
GVA TECH (株)
東証GRT 298A
決算:12月末日
20260605
CP&X
【取材日】2026年6月5日
【2026年12月期1Q】
決算概要
2026年12月期1Qの売上高は400百万円(前年同期比+11.9%、前四半期比+6.5%)と過去最高を更新。LegalTech SaaS事業(234百万円、YoY+24.5%)の成長が牽引し、登記事業(166百万円、YoY▲2.0%・QoQ+6.7%)はQoQ改善。
売上総利益は251百万円(YoY+16.2%)、売上総利益率62.9%(YoY+2.4pt、QoQ+0.3pt)と収益性が改善。販管費は307百万円(YoY+0.4%でほぼ横ばい)。営業損失は▲56百万円(前年同期▲90百万円から34百万円改善)。経常損失▲61百万円、当期純損失▲62百万円。OLGAを中心にLegalTech SaaS事業の増収による粗利拡大と販管費コントロールにより損失縮小。人員強化のための採用費用等により前四半期比では赤字幅がやや拡大(前4Q営業損失▲42百万円→1Q▲56百万円)。
セグメント別または事業別の増減要因
【LegalTech SaaS事業(234百万円、YoY+24.5%、QoQ+6.4%)】
大企業・中堅企業向け法務オートメーション「OLGA」が顧客単価向上・顧客数増加・解約率の低水準維持により安定成長。サブスクリプション売上比率90%以上のストック型収益構造を維持。
2026年3月に「OLGA AIコンサルティング」(法務AX実装の伴走支援)と弁護士向け生成AIプロダクト「ベンパル書面作成」「ベンパル契約書レビュー」をリリース。これらの新サービスは2Q以降で本格的な収益貢献を見込む。
【登記事業(166百万円、YoY▲2.0%、QoQ+6.6%)】
AI検索やチャネルの最適化によりサイト流入が回復傾向。前四半期比ではサービス利用数・売上ともに改善(サービス利用数3,761件、QoQ+10.3%)。前年同期比での減収は前年の高水準の反動によるもの。累計利用社数31,838社(YoY+23.8%)と顧客基盤は着実に拡大。
主要KPIの進捗と変化
【LegalTech SaaS事業】
・ARR:899百万円(YoY+22.1%)、継続して過去最高を更新
・顧客平均単価(月額):127千円(YoY+29.8%)、過去最高
- 顧客平均単価200千円以上の導入企業:100社
- 複数モジュール導入企業の平均単価:253千円
・顧客数:589社(2026年3月末)
・Net Revenue Churn Rate:0.83%(良好な水準を維持)
【登記事業】
・サービス利用数:3,761件(YoY▲6.3%、QoQ+10.3%)
・累計利用社数:31,838社(YoY+23.8%、QoQ+4.5%)
・常に約3割がリピート購入者
季節性・一過性要因の有無と影響
1Qは新規にリリースしたAIソリューション拡販に向けた、人員強化の採用費用等が先行費用として発生しており、前四半期比での赤字幅拡大(▲42→▲56百万円)は一過性のコスト増の影響。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想に変更なし。売上高2,096百万円(YoY+41.3%)、営業利益31百万円(創業以来初の通期黒字)を目標。
1Q時点では、通期黒字化に向けて各事業で順調に進捗しており、計画とおり。3Q会計期間から損益分岐点を突破(四半期黒字化)し、4Qも黒字維持の計画。コストコントロールを徹底し、販管費の増加比率(+13.0%)を売上成長率(+41.3%)に対して大幅に抑制することで、利益率の改善を実現する方針。
トピックス
①「OLGA AIコンサルティング」開始(2026年3月~)
企業向けに法務AXの実装を伴走するコンサルティングサービス。集客からAI活用、情報管理・運用体制の整備まで法務部門をトータルで支援。既存OLGAとの組み合わせにより顧客単価の向上に寄与。
②弁護士業務向け生成AIネイティブプロダクト「ベンパル」シリーズをリリース(2026年3月~)
「ベンパル書面作成」「ベンパル契約書レビュー」を提供開始。弁護士・法律事務所向けの新ブランドにより、これまでのLegalTech SaaS事業(主に大企業・中堅企業向け)に加え、弁護士市場への本格参入を果たした。2Q以降で本格的な収益貢献を見込む。

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
【2025年12月期(通期)】
決算概要
2025年12月期通期決算は、売上高1,483百万円(前期比27.3%増)の増収であったが、302百万円の営業損失での着地。大企業向けLegalTech SaaS事業が前期比36.4%成長と全体を牽引した一方、生成AIの技術進化への対応として法務AX企業への構造転換を優先したため、当初の業績予想には届かず、第4四半期単体で42百万円の営業赤字となる状況。コスト削減による一時的な黒字化を見送り、中長期的な成長基盤の構築に注力した経営判断。
セグメント別または事業別の増減要因
LegalTech SaaS事業は、汎用AIの進化により単一機能の価値が低下し、中小規模企業向けプランでバリューを提供できず第3四半期に解約が増加した状況。この影響を受け、同事業では複数モジュール導入や全社ツール連携を前提とした顧客業務全体のソリューション提供へと転換を図る方針。登記事業は、売上高667百万円で前期比17.7%増となったものの、AI検索の進展によりSEO集客が影響を受け、サービス利用数が第2四半期の4,333件から第4四半期には3,407件へと減少した実態。
主要KPIの進捗と変化
LegalTech SaaS事業のARRは前期比19.2%増の830百万円とストック収益が順調に拡大する推移。月額の顧客平均単価は120千円と前期比で29.2%上昇し、単価200千円以上の複数モジュール導入顧客が前期の50社から91社へと大きく増加した成果。低単価な中小企業層の離脱により全体の顧客数は620社から572社へ減少したが、高単価顧客へのクロスセルにより解約率も落ち着きを取り戻し回復基調にある状況。
季節性・一過性要因の有無と影響
生成AIの急速な普及とAI検索の台頭という外部環境の変化が、業績にネガティブな影響を与えた事象。具体的には、第3四半期にLegalTech SaaS事業の解約増加によるARR低下と、登記事業における検索流入の減少が同時に発生し、これが株価下落や通期業績予想未達の主要因となった背景。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年12月期は、売上高が前期比41.3%増の2,096百万円、営業利益31百万円を計画し、通期黒字化を見込む見通し。売上総利益率が80%を超えるLegalTech SaaS事業の売上構成比が高まることで、全体の売上総利益率が前期の61.6%から67.1%へ大幅に改善する前提。第1および第2四半期は新ソリューションへの先行投資により赤字が継続するが、第3四半期からの利益回収により第4四半期で通期黒字化を達成する見込み。
トピックス
弁護士実務向けに生成AIを活用した新規プロダクトの開発が進行しており、4月頃に詳細なリリースを予定する展開。アライアンス施策としては、Salesforce社のAIエージェントと連携した「OLGA for Agentforce」を1月に提供開始し、今後の普及による業績への寄与に期待を寄せる状況。また、登記事業におけるシェアオフィス運営事業者や税理士法人等との連携強化による潜在顧客の開拓などが主要なトピック。
【2025年12月期(通期)】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:生成AIの技術進化に伴い、法務AX企業への構造転換に注力しております。具体的には、法務が扱う情報を全社の業務フローに連携させ、データが一気通貫で集約される基盤の構築を進めております。稟議申請のワークフローやビジネスチャットツール、ストレージツール等と連携し、生成AIソリューションの磨き上げと現場への定着を開発の中心に据えております。大企業および中堅企業向けのLegalTech SaaS事業においては、顧客業務全体を設計して現場に定着させるソリューションへと舵を切り、複数モジュールの導入やAI活用機能の拡充を通じて単価の引き上げと新規顧客の獲得を図ります。また、新市場開拓として、弁護士実務向けに生成AIを活用した新規プロダクトの開発と導入を進め、売上成長を拡大していく方針です。登記事業におきましては、AI検索への最適化や、シェアオフィス運営事業者、税理士法人等とのアライアンス強化によるチャネルの多角化を進めることで新規顧客を復調させます。さらに、商業登記や商標登録の領域を拡大し、潜在顧客層の開拓と既存ユーザーへのクロスセルを推進することで、両事業方針を通じた売上成長の拡大を見込んでおります。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:急速な生成AIの技術進化が、弊社の展開する事業の前提条件に大きな変化をもたらしております。LegalTech SaaS事業においては、汎用AIの台頭によりAI契約レビューなどの単一機能の価値が相対的に低下いたしました。その結果、中小規模企業向けのライトプランにおいて十分なバリューを提供できず、第3四半期に解約が増加する事態となりました。また、登記事業におきましても、AI検索の進展により検索結果上で回答が完結するケースが増加し、SEOを強みとしていたこれまでの集客モデルに影響が及び、サイト来訪者およびサービス利用数が減少いたしました。これらの環境変化が影響し、前期の業績予想に対しては未達となりましたが、この影響を契機として、顧客業務全体を設計し現場に定着させるソリューションへの転換や、AI検索への最適化、Web集客に依存しないチャネル開拓など、中長期的な成長に向けた法務AX企業への構造転換を強力に推進しております。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年12月期の通期予想につきましては、売上高2,096百万円、営業利益31百万円、当期純利益2百万円とし、通期での黒字化を見込んでおります。この達成の基盤となるのは、売上高の成長に伴う売上総利益の拡大です。特に、限界利益率が高く売上総利益率が80%を超えるLegalTech SaaS事業が成長を牽引することで、全体の売上構成比が変化し、結果として全体の売上総利益率が大幅に改善する計画です。コスト面におきましては、投資対効果を厳格に見極め、効果の薄い施策を削減しつつ、成長に寄与する効果の高い施策に集中投資することで、利益とコストの最適化を図ります。期中の推移といたしましては、第1四半期および第2四半期において生成AI系の新ソリューション向けの人員確保や認知施策に対する先行投資を行うため赤字が継続いたしますが、第3四半期から利益の回収フェーズに入り、第4四半期にて通期黒字化を達成するシナリオを描いております。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:業務提携やアライアンスにつきましては、現在時間をかけて着実に推進している段階でございます。登記事業におきましては、Web集客以外のチャネル開拓を目的として、シェアオフィスやバーチャルオフィスの運営事業者、税理士法人など、中小企業やスタートアップ企業を顧客基盤に持つ企業とのアライアンスを強化しております。また、LegalTech SaaS事業におけるSalesforce社との連携につきましては、本年1月に同社のAIエージェントであるAgentforceとの連携サービスであるOLGA for Agentforceの提供を開始し、市場から良好な反応を得ております。ただし、こちらは直販モデルではなく弊社側でのコントロールが難しいため、現時点での当期の業績計画には強気には織り込んでおりませんが、今後の普及次第で業績に大きく寄与する重要なポイントであると認識しております。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画の公表につきましては、現時点ではもう少し検討の時間をいただきたいと考えております。
【2025年12月期(通期)】
取材者:12月期決算の概要と要因、そして来期についてお伺いできればと思います。特に上期はまだ赤字ですが、下期の第3四半期から黒字化し、通期では黒字となるという計画について、今期および来期の取り組みを含めて教えていただけますか。
回答者:簡単に概要をご説明いたします。2025年12月期のエグゼクティブサマリーですが、売上高自体は前期比27.3%の成長となり、継続的な成長を達成しております。特に大企業向けのOLGAというサービスを提供しているLegalTech SaaS事業が前期比36.4%成長となり、成長を牽引いたしました。ただ、弊社が展開する2つの事業において、生成AIの技術進化の影響を受ける側面もあり、それに対応すべく法務AX企業への構造転換を打ち出しております。昨年の特に後半は、この取り組みを優先して進めてまいりました。これらの影響もあり、業績予想に対してはビハインドという結果になりましたが、この取り組みを通じて将来的な成長を継続していく方針です。KPIに関しては、OLGAのARRや平均顧客単価を順調に引き上げることができました。この点は期初からしっかりと取り組んできた部分であり、成果が出たと考えております。今期については、さらにAIに関する取り組みを中心に積み上げ、前期比41.3%増の売上成長と通期での黒字化を達成していく計画を打ち出しております。売上高の成長や売上総利益率の高さを示した上で、AI関連の取り組みについて説明しますと、急速なAI技術の進化に伴い、これまでは人がツールを使って作業を効率化することがDXの中心でしたが、AIでできることが非常に増え、進化が圧倒的に早くなっています。作業自体をAIが自律的に行い、そのアウトプットを人がチェックする体制への転換が世の中で進んでおります。中長期的にそのような構造に変わっていく中で、弊社のLegalTech SaaSがどうあるべきかという点が下期の取り組みの焦点でした。法務AX企業への構造転換の注力についてですが、AIが自律的にアウトプットを出すためには、基となるデータを蓄積しておく必要があります。法務部門が取り扱うデータをすべて集約した状態にしなければなりません。これまで単一機能として提供していたモジュールを複数組み合わせてご利用いただき、法務データをプラットフォームとして取り扱う状態を推進しました。複数モジュール導入の加速を進めたことと、全社業務フローとの一気通貫という点で、契約書の情報や交渉状況、事業部門からの相談など、法務が扱う情報を全社の業務フローに連携させ、一気通貫でデータが集約される状態の構築を進めました。具体的には、稟議申請のワークフローや、Slack、Teamsなどのビジネスチャットツール、全社で利用しているストレージツールなどと連携し、データが一気通貫で集約される状態に力を入れました。これらの基盤を整えながら、生成AIソリューションの磨き上げと、現場への定着を開発の中心に据えて進めてきたのが昨年の取り組みです。 実際に生成AIによって影響を受けた部分もあり、例えば、AI契約レビューという単一機能においては、汎用AIで対応できる部分が増え、相対的に価値が低下しました。特に中小規模の企業向けに機能を制限したライトプランを提供しておりましたが、汎用AIと比較した際に十分なバリューを提供できず、第3四半期で解約が増加する状況が発生いたしました。これを受け、顧客業務全体を設計し、現場に定着させるソリューションへと舵を切り、複数モジュールの導入、全社ツールとの連携、AI活用機能の拡充をしっかりと進めてまいりました。また、少し領域は異なりますが、弁護士実務向けに生成AIを活用したプロダクトの開発も進めており、少しずつ表に出せる状態になってきております。もう一方の登記事業への影響ですが、これまでSEOを強みとして利用者数を増やしてまいりましたが、AI検索の進展により、サイト来訪者が減少しました。昨年7月、8月頃から影響を受けましたが、AI検索への最適化や、Web集客に依存しないチャネルへの転換に注力した結果、1月頃には底を打ち、足元では回復基調にあります。今後は生成AIソリューションの創出に注力しながら、大企業・中堅企業向けのOLGAでは継続して単価を引き上げてまいります。単価を引き上げつつ、生成AIプロダクトの強い需要をベースに、新規顧客の獲得に取り組んでまいります。また、新しい市場の開拓として、弁護士向けの新規サービス導入を進め、売上の成長を拡大していく方針です。登記事業については、AI検索への最適化とチャネルの多角化を進めることで、新規顧客を復調させます。加えて、これまで商業登記や商標登録を扱ってきた領域をさらに拡大し、潜在顧客層の拡大と既存ユーザーへのクロスセルを推進してまいります。大きくこの2つの事業方針で売上成長を拡大していくことを見込んでおります。全体概要としては以上になります。
取材者:とりあえずここまでのところで、懸念されるのは、DXから生成AIへの移行が進む中で、貴社の業務が生成AIに代替されてしまうのではないかという点です。投資家が心配しているところです。貴社の決算説明資料の6ページ目が私は一番好きなのですが、人がツールを使って作業をするのがDXであり、AIが作業をして人がチェックするのがAXであると示されています。しかし、次のページを見ても、貴社がこれまでやってきたことを踏まえて、具体的にどのようにAIを活用していくのかが少し分かりにくいと感じました。この部分を投資家に分かりやすく伝えることが、業績にプラスして貴社の理解者を増やし、成長を確信してもらうための鍵になると思います。「生成AIに取って代わられるのでは?」という懸念に対し、「弊社の生成AI活用はこういうものだから通常の生成AIにはできない」という点をいくつか説明していただけると、やはり貴社を利用しようとなると思います。この辺りの腹落ちがなかなか難しいところだと感じました。
回答者:おっしゃる通りで、弊社としても苦心している部分です。具体的に説明できるソリューションもあるのですが、まだ公にリリースしておりません。4月頃にはリリースを行い、もう少し全体の内容を含めてお話しできる状態になる予定です。現状ではまだ固まりきっていない部分があり、もどかしい状況です。
取材者:前期の下期から社内で体制を固めてこられたということですね。株価が9月頃から少し下落していましたが、あれは何かの影響ですか。
回答者:第3四半期の決算が芳しくなかったことが要因です。特にARRへの影響です。2~3年前に販売していたAI契約レビューのライトプランを単体でご利用いただいていた中小企業のお客様の解約が増加し、ARRが低下しました。また、登記事業においてもAI検索の影響で利用者数が減少しました。これらの要因が株主の皆様にとって懸念材料となり、株価下落の大きな要因になったと考えております。
取材者:その落ち込みが影響し、当初の業績予想にわずかに届かなかったということですか。
回答者:その通りです。その要因が非常に大きいです。そこに対する具体的なソリューションについては、決算のタイミングで発表したかったのですが、諸般の事情により少し発表を後にすることといたしました。
取材者:前回の取材時、第4四半期の3ヶ月間単体では黒字化したいとおっしゃっていたかと思いますが、やはり厳しかったですか。
回答者:第3四半期の落ち込みの影響により、想定からずれてしまいました。
取材者:営業利益で42百万円ほどの赤字になってしまった部分ですね。コストを削減して無理に黒字化することもできたかと思いますが。
回答者:コストを削減して無理やり黒字に持っていく選択肢もなくはなかったのですが、構造の最適化を進めなければ一時的な黒字化に留まり、中長期的な成長は難しくなると判断し、構造転換の取り組みを優先しました。
取材者:KPIを拝見すると、しっかりと仕込みができて良い数字が出ていると思いますので、続けてご説明いただけますか。
回答者:決算の概要ならびに主要KPIについてご説明いたします。KPI自体は順調に推移しており、LegalTech SaaS事業のARRは830百万円となり、前期比で19.2%増加いたしました。月額の顧客平均単価についても120千円となり、前期比で29.2%増加しております。Net Revenue Churn Rate(解約率)については、先述の中小企業の解約増加の影響を受けましたが、現在は一定の落ち着きを見せ、回復基調にあります。登記事業については、売上高が667百万円で前期比17.7%の増加となりましたが、四半期ベースのサービス利用数は減少している状況です。この点については現在、しっかりとテコ入れを行っております。
取材者:OLGAの顧客平均単価が前期から約30%も上昇しているのは素晴らしいですね。
回答者:おっしゃる通りです。全体の平均単価は120千円ほどですが、既存顧客に対する新機能のアップセルや、新規顧客に対しても業務に深く入り込んだ複数モジュールの提案が進んでおります。複数モジュールを導入いただいているお客様の単価は全体平均の約2倍となる236千円でご利用いただいており、これらの高単価のお客様が全体を牽引しております。全体の顧客数は横ばいですが、単価の高いお客様が大きく増えている状況です。この取り組みが奏功していると考えております。
取材者:単価200千円以上の導入顧客数が、前期の50社から今期は91社へと大きく増加しています。全体の顧客数は620社から572社へと減少しているようですが、バランスを取ってモジュール提案がうまくいっているということですね。全体の売上も上がっていますし、この部分が寄与しているのだと思います。120千円という平均単価も前期の93千円から上昇しており、素晴らしい数字だと思います。
回答者:第3四半期に単価の低い中小企業層の離脱があったため、全体の顧客数は減少いたしました。これが平均単価を押し上げている要因の一つでもありますが、基本的には高単価で多くご利用いただく層を引き上げる取り組みが奏功していると考えております。
取材者:ARRも前期比19.2%増の830百万円と、ストック収益が積み上がっています。業績予想にはビハインドしたものの、事業としては順調に進捗した1年だったと言えますね。
回答者:予想に対しては未達となりましたが、事業の進捗自体は順調に推移していると考えております。
取材者:登記事業についてですが、AI検索の影響で第3四半期からサービス利用数が減少したとのことですか。
回答者:登記事業についてですが、AI検索の影響で第3四半期からサービス利用数が減少いたしました。第2四半期には4,333件だった利用数が、第3四半期には3,547件、第4四半期には3,407件と低調に推移しております。元々、登記業務に関連するWeb記事のSEOにおいて圧倒的なシェアを持っており、検索上位からのサイト流入が多かったのですが、AI検索によって検索結果上で回答が完結してしまうケースが増えました。検索順位1位の記事からの流入は維持できているものの、2位以下の記事からの流入が大幅に減少したことが要因です。現在は、AI検索結果に弊社のサービス名をレコメンドさせるような最適化施策を進めるとともに、Web集客以外のチャネル開拓を進めております。具体的には、シェアオフィスやバーチャルオフィスの運営事業者、あるいは税理士法人など、中小企業やスタートアップ企業を顧客に持つ方々とのアライアンスを強化しております。また、商業登記以外の新領域へも順次拡大していくことで、1社あたりの利用数や新規ユーザー層を広げていく取り組みを進めております。
取材者:アライアンスによるチャネル開拓は確実性がありますね。検索流入に依存しない、潜在顧客へのアプローチは重要だと思いますし、裾野の広さもありそうです。
回答者:中小企業など約200万社がターゲットになり得ると考えております。1件あたりの単価は低いですが、これまでに累計で30,442社にご利用いただいております。このユニークユーザー基盤に対してクロスセルなどを有効に展開できれば、よりレバレッジが効いてくると考えております。
取材者:GVA法人登記は新規設立時の登記ではなく、設立後の変更登記が対象ですか。
回答者:おっしゃる通りです。設立後の本店移転や役員変更などの変更登記のみが対象となります。商業登記は全体で約150万件ありますが、設立登記は約15万件程度で、残りの約120~130万件程度が変更登記です。弊社はこの変更登記の市場をターゲットとしております。
取材者:中小企業の場合、管理部門にリソースを割けず、代表者が空き時間に手続きを行っているケースも多いでしょうから、ニーズは高いと思います。商業登記から商標登録へと領域を広げられていますが、今後の展開も楽しみですね。
回答者:まだ詳細は公表できませんが、まもなく新しい領域のリリースを予定しております。
取材者:2026年12月期の通期業績予想についてお伺いします。
回答者:売上高は2,096百万円、営業利益は31百万円、当期純利益は2百万円と、通期での黒字化を予想しております。ベースとなるのは売上高の成長による売上総利益の拡大です。コストについてはROIを厳しく見極め、効果の薄い施策は落とし、効果の高い施策に集中投資することで、利益とコストの最適化を図り、通期黒字化を目指します。
取材者:販管費が158百万円ほど増える計画ですが、この内訳はどのようになっていますか。
回答者:内訳の開示はしておりませんが、概ね人件費の増加であるとご理解ください。また、顧客数の増加やAIの従量課金に伴い、システム利用料等のコストがやや増加する見込みです。
取材者:売上総利益率が前期の61.6%から67.1%へと大幅に改善していますが、この要因は何ですか。
回答者:事業の売上構成比の変化によるものです。LegalTech SaaS事業は固定費が高く変動費が少ないビジネスモデルであり、一方の登記事業は固定費が小さく変動費が大きいモデルです。今期はLegalTech SaaS事業が成長を牽引する計画であるため、全体の売上ポートフォリオが変化し、結果として全体の売上総利益率が向上する想定です。LegalTech SaaS事業単体で見れば、売上総利益率は80%以上ある事業ですので、その構成比が高まることで全体が引き上げられます。
取材者:四半期ごとの推移を見ると、第2四半期までは赤字が継続し、第3四半期の累計でも赤字となる見込みですか。
回答者:第1四半期および第2四半期は、生成AI系の新ソリューション向け人員の確保や認知施策の実施により、赤字が継続する計画です。第3四半期から利益を回収し始め、第4四半期でようやく通期黒字化を達成する見通しです。
取材者:上半期の赤字幅はどの程度を想定されていますか。
回答者:直近の第4四半期が約42百万円の営業赤字でしたので、そこから極端に大きな変動や追加投資はないと考えております。同水準感で見ていただければと思います。
取材者:貴社は2024年12月に上場されたばかりであり、今期黒字化を達成できるかどうかが非常に重要です。黒字化の道筋が見えれば、来期以降の利益成長に対する期待が高まり、株価や時価総額の評価も大きく変わってくるはずです。生成AIを活用したリーガルテックの上場企業として唯一の存在ですので、引き続き、四半期ごとの進捗を注視しております。また、貴社のAIによる業務代替への懸念を分かりやすく払拭することに加え、トムソン・ロイター社やSalesforce社との連携など、アライアンスの進捗も適宜IRとして発信していくことが重要だと思います。
回答者:アライアンスの取り組みは引き続き行っておりますが、パートナー企業との取り組みは時間がかかるため、現在は時間をかけて進めている段階です。Salesforce社との連携については、今年1月にSalesforceが提供しているAIエージェントAgentforceとの連携であるOLGA for Agentforceの提供も開始し、受けは良い状況です。ただ、直販ではないためコントロールが難しく、今年の計画には強気に織り込んではおりませんが、今後どのように跳ねるかがポイントだと考えております。IRの発信についても、ご助言いただいた内容を踏まえ、しっかりと取り組んでまいります。
取材者:中期経営計画はまだ出さない予定ですか。
回答者:もう少し考えさせていただこうと思います。
取締役CFO 板倉 侑輝 様

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
【2025年12月期3Q】
決算概要
2025年12月期第3四半期累計は、売上高が11億700万円で前年同期比38.4%増の大幅な増収となった。営業利益はマイナス2億5,900万円、経常利益はマイナス2億6,800万円、四半期純利益はマイナス2億7,000万円と赤字は継続しているものの、利益は前年同期比で大幅に改善している。増収と赤字幅の縮小は、両事業の成長による粗利益の増加と、内製化の推進等によるコストコントロールが奏功したことが要因である。具体的には、業務の内製化を進めることで業務委託費を抑制し、広告宣伝費へ戦略的な投資を行いつつも、全体としてのコスト最適化を実現した。
セグメント別または事業別の増減要因
売上増加の主な要因は、LegalTech SaaS事業と登記事業の両事業が継続的に成長していることであり、特に前年同期比+48.5%の大幅な増収となったLegalTech SaaS事業が全社の成長を強く牽引した 。同事業では、中堅・大手企業への導入拡大と複数機能の利用促進により平均顧客単価が向上した一方、非ターゲット層の解約増加等によりARRは一時的に微減した 。登記事業は累計で増収も、直近は検索サイトにおけるAI機能等の影響からWeb検索経由の流入が軟調に推移している 。
主要KPIの進捗と変化
LegalTech SaaS事業のARRは7億6,400万円、前年同期比23.7%増と成長を継続している 。特に平均顧客単価は11万1,000円(同29.3%増)と大幅に伸長しており 、これは複数モジュール導入や大手企業への注力が奏功したためである 。一方で、非ターゲット層の解約増加や商談長期化により導入社数は570社へ減少し 、ARRは前四半期比で微減、解約率は0.95%へ上昇した 。
季節性・一過性要因の有無と影響
第3四半期は、認知拡大のための広告宣伝費を重点的に投下したことが一過性のコスト増加要因となり、赤字幅が一時的に拡大した。売上面では、LegalTech SaaS事業において非メインターゲット層(小規模事業者等)の解約が一時的に増加したことや商談の長期化が響いたほか、登記事業においても検索サイトにおけるAI機能等の影響からWeb検索経由の流入が軟調に推移するなどの外部要因の影響を受けた。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想は据え置いており、第3四半期時点の売上高進捗率は63.7%です 。通期達成には第4四半期での大幅な積み上げが必要ですが、「OLGA」の大型案件や年度末のスポット案件の獲得、およびコスト適正化により、第4四半期の黒字化と通期計画の達成を見込んでいます 。一方で、登記事業におけるWeb検索流入の回復遅れやSaaS商談の長期化がリスク要因ですが、集客チャネルの多角化やサービスラインナップの拡充によりカバーしていく方針です 。
トピックス
LegalTech SaaS事業では、2025年9月にAIが複数文書間の整合性を自動検知する「文書間整合性チェック」機能をリリースし、プロダクトの競争力を強化した 。登記事業では、8月に「GVA商標登録」の正式版の提供を開始し、指定商品・役務の検索機能を大幅に拡充したほか、9月には役員の死亡登記にも対応するなど、サービスラインナップの拡大が順調に進捗している 。
【2025年12月期3Q】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)は何でしょうか?
A:第3四半期に実施した認知施策への先行投資を一巡させ、第4四半期はコスト適正化と売上拡大による四半期黒字化の達成を最重要視しています。LegalTech SaaS事業では、大型のアカウント導入に向けた機能開発や生成AIを活用した新機能開発に注力。顧客平均単価向上による収益性向上およびアライアンス等によるパイプライン拡大に取り組んでいく予定です。登記事業では、Web検索に依存しない集客チャネルの多角化とサービスラインナップの拡大に注力し、収益基盤の安定化を図ってまいります。
Q:通期業績の見通についてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想は、売上高17億3,700万円(前期比49.1%増)、営業利益マイナス2億5,000万円、経常利益マイナス2億5,900万円、当期純利益マイナス2億6,100万円で、増収の見込みです。業績予想は据え置いております。
当第3四半期は、認知拡大に向けた広告宣伝への投資や、新サービスである「GVA商標登録」の正式版リリース、および法務オートメーション「OLGA」への「文書間整合性チェック」機能搭載といった成長施策を積極的に実施しました。第4四半期は、これらの先行投資を一巡させてコスト適正化を図るとともに、SaaS事業における大型案件やスポット案件の獲得を推進し、通期計画の達成と四半期黒字化を目指してまいります。
Q:受注・競合状況についてご説明ください。
A:LegalTech SaaS事業のARR(年間経常収益)は7億6,400万円(前年同期比23.7%増)となりました 。特筆すべきは平均顧客単価で、11万1,000円(前年同期比29.3%増)と継続して上昇しています 。これは、非メインターゲット層の解約が進む一方で、注力する中堅・大手企業において法務オートメーション「OLGA」の複数モジュール導入が進んでいるためです 。新規商談は長期化の傾向にありますが、高単価な大型案件へのシフトは着実に進捗しています 。
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IR担当

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
決算概要
2025年12月期第2四半期は、売上高が7億4,700万円で前年同期比53.6%増の大幅な増収となった。営業利益はマイナス1億4,700万円、経常利益はマイナス1億5,100万円、中間純利益はマイナス1億5,200万円と赤字は継続しているものの、利益は改善傾向にある。増収と赤字幅の縮小は、粗利益の増加と、必要な部分に最適なコストをかけることでコストを抑えられたことが要因である。具体的には、人員配置、広告宣伝費、および一部で利用していた外部パートナーについて、費用対効果の高いところに注力することでコストを最適化した。
セグメント別または事業別の増減要因
売上増加の主な要因は、LegalTech SaaS事業と登記事業の両事業がともに成長していることであり、特にLegalTech SaaS事業が成長を牽引した。
主要KPIの進捗と変化
LegalTech SaaS事業におけるARR(年間経常収益)は7億9,600万円、前年同期比で61.3%増と着実に伸びている。特に、1顧客あたりの平均単価は10万6,000円と前年同期比で40.3%増加しており、計画を上回るポジティブな進捗である。これは、法務オートメーション「OLGA」内の複数モジュールを導入する顧客が増加したことや、大型クライアントが増えたことが要因である。一方、導入社数は新規顧客獲得のペースが鈍化しているため、前期から微減している。
季節性・一過性要因の有無と影響
今期は業績に影響を与えるような一過性の要因は特になかった。しかし、第3四半期においては、認知施策系の広告宣伝費を増やす予定であるため、他の四半期よりも費用が膨らむ見込みであり、赤字幅が横ばいまたは少し膨らむ可能性がある。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想は据え置かれている。売上高17億3,700万円(前期比49.1%増)、営業利益マイナス2億5,000万円、経常利益マイナス2億5,900万円、当期純利益マイナス2億6,100万円の増収見込みである。適時開示基準の範囲内で、着地の見通しは立っている。しかし、新規顧客獲得のペースに時間を要していること、および顧客獲得プロセスにおける決裁レイヤーの変化による商談の長期化が課題として挙げられる。商談パイプラインを増やすことでこの課題に対応し、パイプラインマネジメントをうまく行えるようになれば状況は改善される見込みである。
トピックス
2025年5月に商標出願書類の作成支援ツール「GVA商標登録」のベータ版をリリースし、正式版も間もなくリリースされる予定である。開発は順調に進捗している。また、業務提携として、第2四半期にAI契約レビューに特化した競合企業である株式会社リセと提携したことも注目すべき点である。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:第3四半期は、認知施策系の広告宣伝費を増やし、商談のパイプラインを増加させることに注力する予定です。これにより、広告宣伝費は他の四半期よりも膨らむ見込みであり、赤字幅も横ばいか、少し膨らむことが予想されます。また、2025年8月に商標出願書類の作成支援ツール「GVA商標登録」を正式リリースしました。
Q:通期業績の見通しについてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想は、売上高17億3,700万円(前期比49.1%増)、営業利益マイナス2億5,000万円、経常利益マイナス2億5,900万円、当期純利益マイナス2億6,100万円で、増収の見込みです。業績予想は据え置かれており、適時開示基準の範囲内で着地の見通しが立っている状況です。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:LegalTech SaaS事業のARR(年間経常収益)は7億9,600万円、前年同期比61.3%増と着実に伸びています。特に、1顧客あたりの平均単価が10万6,000円と、前年同期比で40.3%増加していることが重要なポイントです。これは、当社の法務オートメーション「OLGA」内で複数モジュールを導入する顧客が増え、高単価の案件が増加しているためです。また、大型クライアントが増えていることも顧客単価の上昇に寄与しています。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:業務提携に関しては、AI契約レビューに特化した競合企業である株式会社リセと提携したことが、第2四半期のトピックです。
取材者:まず初めに、2025年12月期第2四半期の決算状況をお伺いいたします。売上高は7億4,700万円で前年同期比53.6%の増加。営業利益はマイナス1億4,700万円、経常利益はマイナス1億5,100万円、中間純利益はマイナス1億5,200万円となりました。大幅な増収となり、利益も改善が見られますが、増減要因についてご説明いただけますか。
回答者:売上増加の要因は、LegalTech SaaS事業と登記事業の両事業がともに伸びていることです。特にLegalTech SaaS事業が成長を牽引しました。赤字縮小に関しては、粗利益が増加したことが大きいですが、コストも比例的に増えたわけではなく、必要な部分に最適なコストをかけたことで、コストを抑えられたことが両方とも良い結果を生んだ要因です。
取材者:具体的に、コストの最適化はどのようなことを行われましたか。
回答者:人員配置や広告宣伝費、また一部で利用していた外部パートナーについて、効果の高いところに注力しました。これにより、費用対効果が良くなりました。
取材者:人員の配置のお話も上がりましたが、前期比での採用数の推移はいかがですか。
回答者:採用ペース自体は大きく変わっておらず、年間で10〜20人程度を順調に採用しています。
取材者:採用が順調に進んでいる要因は、どういったところにあるとお考えですか。
回答者:AIやリーガルテックという分野の認知度が少しずつ高まっていることが大きいと思います。それに加えて、GVA TECHの力も少しずつついてきていることも要因です。
取材者:他に主要なKPIはございますか。
回答者:今期はLegalTech SaaS事業のARRが着実に伸びていること(7億9,600万円、前年同期比+61.3%)と、特にその中でも1顧客あたりの平均単価がしっかり伸びていること(10万6,000円、前年同期比+40.3%)が重要なポイントです。
取材者:顧客単価の伸びは、計画と比べていかがですか。
回答者:顧客単価自体は、計画よりもポジティブに動いています。当社の法務オートメーション「OLGA」の中にある様々なモジュールを複数導入いただくケースが増えました。これまではAI契約レビュー機能や契約管理モジュールを単体で導入するお客様が多かったのですが、複数モジュールを導入していただくケースが増えたことや、大型クライアントが増えたこともあり、全体的に高単価が増加しています。
取材者:業績に影響を与えたような一過性の要因や季節性、外的要因などはございますか。
回答者:今期は一過性の要因は特にありませんでした。しかし、次の第3四半期については、認知施策系の広告宣伝費を少し使うことを予定しています。そのため、広告宣伝費は他の四半期よりも膨らむ見込みで、赤字幅も横ばい、もしくは少し膨らむことが予想されます。
取材者:通期の業績予想についてお伺いいたします。売上高は17億3,700万円で前期比49.1%増加。営業利益はマイナス2億5,000万円、経常利益はマイナス2億5,900万円、当期純利益はマイナス2億6,100万円といったところで、増収で着地する見込みです。この見通しや進捗率についてご説明いただけますか。
回答者:業績予想は今回据え置きとさせていただきました。適時開示基準の範囲内で、着地の見通しが立っている状況です。進捗については、導入社数が前期から微減しているという状況があります。これは、新規顧客獲得のペースが少し時間がかかっているためです。
取材者:平均顧客単価が上がっている分、一つ一つの案件が長期化しているということですか。
回答者:より良い案件を獲得したいという部分もあるのですが、おっしゃる通り、決裁のレイヤーが変わり、例えば部長決裁だったものが、役員決裁や経営会議での決裁となるなど、長期化するケースが増えました。これにより確認に時間がかかるようになりました。商談のパイプラインを増やすことでこの状況に対応しようと考えており、認知施策を増やしてパイプラインの増加に注力し始めています。これは一時的な転換期だと考えており、商談パイプラインのマネジメントをうまく行えるようになれば、状況は改善される見込みです。
取材者:M&Aや業務提携の実施の有無、または検討状況についてご説明いただけますか。
回答者:業務提携については、競合である株式会社リセという、AI契約レビューに強みを持つ会社と提携したことが、第2四半期のトピックです。
取材者:株主還元方針に変更はございますか。
回答者:特に変更はございません。
取材者:最後に、足元の状況について、何かニュースリリースはございましたか。
回答者:8月に、商標の申請を支援するツール「GVA商標登録」を正式リリースいたしました。これまで、手間や費用を考慮してできていなかった商標の取得をお手軽に申請できるようにサポートいたします。
取締役CFO 板倉侑輝様

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
決算概要
2025年12月期第1四半期は、売上高が前年同期比+57.8%と大幅に増加し、先行投資を継続しつつも営業損失は計画以上に縮小し、収益性が改善しているなど、好調なスタートとなりました。
セグメント別または事業別の増減要因
当社の事業は、LegalTech SaaS 事業が売上を力強く牽引し、登記事業も堅調に成長しました。LegalTech SaaS 事業は、旺盛なDX需要を背景に複数モジュールの導入や価格改定が奏功し、売上は前年比+72.6%と大幅に増加しました。登記事業も、利用層が成長・成熟フェーズの企業へ拡大したことや、購入単価の向上により、同+44.9%と高い成長を維持しています。競争優位性として、LegalTech SaaS 事業は法務案件管理を中心に幅広い業務をカバーし、柔軟に全社展開できる点が強みです。また、登記事業は手間のかかる「変更登記」に特化している点や、安定したオーガニック流入が成長を支えています。
主要KPIの進捗と変化
当社の主要KPIは両事業で好調に推移しました。LegalTech SaaS 事業では、ARR(年間経常収益)が前年比+69.4%の736百万円に達し、顧客単価(ARPA)も+30.7%の98千円へと大きく向上しました。これは価格改定やアップセルが順調に進んだ結果で、解約率も0.41%と低位安定しています。登記事業においても、利用件数が前年同期比+2.2%と堅調に増加し、利用単価も約40%上昇しました。これらのKPIの力強い成長が、全体の業績を牽引しています。
季節性・一過性要因の有無と影響
当第1四半期の業績には、主に2つの季節性要因が影響しました。まず、登記事業は例年、需要が落ち着く時期にあたるため、利用件数は前四半期比で減少しましたが、これは想定内の動きです。また、広告宣伝費を戦略的に第4四半期へ集中させているため、当四半期の費用は大幅に減少し、これが前四半期比での営業損失改善の主な要因となりました。これらは一過性の影響であり、通期では計画に沿った費用投下を予定しています。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2025年12月期の通期業績予想(売上高1,737百万円、営業損失250百万円)に変更はありません。第1四半期の売上高進捗率は20.6%と、LegalTech SaaS 事業の積み上げモデルや登記事業の季節性を踏まえると計画通り順調なスタートです。営業損失も計画より縮小しており、現時点では通期予想は達成可能と考えています。投資フェーズの最終段階として、第4四半期での四半期黒字化という目標達成に向け、引き続き事業を推進してまいります。
トピックス
当四半期の主なトピックスとして、まず事業領域の拡大が挙げられます。登記事業で培った知見を活かし、隣接する知財領域の新サービス「GVA 商標登録」のβ版をリリースしました。また、既存の「GVA 法人登記」も一般社団法人へと対応範囲を広げています。2025年を投資フェーズの最終段階と位置づける中、計画を上回るペースで収益性が着実に改善している点も重要な進捗です。これらの状況を踏まえ、通期の業績予想は据え置いています。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
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LegalTech LegalTech SaaS 事業では、複数モジュール導入促進等によるアップセル・クロスセルを強化し、顧客単価(ARPA)の向上を図ります。また、大企業向けの営業・マーケティング体制を強化し、エンタープライズ顧客の開拓を加速させます。
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登記事業では、新サービス「GVA 商標登録」を本格展開し、複数の法務手続プロダクトのクロスセルによる顧客単価の向上を目指します。
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全社としては、これら成長への投資を継続しつつ、費用対効果を厳格に管理することでコスト効率の最適化を進め、計画通り第4四半期での単月黒字化を達成する方針です。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
通期業績予想(数値)
2025年12月期の通期業績予想は、2025年2月14日に公表した以下の内容から変更しておりません。-
売上高:1,737百万円(前期比+49.1%)
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営業損失:250百万円(前期から273百万円の赤字縮小)
通期達成に向けた戦略
LegalTech LegalTech SaaS 事業:顧客価値の最大化によるARR向上-
アップセル・クロスセルの強化:主力サービス「OLGA」の複数モジュール導入や、Salesforce連携アプリ「OLGA for Salesforce」の活用を推進し、顧客単価(ARPA)を向上させます。
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エンタープライズ顧客の開拓:大企業向けの営業・マーケティング体制を強化し、顧客基盤を拡大します。
登記事業:サービス領域の拡大とクロスセルの推進
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新市場への展開:5月にリリースした「GVA 商標登録」を本格展開し、「GVA 法人登記」の顧客へのクロスセルによる顧客単価の向上を図ります。
全社:計画的な投資と収益性の改善
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将来の成長に向けたプロダクト開発や人材採用への投資は継続しつつ、費用対効果を厳格に管理し、コストを最適化します。これにより、計画通り第4四半期での単月黒字化の達成を目指します。
当四半期に実施した主な施策
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新サービスのリリース準備:登記事業の知見を活かし、隣接する知財領域の新サービス「GVA商標登録」のβ版を5月にリリースしました。
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既存サービスの拡充:「 GVA 法人登記」の対応範囲を、ニーズの高い一般社団法人へ拡大しました(2月)。
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収益性の改善:売上高の力強い成長に加え、広告宣伝費などの費用を効率的に運用した結果、営業損失は計画よりも縮小して着地しました。
Q:受注・競合状況についてご説明ください。
受注状況
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LegalTech SaaS 事業:新規顧客の獲得は堅調に推移し、契約社数は626社に達しました。特に、複数モジュールを導入いただく企業が増加しており、顧客単価(ARPA)は前年同期比で+30.7%の98千円へと大きく向上しています。これは、当社のサービス価値が顧客に認められ、深く浸透していることを示しております。
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登記事業:第1四半期は季節的に需要が落ち着く時期ですが、利用件数は前年同期比で+2.2%の4,014件と堅調に推移しました。また、累計利用社数は2.5万社を超え、利用層が設立初期の企業だけでなく、成長・成熟フェーズの企業へも拡大していることから、安定した顧客基盤を築けていると考えております。
競合状況
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LegalTech SaaS 事業:競合サービスも存在しますが、当社の「OLGA」は、法務案件管理を中心に幅広い業務プロセスをカバーしており、既存の業務ツールとも柔軟に連携できる点が強みです(資料P.43)。特に、AIリーガルテックの領域では唯一となるSalesforceとの連携アプリ(資料P.38)などを通じ、他社との差別化を図っています。
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登記事業:競合の多くがシンプルな「設立登記」に注力する中、当社は手間のかかる「変更登記」で高い専門性と利便性を確立しています。また、広告費に頼らないオーガニック流入をSEO対策で実現しており、安定した顧客獲得チャネルを確保している点も大きな競争優位性です。
Q:M&A、業務提携の実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
現時点において、当第1四半期に開示すべき具体的なM&Aの実施や決定はございません。しかしながら、当社は事業成長を加速させるための有効な手段として、M&Aや他社との業務提携を常に検討しております。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
当社は現在、正式な中期経営計画は策定しておりませんが、「事業計画及び成長可能性に関する事項」で公表している成長戦略がその指針となります。当第1四半期は、この戦略に沿って各施策が順調に進捗しました。
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IR担当

企業名
上場市場 証券コード
決算日
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
GVA TECH株式会社は、リーガルテックのサービスを提供する企業である。主な事業として、法務部門向けのDXサービス「OLGA」を提供するLegalTech SaaS事業と、法人向けの登記申請業務を効率化するWebサービスを行う登記事業の二つを展開している。
創業の経緯と転機となった出来事
代表取締役社長の山本氏は、弁護士資格を持ち、大手法律事務所での勤務経験を持つ。スタートアップ企業が法的支援を必要としているにも関わらず、コスト面から弁護士への依頼が難しい状況を鑑み、2012年にGVA法律事務所を設立。その後、AI技術を活用してリーガルサービスを提供するGVA TECH株式会社を設立し、現在に至る。
直近の決算状況
今期の第4四半期から黒字化を達成する見込みである。来期以降も黒字化を継続することを目指しており、収益は積み上げストック型ビジネスの性質を持つため、黒字化基盤の確立が重要である。
特徴や強み
「OLGA」は、法務業務における案件管理、契約書作成、締結、管理など、一連の業務を効率化するサービスである。案件に関わるデータの一元管理、AIによる定型業務の高速化、バージョン管理機能、進捗管理の自動化などが特徴。顧客からは、UI/UXにこだわったこれらの機能が「かゆいところに手が届く」と評価されている。
成長戦略
今後の成長戦略として、GVA TECH株式会社は「OLGA」の機能間連携を強化し、セット販売を推進することで顧客単価の向上を目指す。具体的には、複数モジュールの導入促進、アカウント数の増加、事業部への展開、販売パートナーシップの活用などを通じて、更なる成長を目指す。
今期の取り組みやトピックス
直近の取り組みとして、「OLGA」のブランド変更と機能モジュールの一体化がある。これにより、各プロダクトの機能連携を強化し、セット販売を促進することで、顧客単価の向上を図る。また、セールスフォースとの連携サービス「OLGA for Salesforce」の提供も開始し、法務部以外の事業部への展開も視野に入れている。
平均顧客単価の向上
平均顧客単価の向上は、複数のモジュール導入とアカウント数の増加が主な要因である。昨年11月に行った料金プランの改定も影響しているが、セット販売の推進が特に貢献している。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックスなどを含む)は何でしょうか?
A:当社の成長戦略のポイントは、主力サービスである「OLGA」の機能間連携を強化し、これまでのバラ売りからセット販売を推進することで、顧客単価の向上を目指すという点にあります。具体的には、お客様に複数のモジュールを導入いただくことで、平均顧客単価を上げていくという戦略が功を奏しており、実際に複数のモジュールを導入してくださる企業が増え、平均単価の上昇という実績も出てきています。さらに、アカウント数を増やしていくために、法務部だけでなく事業部の方々にも「OLGA」をご利用いただけるようなサービス展開を図っており、セールスフォースとの連携による「OLGA for Salesforce」の提供はその取り組みの一環です。加えて、トムソン・ロイターとの販売パートナーシップを通じて、これまで以上に大手企業へのアプローチを強化し、アカウント数の増加と平均単価の向上を目指していくことも、重要な成長戦略の一つと考えています。これらの取り組みを通じて、当社は更なる成長を加速させていきたいと考えています。
Q:業績の増減要因は何でしょうか?
A:当社は今期の第4四半期から黒字化を達成する見込みであり、来期以降もこの黒字化を継続していくことを目指しております。当社のビジネスは収益が積み上げストック型に振っていく部分もありますので、このまま第4四半期に黒字化を達成し、基本的な基調としては黒字化を目指せるような基盤をしっかりと作っていくことが、業績を向上させるための重要な要素であると認識しています。一方で、成長のための投資も積極的に行っており、特にリーガルテックサービス事業におけるビジネスサイドや開発人材への戦略的な投資は、業績に影響を与える大きな要因の一つです。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:受注状況に関しては、当社の「OLGA」は多くのお客様にご利用いただいており、特に複数のモジュール導入が増えていることが、平均顧客単価の向上に大きく貢献しています。競合状況についてですが、リーガルテック市場はまだ成熟しているとは言い難く、法務部門の方々がツールに慣れていないという企業も少なくありません。そのような状況の中で、当社は上場企業としての信用力を活かし、お客様に安心してサービスをご利用いただけるよう努めており、この点が受注に繋がっていると考えています。なお、リーガルテック業界の広がりとともに、競合のサービスも少しずつ増えております。その中で、法務業務の上流にあたる案件管理の機能では特に競合よりも優れており、導入していただけるケースが多いです。
取材者:まず初めに、貴社決算状況であったり、あとは会社のホームページなども拝見させていただいたのですが、改めて貴社のビジネスモデルであったり、事業内容につきましてご説明いただけますか。
回答者:リーガルテックのサービスを提供しています。上場企業としてこのAI×リーガルテックのような事業を行っているのは珍しいかと思います。事業内容としては、大きく二つの事業を行っております。
一つがLegalTech SaaS事業で、「OLGA」という法務部門向けのDXサービスを提供しております。もう一方が登記事業です。これは主に中小企業や小規模事業者を中心に登記、いわゆる会社が行う登記申請などの業務を効率化するWebサービスを行っております。
回答者:一応この2事業、それぞれ運営しながらそれぞれがいわゆるターゲットになっている企業が別になっていまして、「OLGA」の方は大企業とか中堅の会社様とか、大体従業員100人を超えてくると、専任の法務部の人が採用されて、規模が大きくなるにつれて組織化されていくようなものになっています。それよりも小さい会社様、中小企業小規模事業者様でいくとあまり管理部というものは大きくなく、専任の法務部の人がおらず兼任で何か作業されているとか、小さい会社だと法務手続き系のところも代表の方が自分で頑張って調べて対応するか、士業に頼んで対応しているような状況です。そのような法務に精通していない方に対してサービスを提供しているという、大きく二つの事業があります。
リーガルテックサービス事業と登記事業について、順にご説明させていただくのですが、まずこの「OLGA」というサービスが四つのモジュールから成り立っています。
法務の仕事もいろいろ多岐にわたるのですが、基本的なものは、事業部の方から法務部へ契約書なり、新規事業の法的な相談などの依頼を受けて、それに回答していくというのが法務部の仕事になっています。本当にいろんな部署とかいろんな方々から依頼が来るのですが、その中で大体がメールとかSlackのようなビジネスチャットツールであるとか、大企業では内線電話であるとか業務フローのワークフローであるとか、そういういろんなツールを使って、法務部の方に問い合わせが来てこういうことをやってほしいと依頼があります。
法務部の担当者は、これらの依頼に対して、Excelで案件の進捗管理を行ったり、汎用的なストレージサービスでデータの管理のようなことをしています。その中でそれぞれのチームの進捗状況であるとかタスクの管理状況などを確認していきながら、メールとかチャットなどで回答をして、そこから何回かやり取りをするのですが、先方との交渉があったりするので、最終的に交渉が進めば、契約の締結に入ります。その契約締結には、電子契約などを使って、最終的に契約書が締結し終わったら、最終的に契約の管理というところでそれの期限管理などを行います。この一連の流れの中で問題点がいくつかあります。いろんなツールでやり取りをしているので、案件に関わるデータというのが散在しているということです。そのため、例えば同じような案件が来た場合にも、過去のデータを参照しに行くのが難しく、検索と調査に時間がかかってしまいます。あとはデータがバラバラにあるため、法務部門の方で一括管理しているものは非常に少ないです。
書類フォルダーとかGoogleドライブなどで情報を管理している会社もありますが、情報が整理されずに格納されていることが多く、ちゃんと整理して一括管理されているという状況ではありません。そのため、属人的な業務になっているというのが法務部の課題です。
「OLGA」というサービスでは、いろいろできるのですが、まずは全部その入口、事業部からの入口依頼の全部を「OLGA」に統一できるということと、その「OLGA」のサービスの中で全部業務が完結するような形になっているので、あらゆる法務系のデータというのが蓄積されていくというのがあります。
その蓄積された「OLGA」を使ってAIで定型業務を高速化していくというのが「OLGA」の強みです。このデータを全部溜めるというところと再活用できるというのが「OLGA」のサービスになっています。いろんなお客様に使っていただいており、600社ぐらいの企業に使っていただいています。月額料金を中心としたサブスク型のビジネスで、大手から中堅ぐらいの企業を中心に利用いただいています。
もう1個が登記事業です。年間に会社の法人登記に関する件数は、約150万件ぐらいです。そのうちの110数万件が、会社の設立ではなくて設立した後に、役員変更や本店を移転したりとかという変更登記です。登記の申請手続きは専門性が高いため、法務局のホームページなどに書類の作成方法などが掲載されていますが、かなりわかりにくいものになっています。そのため、大体世の中の半分ぐらいが司法書士という専門家に依頼しています。残りの半分が、お金もかけられないから自分で頑張って申請書を作って出すという形になっています。司法書士とかに依頼すると、時間がかかってしまうという問題がありますし、その依頼先を探すのもかなり手間です。依頼コストもかかってしまいます。ただ、自分でやろうとすると、時間がかかる上にミスが起きやすいという問題があります。登記事業では、これらの問題を解決するために、Webサービスを作って「簡単に」「安く」「早く」行えるようにしています。簡単なものであれば、最短10分以内で書類作成もできますし、かなり申請箇所を自動化するような仕組みを使っているので間違いにくい構造になっています。1回当たりの申請費用というのも4分の1ぐらいになっています。
取材者:費用が安くなるのは大きなメリットですね。
回答者:登記事業は、サブスクの料金体系ではなくて1回の申請あたり1回の利用都度課金のような形になっています。そのため、累計の利用者数でいくと2万5000社を超えてきたぐらいで、多くの方々に利用いただけるようなサービスになっているかと思います。
取材者:「OLGA」を利用することによって、大体業務時間としてどの程度の割合削減されるのでしょうか?
回答者:なかなか比較するのは難しいところではあるのですが、1社事例として記載させていただいているのが、ミサワホーム様です。ミサワホーム様は、「OLGA」のサービスを使って、案件に関する情報が蓄積され、FAQのチャットボットのような機能があるので、それを使って自動化することで相談の件数が大体3分の1ぐらいまで減少しました。この事例からも、効率化の効果は出ているかと思います。
取材者:「OLGA」に関してはカスタマイズなどもされていますか。
回答者:導入にあたってのカスタマイズというのは発生しないサービスです。皆様が標準機能のまま使っています。
取材者:標準機能でもかなりサービスが充実しているということですか。
回答者:かゆいところに手が届くサービスだと言われています。細かい機能とかUXにはこだわっていますので、この辺は強みかと思います。
取材者:そのかゆいところに手が届くといった部分で何か好評なサービスの部分、具体的なものがあれば教えていただくことは可能ですか。
回答者:簡単なものを二つだけご紹介できればと思います。こちらが「OLGA」の画面になっています。こちらが「OLGA」のホーム画面で、全体の各チームと各メンバーの案件の進捗状況など確認することができます。その案件の中に入るとこういう形になって、左に案件情報、案件の概要に関する情報があって、真ん中に書類情報があります。書類は、通常の取引でもかなりバージョン管理が必要になってくるといいますか、契約1本でもファイルが行ったり来たりするので、例えば四つ五つとか下手したら10ぐらいの違うバージョンのファイルが出てきます。そのバージョン管理ができるというのもあります。真ん中にドキュメント情報があり、それに関するメンバーのやり取りができます。依頼者にその案件のヒアリングをしたりとか、チームの中で内容の確認をしたりとかというのが切り替えられて、全部そのやり取りというのがここに溜まっていくというところで、それを全部1画面で見ることができるというのは他の会社や、他の案件管理ツールをやっている会社にはない設計だったりするので、これはいいと言われます。
回答者:もう1個特徴的な機能として、案件が今誰のところに滞っているか、確認中なのか、相手依頼者の事業部の方で確認のステータスで止まっているのかとか、今どこにあるのかというのが、上長から見るとわかりにくいという問題があります。それが例えば依頼があってこの契約書でお願いしますって出したときに、自動でこの対応者、誰がボールを持っているのかというのが変わります。このメッセージを打ってこれでお願いしますって書くと、自動的に依頼者に確認中というステータスになります。その進捗管理というのが自動でできるというのが面白いということで、便利だと言われています。一般的なツールではあまり考慮されないような、細かな部分にまで配慮した設計となっています。
取材者:そういった部分を法務部だけじゃなくて他の部署とか、他の部分とかでタスク管理してほしい会社もありそうです。
回答者:知財管理や開示書類関連など、他の業務などにも横展開できるかということもあり、ターゲット市場を模索したりもします。
取材者:それでは、貴社の創業の経緯についてわかる範囲で教えていただけますか。
回答者:創業の経緯ですが、代表取締役社長の山本は、弁護士の資格を持っています。2009年ぐらいに弁護士登録をしてから、鳥飼総合法律事務所という、大企業などの企業法務を扱う部署に入り、そこでいろんな大企業支援とかもしていました。そこから並行して個人で、当時スタートアップの創世記で、VC調達して伸びていくようなスタートアップというのが増えだした頃で、その頃から個人でいろいろ相談を受けることが多くなって、マネーフォワード様は創業するタイミングぐらいから上場する時ぐらいまで顧問弁護士として対応していました。
その中で、スタートアップが非常に事業としては目新しいものでいろんなリーガルリスクを抱えやすいものであるけど、お金がないので弁護士に何か依頼するというのが非常に難しいという状況が多く見られました。このような状況の中で、スタートアップの支援に特化したような法律事務所を作ろうということで、GVA法律事務所を2012年に立ち上げました。そこから幅広く展開をしていきながら、一方で法律事務所は人間ビジネスですので、すごくスケールするかというとそうでもないという側面があります。より法務支援を受けられなくて困っている人たちを支援していくには、テクノロジーを使う必要があるということで、ちょうどAIブーム、第3次AIブームで、ディープラーニングというのが出てきたときに、このAIの技術を使って、契約書なりそういうリーガルの業務を支援するようなサービスを作ろうということで、GVA TECHという会社を設立したというのが全体の経緯です。
取材者:昨年末に上場されたかと思いますが、上場の目的はどういったところにありますか。
回答者:上場の目的は、一番が社会的信用力を獲得するということです。企業の契約書の情報やリーガルの情報を未上場の会社が預かっていくというのが、ハードルになる場面もありまして、上場していたら違うという声も聞かれました。特に大きな会社になればなるほど、そのような声が出てきて、やはり安心してサービスを利用いただくには、一定の信用力が必要だということで、事業をさらに拡大するためにも早めに上場するということが必要だというのが全体としてありました。
取材者:法務を扱うからこそそういった難しさもあるのですね。
回答者:法務部門の方は保守的な人も多いので、リーガルテック自体が成熟している市場ではないが故に、ツールに慣れていないという会社様もまだまだいる業界だと思っています。そのような意味でも、上場しているというのはいいかと思います。
取材者:上場してから3ヶ月少したったあたりだと思うのですが、機関投資家様とのミーティングなどの状況はいかがですか。
回答者:機関投資家様の方は、そこまで多くはありません。まだまだ我々の時価総額とその出来高から言うと、機関投資家様からもすごく入りにくいタイミングかと思います。IPOのロードショーのタイミングでも、事業的なユニークさと成長性についてはご理解いただけましたが、まだ小さい規模であるということで、投資を見送られたというケースも多かったです。
あとはやはり現時点では赤字を継続しているという点も、投資判断に影響を与えているかと思います。今後、黒字化してくると、評価も変わってくるかと思います。
取材者:今は成長フェーズということで、様々なところに投資をされているかと思いますが、現状ですと、どういった部分に多く投資をされているのでしょうか。
回答者:一つは人件費になってくるかと思います。特にリーガルテックサービス事業、「OLGA」のビジネスサイドであるとか、開発エンジニアに対する戦略的な投資があるかと思います。
取材者:先程、業績に関する資料を拝見したところ、今期の第4四半期から黒字化を達成する見込みとのことでしたが、来期以降は黒字化を継続していくという理解でよろしいですか。
回答者:来期以降の数字を開示していないため、明確には申し上げられませんが、基本的には我々のビジネス、収益は積み上げストック型に振っていく部分もありますので、このまま第4四半期に黒字化をして、基本的な基調としては黒字化を目指せるような基盤というのはしっかり作っていこうと思っています。
取材者:特に先程の投資の部分とその人材の投資という部分があったかと思いますが、御社のような成長著しい企業では、人材の採用が難しいという側面もあるかと思います。その中で採用の戦略や、社員教育の教育方針のようなものがあれば教えていただけますか。
回答者:まさにおっしゃる通りでして、その中でも一つはその上場するということのメリットも、採用における認知であるとかを良くしたいというのが目的としてありました。その中で採用広報を含めた認知活動というのは広げていまして、特にSNSなどの認知活動は増やしています。やはりIPO上場しましたというニュースバリューというのは比較的あって、その中で会社を知っていただく機会というのはかなり増えていると感じています。
取材者:今期始まったばかりかと思いますが、何か今期から新しく取り組まれていたり、業績に関わらずトピックスなどございましたら教えていただけますか。
回答者:一つは「OLGA」のところで全部モジュールが四つぐらいあるのですが、「OLGA」という、今までバラ売りで売っていたところがありました。ただそこが昨年の11月からブランド変更をしました。今まではGVA assist、GVA manageとかそれぞれ別プロダクトとして名称も変え運営していたのですが、全部それを統一し変更して「OLGA」というので全部ひとまとめにしたのです。その中にいくつかの機能を持ったモジュールがあるという体裁にしました。
回答者:それの狙いというのが、各サービスプロダクトの機能間連携が結構出てきたので、バラ売りじゃなくてセットで導入してもらうということを増やして、平均的な顧客単価を上げていこうというのが狙いとしてありました。それが奏功しており複数のモジュールを導入してくださる企業も増えてきているのと、それによってお客様の平均単価が増えてきているというのが実績として出てきています。
ここが特に今期といいますか去年の末ぐらいから取り組み始めて、取り組みを強化しているところが数字には出てきているかと思います。
取材者:平均単価が上がっているというのは、サービスの利用料金や何かオプションを付けてもらうというよりは、複数のモジュールを導入する企業が増えているからこそ平均が上がっているという見方でよろしいですか。
回答者:そこがメインの要因です。料金プランの改定、料金引き上げも行っていますので、そこが両方で影響しているという状況です。
追加的なところでいくと、もう少し2点だけご説明します。
平均単価を上げていくという試みの中で、一つがアカウント数を増やしていくということがあります。基本的には今まで法務部に対して基本料金があって、その基本料金を払ってもらえれば、1アカウント使えます。それから法務部員が2人3人4人5人いればその分アカウントプラス3とか4とかって増えていって、料金が上がっていくという形です。アカウント数がどれくらいかによって料金が上がっていくという形です。それをさらに料金を上げていくにあたり法務部の人たちだけではなくて事業部の人たちにも使えるようなサービスにしていきたいというのがあります。我々のパーパスとして、法務部の方、法務のリテラシーがない人たちも、メリットを享受してほしいというのがありますので、その中でセールスフォースとの連携とし「OLGA for Salesforce」というのを出して、営業が利用する営業ツールの中に、「OLGA」を組み込むことによって例えばその中で過去の契約書のやり取りが見ることができたり、AIで回答をもらったりとかそういうようなところをできるようにしています。これはまだ仕込み段階ではありますが、事業部にも展開していくような体系というのは、他の会社様、他の競合様にはない取り組みだったりもするので、当社の特徴的なところかと思います。
あとはトムソン・ロイターという会社が、リーガルテック業界ではかなり世界でも強いところなのですが、ここが弊社のサービスの販売パートナーになっています。トムソン・ロイターは、Westlawという判例検索のサービスを取り扱っていて、国内の大手の法律事務所とか大手の企業とかであれば、ほぼ100%と言ってよいほど導入率の高いサービスなので、そこに対してアプローチしていけます。大企業に提供していくことで、アカウントを大きくして、平均単価を上げていくという施策の取り組みでもありますので、この辺りが、今期以降さらに成長を加速させるための重要な要素になると思っています。
取締役経営企画部長 板倉侑輝様

GVA TECH (株)
東証GRT 298A
決算:12月末日
CP&X
【取材日】2026年6月5日
【2026年12月期1Q】
決算概要
2026年12月期1Qの売上高は400百万円(前年同期比+11.9%、前四半期比+6.5%)と過去最高を更新。LegalTech SaaS事業(234百万円、YoY+24.5%)の成長が牽引し、登記事業(166百万円、YoY▲2.0%・QoQ+6.7%)はQoQ改善。
売上総利益は251百万円(YoY+16.2%)、売上総利益率62.9%(YoY+2.4pt、QoQ+0.3pt)と収益性が改善。販管費は307百万円(YoY+0.4%でほぼ横ばい)。営業損失は▲56百万円(前年同期▲90百万円から34百万円改善)。経常損失▲61百万円、当期純損失▲62百万円。OLGAを中心にLegalTech SaaS事業の増収による粗利拡大と販管費コントロールにより損失縮小。人員強化のための採用費用等により前四半期比では赤字幅がやや拡大(前4Q営業損失▲42百万円→1Q▲56百万円)。
セグメント別または事業別の増減要因
【LegalTech SaaS事業(234百万円、YoY+24.5%、QoQ+6.4%)】
大企業・中堅企業向け法務オートメーション「OLGA」が顧客単価向上・顧客数増加・解約率の低水準維持により安定成長。サブスクリプション売上比率90%以上のストック型収益構造を維持。
2026年3月に「OLGA AIコンサルティング」(法務AX実装の伴走支援)と弁護士向け生成AIプロダクト「ベンパル書面作成」「ベンパル契約書レビュー」をリリース。これらの新サービスは2Q以降で本格的な収益貢献を見込む。
【登記事業(166百万円、YoY▲2.0%、QoQ+6.6%)】
AI検索やチャネルの最適化によりサイト流入が回復傾向。前四半期比ではサービス利用数・売上ともに改善(サービス利用数3,761件、QoQ+10.3%)。前年同期比での減収は前年の高水準の反動によるもの。累計利用社数31,838社(YoY+23.8%)と顧客基盤は着実に拡大。
主要KPIの進捗と変化
【LegalTech SaaS事業】
・ARR:899百万円(YoY+22.1%)、継続して過去最高を更新
・顧客平均単価(月額):127千円(YoY+29.8%)、過去最高
- 顧客平均単価200千円以上の導入企業:100社
- 複数モジュール導入企業の平均単価:253千円
・顧客数:589社(2026年3月末)
・Net Revenue Churn Rate:0.83%(良好な水準を維持)
【登記事業】
・サービス利用数:3,761件(YoY▲6.3%、QoQ+10.3%)
・累計利用社数:31,838社(YoY+23.8%、QoQ+4.5%)
・常に約3割がリピート購入者
季節性・一過性要因の有無と影響
1Qは新規にリリースしたAIソリューション拡販に向けた、人員強化の採用費用等が先行費用として発生しており、前四半期比での赤字幅拡大(▲42→▲56百万円)は一過性のコスト増の影響。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想に変更なし。売上高2,096百万円(YoY+41.3%)、営業利益31百万円(創業以来初の通期黒字)を目標。
1Q時点では、通期黒字化に向けて各事業で順調に進捗しており、計画とおり。3Q会計期間から損益分岐点を突破(四半期黒字化)し、4Qも黒字維持の計画。コストコントロールを徹底し、販管費の増加比率(+13.0%)を売上成長率(+41.3%)に対して大幅に抑制することで、利益率の改善を実現する方針。
トピックス
①「OLGA AIコンサルティング」開始(2026年3月~)
企業向けに法務AXの実装を伴走するコンサルティングサービス。集客からAI活用、情報管理・運用体制の整備まで法務部門をトータルで支援。既存OLGAとの組み合わせにより顧客単価の向上に寄与。
②弁護士業務向け生成AIネイティブプロダクト「ベンパル」シリーズをリリース(2026年3月~)
「ベンパル書面作成」「ベンパル契約書レビュー」を提供開始。弁護士・法律事務所向けの新ブランドにより、これまでのLegalTech SaaS事業(主に大企業・中堅企業向け)に加え、弁護士市場への本格参入を果たした。2Q以降で本格的な収益貢献を見込む。
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取材アーカイブ
CP&X
【2025年12月期(通期)】
決算概要
2025年12月期通期決算は、売上高1,483百万円(前期比27.3%増)の増収であったが、302百万円の営業損失での着地。大企業向けLegalTech SaaS事業が前期比36.4%成長と全体を牽引した一方、生成AIの技術進化への対応として法務AX企業への構造転換を優先したため、当初の業績予想には届かず、第4四半期単体で42百万円の営業赤字となる状況。コスト削減による一時的な黒字化を見送り、中長期的な成長基盤の構築に注力した経営判断。
セグメント別または事業別の増減要因
LegalTech SaaS事業は、汎用AIの進化により単一機能の価値が低下し、中小規模企業向けプランでバリューを提供できず第3四半期に解約が増加した状況。この影響を受け、同事業では複数モジュール導入や全社ツール連携を前提とした顧客業務全体のソリューション提供へと転換を図る方針。登記事業は、売上高667百万円で前期比17.7%増となったものの、AI検索の進展によりSEO集客が影響を受け、サービス利用数が第2四半期の4,333件から第4四半期には3,407件へと減少した実態。
主要KPIの進捗と変化
LegalTech SaaS事業のARRは前期比19.2%増の830百万円とストック収益が順調に拡大する推移。月額の顧客平均単価は120千円と前期比で29.2%上昇し、単価200千円以上の複数モジュール導入顧客が前期の50社から91社へと大きく増加した成果。低単価な中小企業層の離脱により全体の顧客数は620社から572社へ減少したが、高単価顧客へのクロスセルにより解約率も落ち着きを取り戻し回復基調にある状況。
季節性・一過性要因の有無と影響
生成AIの急速な普及とAI検索の台頭という外部環境の変化が、業績にネガティブな影響を与えた事象。具体的には、第3四半期にLegalTech SaaS事業の解約増加によるARR低下と、登記事業における検索流入の減少が同時に発生し、これが株価下落や通期業績予想未達の主要因となった背景。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年12月期は、売上高が前期比41.3%増の2,096百万円、営業利益31百万円を計画し、通期黒字化を見込む見通し。売上総利益率が80%を超えるLegalTech SaaS事業の売上構成比が高まることで、全体の売上総利益率が前期の61.6%から67.1%へ大幅に改善する前提。第1および第2四半期は新ソリューションへの先行投資により赤字が継続するが、第3四半期からの利益回収により第4四半期で通期黒字化を達成する見込み。
トピックス
弁護士実務向けに生成AIを活用した新規プロダクトの開発が進行しており、4月頃に詳細なリリースを予定する展開。アライアンス施策としては、Salesforce社のAIエージェントと連携した「OLGA for Agentforce」を1月に提供開始し、今後の普及による業績への寄与に期待を寄せる状況。また、登記事業におけるシェアオフィス運営事業者や税理士法人等との連携強化による潜在顧客の開拓などが主要なトピック。
【2025年12月期(通期)】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:生成AIの技術進化に伴い、法務AX企業への構造転換に注力しております。具体的には、法務が扱う情報を全社の業務フローに連携させ、データが一気通貫で集約される基盤の構築を進めております。稟議申請のワークフローやビジネスチャットツール、ストレージツール等と連携し、生成AIソリューションの磨き上げと現場への定着を開発の中心に据えております。大企業および中堅企業向けのLegalTech SaaS事業においては、顧客業務全体を設計して現場に定着させるソリューションへと舵を切り、複数モジュールの導入やAI活用機能の拡充を通じて単価の引き上げと新規顧客の獲得を図ります。また、新市場開拓として、弁護士実務向けに生成AIを活用した新規プロダクトの開発と導入を進め、売上成長を拡大していく方針です。登記事業におきましては、AI検索への最適化や、シェアオフィス運営事業者、税理士法人等とのアライアンス強化によるチャネルの多角化を進めることで新規顧客を復調させます。さらに、商業登記や商標登録の領域を拡大し、潜在顧客層の開拓と既存ユーザーへのクロスセルを推進することで、両事業方針を通じた売上成長の拡大を見込んでおります。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:急速な生成AIの技術進化が、弊社の展開する事業の前提条件に大きな変化をもたらしております。LegalTech SaaS事業においては、汎用AIの台頭によりAI契約レビューなどの単一機能の価値が相対的に低下いたしました。その結果、中小規模企業向けのライトプランにおいて十分なバリューを提供できず、第3四半期に解約が増加する事態となりました。また、登記事業におきましても、AI検索の進展により検索結果上で回答が完結するケースが増加し、SEOを強みとしていたこれまでの集客モデルに影響が及び、サイト来訪者およびサービス利用数が減少いたしました。これらの環境変化が影響し、前期の業績予想に対しては未達となりましたが、この影響を契機として、顧客業務全体を設計し現場に定着させるソリューションへの転換や、AI検索への最適化、Web集客に依存しないチャネル開拓など、中長期的な成長に向けた法務AX企業への構造転換を強力に推進しております。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年12月期の通期予想につきましては、売上高2,096百万円、営業利益31百万円、当期純利益2百万円とし、通期での黒字化を見込んでおります。この達成の基盤となるのは、売上高の成長に伴う売上総利益の拡大です。特に、限界利益率が高く売上総利益率が80%を超えるLegalTech SaaS事業が成長を牽引することで、全体の売上構成比が変化し、結果として全体の売上総利益率が大幅に改善する計画です。コスト面におきましては、投資対効果を厳格に見極め、効果の薄い施策を削減しつつ、成長に寄与する効果の高い施策に集中投資することで、利益とコストの最適化を図ります。期中の推移といたしましては、第1四半期および第2四半期において生成AI系の新ソリューション向けの人員確保や認知施策に対する先行投資を行うため赤字が継続いたしますが、第3四半期から利益の回収フェーズに入り、第4四半期にて通期黒字化を達成するシナリオを描いております。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:業務提携やアライアンスにつきましては、現在時間をかけて着実に推進している段階でございます。登記事業におきましては、Web集客以外のチャネル開拓を目的として、シェアオフィスやバーチャルオフィスの運営事業者、税理士法人など、中小企業やスタートアップ企業を顧客基盤に持つ企業とのアライアンスを強化しております。また、LegalTech SaaS事業におけるSalesforce社との連携につきましては、本年1月に同社のAIエージェントであるAgentforceとの連携サービスであるOLGA for Agentforceの提供を開始し、市場から良好な反応を得ております。ただし、こちらは直販モデルではなく弊社側でのコントロールが難しいため、現時点での当期の業績計画には強気には織り込んでおりませんが、今後の普及次第で業績に大きく寄与する重要なポイントであると認識しております。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画の公表につきましては、現時点ではもう少し検討の時間をいただきたいと考えております。
【2025年12月期(通期)】
取材者:12月期決算の概要と要因、そして来期についてお伺いできればと思います。特に上期はまだ赤字ですが、下期の第3四半期から黒字化し、通期では黒字となるという計画について、今期および来期の取り組みを含めて教えていただけますか。
回答者:簡単に概要をご説明いたします。2025年12月期のエグゼクティブサマリーですが、売上高自体は前期比27.3%の成長となり、継続的な成長を達成しております。特に大企業向けのOLGAというサービスを提供しているLegalTech SaaS事業が前期比36.4%成長となり、成長を牽引いたしました。ただ、弊社が展開する2つの事業において、生成AIの技術進化の影響を受ける側面もあり、それに対応すべく法務AX企業への構造転換を打ち出しております。昨年の特に後半は、この取り組みを優先して進めてまいりました。これらの影響もあり、業績予想に対してはビハインドという結果になりましたが、この取り組みを通じて将来的な成長を継続していく方針です。KPIに関しては、OLGAのARRや平均顧客単価を順調に引き上げることができました。この点は期初からしっかりと取り組んできた部分であり、成果が出たと考えております。今期については、さらにAIに関する取り組みを中心に積み上げ、前期比41.3%増の売上成長と通期での黒字化を達成していく計画を打ち出しております。売上高の成長や売上総利益率の高さを示した上で、AI関連の取り組みについて説明しますと、急速なAI技術の進化に伴い、これまでは人がツールを使って作業を効率化することがDXの中心でしたが、AIでできることが非常に増え、進化が圧倒的に早くなっています。作業自体をAIが自律的に行い、そのアウトプットを人がチェックする体制への転換が世の中で進んでおります。中長期的にそのような構造に変わっていく中で、弊社のLegalTech SaaSがどうあるべきかという点が下期の取り組みの焦点でした。法務AX企業への構造転換の注力についてですが、AIが自律的にアウトプットを出すためには、基となるデータを蓄積しておく必要があります。法務部門が取り扱うデータをすべて集約した状態にしなければなりません。これまで単一機能として提供していたモジュールを複数組み合わせてご利用いただき、法務データをプラットフォームとして取り扱う状態を推進しました。複数モジュール導入の加速を進めたことと、全社業務フローとの一気通貫という点で、契約書の情報や交渉状況、事業部門からの相談など、法務が扱う情報を全社の業務フローに連携させ、一気通貫でデータが集約される状態の構築を進めました。具体的には、稟議申請のワークフローや、Slack、Teamsなどのビジネスチャットツール、全社で利用しているストレージツールなどと連携し、データが一気通貫で集約される状態に力を入れました。これらの基盤を整えながら、生成AIソリューションの磨き上げと、現場への定着を開発の中心に据えて進めてきたのが昨年の取り組みです。 実際に生成AIによって影響を受けた部分もあり、例えば、AI契約レビューという単一機能においては、汎用AIで対応できる部分が増え、相対的に価値が低下しました。特に中小規模の企業向けに機能を制限したライトプランを提供しておりましたが、汎用AIと比較した際に十分なバリューを提供できず、第3四半期で解約が増加する状況が発生いたしました。これを受け、顧客業務全体を設計し、現場に定着させるソリューションへと舵を切り、複数モジュールの導入、全社ツールとの連携、AI活用機能の拡充をしっかりと進めてまいりました。また、少し領域は異なりますが、弁護士実務向けに生成AIを活用したプロダクトの開発も進めており、少しずつ表に出せる状態になってきております。もう一方の登記事業への影響ですが、これまでSEOを強みとして利用者数を増やしてまいりましたが、AI検索の進展により、サイト来訪者が減少しました。昨年7月、8月頃から影響を受けましたが、AI検索への最適化や、Web集客に依存しないチャネルへの転換に注力した結果、1月頃には底を打ち、足元では回復基調にあります。今後は生成AIソリューションの創出に注力しながら、大企業・中堅企業向けのOLGAでは継続して単価を引き上げてまいります。単価を引き上げつつ、生成AIプロダクトの強い需要をベースに、新規顧客の獲得に取り組んでまいります。また、新しい市場の開拓として、弁護士向けの新規サービス導入を進め、売上の成長を拡大していく方針です。登記事業については、AI検索への最適化とチャネルの多角化を進めることで、新規顧客を復調させます。加えて、これまで商業登記や商標登録を扱ってきた領域をさらに拡大し、潜在顧客層の拡大と既存ユーザーへのクロスセルを推進してまいります。大きくこの2つの事業方針で売上成長を拡大していくことを見込んでおります。全体概要としては以上になります。
取材者:とりあえずここまでのところで、懸念されるのは、DXから生成AIへの移行が進む中で、貴社の業務が生成AIに代替されてしまうのではないかという点です。投資家が心配しているところです。貴社の決算説明資料の6ページ目が私は一番好きなのですが、人がツールを使って作業をするのがDXであり、AIが作業をして人がチェックするのがAXであると示されています。しかし、次のページを見ても、貴社がこれまでやってきたことを踏まえて、具体的にどのようにAIを活用していくのかが少し分かりにくいと感じました。この部分を投資家に分かりやすく伝えることが、業績にプラスして貴社の理解者を増やし、成長を確信してもらうための鍵になると思います。「生成AIに取って代わられるのでは?」という懸念に対し、「弊社の生成AI活用はこういうものだから通常の生成AIにはできない」という点をいくつか説明していただけると、やはり貴社を利用しようとなると思います。この辺りの腹落ちがなかなか難しいところだと感じました。
回答者:おっしゃる通りで、弊社としても苦心している部分です。具体的に説明できるソリューションもあるのですが、まだ公にリリースしておりません。4月頃にはリリースを行い、もう少し全体の内容を含めてお話しできる状態になる予定です。現状ではまだ固まりきっていない部分があり、もどかしい状況です。
取材者:前期の下期から社内で体制を固めてこられたということですね。株価が9月頃から少し下落していましたが、あれは何かの影響ですか。
回答者:第3四半期の決算が芳しくなかったことが要因です。特にARRへの影響です。2~3年前に販売していたAI契約レビューのライトプランを単体でご利用いただいていた中小企業のお客様の解約が増加し、ARRが低下しました。また、登記事業においてもAI検索の影響で利用者数が減少しました。これらの要因が株主の皆様にとって懸念材料となり、株価下落の大きな要因になったと考えております。
取材者:その落ち込みが影響し、当初の業績予想にわずかに届かなかったということですか。
回答者:その通りです。その要因が非常に大きいです。そこに対する具体的なソリューションについては、決算のタイミングで発表したかったのですが、諸般の事情により少し発表を後にすることといたしました。
取材者:前回の取材時、第4四半期の3ヶ月間単体では黒字化したいとおっしゃっていたかと思いますが、やはり厳しかったですか。
回答者:第3四半期の落ち込みの影響により、想定からずれてしまいました。
取材者:営業利益で42百万円ほどの赤字になってしまった部分ですね。コストを削減して無理に黒字化することもできたかと思いますが。
回答者:コストを削減して無理やり黒字に持っていく選択肢もなくはなかったのですが、構造の最適化を進めなければ一時的な黒字化に留まり、中長期的な成長は難しくなると判断し、構造転換の取り組みを優先しました。
取材者:KPIを拝見すると、しっかりと仕込みができて良い数字が出ていると思いますので、続けてご説明いただけますか。
回答者:決算の概要ならびに主要KPIについてご説明いたします。KPI自体は順調に推移しており、LegalTech SaaS事業のARRは830百万円となり、前期比で19.2%増加いたしました。月額の顧客平均単価についても120千円となり、前期比で29.2%増加しております。Net Revenue Churn Rate(解約率)については、先述の中小企業の解約増加の影響を受けましたが、現在は一定の落ち着きを見せ、回復基調にあります。登記事業については、売上高が667百万円で前期比17.7%の増加となりましたが、四半期ベースのサービス利用数は減少している状況です。この点については現在、しっかりとテコ入れを行っております。
取材者:OLGAの顧客平均単価が前期から約30%も上昇しているのは素晴らしいですね。
回答者:おっしゃる通りです。全体の平均単価は120千円ほどですが、既存顧客に対する新機能のアップセルや、新規顧客に対しても業務に深く入り込んだ複数モジュールの提案が進んでおります。複数モジュールを導入いただいているお客様の単価は全体平均の約2倍となる236千円でご利用いただいており、これらの高単価のお客様が全体を牽引しております。全体の顧客数は横ばいですが、単価の高いお客様が大きく増えている状況です。この取り組みが奏功していると考えております。
取材者:単価200千円以上の導入顧客数が、前期の50社から今期は91社へと大きく増加しています。全体の顧客数は620社から572社へと減少しているようですが、バランスを取ってモジュール提案がうまくいっているということですね。全体の売上も上がっていますし、この部分が寄与しているのだと思います。120千円という平均単価も前期の93千円から上昇しており、素晴らしい数字だと思います。
回答者:第3四半期に単価の低い中小企業層の離脱があったため、全体の顧客数は減少いたしました。これが平均単価を押し上げている要因の一つでもありますが、基本的には高単価で多くご利用いただく層を引き上げる取り組みが奏功していると考えております。
取材者:ARRも前期比19.2%増の830百万円と、ストック収益が積み上がっています。業績予想にはビハインドしたものの、事業としては順調に進捗した1年だったと言えますね。
回答者:予想に対しては未達となりましたが、事業の進捗自体は順調に推移していると考えております。
取材者:登記事業についてですが、AI検索の影響で第3四半期からサービス利用数が減少したとのことですか。
回答者:登記事業についてですが、AI検索の影響で第3四半期からサービス利用数が減少いたしました。第2四半期には4,333件だった利用数が、第3四半期には3,547件、第4四半期には3,407件と低調に推移しております。元々、登記業務に関連するWeb記事のSEOにおいて圧倒的なシェアを持っており、検索上位からのサイト流入が多かったのですが、AI検索によって検索結果上で回答が完結してしまうケースが増えました。検索順位1位の記事からの流入は維持できているものの、2位以下の記事からの流入が大幅に減少したことが要因です。現在は、AI検索結果に弊社のサービス名をレコメンドさせるような最適化施策を進めるとともに、Web集客以外のチャネル開拓を進めております。具体的には、シェアオフィスやバーチャルオフィスの運営事業者、あるいは税理士法人など、中小企業やスタートアップ企業を顧客に持つ方々とのアライアンスを強化しております。また、商業登記以外の新領域へも順次拡大していくことで、1社あたりの利用数や新規ユーザー層を広げていく取り組みを進めております。
取材者:アライアンスによるチャネル開拓は確実性がありますね。検索流入に依存しない、潜在顧客へのアプローチは重要だと思いますし、裾野の広さもありそうです。
回答者:中小企業など約200万社がターゲットになり得ると考えております。1件あたりの単価は低いですが、これまでに累計で30,442社にご利用いただいております。このユニークユーザー基盤に対してクロスセルなどを有効に展開できれば、よりレバレッジが効いてくると考えております。
取材者:GVA法人登記は新規設立時の登記ではなく、設立後の変更登記が対象ですか。
回答者:おっしゃる通りです。設立後の本店移転や役員変更などの変更登記のみが対象となります。商業登記は全体で約150万件ありますが、設立登記は約15万件程度で、残りの約120~130万件程度が変更登記です。弊社はこの変更登記の市場をターゲットとしております。
取材者:中小企業の場合、管理部門にリソースを割けず、代表者が空き時間に手続きを行っているケースも多いでしょうから、ニーズは高いと思います。商業登記から商標登録へと領域を広げられていますが、今後の展開も楽しみですね。
回答者:まだ詳細は公表できませんが、まもなく新しい領域のリリースを予定しております。
取材者:2026年12月期の通期業績予想についてお伺いします。
回答者:売上高は2,096百万円、営業利益は31百万円、当期純利益は2百万円と、通期での黒字化を予想しております。ベースとなるのは売上高の成長による売上総利益の拡大です。コストについてはROIを厳しく見極め、効果の薄い施策は落とし、効果の高い施策に集中投資することで、利益とコストの最適化を図り、通期黒字化を目指します。
取材者:販管費が158百万円ほど増える計画ですが、この内訳はどのようになっていますか。
回答者:内訳の開示はしておりませんが、概ね人件費の増加であるとご理解ください。また、顧客数の増加やAIの従量課金に伴い、システム利用料等のコストがやや増加する見込みです。
取材者:売上総利益率が前期の61.6%から67.1%へと大幅に改善していますが、この要因は何ですか。
回答者:事業の売上構成比の変化によるものです。LegalTech SaaS事業は固定費が高く変動費が少ないビジネスモデルであり、一方の登記事業は固定費が小さく変動費が大きいモデルです。今期はLegalTech SaaS事業が成長を牽引する計画であるため、全体の売上ポートフォリオが変化し、結果として全体の売上総利益率が向上する想定です。LegalTech SaaS事業単体で見れば、売上総利益率は80%以上ある事業ですので、その構成比が高まることで全体が引き上げられます。
取材者:四半期ごとの推移を見ると、第2四半期までは赤字が継続し、第3四半期の累計でも赤字となる見込みですか。
回答者:第1四半期および第2四半期は、生成AI系の新ソリューション向け人員の確保や認知施策の実施により、赤字が継続する計画です。第3四半期から利益を回収し始め、第4四半期でようやく通期黒字化を達成する見通しです。
取材者:上半期の赤字幅はどの程度を想定されていますか。
回答者:直近の第4四半期が約42百万円の営業赤字でしたので、そこから極端に大きな変動や追加投資はないと考えております。同水準感で見ていただければと思います。
取材者:貴社は2024年12月に上場されたばかりであり、今期黒字化を達成できるかどうかが非常に重要です。黒字化の道筋が見えれば、来期以降の利益成長に対する期待が高まり、株価や時価総額の評価も大きく変わってくるはずです。生成AIを活用したリーガルテックの上場企業として唯一の存在ですので、引き続き、四半期ごとの進捗を注視しております。また、貴社のAIによる業務代替への懸念を分かりやすく払拭することに加え、トムソン・ロイター社やSalesforce社との連携など、アライアンスの進捗も適宜IRとして発信していくことが重要だと思います。
回答者:アライアンスの取り組みは引き続き行っておりますが、パートナー企業との取り組みは時間がかかるため、現在は時間をかけて進めている段階です。Salesforce社との連携については、今年1月にSalesforceが提供しているAIエージェントAgentforceとの連携であるOLGA for Agentforceの提供も開始し、受けは良い状況です。ただ、直販ではないためコントロールが難しく、今年の計画には強気に織り込んではおりませんが、今後どのように跳ねるかがポイントだと考えております。IRの発信についても、ご助言いただいた内容を踏まえ、しっかりと取り組んでまいります。
取材者:中期経営計画はまだ出さない予定ですか。
回答者:もう少し考えさせていただこうと思います。
取締役CFO 板倉 侑輝 様
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【2025年12月期3Q】
決算概要
2025年12月期第3四半期累計は、売上高が11億700万円で前年同期比38.4%増の大幅な増収となった。営業利益はマイナス2億5,900万円、経常利益はマイナス2億6,800万円、四半期純利益はマイナス2億7,000万円と赤字は継続しているものの、利益は前年同期比で大幅に改善している。増収と赤字幅の縮小は、両事業の成長による粗利益の増加と、内製化の推進等によるコストコントロールが奏功したことが要因である。具体的には、業務の内製化を進めることで業務委託費を抑制し、広告宣伝費へ戦略的な投資を行いつつも、全体としてのコスト最適化を実現した。
セグメント別または事業別の増減要因
売上増加の主な要因は、LegalTech SaaS事業と登記事業の両事業が継続的に成長していることであり、特に前年同期比+48.5%の大幅な増収となったLegalTech SaaS事業が全社の成長を強く牽引した 。同事業では、中堅・大手企業への導入拡大と複数機能の利用促進により平均顧客単価が向上した一方、非ターゲット層の解約増加等によりARRは一時的に微減した 。登記事業は累計で増収も、直近は検索サイトにおけるAI機能等の影響からWeb検索経由の流入が軟調に推移している 。
主要KPIの進捗と変化
LegalTech SaaS事業のARRは7億6,400万円、前年同期比23.7%増と成長を継続している 。特に平均顧客単価は11万1,000円(同29.3%増)と大幅に伸長しており 、これは複数モジュール導入や大手企業への注力が奏功したためである 。一方で、非ターゲット層の解約増加や商談長期化により導入社数は570社へ減少し 、ARRは前四半期比で微減、解約率は0.95%へ上昇した 。
季節性・一過性要因の有無と影響
第3四半期は、認知拡大のための広告宣伝費を重点的に投下したことが一過性のコスト増加要因となり、赤字幅が一時的に拡大した。売上面では、LegalTech SaaS事業において非メインターゲット層(小規模事業者等)の解約が一時的に増加したことや商談の長期化が響いたほか、登記事業においても検索サイトにおけるAI機能等の影響からWeb検索経由の流入が軟調に推移するなどの外部要因の影響を受けた。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想は据え置いており、第3四半期時点の売上高進捗率は63.7%です 。通期達成には第4四半期での大幅な積み上げが必要ですが、「OLGA」の大型案件や年度末のスポット案件の獲得、およびコスト適正化により、第4四半期の黒字化と通期計画の達成を見込んでいます 。一方で、登記事業におけるWeb検索流入の回復遅れやSaaS商談の長期化がリスク要因ですが、集客チャネルの多角化やサービスラインナップの拡充によりカバーしていく方針です 。
トピックス
LegalTech SaaS事業では、2025年9月にAIが複数文書間の整合性を自動検知する「文書間整合性チェック」機能をリリースし、プロダクトの競争力を強化した 。登記事業では、8月に「GVA商標登録」の正式版の提供を開始し、指定商品・役務の検索機能を大幅に拡充したほか、9月には役員の死亡登記にも対応するなど、サービスラインナップの拡大が順調に進捗している 。
【2025年12月期3Q】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)は何でしょうか?
A:第3四半期に実施した認知施策への先行投資を一巡させ、第4四半期はコスト適正化と売上拡大による四半期黒字化の達成を最重要視しています。LegalTech SaaS事業では、大型のアカウント導入に向けた機能開発や生成AIを活用した新機能開発に注力。顧客平均単価向上による収益性向上およびアライアンス等によるパイプライン拡大に取り組んでいく予定です。登記事業では、Web検索に依存しない集客チャネルの多角化とサービスラインナップの拡大に注力し、収益基盤の安定化を図ってまいります。
Q:通期業績の見通についてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想は、売上高17億3,700万円(前期比49.1%増)、営業利益マイナス2億5,000万円、経常利益マイナス2億5,900万円、当期純利益マイナス2億6,100万円で、増収の見込みです。業績予想は据え置いております。
当第3四半期は、認知拡大に向けた広告宣伝への投資や、新サービスである「GVA商標登録」の正式版リリース、および法務オートメーション「OLGA」への「文書間整合性チェック」機能搭載といった成長施策を積極的に実施しました。第4四半期は、これらの先行投資を一巡させてコスト適正化を図るとともに、SaaS事業における大型案件やスポット案件の獲得を推進し、通期計画の達成と四半期黒字化を目指してまいります。
Q:受注・競合状況についてご説明ください。
A:LegalTech SaaS事業のARR(年間経常収益)は7億6,400万円(前年同期比23.7%増)となりました 。特筆すべきは平均顧客単価で、11万1,000円(前年同期比29.3%増)と継続して上昇しています 。これは、非メインターゲット層の解約が進む一方で、注力する中堅・大手企業において法務オートメーション「OLGA」の複数モジュール導入が進んでいるためです 。新規商談は長期化の傾向にありますが、高単価な大型案件へのシフトは着実に進捗しています 。
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IR担当
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決算概要
2025年12月期第2四半期は、売上高が7億4,700万円で前年同期比53.6%増の大幅な増収となった。営業利益はマイナス1億4,700万円、経常利益はマイナス1億5,100万円、中間純利益はマイナス1億5,200万円と赤字は継続しているものの、利益は改善傾向にある。増収と赤字幅の縮小は、粗利益の増加と、必要な部分に最適なコストをかけることでコストを抑えられたことが要因である。具体的には、人員配置、広告宣伝費、および一部で利用していた外部パートナーについて、費用対効果の高いところに注力することでコストを最適化した。
セグメント別または事業別の増減要因
売上増加の主な要因は、LegalTech SaaS事業と登記事業の両事業がともに成長していることであり、特にLegalTech SaaS事業が成長を牽引した。
主要KPIの進捗と変化
LegalTech SaaS事業におけるARR(年間経常収益)は7億9,600万円、前年同期比で61.3%増と着実に伸びている。特に、1顧客あたりの平均単価は10万6,000円と前年同期比で40.3%増加しており、計画を上回るポジティブな進捗である。これは、法務オートメーション「OLGA」内の複数モジュールを導入する顧客が増加したことや、大型クライアントが増えたことが要因である。一方、導入社数は新規顧客獲得のペースが鈍化しているため、前期から微減している。
季節性・一過性要因の有無と影響
今期は業績に影響を与えるような一過性の要因は特になかった。しかし、第3四半期においては、認知施策系の広告宣伝費を増やす予定であるため、他の四半期よりも費用が膨らむ見込みであり、赤字幅が横ばいまたは少し膨らむ可能性がある。
通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想は据え置かれている。売上高17億3,700万円(前期比49.1%増)、営業利益マイナス2億5,000万円、経常利益マイナス2億5,900万円、当期純利益マイナス2億6,100万円の増収見込みである。適時開示基準の範囲内で、着地の見通しは立っている。しかし、新規顧客獲得のペースに時間を要していること、および顧客獲得プロセスにおける決裁レイヤーの変化による商談の長期化が課題として挙げられる。商談パイプラインを増やすことでこの課題に対応し、パイプラインマネジメントをうまく行えるようになれば状況は改善される見込みである。
トピックス
2025年5月に商標出願書類の作成支援ツール「GVA商標登録」のベータ版をリリースし、正式版も間もなくリリースされる予定である。開発は順調に進捗している。また、業務提携として、第2四半期にAI契約レビューに特化した競合企業である株式会社リセと提携したことも注目すべき点である。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:第3四半期は、認知施策系の広告宣伝費を増やし、商談のパイプラインを増加させることに注力する予定です。これにより、広告宣伝費は他の四半期よりも膨らむ見込みであり、赤字幅も横ばいか、少し膨らむことが予想されます。また、2025年8月に商標出願書類の作成支援ツール「GVA商標登録」を正式リリースしました。
Q:通期業績の見通しについてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想は、売上高17億3,700万円(前期比49.1%増)、営業利益マイナス2億5,000万円、経常利益マイナス2億5,900万円、当期純利益マイナス2億6,100万円で、増収の見込みです。業績予想は据え置かれており、適時開示基準の範囲内で着地の見通しが立っている状況です。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:LegalTech SaaS事業のARR(年間経常収益)は7億9,600万円、前年同期比61.3%増と着実に伸びています。特に、1顧客あたりの平均単価が10万6,000円と、前年同期比で40.3%増加していることが重要なポイントです。これは、当社の法務オートメーション「OLGA」内で複数モジュールを導入する顧客が増え、高単価の案件が増加しているためです。また、大型クライアントが増えていることも顧客単価の上昇に寄与しています。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:業務提携に関しては、AI契約レビューに特化した競合企業である株式会社リセと提携したことが、第2四半期のトピックです。
取材者:まず初めに、2025年12月期第2四半期の決算状況をお伺いいたします。売上高は7億4,700万円で前年同期比53.6%の増加。営業利益はマイナス1億4,700万円、経常利益はマイナス1億5,100万円、中間純利益はマイナス1億5,200万円となりました。大幅な増収となり、利益も改善が見られますが、増減要因についてご説明いただけますか。
回答者:売上増加の要因は、LegalTech SaaS事業と登記事業の両事業がともに伸びていることです。特にLegalTech SaaS事業が成長を牽引しました。赤字縮小に関しては、粗利益が増加したことが大きいですが、コストも比例的に増えたわけではなく、必要な部分に最適なコストをかけたことで、コストを抑えられたことが両方とも良い結果を生んだ要因です。
取材者:具体的に、コストの最適化はどのようなことを行われましたか。
回答者:人員配置や広告宣伝費、また一部で利用していた外部パートナーについて、効果の高いところに注力しました。これにより、費用対効果が良くなりました。
取材者:人員の配置のお話も上がりましたが、前期比での採用数の推移はいかがですか。
回答者:採用ペース自体は大きく変わっておらず、年間で10〜20人程度を順調に採用しています。
取材者:採用が順調に進んでいる要因は、どういったところにあるとお考えですか。
回答者:AIやリーガルテックという分野の認知度が少しずつ高まっていることが大きいと思います。それに加えて、GVA TECHの力も少しずつついてきていることも要因です。
取材者:他に主要なKPIはございますか。
回答者:今期はLegalTech SaaS事業のARRが着実に伸びていること(7億9,600万円、前年同期比+61.3%)と、特にその中でも1顧客あたりの平均単価がしっかり伸びていること(10万6,000円、前年同期比+40.3%)が重要なポイントです。
取材者:顧客単価の伸びは、計画と比べていかがですか。
回答者:顧客単価自体は、計画よりもポジティブに動いています。当社の法務オートメーション「OLGA」の中にある様々なモジュールを複数導入いただくケースが増えました。これまではAI契約レビュー機能や契約管理モジュールを単体で導入するお客様が多かったのですが、複数モジュールを導入していただくケースが増えたことや、大型クライアントが増えたこともあり、全体的に高単価が増加しています。
取材者:業績に影響を与えたような一過性の要因や季節性、外的要因などはございますか。
回答者:今期は一過性の要因は特にありませんでした。しかし、次の第3四半期については、認知施策系の広告宣伝費を少し使うことを予定しています。そのため、広告宣伝費は他の四半期よりも膨らむ見込みで、赤字幅も横ばい、もしくは少し膨らむことが予想されます。
取材者:通期の業績予想についてお伺いいたします。売上高は17億3,700万円で前期比49.1%増加。営業利益はマイナス2億5,000万円、経常利益はマイナス2億5,900万円、当期純利益はマイナス2億6,100万円といったところで、増収で着地する見込みです。この見通しや進捗率についてご説明いただけますか。
回答者:業績予想は今回据え置きとさせていただきました。適時開示基準の範囲内で、着地の見通しが立っている状況です。進捗については、導入社数が前期から微減しているという状況があります。これは、新規顧客獲得のペースが少し時間がかかっているためです。
取材者:平均顧客単価が上がっている分、一つ一つの案件が長期化しているということですか。
回答者:より良い案件を獲得したいという部分もあるのですが、おっしゃる通り、決裁のレイヤーが変わり、例えば部長決裁だったものが、役員決裁や経営会議での決裁となるなど、長期化するケースが増えました。これにより確認に時間がかかるようになりました。商談のパイプラインを増やすことでこの状況に対応しようと考えており、認知施策を増やしてパイプラインの増加に注力し始めています。これは一時的な転換期だと考えており、商談パイプラインのマネジメントをうまく行えるようになれば、状況は改善される見込みです。
取材者:M&Aや業務提携の実施の有無、または検討状況についてご説明いただけますか。
回答者:業務提携については、競合である株式会社リセという、AI契約レビューに強みを持つ会社と提携したことが、第2四半期のトピックです。
取材者:株主還元方針に変更はございますか。
回答者:特に変更はございません。
取材者:最後に、足元の状況について、何かニュースリリースはございましたか。
回答者:8月に、商標の申請を支援するツール「GVA商標登録」を正式リリースいたしました。これまで、手間や費用を考慮してできていなかった商標の取得をお手軽に申請できるようにサポートいたします。
取締役CFO 板倉侑輝様
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決算概要
2025年12月期第1四半期は、売上高が前年同期比+57.8%と大幅に増加し、先行投資を継続しつつも営業損失は計画以上に縮小し、収益性が改善しているなど、好調なスタートとなりました。
セグメント別または事業別の増減要因
当社の事業は、LegalTech SaaS 事業が売上を力強く牽引し、登記事業も堅調に成長しました。LegalTech SaaS 事業は、旺盛なDX需要を背景に複数モジュールの導入や価格改定が奏功し、売上は前年比+72.6%と大幅に増加しました。登記事業も、利用層が成長・成熟フェーズの企業へ拡大したことや、購入単価の向上により、同+44.9%と高い成長を維持しています。競争優位性として、LegalTech SaaS 事業は法務案件管理を中心に幅広い業務をカバーし、柔軟に全社展開できる点が強みです。また、登記事業は手間のかかる「変更登記」に特化している点や、安定したオーガニック流入が成長を支えています。
主要KPIの進捗と変化
当社の主要KPIは両事業で好調に推移しました。LegalTech SaaS 事業では、ARR(年間経常収益)が前年比+69.4%の736百万円に達し、顧客単価(ARPA)も+30.7%の98千円へと大きく向上しました。これは価格改定やアップセルが順調に進んだ結果で、解約率も0.41%と低位安定しています。登記事業においても、利用件数が前年同期比+2.2%と堅調に増加し、利用単価も約40%上昇しました。これらのKPIの力強い成長が、全体の業績を牽引しています。
季節性・一過性要因の有無と影響
当第1四半期の業績には、主に2つの季節性要因が影響しました。まず、登記事業は例年、需要が落ち着く時期にあたるため、利用件数は前四半期比で減少しましたが、これは想定内の動きです。また、広告宣伝費を戦略的に第4四半期へ集中させているため、当四半期の費用は大幅に減少し、これが前四半期比での営業損失改善の主な要因となりました。これらは一過性の影響であり、通期では計画に沿った費用投下を予定しています。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2025年12月期の通期業績予想(売上高1,737百万円、営業損失250百万円)に変更はありません。第1四半期の売上高進捗率は20.6%と、LegalTech SaaS 事業の積み上げモデルや登記事業の季節性を踏まえると計画通り順調なスタートです。営業損失も計画より縮小しており、現時点では通期予想は達成可能と考えています。投資フェーズの最終段階として、第4四半期での四半期黒字化という目標達成に向け、引き続き事業を推進してまいります。
トピックス
当四半期の主なトピックスとして、まず事業領域の拡大が挙げられます。登記事業で培った知見を活かし、隣接する知財領域の新サービス「GVA 商標登録」のβ版をリリースしました。また、既存の「GVA 法人登記」も一般社団法人へと対応範囲を広げています。2025年を投資フェーズの最終段階と位置づける中、計画を上回るペースで収益性が着実に改善している点も重要な進捗です。これらの状況を踏まえ、通期の業績予想は据え置いています。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
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LegalTech LegalTech SaaS 事業では、複数モジュール導入促進等によるアップセル・クロスセルを強化し、顧客単価(ARPA)の向上を図ります。また、大企業向けの営業・マーケティング体制を強化し、エンタープライズ顧客の開拓を加速させます。
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登記事業では、新サービス「GVA 商標登録」を本格展開し、複数の法務手続プロダクトのクロスセルによる顧客単価の向上を目指します。
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全社としては、これら成長への投資を継続しつつ、費用対効果を厳格に管理することでコスト効率の最適化を進め、計画通り第4四半期での単月黒字化を達成する方針です。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
通期業績予想(数値)
2025年12月期の通期業績予想は、2025年2月14日に公表した以下の内容から変更しておりません。-
売上高:1,737百万円(前期比+49.1%)
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営業損失:250百万円(前期から273百万円の赤字縮小)
通期達成に向けた戦略
LegalTech LegalTech SaaS 事業:顧客価値の最大化によるARR向上-
アップセル・クロスセルの強化:主力サービス「OLGA」の複数モジュール導入や、Salesforce連携アプリ「OLGA for Salesforce」の活用を推進し、顧客単価(ARPA)を向上させます。
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エンタープライズ顧客の開拓:大企業向けの営業・マーケティング体制を強化し、顧客基盤を拡大します。
登記事業:サービス領域の拡大とクロスセルの推進
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新市場への展開:5月にリリースした「GVA 商標登録」を本格展開し、「GVA 法人登記」の顧客へのクロスセルによる顧客単価の向上を図ります。
全社:計画的な投資と収益性の改善
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将来の成長に向けたプロダクト開発や人材採用への投資は継続しつつ、費用対効果を厳格に管理し、コストを最適化します。これにより、計画通り第4四半期での単月黒字化の達成を目指します。
当四半期に実施した主な施策
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新サービスのリリース準備:登記事業の知見を活かし、隣接する知財領域の新サービス「GVA商標登録」のβ版を5月にリリースしました。
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既存サービスの拡充:「 GVA 法人登記」の対応範囲を、ニーズの高い一般社団法人へ拡大しました(2月)。
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収益性の改善:売上高の力強い成長に加え、広告宣伝費などの費用を効率的に運用した結果、営業損失は計画よりも縮小して着地しました。
Q:受注・競合状況についてご説明ください。
受注状況
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LegalTech SaaS 事業:新規顧客の獲得は堅調に推移し、契約社数は626社に達しました。特に、複数モジュールを導入いただく企業が増加しており、顧客単価(ARPA)は前年同期比で+30.7%の98千円へと大きく向上しています。これは、当社のサービス価値が顧客に認められ、深く浸透していることを示しております。
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登記事業:第1四半期は季節的に需要が落ち着く時期ですが、利用件数は前年同期比で+2.2%の4,014件と堅調に推移しました。また、累計利用社数は2.5万社を超え、利用層が設立初期の企業だけでなく、成長・成熟フェーズの企業へも拡大していることから、安定した顧客基盤を築けていると考えております。
競合状況
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LegalTech SaaS 事業:競合サービスも存在しますが、当社の「OLGA」は、法務案件管理を中心に幅広い業務プロセスをカバーしており、既存の業務ツールとも柔軟に連携できる点が強みです(資料P.43)。特に、AIリーガルテックの領域では唯一となるSalesforceとの連携アプリ(資料P.38)などを通じ、他社との差別化を図っています。
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登記事業:競合の多くがシンプルな「設立登記」に注力する中、当社は手間のかかる「変更登記」で高い専門性と利便性を確立しています。また、広告費に頼らないオーガニック流入をSEO対策で実現しており、安定した顧客獲得チャネルを確保している点も大きな競争優位性です。
Q:M&A、業務提携の実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
現時点において、当第1四半期に開示すべき具体的なM&Aの実施や決定はございません。しかしながら、当社は事業成長を加速させるための有効な手段として、M&Aや他社との業務提携を常に検討しております。
Q:中期経営計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
当社は現在、正式な中期経営計画は策定しておりませんが、「事業計画及び成長可能性に関する事項」で公表している成長戦略がその指針となります。当第1四半期は、この戦略に沿って各施策が順調に進捗しました。
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IR担当
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
GVA TECH株式会社は、リーガルテックのサービスを提供する企業である。主な事業として、法務部門向けのDXサービス「OLGA」を提供するLegalTech SaaS事業と、法人向けの登記申請業務を効率化するWebサービスを行う登記事業の二つを展開している。
創業の経緯と転機となった出来事
代表取締役社長の山本氏は、弁護士資格を持ち、大手法律事務所での勤務経験を持つ。スタートアップ企業が法的支援を必要としているにも関わらず、コスト面から弁護士への依頼が難しい状況を鑑み、2012年にGVA法律事務所を設立。その後、AI技術を活用してリーガルサービスを提供するGVA TECH株式会社を設立し、現在に至る。
直近の決算状況
今期の第4四半期から黒字化を達成する見込みである。来期以降も黒字化を継続することを目指しており、収益は積み上げストック型ビジネスの性質を持つため、黒字化基盤の確立が重要である。
特徴や強み
「OLGA」は、法務業務における案件管理、契約書作成、締結、管理など、一連の業務を効率化するサービスである。案件に関わるデータの一元管理、AIによる定型業務の高速化、バージョン管理機能、進捗管理の自動化などが特徴。顧客からは、UI/UXにこだわったこれらの機能が「かゆいところに手が届く」と評価されている。
成長戦略
今後の成長戦略として、GVA TECH株式会社は「OLGA」の機能間連携を強化し、セット販売を推進することで顧客単価の向上を目指す。具体的には、複数モジュールの導入促進、アカウント数の増加、事業部への展開、販売パートナーシップの活用などを通じて、更なる成長を目指す。
今期の取り組みやトピックス
直近の取り組みとして、「OLGA」のブランド変更と機能モジュールの一体化がある。これにより、各プロダクトの機能連携を強化し、セット販売を促進することで、顧客単価の向上を図る。また、セールスフォースとの連携サービス「OLGA for Salesforce」の提供も開始し、法務部以外の事業部への展開も視野に入れている。
平均顧客単価の向上
平均顧客単価の向上は、複数のモジュール導入とアカウント数の増加が主な要因である。昨年11月に行った料金プランの改定も影響しているが、セット販売の推進が特に貢献している。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックスなどを含む)は何でしょうか?
A:当社の成長戦略のポイントは、主力サービスである「OLGA」の機能間連携を強化し、これまでのバラ売りからセット販売を推進することで、顧客単価の向上を目指すという点にあります。具体的には、お客様に複数のモジュールを導入いただくことで、平均顧客単価を上げていくという戦略が功を奏しており、実際に複数のモジュールを導入してくださる企業が増え、平均単価の上昇という実績も出てきています。さらに、アカウント数を増やしていくために、法務部だけでなく事業部の方々にも「OLGA」をご利用いただけるようなサービス展開を図っており、セールスフォースとの連携による「OLGA for Salesforce」の提供はその取り組みの一環です。加えて、トムソン・ロイターとの販売パートナーシップを通じて、これまで以上に大手企業へのアプローチを強化し、アカウント数の増加と平均単価の向上を目指していくことも、重要な成長戦略の一つと考えています。これらの取り組みを通じて、当社は更なる成長を加速させていきたいと考えています。
Q:業績の増減要因は何でしょうか?
A:当社は今期の第4四半期から黒字化を達成する見込みであり、来期以降もこの黒字化を継続していくことを目指しております。当社のビジネスは収益が積み上げストック型に振っていく部分もありますので、このまま第4四半期に黒字化を達成し、基本的な基調としては黒字化を目指せるような基盤をしっかりと作っていくことが、業績を向上させるための重要な要素であると認識しています。一方で、成長のための投資も積極的に行っており、特にリーガルテックサービス事業におけるビジネスサイドや開発人材への戦略的な投資は、業績に影響を与える大きな要因の一つです。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:受注状況に関しては、当社の「OLGA」は多くのお客様にご利用いただいており、特に複数のモジュール導入が増えていることが、平均顧客単価の向上に大きく貢献しています。競合状況についてですが、リーガルテック市場はまだ成熟しているとは言い難く、法務部門の方々がツールに慣れていないという企業も少なくありません。そのような状況の中で、当社は上場企業としての信用力を活かし、お客様に安心してサービスをご利用いただけるよう努めており、この点が受注に繋がっていると考えています。なお、リーガルテック業界の広がりとともに、競合のサービスも少しずつ増えております。その中で、法務業務の上流にあたる案件管理の機能では特に競合よりも優れており、導入していただけるケースが多いです。
取材者:まず初めに、貴社決算状況であったり、あとは会社のホームページなども拝見させていただいたのですが、改めて貴社のビジネスモデルであったり、事業内容につきましてご説明いただけますか。
回答者:リーガルテックのサービスを提供しています。上場企業としてこのAI×リーガルテックのような事業を行っているのは珍しいかと思います。事業内容としては、大きく二つの事業を行っております。
一つがLegalTech SaaS事業で、「OLGA」という法務部門向けのDXサービスを提供しております。もう一方が登記事業です。これは主に中小企業や小規模事業者を中心に登記、いわゆる会社が行う登記申請などの業務を効率化するWebサービスを行っております。
回答者:一応この2事業、それぞれ運営しながらそれぞれがいわゆるターゲットになっている企業が別になっていまして、「OLGA」の方は大企業とか中堅の会社様とか、大体従業員100人を超えてくると、専任の法務部の人が採用されて、規模が大きくなるにつれて組織化されていくようなものになっています。それよりも小さい会社様、中小企業小規模事業者様でいくとあまり管理部というものは大きくなく、専任の法務部の人がおらず兼任で何か作業されているとか、小さい会社だと法務手続き系のところも代表の方が自分で頑張って調べて対応するか、士業に頼んで対応しているような状況です。そのような法務に精通していない方に対してサービスを提供しているという、大きく二つの事業があります。
リーガルテックサービス事業と登記事業について、順にご説明させていただくのですが、まずこの「OLGA」というサービスが四つのモジュールから成り立っています。
法務の仕事もいろいろ多岐にわたるのですが、基本的なものは、事業部の方から法務部へ契約書なり、新規事業の法的な相談などの依頼を受けて、それに回答していくというのが法務部の仕事になっています。本当にいろんな部署とかいろんな方々から依頼が来るのですが、その中で大体がメールとかSlackのようなビジネスチャットツールであるとか、大企業では内線電話であるとか業務フローのワークフローであるとか、そういういろんなツールを使って、法務部の方に問い合わせが来てこういうことをやってほしいと依頼があります。
法務部の担当者は、これらの依頼に対して、Excelで案件の進捗管理を行ったり、汎用的なストレージサービスでデータの管理のようなことをしています。その中でそれぞれのチームの進捗状況であるとかタスクの管理状況などを確認していきながら、メールとかチャットなどで回答をして、そこから何回かやり取りをするのですが、先方との交渉があったりするので、最終的に交渉が進めば、契約の締結に入ります。その契約締結には、電子契約などを使って、最終的に契約書が締結し終わったら、最終的に契約の管理というところでそれの期限管理などを行います。この一連の流れの中で問題点がいくつかあります。いろんなツールでやり取りをしているので、案件に関わるデータというのが散在しているということです。そのため、例えば同じような案件が来た場合にも、過去のデータを参照しに行くのが難しく、検索と調査に時間がかかってしまいます。あとはデータがバラバラにあるため、法務部門の方で一括管理しているものは非常に少ないです。
書類フォルダーとかGoogleドライブなどで情報を管理している会社もありますが、情報が整理されずに格納されていることが多く、ちゃんと整理して一括管理されているという状況ではありません。そのため、属人的な業務になっているというのが法務部の課題です。
「OLGA」というサービスでは、いろいろできるのですが、まずは全部その入口、事業部からの入口依頼の全部を「OLGA」に統一できるということと、その「OLGA」のサービスの中で全部業務が完結するような形になっているので、あらゆる法務系のデータというのが蓄積されていくというのがあります。
その蓄積された「OLGA」を使ってAIで定型業務を高速化していくというのが「OLGA」の強みです。このデータを全部溜めるというところと再活用できるというのが「OLGA」のサービスになっています。いろんなお客様に使っていただいており、600社ぐらいの企業に使っていただいています。月額料金を中心としたサブスク型のビジネスで、大手から中堅ぐらいの企業を中心に利用いただいています。
もう1個が登記事業です。年間に会社の法人登記に関する件数は、約150万件ぐらいです。そのうちの110数万件が、会社の設立ではなくて設立した後に、役員変更や本店を移転したりとかという変更登記です。登記の申請手続きは専門性が高いため、法務局のホームページなどに書類の作成方法などが掲載されていますが、かなりわかりにくいものになっています。そのため、大体世の中の半分ぐらいが司法書士という専門家に依頼しています。残りの半分が、お金もかけられないから自分で頑張って申請書を作って出すという形になっています。司法書士とかに依頼すると、時間がかかってしまうという問題がありますし、その依頼先を探すのもかなり手間です。依頼コストもかかってしまいます。ただ、自分でやろうとすると、時間がかかる上にミスが起きやすいという問題があります。登記事業では、これらの問題を解決するために、Webサービスを作って「簡単に」「安く」「早く」行えるようにしています。簡単なものであれば、最短10分以内で書類作成もできますし、かなり申請箇所を自動化するような仕組みを使っているので間違いにくい構造になっています。1回当たりの申請費用というのも4分の1ぐらいになっています。
取材者:費用が安くなるのは大きなメリットですね。
回答者:登記事業は、サブスクの料金体系ではなくて1回の申請あたり1回の利用都度課金のような形になっています。そのため、累計の利用者数でいくと2万5000社を超えてきたぐらいで、多くの方々に利用いただけるようなサービスになっているかと思います。
取材者:「OLGA」を利用することによって、大体業務時間としてどの程度の割合削減されるのでしょうか?
回答者:なかなか比較するのは難しいところではあるのですが、1社事例として記載させていただいているのが、ミサワホーム様です。ミサワホーム様は、「OLGA」のサービスを使って、案件に関する情報が蓄積され、FAQのチャットボットのような機能があるので、それを使って自動化することで相談の件数が大体3分の1ぐらいまで減少しました。この事例からも、効率化の効果は出ているかと思います。
取材者:「OLGA」に関してはカスタマイズなどもされていますか。
回答者:導入にあたってのカスタマイズというのは発生しないサービスです。皆様が標準機能のまま使っています。
取材者:標準機能でもかなりサービスが充実しているということですか。
回答者:かゆいところに手が届くサービスだと言われています。細かい機能とかUXにはこだわっていますので、この辺は強みかと思います。
取材者:そのかゆいところに手が届くといった部分で何か好評なサービスの部分、具体的なものがあれば教えていただくことは可能ですか。
回答者:簡単なものを二つだけご紹介できればと思います。こちらが「OLGA」の画面になっています。こちらが「OLGA」のホーム画面で、全体の各チームと各メンバーの案件の進捗状況など確認することができます。その案件の中に入るとこういう形になって、左に案件情報、案件の概要に関する情報があって、真ん中に書類情報があります。書類は、通常の取引でもかなりバージョン管理が必要になってくるといいますか、契約1本でもファイルが行ったり来たりするので、例えば四つ五つとか下手したら10ぐらいの違うバージョンのファイルが出てきます。そのバージョン管理ができるというのもあります。真ん中にドキュメント情報があり、それに関するメンバーのやり取りができます。依頼者にその案件のヒアリングをしたりとか、チームの中で内容の確認をしたりとかというのが切り替えられて、全部そのやり取りというのがここに溜まっていくというところで、それを全部1画面で見ることができるというのは他の会社や、他の案件管理ツールをやっている会社にはない設計だったりするので、これはいいと言われます。
回答者:もう1個特徴的な機能として、案件が今誰のところに滞っているか、確認中なのか、相手依頼者の事業部の方で確認のステータスで止まっているのかとか、今どこにあるのかというのが、上長から見るとわかりにくいという問題があります。それが例えば依頼があってこの契約書でお願いしますって出したときに、自動でこの対応者、誰がボールを持っているのかというのが変わります。このメッセージを打ってこれでお願いしますって書くと、自動的に依頼者に確認中というステータスになります。その進捗管理というのが自動でできるというのが面白いということで、便利だと言われています。一般的なツールではあまり考慮されないような、細かな部分にまで配慮した設計となっています。
取材者:そういった部分を法務部だけじゃなくて他の部署とか、他の部分とかでタスク管理してほしい会社もありそうです。
回答者:知財管理や開示書類関連など、他の業務などにも横展開できるかということもあり、ターゲット市場を模索したりもします。
取材者:それでは、貴社の創業の経緯についてわかる範囲で教えていただけますか。
回答者:創業の経緯ですが、代表取締役社長の山本は、弁護士の資格を持っています。2009年ぐらいに弁護士登録をしてから、鳥飼総合法律事務所という、大企業などの企業法務を扱う部署に入り、そこでいろんな大企業支援とかもしていました。そこから並行して個人で、当時スタートアップの創世記で、VC調達して伸びていくようなスタートアップというのが増えだした頃で、その頃から個人でいろいろ相談を受けることが多くなって、マネーフォワード様は創業するタイミングぐらいから上場する時ぐらいまで顧問弁護士として対応していました。
その中で、スタートアップが非常に事業としては目新しいものでいろんなリーガルリスクを抱えやすいものであるけど、お金がないので弁護士に何か依頼するというのが非常に難しいという状況が多く見られました。このような状況の中で、スタートアップの支援に特化したような法律事務所を作ろうということで、GVA法律事務所を2012年に立ち上げました。そこから幅広く展開をしていきながら、一方で法律事務所は人間ビジネスですので、すごくスケールするかというとそうでもないという側面があります。より法務支援を受けられなくて困っている人たちを支援していくには、テクノロジーを使う必要があるということで、ちょうどAIブーム、第3次AIブームで、ディープラーニングというのが出てきたときに、このAIの技術を使って、契約書なりそういうリーガルの業務を支援するようなサービスを作ろうということで、GVA TECHという会社を設立したというのが全体の経緯です。
取材者:昨年末に上場されたかと思いますが、上場の目的はどういったところにありますか。
回答者:上場の目的は、一番が社会的信用力を獲得するということです。企業の契約書の情報やリーガルの情報を未上場の会社が預かっていくというのが、ハードルになる場面もありまして、上場していたら違うという声も聞かれました。特に大きな会社になればなるほど、そのような声が出てきて、やはり安心してサービスを利用いただくには、一定の信用力が必要だということで、事業をさらに拡大するためにも早めに上場するということが必要だというのが全体としてありました。
取材者:法務を扱うからこそそういった難しさもあるのですね。
回答者:法務部門の方は保守的な人も多いので、リーガルテック自体が成熟している市場ではないが故に、ツールに慣れていないという会社様もまだまだいる業界だと思っています。そのような意味でも、上場しているというのはいいかと思います。
取材者:上場してから3ヶ月少したったあたりだと思うのですが、機関投資家様とのミーティングなどの状況はいかがですか。
回答者:機関投資家様の方は、そこまで多くはありません。まだまだ我々の時価総額とその出来高から言うと、機関投資家様からもすごく入りにくいタイミングかと思います。IPOのロードショーのタイミングでも、事業的なユニークさと成長性についてはご理解いただけましたが、まだ小さい規模であるということで、投資を見送られたというケースも多かったです。
あとはやはり現時点では赤字を継続しているという点も、投資判断に影響を与えているかと思います。今後、黒字化してくると、評価も変わってくるかと思います。
取材者:今は成長フェーズということで、様々なところに投資をされているかと思いますが、現状ですと、どういった部分に多く投資をされているのでしょうか。
回答者:一つは人件費になってくるかと思います。特にリーガルテックサービス事業、「OLGA」のビジネスサイドであるとか、開発エンジニアに対する戦略的な投資があるかと思います。
取材者:先程、業績に関する資料を拝見したところ、今期の第4四半期から黒字化を達成する見込みとのことでしたが、来期以降は黒字化を継続していくという理解でよろしいですか。
回答者:来期以降の数字を開示していないため、明確には申し上げられませんが、基本的には我々のビジネス、収益は積み上げストック型に振っていく部分もありますので、このまま第4四半期に黒字化をして、基本的な基調としては黒字化を目指せるような基盤というのはしっかり作っていこうと思っています。
取材者:特に先程の投資の部分とその人材の投資という部分があったかと思いますが、御社のような成長著しい企業では、人材の採用が難しいという側面もあるかと思います。その中で採用の戦略や、社員教育の教育方針のようなものがあれば教えていただけますか。
回答者:まさにおっしゃる通りでして、その中でも一つはその上場するということのメリットも、採用における認知であるとかを良くしたいというのが目的としてありました。その中で採用広報を含めた認知活動というのは広げていまして、特にSNSなどの認知活動は増やしています。やはりIPO上場しましたというニュースバリューというのは比較的あって、その中で会社を知っていただく機会というのはかなり増えていると感じています。
取材者:今期始まったばかりかと思いますが、何か今期から新しく取り組まれていたり、業績に関わらずトピックスなどございましたら教えていただけますか。
回答者:一つは「OLGA」のところで全部モジュールが四つぐらいあるのですが、「OLGA」という、今までバラ売りで売っていたところがありました。ただそこが昨年の11月からブランド変更をしました。今まではGVA assist、GVA manageとかそれぞれ別プロダクトとして名称も変え運営していたのですが、全部それを統一し変更して「OLGA」というので全部ひとまとめにしたのです。その中にいくつかの機能を持ったモジュールがあるという体裁にしました。
回答者:それの狙いというのが、各サービスプロダクトの機能間連携が結構出てきたので、バラ売りじゃなくてセットで導入してもらうということを増やして、平均的な顧客単価を上げていこうというのが狙いとしてありました。それが奏功しており複数のモジュールを導入してくださる企業も増えてきているのと、それによってお客様の平均単価が増えてきているというのが実績として出てきています。
ここが特に今期といいますか去年の末ぐらいから取り組み始めて、取り組みを強化しているところが数字には出てきているかと思います。
取材者:平均単価が上がっているというのは、サービスの利用料金や何かオプションを付けてもらうというよりは、複数のモジュールを導入する企業が増えているからこそ平均が上がっているという見方でよろしいですか。
回答者:そこがメインの要因です。料金プランの改定、料金引き上げも行っていますので、そこが両方で影響しているという状況です。
追加的なところでいくと、もう少し2点だけご説明します。
平均単価を上げていくという試みの中で、一つがアカウント数を増やしていくということがあります。基本的には今まで法務部に対して基本料金があって、その基本料金を払ってもらえれば、1アカウント使えます。それから法務部員が2人3人4人5人いればその分アカウントプラス3とか4とかって増えていって、料金が上がっていくという形です。アカウント数がどれくらいかによって料金が上がっていくという形です。それをさらに料金を上げていくにあたり法務部の人たちだけではなくて事業部の人たちにも使えるようなサービスにしていきたいというのがあります。我々のパーパスとして、法務部の方、法務のリテラシーがない人たちも、メリットを享受してほしいというのがありますので、その中でセールスフォースとの連携とし「OLGA for Salesforce」というのを出して、営業が利用する営業ツールの中に、「OLGA」を組み込むことによって例えばその中で過去の契約書のやり取りが見ることができたり、AIで回答をもらったりとかそういうようなところをできるようにしています。これはまだ仕込み段階ではありますが、事業部にも展開していくような体系というのは、他の会社様、他の競合様にはない取り組みだったりもするので、当社の特徴的なところかと思います。
あとはトムソン・ロイターという会社が、リーガルテック業界ではかなり世界でも強いところなのですが、ここが弊社のサービスの販売パートナーになっています。トムソン・ロイターは、Westlawという判例検索のサービスを取り扱っていて、国内の大手の法律事務所とか大手の企業とかであれば、ほぼ100%と言ってよいほど導入率の高いサービスなので、そこに対してアプローチしていけます。大企業に提供していくことで、アカウントを大きくして、平均単価を上げていくという施策の取り組みでもありますので、この辺りが、今期以降さらに成長を加速させるための重要な要素になると思っています。
取締役経営企画部長 板倉侑輝様
