
ククレブ・アドバイザーズ(株)
東証GRT 276A
決算:8月末日
20250724
決算概要
2025年8月期第3四半期累計の売上高は1,969百万円(前年同期比+87.5%)、営業利益は538百万円(前年同期比+25.0%)、当期純利益は357百万円(前年同期比+26.1%)となりました。CREソリューションビジネスにおける当期計上見込みのパイプラインが順調に積み上がっていることを踏まえ、通期業績予想を上方修正、期末配当金についても上場記念配当2円を加え22円へ上方修正しました。
セグメント別または事業別の増減要因
3Q累計の売上高(合計1,969百万円)の内訳は、CREソリューションビジネスで1,847百万円(前年同期比+97.5%)、不動産テックビジネスで121百万円(前年同期比+5.9%)となっております。
CREソリューションビジネスにつきましては、相談案件も非常に増え、伸びている状況です。不動産テックビジネスについては、CCReB AIの新会員を順調に獲得できており、計画通りに進捗している状況です。
主要KPIの進捗と変化
重要KPIであるマッチングシステム(CCReB CREMa)の「情報登録数」「ユーザー数」は順調に増加中であり、3Q末(2025年5月末)時点では情報登録数6,629件(前期末比+21.5%)、ユーザー数 478アカウント(前期末比+47.1%)となっております。
季節性・一過性要因の有無と影響
当期3Q累計の営業利益率 27.3%に対して、前年同期の営業利益率は41.0%でした。3Q単体の営業利益率で比較すると、当期3Q単体が3.3%、前期3Q単体が41.9%となります。
この要因は、個別案件の粗利率が影響しており、当3Qに売上計上している不動産仲介案件(説明会資料 P13 1番の案件)で、原価(業務委託料)が発生したため粗利率が低かったことが要因となります。
なお、当社の顧客企業のCREニーズに対してソリューションを提供しているため、顧客側の事情によって売上計上タイミングが変わってきます。
通期見通しと進捗率・達成可能性
今回業績予想を上方修正いたしました。修正後の通期業績予想は、売上高2,600百万円(3Q時点での進捗率 75.7%)、営業利益672百万円(同 80.1%)、当期純利益460百万円(同 77.8%)となります。
順調に進捗しており、4Qで着実に達成できる見通しです。
トピックス
当社は「CREプラットフォーマー」としての地位確立に向けた取り組みを進めており、産業ゾーンや特定の商材に強みを持つパートナー企業との戦略的なビジネスアライアンスを通じ、企業不動産(CRE)の相談が来たら当社へ相談がくるような基盤構築を加速させております。これは将来の収益拡大に向けた取組みの一つとなります。なお、中期経営計画は本年10月中旬の通期決算発表時に公表予定です

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
ビジネスモデルおよび事業内容
ククレブ・アドバイザーズは、独自開発の不動産テックを活用し企業に対するCRE(企業不動産)ソリューション事業を展開している。20億円以下のコンパクトCREマーケットにフォーカスしており、 主なサービスとして、CREアドバイザリー、CREコンサルティング、CREファンド組成とBSを活用する不動産投資及び賃貸、プロジェクトマネジメント、不動産仲介の5つを提供している。 特に、不動産テックの活用により案件成約までの期間を大幅に短縮できるといった効率的な案件組成を可能としている。
創業の経緯
創業のきっかけは、宮寺之裕代表取締役の前職(J-REIT運用会社)在籍時より長年CREへの投資事業に従事する中で、CREニーズのある企業の選定時における有価証券報告書や中期経営計画書などの開示資料の読み込みや分析に多大な時間を要し、非効率な面があったことから、AIを活用して売却可能性が高い企業を効率的に抽出するシステムを開発したいという想い、更には、REITでは投資効率の観点から取り扱えなかった小規模な不動産案件のニーズ対応や不動産売買だけでなく遊休資産の活用などを提案していきたいという想いから、ククレブ・アドバイザーズの創業に至った。
直近の決算状況
2025年1月14日公表の第1四半期決算は、売上高が6億8100万円、営業利益が3億700万円と、新規案件の受注などの要因により当初の想定を上回る結果となった。マッチングシステムによる案件が積み上がっており、パイプラインも増加している状況である。第1四半期の新規案件の受注に加え、第2四半期以降も新規案件獲得の可能性が高まっていることから、業績予想を上方修正した。
特徴と強み
20億円以下のコンパクトCREにフォーカスし、競合の少ない市場で事業を展開している点が特徴である。また、独自の不動産テックシステムを活用することで、CREニーズの把握や企業選定にかかる時間を大幅に短縮することができ、平均6ヶ月で成約に至っている。マッチングまでのリードタイムの短縮と、ニーズターゲティングの精度向上が強みである。
成長戦略
マッチングシステムのユーザー数、情報登録数(KPI)を向上させることで、案件成約数を増やし、売上増加を目指している。 案件成約数の増加に対応するため、営業担当を3年で3倍程度に増員することを検討しており、採用活動を進めている。 マッチングシステムの情報登録数増加と人材の強化を両輪とした成長戦略を推進していく。
株主還元策
現在も成長途上にあり、余剰資金は成長投資に優先的に活用していく方針である。 一方で、株主への利益還元も重視しており、創業以来、配当を継続してきている。 今後も、成長投資と株主還元のバランスを図りながら、適切な配当を実施していく。2025年8月期の予想配当金は20円で設定している。
新たな取り組みや重点施策
今期は、マッチングシステムの営業先として地銀を中心に営業攻勢をかけている。 地銀は、地場の取引先企業との取引が多く、企業が保有するCREの情報、特に遊休不動産の情報を多く入手している一方で、入手情報が有効に活用されていない状況となっているため、地銀においてマッチングシステムを利用してもらうことで、システム利用に伴うサブスク収入とともに、情報登録件数とユーザー数を増加させ、案件の成約件数増加、ひいては売上増加を目指している。
Q:第1四半期の決算の概要についてご説明いただけますでしょうか。
A:第1四半期の業績は、売上高が6億8100万円、営業利益が3億700万円となりました。 新規案件の受注があり、当初の想定を上回る結果となりました。 マッチングシステムによる案件が積み上がっており、パイプラインも増加している状況です。 第1四半期の新規案件の受注に加え、第2四半期以降も新規案件獲得の可能性が高まっていることから、第1四半期決算発表と同時に、IPO時にお示しした業績予想を上方修正させていただきました。売上高は当初の17億9200万円から22億円に、営業利益は5億1500万円から6億5000万円、最終利益は3億4000万円から4億2800万円とさせていただきました。 また、1株当たりの配当金も、当初は未定としておりましたが、20円とさせていただきました。
Q:事業の進捗状況、特に人事面についてご説明いただけますでしょうか。
A:現在、従業員数は15名です。 今後も、採用活動を進めていくことで人員の増加を進めていきます。 特に営業担当者を積極的に採用しています。 事業については、CREソリューションビジネスでは上場による認知度向上が寄与し、新規案件パイプラインが増加しています。また、不動産テックビジネスについては、利便性向上ためのサービス機能を拡充すべくエンジニアを採用し不動産テックシステムの開発を加速させています。 不動産テックシステムは、CREソリューションビジネスにおいて重要なインフラとなっており、お客様にサブスクリプション形式で利用いただいているだけでなく、社内でも活用することで、CREソリューション営業の業務効率向上を図っています。
Q:前期比+73%の成長見込みという数字について、詳しくご説明いただけますでしょうか。
A:上方修正したことによって、売上高は前期比で+73%の成長を見込むという数字をお示ししています。 元々は前期比で+約40%の数字でしたが、上方修正により+73%となりました。 創業以来、平均+83%の成長を遂げてきましたので、今期もそれに近い成長率で、事業計画を達成していきたいと考えています。
Q:パイプラインの状況についてご説明いただけますでしょうか。
A:マッチングシステムの情報登録数の増加もありパイプラインの案件数は増加しています。 各種サービスにおいてもパイプラインは積み上がっております。今期に計上が見込めるものと来期に見込めるものを含めて、第1四半期決算発表時点で見えているものをパイプラインとしてお示ししています。 特徴としては、産業用不動産を取り扱っていますので、首都圏や三大都市圏に集中せず、全国の産業集積地を中心にパイプラインが増加しているという点が挙げられます。
Q:マッチングシステムの現状についてご説明いただけますでしょうか。
A:マッチングシステムでは、CREの売買や賃貸に関するニーズを登録していただいています。 情報登録件数は6063件まで増加し、ユーザー数も370アカウントまで増加しました。 サブスクリプションサービスを開始した2023年9月以降、登録数が急増しました。 それ以前は、データ版として無料で提供し、登録件数を増やすことに注力していました。
Q:KPIについてご説明いただけますでしょうか。
A:KPIとして、売上高と営業利益に加えて、マッチングシステムの情報登録件数とユーザー数を設定しています。 これらのKPIを向上させることで、案件の成約件数を増やし、ひいては売上を増加させていきたいと考えています。 そして、この情報登録件数とユーザー数を増やしていくという戦略に基づきまして、地銀を中心に営業攻勢をかけています。
Q:CREソリューションビジネスについてご説明いただけますでしょうか。
A:主に5つのサービスを提供しています。 1つ目は、CREアドバイザリーです。 企業の不動産有効活用に関するCREコンサルティングや、不動産会社様へのCRE提案のサポートを行っています。 2つ目は、CREファンド組成です。売却意向を有する企業に対し、SPC等を活用したファンド組成による資産の流動化を提案するサービスです。3つ目は、プロジェクトマネジメントです。 企業が保有する不動産の収益化を支援するサービスです。 建物の建設や利活用などの提案を行い、コンサルティング料を収益として得ます。4つ目は、B/Sを活用した不動産投資・賃貸です。2つ目と同様に売却意向のある企業に対して、弊社が直接取得する形で投資を行うものです。5つ目は、不動産仲介です。 マッチングシステムを通じて取得した案件の仲介を行います。
Q:ポジショニングについてご説明いただけますでしょうか。
A:レジデンス、オフィス、商業施設などの不動産売買市場は既に確立されており、多くのプレイヤーが存在します。 一方、弊社は工場、研究開発施設、物流施設などをメインターゲットとしています。 これらの分野では、大手の不動産会社は投資効率、業務効率の観点から、比較的リソースを割いていません。 弊社は20億円以下のコンパクトCREにフォーカスし、ニッチな市場で事業を展開しています。 CREの提案型営業は、専門知識やノウハウが必要とされるため、参入障壁が高い分野です。 さらに、コンパクトCRE市場は業務効率の観点から大手が参入しにくい領域です。 弊社は独自のビジネスモデルで、この市場を開拓してまいりました。
取材者: 決算の概要についてご説明いただけますか。
回答者: 決算説明資料4ページをご覧ください。決算のハイライトです。この中で最も重要なトピックは、第1四半期決算発表時に、IPO時にお示しした業績予想を上方修正させていただいたことです。売上高は当初の17億9200万円から22億円に、営業利益は5億1500万円から6億5000万円、最終利益は3億4000万円から4億2800万円とさせていただきました。また、1株当たりの配当金も、当初は未定としておりましたが、20円とさせていただきました。これらの要因を踏まえ、第1四半期の業績は、売上高が6億8100万円、営業利益が3億700万円となりました。新規案件の受注があり、当初の想定を上回る結果となりました。マッチングシステムの情報登録数の増加もあり、パイプラインも増加している状況です。第1四半期の新規案件の受注に加え、第2四半期以降も新規案件獲得の可能性が高まっていることから、業績予想を上方修正させていただきました。
取材者: 事業の進捗状況についてお伺いします。
回答者: 事業の進捗状況については、資料4ページの通りでございます。人事面について補足させていただきますと、弊社は少人数で運営しており、現在15名体制です。上場時から増員しております。今後も、人員の増加については、採用活動を進めております。特に営業担当者を積極的に採用してまいります。もう一つ、不動産テックビジネスについてですが、エンジニアを採用いたしました。不動産テックシステムは、弊社のCREビジネスにおいて重要なインフラとなっておりますので、お客様にサブスクリプション形式で利用いただいているだけでなく、社内でも活用することで、利便性の向上を図っております。エンジニアを採用することで、迅速な対応が可能となり、事業の更なる加速化を目指します。
取材者:6ページの進捗率について、ご説明いただけますか。
回答者:進捗率、前年同期比、計画に対する進捗率などを掲載しております。
取材者:8ページの前期比+73%の成長見込みという数字について、詳しく教えてください。
回答者:上方修正したことによって、売上高は前期比で+73%の成長を見込むという数字をお示ししております。元々は前期比で約+40%の数字でしたが、上方修正により+73%となりました。創業以来、前年比平均+83%の成長を遂げてきましたので、今期もそれに近い成長率で、事業計画を達成していきたいと考えております。
取材者: パイプラインについて、資料10ページと11ページの内容をご説明いただけますか。
回答者:パイプラインをお示ししております。10ページでは、案件を2種類に色分けしております。グレーで示した案件は既に成約済みで、売上計上済みのものです。薄い青で示した案件は契約済みで、ほぼ確実に売上として見込めるものです。1番から4番までの案件は第1四半期に計上済みであり、5番と6番は既に契約済みであり、第2四半期に計上される予定です。7番についても契約済みで、第2四半期から第4四半期にかけて、今後売上として計上される予定です。11ページには契約予定や提案中のパイプラインを記載しています。上場したことも相まって、パイプラインの案件数は増加しております。マッチングシステムの情報登録数増加もあり、各種サービスにおいてもパイプラインは積み上がっております。今期中に取り込めるものと来期中に発生するものを含めて、見えているものを11ページのようにパイプラインとしてお示ししております。特徴としては、産業用不動産を取り扱っておりますので、首都圏や三大都市圏に集中せず、全国の産業集積地を中心にパイプラインが増加しているという点が挙げられます。
取材者: マッチングシステムの現状について、12ページの内容を詳しく教えてください。
回答者:マッチングシステムでは、事業用不動産の売買や賃貸に関するニーズを登録していただいております。情報登録件数は6063件まで増加し、ユーザー数も370アカウントまで増加しました。サブスクリプションサービスを開始した2023年9月以降、登録数が急増しました。それ以前は、データ版として無料で提供し、登録件数を増やすことに注力しておりました。
取材者:KPIについて、ご説明いただけますか。
回答者: 資料31ページをご覧ください。KPIとして、売上高と営業利益に加えて、情報登録件数とユーザー数を設定しております。これらのKPIを向上させることで、案件の成約件数を増やし、ひいては売上を増加させていきたいと考えております。そして、この情報登録件数とユーザー数を増やしていくという戦略に基づきまして、資料13ページに記載の通り、今期は、マッチングシステムの営業先として地銀を中心に営業攻勢をかけております。 地銀は、地場の取引先企業との取引が多く、企業が保有するCREの情報、特に遊休不動産の情報を多く入手している一方で、入手情報が有効に活用されていないケースも見受けられました。そこで、弊社からマッチングシステムをご提案したところ、ご好評をいただきました。地銀からは、マッチングシステムによって今まで活用しきれていなかった情報が、新たな提案に繋がるという点で期待の声をいただいております。現在、地銀を中心に営業活動を行っております。全国の地銀にアプローチするため、パートナー企業と連携し、営業展開を進めております。取材者: 15ページからの会社概要について、ご説明をお願いします。
回答者:弊社は創業5年目で、上場いたしました。代表の宮寺は、前職で三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社(現:株式会社KJRマネジメント)の産業ファンド投資法人で投資責任者を務めておりました。その中でCREに関する豊富な知識と経験を培ってまいりました。創業のきっかけは、REITでは取り扱えないような小規模な不動産案件のニーズに対応したいとの想いによるものです。また、以前は企業の有価証券報告書や中期経営計画書を分析し、売却の可能性が高い企業を選定しておりましたが、非常に非効率な面があり、AIを活用して売却の可能性が高い企業を効率的に抽出するシステムを開発したいとの想いから、創業に至りました。
取材者:19ページのCREソリューションビジネスについて、詳しく教えていただけますか。
回答者:19ページからは、弊社のビジネスモデルについてご説明いたします。主に5つのサービスを提供しています。 1つ目は、CREアドバイザリーです。 企業の不動産有効活用に関するCREコンサルティングや、不動産会社様へのCRE提案のサポートを行っています。 2つ目は、CREファンド組成です。売却意向を有する企業に対し、SPC等を活用したファンド組成による資産の流動化を提案するサービスです。3つ目は、プロジェクトマネジメントです。 企業が保有する不動産の収益化を支援するサービスです。 建物の建設や利活用などの提案を行い、コンサルティング料を収益として得ます。4つ目は、B/Sを活用した不動産投資・賃貸です。2つ目と同様に売却意向のある企業に対して、弊社が直接取得する形で投資を行うものです。5つ目は、不動産仲介です。 マッチングシステムを通じて取得した案件の仲介を行います。
取材者: サービスの入口は、CREアドバイザリーとプロジェクトマネジメントが多いのですか。
回答者: 弊社のサービスの入口は不動産テックから得られる情報となります。18ページのサービスフローをご覧ください。まず、マッチングシステムなどを活用し、CREに関するニーズを把握します。そして、その情報に基づいて提案を行います。提案の際には、マッチングシステムを活用し、具体的な資産情報や買い手候補の属性などを提示いたします。提案の結果、売却だけでなく、仲介や開発など、様々なソリューションを提供いたします。
取材者: 情報入手の段階で、経営課題を抱えている企業は、必ずしもマッチングシステムに登録されているわけではないのですね。
回答者: その通りです。
取材者: 併用しながら利用しているというわけですね。
回答者: その通りです。
取材者: 最後に、21ページのポジショニングについてご説明ください。
回答者:レジデンス、オフィス、商業施設などの不動産売買市場は既に確立されており、多くのプレイヤーが存在します。一方、弊社は工場、研究開発施設、物流施設などをメインターゲットとしております。これらの分野では、大手の不動産会社は比較的リソースを割いておりません。弊社は20億円以下のコンパクトCREにフォーカスし、競合の少ない市場で事業を展開しております。CREの提案型営業は、専門知識やノウハウが必要とされるため、参入障壁が高い分野です。さらに、コンパクトCRE市場は投資効率などの観点から大手が参入しにくい領域です。弊社は独自のビジネスモデルで、この市場を開拓してまいりました。
取材者: 新規案件の増加によって、業績が好調とのことですが、その要因はマッチングシステムの登録者数増加ですか。それとも、別の要因がございますか。
回答者: 主要な要因としては、マッチングシステムの情報登録数が伸びたことで、様々な情報がマッチングし、それによって新規案件のパイプラインが積み上がったということが要因として挙げられます。
取材者: 地銀からの案件というのは、どれくらいの案件数になりますか。
回答者: 地銀への営業活動はこれから本格化していく段階です。現在、登録企業の約6割が不動産会社様、約4割が事業法人様やその他の法人様で、金融機関の割合は約10%です。今後はこの割合を高め、情報登録していただける方を増やしていきたいと考えております。現在、パイプラインにある案件の中で、地銀からいただいた情報に基づいたものはまだ少ない状況です。
取材者: 今後、地銀からの案件が増加していく可能性が高いということですね。取り扱う物件のエリアとしては、全国各地にわたるのですか。
回答者: はい、その通りです。首都圏に限らず、全国の産業集積地で事業を展開しております。
取材者: 貴社が開発されたシステムを外販する予定はございますか。
回答者: はい、既に外販しております。資料20ページをご覧ください。「CCReB AI(ククレブ エーアイ)」と「CCReB CREMa(ククレブ クレマ)」という2つのサービスをサブスクリプション形式で提供しております。「CCReB AI」は、有価証券報告書などを分析し、売却の可能性や不動産ニーズをスコアリング表示するシステムです。「CCReB CREMa」、マッチングシステムについては、無料でご登録いただける機能に加え、有料でスコアリング機能などを提供しております。また、社内システムとして利用いしています。
取材者: 不動産テック収入の中で、現在の売上の8割9割が「CCReB AI」の売上という形で構成されているという事ですね。
回答者: その通りです。
取材者: 貴社が参入された20億円以下のコンパクトCRE市場は、これまで手つかずの領域だったのですか。
回答者: いいえ、全く手つかずであったわけではありません。仲介会社様などが個別に案件を取り扱っていたケースはございます。しかし、弊社は売却の検討段階から企業に寄り添い、提案型営業を行うことで、他社との差別化を図っております。
取材者: 知見がないと、そのような提案は難しいですよね。
回答者: ええ、不動産に関する知識だけでなく、土壌汚染などのリスク見極め、財務状況の分析、経営状況の把握など、顧客の属する産業への理解など、総合的な知識と経験が必要となります。さらに、企業の事業やビジネスへの理解も深める必要があり、これらのノウハウを有する企業は少ないと考えております。
取材者: そこが参入障壁の高さに繋がっているのですね。物件がマッチングしてから成約に至るまで、どれくらいの期間がかかりますか。
回答者: 平均で約6ヶ月です。資料27ページをご覧ください。不動産テックシステムを使わない一般的なCRE提案の場合は、ニーズの把握や企業選定に非常に時間がかかります。しかし、不動産テックシステムを活用することで、これらのプロセスを大幅に短縮することができ、平均6ヶ月で成約に至ったという事例が多いです。
取材者: マッチングまでのリードタイムが短くなるというのが強みになってくるのですね。
回答者: はい、マッチングまでのリードタイムの短縮と、ニーズターゲティングの精度向上が、弊社の強みです。
取材者: 株主還元についての方針や戦略についてお聞かせください。
回答者: 弊社は現在も成長途上にありますので、余剰資金は成長投資に優先的に活用していきたいと考えております。一方で、株主の皆様への利益還元も重視しており、創業以来、配当を継続してまいりました。今後も、成長投資と株主還元のバランスを図りながら、適切な配当を実施していきたいと考えております。
取材者: 営業チームを増員されているとのことですが、今後の成長戦略についてお聞かせください。
回答者: マッチングシステムのKPIを向上させることで、案件成約数を増やし、売上増加を目指します。案件成約数の増加に対応するため、営業担当者を3倍程度に増員することを検討しており、採用活動を進めております。システムの登録数増加と人材の強化を両輪とした成長戦略を推進してまいります。
取材者:3倍にするまでの目標期間は設定されていますか?
回答者: 上場時に、3年間で営業担当者を5名から15名程度まで増員していきたい旨をお話ししております。
取材者: 採用戦略についてお聞かせください。
回答者: 採用戦略につきましては、エージェントを通じて様々な方とお話をさせていただいております。また、一部スカウトも活用し、優秀な人材を獲得していきたいと考えております。幅広い層の方を採用対象としております。CREの知識や経験は必要ですが、弊社のテックシステムを活用することで、比較的早期にキャッチアップできる環境です。法人営業経験者や企業とのリレーション構築能力の高い方であれば、他業種からの転職でも活躍できる可能性があります。実際に、現在営業担当者は5名おり、そのうち2名は他業種からの転職者ですが、既に戦力として活躍しております。今後も、優秀な人材を採用し、事業拡大を加速させていきたいと考えております。
取締役執行役員 コーポレート本部長 兼 広報・IR 室長 玉川和信様
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ククレブ・アドバイザーズ(株)
東証GRT 276A
決算:8月末日
決算概要
2025年8月期第3四半期累計の売上高は1,969百万円(前年同期比+87.5%)、営業利益は538百万円(前年同期比+25.0%)、当期純利益は357百万円(前年同期比+26.1%)となりました。CREソリューションビジネスにおける当期計上見込みのパイプラインが順調に積み上がっていることを踏まえ、通期業績予想を上方修正、期末配当金についても上場記念配当2円を加え22円へ上方修正しました。
セグメント別または事業別の増減要因
3Q累計の売上高(合計1,969百万円)の内訳は、CREソリューションビジネスで1,847百万円(前年同期比+97.5%)、不動産テックビジネスで121百万円(前年同期比+5.9%)となっております。
CREソリューションビジネスにつきましては、相談案件も非常に増え、伸びている状況です。不動産テックビジネスについては、CCReB AIの新会員を順調に獲得できており、計画通りに進捗している状況です。
主要KPIの進捗と変化
重要KPIであるマッチングシステム(CCReB CREMa)の「情報登録数」「ユーザー数」は順調に増加中であり、3Q末(2025年5月末)時点では情報登録数6,629件(前期末比+21.5%)、ユーザー数 478アカウント(前期末比+47.1%)となっております。
季節性・一過性要因の有無と影響
当期3Q累計の営業利益率 27.3%に対して、前年同期の営業利益率は41.0%でした。3Q単体の営業利益率で比較すると、当期3Q単体が3.3%、前期3Q単体が41.9%となります。
この要因は、個別案件の粗利率が影響しており、当3Qに売上計上している不動産仲介案件(説明会資料 P13 1番の案件)で、原価(業務委託料)が発生したため粗利率が低かったことが要因となります。
なお、当社の顧客企業のCREニーズに対してソリューションを提供しているため、顧客側の事情によって売上計上タイミングが変わってきます。
通期見通しと進捗率・達成可能性
今回業績予想を上方修正いたしました。修正後の通期業績予想は、売上高2,600百万円(3Q時点での進捗率 75.7%)、営業利益672百万円(同 80.1%)、当期純利益460百万円(同 77.8%)となります。
順調に進捗しており、4Qで着実に達成できる見通しです。
トピックス
当社は「CREプラットフォーマー」としての地位確立に向けた取り組みを進めており、産業ゾーンや特定の商材に強みを持つパートナー企業との戦略的なビジネスアライアンスを通じ、企業不動産(CRE)の相談が来たら当社へ相談がくるような基盤構築を加速させております。これは将来の収益拡大に向けた取組みの一つとなります。なお、中期経営計画は本年10月中旬の通期決算発表時に公表予定です
取材アーカイブ
CP&X
ビジネスモデルおよび事業内容
ククレブ・アドバイザーズは、独自開発の不動産テックを活用し企業に対するCRE(企業不動産)ソリューション事業を展開している。20億円以下のコンパクトCREマーケットにフォーカスしており、 主なサービスとして、CREアドバイザリー、CREコンサルティング、CREファンド組成とBSを活用する不動産投資及び賃貸、プロジェクトマネジメント、不動産仲介の5つを提供している。 特に、不動産テックの活用により案件成約までの期間を大幅に短縮できるといった効率的な案件組成を可能としている。
創業の経緯
創業のきっかけは、宮寺之裕代表取締役の前職(J-REIT運用会社)在籍時より長年CREへの投資事業に従事する中で、CREニーズのある企業の選定時における有価証券報告書や中期経営計画書などの開示資料の読み込みや分析に多大な時間を要し、非効率な面があったことから、AIを活用して売却可能性が高い企業を効率的に抽出するシステムを開発したいという想い、更には、REITでは投資効率の観点から取り扱えなかった小規模な不動産案件のニーズ対応や不動産売買だけでなく遊休資産の活用などを提案していきたいという想いから、ククレブ・アドバイザーズの創業に至った。
直近の決算状況
2025年1月14日公表の第1四半期決算は、売上高が6億8100万円、営業利益が3億700万円と、新規案件の受注などの要因により当初の想定を上回る結果となった。マッチングシステムによる案件が積み上がっており、パイプラインも増加している状況である。第1四半期の新規案件の受注に加え、第2四半期以降も新規案件獲得の可能性が高まっていることから、業績予想を上方修正した。
特徴と強み
20億円以下のコンパクトCREにフォーカスし、競合の少ない市場で事業を展開している点が特徴である。また、独自の不動産テックシステムを活用することで、CREニーズの把握や企業選定にかかる時間を大幅に短縮することができ、平均6ヶ月で成約に至っている。マッチングまでのリードタイムの短縮と、ニーズターゲティングの精度向上が強みである。
成長戦略
マッチングシステムのユーザー数、情報登録数(KPI)を向上させることで、案件成約数を増やし、売上増加を目指している。 案件成約数の増加に対応するため、営業担当を3年で3倍程度に増員することを検討しており、採用活動を進めている。 マッチングシステムの情報登録数増加と人材の強化を両輪とした成長戦略を推進していく。
株主還元策
現在も成長途上にあり、余剰資金は成長投資に優先的に活用していく方針である。 一方で、株主への利益還元も重視しており、創業以来、配当を継続してきている。 今後も、成長投資と株主還元のバランスを図りながら、適切な配当を実施していく。2025年8月期の予想配当金は20円で設定している。
新たな取り組みや重点施策
今期は、マッチングシステムの営業先として地銀を中心に営業攻勢をかけている。 地銀は、地場の取引先企業との取引が多く、企業が保有するCREの情報、特に遊休不動産の情報を多く入手している一方で、入手情報が有効に活用されていない状況となっているため、地銀においてマッチングシステムを利用してもらうことで、システム利用に伴うサブスク収入とともに、情報登録件数とユーザー数を増加させ、案件の成約件数増加、ひいては売上増加を目指している。
Q:第1四半期の決算の概要についてご説明いただけますでしょうか。
A:第1四半期の業績は、売上高が6億8100万円、営業利益が3億700万円となりました。 新規案件の受注があり、当初の想定を上回る結果となりました。 マッチングシステムによる案件が積み上がっており、パイプラインも増加している状況です。 第1四半期の新規案件の受注に加え、第2四半期以降も新規案件獲得の可能性が高まっていることから、第1四半期決算発表と同時に、IPO時にお示しした業績予想を上方修正させていただきました。売上高は当初の17億9200万円から22億円に、営業利益は5億1500万円から6億5000万円、最終利益は3億4000万円から4億2800万円とさせていただきました。 また、1株当たりの配当金も、当初は未定としておりましたが、20円とさせていただきました。
Q:事業の進捗状況、特に人事面についてご説明いただけますでしょうか。
A:現在、従業員数は15名です。 今後も、採用活動を進めていくことで人員の増加を進めていきます。 特に営業担当者を積極的に採用しています。 事業については、CREソリューションビジネスでは上場による認知度向上が寄与し、新規案件パイプラインが増加しています。また、不動産テックビジネスについては、利便性向上ためのサービス機能を拡充すべくエンジニアを採用し不動産テックシステムの開発を加速させています。 不動産テックシステムは、CREソリューションビジネスにおいて重要なインフラとなっており、お客様にサブスクリプション形式で利用いただいているだけでなく、社内でも活用することで、CREソリューション営業の業務効率向上を図っています。
Q:前期比+73%の成長見込みという数字について、詳しくご説明いただけますでしょうか。
A:上方修正したことによって、売上高は前期比で+73%の成長を見込むという数字をお示ししています。 元々は前期比で+約40%の数字でしたが、上方修正により+73%となりました。 創業以来、平均+83%の成長を遂げてきましたので、今期もそれに近い成長率で、事業計画を達成していきたいと考えています。
Q:パイプラインの状況についてご説明いただけますでしょうか。
A:マッチングシステムの情報登録数の増加もありパイプラインの案件数は増加しています。 各種サービスにおいてもパイプラインは積み上がっております。今期に計上が見込めるものと来期に見込めるものを含めて、第1四半期決算発表時点で見えているものをパイプラインとしてお示ししています。 特徴としては、産業用不動産を取り扱っていますので、首都圏や三大都市圏に集中せず、全国の産業集積地を中心にパイプラインが増加しているという点が挙げられます。
Q:マッチングシステムの現状についてご説明いただけますでしょうか。
A:マッチングシステムでは、CREの売買や賃貸に関するニーズを登録していただいています。 情報登録件数は6063件まで増加し、ユーザー数も370アカウントまで増加しました。 サブスクリプションサービスを開始した2023年9月以降、登録数が急増しました。 それ以前は、データ版として無料で提供し、登録件数を増やすことに注力していました。
Q:KPIについてご説明いただけますでしょうか。
A:KPIとして、売上高と営業利益に加えて、マッチングシステムの情報登録件数とユーザー数を設定しています。 これらのKPIを向上させることで、案件の成約件数を増やし、ひいては売上を増加させていきたいと考えています。 そして、この情報登録件数とユーザー数を増やしていくという戦略に基づきまして、地銀を中心に営業攻勢をかけています。
Q:CREソリューションビジネスについてご説明いただけますでしょうか。
A:主に5つのサービスを提供しています。 1つ目は、CREアドバイザリーです。 企業の不動産有効活用に関するCREコンサルティングや、不動産会社様へのCRE提案のサポートを行っています。 2つ目は、CREファンド組成です。売却意向を有する企業に対し、SPC等を活用したファンド組成による資産の流動化を提案するサービスです。3つ目は、プロジェクトマネジメントです。 企業が保有する不動産の収益化を支援するサービスです。 建物の建設や利活用などの提案を行い、コンサルティング料を収益として得ます。4つ目は、B/Sを活用した不動産投資・賃貸です。2つ目と同様に売却意向のある企業に対して、弊社が直接取得する形で投資を行うものです。5つ目は、不動産仲介です。 マッチングシステムを通じて取得した案件の仲介を行います。
Q:ポジショニングについてご説明いただけますでしょうか。
A:レジデンス、オフィス、商業施設などの不動産売買市場は既に確立されており、多くのプレイヤーが存在します。 一方、弊社は工場、研究開発施設、物流施設などをメインターゲットとしています。 これらの分野では、大手の不動産会社は投資効率、業務効率の観点から、比較的リソースを割いていません。 弊社は20億円以下のコンパクトCREにフォーカスし、ニッチな市場で事業を展開しています。 CREの提案型営業は、専門知識やノウハウが必要とされるため、参入障壁が高い分野です。 さらに、コンパクトCRE市場は業務効率の観点から大手が参入しにくい領域です。 弊社は独自のビジネスモデルで、この市場を開拓してまいりました。
取材者: 決算の概要についてご説明いただけますか。
回答者: 決算説明資料4ページをご覧ください。決算のハイライトです。この中で最も重要なトピックは、第1四半期決算発表時に、IPO時にお示しした業績予想を上方修正させていただいたことです。売上高は当初の17億9200万円から22億円に、営業利益は5億1500万円から6億5000万円、最終利益は3億4000万円から4億2800万円とさせていただきました。また、1株当たりの配当金も、当初は未定としておりましたが、20円とさせていただきました。これらの要因を踏まえ、第1四半期の業績は、売上高が6億8100万円、営業利益が3億700万円となりました。新規案件の受注があり、当初の想定を上回る結果となりました。マッチングシステムの情報登録数の増加もあり、パイプラインも増加している状況です。第1四半期の新規案件の受注に加え、第2四半期以降も新規案件獲得の可能性が高まっていることから、業績予想を上方修正させていただきました。
取材者: 事業の進捗状況についてお伺いします。
回答者: 事業の進捗状況については、資料4ページの通りでございます。人事面について補足させていただきますと、弊社は少人数で運営しており、現在15名体制です。上場時から増員しております。今後も、人員の増加については、採用活動を進めております。特に営業担当者を積極的に採用してまいります。もう一つ、不動産テックビジネスについてですが、エンジニアを採用いたしました。不動産テックシステムは、弊社のCREビジネスにおいて重要なインフラとなっておりますので、お客様にサブスクリプション形式で利用いただいているだけでなく、社内でも活用することで、利便性の向上を図っております。エンジニアを採用することで、迅速な対応が可能となり、事業の更なる加速化を目指します。
取材者:6ページの進捗率について、ご説明いただけますか。
回答者:進捗率、前年同期比、計画に対する進捗率などを掲載しております。
取材者:8ページの前期比+73%の成長見込みという数字について、詳しく教えてください。
回答者:上方修正したことによって、売上高は前期比で+73%の成長を見込むという数字をお示ししております。元々は前期比で約+40%の数字でしたが、上方修正により+73%となりました。創業以来、前年比平均+83%の成長を遂げてきましたので、今期もそれに近い成長率で、事業計画を達成していきたいと考えております。
取材者: パイプラインについて、資料10ページと11ページの内容をご説明いただけますか。
回答者:パイプラインをお示ししております。10ページでは、案件を2種類に色分けしております。グレーで示した案件は既に成約済みで、売上計上済みのものです。薄い青で示した案件は契約済みで、ほぼ確実に売上として見込めるものです。1番から4番までの案件は第1四半期に計上済みであり、5番と6番は既に契約済みであり、第2四半期に計上される予定です。7番についても契約済みで、第2四半期から第4四半期にかけて、今後売上として計上される予定です。11ページには契約予定や提案中のパイプラインを記載しています。上場したことも相まって、パイプラインの案件数は増加しております。マッチングシステムの情報登録数増加もあり、各種サービスにおいてもパイプラインは積み上がっております。今期中に取り込めるものと来期中に発生するものを含めて、見えているものを11ページのようにパイプラインとしてお示ししております。特徴としては、産業用不動産を取り扱っておりますので、首都圏や三大都市圏に集中せず、全国の産業集積地を中心にパイプラインが増加しているという点が挙げられます。
取材者: マッチングシステムの現状について、12ページの内容を詳しく教えてください。
回答者:マッチングシステムでは、事業用不動産の売買や賃貸に関するニーズを登録していただいております。情報登録件数は6063件まで増加し、ユーザー数も370アカウントまで増加しました。サブスクリプションサービスを開始した2023年9月以降、登録数が急増しました。それ以前は、データ版として無料で提供し、登録件数を増やすことに注力しておりました。
取材者:KPIについて、ご説明いただけますか。
回答者: 資料31ページをご覧ください。KPIとして、売上高と営業利益に加えて、情報登録件数とユーザー数を設定しております。これらのKPIを向上させることで、案件の成約件数を増やし、ひいては売上を増加させていきたいと考えております。そして、この情報登録件数とユーザー数を増やしていくという戦略に基づきまして、資料13ページに記載の通り、今期は、マッチングシステムの営業先として地銀を中心に営業攻勢をかけております。 地銀は、地場の取引先企業との取引が多く、企業が保有するCREの情報、特に遊休不動産の情報を多く入手している一方で、入手情報が有効に活用されていないケースも見受けられました。そこで、弊社からマッチングシステムをご提案したところ、ご好評をいただきました。地銀からは、マッチングシステムによって今まで活用しきれていなかった情報が、新たな提案に繋がるという点で期待の声をいただいております。現在、地銀を中心に営業活動を行っております。全国の地銀にアプローチするため、パートナー企業と連携し、営業展開を進めております。取材者: 15ページからの会社概要について、ご説明をお願いします。
回答者:弊社は創業5年目で、上場いたしました。代表の宮寺は、前職で三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社(現:株式会社KJRマネジメント)の産業ファンド投資法人で投資責任者を務めておりました。その中でCREに関する豊富な知識と経験を培ってまいりました。創業のきっかけは、REITでは取り扱えないような小規模な不動産案件のニーズに対応したいとの想いによるものです。また、以前は企業の有価証券報告書や中期経営計画書を分析し、売却の可能性が高い企業を選定しておりましたが、非常に非効率な面があり、AIを活用して売却の可能性が高い企業を効率的に抽出するシステムを開発したいとの想いから、創業に至りました。
取材者:19ページのCREソリューションビジネスについて、詳しく教えていただけますか。
回答者:19ページからは、弊社のビジネスモデルについてご説明いたします。主に5つのサービスを提供しています。 1つ目は、CREアドバイザリーです。 企業の不動産有効活用に関するCREコンサルティングや、不動産会社様へのCRE提案のサポートを行っています。 2つ目は、CREファンド組成です。売却意向を有する企業に対し、SPC等を活用したファンド組成による資産の流動化を提案するサービスです。3つ目は、プロジェクトマネジメントです。 企業が保有する不動産の収益化を支援するサービスです。 建物の建設や利活用などの提案を行い、コンサルティング料を収益として得ます。4つ目は、B/Sを活用した不動産投資・賃貸です。2つ目と同様に売却意向のある企業に対して、弊社が直接取得する形で投資を行うものです。5つ目は、不動産仲介です。 マッチングシステムを通じて取得した案件の仲介を行います。
取材者: サービスの入口は、CREアドバイザリーとプロジェクトマネジメントが多いのですか。
回答者: 弊社のサービスの入口は不動産テックから得られる情報となります。18ページのサービスフローをご覧ください。まず、マッチングシステムなどを活用し、CREに関するニーズを把握します。そして、その情報に基づいて提案を行います。提案の際には、マッチングシステムを活用し、具体的な資産情報や買い手候補の属性などを提示いたします。提案の結果、売却だけでなく、仲介や開発など、様々なソリューションを提供いたします。
取材者: 情報入手の段階で、経営課題を抱えている企業は、必ずしもマッチングシステムに登録されているわけではないのですね。
回答者: その通りです。
取材者: 併用しながら利用しているというわけですね。
回答者: その通りです。
取材者: 最後に、21ページのポジショニングについてご説明ください。
回答者:レジデンス、オフィス、商業施設などの不動産売買市場は既に確立されており、多くのプレイヤーが存在します。一方、弊社は工場、研究開発施設、物流施設などをメインターゲットとしております。これらの分野では、大手の不動産会社は比較的リソースを割いておりません。弊社は20億円以下のコンパクトCREにフォーカスし、競合の少ない市場で事業を展開しております。CREの提案型営業は、専門知識やノウハウが必要とされるため、参入障壁が高い分野です。さらに、コンパクトCRE市場は投資効率などの観点から大手が参入しにくい領域です。弊社は独自のビジネスモデルで、この市場を開拓してまいりました。
取材者: 新規案件の増加によって、業績が好調とのことですが、その要因はマッチングシステムの登録者数増加ですか。それとも、別の要因がございますか。
回答者: 主要な要因としては、マッチングシステムの情報登録数が伸びたことで、様々な情報がマッチングし、それによって新規案件のパイプラインが積み上がったということが要因として挙げられます。
取材者: 地銀からの案件というのは、どれくらいの案件数になりますか。
回答者: 地銀への営業活動はこれから本格化していく段階です。現在、登録企業の約6割が不動産会社様、約4割が事業法人様やその他の法人様で、金融機関の割合は約10%です。今後はこの割合を高め、情報登録していただける方を増やしていきたいと考えております。現在、パイプラインにある案件の中で、地銀からいただいた情報に基づいたものはまだ少ない状況です。
取材者: 今後、地銀からの案件が増加していく可能性が高いということですね。取り扱う物件のエリアとしては、全国各地にわたるのですか。
回答者: はい、その通りです。首都圏に限らず、全国の産業集積地で事業を展開しております。
取材者: 貴社が開発されたシステムを外販する予定はございますか。
回答者: はい、既に外販しております。資料20ページをご覧ください。「CCReB AI(ククレブ エーアイ)」と「CCReB CREMa(ククレブ クレマ)」という2つのサービスをサブスクリプション形式で提供しております。「CCReB AI」は、有価証券報告書などを分析し、売却の可能性や不動産ニーズをスコアリング表示するシステムです。「CCReB CREMa」、マッチングシステムについては、無料でご登録いただける機能に加え、有料でスコアリング機能などを提供しております。また、社内システムとして利用いしています。
取材者: 不動産テック収入の中で、現在の売上の8割9割が「CCReB AI」の売上という形で構成されているという事ですね。
回答者: その通りです。
取材者: 貴社が参入された20億円以下のコンパクトCRE市場は、これまで手つかずの領域だったのですか。
回答者: いいえ、全く手つかずであったわけではありません。仲介会社様などが個別に案件を取り扱っていたケースはございます。しかし、弊社は売却の検討段階から企業に寄り添い、提案型営業を行うことで、他社との差別化を図っております。
取材者: 知見がないと、そのような提案は難しいですよね。
回答者: ええ、不動産に関する知識だけでなく、土壌汚染などのリスク見極め、財務状況の分析、経営状況の把握など、顧客の属する産業への理解など、総合的な知識と経験が必要となります。さらに、企業の事業やビジネスへの理解も深める必要があり、これらのノウハウを有する企業は少ないと考えております。
取材者: そこが参入障壁の高さに繋がっているのですね。物件がマッチングしてから成約に至るまで、どれくらいの期間がかかりますか。
回答者: 平均で約6ヶ月です。資料27ページをご覧ください。不動産テックシステムを使わない一般的なCRE提案の場合は、ニーズの把握や企業選定に非常に時間がかかります。しかし、不動産テックシステムを活用することで、これらのプロセスを大幅に短縮することができ、平均6ヶ月で成約に至ったという事例が多いです。
取材者: マッチングまでのリードタイムが短くなるというのが強みになってくるのですね。
回答者: はい、マッチングまでのリードタイムの短縮と、ニーズターゲティングの精度向上が、弊社の強みです。
取材者: 株主還元についての方針や戦略についてお聞かせください。
回答者: 弊社は現在も成長途上にありますので、余剰資金は成長投資に優先的に活用していきたいと考えております。一方で、株主の皆様への利益還元も重視しており、創業以来、配当を継続してまいりました。今後も、成長投資と株主還元のバランスを図りながら、適切な配当を実施していきたいと考えております。
取材者: 営業チームを増員されているとのことですが、今後の成長戦略についてお聞かせください。
回答者: マッチングシステムのKPIを向上させることで、案件成約数を増やし、売上増加を目指します。案件成約数の増加に対応するため、営業担当者を3倍程度に増員することを検討しており、採用活動を進めております。システムの登録数増加と人材の強化を両輪とした成長戦略を推進してまいります。
取材者:3倍にするまでの目標期間は設定されていますか?
回答者: 上場時に、3年間で営業担当者を5名から15名程度まで増員していきたい旨をお話ししております。
取材者: 採用戦略についてお聞かせください。
回答者: 採用戦略につきましては、エージェントを通じて様々な方とお話をさせていただいております。また、一部スカウトも活用し、優秀な人材を獲得していきたいと考えております。幅広い層の方を採用対象としております。CREの知識や経験は必要ですが、弊社のテックシステムを活用することで、比較的早期にキャッチアップできる環境です。法人営業経験者や企業とのリレーション構築能力の高い方であれば、他業種からの転職でも活躍できる可能性があります。実際に、現在営業担当者は5名おり、そのうち2名は他業種からの転職者ですが、既に戦力として活躍しております。今後も、優秀な人材を採用し、事業拡大を加速させていきたいと考えております。
取締役執行役員 コーポレート本部長 兼 広報・IR 室長 玉川和信様
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