用を積極的に行っている。 人事制度を整備し、社内体制を強化することで、今後の出店と人材確保を円滑に進める体制を構築した。 また、インバウンド需要を取り込むため、高単価な商品の投入や海外のグルメサイトでの予約システム導入など、新たな取り組みを実施している。

  • Q:貴社のビジネスモデル、事業内容、強みについてご教示ください。

    A:当社のビジネスモデルは、「磯丸水産」を中心とした居酒屋経営です。一都三県と関西圏の駅前一等立地への出店に注力し、24時間営業することで高い賃料を吸収しながら収益を上げています。2014年に東証二部に上場、2019年には東証一部に市場変更しました。親会社はクリエイト・レストランツ・ホールディングスで、親子上場という形態をとっています。また、2019年にはM&Aにより、株式会社ジョー・スマイル(熊本)と株式会社クルークダイニング(長野)をグループ傘下に収め、事業拡大を図りました。

     

    Q:M&Aの戦略について、詳細をご教示ください。

    A: 2019年のM&Aは、「磯丸水産」の全国展開を加速させるためのものでした。地方でのノウハウ不足を補うため、FC展開と直営展開を比較検討し、M&Aを選択しました。FC展開は、現在、名古屋と福岡で2社に展開しています。コロナ禍の影響でM&A先の企業は、当初の20店舗から12店舗に規模を縮小せざるを得ませんでした。現在、熊本と長野で各2店舗の「磯丸水産」を展開しており、コロナ禍からの回復に伴い、今後の業績拡大に期待しています。

     

    Q:出店戦略について、「磯丸水産」は駅前立地とのことですが、他のブランドの出店戦略はいかがでしょうか。

    A:基本的には「磯丸水産」を出店していく方針ですが、今期は地方の未開拓地である中国、四国、九州地方にも「磯丸水産」の出店を計画しています。「磯丸水産」で業績が確認できたエリアにおいては、もう一つの注力業態である大衆業態の「五の五」を「磯丸水産」の近隣に出店することで、相乗効果を狙います。「五の五」は、「磯丸水産」よりも駅から少し離れた立地でも集客が見込める業態です。その他に鳥良事業があり、「おもてなしとりよし」という高単価な業態と、「鳥良商店」という低単価な業態の二つがあります。前者は路面店に加えビルの空中階に出店しており、後者は「磯丸水産」に近い立地で、1階の路面で出店しています。

     

    Q:「鳥良」と「磯丸」という二つの強い軸のブランドがある中で、その他にも様々なブランド展開されている理由とメリットについてご教示ください。

    A:ブランド自体は、M&Aした2社も含めると全部で28ブランドほどありますが、基本的には「鳥良」と「磯丸」がメインとなります。その他事業は上場までに約20ブランド展開していました。それぞれの商圏に合わせた地域一番店を目指しており、経営理念の「時代を先見したこだわりの限りなき追求」に基づき、それぞれの商圏とタイミングで出店してきました。洋食、中華、餃子居酒屋なども展開しており、その立地や商圏に応じて出店できるブランドを選べる点がメリットです。

     

    Q:創業の経緯について、ご教示ください。

    A: 1984年に吉祥寺で、今は無くなった「鳥良」という業態の店がオープンしました。創業家が経営を続けていましたが、2010年にファンドの傘下に入り、2013年に現在のクリエイト・レストランツ・ホールディングスと資本提携、2014年に東証二部へ上場しました。2014年までは創業家兄弟で「株式会社サムカワフードプランニング」という会社で経営していましたが、2014年に「SFPダイニング」になり、現在「SFPホールディングス」というように、資本の体系の変化に応じて社名が変わってきました。

     

    Q: 最初「鳥良」から始まって、その後24時間営業形態の「磯丸水産」をオープンしていった経緯やきっかけをご教示ください。

    A:「磯丸水産」は、ちょうど15年前に1号店を吉祥寺に出店しました。創業業態である「鳥良」の成長が頭打ちとなったことがきっかけで、様々な業態を試す中で、手応えが良かったのが「磯丸水産」でした。鳥良はビルの空中階に出店していましたが、磯丸水産は1階路面、駅前の一等立地に出店し、収益モデルを2つ持っていることが強みでした。

     

    Q:今期のここまでの決算状況について、コロナ禍後で業績も回復してきているように拝見していますが、要因やトピックス的なものがありましたらご教示ください。

    A:今期の第3四半期までの状況は、ほぼ計画通りです。既存店前年比は105%で、これは前期まで営業時間を延長してきたことと、外国人訪日客が増加していることが要因です。客単価は、コロナ禍以降の円高、物価高の影響を受けながらも、価格転嫁によって粗利率を維持し、増収増益を達成しています。

     

    Q:採用強化について、飲食業界全体で人材の採用に苦労されていると思いますが、貴社の採用戦略についてご教示ください。

    A:アルバイトの時給は、首都圏を中心に上昇しています。当社は、最低賃金で募集することはなく、一定程度高く設定していますが、登録型のアルバイトが広がる中で、採用を継続することは容易ではありません。前期は人手不足解消のため、社員の採用を強化し、特に外国籍社員を採用しました。2023年2月期時点で外国籍社員の割合は10%未満でしたが、現在は3割近くまで増加しています。日本国籍の社員の採用は難しく、今後も賃上げや人事制度の見直しなどで離職率を抑制していく必要があります。

     

    Q:株主還元について、ご教示ください。

    A:株主還元は、コロナ前までは配当性向30%程度で実施していました。コロナ禍で配当できない状況になりましたが、2023年2月期から復配しました。安定的な株主還元が基本的な考え方です。2024年2月には、前期にプライム市場の要件を満たすための自社株買いを実施したことに伴い、配当総額を意識して1株あたり12円から13円に増配しました。今期は前期までの配当総額を意識して配当しています。

     

    Q:貴社のESGに対する取り組み、特に環境の観点から、例えばフードロスに対する取り組みなどがあればご教示ください。

    A:サステナビリティ経営は始まったばかりですが、フードロス削減として食材や調味料の共通化を進めています。「鳥良」では、手羽先の唐揚げなど揚げ物が多いことから廃油をリサイクルしペンキとして再利用しています。環境面では、店舗に節水コマを設置し節水に取り組んだり、LED電球への交換による消費電力抑制などを行っています。

     

    Q:今期新しく取り組んでいることや、業績に係るトピックス的なものがありましたらご教示ください。

    A:今期は、営業時間を維持拡大するために人員を増やし、出店攻勢により店舗数を純増に転換しました。人材採用は今後も容易ではないと考え、社内充実のため人事制度を整備しました。また、未開拓エリアである鹿児島への出店など、地方への出店も進めています。インバウンド需要の取り込みは堅調に推移しており、高単価な商品の投入や海外のグルメサイトでの予約システム導入などを行いました。来期以降は、物価高や水道光熱費の高騰が続くと予想されるため、一部商品では価格転嫁が必要と考えています。既存店前年比は100%を超えていく見込みです。

  • 取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    回答者: 弊社のビジネスモデルは、主力ブランドである「磯丸水産」を中心とした居酒屋経営です。特に、一都三県と関西圏の駅前一等地への出店に注力しており、24時間営業することで、高い賃料を吸収しながら収益を上げております。2014年に東証二部に上場、2019年には東証一部に市場変更いたしました。親会社はクリエイト・レストランツ・ホールディングスで、親子上場という形態をとっております。また、2019年にはM&Aにより、株式会社ジョー・スマイル(熊本)と株式会社クルークダイニング(長野)をグループ傘下に収め、事業拡大を図っております。

    取材者: M&Aの戦略について、もう少し詳しく教えていただけますか。

    回答者: 2019年のM&Aは、「磯丸水産」の全国展開を加速させるためのものでした。当時は、FC展開と直営展開のどちらが良いか検討しており、地方でのノウハウ不足を補うため、M&Aを選択いたしました。FC展開は、現在、名古屋と福岡で2社に展開していただいております。直営展開とFC展開のどちらが良いかという観点から、M&Aを選択したという経緯がございます。しかし、コロナ禍の影響でM&A先の企業は、それぞれ20店舗ずつぐらいあったのですが12店舗に規模を縮小せざるを得ませんでした。現在、熊本と長野で各2店舗の「磯丸水産」を展開しており、コロナ禍からの回復に伴い、今後の業績拡大に期待しています。M&Aの背景には、店舗拡大をするにあたってのFC展開が良いのか直営展開が良いのかという課題があり、M&Aを実施したという経緯がございます。

    取材者:出店戦略について、「磯丸水産」は駅前立地とのことですが、他のブランドの出店戦略はいかがでしょうか。

    回答者: 基本的には「磯丸水産」を出店していこうという方針ですが、今後の出店戦略としては、未開拓である地方の中核都市で「磯丸水産」を出店していこうと考えております。「磯丸水産」で盛業が確認できたエリアにおいては、もう一つの注力業態である大衆業態の「五の五」を「磯丸水産」の近隣に出店することで、相乗効果を狙います。「五の五」は、「磯丸水産」よりも駅から少し離れた立地でも集客が見込める業態です。「磯丸水産」は基本的に駅前の、一等立地の、駅から非常に近いところの路面店に出店しているのですが、「五の五」は「磯丸水産」よりも駅から少し離れたところでも、近隣に出店することによって集客できるという特性があるので、駅近よりも少し離れたところに出店しています。「磯丸水産」よりも少し規模も小さい店舗ですが、出店しているというのが現状です。その他に鳥良事業がございます。弊社では、磯丸事業、鳥良事業、その他事業というような形でIRを出させていただいているのですが、元々、鳥良事業というのは「鳥良」というブランドのことです。鳥良の中には、「おもてなしとりよし」という、単価が高い業態と、「鳥良商店」という低単価な業態の二つがあり、前者の高単価の「おもてなしとりよし」という業態は、路面店もございますが、ビルの空中階に出店しています。そして、「鳥良商店」という低単価な業態は、「磯丸水産」に近い立地で、1階の路面で出店しているというような形でございます。

    取材者: 貴社のように、「鳥良」と「磯丸」という二つの強い軸のブランドがある中で、その他にも様々なブランド展開されていると思いますが、ブランド数が多いことへのメリットはどのようにお考えでしょうか。

    回答者: ブランド自体は、M&Aした2社も含めると全部で28ブランドほどあるのですが、基本的にはメインとしては「鳥良」と「磯丸」になります。その他事業という形でやっておりまして、上場までに20ブランドぐらいはできていたものです。それぞれの立地、地域一番店を目指すという中に、弊社の経営理念の中で「時流を先見したこだわりの限りなき追求」というものがあるのですが、それぞれの商圏に応じて、それぞれのタイミングで出店してきたという背景がある中で、洋食業態であったり、中華業態、餃子居酒屋なんかも、その他業態の中には含まれるのですが、出店してきたということで、その立地に応じて、その商圏に応じて出せるブランドを選べること。「磯丸水産」が出せる地域しかなかったら、「磯丸水産」しか出せないということにはなりうるのですが、こういうロケーションで、こういう物件が空いたときに、選択肢として、「磯丸水産」と、それ以外のブランドをぶつけることができるというところは、一つのメリットだと考えています。

    取材者: 創業の経緯について、教えていただけますか。

    回答者: 1984年に吉祥寺で、今はないのですが、「鳥良」という業態がオープンしました。「おもてなしとりよし」とも「鳥良商店」とも違うのですが、「鳥良」という業態が吉祥寺にオープンしました。創業家がそのまま経営を続けていまして、2010年に、一旦ファンドに、上場企業が全てそのファンドの傘下に入り上場に向けた取組みをスタートさせました。2014年に今のクリエイト・レストランツ・ホールディングスと資本提携し、2017年12月に上場したという背景があります。社名については創業家兄弟で「株式会社サムカワフードプランニング」という会社としてやってきて、2011年に「SFPダイニング」になり、2017年に現在の「SFPホールディングス」というような形で、資本の体系の変化に応じて社名が変わってきました。

    取材者:そうした中で、最初「鳥良」から始まって、その後24時間営業形態の「磯丸水産」をオープンしていった経緯やきっかけについて教えていただけますか。

    回答者: 「磯丸水産」自体は、ちょうど15年前に1号店を吉祥寺に出店したのですが、「磯丸水産」を出すに至った経緯としては、まず、当時、創業業態である「鳥良」の成長が頭打ちとなったことがきっかけです。様々な業態のトライアルをする中で、比較的手応えが良かったのが「磯丸水産」でした。鳥良はビルの空中階に出店していましたが、磯丸水産は1階路面、駅前の一等立地に出店し、収益モデルを2つ持っていることが強みでした。それ以外にも様々な業態のトライアルは行うのですが、磯丸水産は特に手応えがあって、一気に店舗を拡大させていったという形です。

    取材者: 今期のここまでの決算状況についてもお伺いしたいのですが、コロナ禍後で業績も回復してきているように拝見しているのですが、今期ここまでの決算の要因やトピックス的なものがありましたら教えていただけますか。

    回答者: 今期の第3四半期までの状況としましては、前期の売上高が291億円、営業利益が20億円という着地から、今期は売上高300億円、営業利益21億円という計画を立てております。この背景には、コロナ禍が落ち着いて、抑制的に採用活動を行ってきたこと、そして固定費、賃料の高い物件や採算性の低い店舗を撤退してきたことが挙げられます。2023年の2月期からは平時に近い営業を取り戻せるようになってきており、2022年の11月頃に水際対策が緩和されて、外国人訪日客が増えてきたという背景もございます。その一方で、採用を抑制的に進めていた結果、人手不足により24時間営業ができないというような状況がありました。それを前期を通じて採用を強化し、営業時間を拡大してきました。前期が終わったタイミングで、売上高が290億円、営業利益が20億円、営業利益率は7%という形で、一旦コロナ前の2020年2月期に近い営業利益率まで戻りました。以降はここまで、基本的な出店戦略として直営店による出店を中心にすすめており、M&A、FCもお話があれば検討材料にはなりますけれども、基本的には直営出店というような形ですすめております。コロナ以降、固定費の削減や不採算店舗の撤退目的で店舗数は純減してきたのですが、今期はプラス着地に転じれるようすすめており、前期に人も採用しましたし、今期も着実に新規出店しております。順調に出店させて、増収をしっかりと確保していく。なおかつ、前期と同等の営業利益率を維持するというところから、300億で21億という形の営業計画を立てておりまして、第3四半期が終わった時点で、ほぼほぼ計画通りというような形です。既存店前年比でいうと105%という数字を出させていただいているのですが、これは前期まで営業時間を延ばしてきた分のギャップが来客数に反映されているということと、外国人訪日客が引き続き堅調に伸びてきているというところが、既存店売上高105%の要因と考えております。客単価に関しましては、コロナ禍以降の円高、物価高の影響を受けながらも、価格転嫁をしつつ粗利率を維持するといった形で、増収増益という形で前期、今期とやってきているという状況でございます。

    取材者: 採用強化のお話もありましたが、飲食業界全体で見ると、どうしても人材の採用に苦労されているという印象を受けるのですが、貴社の中で何か採用戦略のようなものはございますか。

    回答者: 特にアルバイトに関しては、首都圏を中心に時給が上がってきているというのが現状です。弊社も、居酒屋で最低賃金で募集することはございません。一定程度高くはするのですが、昨今、登録型のアルバイトが広がっている中で、時給を高くするというのはもちろんなのですが、アルバイトを採用し続けることは苦労しているというのが現状です。前期においては、人手不足というところを解消するために、社員の採用を強化してきて、特に外国籍の社員を採用してきました。コロナが落ち着いた2023年の2月期が終わった段階で、外国籍の社員の割合というのは全体の10%にも満たないぐらいだったのですが、それを今、足元では3割近くまで増やして、人手不足に対応できてきているというのが現状です。日本国籍の社員というのはなかなか採用が難しく、今後も社内の賃上げや人事制度の見直しなどをやっていきながら、離職率を下げながらやっていく必要があると考えております。

    取材者: 株主還元についてはいかがでしょうか。

    回答者: 株主還元に関しては、まず配当ですが、コロナ前までは配当性向30%程度でやってきたという背景がございます。コロナ禍においては配当ができないような状況になりましたけれども、2023年の2月期から復配という形で実施させていただいております。安定的に株主還元を提供していくというところが基本的な考え方です。2024年の2月に、増配をさせていただいたのですが、これは前期にプライム市場の要件を満たすために自社株買いを実施したという背景がありまして、配当総額を意識して12円から13円に引き上げたというところでございます。安定的に株主還元し続けるというところから、今期においては前期までの配当総額を意識して配当をさせていただいております。

    取材者: 貴社のESGに対する取り組み、特に環境の観点から何か、例えばフードロスに対する取り組みなどがあれば教えていただけますか。

    回答者: サステナビリティ、サステナビリティ的な経営というのは、まだ始まったばかりというところではあるのですが、これまでやってきたものとして、フードロスに関して言えば、食材や調味料の共通化を進めています。「鳥良」は手羽先の唐揚げなど揚げ物が多く、その廃油をリサイクルしてペンキに変えることで再利用しております。環境的な部分でいくと、店舗に節水用のコマをつけて節水に取り組んでいたり、LED電球に変えることによって消費電力を抑えるなど、そういった取り組みをやっております。

    取材者:今期何か新しく取り組まれていることや、業績に係るトピックス的なものがありましたら教えていただけますか。

    回答者: 今期においては、これまで申し上げたように、営業時間を維持拡大するために人を増やしてきました。そして、出店攻勢により純増に転換してきました。基本的なコスト面での動きですが、人材の採用が今後も必ずしも容易ではないと考えていますので、人事制度の整備をしてきました。それを踏まえて、出店の際に採用をしっかりと確保するというところもあるので、社内の整備を進めた上で、今月、未開拓エリアである鹿児島に出店を予定しておりますので、今期としては、地方への出店と、やはり「磯丸水産」を出店しているエリアに、「五の五」という大衆業態を出店という形ですすめております。それ以外に、インバウンドの取り込みというのは堅調に推移しておりますので、高付加価値で、かつ比較的高単価な商品を投入したり、これまで、旅行代理店を通じた予約集客はしておりましたが、直近では海外のグルメサイトを通じお客様自身で予約ができるような仕組みづくりを進めてきました。

    回答者:来期以降、既存店に関して言えば、物価高や水道光熱費の高騰というのは続くと思いますので、一部商品では価格転嫁が必要だと考えております。既存店前年比は100%を超えていく見込みです。

  • 執行役員 管理本部長 原悦久様

    管理本部 経営企画部長 中原英祐様

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    2026年2月期第1四半期の売上高は77億5,100万円で前年同期比1.0%の増加、営業利益は5億9,300万円で同2.6%の減少、経常利益は5億9,900万円で同10.6%の減少、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億8,900万円で同18.5%の減少であった。売上高の増加は、前期からの出店数増加と注力業態である「大衆酒場 五の五」の好調な推移によるものである。営業利益の減少は、売上原価が前年同期に比べて1ポイント増加したことが主な要因であり、これは仕入れ価格の全体的な上昇傾向によるものである。第1四半期の途中、4月中旬頃に主力業態である磯丸水産をはじめとする各業態でメニュー変更を行い、原価上昇抑制の対策を講じた。

     

    セグメント別または事業別の増減要因

    主力業態である磯丸水産の既存店売上高は、前年の40周年キャンペーンの反動もあり、前年同期比で99.5%となり足踏み状態であった。一方で、「大衆酒場 五の五」は、小規模店舗の出店戦略と地域顧客の繰り返し来店により既存店売上を伸ばしており、オペレーションの簡素化が従業員の働きやすさにつながり、出店加速に寄与している。

     

    主要KPIの進捗と変化

    主要KPIである既存店売上高の前年比は、磯丸水産が店舗数と売上高の約6割から7割を占めるため、その影響が大きい。第1四半期は3月が97.3%、4月が100.0%、5月が101.1%で推移し、3月の出遅れにより第1四半期全体では99.5%であった。磯丸水産の既存店売上高は前年比を上回る予算を立てていたため、想定から大きくずれてはいないものの、既存店売上が落ち込んでいる点に課題を認識している。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    特定の噂(7月5日)が原因で香港、中国、台湾からの訪日客数の伸びが大きく鈍化し、これが5月頃から広まり始め6月はかなり影響が出ており、第1四半期、少なくとも5月には影響しており、第2四半期にも影響が続いている。さらに、トランプ関税による急激な円高(150円から140円台前半への変動)も訪日外国人客の消費意欲減退に影響を与えたと認識しており、これらの要因は当初計画外の事象であった。

     

    トピックス
    2025年6月に、親会社であるクリエイト・レストランツ・ホールディングスと合弁会社を設立し、食材だけでなく資材や人件費の高騰に対応するため、グループの最適化を図っている。この合弁会社は設計、施工、メンテナンス関連の事業を行い、価格交渉の一元化やノウハウ共有を通じて、建築資材価格が上昇しても投資額の増加を抑制することを目的としている。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?

    A:新規出店は当初の年間10店舗の目標に対し、順調に進捗しており、第1四半期に2店舗、第2四半期に2店舗、第3四半期以降に5店舗の出店を予定しています。注力業態である「大衆酒場 五の五」は、小規模な店舗を増やし、磯丸水産よりも集客が難しい場所でも出店することで、地域のお客様に何度も来店していただき、既存店売上を伸ばす戦略が今のところ功を奏しています。オペレーションも簡素的なため従業員が働きやすく、出店を加速させています。また、既存店の売上を底上げするため、創業ブランドの一つである「鳥良商店」の既存店売上を伸ばす取り組みも行っています。具体的には、今期中に全27店舗中25店舗を改装し、大衆感を強めることで来店客数の増加を目指しています。さらに、今年の6月には、親会社であるクリエイト・レストランツ・ホールディングスと合弁会社を設立しました。この合弁会社は、設計、施工、メンテナンス事業を手がけ、食材だけでなく、資材や人件費の高騰に対応するため、グループ全体の最適化を図ることを目的としています。価格交渉の一元化やノウハウ共有を通じて、建築資材価格が上昇しても、当社の投資額の増加を抑制することを目的としています。

     

    Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。

    A:第1四半期の既存店売上高は前年同期比で99.5%となり、当初計画の想定から大きくずれているわけではありませんが、課題を認識しています。この背景には、磯丸水産をはじめとする主力業態の既存店売上が、前年に実施した40周年キャンペーンの反動で足踏み状態となったことがあります。また、円高による訪日外国人客の消費意欲減退や、特定の噂が原因で香港、中国、台湾からの訪日客数が大きく鈍化したことも、当初の計画にはなかった想定外の要因でした。これらの要因は5月頃から影響が出始めており、第2四半期にも影響が続いています。一方で、仕入れ価格の全体的な上昇傾向により売上原価が前年同期比で1ポイント増加したため、第1四半期の途中に磯丸水産をはじめとする各業態でメニュー変更を実施し、原価上昇を抑制するための対策を講じました。この価格改定の効果が本格的に現れるのは第2四半期以降と見ています。

  • 取材者:まず、2026年2月期第1四半期の決算状況についてですが、売上高は77億5,100万円で前年同期比1.0%の増加、営業利益は5億9,300万円で同2.6%の減少、経常利益は5億9,900万円で同10.6%の減少、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億8,900万円で同18.5%の減少でした。これらの増減要因についてお聞かせいただけますか?

     

    回答者:売上高が増加した主な要因は、前期に出店を重ねてきたことによる出店数の増加です。この出店戦略による増収と、注力業態である「大衆酒場 五の五」が好調に推移していることが増収要因でした。一方で、磯丸水産をはじめとする主力業態の既存店売上高は、昨年実施した40周年キャンペーンの反動もあり、前年同期比で99.5%となり、足踏み状態でした。しかし、増収は確保いたしました。営業利益が減少した主な要因は、売上原価の部分が前年同期に比べて1ポイント増加したためです。この原価増加は、仕入れ価格の全体的な上昇傾向によるものです。しかし、第1四半期の途中、4月中旬頃に、主力業態である磯丸水産をはじめとする各業態でメニュー変更を行い、原価上昇を抑制するための対策を講じました。

     

    取材者:価格改定の影響が出てくるのは第2四半期以降になるのですか?

     

    回答者:基本的には第1四半期でも1ヶ月程度はその影響が出ており、その結果として原価が1ポイント増加したのですが、その効果が本格的に現れるのは第2四半期以降と見ています。営業利益の要因の一つである販売管理費については、前年同期とほぼ同水準で、前期よりも約200万円減少しました。増収が1%増加したものの、販売管理費は前期並みに抑えることができたため、結果として原価率の増加が営業利益を押し下げる要因となりました。

     

    取材者:価格改定が客足に与えた影響についてはいかがですか?

     

    回答者:価格改定の影響が客足にどう影響したかは、現時点では明確に判断できていません。昨年は当社が40周年を迎え、決済サービスとのコラボレーションや他社との共同キャンペーンを実施しました。これらの販促要因があったため、純粋な価格改定の影響を判断することは難しい状況です。

     

    取材者:「大衆酒場 五の五」が堅調に推移している部分に関して、これは販促要因によるものですか、それとも新規出店の影響が大きいですか?

     

    回答者:「五の五」は磯丸水産とは異なり、小規模な店舗が多く、磯丸水産の立地よりもやや集客が難しい場所でも出店していますが、地域のお客様に何度もご来店いただくことで、既存店売上を伸ばしていくという戦略です。オペレーションも簡素的であるため、従業員が働きやすく、出店を加速させています。この戦略が今のところ功を奏している状況です。

     

    取材者:前回の取材で、主要なKPIとして挙げていただいた既存店の売上という部分についてはいかがですか?

     

    回答者:当社の既存店前年比は、磯丸水産が店舗数と売上高の約6割から7割を占めているため、その影響が大きいです。決算補足説明資料の22ページにも記載していますが、第1四半期は3月が97.3%、4月が100.0%、5月が101.1%でした。出だしとなる3月に2.7%ほど既存店売上が前年を下回ったため、第1四半期全体では99.5%という結果になりました。これは、前段で申し上げた通り、磯丸水産が主な要因でした。

     

    取材者:磯丸水産の既存店売上の進捗は、計画に対してはいかがですか?

     

    回答者:進捗に関しては、既存店売上高は前年比を上回っていくという予算を立てていたので、想定から大きくずれているわけではありません。しかし、既存店売上が落ち込んでいる分、課題はあると認識しています。もちろん、取り返しは可能だと考えています。

     

    取材者:その遅れを取り戻すための取り組みや施策がございましたら教えていただけますか?

     

    回答者:一つは、先ほど申し上げたメニュー変更が今後どのような効果をもたらすかという点です。また、今期は創業ブランドの一つである「鳥良商店」の既存店売上を伸ばすため、大衆感を強めて来店客数の増加を狙っています。全210店舗中27店舗ある「鳥良商店」のうち、今期中に25店舗を改装し、リニューアルしていく計画です。これにより、既存店の売上を底上げすることを目指しています。

    取材者:出店に関しては順調に進んでいるという見方でよろしいですか?

     

    回答者:はい、当初掲げた年間10店舗の出店目標に対して、順調に進んでいると思います。

     

    取材者:ここまでの業績について、業績に影響を与えた一時的な要因は何かございましたか?

     

    回答者:既存店売上高が100%を下回ったり、原価率が上昇したりすることは、コロナ禍明け以降はあまりなかったことです。原価率の上昇に関しては、内部的な努力で見直しやコスト交渉などを行い、抑え込んでいく考えです。しかし、売上、つまり客数に関しては、当初の計画では想定していなかったことが起こりました。7月5日の特定の噂が、訪日外国人客数に影響を与えました。特に香港、中国、台湾からの訪日客数の伸びが大きく鈍化しました。当社も当初はインバウンド売上が鈍化している理由が分からず、ネット上の噂を把握できていませんでした。振り返ると、これが第1四半期でも一部、少なくとも5月には影響しており、第2四半期にも影響が続いています。また、トランプ関税による急激な円高も影響しました。為替の影響と当社のインバウンド売上の因果関係はそこまで強くはありませんが、150円だったものが一気に140円台前半になったことで、彼らの消費意欲への影響はあると考えています。これらの要因は当初の計画外で、当社の努力だけではどうにもならない部分もありました。

     

    取材者:最後に、足元の状況について、トピックスやニュースリリースがございましたら教えていただけますか?

     

    回答者:出店は引き続き重ねていく予定です。第1四半期に2店舗、第2四半期に2店舗、第3四半期以降に5店舗の出店を予定しており、当初の計画よりも多めに出店することになりそうです。また、今年の6月に、親会社であるクリエイト・レストランツ・ホールディングスと合弁会社を設立しました。これは、食材だけでなく、資材や人件費の高騰に対応するため、グループの最適化を図ることを目的としています。この合弁会社は、設計、施工、メンテナンス関連の事業を行い、価格交渉の一元化やノウハウ共有を通じて、建築資材価格が上昇しても、当社の投資額の増加を抑制することを目的としています。

  • 執行役員 管理本部長 原悦久様

    管理本部 経営企画部長 中原英祐様

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    SFPホールディングス株式会社の2025年2月期決算は、売上高303億8,900万円(前年比4.5%増)、営業利益21億8,600万円(前年比7.9%増)の増収増益。売上高の主な増加要因は、2024年2月期に段階的に延長した営業時間を2025年2月期は通期で継続できたことによる既存店の来客数増加であり、既存店売上高は前年比約104.9%から105%であった。訪日外国人客の来店増加も売上増に寄与。

     

    主要KPIの進捗と変化

    既存店の売上高は前年比約104.9%から105%で推移した。これは主に営業時間の通期継続による来客数の増加に起因しており、訪日外国人客の来店もその一因となっている。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    2024年2月期第4四半期の年末年始をターゲットとした営業時間延長が、2025年2月期の通期増収に貢献した。これは一過性ではなく、継続的な施策の定着による影響と捉えられる。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    2026年2月期の業績見通しは、売上高325億円(対前年比6.9%増)、営業利益25億円(対前年比14.3%増)、経常利益26億円(対前年比14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益17億円(対前年比14.5%増)と、引き続き増収増益を見込んでいる。新規出店は2025年2月期と同程度のペースで進める計画。

     

    トピックス

    現在、M&Aは検討していない。業界全体の再編は想定されるものの、自社がM&Aに直接乗り出す計画はない。中期経営計画については、現時点では未公表であるが、外部環境の変化や業界全体の変容を踏まえ、今後3年または5年といった期間での見通しを策定する予定である。

    株主還元については、安定継続的な配当を基本方針とし、2025年2月期は中間配当14円、期末配当14円の合計28円を予想している。

  • Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。

    A:2026年2月期の業績見通しとして、売上高は325億円(対前年比6.9%増)、営業利益は25億円(対前年比14.3%増)、経常利益は26億円(対前年比14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億円(対前年比14.5%増)を予想しております。新規出店については、2025年2月期と同程度のペースで進める計画です。

     

    Q:M&A、業務提携などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:M&Aについては現在検討しておりません。業界全体としてはM&Aによる再編が十分にあり得ると認識しておりますが、当社自身がM&Aに直接乗り出す計画はございません。

     

    Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。

    A:現在、中期経営計画は公表しておりませんが、今後策定する予定です。策定時期は未定ですが、外部環境の変化や業界全体の変容を踏まえ、3年または5年といった期間での見通しを策定する方針です。

     

    Q:株主還元の方針をご説明ください。

    A:当社の配当方針は「安定継続的」であることを基本としております。前期においては中間配当13円、期末配当13円を実施いたしました。今期(2026年2月期)については、中間配当14円、期末配当14円の合計28円を予想しております。

  • 取材者:まず、2025年2月期の決算につきまして、売上高が303億8,900万円、営業利益が21億8,600万円とのことですが、売上高は前年比4.5%の増加、営業利益は前年比7.9%の増加と、増収増益でした。この増減要因についてご説明いただけますか?

    回答者:はい、まず売上高についてですが、2024年2月期の部分からご説明させていただきますと、2024年2月期は人手不足であったため、採用を進めながら徐々に営業時間を延長してまいりました。2024年2月期の第4四半期、特に年末年始をターゲットに営業時間を延長してきた経緯がございます。

    2025年2月期、すなわち前期の既存店の増収要因としては、2024年2月期に段階的に延長した営業時間を、前期は通期で継続できたことが主な要因でした。したがって、既存店は前年比で約104.9%から105%ほどでしたが、その主な要因は来客数でございます。その他では、継続的に増加している訪日外国人のお客様のご来店も一つの要因として、社内では評価しております。

    取材者:年末年始の商戦において、客足が好調だったことに対して何か施策を講じられましたか?

    回答者:特段、年末年始に特化したお客様向けの施策や広告を打ったということはございません。まず、しっかりと営業時間と人員を整え、営業に臨んだというところになります。それまでに2024年2月期に出店した新店も、前期においてはしっかりと業績に寄与したという点も一つ挙げられます。

    取材者:2024年の新店が好調だったとのことですが、2025年の新店の出店状況はいかがですか?

    回答者:2024年2月期、2025年2月期ともに8店舗を出店しております。前期に出店した店舗の中には、4月にオープンした店舗もあれば7月にオープンした店舗もありますが、多くは11月と2月にオープンしております。そのため、前期においては一定程度の上積み要因とはなりましたが、今期においては前期出店分の寄与はさほど大きくなく、新店舗においては今期にしっかり寄与していくものと見込んでおります。

    取材者:それでは、2025年2月期の施策やその他のKPIについて、達成状況を教えていただけますか?

    回答者:そうですね。一つは先ほど申し上げた既存店前年比で105%という目標を掲げておりました。その牽引力は来客数であり、一方で客単価は前年同期と同水準を維持することを想定してKPIを設定しておりましたが、これは計画通りに達成できたと考えております。

    その達成要因の一つとしては、主に第4四半期になりますが、磯丸水産においてはエリア別の価格戦略を実施いたしました 。

    大きく分けて、繁華街エリアと郊外型の住宅街のようなエリアの2パターンに分けております。特に繁華街の中では、訪日客の多い浅草や難波・道頓堀地区においては、第4四半期より訪日客向けの料金設定も導入しております。

    取材者:よく浅草を通るのですが、外国人のお客様が大変多く利用されていますね。

    回答者:特に浅草は外国のお客様のご利用が多いので、客単価そのものも高水準となっており、そこはしっかりと取り込めたと評価しております 。加えて、前期に実施した施策としては、今期に効いてくる部分になるのですが、「おもてなしとりよし」のディフュージョンブランドである「鳥良商店」という業態がございます 。磯丸水産では一部、エリアによっては値上げを実施しましたが、その「鳥良商店」においては、生ビールやハイボールといった看板商品をそれぞれ税抜き299円、199円で販売するという値下げを行いました。それを全面的に打ち出し、大衆感を演出したことで来客数増に繋げる施策を第4四半期から一部実施いたしました 。当施策も少なくとも短期間ですが効果があり、複合的な要因で既存店前年比105%前後で着地できたと考えております 。

    取材者:そうしますと、2025年2月期の業績予想である売上高300億円、営業利益21億円に対して、そういった部分が寄与して目標達成できたと見てよろしいですか?

    回答者:そうですね。開示しております業績予想に対して、既存店前年比105%はそのKPIの一つです。粗利率についても前年同期並みを設定しておりましたので、そこは達成できたと考えております。仕入高そのものに関して言えば、報道でもお米の値上がり等が言及されていますが、当社においても値上がりはしていますが、基本的には居酒屋ビジネスですので、お米の仕入れ構成比2%前後と少なく、影響は限定的でした。加えて、第4四半期の価格戦略等もあり、結果として原価率は前年同期並みで推移することができたという評価をしております。

    あとは販売管理費の部分になりますが、前段でご説明したとおり人員の増加が主な要因となり、人件費の増加として販売管理費増に反映されています。前々期は通期をかけて、特に年末年始にかけて多くの人を採用した経緯がございます。その採用した従業員が前期の上期においては、習熟度合い、戦力化にはそれなりの時間と費用を要したという点がございました。特に直近ですと外国籍の従業員を多く採用することがございますので、その戦力化には一定程度の時間がかかりますが、人数自体は増加しました。それは第1四半期から第2四半期、第3四半期にかけて、増加幅は縮小していき、第4四半期においては人件費は前年同期並みとなりました。したがって、振り返りという部分においては、売上高、粗利、営業利益が計画通りに進捗したと考えております。

    取材者:今お話しいただいた人件費も関連してくる問題かと思うのですが、今後の成長戦略の前提条件として、例えば外部環境や内部環境の変化といった部分について、何か変化やそういったものはございましたか?例えばインバウンドの訪日外国人が想定通りに進むかといった部分はいかがですか?

    回答者:はい。訪日外国人観光客はここ2年くらいでかなり急激に増えましたが、これがずっと1.5倍や2倍になるかというと、まずインバウンドに関してはそのような見込みはございません。今の水準を維持することが一旦の目標となります。

    インバウンドに関連しては、為替が動くと訪日観光客に影響があり、このコロナ禍以降ずっと円安が続いている状況なので、円高になってインバウンドが減るということは見込んではいませんが、アップサイドとしてまだまだここから伸びるかというと、インバウンドに関してはあまりそのようには考えておりません。外部環境から言うと、客数は新店を増やしていくことに応じて増えていくことはあり得ますが、営業時間はもう適性な状態まで伸ばしている状況なので、客数がさらに伸びていくかというと、そこにもそんなに上積みの余地はないと考えております。

    したがって、ここから先は外部環境、つまり競争上の問題でもありますが、値上げ実施による客単価増は想定されます。それは他社もそうですが、人件費も食材の価格も上がっていますし、それらを価格に転嫁していくということが、外部環境が変わっていくことに対する一つの対応策です。値上げは前期末、第4四半期に実施しましたが、これも外部環境の変化に対する現在の打ち手の一つであると考えております。

    取材者:そうしますと、そういった価格競争の中で競合状況としてはいかがですか?

    回答者:今開示されている状況だけ見ると、各社さんほとんどの会社さんが値上げをしたと思いますが、少し足元は苦しんでいるように見受けられました。外食全体で見ると、特に当社も含めた居酒屋グループ全体で値上げをしましたが、少し客足が鈍り気味なのかなというのは、開示されている情報データからは読み取れます。

    取材者:貴社のように業績をしっかり伸ばされているのは素晴らしいですね。

    回答者:インバウンドの取り組みがうまくいっていることが他社との違いはあるかと認識しております 。

    取材者:今後、M&Aや業務提携の実施、あるいはそういった検討状況についてはいかがですか?

    回答者:M&Aは具体的な検討はしておりません。業界全体がM&Aで再編していくということは十分にあり得ると想定しておりますが、当社自身がM&Aに現在、積極的に乗り出しているということはございません。

    取材者:貴社では中期経営計画などは公表されていないですよね。今後、何か策定の予定などはございますか?

    回答者:まさに外部環境が変わってきており、業界全体も少し内容が変容してきておりますので、それを踏まえて一旦の見通しは策定する予定です。

    取材者:2026年2月期の業績の見通しと施策をご説明いただけますか?

    回答者:2026年2月期は、売上高は325億円(+6.9%増)、営業利益は、25億円(+14.3%増)、経常利益は26億円(14.0%増)、親会社株主に帰属 する当期純利益は17億円(+14.5%増)を予想しております。2026年2月期の新規出店も2025年2月期と同じくらいのペースで進めていくと思います。

    取材者:株主還元の方針や来期の配当についてご説明いただけますか?

    回答者:まず、前期においては中間13円、期末13円という配当を実施し、今期においては中間14円、期末14円の合計28円で予想を出している状況でございます。配当の考え方そのものとしては「安定継続的」という形であり、基本的には増収増益を叶える中で、配当においても増配を検討していくという状況ですので、来期においては28円となる予定です。出来上がりとしては、前期においては39.9%ほどの配当性向で、来期においては37%後半程度になるかと思いますが、引き続き40%に近い水準での継続となります。

    取材者:あとは優待も電子化されたのは今回からですよね。

    回答者:はい、そうです。5月から電子化いたしました 。

    取材者:その他何か足元の状況やトピックスがございましたら教えていただけますか?

    回答者:グループ会社で費用面の共通化を進めております。グループ会社が飲食事業で同じような事業をおこなっているので、店舗を作る際の店舗の内装など、一元化できるような会社を立ち上げ、そこで全ての業務を集約することでコスト抑制を進めていこうという取り組みを今後も続けていきたいと考えております。

    取材者:コスト削減の部分について、そういった関連の業務ですね 。

    回答者:はい。これは各社も同じようなことをやっているので、管理部門はどんどん小さくしていきたいと考えております。

    取材者:いかにどの部分でコストを下げるかというのは、今かなりどの企業さんも苦労されていますね。

    回答者:そうですね。

    取材者:その他何かトピックスはございますか?

    回答者:トピックスに関しては、先ほどご説明しました株主優待の電子化に加えて、進行期は親会社のクリエイト・レストランツ・ホールディングスとの店舗設計施工企画機能を担う合弁会社の設立、及び会計監査人の変更、物流拠点の集約がございます。

    取材者:承知いたしました。本日はありがとうございました。

    取材者:今後とも引き続き何卒よろしくお願いいたします。

  • 執行役員 管理本部長 原悦久様

    管理本部 経営企画部長 中原英祐様

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