
佐藤食品工業(株)
東証STD 2814
決算:3月末日
20241129
Q:貴社のビジネスモデルについて、他社と比べたときの特徴や強みも踏まえ、ご説明いただけますでしょうか?
A: 当社は、食品の原料メーカーとして、スーパーで販売されている食品の原料となる粉末製品を食品メーカーに販売しています。 具体的には、天然調味料(鰹節、昆布、椎茸など)、お茶(緑茶、ほうじ茶、紅茶など)、果物および野菜(リンゴ、イチゴなど)、そして当社独自の粉末酒(日本酒、ブランデー、ワインなど)を取り扱っています。 これらの粉末製品を、食品メーカー、飲料メーカー、製菓メーカーなど、様々な食品メーカーに提供しています。 強みは、独自の粉末化技術により、味や香りを損なうことなく、様々な食品を粉末化できることです。 また、顧客のニーズに応じた製品開発にも力を入れており、近年では、香料を添加した粉末や、ベースアップの味のパウダーなど、新しい製品を投入しています。
Q:貴社が自ら顧客に対して販売する、いわゆるBtoCのような形で販売することは行っていないのでしょうか?
A: はい。基本的にはBtoBです。 最近、他社のECサイトを活用して、製菓原料の販売を開始しましたが、その取扱量はごくわずかです。
Q:BtoBですと、食品メーカーに卸されている粉末製品は、そのままの形で販売されるのでしょうか?それとも、加工されてから販売されるのでしょうか?
A: 製品によって異なります。 お茶の粉末の場合は、お客様の工場で抹茶などと混合して味を調えた後、販売されることが多いです。 一方、天然調味料の場合は、お客様の味付けの材料として使用されることが多く、そのままの形で販売されることはあまりありません。 例えば、インスタントラーメンのスープの素は、醤油や鰹節などの粉末が混合されてできています。 当社はスープの素を作るのではなく、スープの素の原料となる鰹節や醤油の粉末など、味付けの部品を製造しています。
Q:植物、果物、お酒の粉末の用途についてご説明ください。
A: 植物、果物、お酒の粉末も、味付けに加えていただくという形になります。 そのため、そのままの形で販売されることは少なく、溶解または混合して使用されます。
Q:お酒の粉末は、主に菓子などに使用されるのでしょうか?
A: はい。その通りです。 粉末酒は、製菓メーカーで使用されることが多いです。 例として、お酒が入っているチョコレートとしてウイスキーボンボンが挙げられますが、ウイスキーボンボンは液体のお酒とチョコレートの両方を楽しむ商品です。 一方で、液体のお酒ではなく粉末状で添加したいという製菓メーカー様などに使用されています。 粉末酒を使用することで、チョコレートを薄くすることなく、お酒の風味を加えることができます。 これは、粉末酒が水分を含まないためです。 同じように、クリームにラム酒の粉末を加えることもできます。 液体状のラム酒を加えるとクリームが緩くなってしまいますが、粉末状であればその心配はありません。
Q:粉末酒の欠点は何でしょうか?
A: 粉末酒の欠点は、アルコール分を含んでいるため、喫食される方の対象や、場所、時間帯などが制限されてしまうという点です。
Q:時間帯による制限とは、具体的にどのようなものでしょうか?
A: お酒の入った菓子を、昼間から気軽に喫食できるかと言うと、そうではないと考えます。 オフィスで休憩時間に気軽に喫食できるかと言うと、少し抵抗があるかと思います。 どちらかと言うと、夜、自宅でゆっくりとしたいときに喫食したいという方が多いのではないでしょうか。
Q:お酒の粉末にも、アルコール分が残っているのでしょうか?
A: はい。粉末状でも、アルコール度数は約30%になります。 焼酎のボトルを開けて匂いを嗅いだ時のようなアルコール感があります。
Q:貴社以外では行われていないという点で、高度な技術が必要なのでしょうか?
A: お酒を粉末にする技術は、当社しか保有していません。 お酒の製造免許の中で、粉末酒の製造免許というのが確立されていて、当社しかまだ取得していません。 ただ、使用用途が今のところ少ないため、当社だけなのかもしれません。 当社の粉末化技術は、味や香りを粉末の中に閉じ込めることができます。 そのため、お客様からは「香りが強い」「味が強い」といった評価をいただいています。
Q:創業の経緯についてご説明ください。
A: 創業者は、1950年頃に当社を創業しました。 きっかけは、東海地区独自の醤油である「白しょうゆ」です。 白しょうゆは、通常の醤油とは異なり、琥珀色をしています。 白しょうゆを作るには、熟成期間を設けないと旨味が十分に引き出されません。 それを、酵素反応を利用することで、短期間で製造できるのではないかと考えました。 そして、実際に試してみたところ、うまくいったのです。 旨味も十分にあり、短期間で同じ味、もしくはそれ以上の旨味のある白しょうゆを作ることができました。 これが当社の始まりです。 その後、白しょうゆの製造販売をしていく中で、インスタントラーメンブームが起こり、醤油を粉末にできないかという要望が出てきました。 そこで、粉末化の研究を始めました。 そして、アルコールの粉末化に成功した技術を応用し、醤油の粉末化にも成功しました。 そこから、醤油の粉末メーカーとして、インスタントラーメン業界などから、様々なものを粉末にできないかという要望をいただくようになりました。 鰹節、昆布、椎茸といった出汁から始まり、味噌など、様々なものを粉末化していくようになりました。 そして、インスタントラーメンブームもあり、少しずつ規模も大きくなっていきました。 ある程度事業が進んでくると、他社も同じように粉末化事業を行うようになりました。 そこで、創業者は「次は何か面白いことをやりたい」と考え、緑茶のエキス、緑茶の粉末の開発を始めました。 当時は、緑茶を粉末にすることは不可能だと言われていました。 しかし、創業者は諦めずに研究を続け、ついに成功しました。 急須で入れるよりも簡単なインスタントのお茶ができたのです。 これはとても便利だと、多くのメーカーに評価されました。 今では、オフィスや公民館などに設置されている給茶機で、当社の緑茶の粉末が使われています。 緑茶の粉末も同業他社が参入してきたので、次に取り組んだのが果物や野菜のパウダーです。 果物や野菜には収穫時期や旬の時期があるため、年中いつでもフレッシュなものが使えるように、という目的で開発しました。 食品素材を粉末化した商品を多く開発してきましたが、最近始めたのが、「呈味力(ていみりょく)」という、味を底上げさせる粉末です。
Q:呈味力(ていみりょく)とは、どのようなものでしょうか?
A: 「呈味力(ていみりょく)」は、そのままでは美味しくないものの、料理に加えることで、コクや深みが増す粉末です。
Q:呈味力(ていみりょく)は、どのような料理に使用するのでしょうか?
A: 鶏レバーパウダーは、シチューやラーメンに加えるとコクが増します。 鮭パウダーは、味噌汁やパスタに加えると、旨味がアップします。 エビみそパウダーは、鍋や炒め物に加えると、風味が豊かになります。
Q:呈味力(ていみりょく)は、主に食品メーカーに販売するのでしょうか?それとも、飲食店に販売するのでしょうか?
A: どちらかと言うと、食品メーカーに販売することが多いです。
Q:他に新しい商品はございますか?
A: 最近、香料を添加した粉末の販売を開始しました。 桃やシャインマスカットなどの粉末に、香料を添加することで、より香りが強くなりました。 まだ販売開始したばかりですが、徐々に評価をいただいています。
Q:香料を添加することで、化学的な匂いがつきにくくなるということがあるのでしょうか?
A: はい。原料の中に香料を適切に添加することで、化学的な匂いを抑えることができています。
Q:貴社の今期の足元の決算状況として、第2クォーター時点での売上高増加要因について教えてください。
A: 売上高増加の要因としては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復が挙げられます。 当社は、コロナの影響で大きな打撃を受けました。 特に、お茶の販売は、オフィス需要などが減少したため、大きく落ち込みました。 しかし、調味料の販売は、巣ごもり需要などにより、堅調に推移しました。 第2クォーターでは、お茶の販売が回復傾向にあります。 また、調味料の販売も、外食産業の回復などにより増加しています。 しかし、コロナ前の水準にはまだ戻りきっていません。 さらなる努力が必要です。
Q:利益面についてはいかがでしょうか?
A: 利益面については、依然として厳しい状況が続いています。 原材料価格の高騰や、エネルギーコストの上昇などが影響しています。 特に、エネルギーコストの上昇は、当社にとって大きな負担となっています。
Q:エネルギーコストの上昇が大きな負担となっている理由は何でしょうか?
A: 当社は、粉末を製造する際に、大量のエネルギーを消費します。 そのため、エネルギーコストの上昇は、利益を圧迫する要因となっています。
Q:設備投資については、どのようなお考えをお持ちでしょうか?
A: 当社には、3つの工場があります。 その中で、最も古い工場である本社工場は、昭和40年頃から稼働しており、老朽化が進んでいます。 そのため、近い将来、リプレースが必要になると考えています。 その他にも、定期的に交換が必要な設備があります。 事業に影響がない範囲で、順次交換を進めていく予定です。
Q:中長期的な取り組みとして、業務改善や生産性向上を挙げられていますが、具体的な取り組みはありますか?
A: はい。業務改善と生産性向上は、重要な取り組みと考えています。 具体的には、製造工程の改善および品質管理の強化などを進めています。
Q:製造工程の改善とは、具体的にどのようなことを行うのでしょうか?
A: 例えば、製造工程の標準化および自動化などを進めています。 また、品質管理の強化として、原料の検査体制の強化および製造工程における品質チェックの徹底などを図っています。
Q:株主還元については、どのような方針をお持ちでしょうか?
A: 株主還元については、配当などを適切に行っていく方針です。 当社は、利益が大きくないため、配当性向などを明確に定めていません。 しかし、株主への還元は重要な経営課題と考えており、状況に応じて適切な配当を行っていく予定です。
取材者: 貴社のビジネスモデルについて、他社と比べたときの特徴や強みも踏まえまして、ご説明をお願いできますでしょうか?
回答者: 当社は、食品の原料メーカーです。スーパーで売っている食品の原料として、粉末製品を食品メーカーに販売しています。具体的には、天然調味料(鰹節、昆布、椎茸など)、お茶(緑茶、ほうじ茶、紅茶など)、果物やお野菜(リンゴ、イチゴなど)、そして当社独自の粉末酒(日本酒、ブランデー、ワインなど)を取り扱っています。これらの粉末製品を、食品メーカー、飲料メーカー、製菓メーカーなど、様々な食品メーカーに提供しています。
取材者: 貴社が自ら顧客に対して販売する、いわゆるBtoCのような形で販売することはしていないということでしょうか?
回答者: はい。基本的にはBtoBです。最近、他社のECサイトを活用して、製菓原料を販売するようになりました。しかし、その取扱量はごくわずかです。
取材者: BtoBですと、食品メーカーに卸されている粉末製品は、そのままの形で販売されるのでしょうか?それとも、加工されてから販売されるのでしょうか?
回答者: それは、製品によって異なります。お茶の粉末の場合は、お客様の工場で抹茶など他のものと混ぜて味を調えたあと販売されることが多いです。一方で、天然調味料の場合は、お客様の味付けの材料として使用されることが多く、そのままの形で販売されることはあまりありません。例えば、インスタントラーメンのスープをイメージしていただくとわかりやすいと思います。インスタントラーメンのスープの素は、醤油や鰹節などの粉末が混ぜ合わさってできています。当社はスープの素を作るのではなく、スープの素の原料となる鰹節や醤油の粉末など、味付けの部品を製造しています。お客様は、それぞれの味に合わせて、当社の粉末製品を添加し、スープの味を作っているのです。
取材者: 植物や果物、お酒の粉末についても教えてください。
回答者: 植物や果物、お酒の粉末も、味付けに加えていただくという形になります。そのため、そのままの形で販売されることは少なく、溶かしたり混ぜたりして使用されます。
取材者: お酒の粉末というのは、お菓子などに使われることが多いのでしょうか?
回答者: はい。その通りです。粉末酒は、製菓メーカーで使用いただく事が多いです。例えば、お酒が入っているチョコレートといえばウイスキーボンボンが思いつくと思います。ウイスキーボンボンは液体のお酒もチョコレートも楽しめる商品ですが、液体のお酒はチョコレートに入れずにお酒を添加したいという製菓メーカー様などで使用頂いております。
粉末酒を使用することで、チョコレートを薄くすることなく、お酒の風味を加えることができます。これは、粉末酒が水分を含まないためです。同じように、クリームにラム酒の粉末を入れることもできます。液体状のラム酒を入れるとクリームが緩くなってしまいますが、粉末状であればその心配はありません。
取材者: 粉末酒の欠点は何でしょうか?
回答者: 粉末酒の欠点としては、アルコール分を含んでいるため食べていただく方の対象や、場所、時間帯などがどうしても制約されてしまうという点があります。
取材者: 時間帯による制限というのは、どういうことでしょうか?
回答者: やはり、お酒の入ったお菓子を、お昼間から気軽に食べられるかというと、そうではないと思います。オフィスで気軽に休憩時間に食べられるかというと、少し食べにくいと思います。どちらかというと、夜、自宅でゆっくりするときに食べたいという方が多いのではないでしょうか。
取材者: お酒の粉末にも、アルコール分が残っているということでしょうか?
回答者: はい。粉末状で、アルコール度数は約30%になります。焼酎のボトルを開けて匂いを嗅いだ時のようなアルコール感があります。
取材者: 貴社しか行っていないという点で、高度な技術が必要なのでしょうか?
回答者: お酒を粉末にする技術は、当社しか持っていません。お酒の製造免許の中で、粉末酒の製造免許というのが確立されていて、当社しかまだ取得していません。ただ、使用用途が今のところ少ないので当社だけなのかもしれません。
当社は、もともと醤油のメーカーでした。醤油を粉末にしてほしいという依頼があり、試行錯誤を重ねる中で、たまたまアルコールを粉末にすることができました。その技術を応用して、様々なものを粉末にしています。
当社の粉末化技術は、味や香りを粉末の中に閉じ込めることができます。そのため、お客様からは「香りが強い」「味が強い」といった評価をいただいています。
取材者: 創業の経緯などについてご説明ください。
回答者: 創業者は、1950年頃に当社を始めました。きっかけは、東海地区独自の醤油である「白しょうゆ」です。白しょうゆは、通常の色とは異なり、琥珀色をしています。
白しょうゆを作るには、熟成期間を設けないと旨味がしっかりと出てきません。それを、酵素反応を利用することで、短期間で製造できるのではないかと考えました。そして、実際に試してみたところ、うまくいったのです。旨味も十分にあり、短期間で同じ味、もしくはそれ以上の旨味のある白しょうゆを作ることができました。これが、当社の始まりです。
その後、白しょうゆの製造販売をしていく中で、インスタントラーメンブームが起こりました。そして、醤油を粉末にできないかという要望が出てきたのです。そこで、粉末化の研究を始めました。そして、アルコールの粉末化に成功した技術を応用し、醤油の粉末化にも成功しました。
そこから、醤油の粉末メーカーとして、インスタントラーメン業界などから、様々なものを粉末にできないかという要望をいただくようになりました。鰹節、昆布、椎茸といった出汁から始まり、味噌など、様々なものを粉末化していくようになりました。そして、インスタントラーメンブームもあり、少しずつ規模も大きくなっていきました。
ある程度事業が進んでくると、他社も同じように粉末化事業を行うようになりました。そこで、創業者は「次は何か面白いことをやりたい」と考え、緑茶のエキス、緑茶の粉末の開発を始めました。
当時は、緑茶を粉末にすることは不可能だと言われていました。しかし、創業者は諦めずに研究を続け、ついに成功しました。急須で入れるよりも簡単なインスタントのお茶ができたのです。これはとても便利だと、多くのメーカーに評価されました。今では、オフィスや公民館などに設置されている給茶機で、当社の緑茶の粉末が使われています。
緑茶の粉末も同業他社が参入してきたので、次に取り組んだのが果物や野菜のパウダーです。果物や野菜には収穫時期や旬の時期があるため、年中いつでもフレッシュなものが使えるように、という目的で開発しました。
食品素材を粉末化した商品を多く開発してきましたが、最近始めたのが、「呈味力(ていみりょく)」という、味を底上げさせる粉末です。
取材者: 呈味力(ていみりょく)、ですか?
回答者: はい。「呈味力(ていみりょく)」は、そのまま食べても美味しくないのですが、料理に加えることで、コクや深みが増すという粉末です。例えば、鶏レバーのパウダー、鮭のあらを使った鮭パウダー、エビみそパウダーなどがあります。
取材者: それは、どのような料理に使うのでしょうか?
回答者: 鶏レバーパウダーは、シチューやラーメンに入れるとコクが増します。鮭パウダーは、味噌汁やパスタに入れると、旨味がアップします。エビみそパウダーは、鍋や炒め物に入れると、風味が豊かになります。
取材者: なるほど。隠し味のようなものなのですね。
回答者: はい、その通りです。
回答者: はい。お客様の味を底上げさせるパウダーとして、最近販売を開始しました。
取材者: これは、食品メーカーに販売するのでしょうか?それとも、飲食店などに販売するのでしょうか?
回答者: どちらかというと、食品メーカーに販売することが多いです。
取材者:他に何か新しい商品はございますか?
回答者: 最近、香料を添加した粉末を販売開始しました。桃やシャインマスカットなどの粉末に、香料を添加することで、より香りが強くなりました。
回答者: また、香料を添加することで、お客様の製造工程の中で香料を入れるという工程を省くことができます。まだ販売開始したばかりですが、少しずつ評価をいただいています。
取材者: 香料を添加することで、何か化学的な匂いがつきにくくなるということがあるのでしょうか?
回答者: はい。原料の中にうまく香料を添加することで、化学的な匂いを抑えることができています。
取材者: 貴社の今期の足元の決算状況として、第2クォーター時点での売上高増加要因について教えていただけますでしょうか?
回答者: はい。売上高増加の要因としては、新型コロナウイルスの影響からの回復が挙げられます。当社は、コロナの影響で大きな打撃を受けました。特に、お茶の販売は、オフィス需要などが減少したため、大きく落ち込みました。しかし、調味料の販売は、巣ごもり需要などにより、堅調に推移しました。第2クォーターでは、お茶の販売が回復傾向にあります。また、調味料の販売も、外食産業の回復などにより、増加しています。しかし、コロナ前の水準にはまだ戻りきっていません。さらなる努力が必要です。
取材者: 利益面についてはいかがでしょうか?
回答者: 利益面については、依然として厳しい状況が続いています。原材料価格の高騰や、エネルギーコストの上昇などが影響しています。特に、エネルギーコストの上昇は、当社にとって大きな負担となっています。
取材者: それはなぜでしょうか?
回答者: 当社は、粉末を製造する際に、大量のエネルギーを消費します。そのため、エネルギーコストの上昇は、利益を圧迫する要因となっています。
取材者: 設備投資については、どのようなお考えでしょうか?
回答者: 当社には、3つの工場があります。その中で、最も古い工場である本社工場は、昭和40年頃から稼働しており、老朽化が否めません。そのため、近いうちにリプレースが必要になると考えています。その他にも、定期的に交換が必要な設備があります。事業に影響がない範囲で、順次交換を進めていく予定です。
取材者: わかりました。中長期的な取り組みとして、業務改善や生産性向上を挙げられていますが、具体的な取り組みはありますか?
回答者: はい。業務改善や生産性向上は、重要な取り組みと考えています。具体的には、製造工程の改善や、品質管理の強化などを進めています。
取材者: 製造工程の改善とは、具体的にどのようなことを行うのでしょうか?
回答者: 例えば、製造工程の標準化や、自動化などを進めています。また、品質管理の強化として、原料の検査体制の強化や、製造工程における品質チェックの徹底などを図っています。
取材者: 株主還元については、どのような方針をお持ちでしょうか?
回答者: 株主還元については、配当などを適切に行っていく方針です。
回答者: 当社は、利益が大きくないため、配当性向などを明確に定めていません。しかし、株主への還元は重要な経営課題と考えており、その時に応じて適切な配当を行っていく予定です。
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
佐藤食品工業は、粉末食品原料メーカーとして、様々な食品の粉末を製造し、食品メーカーなどに販売している。同社は、天然調味料、お茶、果物、野菜、お酒など、幅広い食品の粉末化に対応しており、顧客のニーズに応じた製品開発にも力を入れている。近年では、香料を添加した粉末や、味を底上げする粉末「呈味力(ていみりょく)」など、新しい製品も投入している。
創業の経緯と転機となった出来事
同社は、1950年頃に東海地区独自の醤油である「白しょうゆ」の製造販売から創業した。その後、インスタントラーメンブームをきっかけに醤油の粉末化に成功し、粉末食品原料メーカーへと転換した。さらに、緑茶や果物、野菜の粉末化にも成功し、事業を拡大してきた。
特徴や強み
同社の強みは、独自の粉末化技術により、味や香りを損なうことなく、様々な食品を粉末化できることである。特に、粉末酒の製造技術は、同社が唯一保有している技術である。
競合状況
粉末化事業を行う同業他社が存在し、競争が激化している。特に、緑茶の粉末化事業においては、他社の参入により競争が激化している。
直近の決算状況
新型コロナウイルスの影響後、回復傾向。第2クォーターの売上高は増加傾向にある。しかし、利益面は原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇により、依然として厳しい状況が続いている。
成長戦略
同社は、設備投資や生産効率の改善などに取り組み、さらなる成長を目指している。具体的には、老朽化した工場のリプレースや、定期的な設備の交換などを計画している。
今期の取り組みやトピックス
同社は、顧客のニーズに応じた製品開発にも力を入れており、近年では、香料を添加した粉末や、ベースアップの味のパウダーなど、新しい製品を投入している。
株主還元策
株主還元については、配当を適切に行っていく方針である。同社は、利益が大きくないため、配当性向を明確に定めていない。しかし、株主への還元は重要な経営課題と考えており、状況に応じて適切な配当を行っていく方針である。
IR担当
・資料
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佐藤食品工業(株)
東証STD 2814
決算:3月末日
Q:貴社のビジネスモデルについて、他社と比べたときの特徴や強みも踏まえ、ご説明いただけますでしょうか?
A: 当社は、食品の原料メーカーとして、スーパーで販売されている食品の原料となる粉末製品を食品メーカーに販売しています。 具体的には、天然調味料(鰹節、昆布、椎茸など)、お茶(緑茶、ほうじ茶、紅茶など)、果物および野菜(リンゴ、イチゴなど)、そして当社独自の粉末酒(日本酒、ブランデー、ワインなど)を取り扱っています。 これらの粉末製品を、食品メーカー、飲料メーカー、製菓メーカーなど、様々な食品メーカーに提供しています。 強みは、独自の粉末化技術により、味や香りを損なうことなく、様々な食品を粉末化できることです。 また、顧客のニーズに応じた製品開発にも力を入れており、近年では、香料を添加した粉末や、ベースアップの味のパウダーなど、新しい製品を投入しています。
Q:貴社が自ら顧客に対して販売する、いわゆるBtoCのような形で販売することは行っていないのでしょうか?
A: はい。基本的にはBtoBです。 最近、他社のECサイトを活用して、製菓原料の販売を開始しましたが、その取扱量はごくわずかです。
Q:BtoBですと、食品メーカーに卸されている粉末製品は、そのままの形で販売されるのでしょうか?それとも、加工されてから販売されるのでしょうか?
A: 製品によって異なります。 お茶の粉末の場合は、お客様の工場で抹茶などと混合して味を調えた後、販売されることが多いです。 一方、天然調味料の場合は、お客様の味付けの材料として使用されることが多く、そのままの形で販売されることはあまりありません。 例えば、インスタントラーメンのスープの素は、醤油や鰹節などの粉末が混合されてできています。 当社はスープの素を作るのではなく、スープの素の原料となる鰹節や醤油の粉末など、味付けの部品を製造しています。
Q:植物、果物、お酒の粉末の用途についてご説明ください。
A: 植物、果物、お酒の粉末も、味付けに加えていただくという形になります。 そのため、そのままの形で販売されることは少なく、溶解または混合して使用されます。
Q:お酒の粉末は、主に菓子などに使用されるのでしょうか?
A: はい。その通りです。 粉末酒は、製菓メーカーで使用されることが多いです。 例として、お酒が入っているチョコレートとしてウイスキーボンボンが挙げられますが、ウイスキーボンボンは液体のお酒とチョコレートの両方を楽しむ商品です。 一方で、液体のお酒ではなく粉末状で添加したいという製菓メーカー様などに使用されています。 粉末酒を使用することで、チョコレートを薄くすることなく、お酒の風味を加えることができます。 これは、粉末酒が水分を含まないためです。 同じように、クリームにラム酒の粉末を加えることもできます。 液体状のラム酒を加えるとクリームが緩くなってしまいますが、粉末状であればその心配はありません。
Q:粉末酒の欠点は何でしょうか?
A: 粉末酒の欠点は、アルコール分を含んでいるため、喫食される方の対象や、場所、時間帯などが制限されてしまうという点です。
Q:時間帯による制限とは、具体的にどのようなものでしょうか?
A: お酒の入った菓子を、昼間から気軽に喫食できるかと言うと、そうではないと考えます。 オフィスで休憩時間に気軽に喫食できるかと言うと、少し抵抗があるかと思います。 どちらかと言うと、夜、自宅でゆっくりとしたいときに喫食したいという方が多いのではないでしょうか。
Q:お酒の粉末にも、アルコール分が残っているのでしょうか?
A: はい。粉末状でも、アルコール度数は約30%になります。 焼酎のボトルを開けて匂いを嗅いだ時のようなアルコール感があります。
Q:貴社以外では行われていないという点で、高度な技術が必要なのでしょうか?
A: お酒を粉末にする技術は、当社しか保有していません。 お酒の製造免許の中で、粉末酒の製造免許というのが確立されていて、当社しかまだ取得していません。 ただ、使用用途が今のところ少ないため、当社だけなのかもしれません。 当社の粉末化技術は、味や香りを粉末の中に閉じ込めることができます。 そのため、お客様からは「香りが強い」「味が強い」といった評価をいただいています。
Q:創業の経緯についてご説明ください。
A: 創業者は、1950年頃に当社を創業しました。 きっかけは、東海地区独自の醤油である「白しょうゆ」です。 白しょうゆは、通常の醤油とは異なり、琥珀色をしています。 白しょうゆを作るには、熟成期間を設けないと旨味が十分に引き出されません。 それを、酵素反応を利用することで、短期間で製造できるのではないかと考えました。 そして、実際に試してみたところ、うまくいったのです。 旨味も十分にあり、短期間で同じ味、もしくはそれ以上の旨味のある白しょうゆを作ることができました。 これが当社の始まりです。 その後、白しょうゆの製造販売をしていく中で、インスタントラーメンブームが起こり、醤油を粉末にできないかという要望が出てきました。 そこで、粉末化の研究を始めました。 そして、アルコールの粉末化に成功した技術を応用し、醤油の粉末化にも成功しました。 そこから、醤油の粉末メーカーとして、インスタントラーメン業界などから、様々なものを粉末にできないかという要望をいただくようになりました。 鰹節、昆布、椎茸といった出汁から始まり、味噌など、様々なものを粉末化していくようになりました。 そして、インスタントラーメンブームもあり、少しずつ規模も大きくなっていきました。 ある程度事業が進んでくると、他社も同じように粉末化事業を行うようになりました。 そこで、創業者は「次は何か面白いことをやりたい」と考え、緑茶のエキス、緑茶の粉末の開発を始めました。 当時は、緑茶を粉末にすることは不可能だと言われていました。 しかし、創業者は諦めずに研究を続け、ついに成功しました。 急須で入れるよりも簡単なインスタントのお茶ができたのです。 これはとても便利だと、多くのメーカーに評価されました。 今では、オフィスや公民館などに設置されている給茶機で、当社の緑茶の粉末が使われています。 緑茶の粉末も同業他社が参入してきたので、次に取り組んだのが果物や野菜のパウダーです。 果物や野菜には収穫時期や旬の時期があるため、年中いつでもフレッシュなものが使えるように、という目的で開発しました。 食品素材を粉末化した商品を多く開発してきましたが、最近始めたのが、「呈味力(ていみりょく)」という、味を底上げさせる粉末です。
Q:呈味力(ていみりょく)とは、どのようなものでしょうか?
A: 「呈味力(ていみりょく)」は、そのままでは美味しくないものの、料理に加えることで、コクや深みが増す粉末です。
Q:呈味力(ていみりょく)は、どのような料理に使用するのでしょうか?
A: 鶏レバーパウダーは、シチューやラーメンに加えるとコクが増します。 鮭パウダーは、味噌汁やパスタに加えると、旨味がアップします。 エビみそパウダーは、鍋や炒め物に加えると、風味が豊かになります。
Q:呈味力(ていみりょく)は、主に食品メーカーに販売するのでしょうか?それとも、飲食店に販売するのでしょうか?
A: どちらかと言うと、食品メーカーに販売することが多いです。
Q:他に新しい商品はございますか?
A: 最近、香料を添加した粉末の販売を開始しました。 桃やシャインマスカットなどの粉末に、香料を添加することで、より香りが強くなりました。 まだ販売開始したばかりですが、徐々に評価をいただいています。
Q:香料を添加することで、化学的な匂いがつきにくくなるということがあるのでしょうか?
A: はい。原料の中に香料を適切に添加することで、化学的な匂いを抑えることができています。
Q:貴社の今期の足元の決算状況として、第2クォーター時点での売上高増加要因について教えてください。
A: 売上高増加の要因としては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復が挙げられます。 当社は、コロナの影響で大きな打撃を受けました。 特に、お茶の販売は、オフィス需要などが減少したため、大きく落ち込みました。 しかし、調味料の販売は、巣ごもり需要などにより、堅調に推移しました。 第2クォーターでは、お茶の販売が回復傾向にあります。 また、調味料の販売も、外食産業の回復などにより増加しています。 しかし、コロナ前の水準にはまだ戻りきっていません。 さらなる努力が必要です。
Q:利益面についてはいかがでしょうか?
A: 利益面については、依然として厳しい状況が続いています。 原材料価格の高騰や、エネルギーコストの上昇などが影響しています。 特に、エネルギーコストの上昇は、当社にとって大きな負担となっています。
Q:エネルギーコストの上昇が大きな負担となっている理由は何でしょうか?
A: 当社は、粉末を製造する際に、大量のエネルギーを消費します。 そのため、エネルギーコストの上昇は、利益を圧迫する要因となっています。
Q:設備投資については、どのようなお考えをお持ちでしょうか?
A: 当社には、3つの工場があります。 その中で、最も古い工場である本社工場は、昭和40年頃から稼働しており、老朽化が進んでいます。 そのため、近い将来、リプレースが必要になると考えています。 その他にも、定期的に交換が必要な設備があります。 事業に影響がない範囲で、順次交換を進めていく予定です。
Q:中長期的な取り組みとして、業務改善や生産性向上を挙げられていますが、具体的な取り組みはありますか?
A: はい。業務改善と生産性向上は、重要な取り組みと考えています。 具体的には、製造工程の改善および品質管理の強化などを進めています。
Q:製造工程の改善とは、具体的にどのようなことを行うのでしょうか?
A: 例えば、製造工程の標準化および自動化などを進めています。 また、品質管理の強化として、原料の検査体制の強化および製造工程における品質チェックの徹底などを図っています。
Q:株主還元については、どのような方針をお持ちでしょうか?
A: 株主還元については、配当などを適切に行っていく方針です。 当社は、利益が大きくないため、配当性向などを明確に定めていません。 しかし、株主への還元は重要な経営課題と考えており、状況に応じて適切な配当を行っていく予定です。
取材者: 貴社のビジネスモデルについて、他社と比べたときの特徴や強みも踏まえまして、ご説明をお願いできますでしょうか?
回答者: 当社は、食品の原料メーカーです。スーパーで売っている食品の原料として、粉末製品を食品メーカーに販売しています。具体的には、天然調味料(鰹節、昆布、椎茸など)、お茶(緑茶、ほうじ茶、紅茶など)、果物やお野菜(リンゴ、イチゴなど)、そして当社独自の粉末酒(日本酒、ブランデー、ワインなど)を取り扱っています。これらの粉末製品を、食品メーカー、飲料メーカー、製菓メーカーなど、様々な食品メーカーに提供しています。
取材者: 貴社が自ら顧客に対して販売する、いわゆるBtoCのような形で販売することはしていないということでしょうか?
回答者: はい。基本的にはBtoBです。最近、他社のECサイトを活用して、製菓原料を販売するようになりました。しかし、その取扱量はごくわずかです。
取材者: BtoBですと、食品メーカーに卸されている粉末製品は、そのままの形で販売されるのでしょうか?それとも、加工されてから販売されるのでしょうか?
回答者: それは、製品によって異なります。お茶の粉末の場合は、お客様の工場で抹茶など他のものと混ぜて味を調えたあと販売されることが多いです。一方で、天然調味料の場合は、お客様の味付けの材料として使用されることが多く、そのままの形で販売されることはあまりありません。例えば、インスタントラーメンのスープをイメージしていただくとわかりやすいと思います。インスタントラーメンのスープの素は、醤油や鰹節などの粉末が混ぜ合わさってできています。当社はスープの素を作るのではなく、スープの素の原料となる鰹節や醤油の粉末など、味付けの部品を製造しています。お客様は、それぞれの味に合わせて、当社の粉末製品を添加し、スープの味を作っているのです。
取材者: 植物や果物、お酒の粉末についても教えてください。
回答者: 植物や果物、お酒の粉末も、味付けに加えていただくという形になります。そのため、そのままの形で販売されることは少なく、溶かしたり混ぜたりして使用されます。
取材者: お酒の粉末というのは、お菓子などに使われることが多いのでしょうか?
回答者: はい。その通りです。粉末酒は、製菓メーカーで使用いただく事が多いです。例えば、お酒が入っているチョコレートといえばウイスキーボンボンが思いつくと思います。ウイスキーボンボンは液体のお酒もチョコレートも楽しめる商品ですが、液体のお酒はチョコレートに入れずにお酒を添加したいという製菓メーカー様などで使用頂いております。
粉末酒を使用することで、チョコレートを薄くすることなく、お酒の風味を加えることができます。これは、粉末酒が水分を含まないためです。同じように、クリームにラム酒の粉末を入れることもできます。液体状のラム酒を入れるとクリームが緩くなってしまいますが、粉末状であればその心配はありません。
取材者: 粉末酒の欠点は何でしょうか?
回答者: 粉末酒の欠点としては、アルコール分を含んでいるため食べていただく方の対象や、場所、時間帯などがどうしても制約されてしまうという点があります。
取材者: 時間帯による制限というのは、どういうことでしょうか?
回答者: やはり、お酒の入ったお菓子を、お昼間から気軽に食べられるかというと、そうではないと思います。オフィスで気軽に休憩時間に食べられるかというと、少し食べにくいと思います。どちらかというと、夜、自宅でゆっくりするときに食べたいという方が多いのではないでしょうか。
取材者: お酒の粉末にも、アルコール分が残っているということでしょうか?
回答者: はい。粉末状で、アルコール度数は約30%になります。焼酎のボトルを開けて匂いを嗅いだ時のようなアルコール感があります。
取材者: 貴社しか行っていないという点で、高度な技術が必要なのでしょうか?
回答者: お酒を粉末にする技術は、当社しか持っていません。お酒の製造免許の中で、粉末酒の製造免許というのが確立されていて、当社しかまだ取得していません。ただ、使用用途が今のところ少ないので当社だけなのかもしれません。
当社は、もともと醤油のメーカーでした。醤油を粉末にしてほしいという依頼があり、試行錯誤を重ねる中で、たまたまアルコールを粉末にすることができました。その技術を応用して、様々なものを粉末にしています。
当社の粉末化技術は、味や香りを粉末の中に閉じ込めることができます。そのため、お客様からは「香りが強い」「味が強い」といった評価をいただいています。
取材者: 創業の経緯などについてご説明ください。
回答者: 創業者は、1950年頃に当社を始めました。きっかけは、東海地区独自の醤油である「白しょうゆ」です。白しょうゆは、通常の色とは異なり、琥珀色をしています。
白しょうゆを作るには、熟成期間を設けないと旨味がしっかりと出てきません。それを、酵素反応を利用することで、短期間で製造できるのではないかと考えました。そして、実際に試してみたところ、うまくいったのです。旨味も十分にあり、短期間で同じ味、もしくはそれ以上の旨味のある白しょうゆを作ることができました。これが、当社の始まりです。
その後、白しょうゆの製造販売をしていく中で、インスタントラーメンブームが起こりました。そして、醤油を粉末にできないかという要望が出てきたのです。そこで、粉末化の研究を始めました。そして、アルコールの粉末化に成功した技術を応用し、醤油の粉末化にも成功しました。
そこから、醤油の粉末メーカーとして、インスタントラーメン業界などから、様々なものを粉末にできないかという要望をいただくようになりました。鰹節、昆布、椎茸といった出汁から始まり、味噌など、様々なものを粉末化していくようになりました。そして、インスタントラーメンブームもあり、少しずつ規模も大きくなっていきました。
ある程度事業が進んでくると、他社も同じように粉末化事業を行うようになりました。そこで、創業者は「次は何か面白いことをやりたい」と考え、緑茶のエキス、緑茶の粉末の開発を始めました。
当時は、緑茶を粉末にすることは不可能だと言われていました。しかし、創業者は諦めずに研究を続け、ついに成功しました。急須で入れるよりも簡単なインスタントのお茶ができたのです。これはとても便利だと、多くのメーカーに評価されました。今では、オフィスや公民館などに設置されている給茶機で、当社の緑茶の粉末が使われています。
緑茶の粉末も同業他社が参入してきたので、次に取り組んだのが果物や野菜のパウダーです。果物や野菜には収穫時期や旬の時期があるため、年中いつでもフレッシュなものが使えるように、という目的で開発しました。
食品素材を粉末化した商品を多く開発してきましたが、最近始めたのが、「呈味力(ていみりょく)」という、味を底上げさせる粉末です。
取材者: 呈味力(ていみりょく)、ですか?
回答者: はい。「呈味力(ていみりょく)」は、そのまま食べても美味しくないのですが、料理に加えることで、コクや深みが増すという粉末です。例えば、鶏レバーのパウダー、鮭のあらを使った鮭パウダー、エビみそパウダーなどがあります。
取材者: それは、どのような料理に使うのでしょうか?
回答者: 鶏レバーパウダーは、シチューやラーメンに入れるとコクが増します。鮭パウダーは、味噌汁やパスタに入れると、旨味がアップします。エビみそパウダーは、鍋や炒め物に入れると、風味が豊かになります。
取材者: なるほど。隠し味のようなものなのですね。
回答者: はい、その通りです。
回答者: はい。お客様の味を底上げさせるパウダーとして、最近販売を開始しました。
取材者: これは、食品メーカーに販売するのでしょうか?それとも、飲食店などに販売するのでしょうか?
回答者: どちらかというと、食品メーカーに販売することが多いです。
取材者:他に何か新しい商品はございますか?
回答者: 最近、香料を添加した粉末を販売開始しました。桃やシャインマスカットなどの粉末に、香料を添加することで、より香りが強くなりました。
回答者: また、香料を添加することで、お客様の製造工程の中で香料を入れるという工程を省くことができます。まだ販売開始したばかりですが、少しずつ評価をいただいています。
取材者: 香料を添加することで、何か化学的な匂いがつきにくくなるということがあるのでしょうか?
回答者: はい。原料の中にうまく香料を添加することで、化学的な匂いを抑えることができています。
取材者: 貴社の今期の足元の決算状況として、第2クォーター時点での売上高増加要因について教えていただけますでしょうか?
回答者: はい。売上高増加の要因としては、新型コロナウイルスの影響からの回復が挙げられます。当社は、コロナの影響で大きな打撃を受けました。特に、お茶の販売は、オフィス需要などが減少したため、大きく落ち込みました。しかし、調味料の販売は、巣ごもり需要などにより、堅調に推移しました。第2クォーターでは、お茶の販売が回復傾向にあります。また、調味料の販売も、外食産業の回復などにより、増加しています。しかし、コロナ前の水準にはまだ戻りきっていません。さらなる努力が必要です。
取材者: 利益面についてはいかがでしょうか?
回答者: 利益面については、依然として厳しい状況が続いています。原材料価格の高騰や、エネルギーコストの上昇などが影響しています。特に、エネルギーコストの上昇は、当社にとって大きな負担となっています。
取材者: それはなぜでしょうか?
回答者: 当社は、粉末を製造する際に、大量のエネルギーを消費します。そのため、エネルギーコストの上昇は、利益を圧迫する要因となっています。
取材者: 設備投資については、どのようなお考えでしょうか?
回答者: 当社には、3つの工場があります。その中で、最も古い工場である本社工場は、昭和40年頃から稼働しており、老朽化が否めません。そのため、近いうちにリプレースが必要になると考えています。その他にも、定期的に交換が必要な設備があります。事業に影響がない範囲で、順次交換を進めていく予定です。
取材者: わかりました。中長期的な取り組みとして、業務改善や生産性向上を挙げられていますが、具体的な取り組みはありますか?
回答者: はい。業務改善や生産性向上は、重要な取り組みと考えています。具体的には、製造工程の改善や、品質管理の強化などを進めています。
取材者: 製造工程の改善とは、具体的にどのようなことを行うのでしょうか?
回答者: 例えば、製造工程の標準化や、自動化などを進めています。また、品質管理の強化として、原料の検査体制の強化や、製造工程における品質チェックの徹底などを図っています。
取材者: 株主還元については、どのような方針をお持ちでしょうか?
回答者: 株主還元については、配当などを適切に行っていく方針です。
回答者: 当社は、利益が大きくないため、配当性向などを明確に定めていません。しかし、株主への還元は重要な経営課題と考えており、その時に応じて適切な配当を行っていく予定です。
CP&X
ビジネスモデルや事業内容
佐藤食品工業は、粉末食品原料メーカーとして、様々な食品の粉末を製造し、食品メーカーなどに販売している。同社は、天然調味料、お茶、果物、野菜、お酒など、幅広い食品の粉末化に対応しており、顧客のニーズに応じた製品開発にも力を入れている。近年では、香料を添加した粉末や、味を底上げする粉末「呈味力(ていみりょく)」など、新しい製品も投入している。
創業の経緯と転機となった出来事
同社は、1950年頃に東海地区独自の醤油である「白しょうゆ」の製造販売から創業した。その後、インスタントラーメンブームをきっかけに醤油の粉末化に成功し、粉末食品原料メーカーへと転換した。さらに、緑茶や果物、野菜の粉末化にも成功し、事業を拡大してきた。
特徴や強み
同社の強みは、独自の粉末化技術により、味や香りを損なうことなく、様々な食品を粉末化できることである。特に、粉末酒の製造技術は、同社が唯一保有している技術である。
競合状況
粉末化事業を行う同業他社が存在し、競争が激化している。特に、緑茶の粉末化事業においては、他社の参入により競争が激化している。
直近の決算状況
新型コロナウイルスの影響後、回復傾向。第2クォーターの売上高は増加傾向にある。しかし、利益面は原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇により、依然として厳しい状況が続いている。
成長戦略
同社は、設備投資や生産効率の改善などに取り組み、さらなる成長を目指している。具体的には、老朽化した工場のリプレースや、定期的な設備の交換などを計画している。
今期の取り組みやトピックス
同社は、顧客のニーズに応じた製品開発にも力を入れており、近年では、香料を添加した粉末や、ベースアップの味のパウダーなど、新しい製品を投入している。
株主還元策
株主還元については、配当を適切に行っていく方針である。同社は、利益が大きくないため、配当性向を明確に定めていない。しかし、株主への還元は重要な経営課題と考えており、状況に応じて適切な配当を行っていく方針である。
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