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令和アカウンティング・ホールディングス(株)

東証GRT 296A

決算:3月末日

20250827

決算概要

2026年3月期第1四半期

第1四半期の連結売上高は1,298,334千円、営業利益は364,865千円、経常利益は365,802千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は248,264千円となり、計画対比で順調に推移しております。生産性向上の継続進行により、利益率は計画対比で上振れて推移しております。


主要KPIの進捗と変化

第1四半期の契約継続率は100%となりました。


季節性・一過性要因の有無と影響

当社は第4四半期会計期間に比較的売上利益とも増加する傾向があり、第1四半期から第3四半期は比較的同水準となる傾向がございます。


通期見通しと進捗率・達成可能性

通期計画に対する進捗率は、第1四半期時点で売上が23%、経常利益が22%となっており、計画対比で順調に推移しております。


トピックス

生産性と品質の向上を今期のテーマとして、各種システム・ツールの開発と全社展開による効率化をさらに推し進めています。あわせて、人材育成の強化によってサービスの質を高めること、継続的な単価アップにも取り組むことなど、生産性と品質をともに向上させる取り組みを継続強化してまいります。

2025年4月に設立した株式会社ミラクル経理でのソフトウェア開発は順調に進捗しており、2025年10月を目途に外部への販売も開始すべく計画どおりに進んでいます。ソフトウェアの内容などについては開示可能となるタイミングで公表いたします。今期の業績予想としてはミラクル経理によるアップサイドは織り込んでいませんが、当社グループと外部の生産性向上に資するソフトウェアを展開してまいります。

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​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • 決算概要

    2025年3月期の連結業績は、売上高が49億7,900万円で前年同期比12.6%増加、営業利益が14億9,400万円で前年同期比81.7%増加、経常利益が14億7,800万円で前年同期比79.4%増加、当期純利益が10億1,400万円で前年同期比76.5%増加となり、大幅な増収増益。増益の主な要因として、純粋な売上高の増加と粗利率の上昇が挙げられる。なお、2024年3月期は、テレビCMのイレギュラーなコスト増加要因(2億円程度)があったが、この影響がなければ、2025年3月期の利益構成比が今後も継続する見込みである。粗利率上昇の背景には、ソフトウェア開発の社内導入などによる生産性向上が寄与しており、中途採用のコントロールなどが利益率向上に貢献した。

     

    セグメント別または事業別の増減要因

    本業であるコンサルティング事業の売上高増加に加え、教育事業および派遣紹介事業も着実に成長を推進している。利益面では、生産性向上を目標としていた予算に対し、想定よりも早く効果が出たことが、粗利率の改善と利益の増加に繋がった。

     

    主要KPIの進捗と変化

    当社の主要KPIは従業員数と契約継続率である。特に契約継続率は、2024年度において99.81%と極めて高い水準を維持しており、順調に推移している。この高い継続率は、会計業務の特性上、一度契約すると変更しにくい性質に加え、継続的な生産性向上と品質向上への取り組みがお客様との関係を強固にしているためである。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    足元の業績には、一般的な経済政策(関税政策、インフレ等)や外部要因による一過性の影響はほとんど見られない。その理由として、主要クライアントが大企業であり、体力のある企業が多いため、外部環境の変化による影響を受けにくい構造である。ただし、当社の売上が第4四半期に伸長する傾向は、主に1月から3月に完了する業務が多いことに起因します。これは、多くの親会社が3月決算であり、子会社やSPCなどの新規立ち上げ、M&Aにおけるイベントのクロージングがこの期間に集中する。当社ではShort業務と呼称するスポット的な業務がこの期間に増加し、それに付随してLong業務も同様に立ち上がりが増える傾向にある。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    2026年3月期の通期予想は、売上高56億1,800万円(前年比12.8%増加)、営業利益16億2,800万円(同8.9%増加)、経常利益16億2,900万円(同10.2%増加)、当期純利益11億1,300万円(同9.7%増加)であり、引き続き増収増益を見込んでいる。この計画は、既存のコンサルティング事業、教育事業、派遣紹介事業の着実な成長を基盤としている。売上見通しは、そのほとんどを既存クライアントからの売上増により見込んでいるため、堅実な計画達成が可能であるとの認識である。利益率については、2024年度に大幅に上昇した粗利率を維持しつつ、生産性向上を継続し、従業員への給与増加や教育体制の強化なども考慮して、一定の水準を保つ方針である。

     

    トピックス

    直近の大きなトピックスは、2025年4月1日にソフトウェア開発・販売を目的とした株式会社ミラクル経理の設立、そして外部向けサービス提供に向けた取り組みである。これは、企業で使われているソフトウェアをそれぞれ数多く使用してきた実績に基づきユーザー目線で最適かつ最高品質のソフトウェアの要件定義が可能であること、膨大な会計データを活用してきたことによるノウハウが、AIの進展に対応し、AIを使いこなすコンサルティング会社として成長していくための最重要施策として位置づけられている。また、子会社である令和ヒューマン・ファーストの事業統合と拡大も重要なトピックスである。同社はこれまで給与計算業務を担ってきたが、2025年4月からは教育・スクール事業も統合し、人関連コンサルティング会社として幅広い業務拡大を進めている。今後は会計周りのコンサルティング事業に加え、派遣紹介、教育、人関連のコンサルティングなど、幅広い領域を視野に入れた検討を進めている。

    株主還元方針については、2024年度より配当性向を単体利益の80%程度から80%の基本的な配当性向に加え、1~10%の範囲を上乗せする方針へ変更した。今期については、5%の上乗せ配当に加え、周年記念や上場記念により、さらに10%上乗せし、単体利益の95%程度の配当性向で配当を実施する予定である。来期以降も毎期増配していく方針である。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?

    A: 当社の成長戦略のポイントは、「ミラクル経理」の外部向けサービス提供開始(2025年10月頃予定)に向けた取り組みと、子会社である令和ヒューマン・ファーストを通じた人関連コンサルティング事業の拡大にございます。まず「ミラクル経理」は、会計業界におけるAI活用の拡大という当然の流れに乗り、当社がAIを使いこなすコンサルタントとして継続的に成長していくための最重要施策です。現在、アイディア実現・マーケットフィットのフェーズにあり、具体的な計画を着々と立てている段階でございます。次に、子会社の令和ヒューマン・ファーストでは、これまで当社の会計業務のクライアントから要望が多かった給与計算業務を担ってまいりました。本年4月からは、派遣紹介事業に加えて、教育・スクール事業も全て同社に統合し、人関連のコンサルティング会社として幅広い業務領域を拡大していく方針です。これにより、会計と人事・労務の両面からお客様をサポートできる体制を強化し、成長を推進してまいります。

     

    Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。

    A:成長戦略のポイントにおける前提条件等の大きな変化はございません。当社の事業は、昨今の関税政策やインフレなどの経済政策的な一時的な外部要因にほとんど影響を受けないという強い特徴がございます。税理士法人をルーツとする当社は、リーマンショックのような経済状況の悪化も乗り越えてきた実績がございます。会計業務は世間の業績が悪化しても必ず行わなければならない業務であり、主要クライアントが大企業であるため、一時的な要因による影響を大きく受けることはないと認識しております。会計関連の外部委託の判断が変わるような影響を受けない企業様を対象としているため、事業の安定性は高いと考えております。

     

    Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。

    A: 2026年3月期の通期予想では、売上高56億1,800万円(前年比12.8%増加)、営業利益16億2,800万円(同8.9%増加)、経常利益16億2,900万円(同10.2%増加)、当期純利益11億1,300万円(同9.7%増加)と、引き続き増収増益を見込んでおります。この計画は、「ミラクル経理」のリリースが業績に大きく影響を及ぼすような数字ではございません。本業であるコンサルティング事業と、教育事業、派遣紹介事業で着実に成長を図ることを基本的な戦略としております。売上高の母数が大きくなるにつれて成長率のハードルは高まりますが、当社そのほとんどが既存クライアントの売上増により見込みを立てているため、堅実な計画であると認識しております。利益については、2024年度に粗利率が大きく上昇しましたが、引き続き生産性向上に注力しつつ、従業員への給与増加や教育体制の強化なども適切に行い、利益率はある程度一定になるように見込を立てております。

     

    Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:現在、具体的なM&Aや業務提携の話はございません。しかしながら、基本姿勢としては、当社事業に関連する幅広い領域において、良い話があればM&Aを積極的に実施していく方向で検討しております。現時点では特定のエリアに絞ってM&Aを進めるという段階ではなく、様々なエージェントやクライアントからの情報も参考に、幅広く検討している状況でございます。M&Aの対象領域としては、当社のコンサルティング事業はもちろんのこと、会計事務所、派遣紹介、教育、スクール、給与計算そしてソフトウェア開発といった幅広い分野を視野に入れております。

     

    Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。

    A:売上成長は毎年10%~15%、利益率は概ね一定のイメージで着実に増益していく予定です。ミラクル経理によるシステム・ソフトウェア開発や、令和ヒューマン・ファーストによる人関連コンサルティングの拡大をアップサイドとして考えており、これらの中期計画は継続検討し精緻化していきます。

     

    Q:株主還元の方針をご説明ください。

    A:株主還元の方針については、本年2月に配当方針の変更をリリースいたしました。従来は、単体で配当性向80%程度、連結で70%以上にする方針でしたが、「ミラクル経理」の立ち上げや様々な投資計画を踏まえ、配当還元をより強化できる状況になりました。そのため、当社の財政状態を考慮した上で、配当性向を引き上げる方針に変更しております。従来の80%を基本部分とし、これに毎年業績や投資計画を考慮しながら1%から10%の間で上乗せすることで、配当性向を単体利益の81%から90%になるように計画を立てました。2024年度の定時総会における配当につきましては、当社の周年記念や上場記念も重なるため、さらに10%上乗せし、最終的には単体利益の95%の配当性向で配当を実施する予定です。この記念配当は今回限りとなりますが、配当は毎期増配していく方針でございます。

  • 取材者:それではまず初めに、2025年3月期の業績についてお伺いいたします。売上高は49億7,900万円で前年比12.6%増加、営業利益は14億9,400万円で前年比81.7%増加、経常利益は14億7,800万円で前年比79.4%増加、当期純利益は10億1,400万円で前年比76.5%増加と、特に営業利益が大幅な増収増益を達成されておりますが、増加要因についてご説明いただけますか 。

     

    回答者:純粋に売上高の増加と粗利率の上昇が要因ですが、イレギュラーな要因として、2023年度に2億円ほど投資し、テレビCMを放映し、一時的なコスト増加が発生しています。その影響がなければ、今後も2025年3月期の構成が継続する見込みです。その他は粗利増につきましては、決算説明資料にも記載しましたが、ツール開発やシステム開発を社内で導入したことで生産性が向上しました。採用においては、主に中途採用をコントロールできたことが利益率向上に繋がっております。

     

    取材者:当初の計画と比較して、業績の推移は順調、想定通りと考えてよろしいでしょうか。

     

    回答者:2024年度の売上高は想定通りに推移し、利益については生産性向上を目指していましたが、実際には想定よりも早く効果が出ました。

     

    取材者:採用についても順調に従業員数が増加しているかと思いますが、前年度と比較して計画通りだったのか、その推移はいかがでしょうか。

     

    回答者:従業員数の増加は新卒採用が基本路線となっており、毎年30人前後を安定的に採用できております。2024年度については、生産性が向上したことにより、中途採用を計画よりも少なく抑えることができました。

     

    取材者:貴社における主要なKPIがございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:KPIは従業員数と解約率、その裏側の契約継続率です。決算説明資料では当社単体の契約継続率をKPIとしており、2024年度は99.81%と順調に推移しております。

     

    取材者:契約継続率は非常に高いですね。

     

    回答者:会計業務は一度ご依頼いただくと、なかなか変更しにくい側面もありますが、生産性向上と品質向上を継続的に行うことで、お客様との関係がより強固になっていると考えております。

     

    取材者:承知いたしました。その他、季節性要因や外部要因による業績への一時的な影響がございましたら教えていただけますか。

    回答者:当社の場合は、昨今の関税政策やインフレなどの経済政策的な一時的な要因は、事業環境に全く影響を及ぼしません。当社は税理士法人がルーツで、リーマンショックのような事態も乗り越えてきました。会計業界は世間の業績が悪化しても、必ず行わなければならない業務です。当社は大企業を主要クライアントとしておりますので、体力のある会社が多く、一時的な要因による影響を大きく受けることはありません。会計の外部委託の判断が変わるような影響を受けない企業ばかりですので、その点も特徴の一つです。

     

    取材者:第4四半期に売上が他の四半期に比べて伸びるのは、契約上の問題、あるいは会社の会計上の問題が大きいのでしょうか。

     

    回答者:単純に1月から3月に完了する業務が多いという傾向があります。多くの親会社が3月決算であるため、子会社やSPCなどの新規立ち上げやM&Aにおけるイベントのクロージングが1月から3月に集中する傾向があるため、毎年の傾向としてそうなっております。当社ではShort業務と呼んでいるスポット的な業務が特に1月から3月に多く、Long業務についても1月から3月に立ち上がりが増える傾向があります。

     

    取材者:2026年3月期の業績見通しについてお伺いいたします。売上高は56億1,800万円で前年比12.8%増加、営業利益は16億2,800万円で前年比8.9%増加、経常利益は16億2,900万円で前年比10.2%増加、当期純利益は11億1,300万円で前年比9.7%増加と、引き続き増収増益の業績を見込まれておりますが、見通しについて教えていただけますか 。

     

    回答者:こちらも経理にかかるソフトウェアア開発・販売を行う「ミラクル経理」の設立をリリースしておりますが、基本的にこの計画にはほとんど影響を及ぼしません。本業であるコンサルティング事業、そして教育事業、派遣紹介事業で着実に伸ばしていく計画です。基本的に当社のLong業務の積み上げであり、そのほとんどが既存クライアントの売上増を見込みで立てているため、堅実な計画であると認識しております。利益については、2024年度に粗利率がかなり上昇しましたが、引き続き生産性向上を目指しつつ、従業員への給与増加や教育体制の強化なども考慮し、利益率はある程度一定になるように組んでおります。

     

    取材者:今後、中期経営計画などを発表されるご予定はございますか。

     

    回答者:内部的には「ミラクル経理」を4月1日に立ち上げ、様々な計画を精緻化している段階にございます。中期経営計画を内部的に作成することは間違いございませんが、対外的に公表するかどうかは検討中でございます。中期経営計画の数字を作成し、それを目的とするのではなく、あくまで定性的な情報として、トップラインのイメージなどを公表することを検討している状況です。

     

    取材者:「ミラクル経理」は、まだ不透明な部分も多いですか。

     

    回答者:現在様々なプロジェクトを立ち上げ、具体的な計画を着々と立てているところでございます。

     

    取材者:「ミラクル経理」にも関連する話かと思いますが、今後M&Aや業務提携の実施、あるいは検討状況について、お答えできる範囲でお話しいただけますか。

     

    回答者:まだ具体的な話は何もないのですが、基本姿勢としては良い話があれば、当社に関係する幅広いエリアでM&Aを実施していく方向で検討しております。具体的にこのエリアでM&Aをしたいということが決まっているわけではなく、様々なエージェントやクライアントからの情報も参考に、幅広く検討している状況です。

     

    取材者:株主還元の方針について変更などございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:株主還元については、3月頃に配当方針の変更をリリースしております。従来は単体で配当性向80%、連結で70%以上にする方針でしたが、「ミラクル経理」の立ち上げや様々な投資計画を立てる中で、配当還元をより強化できるという状況になりました。そのため、当社の財政状態を踏まえた上で、配当性向を上げる方針に変更しております。従来の80%を基本部分とし、そこに毎年業績や投資計画を考慮しながら1%から10%の間で上乗せすることで、配当性向を単体利益の81%から90%になるように計画を立てました。2024年度の定時総会での配当については、当社の周年記念や上場記念もあり、さらに10%上乗せし、最終的には単体利益の95%の配当性向で配当を実施する予定です。この記念配当は今回限りですが、配当は毎期増配していく方針です。

     

    取材者:投資家からの反応はいかがですか。

     

    回答者:IPO準備初期の頃は、特にグロース市場であれば配当よりも投資を望む声も多かったのですが、安定的に必要な分だけ残して適切に配当していくという方針が、株主様にも評価されていると感じております。

     

    取材者:足元の状況について、トピックスやニュースリリースがございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:やはりトピックは「ミラクル経理」です。現在、アイディア実現・マーケットフィットのフェーズにあり、具体的な計画を着々と立てている段階でございますが、2025年10月頃を目途に外部向けサービスの提供を開始する予定です。今後、会計業界もAIで対応できる部分が広がっていくのは当然の流れであり、当社はそのAIを使いこなすコンサルティング会社として、継続的に成長していくことを最重要施策としております。それに加えて、決算説明資料の中で「ミラクル経理」の次に成長戦略として挙げているのが、当社の子会社である令和ヒューマン・ファーストです。当社が会計業務を行う中で、クライアントから給与計算もお願いしたいという要望が多く寄せられたため、子会社を設立し、社会保険労務士を雇用して細々と事業を行ってきました。しかし、今年の4月からは、派遣紹介事業に加えて、教育・スクール事業も全て令和ヒューマン・ファーストに統合し、今後は人関連コンサルティング会社として、幅広い業務を拡大していく方針です。

     

    取材者:M&Aに関しても、そういった部分がかなり関わってくるイメージですか。

     

    回答者:当社がM&Aを行う場合、人関連の事業もかなり視野に入ってまいります。M&Aは当社のコンサルティング事業はもちろん、会計事務所なども含みますが、派遣紹介、教育、スクール、そして人関連の給与計算など、幅広い領域をターゲットとしております。

     

    取材者:承知いたしました。本日はお時間いただきまして誠にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

     

    回答者:よろしくお願いいたします。

  • 執行役員 業務管理本部 本部長 田口 英亮様

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​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

  • CP&X

     

    ビジネスモデルおよび事業内容

    令和アカウンティング・ホールディングス株式会社(東証GRT 296A)は、経理のプロフェッショナルによる高付加価値なコンサルティング事業を主軸とする企業である。上場企業やその子会社、関連会社、非上場の大企業などに対し、会計・財務に関する専門的な知識やノウハウを提供することで、企業の経営課題解決を支援している。 また、コンサルティング事業に加え、教育事業と人材派遣紹介事業も行っている。 これらの事業は、コンサルティング事業の顧客基盤を活かして展開しており、シナジー効果を生み出している。

     

    創業の経緯と転機

    会社設立は2004年、コンサルティング事業を開始したのは2007年である。J-REIT第1号を受託できたことがきっかけで、リート、SPCを始めとする不動産ファンドで規模を拡大してきた。 その後、将来的な労働人口の減少や大企業の経理支援ニーズの高まりを見越し、ファンドを契機に事業を拡大した。

     

    直近の決算状況

    今期の決算状況は、安定的に成長率目標を達成できている。 成長の要因としては、ストック型サービスのLongがメインである。 売上高は前年比で10~15%増加、経常利益率は20%以上で推移しており、順調に業績を伸ばしている。

     

    特徴と強み

    従来の会計事務所は中小企業に関わる記帳代行業務を主にしていたが、当社は大企業グループに対し、経理に関わるサービスを提供することで差別化を図っている。 強みは、長年の経験と実績に基づいたノウハウ、質の高い人材、顧客との長期的な関係構築である。 特に、不動産ファンドの分野に強みを持つ。

     

    成長戦略

    売上増加のメインは既存クライアントとの取引増加である。新規クライアント獲得においては、ファンドへの支援や会計のスポット的なコンサルティング、M&AやIPO支援といった、短期的なプロジェクトベースの業務をきっかけとして、顧客との接点を増やし、長期的な関係構築へと繋げている。

     

    株主還元策

    株主還元は、配当性向7割以上を目安としている。将来的には自己株式取得も含め株主還元策を検討していく。

     

    今期の取り組みとトピックス

    今期は、生産性向上に最も力を入れている。 既存ツールの全社展開に加え、新たなシステム開発も始めており、将来的には、このシステムを社外にも展開していきたいと考えている。 また、新規事業の開拓や海外進出なども検討しており、M&Aや事業提携なども視野に入れている。

  • Q. 貴社のビジネスモデルや事業内容について、ご説明いただけますか?

    A. 当社のビジネスモデルは、経理のプロフェッショナルによる高付加価値なコンサルティング事業を主軸としています。具体的には、上場企業やその子会社、関連会社、非上場の大企業などに対し、会計・財務に関する専門的な知識やノウハウを提供することで、企業の経営課題解決を支援しています。 また、コンサルティング事業に加え、教育事業と人材派遣紹介事業も行っています。 これらの事業は、コンサルティング事業の顧客基盤を活かして展開しており、シナジー効果を生み出しています。

     

    Q. 貴社の教育事業と人材派遣紹介事業について、詳しく教えていただけますか?

    A. 教育事業は、当社が蓄積してきたプロフェッショナルを育成するノウハウをプログラムに落とし込み、経理実務スクール・企業研修などを実施しています。教育事業と人材派遣紹介事業は、全体における売上規模としては1%にも満たない程度です。

     

    Q. コンサルティング事業のLongとShortについて、ご説明いただけますか?

    A. コンサルティング事業は、LongとShortの二つに分類されます。 Longは、ストック型のサービスとして会計支援を継続的に行うものです。 具体的には、クライアント企業の経理担当者と協力し、日々の会計処理から決算業務、連結決算、開示まで、経理部門全体の業務を包括的にサポートします。 Shortは、ファンドへの支援や会計のスポット的なコンサルティング、M&AやIPO支援などを指し、Longの付随的なものとして捉えています。

     

    Q. Longの業務内容について、具体的に教えていただけますか?

    A. Longの業務では、決算、連結、開示など専門性の高い業務を行い、不動産ファンドの分野に強みを持っています。 一方、Shortは、M&A、IPO、内部統制支援、意見書、バリエーション、デューデリジェンスなど、プロジェクトベースの業務です。

     

    Q. 貴社の強みをご説明ください。

    A. 当社の強みは、長年の経験と実績に基づいたノウハウ、質の高い人材、顧客との長期的な関係構築です。当社は大企業グループの経理部門に特化したサービスを提供することで差別化を図っています。

     

    Q. 貴社の売上成長率、利益率、KPIについて教えてください。

    A. 当社は、売上成長率を継続的に10%から15%程度で安定的に伸ばしていくことを目指しています。 経常利益率は20%以上を維持し、増益を続けていく計画です。 KPIとしては契約継続率を重要視しており、新規顧客獲得数や顧客単価なども重要なKPIです。

     

    Q. 貴社のビジネスモデルの特徴を教えてください。

    A. ビジネスモデルの特徴としては、通常のアウトソーシングとは異なり、より高度なレベルの業務をメインにしています。 相談対応、処理の影響、経営に対する報告資料の作成、会計処理の選択肢の検討、KPI設定などを含めた経営アドバイスを、会計処理と共に行っています。 コンサルティング手法の特徴としては、ひとつのクライアントから多様なニーズを同じ窓口で柔軟に対応していくため、クライアントのグループごとに担当チームを組んでいます。

     

    Q. 貴社の従業員について、詳しく教えてください。

    A. 当社は、会計士や税理士などの有資格者だけでなく、簿記の知識を持つ人材も積極的に採用しています。 採用後は、社内研修やOJTを通じて、必要な知識やスキルを習得できる体制を整えています。

     

    Q. 不動産ファンド事業について、教えてください。

    A. 不動産ファンド事業は、Jリート第1号のアウトソーシングを受託したことから始まり、リート業界では高いシェアを持っています。

     

    Q. 貴社がターゲットとするクライアントについて、教えてください。

    A. 当社は大企業グループをターゲットとしています。 当社が求めるクライアントは、一回限りの取引ではなく、長期的な関係を築き、取引を拡大できるクライアントです。

     

    Q. 貴社のビジネスの広がり方について、具体的に教えてください。

    A. 当社のビジネスの広がり方ですが、不動産ファンドから始まり、事業会社本体の経理支援等に拡大していくパターンと、事業会社本体の経理支援等の一部から始まり、業務範囲を拡大していくパターンが多いです。M&A支援などのShort業務から始まり、業務範囲を拡大していくケースなどもあります。

     

    Q. 新規のクライアント獲得について、どのようにお考えですか?

    A. 売上増加のメインは既存クライアントとの取引増加ですが、並行して新規クライアントも獲得していく必要があり、KPIの参考指標としてクライアントグループ数をモニタリングしています。 新規クライアント獲得のためには、Shortの業務をフックにすることもあります。

     

    Q. 貴社の売上における季節性について、教えてください。

    A. 過去の傾向として、第1四半期から第3四半期は同程度の水準で推移し、第4四半期が大きくなります。 これは、第4四半期にクライアントがクロージングするプロジェクトが多いからです。

     

    Q. 生産性の向上について、具体的な取り組みがあれば教えてください。

    A. 今期は、従来、個別のチームごとに作成していた効率化ツールを全社的に展開しました。 生産性向上のため、業務プロセスの標準化、ITツールの導入、従業員教育の強化など、様々な取り組みを行っています。

     

    Q. 創業の経緯について、教えてください。

    A. 当社は2007年よりコンサルティング事業を開始しています。特にリート、SPCを始めとする不動産ファンドで規模を拡大してきました。

     

    Q. 今期の決算状況について、詳しく教えてください。

    A. 今期の決算状況ですが、安定的に成長率目標を達成できています。 成長の要因としては、Longがメインです。 売上高は前年比で10%~15%増加、経常利益率は20%以上で推移しており、順調に業績を伸ばしています。

     

    Q. 契約更新の前に新たな提案をしていくような流れですか?

    A. 新しい提案は常時行っています。 Longの強みは、日々クライアントとやり取りがあるため、その中で常に新しい提案につなげられることです。 営業専門部隊は設けていません。 コンサルタント全員が顧客とのやり取りの中で、相談や提案を積極的に行っています。 契約期間は1年または複数年で、更新率は90%以上です。

     

    Q. 貴社の株主還元策について、教えてください。

    A. 株主還元は、配当性向7割以上を目安としています。 将来的には自己株式取得等も含め継続的に株主還元策について検討していきます。

     

    Q. 新卒採用について、会計士資格を持っていない方も採用して教育しているという理解でよろしいでしょうか?

    A. その通りです。 昔から資格を持たない人材を育成してきたため、新卒採用で簿記2級程度の資格を持つ人材であれば、プロフェッショナルに育成することができます。

     

    Q. 人材の採用についていかがでしょうか?

    A. 新卒採用は安定的に採用できています。 しっかりとしたフォローアップ体制と学習機会が魅力になっていると考えています。 大学への訪問や合同企業説明会への参加、インターンシップの実施など、様々な方法で採用活動を行っています。

     

    Q. 新たな取り組みや重点施策をご説明ください。

    A. トピックスとしては、生産性向上に最も力を入れています。 既存ツールの全社展開に加え、新たなシステム開発も始めています。 将来的には、このシステムを社外にも展開していきたいと考えています。 また、新規事業の開拓や海外進出なども検討しています。 M&Aや事業提携なども視野に入れています。

  • 取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    回答者: 当社のビジネスモデルは、経理のプロフェッショナルによる高付加価値なコンサルティング事業を主軸としております。具体的には、上場企業やその子会社、関連会社、非上場の大企業などに対し、会計・財務に関する専門的な知識やノウハウを提供することで、企業の経営課題解決を支援しております。また、コンサルティング事業に加え、教育事業と人材派遣紹介事業も行っております。教育事業では、経理実務の基礎的な研修から、高度な専門知識を習得するための研修まで、幅広い研修プログラムを提供しております。人材派遣紹介事業では、経理部門における人材不足の解消を目的として、即戦力となる人材を派遣しております。これらの事業は、コンサルティング事業の顧客基盤を活かして展開しており、シナジー効果を生み出しております。

    取材者: 貴社の教育事業と人材派遣紹介事業について、詳しく教えていただけますか?

    回答者: 教育事業と人材派遣紹介事業は、全体における売上規模としては1%にも満たない程度です。当社は、有価証券届出書等にも記載されている通り、2007年よりコンサルティング事業を開始しました。2021年頃から本格的に稼働しておりますが、実質的には当社の成り立ちである税理士法人の時代から30年ほど、経理・会計分野のサービスを提供し続けております。2024年3月期の売上高は約50億円で、従業員数は約300名です。

    取材者: コンサルティング事業のLongとShortについて、ご説明いただけますか?

    回答者: コンサルティング事業は、LongとShortの二つに分類されます。Longは、ストック型のサービスとして会計支援を継続的に行うものです。具体的には、クライアント企業の経理担当者と協力し、日々の会計処理から決算業務、連結決算、開示まで、経理部門全体の業務を包括的にサポートいたします。基本的に終わりが想定されないため、ストック型の売上形態となります。これがコンサルティング事業の8割以上を占めております。もう一つは、いわゆるプロジェクト型のコンサルティング業務です。ファンドへの支援や会計のスポット的なコンサルティング、M&AやIPO支援などをShortと呼んでおります。これは、Longの付随的なものとして捉えております。Short単体で売上を伸ばすというよりは、Longの業務でお付き合いのあるクライアントからニーズが発生し、それを受けるという形態です。

    取材者:Longの業務内容について、具体的に教えていただけますか?

    回答者:Longの業務では、決算、連結、開示など専門性の高い業務も行っております。また、当社の特徴として不動産ファンドの分野に強みを持っております。リートやSPC、ファンドなどを長年、第一人者的なポジションで扱ってまいりました。一方、Shortは、M&A、IPO、内部統制支援、意見書、バリエーション、デューデリジェンスなど、プロジェクトベースの業務です。

    取材者: 貴社の強み、あるいはこのビジネスが強い背景は何ですか?

    回答者: 経理業界、特に大企業をターゲットとしておりますが、従来、経理業務は企業の中核を担う重要な業務であるため、自社で担うのが主流でした。しかし、労働人口の減少や会計制度、経理分析の高度化、そして会計の信頼性に対する社会的な要請が強くなってきております。人材不足や業務の高度化から外部委託せざるを得ないということもありますが、第三者による不正や誤謬の防止、ガバナンス体制の強化が求められるようになっております。当社の強みは、長年の経験と実績に基づいたノウハウ、質の高い人材、顧客との長期的な関係構築です。会計事務所やコンサルティング会社など部分的な競合はいますが、当社は大企業の経理支援に特化して総合的なサービスを提供することで差別化を図っております。また、顧客との長期的な関係構築を重視し、顧客のニーズに合わせて柔軟に対応できる体制を整えております。

    取材者: 貴社の売上成長率、利益率、KPIについて教えてください。

    回答者: 当社は、売上成長率を継続的に10%から15%程度で安定的に伸ばしていくことを目指しております。経常利益率は20%以上を維持し、増益を続けていく計画です。KPIとしては契約継続率を重要視しております。現在のビジネスモデルはLongを中心とした安定的な拡大を重視し、Shortは付随的なものとしております。Longの業務を継続し、顧客の信頼を失わないことを最重要視しております。契約継続率は、社内では重要な指標となっております。新規顧客獲得数や顧客単価なども重要なKPIです。従業員数は売上と連動しますが、近年は生産性向上も進んでいるため、必ずしも売上と同率で従業員数を増やすとは限りません。従業員数は、生産性向上を考慮しながら安定的に増やしていく計画です。

    取材者: 貴社のビジネスモデルの特徴を教えてください。

    回答者: ビジネスモデルの特徴としては、通常のアウトソーシングとは異なる点がございます。一般的なBPOのように、最初に処理方法などを決めてあとは単純作業ということが多いわけではなく、当社はより高度なレベルの業務をメインにしております。相談対応、処理の影響、経営に対する報告資料の作成、会計処理の選択肢の検討、KPI設定などを含めた経営アドバイスを、会計処理と共に行っております。コンサルティング手法の特徴としては、クライアントのグループごとに担当チームを組んでおります。必ずしも一対一ではなく、複数のクライアントを担当しますが、通常の会計コンサルのように専門性ごとに組織を縦割りにするのではなく、チーム内で全て対応いたします。クライアントは常に同じ担当者に相談できるため、クライアントの状況を理解している担当者がスポット業務や新しい業務にも対応できることが強みです。

    取材者: 窓口が一本化するようなイメージですか?

    回答者: その通りです。窓口もそうですが、実際に作業するのも同じグループの担当者なので、プロジェクトが始まっても別のチームに変わることはございません。

    取材者: 貴社の従業員について、詳しく教えてください。

    回答者: 当社の従業員数の推移ですが、当社の成り立ちである税理士法人時代から30年ほどの間、当初は会計士や税理士の資格者だけで業務を行っておりました。20年以上前からアシスタント的な人もいましたが、当初は資格者が難しい仕事を、アシスタントが単純な仕事をするのが当たり前でした。しかし当社は、資格者でなくても同等の仕事ができるよう教育体制をいち早く整備いたしました。今では、全員が簿記2級程度の資格を持ち、数年で会計士と同等の仕事ができる教育体制を強みとしております。その結果、安定的に従業員数を増やし、新卒採用で人材を増やせるようになっております。当社は、会計士や税理士などの有資格者だけでなく、簿記の知識を持つ人材も積極的に採用しております。採用後は、社内研修やOJTを通じて、必要な知識やスキルを習得できる体制を整えております。

    取材者: 不動産ファンド事業について、教えてください。

    回答者: 不動産ファンドの話ですが、最初は当社の成り立ちである税理士法人のときに、Jリート第1号のアウトソーシングを受託いたしました。そこからリート業界では、現在では当社と信託銀行3社ほどでほとんどの会計事務を担っております。Jリート業界では高いシェアを持っておりますが、今後の当社の成長を支える理由として、リートやSPC、不動産ファンドは金融業界、不動産業界、建築業界、インフラ関係など、日本を代表する企業が集まる業界であり、そこでいち早く大企業の信頼を得ることができたことが挙げられます。さらに、不動産ファンドだけでなく、付き合いのある不動産ファンドをきっかけとして親会社本体の経理部にも進出し、取引を拡大してまいりました。結果的に、既に多くの大企業の中枢に当社がパートナーとして関わるようになり、大企業の経営会計コンサルタントとして認知されております。現在では、業種を問わずあらゆる業界に展開しております。

    取材者: 貴社がターゲットとするクライアントについて、教えてください。

    回答者: 当社は大企業グループをターゲットとしておりますが、大企業の定義は中小企業基本法における中小企業に該当しないものとしております。当社が求めるクライアントは、一回限りの取引ではなく、長期的な関係を築き、取引を拡大できるクライアントです。不動産ファンド市場は今後も拡大が見込まれており、当社は市場の拡大に合わせて事業を拡大していく計画です。

    取材者: 貴社のビジネスの広がり方について、具体的に教えてください。

    回答者: 当社のビジネスの広がり方ですが、まず不動産ファンドから始まるパターンと、事業会社本体の一部業務支援から始まることが多いです。不動産ファンドから始まるパターンについて具体的には、リートやSPCの業務を受託し、それ自体が増えることで売上も増加しますが、その後、事業会社本体にも進出していきます。連結決算や子会社、関連会社の業務、さらには派遣、教育・研修など、コンサルティング事業の付随的なサービスを提供していくのが典型的な流れです。また、最初はスポット業務から始まり、徐々に経理業務の支援、開示、連結、IPO支援、M&Aなど、クライアントとの取引が広がっていくケースもございます。

    取材者: 新規のクライアント獲得について、どのようにお考えですか?

    回答者: 売上増加のメインは既存クライアントとの取引増加です。並行して新規クライアントも獲得していく必要があり、KPIの参考指標としてクライアントグループ数をモニタリングしております。売上は、既存クライアントの上位クライアントでの伸びが大部分を占めるため、クライアントグループ数を追うことは、多種多様なクライアントを獲得していくという意味合いを持ちます。最初は200万円、300万円といった小さな金額から取引が始まり、徐々に認知され、必要性に応じて業務範囲が広がり、子会社や関連会社も増えていき、大きなクライアントでは1億円規模の取引に拡大していきます。新規クライアント獲得のためには、Shortの業務をフックすることもあります。会計コンサルティング業務は、会社の統合などが多くなっているため、件数がかなり多く、顧客からの紹介だけでも多くの案件が来るようになっております。既存クライアントに大企業が多いことから、人材の流動性も高く、転職した人が紹介してくれたり、新たにアウトソーシングやコンサルを検討している企業から問い合わせてくることも多くなっております。派遣や教育をフックにすることもございます。例えば、会計制度が複雑化しているため、リース会計基準の研修を依頼されるなど、今まで取引のなかったクライアントから教育事業でニーズが発生することがございます。人材派遣紹介事業では、会計コンサルティング業務と比べて単価は低いですが、単純な人材補充のニーズを持つクライアントもいるため、派遣をフックにすることも可能です。新規顧客獲得のため、セミナーやイベントの開催、ウェブサイトやソーシャルメディアの活用、専門家との連携など、様々な戦略を展開しております。

    取材者: 貴社の売上における季節性について、教えてください。

    回答者: 当社のクライアントは決算期がばらけていることもあり、季節性は大きくありません。過去の傾向として、第1四半期から第3四半期は同程度の水準で推移し、第4四半期が比較的大きくなります。これは、M&Aや新たな会社やファンドの立ち上げなど第4四半期にクライアントがクロージングするプロジェクトが多いからです。

    取材者: 生産性の向上について、具体的な取り組みがあれば教えてください。

    回答者: 今期は、従来、個別のチームごとに作成していた効率化ツールを全社的に展開いたしました。個別に作成していたものを集約し、全社展開できるものが多かったため、社内で一般化いたしました。生産性向上のため、業務プロセスの標準化、ITツールの導入、従業員教育の強化など、様々な取り組みを行っております。

    取材者: 創業の経緯について、教えてください。

    回答者: 創業は平成元年にさかのぼります。創業者の須貝が個人事務所を立ち上げたのが始まりです。第1号リートを受託できたことがきっかけで、リート、SPCを始めとする不動産ファンドを契機に規模を拡大してまいりました。その後、将来的な労働人口の減少や大企業の経理支援ニーズの高まりを見越し、さらに大企業の経理支援に関わる事業を拡大いたしました。大企業の経理を安定的に支えるには、それなりの規模が必要となるため、中小の会計事務所とは一線を画し、大企業の支援に特化してまいりました。創業者のビジョンは、「大企業の経理部門を支援することで、企業の成長に貢献したい」というものでした。

    取材者: 今期の決算状況について、詳しく教えてください。

    回答者: 今期の決算状況ですが、安定的に成長率目標を達成できております。成長の要因としては、Longがメインです。Longを中心に伸ばし、Shortはそこから派生的に発生するという形です。比率としては、Longが8割強、Shortが2割弱です。売上高は前年比で10%~15%増加、経常利益率は20%以上で推移しており、順調に業績を伸ばしております。

    取材者: 契約更新の前に新たな提案をしていくような流れですか?

    回答者: 新しい提案は常時行っております。Longの強みは、日々クライアントとやり取りがあるため、その中で常に新しい提案につなげられることです。営業専門部隊は設けておりません。コンサルタント全員が顧客とのやり取りの中で、相談や提案を積極的に行っております。契約期間は1年または複数年で、更新率は90%以上です。

    取材者: 貴社の株主還元策について、教えてください。

    回答者: 株主還元は、配当性向7割以上を目安としております。将来的には自己株式取得等も含め継続的に株主還元策について検討していきます。

    取材者: 新卒採用について、会計士資格を持っていない方も採用して教育しているという理解でよろしいですか?

    回答者: その通りです。昔から資格を持たない人材を育成してきたため、新卒採用で簿記2級程度の資格を持つ人材であれば、プロフェッショナルに育成することができます。

    取材者: 人材の採用について、貴社はいかがでしょうか?

    回答者: 新卒採用は安定的に採用できております。しっかりとしたフォローアップ体制と学習機会が魅力になっていると考えております。大学への訪問や合同企業説明会への参加、インターンシップの実施など、様々な方法で採用活動を行っております。

    取材者: 今期、新たに取り組まれていることや、業績に関連するトピックスがあれば教えてください。

    回答者: トピックスとしては、生産性向上に最も力を入れております。既存ツールの全社展開に加え、新たなシステム開発も始めております。将来的には、このシステムを社外にも展開していきたいと考えております。また、新規事業の開拓や海外進出なども検討しております。M&Aや事業提携なども視野に入れております。

  • 執行役員人事経理部長 伊藤淳様

    執行役員業務管理部長 田口 英亮様

  • 決算説明資料(2025年3月期決算発表は2025年4月23日を予定)

令和アカウンティング・ホールディングス_logo1.png

令和アカウンティング・ホールディングス(株)

東証GRT 296A

決算:3月末日

決算概要

2026年3月期第1四半期

第1四半期の連結売上高は1,298,334千円、営業利益は364,865千円、経常利益は365,802千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は248,264千円となり、計画対比で順調に推移しております。生産性向上の継続進行により、利益率は計画対比で上振れて推移しております。


主要KPIの進捗と変化

第1四半期の契約継続率は100%となりました。


季節性・一過性要因の有無と影響

当社は第4四半期会計期間に比較的売上利益とも増加する傾向があり、第1四半期から第3四半期は比較的同水準となる傾向がございます。


通期見通しと進捗率・達成可能性

通期計画に対する進捗率は、第1四半期時点で売上が23%、経常利益が22%となっており、計画対比で順調に推移しております。


トピックス

生産性と品質の向上を今期のテーマとして、各種システム・ツールの開発と全社展開による効率化をさらに推し進めています。あわせて、人材育成の強化によってサービスの質を高めること、継続的な単価アップにも取り組むことなど、生産性と品質をともに向上させる取り組みを継続強化してまいります。

2025年4月に設立した株式会社ミラクル経理でのソフトウェア開発は順調に進捗しており、2025年10月を目途に外部への販売も開始すべく計画どおりに進んでいます。ソフトウェアの内容などについては開示可能となるタイミングで公表いたします。今期の業績予想としてはミラクル経理によるアップサイドは織り込んでいませんが、当社グループと外部の生産性向上に資するソフトウェアを展開してまいります。

取材アーカイブ

  • 決算概要

    2025年3月期の連結業績は、売上高が49億7,900万円で前年同期比12.6%増加、営業利益が14億9,400万円で前年同期比81.7%増加、経常利益が14億7,800万円で前年同期比79.4%増加、当期純利益が10億1,400万円で前年同期比76.5%増加となり、大幅な増収増益。増益の主な要因として、純粋な売上高の増加と粗利率の上昇が挙げられる。なお、2024年3月期は、テレビCMのイレギュラーなコスト増加要因(2億円程度)があったが、この影響がなければ、2025年3月期の利益構成比が今後も継続する見込みである。粗利率上昇の背景には、ソフトウェア開発の社内導入などによる生産性向上が寄与しており、中途採用のコントロールなどが利益率向上に貢献した。

     

    セグメント別または事業別の増減要因

    本業であるコンサルティング事業の売上高増加に加え、教育事業および派遣紹介事業も着実に成長を推進している。利益面では、生産性向上を目標としていた予算に対し、想定よりも早く効果が出たことが、粗利率の改善と利益の増加に繋がった。

     

    主要KPIの進捗と変化

    当社の主要KPIは従業員数と契約継続率である。特に契約継続率は、2024年度において99.81%と極めて高い水準を維持しており、順調に推移している。この高い継続率は、会計業務の特性上、一度契約すると変更しにくい性質に加え、継続的な生産性向上と品質向上への取り組みがお客様との関係を強固にしているためである。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    足元の業績には、一般的な経済政策(関税政策、インフレ等)や外部要因による一過性の影響はほとんど見られない。その理由として、主要クライアントが大企業であり、体力のある企業が多いため、外部環境の変化による影響を受けにくい構造である。ただし、当社の売上が第4四半期に伸長する傾向は、主に1月から3月に完了する業務が多いことに起因します。これは、多くの親会社が3月決算であり、子会社やSPCなどの新規立ち上げ、M&Aにおけるイベントのクロージングがこの期間に集中する。当社ではShort業務と呼称するスポット的な業務がこの期間に増加し、それに付随してLong業務も同様に立ち上がりが増える傾向にある。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    2026年3月期の通期予想は、売上高56億1,800万円(前年比12.8%増加)、営業利益16億2,800万円(同8.9%増加)、経常利益16億2,900万円(同10.2%増加)、当期純利益11億1,300万円(同9.7%増加)であり、引き続き増収増益を見込んでいる。この計画は、既存のコンサルティング事業、教育事業、派遣紹介事業の着実な成長を基盤としている。売上見通しは、そのほとんどを既存クライアントからの売上増により見込んでいるため、堅実な計画達成が可能であるとの認識である。利益率については、2024年度に大幅に上昇した粗利率を維持しつつ、生産性向上を継続し、従業員への給与増加や教育体制の強化なども考慮して、一定の水準を保つ方針である。

     

    トピックス

    直近の大きなトピックスは、2025年4月1日にソフトウェア開発・販売を目的とした株式会社ミラクル経理の設立、そして外部向けサービス提供に向けた取り組みである。これは、企業で使われているソフトウェアをそれぞれ数多く使用してきた実績に基づきユーザー目線で最適かつ最高品質のソフトウェアの要件定義が可能であること、膨大な会計データを活用してきたことによるノウハウが、AIの進展に対応し、AIを使いこなすコンサルティング会社として成長していくための最重要施策として位置づけられている。また、子会社である令和ヒューマン・ファーストの事業統合と拡大も重要なトピックスである。同社はこれまで給与計算業務を担ってきたが、2025年4月からは教育・スクール事業も統合し、人関連コンサルティング会社として幅広い業務拡大を進めている。今後は会計周りのコンサルティング事業に加え、派遣紹介、教育、人関連のコンサルティングなど、幅広い領域を視野に入れた検討を進めている。

    株主還元方針については、2024年度より配当性向を単体利益の80%程度から80%の基本的な配当性向に加え、1~10%の範囲を上乗せする方針へ変更した。今期については、5%の上乗せ配当に加え、周年記念や上場記念により、さらに10%上乗せし、単体利益の95%程度の配当性向で配当を実施する予定である。来期以降も毎期増配していく方針である。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?

    A: 当社の成長戦略のポイントは、「ミラクル経理」の外部向けサービス提供開始(2025年10月頃予定)に向けた取り組みと、子会社である令和ヒューマン・ファーストを通じた人関連コンサルティング事業の拡大にございます。まず「ミラクル経理」は、会計業界におけるAI活用の拡大という当然の流れに乗り、当社がAIを使いこなすコンサルタントとして継続的に成長していくための最重要施策です。現在、アイディア実現・マーケットフィットのフェーズにあり、具体的な計画を着々と立てている段階でございます。次に、子会社の令和ヒューマン・ファーストでは、これまで当社の会計業務のクライアントから要望が多かった給与計算業務を担ってまいりました。本年4月からは、派遣紹介事業に加えて、教育・スクール事業も全て同社に統合し、人関連のコンサルティング会社として幅広い業務領域を拡大していく方針です。これにより、会計と人事・労務の両面からお客様をサポートできる体制を強化し、成長を推進してまいります。

     

    Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。

    A:成長戦略のポイントにおける前提条件等の大きな変化はございません。当社の事業は、昨今の関税政策やインフレなどの経済政策的な一時的な外部要因にほとんど影響を受けないという強い特徴がございます。税理士法人をルーツとする当社は、リーマンショックのような経済状況の悪化も乗り越えてきた実績がございます。会計業務は世間の業績が悪化しても必ず行わなければならない業務であり、主要クライアントが大企業であるため、一時的な要因による影響を大きく受けることはないと認識しております。会計関連の外部委託の判断が変わるような影響を受けない企業様を対象としているため、事業の安定性は高いと考えております。

     

    Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。

    A: 2026年3月期の通期予想では、売上高56億1,800万円(前年比12.8%増加)、営業利益16億2,800万円(同8.9%増加)、経常利益16億2,900万円(同10.2%増加)、当期純利益11億1,300万円(同9.7%増加)と、引き続き増収増益を見込んでおります。この計画は、「ミラクル経理」のリリースが業績に大きく影響を及ぼすような数字ではございません。本業であるコンサルティング事業と、教育事業、派遣紹介事業で着実に成長を図ることを基本的な戦略としております。売上高の母数が大きくなるにつれて成長率のハードルは高まりますが、当社そのほとんどが既存クライアントの売上増により見込みを立てているため、堅実な計画であると認識しております。利益については、2024年度に粗利率が大きく上昇しましたが、引き続き生産性向上に注力しつつ、従業員への給与増加や教育体制の強化なども適切に行い、利益率はある程度一定になるように見込を立てております。

     

    Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:現在、具体的なM&Aや業務提携の話はございません。しかしながら、基本姿勢としては、当社事業に関連する幅広い領域において、良い話があればM&Aを積極的に実施していく方向で検討しております。現時点では特定のエリアに絞ってM&Aを進めるという段階ではなく、様々なエージェントやクライアントからの情報も参考に、幅広く検討している状況でございます。M&Aの対象領域としては、当社のコンサルティング事業はもちろんのこと、会計事務所、派遣紹介、教育、スクール、給与計算そしてソフトウェア開発といった幅広い分野を視野に入れております。

     

    Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。

    A:売上成長は毎年10%~15%、利益率は概ね一定のイメージで着実に増益していく予定です。ミラクル経理によるシステム・ソフトウェア開発や、令和ヒューマン・ファーストによる人関連コンサルティングの拡大をアップサイドとして考えており、これらの中期計画は継続検討し精緻化していきます。

     

    Q:株主還元の方針をご説明ください。

    A:株主還元の方針については、本年2月に配当方針の変更をリリースいたしました。従来は、単体で配当性向80%程度、連結で70%以上にする方針でしたが、「ミラクル経理」の立ち上げや様々な投資計画を踏まえ、配当還元をより強化できる状況になりました。そのため、当社の財政状態を考慮した上で、配当性向を引き上げる方針に変更しております。従来の80%を基本部分とし、これに毎年業績や投資計画を考慮しながら1%から10%の間で上乗せすることで、配当性向を単体利益の81%から90%になるように計画を立てました。2024年度の定時総会における配当につきましては、当社の周年記念や上場記念も重なるため、さらに10%上乗せし、最終的には単体利益の95%の配当性向で配当を実施する予定です。この記念配当は今回限りとなりますが、配当は毎期増配していく方針でございます。

  • 取材者:それではまず初めに、2025年3月期の業績についてお伺いいたします。売上高は49億7,900万円で前年比12.6%増加、営業利益は14億9,400万円で前年比81.7%増加、経常利益は14億7,800万円で前年比79.4%増加、当期純利益は10億1,400万円で前年比76.5%増加と、特に営業利益が大幅な増収増益を達成されておりますが、増加要因についてご説明いただけますか 。

     

    回答者:純粋に売上高の増加と粗利率の上昇が要因ですが、イレギュラーな要因として、2023年度に2億円ほど投資し、テレビCMを放映し、一時的なコスト増加が発生しています。その影響がなければ、今後も2025年3月期の構成が継続する見込みです。その他は粗利増につきましては、決算説明資料にも記載しましたが、ツール開発やシステム開発を社内で導入したことで生産性が向上しました。採用においては、主に中途採用をコントロールできたことが利益率向上に繋がっております。

     

    取材者:当初の計画と比較して、業績の推移は順調、想定通りと考えてよろしいでしょうか。

     

    回答者:2024年度の売上高は想定通りに推移し、利益については生産性向上を目指していましたが、実際には想定よりも早く効果が出ました。

     

    取材者:採用についても順調に従業員数が増加しているかと思いますが、前年度と比較して計画通りだったのか、その推移はいかがでしょうか。

     

    回答者:従業員数の増加は新卒採用が基本路線となっており、毎年30人前後を安定的に採用できております。2024年度については、生産性が向上したことにより、中途採用を計画よりも少なく抑えることができました。

     

    取材者:貴社における主要なKPIがございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:KPIは従業員数と解約率、その裏側の契約継続率です。決算説明資料では当社単体の契約継続率をKPIとしており、2024年度は99.81%と順調に推移しております。

     

    取材者:契約継続率は非常に高いですね。

     

    回答者:会計業務は一度ご依頼いただくと、なかなか変更しにくい側面もありますが、生産性向上と品質向上を継続的に行うことで、お客様との関係がより強固になっていると考えております。

     

    取材者:承知いたしました。その他、季節性要因や外部要因による業績への一時的な影響がございましたら教えていただけますか。

    回答者:当社の場合は、昨今の関税政策やインフレなどの経済政策的な一時的な要因は、事業環境に全く影響を及ぼしません。当社は税理士法人がルーツで、リーマンショックのような事態も乗り越えてきました。会計業界は世間の業績が悪化しても、必ず行わなければならない業務です。当社は大企業を主要クライアントとしておりますので、体力のある会社が多く、一時的な要因による影響を大きく受けることはありません。会計の外部委託の判断が変わるような影響を受けない企業ばかりですので、その点も特徴の一つです。

     

    取材者:第4四半期に売上が他の四半期に比べて伸びるのは、契約上の問題、あるいは会社の会計上の問題が大きいのでしょうか。

     

    回答者:単純に1月から3月に完了する業務が多いという傾向があります。多くの親会社が3月決算であるため、子会社やSPCなどの新規立ち上げやM&Aにおけるイベントのクロージングが1月から3月に集中する傾向があるため、毎年の傾向としてそうなっております。当社ではShort業務と呼んでいるスポット的な業務が特に1月から3月に多く、Long業務についても1月から3月に立ち上がりが増える傾向があります。

     

    取材者:2026年3月期の業績見通しについてお伺いいたします。売上高は56億1,800万円で前年比12.8%増加、営業利益は16億2,800万円で前年比8.9%増加、経常利益は16億2,900万円で前年比10.2%増加、当期純利益は11億1,300万円で前年比9.7%増加と、引き続き増収増益の業績を見込まれておりますが、見通しについて教えていただけますか 。

     

    回答者:こちらも経理にかかるソフトウェアア開発・販売を行う「ミラクル経理」の設立をリリースしておりますが、基本的にこの計画にはほとんど影響を及ぼしません。本業であるコンサルティング事業、そして教育事業、派遣紹介事業で着実に伸ばしていく計画です。基本的に当社のLong業務の積み上げであり、そのほとんどが既存クライアントの売上増を見込みで立てているため、堅実な計画であると認識しております。利益については、2024年度に粗利率がかなり上昇しましたが、引き続き生産性向上を目指しつつ、従業員への給与増加や教育体制の強化なども考慮し、利益率はある程度一定になるように組んでおります。

     

    取材者:今後、中期経営計画などを発表されるご予定はございますか。

     

    回答者:内部的には「ミラクル経理」を4月1日に立ち上げ、様々な計画を精緻化している段階にございます。中期経営計画を内部的に作成することは間違いございませんが、対外的に公表するかどうかは検討中でございます。中期経営計画の数字を作成し、それを目的とするのではなく、あくまで定性的な情報として、トップラインのイメージなどを公表することを検討している状況です。

     

    取材者:「ミラクル経理」は、まだ不透明な部分も多いですか。

     

    回答者:現在様々なプロジェクトを立ち上げ、具体的な計画を着々と立てているところでございます。

     

    取材者:「ミラクル経理」にも関連する話かと思いますが、今後M&Aや業務提携の実施、あるいは検討状況について、お答えできる範囲でお話しいただけますか。

     

    回答者:まだ具体的な話は何もないのですが、基本姿勢としては良い話があれば、当社に関係する幅広いエリアでM&Aを実施していく方向で検討しております。具体的にこのエリアでM&Aをしたいということが決まっているわけではなく、様々なエージェントやクライアントからの情報も参考に、幅広く検討している状況です。

     

    取材者:株主還元の方針について変更などございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:株主還元については、3月頃に配当方針の変更をリリースしております。従来は単体で配当性向80%、連結で70%以上にする方針でしたが、「ミラクル経理」の立ち上げや様々な投資計画を立てる中で、配当還元をより強化できるという状況になりました。そのため、当社の財政状態を踏まえた上で、配当性向を上げる方針に変更しております。従来の80%を基本部分とし、そこに毎年業績や投資計画を考慮しながら1%から10%の間で上乗せすることで、配当性向を単体利益の81%から90%になるように計画を立てました。2024年度の定時総会での配当については、当社の周年記念や上場記念もあり、さらに10%上乗せし、最終的には単体利益の95%の配当性向で配当を実施する予定です。この記念配当は今回限りですが、配当は毎期増配していく方針です。

     

    取材者:投資家からの反応はいかがですか。

     

    回答者:IPO準備初期の頃は、特にグロース市場であれば配当よりも投資を望む声も多かったのですが、安定的に必要な分だけ残して適切に配当していくという方針が、株主様にも評価されていると感じております。

     

    取材者:足元の状況について、トピックスやニュースリリースがございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:やはりトピックは「ミラクル経理」です。現在、アイディア実現・マーケットフィットのフェーズにあり、具体的な計画を着々と立てている段階でございますが、2025年10月頃を目途に外部向けサービスの提供を開始する予定です。今後、会計業界もAIで対応できる部分が広がっていくのは当然の流れであり、当社はそのAIを使いこなすコンサルティング会社として、継続的に成長していくことを最重要施策としております。それに加えて、決算説明資料の中で「ミラクル経理」の次に成長戦略として挙げているのが、当社の子会社である令和ヒューマン・ファーストです。当社が会計業務を行う中で、クライアントから給与計算もお願いしたいという要望が多く寄せられたため、子会社を設立し、社会保険労務士を雇用して細々と事業を行ってきました。しかし、今年の4月からは、派遣紹介事業に加えて、教育・スクール事業も全て令和ヒューマン・ファーストに統合し、今後は人関連コンサルティング会社として、幅広い業務を拡大していく方針です。

     

    取材者:M&Aに関しても、そういった部分がかなり関わってくるイメージですか。

     

    回答者:当社がM&Aを行う場合、人関連の事業もかなり視野に入ってまいります。M&Aは当社のコンサルティング事業はもちろん、会計事務所なども含みますが、派遣紹介、教育、スクール、そして人関連の給与計算など、幅広い領域をターゲットとしております。

     

    取材者:承知いたしました。本日はお時間いただきまして誠にありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

     

    回答者:よろしくお願いいたします。

  • 執行役員 業務管理本部 本部長 田口 英亮様

  • CP&X

     

    ビジネスモデルおよび事業内容

    令和アカウンティング・ホールディングス株式会社(東証GRT 296A)は、経理のプロフェッショナルによる高付加価値なコンサルティング事業を主軸とする企業である。上場企業やその子会社、関連会社、非上場の大企業などに対し、会計・財務に関する専門的な知識やノウハウを提供することで、企業の経営課題解決を支援している。 また、コンサルティング事業に加え、教育事業と人材派遣紹介事業も行っている。 これらの事業は、コンサルティング事業の顧客基盤を活かして展開しており、シナジー効果を生み出している。

     

    創業の経緯と転機

    会社設立は2004年、コンサルティング事業を開始したのは2007年である。J-REIT第1号を受託できたことがきっかけで、リート、SPCを始めとする不動産ファンドで規模を拡大してきた。 その後、将来的な労働人口の減少や大企業の経理支援ニーズの高まりを見越し、ファンドを契機に事業を拡大した。

     

    直近の決算状況

    今期の決算状況は、安定的に成長率目標を達成できている。 成長の要因としては、ストック型サービスのLongがメインである。 売上高は前年比で10~15%増加、経常利益率は20%以上で推移しており、順調に業績を伸ばしている。

     

    特徴と強み

    従来の会計事務所は中小企業に関わる記帳代行業務を主にしていたが、当社は大企業グループに対し、経理に関わるサービスを提供することで差別化を図っている。 強みは、長年の経験と実績に基づいたノウハウ、質の高い人材、顧客との長期的な関係構築である。 特に、不動産ファンドの分野に強みを持つ。

     

    成長戦略

    売上増加のメインは既存クライアントとの取引増加である。新規クライアント獲得においては、ファンドへの支援や会計のスポット的なコンサルティング、M&AやIPO支援といった、短期的なプロジェクトベースの業務をきっかけとして、顧客との接点を増やし、長期的な関係構築へと繋げている。

     

    株主還元策

    株主還元は、配当性向7割以上を目安としている。将来的には自己株式取得も含め株主還元策を検討していく。

     

    今期の取り組みとトピックス

    今期は、生産性向上に最も力を入れている。 既存ツールの全社展開に加え、新たなシステム開発も始めており、将来的には、このシステムを社外にも展開していきたいと考えている。 また、新規事業の開拓や海外進出なども検討しており、M&Aや事業提携なども視野に入れている。

  • Q. 貴社のビジネスモデルや事業内容について、ご説明いただけますか?

    A. 当社のビジネスモデルは、経理のプロフェッショナルによる高付加価値なコンサルティング事業を主軸としています。具体的には、上場企業やその子会社、関連会社、非上場の大企業などに対し、会計・財務に関する専門的な知識やノウハウを提供することで、企業の経営課題解決を支援しています。 また、コンサルティング事業に加え、教育事業と人材派遣紹介事業も行っています。 これらの事業は、コンサルティング事業の顧客基盤を活かして展開しており、シナジー効果を生み出しています。

     

    Q. 貴社の教育事業と人材派遣紹介事業について、詳しく教えていただけますか?

    A. 教育事業は、当社が蓄積してきたプロフェッショナルを育成するノウハウをプログラムに落とし込み、経理実務スクール・企業研修などを実施しています。教育事業と人材派遣紹介事業は、全体における売上規模としては1%にも満たない程度です。

     

    Q. コンサルティング事業のLongとShortについて、ご説明いただけますか?

    A. コンサルティング事業は、LongとShortの二つに分類されます。 Longは、ストック型のサービスとして会計支援を継続的に行うものです。 具体的には、クライアント企業の経理担当者と協力し、日々の会計処理から決算業務、連結決算、開示まで、経理部門全体の業務を包括的にサポートします。 Shortは、ファンドへの支援や会計のスポット的なコンサルティング、M&AやIPO支援などを指し、Longの付随的なものとして捉えています。

     

    Q. Longの業務内容について、具体的に教えていただけますか?

    A. Longの業務では、決算、連結、開示など専門性の高い業務を行い、不動産ファンドの分野に強みを持っています。 一方、Shortは、M&A、IPO、内部統制支援、意見書、バリエーション、デューデリジェンスなど、プロジェクトベースの業務です。

     

    Q. 貴社の強みをご説明ください。

    A. 当社の強みは、長年の経験と実績に基づいたノウハウ、質の高い人材、顧客との長期的な関係構築です。当社は大企業グループの経理部門に特化したサービスを提供することで差別化を図っています。

     

    Q. 貴社の売上成長率、利益率、KPIについて教えてください。

    A. 当社は、売上成長率を継続的に10%から15%程度で安定的に伸ばしていくことを目指しています。 経常利益率は20%以上を維持し、増益を続けていく計画です。 KPIとしては契約継続率を重要視しており、新規顧客獲得数や顧客単価なども重要なKPIです。

     

    Q. 貴社のビジネスモデルの特徴を教えてください。

    A. ビジネスモデルの特徴としては、通常のアウトソーシングとは異なり、より高度なレベルの業務をメインにしています。 相談対応、処理の影響、経営に対する報告資料の作成、会計処理の選択肢の検討、KPI設定などを含めた経営アドバイスを、会計処理と共に行っています。 コンサルティング手法の特徴としては、ひとつのクライアントから多様なニーズを同じ窓口で柔軟に対応していくため、クライアントのグループごとに担当チームを組んでいます。

     

    Q. 貴社の従業員について、詳しく教えてください。

    A. 当社は、会計士や税理士などの有資格者だけでなく、簿記の知識を持つ人材も積極的に採用しています。 採用後は、社内研修やOJTを通じて、必要な知識やスキルを習得できる体制を整えています。

     

    Q. 不動産ファンド事業について、教えてください。

    A. 不動産ファンド事業は、Jリート第1号のアウトソーシングを受託したことから始まり、リート業界では高いシェアを持っています。

     

    Q. 貴社がターゲットとするクライアントについて、教えてください。

    A. 当社は大企業グループをターゲットとしています。 当社が求めるクライアントは、一回限りの取引ではなく、長期的な関係を築き、取引を拡大できるクライアントです。

     

    Q. 貴社のビジネスの広がり方について、具体的に教えてください。

    A. 当社のビジネスの広がり方ですが、不動産ファンドから始まり、事業会社本体の経理支援等に拡大していくパターンと、事業会社本体の経理支援等の一部から始まり、業務範囲を拡大していくパターンが多いです。M&A支援などのShort業務から始まり、業務範囲を拡大していくケースなどもあります。

     

    Q. 新規のクライアント獲得について、どのようにお考えですか?

    A. 売上増加のメインは既存クライアントとの取引増加ですが、並行して新規クライアントも獲得していく必要があり、KPIの参考指標としてクライアントグループ数をモニタリングしています。 新規クライアント獲得のためには、Shortの業務をフックにすることもあります。

     

    Q. 貴社の売上における季節性について、教えてください。

    A. 過去の傾向として、第1四半期から第3四半期は同程度の水準で推移し、第4四半期が大きくなります。 これは、第4四半期にクライアントがクロージングするプロジェクトが多いからです。

     

    Q. 生産性の向上について、具体的な取り組みがあれば教えてください。

    A. 今期は、従来、個別のチームごとに作成していた効率化ツールを全社的に展開しました。 生産性向上のため、業務プロセスの標準化、ITツールの導入、従業員教育の強化など、様々な取り組みを行っています。

     

    Q. 創業の経緯について、教えてください。

    A. 当社は2007年よりコンサルティング事業を開始しています。特にリート、SPCを始めとする不動産ファンドで規模を拡大してきました。

     

    Q. 今期の決算状況について、詳しく教えてください。

    A. 今期の決算状況ですが、安定的に成長率目標を達成できています。 成長の要因としては、Longがメインです。 売上高は前年比で10%~15%増加、経常利益率は20%以上で推移しており、順調に業績を伸ばしています。

     

    Q. 契約更新の前に新たな提案をしていくような流れですか?

    A. 新しい提案は常時行っています。 Longの強みは、日々クライアントとやり取りがあるため、その中で常に新しい提案につなげられることです。 営業専門部隊は設けていません。 コンサルタント全員が顧客とのやり取りの中で、相談や提案を積極的に行っています。 契約期間は1年または複数年で、更新率は90%以上です。

     

    Q. 貴社の株主還元策について、教えてください。

    A. 株主還元は、配当性向7割以上を目安としています。 将来的には自己株式取得等も含め継続的に株主還元策について検討していきます。

     

    Q. 新卒採用について、会計士資格を持っていない方も採用して教育しているという理解でよろしいでしょうか?

    A. その通りです。 昔から資格を持たない人材を育成してきたため、新卒採用で簿記2級程度の資格を持つ人材であれば、プロフェッショナルに育成することができます。

     

    Q. 人材の採用についていかがでしょうか?

    A. 新卒採用は安定的に採用できています。 しっかりとしたフォローアップ体制と学習機会が魅力になっていると考えています。 大学への訪問や合同企業説明会への参加、インターンシップの実施など、様々な方法で採用活動を行っています。

     

    Q. 新たな取り組みや重点施策をご説明ください。

    A. トピックスとしては、生産性向上に最も力を入れています。 既存ツールの全社展開に加え、新たなシステム開発も始めています。 将来的には、このシステムを社外にも展開していきたいと考えています。 また、新規事業の開拓や海外進出なども検討しています。 M&Aや事業提携なども視野に入れています。

  • 取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    回答者: 当社のビジネスモデルは、経理のプロフェッショナルによる高付加価値なコンサルティング事業を主軸としております。具体的には、上場企業やその子会社、関連会社、非上場の大企業などに対し、会計・財務に関する専門的な知識やノウハウを提供することで、企業の経営課題解決を支援しております。また、コンサルティング事業に加え、教育事業と人材派遣紹介事業も行っております。教育事業では、経理実務の基礎的な研修から、高度な専門知識を習得するための研修まで、幅広い研修プログラムを提供しております。人材派遣紹介事業では、経理部門における人材不足の解消を目的として、即戦力となる人材を派遣しております。これらの事業は、コンサルティング事業の顧客基盤を活かして展開しており、シナジー効果を生み出しております。

    取材者: 貴社の教育事業と人材派遣紹介事業について、詳しく教えていただけますか?

    回答者: 教育事業と人材派遣紹介事業は、全体における売上規模としては1%にも満たない程度です。当社は、有価証券届出書等にも記載されている通り、2007年よりコンサルティング事業を開始しました。2021年頃から本格的に稼働しておりますが、実質的には当社の成り立ちである税理士法人の時代から30年ほど、経理・会計分野のサービスを提供し続けております。2024年3月期の売上高は約50億円で、従業員数は約300名です。

    取材者: コンサルティング事業のLongとShortについて、ご説明いただけますか?

    回答者: コンサルティング事業は、LongとShortの二つに分類されます。Longは、ストック型のサービスとして会計支援を継続的に行うものです。具体的には、クライアント企業の経理担当者と協力し、日々の会計処理から決算業務、連結決算、開示まで、経理部門全体の業務を包括的にサポートいたします。基本的に終わりが想定されないため、ストック型の売上形態となります。これがコンサルティング事業の8割以上を占めております。もう一つは、いわゆるプロジェクト型のコンサルティング業務です。ファンドへの支援や会計のスポット的なコンサルティング、M&AやIPO支援などをShortと呼んでおります。これは、Longの付随的なものとして捉えております。Short単体で売上を伸ばすというよりは、Longの業務でお付き合いのあるクライアントからニーズが発生し、それを受けるという形態です。

    取材者:Longの業務内容について、具体的に教えていただけますか?

    回答者:Longの業務では、決算、連結、開示など専門性の高い業務も行っております。また、当社の特徴として不動産ファンドの分野に強みを持っております。リートやSPC、ファンドなどを長年、第一人者的なポジションで扱ってまいりました。一方、Shortは、M&A、IPO、内部統制支援、意見書、バリエーション、デューデリジェンスなど、プロジェクトベースの業務です。

    取材者: 貴社の強み、あるいはこのビジネスが強い背景は何ですか?

    回答者: 経理業界、特に大企業をターゲットとしておりますが、従来、経理業務は企業の中核を担う重要な業務であるため、自社で担うのが主流でした。しかし、労働人口の減少や会計制度、経理分析の高度化、そして会計の信頼性に対する社会的な要請が強くなってきております。人材不足や業務の高度化から外部委託せざるを得ないということもありますが、第三者による不正や誤謬の防止、ガバナンス体制の強化が求められるようになっております。当社の強みは、長年の経験と実績に基づいたノウハウ、質の高い人材、顧客との長期的な関係構築です。会計事務所やコンサルティング会社など部分的な競合はいますが、当社は大企業の経理支援に特化して総合的なサービスを提供することで差別化を図っております。また、顧客との長期的な関係構築を重視し、顧客のニーズに合わせて柔軟に対応できる体制を整えております。

    取材者: 貴社の売上成長率、利益率、KPIについて教えてください。

    回答者: 当社は、売上成長率を継続的に10%から15%程度で安定的に伸ばしていくことを目指しております。経常利益率は20%以上を維持し、増益を続けていく計画です。KPIとしては契約継続率を重要視しております。現在のビジネスモデルはLongを中心とした安定的な拡大を重視し、Shortは付随的なものとしております。Longの業務を継続し、顧客の信頼を失わないことを最重要視しております。契約継続率は、社内では重要な指標となっております。新規顧客獲得数や顧客単価なども重要なKPIです。従業員数は売上と連動しますが、近年は生産性向上も進んでいるため、必ずしも売上と同率で従業員数を増やすとは限りません。従業員数は、生産性向上を考慮しながら安定的に増やしていく計画です。

    取材者: 貴社のビジネスモデルの特徴を教えてください。

    回答者: ビジネスモデルの特徴としては、通常のアウトソーシングとは異なる点がございます。一般的なBPOのように、最初に処理方法などを決めてあとは単純作業ということが多いわけではなく、当社はより高度なレベルの業務をメインにしております。相談対応、処理の影響、経営に対する報告資料の作成、会計処理の選択肢の検討、KPI設定などを含めた経営アドバイスを、会計処理と共に行っております。コンサルティング手法の特徴としては、クライアントのグループごとに担当チームを組んでおります。必ずしも一対一ではなく、複数のクライアントを担当しますが、通常の会計コンサルのように専門性ごとに組織を縦割りにするのではなく、チーム内で全て対応いたします。クライアントは常に同じ担当者に相談できるため、クライアントの状況を理解している担当者がスポット業務や新しい業務にも対応できることが強みです。

    取材者: 窓口が一本化するようなイメージですか?

    回答者: その通りです。窓口もそうですが、実際に作業するのも同じグループの担当者なので、プロジェクトが始まっても別のチームに変わることはございません。

    取材者: 貴社の従業員について、詳しく教えてください。

    回答者: 当社の従業員数の推移ですが、当社の成り立ちである税理士法人時代から30年ほどの間、当初は会計士や税理士の資格者だけで業務を行っておりました。20年以上前からアシスタント的な人もいましたが、当初は資格者が難しい仕事を、アシスタントが単純な仕事をするのが当たり前でした。しかし当社は、資格者でなくても同等の仕事ができるよう教育体制をいち早く整備いたしました。今では、全員が簿記2級程度の資格を持ち、数年で会計士と同等の仕事ができる教育体制を強みとしております。その結果、安定的に従業員数を増やし、新卒採用で人材を増やせるようになっております。当社は、会計士や税理士などの有資格者だけでなく、簿記の知識を持つ人材も積極的に採用しております。採用後は、社内研修やOJTを通じて、必要な知識やスキルを習得できる体制を整えております。

    取材者: 不動産ファンド事業について、教えてください。

    回答者: 不動産ファンドの話ですが、最初は当社の成り立ちである税理士法人のときに、Jリート第1号のアウトソーシングを受託いたしました。そこからリート業界では、現在では当社と信託銀行3社ほどでほとんどの会計事務を担っております。Jリート業界では高いシェアを持っておりますが、今後の当社の成長を支える理由として、リートやSPC、不動産ファンドは金融業界、不動産業界、建築業界、インフラ関係など、日本を代表する企業が集まる業界であり、そこでいち早く大企業の信頼を得ることができたことが挙げられます。さらに、不動産ファンドだけでなく、付き合いのある不動産ファンドをきっかけとして親会社本体の経理部にも進出し、取引を拡大してまいりました。結果的に、既に多くの大企業の中枢に当社がパートナーとして関わるようになり、大企業の経営会計コンサルタントとして認知されております。現在では、業種を問わずあらゆる業界に展開しております。

    取材者: 貴社がターゲットとするクライアントについて、教えてください。

    回答者: 当社は大企業グループをターゲットとしておりますが、大企業の定義は中小企業基本法における中小企業に該当しないものとしております。当社が求めるクライアントは、一回限りの取引ではなく、長期的な関係を築き、取引を拡大できるクライアントです。不動産ファンド市場は今後も拡大が見込まれており、当社は市場の拡大に合わせて事業を拡大していく計画です。

    取材者: 貴社のビジネスの広がり方について、具体的に教えてください。

    回答者: 当社のビジネスの広がり方ですが、まず不動産ファンドから始まるパターンと、事業会社本体の一部業務支援から始まることが多いです。不動産ファンドから始まるパターンについて具体的には、リートやSPCの業務を受託し、それ自体が増えることで売上も増加しますが、その後、事業会社本体にも進出していきます。連結決算や子会社、関連会社の業務、さらには派遣、教育・研修など、コンサルティング事業の付随的なサービスを提供していくのが典型的な流れです。また、最初はスポット業務から始まり、徐々に経理業務の支援、開示、連結、IPO支援、M&Aなど、クライアントとの取引が広がっていくケースもございます。

    取材者: 新規のクライアント獲得について、どのようにお考えですか?

    回答者: 売上増加のメインは既存クライアントとの取引増加です。並行して新規クライアントも獲得していく必要があり、KPIの参考指標としてクライアントグループ数をモニタリングしております。売上は、既存クライアントの上位クライアントでの伸びが大部分を占めるため、クライアントグループ数を追うことは、多種多様なクライアントを獲得していくという意味合いを持ちます。最初は200万円、300万円といった小さな金額から取引が始まり、徐々に認知され、必要性に応じて業務範囲が広がり、子会社や関連会社も増えていき、大きなクライアントでは1億円規模の取引に拡大していきます。新規クライアント獲得のためには、Shortの業務をフックすることもあります。会計コンサルティング業務は、会社の統合などが多くなっているため、件数がかなり多く、顧客からの紹介だけでも多くの案件が来るようになっております。既存クライアントに大企業が多いことから、人材の流動性も高く、転職した人が紹介してくれたり、新たにアウトソーシングやコンサルを検討している企業から問い合わせてくることも多くなっております。派遣や教育をフックにすることもございます。例えば、会計制度が複雑化しているため、リース会計基準の研修を依頼されるなど、今まで取引のなかったクライアントから教育事業でニーズが発生することがございます。人材派遣紹介事業では、会計コンサルティング業務と比べて単価は低いですが、単純な人材補充のニーズを持つクライアントもいるため、派遣をフックにすることも可能です。新規顧客獲得のため、セミナーやイベントの開催、ウェブサイトやソーシャルメディアの活用、専門家との連携など、様々な戦略を展開しております。

    取材者: 貴社の売上における季節性について、教えてください。

    回答者: 当社のクライアントは決算期がばらけていることもあり、季節性は大きくありません。過去の傾向として、第1四半期から第3四半期は同程度の水準で推移し、第4四半期が比較的大きくなります。これは、M&Aや新たな会社やファンドの立ち上げなど第4四半期にクライアントがクロージングするプロジェクトが多いからです。

    取材者: 生産性の向上について、具体的な取り組みがあれば教えてください。

    回答者: 今期は、従来、個別のチームごとに作成していた効率化ツールを全社的に展開いたしました。個別に作成していたものを集約し、全社展開できるものが多かったため、社内で一般化いたしました。生産性向上のため、業務プロセスの標準化、ITツールの導入、従業員教育の強化など、様々な取り組みを行っております。

    取材者: 創業の経緯について、教えてください。

    回答者: 創業は平成元年にさかのぼります。創業者の須貝が個人事務所を立ち上げたのが始まりです。第1号リートを受託できたことがきっかけで、リート、SPCを始めとする不動産ファンドを契機に規模を拡大してまいりました。その後、将来的な労働人口の減少や大企業の経理支援ニーズの高まりを見越し、さらに大企業の経理支援に関わる事業を拡大いたしました。大企業の経理を安定的に支えるには、それなりの規模が必要となるため、中小の会計事務所とは一線を画し、大企業の支援に特化してまいりました。創業者のビジョンは、「大企業の経理部門を支援することで、企業の成長に貢献したい」というものでした。

    取材者: 今期の決算状況について、詳しく教えてください。

    回答者: 今期の決算状況ですが、安定的に成長率目標を達成できております。成長の要因としては、Longがメインです。Longを中心に伸ばし、Shortはそこから派生的に発生するという形です。比率としては、Longが8割強、Shortが2割弱です。売上高は前年比で10%~15%増加、経常利益率は20%以上で推移しており、順調に業績を伸ばしております。

    取材者: 契約更新の前に新たな提案をしていくような流れですか?

    回答者: 新しい提案は常時行っております。Longの強みは、日々クライアントとやり取りがあるため、その中で常に新しい提案につなげられることです。営業専門部隊は設けておりません。コンサルタント全員が顧客とのやり取りの中で、相談や提案を積極的に行っております。契約期間は1年または複数年で、更新率は90%以上です。

    取材者: 貴社の株主還元策について、教えてください。

    回答者: 株主還元は、配当性向7割以上を目安としております。将来的には自己株式取得等も含め継続的に株主還元策について検討していきます。

    取材者: 新卒採用について、会計士資格を持っていない方も採用して教育しているという理解でよろしいですか?

    回答者: その通りです。昔から資格を持たない人材を育成してきたため、新卒採用で簿記2級程度の資格を持つ人材であれば、プロフェッショナルに育成することができます。

    取材者: 人材の採用について、貴社はいかがでしょうか?

    回答者: 新卒採用は安定的に採用できております。しっかりとしたフォローアップ体制と学習機会が魅力になっていると考えております。大学への訪問や合同企業説明会への参加、インターンシップの実施など、様々な方法で採用活動を行っております。

    取材者: 今期、新たに取り組まれていることや、業績に関連するトピックスがあれば教えてください。

    回答者: トピックスとしては、生産性向上に最も力を入れております。既存ツールの全社展開に加え、新たなシステム開発も始めております。将来的には、このシステムを社外にも展開していきたいと考えております。また、新規事業の開拓や海外進出なども検討しております。M&Aや事業提携なども視野に入れております。

  • 取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    回答者: 当社のビジネスモデルは、経理のプロフェッショナルによる高付加価値なコンサルティング事業を主軸としております。具体的には、上場企業やその子会社、関連会社、非上場の大企業などに対し、会計・財務に関する専門的な知識やノウハウを提供することで、企業の経営課題解決を支援しております。また、コンサルティング事業に加え、教育事業と人材派遣紹介事業も行っております。教育事業では、経理実務の基礎的な研修から、高度な専門知識を習得するための研修まで、幅広い研修プログラムを提供しております。人材派遣紹介事業では、経理部門における人材不足の解消を目的として、即戦力となる人材を派遣しております。これらの事業は、コンサルティング事業の顧客基盤を活かして展開しており、シナジー効果を生み出しております。

    取材者: 貴社の教育事業と人材派遣紹介事業について、詳しく教えていただけますか?

    回答者: 教育事業と人材派遣紹介事業は、全体における売上規模としては1%にも満たない程度です。当社は、有価証券届出書等にも記載されている通り、2007年よりコンサルティング事業を開始しました。2021年頃から本格的に稼働しておりますが、実質的には当社の成り立ちである税理士法人の時代から30年ほど、経理・会計分野のサービスを提供し続けております。2024年3月期の売上高は約50億円で、従業員数は約300名です。

    取材者: コンサルティング事業のLongとShortについて、ご説明いただけますか?

    回答者: コンサルティング事業は、LongとShortの二つに分類されます。Longは、ストック型のサービスとして会計支援を継続的に行うものです。具体的には、クライアント企業の経理担当者と協力し、日々の会計処理から決算業務、連結決算、開示まで、経理部門全体の業務を包括的にサポートいたします。基本的に終わりが想定されないため、ストック型の売上形態となります。これがコンサルティング事業の8割以上を占めております。もう一つは、いわゆるプロジェクト型のコンサルティング業務です。ファンドへの支援や会計のスポット的なコンサルティング、M&AやIPO支援などをShortと呼んでおります。これは、Longの付随的なものとして捉えております。Short単体で売上を伸ばすというよりは、Longの業務でお付き合いのあるクライアントからニーズが発生し、それを受けるという形態です。

    取材者:Longの業務内容について、具体的に教えていただけますか?

    回答者:Longの業務では、決算、連結、開示など専門性の高い業務も行っております。また、当社の特徴として不動産ファンドの分野に強みを持っております。リートやSPC、ファンドなどを長年、第一人者的なポジションで扱ってまいりました。一方、Shortは、M&A、IPO、内部統制支援、意見書、バリエーション、デューデリジェンスなど、プロジェクトベースの業務です。

    取材者: 貴社の強み、あるいはこのビジネスが強い背景は何ですか?

    回答者: 経理業界、特に大企業をターゲットとしておりますが、従来、経理業務は企業の中核を担う重要な業務であるため、自社で担うのが主流でした。しかし、労働人口の減少や会計制度、経理分析の高度化、そして会計の信頼性に対する社会的な要請が強くなってきております。人材不足や業務の高度化から外部委託せざるを得ないということもありますが、第三者による不正や誤謬の防止、ガバナンス体制の強化が求められるようになっております。当社の強みは、長年の経験と実績に基づいたノウハウ、質の高い人材、顧客との長期的な関係構築です。会計事務所やコンサルティング会社など部分的な競合はいますが、当社は大企業の経理支援に特化して総合的なサービスを提供することで差別化を図っております。また、顧客との長期的な関係構築を重視し、顧客のニーズに合わせて柔軟に対応できる体制を整えております。

    取材者: 貴社の売上成長率、利益率、KPIについて教えてください。

    回答者: 当社は、売上成長率を継続的に10%から15%程度で安定的に伸ばしていくことを目指しております。経常利益率は20%以上を維持し、増益を続けていく計画です。KPIとしては契約継続率を重要視しております。現在のビジネスモデルはLongを中心とした安定的な拡大を重視し、Shortは付随的なものとしております。Longの業務を継続し、顧客の信頼を失わないことを最重要視しております。契約継続率は、社内では重要な指標となっております。新規顧客獲得数や顧客単価なども重要なKPIです。従業員数は売上と連動しますが、近年は生産性向上も進んでいるため、必ずしも売上と同率で従業員数を増やすとは限りません。従業員数は、生産性向上を考慮しながら安定的に増やしていく計画です。

    取材者: 貴社のビジネスモデルの特徴を教えてください。

    回答者: ビジネスモデルの特徴としては、通常のアウトソーシングとは異なる点がございます。一般的なBPOのように、最初に処理方法などを決めてあとは単純作業ということが多いわけではなく、当社はより高度なレベルの業務をメインにしております。相談対応、処理の影響、経営に対する報告資料の作成、会計処理の選択肢の検討、KPI設定などを含めた経営アドバイスを、会計処理と共に行っております。コンサルティング手法の特徴としては、クライアントのグループごとに担当チームを組んでおります。必ずしも一対一ではなく、複数のクライアントを担当しますが、通常の会計コンサルのように専門性ごとに組織を縦割りにするのではなく、チーム内で全て対応いたします。クライアントは常に同じ担当者に相談できるため、クライアントの状況を理解している担当者がスポット業務や新しい業務にも対応できることが強みです。

    取材者: 窓口が一本化するようなイメージですか?

    回答者: その通りです。窓口もそうですが、実際に作業するのも同じグループの担当者なので、プロジェクトが始まっても別のチームに変わることはございません。

    取材者: 貴社の従業員について、詳しく教えてください。

    回答者: 当社の従業員数の推移ですが、当社の成り立ちである税理士法人時代から30年ほどの間、当初は会計士や税理士の資格者だけで業務を行っておりました。20年以上前からアシスタント的な人もいましたが、当初は資格者が難しい仕事を、アシスタントが単純な仕事をするのが当たり前でした。しかし当社は、資格者でなくても同等の仕事ができるよう教育体制をいち早く整備いたしました。今では、全員が簿記2級程度の資格を持ち、数年で会計士と同等の仕事ができる教育体制を強みとしております。その結果、安定的に従業員数を増やし、新卒採用で人材を増やせるようになっております。当社は、会計士や税理士などの有資格者だけでなく、簿記の知識を持つ人材も積極的に採用しております。採用後は、社内研修やOJTを通じて、必要な知識やスキルを習得できる体制を整えております。

    取材者: 不動産ファンド事業について、教えてください。

    回答者: 不動産ファンドの話ですが、最初は当社の成り立ちである税理士法人のときに、Jリート第1号のアウトソーシングを受託いたしました。そこからリート業界では、現在では当社と信託銀行3社ほどでほとんどの会計事務を担っております。Jリート業界では高いシェアを持っておりますが、今後の当社の成長を支える理由として、リートやSPC、不動産ファンドは金融業界、不動産業界、建築業界、インフラ関係など、日本を代表する企業が集まる業界であり、そこでいち早く大企業の信頼を得ることができたことが挙げられます。さらに、不動産ファンドだけでなく、付き合いのある不動産ファンドをきっかけとして親会社本体の経理部にも進出し、取引を拡大してまいりました。結果的に、既に多くの大企業の中枢に当社がパートナーとして関わるようになり、大企業の経営会計コンサルタントとして認知されております。現在では、業種を問わずあらゆる業界に展開しております。

    取材者: 貴社がターゲットとするクライアントについて、教えてください。

    回答者: 当社は大企業グループをターゲットとしておりますが、大企業の定義は中小企業基本法における中小企業に該当しないものとしております。当社が求めるクライアントは、一回限りの取引ではなく、長期的な関係を築き、取引を拡大できるクライアントです。不動産ファンド市場は今後も拡大が見込まれており、当社は市場の拡大に合わせて事業を拡大していく計画です。

    取材者: 貴社のビジネスの広がり方について、具体的に教えてください。

    回答者: 当社のビジネスの広がり方ですが、まず不動産ファンドから始まるパターンと、事業会社本体の一部業務支援から始まることが多いです。不動産ファンドから始まるパターンについて具体的には、リートやSPCの業務を受託し、それ自体が増えることで売上も増加しますが、その後、事業会社本体にも進出していきます。連結決算や子会社、関連会社の業務、さらには派遣、教育・研修など、コンサルティング事業の付随的なサービスを提供していくのが典型的な流れです。また、最初はスポット業務から始まり、徐々に経理業務の支援、開示、連結、IPO支援、M&Aなど、クライアントとの取引が広がっていくケースもございます。

    取材者: 新規のクライアント獲得について、どのようにお考えですか?

    回答者: 売上増加のメインは既存クライアントとの取引増加です。並行して新規クライアントも獲得していく必要があり、KPIの参考指標としてクライアントグループ数をモニタリングしております。売上は、既存クライアントの上位クライアントでの伸びが大部分を占めるため、クライアントグループ数を追うことは、多種多様なクライアントを獲得していくという意味合いを持ちます。最初は200万円、300万円といった小さな金額から取引が始まり、徐々に認知され、必要性に応じて業務範囲が広がり、子会社や関連会社も増えていき、大きなクライアントでは1億円規模の取引に拡大していきます。新規クライアント獲得のためには、Shortの業務をフックすることもあります。会計コンサルティング業務は、会社の統合などが多くなっているため、件数がかなり多く、顧客からの紹介だけでも多くの案件が来るようになっております。既存クライアントに大企業が多いことから、人材の流動性も高く、転職した人が紹介してくれたり、新たにアウトソーシングやコンサルを検討している企業から問い合わせてくることも多くなっております。派遣や教育をフックにすることもございます。例えば、会計制度が複雑化しているため、リース会計基準の研修を依頼されるなど、今まで取引のなかったクライアントから教育事業でニーズが発生することがございます。人材派遣紹介事業では、会計コンサルティング業務と比べて単価は低いですが、単純な人材補充のニーズを持つクライアントもいるため、派遣をフックにすることも可能です。新規顧客獲得のため、セミナーやイベントの開催、ウェブサイトやソーシャルメディアの活用、専門家との連携など、様々な戦略を展開しております。

    取材者: 貴社の売上における季節性について、教えてください。

    回答者: 当社のクライアントは決算期がばらけていることもあり、季節性は大きくありません。過去の傾向として、第1四半期から第3四半期は同程度の水準で推移し、第4四半期が比較的大きくなります。これは、M&Aや新たな会社やファンドの立ち上げなど第4四半期にクライアントがクロージングするプロジェクトが多いからです。

    取材者: 生産性の向上について、具体的な取り組みがあれば教えてください。

    回答者: 今期は、従来、個別のチームごとに作成していた効率化ツールを全社的に展開いたしました。個別に作成していたものを集約し、全社展開できるものが多かったため、社内で一般化いたしました。生産性向上のため、業務プロセスの標準化、ITツールの導入、従業員教育の強化など、様々な取り組みを行っております。

    取材者: 創業の経緯について、教えてください。

    回答者: 創業は平成元年にさかのぼります。創業者の須貝が個人事務所を立ち上げたのが始まりです。第1号リートを受託できたことがきっかけで、リート、SPCを始めとする不動産ファンドを契機に規模を拡大してまいりました。その後、将来的な労働人口の減少や大企業の経理支援ニーズの高まりを見越し、さらに大企業の経理支援に関わる事業を拡大いたしました。大企業の経理を安定的に支えるには、それなりの規模が必要となるため、中小の会計事務所とは一線を画し、大企業の支援に特化してまいりました。創業者のビジョンは、「大企業の経理部門を支援することで、企業の成長に貢献したい」というものでした。

    取材者: 今期の決算状況について、詳しく教えてください。

    回答者: 今期の決算状況ですが、安定的に成長率目標を達成できております。成長の要因としては、Longがメインです。Longを中心に伸ばし、Shortはそこから派生的に発生するという形です。比率としては、Longが8割強、Shortが2割弱です。売上高は前年比で10%~15%増加、経常利益率は20%以上で推移しており、順調に業績を伸ばしております。

    取材者: 契約更新の前に新たな提案をしていくような流れですか?

    回答者: 新しい提案は常時行っております。Longの強みは、日々クライアントとやり取りがあるため、その中で常に新しい提案につなげられることです。営業専門部隊は設けておりません。コンサルタント全員が顧客とのやり取りの中で、相談や提案を積極的に行っております。契約期間は1年または複数年で、更新率は90%以上です。

    取材者: 貴社の株主還元策について、教えてください。

    回答者: 株主還元は、配当性向7割以上を目安としております。将来的には自己株式取得等も含め継続的に株主還元策について検討していきます。

    取材者: 新卒採用について、会計士資格を持っていない方も採用して教育しているという理解でよろしいですか?

    回答者: その通りです。昔から資格を持たない人材を育成してきたため、新卒採用で簿記2級程度の資格を持つ人材であれば、プロフェッショナルに育成することができます。

    取材者: 人材の採用について、貴社はいかがでしょうか?

    回答者: 新卒採用は安定的に採用できております。しっかりとしたフォローアップ体制と学習機会が魅力になっていると考えております。大学への訪問や合同企業説明会への参加、インターンシップの実施など、様々な方法で採用活動を行っております。

    取材者: 今期、新たに取り組まれていることや、業績に関連するトピックスがあれば教えてください。

    回答者: トピックスとしては、生産性向上に最も力を入れております。既存ツールの全社展開に加え、新たなシステム開発も始めております。将来的には、このシステムを社外にも展開していきたいと考えております。また、新規事業の開拓や海外進出なども検討しております。M&Aや事業提携なども視野に入れております。

  • 決算説明資料(2025年3月期決算発表は2025年4月23日を予定)

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