20250313
Q ビジネスモデルや事業内容について、特徴や強みを含めご説明いただけますでしょうか?
A 弊社の特徴は、大手企業との直接取引が多く、企画から開発、運用まで一貫して携わっている点です。これにより、業界の最新の知見を得ることができ、それを強みとしています。また、業界に特化していることと、大企業との取引が多いことも特徴です。
Q 大手企業と取引ができる要因や強みはどのような点にありますでしょうか?
A 業界知見を蓄積していることと、スピード感を持って対応できることが要因です。また、着実に実績を積むことで、信用力が高まっていることも要因の一つです。
Q スピード感を持って対応できるのは、作業人員が多いからでしょうか、それともノウハウが蓄積されているからでしょうか?
A ノウハウが蓄積されていることと、一気通貫で企画から開発運用までできることも理由の一つです。
Q 御社の創業の経緯について教えていただけますでしょうか?
A 弊社は2012年に創業した会社で、ゼンリンデータコムから社内ベンチャーとして設立されました。当時はインバウンドの増加とIoTへの注目が高まっており、デジタルサイネージのハードと配信システムを主な事業として開始しました。
Q 御社のお客様である鉄道、バス、物流などの業界のDX化の現状、課題、進捗状況はいかがでしょうか?
A 前提として、これらの業界はDXがあまり進んでいない状況です。弊社は、デジタルを活用する知見と、業界出身者の知識を組み合わせ、データ分析も行うことでDXを推進しています。
Q 業界出身者がいることで、使いづらさや改善点がわかり、それが強みになっているということでしょうか?
A はい、その通りで、業界の知見が徐々に社内に蓄積されています。
Q 御社がサービスを直接顧客に提供することはありますでしょうか?
A いいえ、基本的に一般利用者との取引はなく、サービスの裏側を支えるシステムを提供しています。例えば、レンタカーやカーシェアの無人化システムなどを提供しています。
Q 前期の売上について案件の後ろ倒しがあり、減収減益となったとのことですが、今後の対策はございますか?
A 前期はEV市場関連のWi-Fiシステムサービスに注力していましたが、EV車全体の成長が想定より遅れたため、投資が先送りになりました。今後は、地域共創分野を新たな柱として注力していきます。
Q 地域共創分野とは、具体的にどのような取り組みでしょうか?
A 人口減少に伴う地域の交通空白問題に対して、公共ライドシェアなどを提供し、地域の足となるサービスを提供します。国もこの分野に力を入れているため、その流れに乗っていきたいと考えています。また、観光分野にも力を入れていきます。具体的には観光サイネージや、農泊のプラットフォーム等がございます。
Q 新市場の開拓についてはいかがでしょうか?
A 物流分野への進出も計画しています。市場規模が大きいことと、公共交通分野との親和性が高いこと、そして弊社が持つIoT車載デバイスを活用できる可能性があるためです。
Q 前期の成長投資が想定以上に膨らんでしまった要因について教えていただけますでしょうか?
A 販管費や研究開発費の増加が要因です。
Q 収益性改善のための具体的な取り組みはございますか?
A 内製化を進めることと、全体的な生産性向上を図ります。例えば、社内データを活用したり、プラットフォームを活用して販売パートナーを増やし、ストック売上を増加させるなどの取り組みを行います。
Q ストック売上を増加させるための施策について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?
A 今期から新たに組織を立ち上げ、自社サービスのプラットフォームを拡大していきます。顧客のニーズを的確に捉え、最適なプラットフォームパッケージを開発するための体制を構築します。
Q 新しい専門部隊を作るにあたって、人材の採用や育成方針について教えていただけますでしょうか?
A 採用は容易ではありませんが、上場したことで比較的上位層の採用はしやすくなっています。一方でエンジニアの採用は難しい状況です。弊社では、外国人材の採用にも力を入れており、特に韓国からの採用が増えています。また、M&Aも視野に入れ、採用以外の方法でもリソースを増やしていくことを検討しています。
Q 今後の株主還元策についての方針を教えていただけますか?
A 現在は事業拡大のための成長投資を優先しており、株主還元よりも事業の成長を重視しています。将来的には、安定して収益を上げられるようになれば、配当なども検討したいと考えています。
Q その他、取り組みやトピックスはございますか?
A 地域共創分野での取り組みを強化しており、長崎県の平戸市における公共ライドシェアシステム構築の運用を開始しました。また、最近では、DXイノベーション大賞で優秀賞を受賞しました。この受賞を機に、様々な自治体との連携を深めていきたいと考えています。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者:会社概要といたしましては、2012年に設立した会社でございます。主な取引先といたしましては、大手の会社が多いというのが特徴でして、ENEOSや伊藤忠グループのエネクスライフサービス、鉄道関係ですとJR九州、京王電鉄、EV関連の事業としては、パナソニックなどがございます。従業員としては50名ほどでございます。
弊社のミッションといたしましては、第一といたしましては、テクノロジーを活用して社会課題を解決するというところでございます。モビリティ業界のDX、自動車の利便性向上というところに注力している会社でございます。
取り組みといたしましては、モビリティ業界というのは、自動車のことではなく、人や物の移動によって経済活動を行うということで、移動する鉄道だったり、移動先の価値を高めるための活動をしています。鉄道、タクシー、バス、バスターミナル、商業施設、レンタカーなどが含まれます。取り組み事例といたしましては、一言で表せないところもございますので、事例を見ていただきイメージを持っていただくのが良いかと存じます。
駅鉄道でいうとサイネージとか、強みとなるところで申し上げますと、バスターミナルのところは、様々なお客様からお話をいただいており、八重洲のバスターミナルもそうですし、京王電鉄のバスターミナルの事例などが挙げられます。カーシェアとかライドシェアなど。大手のお客様との直接取引をしているという点も強みでございます。
企画から開発、運用まで一貫して携わらせていただいているため、業界の最新の知見、特に大手のお客様の最新の知見を得ることができるというのが、強みであり、他社との違いになっていると考えております。
回答者:業界に特化しているという点と、大企業との取引が多いという点が特徴でございます。
取材者: 大手のお客様が多いということですが、直接取引ができる要因はどのような点でございましょうか。
回答者: 大手と取引ができる要因といたしましては、業界知見をかなり蓄積しているという点と、スピード感を持って対応できるという点があるかと存じます。
取材者: スピード感を持って対応できるというのは、作業人員が多いということでしょうか。それとも、ノウハウが蓄積されていて、そういったことに瞬時に対応できる経験があるということでしょうか。
回答者: ノウハウが蓄積されているということもありますが、企画から開発・運用まで一気通貫でできるからだと考えております。
取材者: 創業の経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。
回答者: 2012年に創業した会社でございます。現在は株式会社ゼンリンの持分法適用会社となっていますが、元々はゼンリングループの株式会社ゼンリンデータコムという会社から社内ベンチャーとしてできた会社でございます。
当時は、インバウンドが盛んになってきているということと、IoTが注目され始めたという背景があり、デジタルサイネージのハードとその配信システムをメインの事業として始めたというのが、創業の経緯でございます。
取材者: モビリティ業界のDX化にも携わられていると思いますが、モビリティ業界のDX化の進み具合や、現状の課題などについてお聞かせいただけますでしょうか。
回答者:前提といたしまして、お客様で申し上げますと、鉄道、バス、物流など、昔からあるインフラ企業が多く、DXはあまり進んでいないというのが現状でございます。
そのような状況の中で、デジタルを活用する知見があるということと、創業当初から徐々に業界の知見がある人が入ってきているということもあり、業界に対する知見とデータの分析という両方の側面からDX化を進めているという状況でございます。
取材者: 業界にいたからこそわかる使いづらさや、こういったものがあったら良いということがわかるというのは、他社と比べても強みになっていくということでしょうか。
回答者: そうでございます。それが徐々に社内に知見として蓄積されていったということでございます。
取材者: サービスとして、直接顧客に提供するようなものはございますか。ここで言う顧客というのは、一般利用者という意味でございます。
回答者: 一般利用者との取引は、ほとんどございません。一般利用者向けにサービスを提供している会社の裏側のシステムを構築しているということが多いです。
例えば、レンタカーやカーシェアなどでしょうか。事例としてわかりやすいのは、株式会社エネクスライフサービスでございます。同社はレンタカーを運営しているのですが、無人化を提供するシステムの裏側を弊社が担当させていただいております。
取材者: それでは、前期の売上についてお聞かせいただけますでしょうか。
前期は、案件の後ろ倒しなどがあり、減収減益となってしまったとのことですが、それに対し今後どのような対策や取り組みをされるのですか。
回答者: はい。まず前提といたしまして、案件が後ろ倒しになったというのは、EV市場関連のモビリティシステムサービスに特に注力していたことが大きな要因でございます。大口のお客様が投資をするということで話を進めていたのですが、EV市場全体の成長がまだそこまで来ていないということもあり、投資を先送りするという判断になったということでございます。
そのような状況の中で、決算説明資料の中期成長戦略にも記載してあるのですが、3つの分野を設けており、地域共創、モビリティ企業DX、そしてNextモビリティという分野がございます。Nextモビリティ分野が、先ほどのEV市場に関連するところでございます。こちらの分野については、投資は継続していくものの、外部環境による影響が一定程度あるため、長い目で見ていこうと考えております。一方で、モビリティ企業DX事業については、今後かなり注力していく予定でございます。
具体的には、地域共創のところを、新たに柱としてやっていこうというところでございます。
昨今よく言われているような、人口減少の問題などがある中で、地域の交通空白、いわゆる地域交通の供給サイドの担い手が減少しているという状況があるかと存じます。例えば、地域のタクシーやバスの事業者が足りないという状況に対して、公共ライドシェアなどを提供していこうと考えております。特に地域共創の分野では、国としても国土交通省を中心に、積極的な対策を進めていこうという話になっておりますので、その流れに乗っていこうというのが主なところでございます。
回答者: また、今までは大口のお客様との取引が多かったのですが、それだけではなく、小さな取引からでもお客様のところに浸透していこうということも進めていく予定でございます。例えば、鉄道グループですと、大きなコングロマリット企業ですので、不動産など、鉄道以外の分野でもお取引をいただければと考えております。弊社といたしましては、親和性の高い事業をやっているグループ会社がたくさんございますので、そちらを深耕していこうというところでございます。あとは、物流のところにも進出していくという計画もございます。
取材者: 物流のところが、新たな市場の開拓になるということでしょうか。
回答者: そうなります。市場規模が非常に大きいということと、元々弊社が得意としている公共交通分野と近い領域であるということ、そして、当社が物流に関して管轄しているので、その面からも非常に参入しやすいということがございます。また、弊社が持っているIoT車載デバイスを活用して、新しい事業ができるのではないかということで、今進めているところでございます。
取材者: 先ほど、成長投資の部分がかなり増えてしまったというお話がありましたが、こういった部分、今ご説明いただいた分野への投資が想定以上に膨らんでしまったというのが要因でしょうか。それとも、他に要因があるのでしょうか。
回答者: 当社が膨らんでしまったと言っているのは、販管費や研究開発に伴う利益の減少のことでしょうか。
回答者: そこについては、収益性と生産性の向上という点に取り組んでおります。ある程度、外注している部分もございますので、内製化を進めていくということと、全体的な生産性の向上を図るということがございます。
例えば社内データを活用した取り組みや、弊社のプラットフォームを活用して、販売パートナーを使って顧客を獲得し、定常的な売上を上げていくといったことを進めていくということでございます。
取材者: プラットフォームを活用していくことで、サービスの効率化という部分で、かなり時間が削減されるというイメージでしょうか。
回答者: そうでございます。ストックの売上がまだ足りていないということもございますので、ストックの売上を上げていくことで、あまり営業活動をしなくても、定常的かつ安定的に収益を上げることができるようになると考えております。
取材者: ストックの売上を上げていくための取り組みは、現在どのようなことをされているのですか。
回答者: 今期から、新たに組織を立ち上げました。プラットフォーム、いわゆる自社サービスのところをより拡大していこうという目的で、プラットフォームの推進をしていく部署を新しく立ち上げ、そこに注力していくということでございます。実際に、プラットフォームパッケージサービスをより増やしていくにあたっては、顧客ニーズの最大公約数的なところを捉える必要がございますので、単純にパッケージを作るというよりは、お客様の声を聞いた上で、その中で最適なものを作り上げるための体制を作っていくということでございます。
取材者: そうしますと、そういった新しい部隊も作るということで、今後人材の採用などが必要になってくると思いますが、現在どの会社も人材の採用という部分で苦戦されている中で、採用戦略や育成方針などがあればお聞かせいただけますでしょうか。
回答者: そうですね。採用については、確かに簡単ではないというのが事実としてございます。そのような状況の中で、上場したことによって、比較的上位層については、以前より採用がしやすくなっているというのが事実としてございます。そういう面では、一定程度、順調に採用ができていると思います。
一方で、エンジニアに関しては、流動性がありつつも、なかなか採用しづらいという状況はあると思っております。そのような中で、弊社といたしましては、元々外国人材も採用しており、特に韓国からの入社が増えてきております。これについては、元々開発本部長が韓国出身であるということも影響しているかもしれません。あとは、M&A戦略というところで、採用以外の手段として、他社を買収することでリソースを増やしていくということも視野に入れています。
取材者: それでは、今後の株主還元策について、方針などがあればお聞かせいただけますでしょうか。
回答者: 現状では、配当よりも事業拡大に投資していくことが、最も株主還元に繋がると考えておりますので、成長投資に注力していくというのがメインの方針でございます。今後、安定して収益を上げられるようになり、株主様に還元した方が良いという状況になれば、配当なども検討していくことになるかと思いますが、現状は成長投資に注力するというのがメインでございます。
取材者:先ほど、今回の取り組みについてお話いただきましたが、その他に何か新たに取り組まれていることや、トピックスなどがあればお聞かせいただけますでしょうか。
回答者:トピックスといたしましては、先ほどお話した地域共創分野での取り組みに注力するという中で、IRでも発表しておりますが、長崎県の平戸市で運行される公共ライドシェアシステムの構築というところを進めさせていただいており、実際にその運用を開始しているということがございます。そのような中で、弊社の取り組みが具体的に評価されたという事例もございます。最近では、2月28日にDXイノベーション大賞というものがあったのですが、大手企業なども参加している中で、弊社が優秀賞を受賞させていただきました。これは、弊社の取り組みが評価された結果だと思っておりますので、この受賞を機に、様々な自治体もターゲットにしていきたいと考えております。
20250313 CP&X
ビジネスモデルや事業内容
株式会社Will Smartは、モビリティ業界のDXを推進し、テクノロジーを活用して社会課題の解決を目指す企業である。 事業内容は、鉄道、タクシー、バス、バスターミナル、商業施設、レンタカーなど、移動に関わる事業者へのDXソリューション提供が中心である。 大手企業との直接取引が多く、企画から開発、導入まで一貫してサービスを提供している点が特徴である。
創業の経緯と転機となった出来事
2012年にゼンリンデータコムから社内ベンチャーとして設立された。 当初は、インバウンド需要の高まりとIoTへの注目を背景に、デジタルサイネージ事業をメインとしていた。
直近の決算状況
前期は、EV市場関連事業への注力が中心であったが、EV車全体の成長が想定よりも遅れたことにより、投資が先送りとなり、減収減益となっている。
特徴や強み
モビリティ業界に特化した事業展開と、大企業との直接取引による業界知見の蓄積が強みである。特にモビリティ業界のDXを専業として取り組んでいる会社、それも交通分野を中心に行なっている会社は上場企業にはないと考えている。
成長戦略
今後は、地域共創分野を新たな柱とし、公共ライドシェアなどの地域交通DXを推進する。 大口顧客だけでなく、中小規模の顧客との取引も拡大し、鉄道グループや物流分野への事業拡大も目指す。
株主還元策
現在は事業拡大のための成長投資を優先しており、安定的な収益確保後に配当などの株主還元策を検討する方針である。
今期の取り組みやトピックス
地域共創分野での取り組みを強化しており、長崎県平戸市での公共ライドシェアシステム構築などの実績がある。当実績においてDXイノベーション大賞で優秀賞を受賞するなど、具体的な取り組みが評価されている。
その他
人材採用においては、上場により上位層の採用がしやすくなっている一方で、エンジニアの採用は依然として難しい状況である。 外国人材の採用やM&Aによるリソース獲得も視野に入れている。
IR担当

(株)Will Smart
東証GRT 175A
決算:12月末日
Q ビジネスモデルや事業内容について、特徴や強みを含めご説明いただけますでしょうか?
A 弊社の特徴は、大手企業との直接取引が多く、企画から開発、運用まで一貫して携わっている点です。これにより、業界の最新の知見を得ることができ、それを強みとしています。また、業界に特化していることと、大企業との取引が多いことも特徴です。
Q 大手企業と取引ができる要因や強みはどのような点にありますでしょうか?
A 業界知見を蓄積していることと、スピード感を持って対応できることが要因です。また、着実に実績を積むことで、信用力が高まっていることも要因の一つです。
Q スピード感を持って対応できるのは、作業人員が多いからでしょうか、それともノウハウが蓄積されているからでしょうか?
A ノウハウが蓄積されていることと、一気通貫で企画から開発運用までできることも理由の一つです。
Q 御社の創業の経緯について教えていただけますでしょうか?
A 弊社は2012年に創業した会社で、ゼンリンデータコムから社内ベンチャーとして設立されました。当時はインバウンドの増加とIoTへの注目が高まっており、デジタルサイネージのハードと配信システムを主な事業として開始しました。
Q 御社のお客様である鉄道、バス、物流などの業界のDX化の現状、課題、進捗状況はいかがでしょうか?
A 前提として、これらの業界はDXがあまり進んでいない状況です。弊社は、デジタルを活用する知見と、業界出身者の知識を組み合わせ、データ分析も行うことでDXを推進しています。
Q 業界出身者がいることで、使いづらさや改善点がわかり、それが強みになっているということでしょうか?
A はい、その通りで、業界の知見が徐々に社内に蓄積されています。
Q 御社がサービスを直接顧客に提供することはありますでしょうか?
A いいえ、基本的に一般利用者との取引はなく、サービスの裏側を支えるシステムを提供しています。例えば、レンタカーやカーシェアの無人化システムなどを提供しています。
Q 前期の売上について案件の後ろ倒しがあり、減収減益となったとのことですが、今後の対策はございますか?
A 前期はEV市場関連のWi-Fiシステムサービスに注力していましたが、EV車全体の成長が想定より遅れたため、投資が先送りになりました。今後は、地域共創分野を新たな柱として注力していきます。
Q 地域共創分野とは、具体的にどのような取り組みでしょうか?
A 人口減少に伴う地域の交通空白問題に対して、公共ライドシェアなどを提供し、地域の足となるサービスを提供します。国もこの分野に力を入れているため、その流れに乗っていきたいと考えています。また、観光分野にも力を入れていきます。具体的には観光サイネージや、農泊のプラットフォーム等がございます。
Q 新市場の開拓についてはいかがでしょうか?
A 物流分野への進出も計画しています。市場規模が大きいことと、公共交通分野との親和性が高いこと、そして弊社が持つIoT車載デバイスを活用できる可能性があるためです。
Q 前期の成長投資が想定以上に膨らんでしまった要因について教えていただけますでしょうか?
A 販管費や研究開発費の増加が要因です。
Q 収益性改善のための具体的な取り組みはございますか?
A 内製化を進めることと、全体的な生産性向上を図ります。例えば、社内データを活用したり、プラットフォームを活用して販売パートナーを増やし、ストック売上を増加させるなどの取り組みを行います。
Q ストック売上を増加させるための施策について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?
A 今期から新たに組織を立ち上げ、自社サービスのプラットフォームを拡大していきます。顧客のニーズを的確に捉え、最適なプラットフォームパッケージを開発するための体制を構築します。
Q 新しい専門部隊を作るにあたって、人材の採用や育成方針について教えていただけますでしょうか?
A 採用は容易ではありませんが、上場したことで比較的上位層の採用はしやすくなっています。一方でエンジニアの採用は難しい状況です。弊社では、外国人材の採用にも力を入れており、特に韓国からの採用が増えています。また、M&Aも視野に入れ、採用以外の方法でもリソースを増やしていくことを検討しています。
Q 今後の株主還元策についての方針を教えていただけますか?
A 現在は事業拡大のための成長投資を優先しており、株主還元よりも事業の成長を重視しています。将来的には、安定して収益を上げられるようになれば、配当なども検討したいと考えています。
Q その他、取り組みやトピックスはございますか?
A 地域共創分野での取り組みを強化しており、長崎県の平戸市における公共ライドシェアシステム構築の運用を開始しました。また、最近では、DXイノベーション大賞で優秀賞を受賞しました。この受賞を機に、様々な自治体との連携を深めていきたいと考えています。
取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。
回答者:会社概要といたしましては、2012年に設立した会社でございます。主な取引先といたしましては、大手の会社が多いというのが特徴でして、ENEOSや伊藤忠グループのエネクスライフサービス、鉄道関係ですとJR九州、京王電鉄、EV関連の事業としては、パナソニックなどがございます。従業員としては50名ほどでございます。
弊社のミッションといたしましては、第一といたしましては、テクノロジーを活用して社会課題を解決するというところでございます。モビリティ業界のDX、自動車の利便性向上というところに注力している会社でございます。
取り組みといたしましては、モビリティ業界というのは、自動車のことではなく、人や物の移動によって経済活動を行うということで、移動する鉄道だったり、移動先の価値を高めるための活動をしています。鉄道、タクシー、バス、バスターミナル、商業施設、レンタカーなどが含まれます。取り組み事例といたしましては、一言で表せないところもございますので、事例を見ていただきイメージを持っていただくのが良いかと存じます。
駅鉄道でいうとサイネージとか、強みとなるところで申し上げますと、バスターミナルのところは、様々なお客様からお話をいただいており、八重洲のバスターミナルもそうですし、京王電鉄のバスターミナルの事例などが挙げられます。カーシェアとかライドシェアなど。大手のお客様との直接取引をしているという点も強みでございます。
企画から開発、運用まで一貫して携わらせていただいているため、業界の最新の知見、特に大手のお客様の最新の知見を得ることができるというのが、強みであり、他社との違いになっていると考えております。
回答者:業界に特化しているという点と、大企業との取引が多いという点が特徴でございます。
取材者: 大手のお客様が多いということですが、直接取引ができる要因はどのような点でございましょうか。
回答者: 大手と取引ができる要因といたしましては、業界知見をかなり蓄積しているという点と、スピード感を持って対応できるという点があるかと存じます。
取材者: スピード感を持って対応できるというのは、作業人員が多いということでしょうか。それとも、ノウハウが蓄積されていて、そういったことに瞬時に対応できる経験があるということでしょうか。
回答者: ノウハウが蓄積されているということもありますが、企画から開発・運用まで一気通貫でできるからだと考えております。
取材者: 創業の経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。
回答者: 2012年に創業した会社でございます。現在は株式会社ゼンリンの持分法適用会社となっていますが、元々はゼンリングループの株式会社ゼンリンデータコムという会社から社内ベンチャーとしてできた会社でございます。
当時は、インバウンドが盛んになってきているということと、IoTが注目され始めたという背景があり、デジタルサイネージのハードとその配信システムをメインの事業として始めたというのが、創業の経緯でございます。
取材者: モビリティ業界のDX化にも携わられていると思いますが、モビリティ業界のDX化の進み具合や、現状の課題などについてお聞かせいただけますでしょうか。
回答者:前提といたしまして、お客様で申し上げますと、鉄道、バス、物流など、昔からあるインフラ企業が多く、DXはあまり進んでいないというのが現状でございます。
そのような状況の中で、デジタルを活用する知見があるということと、創業当初から徐々に業界の知見がある人が入ってきているということもあり、業界に対する知見とデータの分析という両方の側面からDX化を進めているという状況でございます。
取材者: 業界にいたからこそわかる使いづらさや、こういったものがあったら良いということがわかるというのは、他社と比べても強みになっていくということでしょうか。
回答者: そうでございます。それが徐々に社内に知見として蓄積されていったということでございます。
取材者: サービスとして、直接顧客に提供するようなものはございますか。ここで言う顧客というのは、一般利用者という意味でございます。
回答者: 一般利用者との取引は、ほとんどございません。一般利用者向けにサービスを提供している会社の裏側のシステムを構築しているということが多いです。
例えば、レンタカーやカーシェアなどでしょうか。事例としてわかりやすいのは、株式会社エネクスライフサービスでございます。同社はレンタカーを運営しているのですが、無人化を提供するシステムの裏側を弊社が担当させていただいております。
取材者: それでは、前期の売上についてお聞かせいただけますでしょうか。
前期は、案件の後ろ倒しなどがあり、減収減益となってしまったとのことですが、それに対し今後どのような対策や取り組みをされるのですか。
回答者: はい。まず前提といたしまして、案件が後ろ倒しになったというのは、EV市場関連のモビリティシステムサービスに特に注力していたことが大きな要因でございます。大口のお客様が投資をするということで話を進めていたのですが、EV市場全体の成長がまだそこまで来ていないということもあり、投資を先送りするという判断になったということでございます。
そのような状況の中で、決算説明資料の中期成長戦略にも記載してあるのですが、3つの分野を設けており、地域共創、モビリティ企業DX、そしてNextモビリティという分野がございます。Nextモビリティ分野が、先ほどのEV市場に関連するところでございます。こちらの分野については、投資は継続していくものの、外部環境による影響が一定程度あるため、長い目で見ていこうと考えております。一方で、モビリティ企業DX事業については、今後かなり注力していく予定でございます。
具体的には、地域共創のところを、新たに柱としてやっていこうというところでございます。
昨今よく言われているような、人口減少の問題などがある中で、地域の交通空白、いわゆる地域交通の供給サイドの担い手が減少しているという状況があるかと存じます。例えば、地域のタクシーやバスの事業者が足りないという状況に対して、公共ライドシェアなどを提供していこうと考えております。特に地域共創の分野では、国としても国土交通省を中心に、積極的な対策を進めていこうという話になっておりますので、その流れに乗っていこうというのが主なところでございます。
回答者: また、今までは大口のお客様との取引が多かったのですが、それだけではなく、小さな取引からでもお客様のところに浸透していこうということも進めていく予定でございます。例えば、鉄道グループですと、大きなコングロマリット企業ですので、不動産など、鉄道以外の分野でもお取引をいただければと考えております。弊社といたしましては、親和性の高い事業をやっているグループ会社がたくさんございますので、そちらを深耕していこうというところでございます。あとは、物流のところにも進出していくという計画もございます。
取材者: 物流のところが、新たな市場の開拓になるということでしょうか。
回答者: そうなります。市場規模が非常に大きいということと、元々弊社が得意としている公共交通分野と近い領域であるということ、そして、当社が物流に関して管轄しているので、その面からも非常に参入しやすいということがございます。また、弊社が持っているIoT車載デバイスを活用して、新しい事業ができるのではないかということで、今進めているところでございます。
取材者: 先ほど、成長投資の部分がかなり増えてしまったというお話がありましたが、こういった部分、今ご説明いただいた分野への投資が想定以上に膨らんでしまったというのが要因でしょうか。それとも、他に要因があるのでしょうか。
回答者: 当社が膨らんでしまったと言っているのは、販管費や研究開発に伴う利益の減少のことでしょうか。
回答者: そこについては、収益性と生産性の向上という点に取り組んでおります。ある程度、外注している部分もございますので、内製化を進めていくということと、全体的な生産性の向上を図るということがございます。
例えば社内データを活用した取り組みや、弊社のプラットフォームを活用して、販売パートナーを使って顧客を獲得し、定常的な売上を上げていくといったことを進めていくということでございます。
取材者: プラットフォームを活用していくことで、サービスの効率化という部分で、かなり時間が削減されるというイメージでしょうか。
回答者: そうでございます。ストックの売上がまだ足りていないということもございますので、ストックの売上を上げていくことで、あまり営業活動をしなくても、定常的かつ安定的に収益を上げることができるようになると考えております。
取材者: ストックの売上を上げていくための取り組みは、現在どのようなことをされているのですか。
回答者: 今期から、新たに組織を立ち上げました。プラットフォーム、いわゆる自社サービスのところをより拡大していこうという目的で、プラットフォームの推進をしていく部署を新しく立ち上げ、そこに注力していくということでございます。実際に、プラットフォームパッケージサービスをより増やしていくにあたっては、顧客ニーズの最大公約数的なところを捉える必要がございますので、単純にパッケージを作るというよりは、お客様の声を聞いた上で、その中で最適なものを作り上げるための体制を作っていくということでございます。
取材者: そうしますと、そういった新しい部隊も作るということで、今後人材の採用などが必要になってくると思いますが、現在どの会社も人材の採用という部分で苦戦されている中で、採用戦略や育成方針などがあればお聞かせいただけますでしょうか。
回答者: そうですね。採用については、確かに簡単ではないというのが事実としてございます。そのような状況の中で、上場したことによって、比較的上位層については、以前より採用がしやすくなっているというのが事実としてございます。そういう面では、一定程度、順調に採用ができていると思います。
一方で、エンジニアに関しては、流動性がありつつも、なかなか採用しづらいという状況はあると思っております。そのような中で、弊社といたしましては、元々外国人材も採用しており、特に韓国からの入社が増えてきております。これについては、元々開発本部長が韓国出身であるということも影響しているかもしれません。あとは、M&A戦略というところで、採用以外の手段として、他社を買収することでリソースを増やしていくということも視野に入れています。
取材者: それでは、今後の株主還元策について、方針などがあればお聞かせいただけますでしょうか。
回答者: 現状では、配当よりも事業拡大に投資していくことが、最も株主還元に繋がると考えておりますので、成長投資に注力していくというのがメインの方針でございます。今後、安定して収益を上げられるようになり、株主様に還元した方が良いという状況になれば、配当なども検討していくことになるかと思いますが、現状は成長投資に注力するというのがメインでございます。
取材者:先ほど、今回の取り組みについてお話いただきましたが、その他に何か新たに取り組まれていることや、トピックスなどがあればお聞かせいただけますでしょうか。
回答者:トピックスといたしましては、先ほどお話した地域共創分野での取り組みに注力するという中で、IRでも発表しておりますが、長崎県の平戸市で運行される公共ライドシェアシステムの構築というところを進めさせていただいており、実際にその運用を開始しているということがございます。そのような中で、弊社の取り組みが具体的に評価されたという事例もございます。最近では、2月28日にDXイノベーション大賞というものがあったのですが、大手企業なども参加している中で、弊社が優秀賞を受賞させていただきました。これは、弊社の取り組みが評価された結果だと思っておりますので、この受賞を機に、様々な自治体もターゲットにしていきたいと考えております。
20250313 CP&X
ビジネスモデルや事業内容
株式会社Will Smartは、モビリティ業界のDXを推進し、テクノロジーを活用して社会課題の解決を目指す企業である。 事業内容は、鉄道、タクシー、バス、バスターミナル、商業施設、レンタカーなど、移動に関わる事業者へのDXソリューション提供が中心である。 大手企業との直接取引が多く、企画から開発、導入まで一貫してサービスを提供している点が特徴である。
創業の経緯と転機となった出来事
2012年にゼンリンデータコムから社内ベンチャーとして設立された。 当初は、インバウンド需要の高まりとIoTへの注目を背景に、デジタルサイネージ事業をメインとしていた。
直近の決算状況
前期は、EV市場関連事業への注力が中心であったが、EV車全体の成長が想定よりも遅れたことにより、投資が先送りとなり、減収減益となっている。
特徴や強み
モビリティ業界に特化した事業展開と、大企業との直接取引による業界知見の蓄積が強みである。特にモビリティ業界のDXを専業として取り組んでいる会社、それも交通分野を中心に行なっている会社は上場企業にはないと考えている。
成長戦略
今後は、地域共創分野を新たな柱とし、公共ライドシェアなどの地域交通DXを推進する。 大口顧客だけでなく、中小規模の顧客との取引も拡大し、鉄道グループや物流分野への事業拡大も目指す。
株主還元策
現在は事業拡大のための成長投資を優先しており、安定的な収益確保後に配当などの株主還元策を検討する方針である。
今期の取り組みやトピックス
地域共創分野での取り組みを強化しており、長崎県平戸市での公共ライドシェアシステム構築などの実績がある。当実績においてDXイノベーション大賞で優秀賞を受賞するなど、具体的な取り組みが評価されている。
その他
人材採用においては、上場により上位層の採用がしやすくなっている一方で、エンジニアの採用は依然として難しい状況である。 外国人材の採用やM&Aによるリソース獲得も視野に入れている。
IR担当