20250122
Q:貴社のビジネスモデル、事業内容、および他社と比較したときの強みを教えてください。
A:当社は1978年設立の情報サービス企業です。安川電機の業務システム構築や組み込み制御システム開発で培った技術を活かし、現在はビジネスソリューション、IoTソリューション、サービスビジネスの3つの事業を展開しています。強みは、長年の実績とノウハウに基づいた、製造業向けのERPや物流DXソリューションなどの提供です。
Q: 新規顧客に対する活動や取り組み、施策について教えてください。
A:元々安川電機との取引が多いですが、現在はIoTソリューション分野で新規顧客開拓を進めています。物流DXソリューションでは、既存顧客との取引をベースに新規開拓を進めています。また、ビジネスソリューション分野でも、安川電機以外のお客様への展開を進めています。
Q:IoTソリューション事業の売上高が前年比でマイナスになっている要因を教えてください。
A:第3四半期において、特定プロジェクトでの品質対応で、リカバリーに多くのリソースを割いたため、他のプロジェクトの進捗に遅れが生じました。その結果、売上の一部が後ろ倒しになり、第3四半期の業績は減収となりました。
Q:第3四半期の業績の遅れは、通期業績の目標達成に影響しますか?
A:リソースの制約から、今期中にリカバリーが完了するかどうかは不透明です。一部のお客様には納期の延期を申し出ており、来期にずれ込む可能性もございます。また、受注についても影響が出ており、第4四半期および来期の第1四半期も影響が残ると予想されます。
Q:人材の採用や社員教育に関する方針や進捗状況を教えてください。
A:人材を重視し、採用活動と社員教育に力を入れています。過去3年間は毎年約30名を採用してきましたが、今年度は関係会社を含め40名弱を採用しました。福利厚生を充実させ、働きがいのある会社を目指した結果、離職率は2%と低水準です。
Q:株主還元策について教えてください。
A:従来から安定配当を基本としており、なるべく減配しないように努めています。ここ数年は利益も確保できるようになったため、配当性向30%を目安に株主還元を行っています。
Q:来期以降の新しい中期経営計画における成長戦略について教えてください。
A:現在、新しい中期経営計画を策定中です。2024年9月に組織体制を刷新し、IoTソリューション事業を強化するための準備期間としてきました。来期以降も同様に、IoTソリューション事業に注力し、この分野を伸ばしていく予定です。
Q:IoTソリューション事業において、新たにどのような取り組みや施策を行っていますか?
A:倉庫システム開発において、WMSやWCSと連携した倉庫自動化システムWESの提案を行っています。また、2024年5月には豊田自動織機と業務提携し、物流事業の拡大を目指しています。その他にも、パートナー企業と連携し、事業を拡大していく予定です。
取材者: 早速ですが、貴社のビジネスモデル、事業内容につきまして、現在IoTソリューション、ビジネスソリューション、サービスビジネスの3つの事業を展開されているかと存じますが、改めて他社と比較したときの強みなどを踏まえながらご説明いただけますか。
回答者: それでは、沿革からご説明させていただきます。当社は1978年に安川電機の情報処理部門が分離独立した会社で、2025年2月で47周年を迎えます。 業種としましては情報サービス業に位置づけられております。 設立当初は安川電機の業務システムの構築や、モーター、ロボットなどの組み込み制御システムの開発を行ってまいりました。 その中で培ってきた技術やノウハウを活かし、安川電機様以外のお客様を獲得することで業容を拡大し、2003年に当時の東証2部に上場、現在はスタンダード市場に上場しております。 また、強みとしましては、長年培ってきた製造業での業務ノウハウ、FA、組み込みソフトウェアの技術力、ノウハウを活かしたシステム開発力、ソリューション提供力であり、特に製造業のお客様に強みを発揮しております。
取材者: 貴社の事業は、先ほどおっしゃられたように、ビジネスソリューション、IoTソリューション、サービスビジネスの3つを展開されているとのことですが、ビジネスソリューションでは、具体的にどのようなサービスを提供されているのですか?
回答者: ビジネスソリューションにつきましては、ERPを中心としたソリューションを提供しております。 その中で、お客様である安川電機様で取り組まれているERP刷新のプロジェクトでは、ERPでのビジネスDX分野の開発を行っております。 そこで培った経験を、今後は他の企業様にも展開できるような取り組みを進めているところです。
取材者: IoTソリューションについてはいかがでしょうか?
回答者: IoTソリューションにつきましては、物流市場、畜産農業、公共分野において展開しております。 公共分野はスマートシティと言われる分野でスマートバス停を製品リリースし、自治体の駅前整備分野へ展開しております。 また、当社は40年近く物流業界のシステム開発に携わってきたということもあり、今、物流を中心に事業を展開しているところです。 具体的には、倉庫自動化システムであるWESを開発し、販売、導入、サポートまでを一貫して提供しています。
取材者: サービスビジネスについてはいかがでしょうか?
回答者: サービスビジネスにつきましては、当社が製品・ソリューションを開発した後、運用保守を含めたサービスを提供するというものです。 ビジネスソリューション、IoTソリューションの両セグメントで開発した製品等の運用保守を行っていくことになります。
取材者: なるほど。売上高の中には、IoTソリューションとビジネスソリューションの2つのセグメントの売上高が計上されているとのことですが、それぞれの中にサービスビジネスが含まれているということですね。
回答者: その通りです。
取材者: そうしますと、ビジネスソリューションやIoTソリューションでソリューションを提供した先に、サービスビジネスとして運用保守で関わっていくようなイメージでしょうか。
回答者: その通りです。
取材者: 貴社は安川電機から分離独立したというところもあり、製造業の仕事の進め方などが強みになっていると伺いましたが、ビジネスソリューションなども顧客はやはり製造業が多いのでしょうか?
回答者: はい、その通りです。製造業のお客様が多いです。 中小企業様から大企業様まで、幅広くお付き合いさせていただいております。
取材者: その割合はどれくらいですか?
回答者: 開示はしておりません。
取材者: わかりました。貴社は様々なビジネスやソリューションを用いて、お客様の効率化や問題解決を支援されているとのことですが、新規顧客に対する活動や取り組み、施策について教えていただけますか?
回答者:新規顧客獲得についてご説明させていただきます。 ビジネスソリューションについては、やはり一番大きなお客様である、当社の元の親会社であります安川電機様の割合が多く、ビジネスソリューション、IoTソリューションをトータルした全体の中でも4割以上が安川電機、安川電機グループとの取引になります。 それ以外の新規の開拓となると、どちらかというと今はIoTソリューションで新規の顧客開拓を進めております。 その中のIoTの大きな位置づけになります物流DXでは、マテハンメーカー様などに開拓を進めております。従来からのお取引のあるところをベースに、新しくソリューションを広げていこうと取り組んでおります。 またその他のIoT事業につきましても、なかなか大きな新規顧客の開拓は今のところできてはおりませんが、現在開拓を進めているところであります。 また、ビジネスソリューションにつきましても、安川電機様との取引以外のお客様に、培ってきたノウハウなどを活かして、ビジネスDXやプラットフォームなどを展開していく方針で、新規顧客の開拓を進めているところです。
取材者: 安川電機様からの紹介などはありますか?
回答者: 基本的に安川電機様はメーカー、いわゆる製造業でいらっしゃいますので、直接というのはないのですが、当社と安川電機様の間には、合弁でアイキューブデジタルという会社がございます。 こちらの方での取り組みはございます。
取材者: 基本的に新規顧客の開拓の部分というのは、この中でIoTソリューションの部分が大きくなるという認識でよろしいでしょうか?
回答者: そうですね。ビジネスソリューションでも広げていこうと注力しているところですが、今はまだIoTソリューションが大きいかもしれません。
取材者: その中で、IoTソリューションは今期ここまでで売上高が前年比でマイナスになっており、その要因として品質・性能への対応の中の遅延という部分を説明資料であげられていますが、これは一体どのようなことですか?
回答者: 今おっしゃられた物流のところの減少についてお話いたします。 第2四半期、上期までは非常に好調に推移し、プラスで進んでおりました。 第3四半期に入ったところで、特定のプロジェクトで品質においてお客様の了解がなかなか得られないということがあり、要件定義のところでもう少ししっかりやっておくべきだったという反省もありつつ、そこをやり直しているところでございます。 大変大きなトラブルでありましたので、今回はそのリカバリーに多くのリソースを割いてしまったことで、他のプロジェクトの進捗も遅れてしまったということがございます。 また、受注に関しましても、品質対応に追われてしまい、通常であれば受注するはずだった案件が、納期対応が難しいという理由で、受注を控えていた状況でございます。
取材者: 売上高が後ろに回ってしまったようなイメージでしょうか。
回答者: そうですね。
取材者: そういったプロジェクトの進捗の遅れなどがあって、第3四半期の業績を単体で見ると進捗状況としては遅れているけれども、通期業績の全体で見ると問題はない、目標達成できるといったような認識で考えてもよろしいでしょうか?
回答者: それが難しいところでございます。すでに受注しているプロジェクトの遅れは、挽回を図っていますが、リソースは限られておりますので、今期中にリカバリーできるかどうか、他プロジェクトについて実際にお客様に少し延期を申し出ているものもございます。 ただ、この下期ではなく、来年の上期になるものもあろうかと思います。 IoTソリューションの物流DXは、今年度第4四半期、および来年度第1四半期は、少し影響があるかなとは思っております。 ただ、全体として言うと、ビジネスソリューションは堅調に動いており、第3四半期も予想より多く売上高が上がりましたので、第4四半期も同じような状況が続くかなと期待しております。 結果、物流DXは第3四半期で大きくマイナスしているのですが、第4四半期にそれを挽回するとともに、ビジネスソリューションの方の伸びを期待したところで、どのようにして当初の目標に到達するかを検討しているところです。
取材者: ビジネスソリューションでしっかりと遅れを回収できているようなイメージでしょうか。
回答者: そう思っております。
取材者: 貴社の中期経営計画の中でも、人材の育成という部分が非常に重要な施策として挙げられていたかと思いますが、採用や社員教育に関する方針や進捗状況などございましたら教えていただけますか?
回答者: 今おっしゃられた通り、人材の育成は非常に重要視しており、人が財産ですので、そこをしっかり取り組んでおります。 採用では、過去3年間は毎年30人程度で推移しておりましたが、今年度の入社は関係会社も含めると40人弱ほど採用しております。 また、福利厚生も充実させ、働きがいのある会社、働きやすい会社を目指し、離職率は2%程度です。 人材をしっかりと確保して、これからのボリューム増加というところに対応していきたいと思っております。 教育という観点では、階層別研修やeラーニングなどを導入し、社員一人ひとりのスキルアップを支援しています。
取材者: 2%とはかなり低い水準ですね。
回答者: そう思います。 エンゲージメントサーベイなども活用し、従業員の満足度やロイヤリティを確認しながら、都度対応していくことで、従業員のやる気、働きがいを確保していこうと思っています。
取材者: 株主還元策につきましては、方針や戦略がありましたら教えていただけますか?
回答者: 株主還元につきましては、従来から安定配当をベースに実施しております。 なるべく減配しないように進めてまいりましたが、ここ数年は利益を確保できるようになりましたので、利益還元について株主の皆様への還元として、おおよそ30%を目安として利益還元を行ってまいります。 しかしながら、現在の株価を含めて、まだ検討の余地がございます。 配当だけでなく、自己株式の取得なども検討し、株主の皆様への還元を強化していきたいと考えております。
取材者: 貴社の今年度は中期経営計画の最終年度であり、売上高、利益ともに達成される見込みかと思いますが、来期以降、また新しい中期経営計画が出るに際しまして、今後何か成長戦略についてお答えできる範囲で教えていただけますか?
回答者: 今、ちょうど策定をしている最中ですが、2024年9月の人事異動で組織体制を新しくしスタートをしております。 来期から始まる新中期経営計画においても、現中期経営計画同様にIoTソリューション事業に注力して伸ばしていこうと思っております。
取材者: IoTソリューション事業について、今期新たに何か取り組まれたことや施策などはございますか?
回答者: 当社が開発している倉庫自動化システムWESとその上位にあるWMSや自動化設備を制御するWCSを連携した倉庫自動化の提案があります。 2024年5月に豊田自動織機様と業務提携を行い、物流事業を一緒に広げていこうと進めているところです。 その他にも業務提携を進めているところはあります。 当社だけではなく、パートナー様と協力して開発を進めていきたいと思っております。
取材者: パートナー様にとって、貴社と提携することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
回答者: 例えば、WMSメーカー様であれば、従来であれば自社で作っていたようなところを、当社のWESパッケージを使うことで、開発が効率化されます。 また、当社のWESでデータ取得ができるため、より自動化、省人化を進めることが可能になります。 そういった面でお互いがメリットのある提携になろうかと思います。
取材者: 物流業界では人材不足が叫ばれる中、こういった需要は今後も高まっていくと見てよろしいでしょうか?
回答者: そうですね。マーケティングや営業担当者から聞く情報によりますと、まだまだ物流の自動化というのは進んでいくということですので、マーケットは大きく広がっていると考えています。
20250122 CP&X
ビジネスモデルや事業内容
ビジネスソリューション、IoTソリューション、サービスビジネスの3つの事業を展開。ビジネスソリューションでは、ERPを中心としたソリューションを提供。IoTソリューションでは、物流市場、畜産農業、公共分野向けに製品を展開。サービスビジネスでは、製品ソリューションに加え、運用保守を含めたサービスを提供。
創業の経緯と転機となった出来事
1978年に安川電機の情報処理部門が分離独立し、設立。安川電機の業務システム構築や、モーター、ロボットなどの組み込み制御システム開発を行う。その後、培ってきた技術、ノウハウを活かし、安川電機以外の顧客を獲得することで業容を拡大。2003年には東証2部、現在は東証スタンダード市場に上場。
直近の決算状況
第3四半期は、特定プロジェクトにおいて品質面で顧客の仕様に届かず、リカバリーに多くのリソースを割いた結果、他のプロジェクトの進捗に遅れが生じ、売上計上が後ろ倒しになる。ただし、通期業績目標達成に影響は少ない見込み。ビジネスソリューションは、堅調で第3四半期は予想以上の売上。第4四半期も同様の状況が続く見込み。
成長戦略
IoTソリューション事業に注力し、現中期経営計画同様に伸ばしていく方針。
株主還元策
従来から安定配当をベースに、なるべく減配しないように継続。ここ数年は利益を確保できているため、利益還元を株主に実施。おおよそ30%を目安に利益還元を行う予定。
今期の取り組みやトピックス
豊田自動織機と2024年5月に業務提携を行い、物流事業を共同で拡大。WMS、WCSなどと連携するWESパッケージで自動化、省人化を進めることで、相互にメリットのある提携を進める。人材育成にも注力しており、過去3年間は約30人/年を採用。今年度は関係会社を含めると40人弱を採用。福利厚生を充実させ、働きがいのある会社、働きやすい会社を目指し、離職率は2%と低水準を維持。従業員エンゲージメントサーベイなどを活用し、従業員の満足度、ロイヤリティを確認しながら対応することで、従業員のやる気、働きがいを確保していく。
取締役 執行役員 本松隆之様
IR担当
・資料
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(株)YE DIGITAL
東証STD 2354
決算:2月末日
Q:貴社のビジネスモデル、事業内容、および他社と比較したときの強みを教えてください。
A:当社は1978年設立の情報サービス企業です。安川電機の業務システム構築や組み込み制御システム開発で培った技術を活かし、現在はビジネスソリューション、IoTソリューション、サービスビジネスの3つの事業を展開しています。強みは、長年の実績とノウハウに基づいた、製造業向けのERPや物流DXソリューションなどの提供です。
Q: 新規顧客に対する活動や取り組み、施策について教えてください。
A:元々安川電機との取引が多いですが、現在はIoTソリューション分野で新規顧客開拓を進めています。物流DXソリューションでは、既存顧客との取引をベースに新規開拓を進めています。また、ビジネスソリューション分野でも、安川電機以外のお客様への展開を進めています。
Q:IoTソリューション事業の売上高が前年比でマイナスになっている要因を教えてください。
A:第3四半期において、特定プロジェクトでの品質対応で、リカバリーに多くのリソースを割いたため、他のプロジェクトの進捗に遅れが生じました。その結果、売上の一部が後ろ倒しになり、第3四半期の業績は減収となりました。
Q:第3四半期の業績の遅れは、通期業績の目標達成に影響しますか?
A:リソースの制約から、今期中にリカバリーが完了するかどうかは不透明です。一部のお客様には納期の延期を申し出ており、来期にずれ込む可能性もございます。また、受注についても影響が出ており、第4四半期および来期の第1四半期も影響が残ると予想されます。
Q:人材の採用や社員教育に関する方針や進捗状況を教えてください。
A:人材を重視し、採用活動と社員教育に力を入れています。過去3年間は毎年約30名を採用してきましたが、今年度は関係会社を含め40名弱を採用しました。福利厚生を充実させ、働きがいのある会社を目指した結果、離職率は2%と低水準です。
Q:株主還元策について教えてください。
A:従来から安定配当を基本としており、なるべく減配しないように努めています。ここ数年は利益も確保できるようになったため、配当性向30%を目安に株主還元を行っています。
Q:来期以降の新しい中期経営計画における成長戦略について教えてください。
A:現在、新しい中期経営計画を策定中です。2024年9月に組織体制を刷新し、IoTソリューション事業を強化するための準備期間としてきました。来期以降も同様に、IoTソリューション事業に注力し、この分野を伸ばしていく予定です。
Q:IoTソリューション事業において、新たにどのような取り組みや施策を行っていますか?
A:倉庫システム開発において、WMSやWCSと連携した倉庫自動化システムWESの提案を行っています。また、2024年5月には豊田自動織機と業務提携し、物流事業の拡大を目指しています。その他にも、パートナー企業と連携し、事業を拡大していく予定です。
取材者: 早速ですが、貴社のビジネスモデル、事業内容につきまして、現在IoTソリューション、ビジネスソリューション、サービスビジネスの3つの事業を展開されているかと存じますが、改めて他社と比較したときの強みなどを踏まえながらご説明いただけますか。
回答者: それでは、沿革からご説明させていただきます。当社は1978年に安川電機の情報処理部門が分離独立した会社で、2025年2月で47周年を迎えます。 業種としましては情報サービス業に位置づけられております。 設立当初は安川電機の業務システムの構築や、モーター、ロボットなどの組み込み制御システムの開発を行ってまいりました。 その中で培ってきた技術やノウハウを活かし、安川電機様以外のお客様を獲得することで業容を拡大し、2003年に当時の東証2部に上場、現在はスタンダード市場に上場しております。 また、強みとしましては、長年培ってきた製造業での業務ノウハウ、FA、組み込みソフトウェアの技術力、ノウハウを活かしたシステム開発力、ソリューション提供力であり、特に製造業のお客様に強みを発揮しております。
取材者: 貴社の事業は、先ほどおっしゃられたように、ビジネスソリューション、IoTソリューション、サービスビジネスの3つを展開されているとのことですが、ビジネスソリューションでは、具体的にどのようなサービスを提供されているのですか?
回答者: ビジネスソリューションにつきましては、ERPを中心としたソリューションを提供しております。 その中で、お客様である安川電機様で取り組まれているERP刷新のプロジェクトでは、ERPでのビジネスDX分野の開発を行っております。 そこで培った経験を、今後は他の企業様にも展開できるような取り組みを進めているところです。
取材者: IoTソリューションについてはいかがでしょうか?
回答者: IoTソリューションにつきましては、物流市場、畜産農業、公共分野において展開しております。 公共分野はスマートシティと言われる分野でスマートバス停を製品リリースし、自治体の駅前整備分野へ展開しております。 また、当社は40年近く物流業界のシステム開発に携わってきたということもあり、今、物流を中心に事業を展開しているところです。 具体的には、倉庫自動化システムであるWESを開発し、販売、導入、サポートまでを一貫して提供しています。
取材者: サービスビジネスについてはいかがでしょうか?
回答者: サービスビジネスにつきましては、当社が製品・ソリューションを開発した後、運用保守を含めたサービスを提供するというものです。 ビジネスソリューション、IoTソリューションの両セグメントで開発した製品等の運用保守を行っていくことになります。
取材者: なるほど。売上高の中には、IoTソリューションとビジネスソリューションの2つのセグメントの売上高が計上されているとのことですが、それぞれの中にサービスビジネスが含まれているということですね。
回答者: その通りです。
取材者: そうしますと、ビジネスソリューションやIoTソリューションでソリューションを提供した先に、サービスビジネスとして運用保守で関わっていくようなイメージでしょうか。
回答者: その通りです。
取材者: 貴社は安川電機から分離独立したというところもあり、製造業の仕事の進め方などが強みになっていると伺いましたが、ビジネスソリューションなども顧客はやはり製造業が多いのでしょうか?
回答者: はい、その通りです。製造業のお客様が多いです。 中小企業様から大企業様まで、幅広くお付き合いさせていただいております。
取材者: その割合はどれくらいですか?
回答者: 開示はしておりません。
取材者: わかりました。貴社は様々なビジネスやソリューションを用いて、お客様の効率化や問題解決を支援されているとのことですが、新規顧客に対する活動や取り組み、施策について教えていただけますか?
回答者:新規顧客獲得についてご説明させていただきます。 ビジネスソリューションについては、やはり一番大きなお客様である、当社の元の親会社であります安川電機様の割合が多く、ビジネスソリューション、IoTソリューションをトータルした全体の中でも4割以上が安川電機、安川電機グループとの取引になります。 それ以外の新規の開拓となると、どちらかというと今はIoTソリューションで新規の顧客開拓を進めております。 その中のIoTの大きな位置づけになります物流DXでは、マテハンメーカー様などに開拓を進めております。従来からのお取引のあるところをベースに、新しくソリューションを広げていこうと取り組んでおります。 またその他のIoT事業につきましても、なかなか大きな新規顧客の開拓は今のところできてはおりませんが、現在開拓を進めているところであります。 また、ビジネスソリューションにつきましても、安川電機様との取引以外のお客様に、培ってきたノウハウなどを活かして、ビジネスDXやプラットフォームなどを展開していく方針で、新規顧客の開拓を進めているところです。
取材者: 安川電機様からの紹介などはありますか?
回答者: 基本的に安川電機様はメーカー、いわゆる製造業でいらっしゃいますので、直接というのはないのですが、当社と安川電機様の間には、合弁でアイキューブデジタルという会社がございます。 こちらの方での取り組みはございます。
取材者: 基本的に新規顧客の開拓の部分というのは、この中でIoTソリューションの部分が大きくなるという認識でよろしいでしょうか?
回答者: そうですね。ビジネスソリューションでも広げていこうと注力しているところですが、今はまだIoTソリューションが大きいかもしれません。
取材者: その中で、IoTソリューションは今期ここまでで売上高が前年比でマイナスになっており、その要因として品質・性能への対応の中の遅延という部分を説明資料であげられていますが、これは一体どのようなことですか?
回答者: 今おっしゃられた物流のところの減少についてお話いたします。 第2四半期、上期までは非常に好調に推移し、プラスで進んでおりました。 第3四半期に入ったところで、特定のプロジェクトで品質においてお客様の了解がなかなか得られないということがあり、要件定義のところでもう少ししっかりやっておくべきだったという反省もありつつ、そこをやり直しているところでございます。 大変大きなトラブルでありましたので、今回はそのリカバリーに多くのリソースを割いてしまったことで、他のプロジェクトの進捗も遅れてしまったということがございます。 また、受注に関しましても、品質対応に追われてしまい、通常であれば受注するはずだった案件が、納期対応が難しいという理由で、受注を控えていた状況でございます。
取材者: 売上高が後ろに回ってしまったようなイメージでしょうか。
回答者: そうですね。
取材者: そういったプロジェクトの進捗の遅れなどがあって、第3四半期の業績を単体で見ると進捗状況としては遅れているけれども、通期業績の全体で見ると問題はない、目標達成できるといったような認識で考えてもよろしいでしょうか?
回答者: それが難しいところでございます。すでに受注しているプロジェクトの遅れは、挽回を図っていますが、リソースは限られておりますので、今期中にリカバリーできるかどうか、他プロジェクトについて実際にお客様に少し延期を申し出ているものもございます。 ただ、この下期ではなく、来年の上期になるものもあろうかと思います。 IoTソリューションの物流DXは、今年度第4四半期、および来年度第1四半期は、少し影響があるかなとは思っております。 ただ、全体として言うと、ビジネスソリューションは堅調に動いており、第3四半期も予想より多く売上高が上がりましたので、第4四半期も同じような状況が続くかなと期待しております。 結果、物流DXは第3四半期で大きくマイナスしているのですが、第4四半期にそれを挽回するとともに、ビジネスソリューションの方の伸びを期待したところで、どのようにして当初の目標に到達するかを検討しているところです。
取材者: ビジネスソリューションでしっかりと遅れを回収できているようなイメージでしょうか。
回答者: そう思っております。
取材者: 貴社の中期経営計画の中でも、人材の育成という部分が非常に重要な施策として挙げられていたかと思いますが、採用や社員教育に関する方針や進捗状況などございましたら教えていただけますか?
回答者: 今おっしゃられた通り、人材の育成は非常に重要視しており、人が財産ですので、そこをしっかり取り組んでおります。 採用では、過去3年間は毎年30人程度で推移しておりましたが、今年度の入社は関係会社も含めると40人弱ほど採用しております。 また、福利厚生も充実させ、働きがいのある会社、働きやすい会社を目指し、離職率は2%程度です。 人材をしっかりと確保して、これからのボリューム増加というところに対応していきたいと思っております。 教育という観点では、階層別研修やeラーニングなどを導入し、社員一人ひとりのスキルアップを支援しています。
取材者: 2%とはかなり低い水準ですね。
回答者: そう思います。 エンゲージメントサーベイなども活用し、従業員の満足度やロイヤリティを確認しながら、都度対応していくことで、従業員のやる気、働きがいを確保していこうと思っています。
取材者: 株主還元策につきましては、方針や戦略がありましたら教えていただけますか?
回答者: 株主還元につきましては、従来から安定配当をベースに実施しております。 なるべく減配しないように進めてまいりましたが、ここ数年は利益を確保できるようになりましたので、利益還元について株主の皆様への還元として、おおよそ30%を目安として利益還元を行ってまいります。 しかしながら、現在の株価を含めて、まだ検討の余地がございます。 配当だけでなく、自己株式の取得なども検討し、株主の皆様への還元を強化していきたいと考えております。
取材者: 貴社の今年度は中期経営計画の最終年度であり、売上高、利益ともに達成される見込みかと思いますが、来期以降、また新しい中期経営計画が出るに際しまして、今後何か成長戦略についてお答えできる範囲で教えていただけますか?
回答者: 今、ちょうど策定をしている最中ですが、2024年9月の人事異動で組織体制を新しくしスタートをしております。 来期から始まる新中期経営計画においても、現中期経営計画同様にIoTソリューション事業に注力して伸ばしていこうと思っております。
取材者: IoTソリューション事業について、今期新たに何か取り組まれたことや施策などはございますか?
回答者: 当社が開発している倉庫自動化システムWESとその上位にあるWMSや自動化設備を制御するWCSを連携した倉庫自動化の提案があります。 2024年5月に豊田自動織機様と業務提携を行い、物流事業を一緒に広げていこうと進めているところです。 その他にも業務提携を進めているところはあります。 当社だけではなく、パートナー様と協力して開発を進めていきたいと思っております。
取材者: パートナー様にとって、貴社と提携することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
回答者: 例えば、WMSメーカー様であれば、従来であれば自社で作っていたようなところを、当社のWESパッケージを使うことで、開発が効率化されます。 また、当社のWESでデータ取得ができるため、より自動化、省人化を進めることが可能になります。 そういった面でお互いがメリットのある提携になろうかと思います。
取材者: 物流業界では人材不足が叫ばれる中、こういった需要は今後も高まっていくと見てよろしいでしょうか?
回答者: そうですね。マーケティングや営業担当者から聞く情報によりますと、まだまだ物流の自動化というのは進んでいくということですので、マーケットは大きく広がっていると考えています。
20250122 CP&X
ビジネスモデルや事業内容
ビジネスソリューション、IoTソリューション、サービスビジネスの3つの事業を展開。ビジネスソリューションでは、ERPを中心としたソリューションを提供。IoTソリューションでは、物流市場、畜産農業、公共分野向けに製品を展開。サービスビジネスでは、製品ソリューションに加え、運用保守を含めたサービスを提供。
創業の経緯と転機となった出来事
1978年に安川電機の情報処理部門が分離独立し、設立。安川電機の業務システム構築や、モーター、ロボットなどの組み込み制御システム開発を行う。その後、培ってきた技術、ノウハウを活かし、安川電機以外の顧客を獲得することで業容を拡大。2003年には東証2部、現在は東証スタンダード市場に上場。
直近の決算状況
第3四半期は、特定プロジェクトにおいて品質面で顧客の仕様に届かず、リカバリーに多くのリソースを割いた結果、他のプロジェクトの進捗に遅れが生じ、売上計上が後ろ倒しになる。ただし、通期業績目標達成に影響は少ない見込み。ビジネスソリューションは、堅調で第3四半期は予想以上の売上。第4四半期も同様の状況が続く見込み。
成長戦略
IoTソリューション事業に注力し、現中期経営計画同様に伸ばしていく方針。
株主還元策
従来から安定配当をベースに、なるべく減配しないように継続。ここ数年は利益を確保できているため、利益還元を株主に実施。おおよそ30%を目安に利益還元を行う予定。
今期の取り組みやトピックス
豊田自動織機と2024年5月に業務提携を行い、物流事業を共同で拡大。WMS、WCSなどと連携するWESパッケージで自動化、省人化を進めることで、相互にメリットのある提携を進める。人材育成にも注力しており、過去3年間は約30人/年を採用。今年度は関係会社を含めると40人弱を採用。福利厚生を充実させ、働きがいのある会社、働きやすい会社を目指し、離職率は2%と低水準を維持。従業員エンゲージメントサーベイなどを活用し、従業員の満足度、ロイヤリティを確認しながら対応することで、従業員のやる気、働きがいを確保していく。
取締役 執行役員 本松隆之様
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