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(株)Will Smart

東証GRT 175A

決算:12月末日

20251121

CP&X


【2025年12月期 3Q】

決算概要

第3四半期累計売上高550百万円、営業損失241百万円、経常損失219百万円、純損失220百万円となりました。主な減益要因は大口顧客によるカーシェアサービス終了およびEV関連需要の伸び悩みによる影響です。ストック売上は期初計画250百万円を上回る320百万円と堅調に推移し、複数顧客からの継続収益が増加しており、収益基盤の安定性が向上しています。


セグメント別または事業別の増減要因

Nextモビリティ分野では大口顧客によるカーシェアサービス終了の影響などにより売上高が減少しており、EV関連需要の伸び悩みも加わっています。地域共創分野では交通空白解消に向けた国・自治体からの受託開発が進行中で、国プロジェクト1件を受注し一部を当期に売上計上、自治体案件は来期第1四半期の売上を見込んでいます。モビリティ企業DX分野では物流市場本格進出に向けたデジタコ開発を実施しており、当期中のリリースを予定しております。


主要KPIの進捗と変化

特定顧客依存度が2021年3月期64%から2025年12月期3Q8%へ大幅に低下し、安定収益基盤の確立が進行中です。総アカウント数は93社(既存86社、新規7社)で既存アカウントは過去最高水準を推移しています。新規アカウントは公共ライドシェアなどの地域共創分野での獲得が進展していますが、これらの案件は来期第1四半期の売上計上を見込んでいます。ストック売上は販売パートナーとの関係強化によるストック拡大が進んでおり、通期で320百万円の計上が見込めます。


通期見通しと進捗率・達成可能性

修正通期業績は売上高780百万円、営業損失290百万円です。第3四半期550百万円に対し進捗率は約71%です。ショット売上はEV需要伸び悩み、大口顧客カーシェアサービス終了、物流商品リリース延期により当初950百万円から460百万円に減少見込みです。ストック売上は期初計画比28%増の320百万円と堅調であり、来期売上は当期水準を超える見通しです。


トピックス

当第3四半期累計期間は万博会場バス統合管理システム提供、NTTドコモとのカーシェア業務提携開始、複数自治体との公共ライドシェアサービス導入支援を実施しました。ゼンリンおよびイチバンセンとの協業開始、地域金融機関のネットワーク拡充を行い、当社は地域交通DXの実装部隊としての地位確立が進んでいます。9月16日発表の中期ビジョン2030では「地方部におけるモビリティ社会の実現」を掲げ、長期的な基盤構築を推進しています。

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​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • 20250313 CP&X

     

    ビジネスモデルや事業内容

    株式会社Will Smartは、モビリティ業界のDXを推進し、テクノロジーを活用して社会課題の解決を目指す企業である。 事業内容は、鉄道、タクシー、バス、バスターミナル、商業施設、レンタカーなど、移動に関わる事業者へのDXソリューション提供が中心である。 大手企業との直接取引が多く、企画から開発、導入まで一貫してサービスを提供している点が特徴である。

     

    創業の経緯と転機となった出来事

    2012年にゼンリンデータコムから社内ベンチャーとして設立された。 当初は、インバウンド需要の高まりとIoTへの注目を背景に、デジタルサイネージ事業をメインとしていた。

     

    直近の決算状況

    前期は、EV市場関連事業への注力が中心であったが、EV車全体の成長が想定よりも遅れたことにより、投資が先送りとなり、減収減益となっている。

     

    特徴や強み

    モビリティ業界に特化した事業展開と、大企業との直接取引による業界知見の蓄積が強みである。特にモビリティ業界のDXを専業として取り組んでいる会社、それも交通分野を中心に行なっている会社は上場企業にはないと考えている。

     

    成長戦略

    今後は、地域共創分野を新たな柱とし、公共ライドシェアなどの地域交通DXを推進する。 大口顧客だけでなく、中小規模の顧客との取引も拡大し、鉄道グループや物流分野への事業拡大も目指す。

     

    株主還元策

    現在は事業拡大のための成長投資を優先しており、安定的な収益確保後に配当などの株主還元策を検討する方針である。

     

    今期の取り組みやトピックス

    地域共創分野での取り組みを強化しており、長崎県平戸市での公共ライドシェアシステム構築などの実績がある。当実績においてDXイノベーション大賞で優秀賞を受賞するなど、具体的な取り組みが評価されている。

     

    その他

    人材採用においては、上場により上位層の採用がしやすくなっている一方で、エンジニアの採用は依然として難しい状況である。 外国人材の採用やM&Aによるリソース獲得も視野に入れている。

  • Q ビジネスモデルや事業内容について、特徴や強みを含めご説明いただけますでしょうか?

    A 弊社の特徴は、大手企業との直接取引が多く、企画から開発、運用まで一貫して携わっている点です。これにより、業界の最新の知見を得ることができ、それを強みとしています。また、業界に特化していることと、大企業との取引が多いことも特徴です。

     

    Q 大手企業と取引ができる要因や強みはどのような点にありますでしょうか?

    A 業界知見を蓄積していることと、スピード感を持って対応できることが要因です。また、着実に実績を積むことで、信用力が高まっていることも要因の一つです。

     

    Q スピード感を持って対応できるのは、作業人員が多いからでしょうか、それともノウハウが蓄積されているからでしょうか?

    A ノウハウが蓄積されていることと、一気通貫で企画から開発運用までできることも理由の一つです。

     

    Q 御社の創業の経緯について教えていただけますでしょうか?

    A 弊社は2012年に創業した会社で、ゼンリンデータコムから社内ベンチャーとして設立されました。当時はインバウンドの増加とIoTへの注目が高まっており、デジタルサイネージのハードと配信システムを主な事業として開始しました。

     

    Q 御社のお客様である鉄道、バス、物流などの業界のDX化の現状、課題、進捗状況はいかがでしょうか?

    A 前提として、これらの業界はDXがあまり進んでいない状況です。弊社は、デジタルを活用する知見と、業界出身者の知識を組み合わせ、データ分析も行うことでDXを推進しています。

     

    Q 業界出身者がいることで、使いづらさや改善点がわかり、それが強みになっているということでしょうか?

    A はい、その通りで、業界の知見が徐々に社内に蓄積されています。

     

    Q 御社がサービスを直接顧客に提供することはありますでしょうか?

    A いいえ、基本的に一般利用者との取引はなく、サービスの裏側を支えるシステムを提供しています。例えば、レンタカーやカーシェアの無人化システムなどを提供しています。

     

    Q 前期の売上について案件の後ろ倒しがあり、減収減益となったとのことですが、今後の対策はございますか?

    A 前期はEV市場関連のWi-Fiシステムサービスに注力していましたが、EV車全体の成長が想定より遅れたため、投資が先送りになりました。今後は、地域共創分野を新たな柱として注力していきます。

     

    Q 地域共創分野とは、具体的にどのような取り組みでしょうか?

    A 人口減少に伴う地域の交通空白問題に対して、公共ライドシェアなどを提供し、地域の足となるサービスを提供します。国もこの分野に力を入れているため、その流れに乗っていきたいと考えています。また、観光分野にも力を入れていきます。具体的には観光サイネージや、農泊のプラットフォーム等がございます。

     

    Q 新市場の開拓についてはいかがでしょうか?

    A 物流分野への進出も計画しています。市場規模が大きいことと、公共交通分野との親和性が高いこと、そして弊社が持つIoT車載デバイスを活用できる可能性があるためです。

     

    Q 前期の成長投資が想定以上に膨らんでしまった要因について教えていただけますでしょうか?

    A 販管費や研究開発費の増加が要因です。

     

    Q 収益性改善のための具体的な取り組みはございますか?

    A 内製化を進めることと、全体的な生産性向上を図ります。例えば、社内データを活用したり、プラットフォームを活用して販売パートナーを増やし、ストック売上を増加させるなどの取り組みを行います。

     

    Q ストック売上を増加させるための施策について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?

    A 今期から新たに組織を立ち上げ、自社サービスのプラットフォームを拡大していきます。顧客のニーズを的確に捉え、最適なプラットフォームパッケージを開発するための体制を構築します。

     

    Q 新しい専門部隊を作るにあたって、人材の採用や育成方針について教えていただけますでしょうか?

    A 採用は容易ではありませんが、上場したことで比較的上位層の採用はしやすくなっています。一方でエンジニアの採用は難しい状況です。弊社では、外国人材の採用にも力を入れており、特に韓国からの採用が増えています。また、M&Aも視野に入れ、採用以外の方法でもリソースを増やしていくことを検討しています。

     

    Q 今後の株主還元策についての方針を教えていただけますか?

    A 現在は事業拡大のための成長投資を優先しており、株主還元よりも事業の成長を重視しています。将来的には、安定して収益を上げられるようになれば、配当なども検討したいと考えています。

     

    Q その他、取り組みやトピックスはございますか?

    A 地域共創分野での取り組みを強化しており、長崎県の平戸市における公共ライドシェアシステム構築の運用を開始しました。また、最近では、DXイノベーション大賞で優秀賞を受賞しました。この受賞を機に、様々な自治体との連携を深めていきたいと考えています。

  • 取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    回答者:会社概要といたしましては、2012年に設立した会社でございます。主な取引先といたしましては、大手の会社が多いというのが特徴でして、ENEOSや伊藤忠グループのエネクスライフサービス、鉄道関係ですとJR九州、京王電鉄、EV関連の事業としては、パナソニックなどがございます。従業員としては50名ほどでございます。

    弊社のミッションといたしましては、第一といたしましては、テクノロジーを活用して社会課題を解決するというところでございます。モビリティ業界のDX、自動車の利便性向上というところに注力している会社でございます。

    取り組みといたしましては、モビリティ業界というのは、自動車のことではなく、人や物の移動によって経済活動を行うということで、移動する鉄道だったり、移動先の価値を高めるための活動をしています。鉄道、タクシー、バス、バスターミナル、商業施設、レンタカーなどが含まれます。取り組み事例といたしましては、一言で表せないところもございますので、事例を見ていただきイメージを持っていただくのが良いかと存じます。

    駅鉄道でいうとサイネージとか、強みとなるところで申し上げますと、バスターミナルのところは、様々なお客様からお話をいただいており、八重洲のバスターミナルもそうですし、京王電鉄のバスターミナルの事例などが挙げられます。カーシェアとかライドシェアなど。大手のお客様との直接取引をしているという点も強みでございます。

    企画から開発、運用まで一貫して携わらせていただいているため、業界の最新の知見、特に大手のお客様の最新の知見を得ることができるというのが、強みであり、他社との違いになっていると考えております。

    回答者:業界に特化しているという点と、大企業との取引が多いという点が特徴でございます。

    取材者: 大手のお客様が多いということですが、直接取引ができる要因はどのような点でございましょうか。

    回答者: 大手と取引ができる要因といたしましては、業界知見をかなり蓄積しているという点と、スピード感を持って対応できるという点があるかと存じます。

    取材者: スピード感を持って対応できるというのは、作業人員が多いということでしょうか。それとも、ノウハウが蓄積されていて、そういったことに瞬時に対応できる経験があるということでしょうか。

    回答者: ノウハウが蓄積されているということもありますが、企画から開発・運用まで一気通貫でできるからだと考えております。

    取材者: 創業の経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者: 2012年に創業した会社でございます。現在は株式会社ゼンリンの持分法適用会社となっていますが、元々はゼンリングループの株式会社ゼンリンデータコムという会社から社内ベンチャーとしてできた会社でございます。

    当時は、インバウンドが盛んになってきているということと、IoTが注目され始めたという背景があり、デジタルサイネージのハードとその配信システムをメインの事業として始めたというのが、創業の経緯でございます。

    取材者: モビリティ業界のDX化にも携わられていると思いますが、モビリティ業界のDX化の進み具合や、現状の課題などについてお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者:前提といたしまして、お客様で申し上げますと、鉄道、バス、物流など、昔からあるインフラ企業が多く、DXはあまり進んでいないというのが現状でございます。

    そのような状況の中で、デジタルを活用する知見があるということと、創業当初から徐々に業界の知見がある人が入ってきているということもあり、業界に対する知見とデータの分析という両方の側面からDX化を進めているという状況でございます。

    取材者: 業界にいたからこそわかる使いづらさや、こういったものがあったら良いということがわかるというのは、他社と比べても強みになっていくということでしょうか。

    回答者: そうでございます。それが徐々に社内に知見として蓄積されていったということでございます。

    取材者: サービスとして、直接顧客に提供するようなものはございますか。ここで言う顧客というのは、一般利用者という意味でございます。

    回答者: 一般利用者との取引は、ほとんどございません。一般利用者向けにサービスを提供している会社の裏側のシステムを構築しているということが多いです。

    例えば、レンタカーやカーシェアなどでしょうか。事例としてわかりやすいのは、株式会社エネクスライフサービスでございます。同社はレンタカーを運営しているのですが、無人化を提供するシステムの裏側を弊社が担当させていただいております。

    取材者: それでは、前期の売上についてお聞かせいただけますでしょうか。

    前期は、案件の後ろ倒しなどがあり、減収減益となってしまったとのことですが、それに対し今後どのような対策や取り組みをされるのですか。

    回答者: はい。まず前提といたしまして、案件が後ろ倒しになったというのは、EV市場関連のモビリティシステムサービスに特に注力していたことが大きな要因でございます。大口のお客様が投資をするということで話を進めていたのですが、EV市場全体の成長がまだそこまで来ていないということもあり、投資を先送りするという判断になったということでございます。

    そのような状況の中で、決算説明資料の中期成長戦略にも記載してあるのですが、3つの分野を設けており、地域共創、モビリティ企業DX、そしてNextモビリティという分野がございます。Nextモビリティ分野が、先ほどのEV市場に関連するところでございます。こちらの分野については、投資は継続していくものの、外部環境による影響が一定程度あるため、長い目で見ていこうと考えております。一方で、モビリティ企業DX事業については、今後かなり注力していく予定でございます。

    具体的には、地域共創のところを、新たに柱としてやっていこうというところでございます。

    昨今よく言われているような、人口減少の問題などがある中で、地域の交通空白、いわゆる地域交通の供給サイドの担い手が減少しているという状況があるかと存じます。例えば、地域のタクシーやバスの事業者が足りないという状況に対して、公共ライドシェアなどを提供していこうと考えております。特に地域共創の分野では、国としても国土交通省を中心に、積極的な対策を進めていこうという話になっておりますので、その流れに乗っていこうというのが主なところでございます。

    回答者: また、今までは大口のお客様との取引が多かったのですが、それだけではなく、小さな取引からでもお客様のところに浸透していこうということも進めていく予定でございます。例えば、鉄道グループですと、大きなコングロマリット企業ですので、不動産など、鉄道以外の分野でもお取引をいただければと考えております。弊社といたしましては、親和性の高い事業をやっているグループ会社がたくさんございますので、そちらを深耕していこうというところでございます。あとは、物流のところにも進出していくという計画もございます。

    取材者: 物流のところが、新たな市場の開拓になるということでしょうか。

    回答者: そうなります。市場規模が非常に大きいということと、元々弊社が得意としている公共交通分野と近い領域であるということ、そして、当社が物流に関して管轄しているので、その面からも非常に参入しやすいということがございます。また、弊社が持っているIoT車載デバイスを活用して、新しい事業ができるのではないかということで、今進めているところでございます。

    取材者: 先ほど、成長投資の部分がかなり増えてしまったというお話がありましたが、こういった部分、今ご説明いただいた分野への投資が想定以上に膨らんでしまったというのが要因でしょうか。それとも、他に要因があるのでしょうか。

    回答者: 当社が膨らんでしまったと言っているのは、販管費や研究開発に伴う利益の減少のことでしょうか。

    回答者: そこについては、収益性と生産性の向上という点に取り組んでおります。ある程度、外注している部分もございますので、内製化を進めていくということと、全体的な生産性の向上を図るということがございます。

    例えば社内データを活用した取り組みや、弊社のプラットフォームを活用して、販売パートナーを使って顧客を獲得し、定常的な売上を上げていくといったことを進めていくということでございます。

    取材者: プラットフォームを活用していくことで、サービスの効率化という部分で、かなり時間が削減されるというイメージでしょうか。

    回答者: そうでございます。ストックの売上がまだ足りていないということもございますので、ストックの売上を上げていくことで、あまり営業活動をしなくても、定常的かつ安定的に収益を上げることができるようになると考えております。

    取材者: ストックの売上を上げていくための取り組みは、現在どのようなことをされているのですか。

    回答者: 今期から、新たに組織を立ち上げました。プラットフォーム、いわゆる自社サービスのところをより拡大していこうという目的で、プラットフォームの推進をしていく部署を新しく立ち上げ、そこに注力していくということでございます。実際に、プラットフォームパッケージサービスをより増やしていくにあたっては、顧客ニーズの最大公約数的なところを捉える必要がございますので、単純にパッケージを作るというよりは、お客様の声を聞いた上で、その中で最適なものを作り上げるための体制を作っていくということでございます。

    取材者: そうしますと、そういった新しい部隊も作るということで、今後人材の採用などが必要になってくると思いますが、現在どの会社も人材の採用という部分で苦戦されている中で、採用戦略や育成方針などがあればお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者: そうですね。採用については、確かに簡単ではないというのが事実としてございます。そのような状況の中で、上場したことによって、比較的上位層については、以前より採用がしやすくなっているというのが事実としてございます。そういう面では、一定程度、順調に採用ができていると思います。

    一方で、エンジニアに関しては、流動性がありつつも、なかなか採用しづらいという状況はあると思っております。そのような中で、弊社といたしましては、元々外国人材も採用しており、特に韓国からの入社が増えてきております。これについては、元々開発本部長が韓国出身であるということも影響しているかもしれません。あとは、M&A戦略というところで、採用以外の手段として、他社を買収することでリソースを増やしていくということも視野に入れています。

    取材者: それでは、今後の株主還元策について、方針などがあればお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者: 現状では、配当よりも事業拡大に投資していくことが、最も株主還元に繋がると考えておりますので、成長投資に注力していくというのがメインの方針でございます。今後、安定して収益を上げられるようになり、株主様に還元した方が良いという状況になれば、配当なども検討していくことになるかと思いますが、現状は成長投資に注力するというのがメインでございます。

    取材者:先ほど、今回の取り組みについてお話いただきましたが、その他に何か新たに取り組まれていることや、トピックスなどがあればお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者:トピックスといたしましては、先ほどお話した地域共創分野での取り組みに注力するという中で、IRでも発表しておりますが、長崎県の平戸市で運行される公共ライドシェアシステムの構築というところを進めさせていただいており、実際にその運用を開始しているということがございます。そのような中で、弊社の取り組みが具体的に評価されたという事例もございます。最近では、2月28日にDXイノベーション大賞というものがあったのですが、大手企業なども参加している中で、弊社が優秀賞を受賞させていただきました。これは、弊社の取り組みが評価された結果だと思っておりますので、この受賞を機に、様々な自治体もターゲットにしていきたいと考えております。

  • IR担当

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(株)Will Smart

東証GRT 175A

決算:12月末日

CP&X


【2025年12月期 3Q】

決算概要

第3四半期累計売上高550百万円、営業損失241百万円、経常損失219百万円、純損失220百万円となりました。主な減益要因は大口顧客によるカーシェアサービス終了およびEV関連需要の伸び悩みによる影響です。ストック売上は期初計画250百万円を上回る320百万円と堅調に推移し、複数顧客からの継続収益が増加しており、収益基盤の安定性が向上しています。


セグメント別または事業別の増減要因

Nextモビリティ分野では大口顧客によるカーシェアサービス終了の影響などにより売上高が減少しており、EV関連需要の伸び悩みも加わっています。地域共創分野では交通空白解消に向けた国・自治体からの受託開発が進行中で、国プロジェクト1件を受注し一部を当期に売上計上、自治体案件は来期第1四半期の売上を見込んでいます。モビリティ企業DX分野では物流市場本格進出に向けたデジタコ開発を実施しており、当期中のリリースを予定しております。


主要KPIの進捗と変化

特定顧客依存度が2021年3月期64%から2025年12月期3Q8%へ大幅に低下し、安定収益基盤の確立が進行中です。総アカウント数は93社(既存86社、新規7社)で既存アカウントは過去最高水準を推移しています。新規アカウントは公共ライドシェアなどの地域共創分野での獲得が進展していますが、これらの案件は来期第1四半期の売上計上を見込んでいます。ストック売上は販売パートナーとの関係強化によるストック拡大が進んでおり、通期で320百万円の計上が見込めます。


通期見通しと進捗率・達成可能性

修正通期業績は売上高780百万円、営業損失290百万円です。第3四半期550百万円に対し進捗率は約71%です。ショット売上はEV需要伸び悩み、大口顧客カーシェアサービス終了、物流商品リリース延期により当初950百万円から460百万円に減少見込みです。ストック売上は期初計画比28%増の320百万円と堅調であり、来期売上は当期水準を超える見通しです。


トピックス

当第3四半期累計期間は万博会場バス統合管理システム提供、NTTドコモとのカーシェア業務提携開始、複数自治体との公共ライドシェアサービス導入支援を実施しました。ゼンリンおよびイチバンセンとの協業開始、地域金融機関のネットワーク拡充を行い、当社は地域交通DXの実装部隊としての地位確立が進んでいます。9月16日発表の中期ビジョン2030では「地方部におけるモビリティ社会の実現」を掲げ、長期的な基盤構築を推進しています。

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    2025年12月期第2四半期は、売上高361百万円、営業利益マイナス168百万円、経常利益マイナス153百万円、中間純利益マイナス153百万円であった。決算期変更により、前年同期との単純比較はできないものの、4月から9月の期間で見ると増収増益となっている。しかし、1月から6月の累計では、EV関連の停滞と一部大口顧客の新規事業投資撤退が主な要因となり、減収減益となった。

     

    主要KPIの進捗と変化

    重要視している指標は「取引者数」であり、売上が計上された既存アカウント数は過去最高水準で推移している。一方で、新規の売上が伸び悩んでおり、これがショット売上低調の一因となっている。ストック収益は、期初計画250百万円に対し、約300百万円に達する見込みであり、ほぼ確実である。これは、無人レンタカー事業のシステム開発やライセンス、過去に導入したシステムの保守利用料が積み上がったことによるもので、特定の大口顧客への依存から脱却し、複数の大口顧客からの保守運用料が増加していることが背景にある。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    第2四半期(4月から6月)の売上は、高速バス向け予約システムの納品によるものに加え、各種システム納品後の保守料、並びに無人レンタカー事業の車載器導入及びライセンス利用料の積み上がりが寄与している。これは複数の大口顧客との取引拡大による成果である。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    通期業績予想は、売上高1,200百万円、営業利益50百万円、経常利益50百万円、当期純利益40百万円を据え置いている。下期で約840百万円を積み上げる必要があり、達成に向けては進行基準での売上計上と、期初に採用した営業人員や外部協力者の貢献がポイントとなる。

     

    トピックス

    8月19日に国土交通省の協力を得て、当社としては初めてとなる大規模なイベントを開催した。このイベントは、「交通空白」解消・官民連携プラットフォーム協力の下、開催したものであり、国土交通省の事務次官をはじめ多くの要人が登壇したことは、当社のイベントに対する期待の大きさを感じさせるものであった。今後は、このイベントを通じて営業活動をさらに強化していく方針である。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)は何でしょうか?

    A:当社の成長戦略は、EV関連や大口顧客の新規事業停滞による減収減益を補うため、地域共創分野とモビリティ企業DX分野の取り組みを強化しています。特に、自治体向けの地域共創分野では、国のプロジェクト受注や交通空白への取り組みを進めており、ゼンリン様との協業やNTTドコモ様との業務提携は、中長期的な収益獲得に大きく貢献すると考えています。

    モビリティ企業DXの分野では、大型バスターミナルの開発受託案件が着実に進捗しており、万博や八重洲といった象徴的な案件から新たな引き合いが増加しています。これらの案件は下期に売上として計上される見込みです。また、取引者数の増加を重要視しており、既存アカウント数は過去最高水準で推移していますが、新規案件の売上はまだ伸び悩んでいます。一方、ストック収益は無人レンタカー事業や過去に導入したシステムの保守利用料が積み上がり、期初計画を上回る約300百万円に達する見込みです。大口顧客への依存を脱却し、複数の大口顧客からの保守運用料が増加していることがこの背景にあります。さらに、中期成長戦略で新規に進出した物流分野の商材開発も順調に進んでおり、下期での納品がポイントとなります。

     

    Q:通期業績の見通しについてご説明ください。

    A:2025年12月期の通期業績予想は、売上高1,200百万円、営業利益50百万円、経常利益50百万円、当期純利益40百万円を据え置いています。この予想を達成するためには、下期に約840百万円を積み上げる必要があります。下期に売上を伸ばすための施策としては、進行基準での売上計上を進めることと、期初に採用した営業人員や外部協力者が下期、特に9月頃から成果を上げてくることを期待しています。これらの営業人員の活動量と、戦力となる人材の増加が、下期での業績達成に貢献する重要な要素となります。

     

    Q:受注・競合状況は如何でしょうか?

    A:新規の売上が伸び悩んでいるため、ショットの売上は現在低迷しています。これは、EV関連や大口顧客の新規事業の影響を大きく受けているためです。一方で、下期に向けては、大手顧客の予算執行に加え、データ活用の受注、八重洲バスターミナルや万博といった象徴的な案件が外部に公開されたことで、当社への引き合いが増加しています。これらの案件をいかに早く受注し、今期中に売上として計上できるかが鍵となります。交通空白問題に取り組む大手企業も存在しますが、当社はこの問題をメイン事業として捉え、モビリティ交通分野を主力としていくことを明確に宣言しており、過去の実績と合わせて高い信頼を得ていると考えています。

     

    Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:中期成長戦略でM&Aや提携の実行を掲げており、引き続き検討を継続しています。また、地域共創分野では、中期成長戦略で掲げている地方銀行との連携を進めており、常陽銀行とは協業を開始いたしました。今後は他の地方銀行にも横展開をしていきたいと考えています。

  • 取材者:まず、2025年12月期第2四半期の決算状況についてお伺いします。売上高は361百万円、営業利益はマイナス168百万円、経常利益はマイナス153百万円、中間純利益はマイナス153百万円とのことです。前年同期と比較すると増収し、利益も改善傾向にあるように見受けられますが、増減要因についてご説明いただけますか。

     

    回答者:まず、大前提としまして、弊社は2024年12月期に決算期を3月から12月に変更しております。そのため、第2四半期同士の単純な比較では、期間にずれが生じます。現在の第2四半期は4月から9月の期間となり、前年同期と比べると増収増益となっております。一方で、第1四半期(1月から3月)に多くの売上が計上される構造があるため、これを考慮すると、1月から6月の累計比較では減収減益となっております。

    この減収減益の主な要因は、EV関連の停滞と、一部の大口顧客における新規事業投資の撤退です。しかし、地域共創分野、自治体向けの取り組みについては、一定の種まきや仕込みができております。国のプロジェクトの受注や自治体との交通空白解消に向けた取り組みなども進展しております。また、モビリティ企業DXの分野におきましては、大型バスターミナルの開発受託に向けた取り組みが着実に進んでおります。これらの案件は1月から6月の売上への貢献は小さいものでしたが、万博や八重洲の案件などを受けて、下期に向けた新たな引き合いも出てきており、これらは進行基準で下期に売上として計上される見込みです。

    さらに、地域共創分野では、ゼンリン様との「交通空白」把握・解消に向けた協業や、NTTドコモ様とのカーシェア領域における業務提携を進めており、これらは中長期的な収益獲得に大きく寄与すると考えております。特にNTT様との提携については、今期中にどれだけの成果を出せるかが注目点となります。

     

    取材者:1月から3月期の売上が減少した一方で、4月から6月の売上は前年同期と比較しても増加していると見受けられます。この要因は、新規案件の獲得や、大型バスターミナル案件などが好調だったためという認識でよろしいですか。

     

    回答者:第2四半期の3ヶ月間(4月から6月)単体の売上を見ると、高速バス向け予約システムの納品によるものに加え、各種システム納品後の保守料、並びに無人レンタカー事業の車載器導入及びライセンス利用料の積み上がりが寄与しております。これはかねてより進めてきた特定顧客への依存脱却に向けた複数の大口顧客との取引拡大による成果につながっております。

     

    取材者:ちなみに、2024年3月期(2年前)の4月から6月の売上が過去最高だったのは、どういった理由ですか。

     

    回答者:この時期は、特定の大口顧客への依存が大きかったためです。また、薄利ではありましたが、インポート事業の売上が計上されており、これがなくなっていることが今回の売上低下につながっております。

     

    取材者:現在、大口顧客に依存した体制を変更し、来期以降に向けた成長の土台を築くための準備期間という認識でよろしいですか。

     

    回答者:準備期間という表現が正しいかは分かりませんが、かねてから準備を進めてきたことが、徐々に成果として現れ始めている段階です。

     

    取材者:前期と比べて、採用人数の推移はいかがですか。

     

    回答者:従業員数は約50名で推移しております。地域共創推進室やプラットフォーム推進室といった新しい組織を立ち上げ、地域共創分野の取り組みや新たな商材開発に必要な人材確保を進めております。

    取材者:その他、主要なKPIや重要な資料などございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:弊社としては「取引者数」を重要視しております。資料11ページにある通り、売上が計上された既存アカウント数は過去最高水準で推移しております。一方で、新規の売上がまだ伸び悩んでおり、これがショット売上が低調である要因の一つとなっております。

    ストック収益については、期初計画の250百万円に対し、約300百万円に達する見込みで、これはほぼ確実と考えております。特に、無人レンタカー事業に向けたシステム開発やライセンス、過去に導入したシステムの保守利用料が積み上がってきております。これは、特定の大口顧客への依存から脱却し、複数の大口顧客からの保守運用料が増加しているためです。

    一方で、ショットの売上は現在低迷しております。これは、前年の後半に比べてEV関連や大口顧客の新規事業の影響を大きく受けているためです。下期に向けては、大手顧客の予算執行に加え、データ活用の受注、八重洲バスターミナルや万博の案件が象徴的な案件として外部に公開されていることから、当社への引き合いが増加しております。これらをいかに早く受注し、今期中に売上を計上できるかが鍵となります。また、2月に発表した中期成長戦略で新規に本格進出する物流分野においても、商材開発は順調に進んでおり、12月までにどれだけ納品できるかがポイントとなります。

     

    取材者:新規案件やショット売上については、上半期で種まきが終わり、下半期でそれを刈り取ることが重要になるという見方でよろしいですか。

     

    回答者:はい、その通りです。種まきは継続して行っておりますが、象徴的な案件があることで、それをきっかけに大口顧客とのコミュニケーションも進んでおります。今期中に受注できる可能性があるため、それをどれだけ売上に計上できるかが重要となります。

     

    取材者:2025年12月期の業績予想は、売上高1,200百万円、営業利益50百万円、経常利益50百万円、当期純利益は40百万円となっておりますが、通期業績予想に対する見通しはいかがでしょうか。

     

    回答者:現状では、売上高1,200百万円を据え置いております。資料10ページをご覧いただくと分かりますが、下期で約840百万円を積み上げる必要があります。進行基準での売上計上を進めることと、期初に採用した営業人員や外部協力者が下期、特に9月頃から成果を上げてくると見込んでおります。これらの営業人員の活動量と、戦力化する人材の増加が下期に向けて増えていくため、その寄与度がポイントとなります。

     

    取材者:モビリティ分野での協業のお話がございましたが、その他にM&Aや業務提携の検討状況について、お話いただける範囲で教えていただけますか。

     

    回答者:はい。中期成長戦略でM&Aや提携の実行を掲げており、引き続き継続して検討しております。また、資料17ページにある地域共創分野では、中期成長戦略で掲げている地方銀行との連携を進めており、現在、常陽銀行様との協業が進んでおります。今後、他の地方銀行にも横展開していきたいと考えております。

     

    取材者:株主還元の方針に変更はございますか。

     

    回答者:結論として、変更はございません。配当は現状ありません。

     

    取材者:足元の状況で、何かトピックスやニュースリリースなどございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:8月19日に、国土交通省の協力を得て、当社としては初めてとなる大規模なイベントを開催しました。このイベントを通じて、当社が国土交通省の施策を実行する中心的な役割を担っていると実感しております。

    このイベントは、当社が参画している「交通空白」解消・官民連携プラットフォーム協力の下、開催したものです。国土交通省は2025年から3年間、補助金をつけて「交通空白問題」を解消しようとしており、このプラットフォームには多くの自治体や交通事業者、そして当社のようなソリューション提供企業が参加しております。

    当イベントには、国土交通省の水嶋事務次官が挨拶にいらっしゃったほか、総合政策局 地域交通課の課長、静岡市の難波市長、第一交通の田中社長、時事グローカルサービシーズの杉本社長など、多くの要人が登壇しました。他の大手企業も同様のイベントを開催していますが、事務次官が登壇するのは異例のことで、当社のイベントに対する期待の大きさを感じております。集客数もこれまでで最も多く、参加者には関東運輸局の局長もいらっしゃいました。従業員50名程度の当社がこのようなイベントを開催できたことは、今後の大きな期待につながると考えております。

     

    取材者:今後にかなり引き合いがありそうですね。

     

    回答者:はい。このイベントを通じて、さらに営業活動を強化してまいります。大手企業も交通空白問題に取り組んでいますが、当社はこれをメイン事業として捉えており、モビリティ交通分野を主力としていくことを明確に宣言しております。そのため、過去の実績と合わせて、高い信頼を得ていると考えております。

  • IR担当

取材アーカイブ

  • 20250313 CP&X

     

    ビジネスモデルや事業内容

    株式会社Will Smartは、モビリティ業界のDXを推進し、テクノロジーを活用して社会課題の解決を目指す企業である。 事業内容は、鉄道、タクシー、バス、バスターミナル、商業施設、レンタカーなど、移動に関わる事業者へのDXソリューション提供が中心である。 大手企業との直接取引が多く、企画から開発、導入まで一貫してサービスを提供している点が特徴である。

     

    創業の経緯と転機となった出来事

    2012年にゼンリンデータコムから社内ベンチャーとして設立された。 当初は、インバウンド需要の高まりとIoTへの注目を背景に、デジタルサイネージ事業をメインとしていた。

     

    直近の決算状況

    前期は、EV市場関連事業への注力が中心であったが、EV車全体の成長が想定よりも遅れたことにより、投資が先送りとなり、減収減益となっている。

     

    特徴や強み

    モビリティ業界に特化した事業展開と、大企業との直接取引による業界知見の蓄積が強みである。特にモビリティ業界のDXを専業として取り組んでいる会社、それも交通分野を中心に行なっている会社は上場企業にはないと考えている。

     

    成長戦略

    今後は、地域共創分野を新たな柱とし、公共ライドシェアなどの地域交通DXを推進する。 大口顧客だけでなく、中小規模の顧客との取引も拡大し、鉄道グループや物流分野への事業拡大も目指す。

     

    株主還元策

    現在は事業拡大のための成長投資を優先しており、安定的な収益確保後に配当などの株主還元策を検討する方針である。

     

    今期の取り組みやトピックス

    地域共創分野での取り組みを強化しており、長崎県平戸市での公共ライドシェアシステム構築などの実績がある。当実績においてDXイノベーション大賞で優秀賞を受賞するなど、具体的な取り組みが評価されている。

     

    その他

    人材採用においては、上場により上位層の採用がしやすくなっている一方で、エンジニアの採用は依然として難しい状況である。 外国人材の採用やM&Aによるリソース獲得も視野に入れている。

  • Q ビジネスモデルや事業内容について、特徴や強みを含めご説明いただけますでしょうか?

    A 弊社の特徴は、大手企業との直接取引が多く、企画から開発、運用まで一貫して携わっている点です。これにより、業界の最新の知見を得ることができ、それを強みとしています。また、業界に特化していることと、大企業との取引が多いことも特徴です。

     

    Q 大手企業と取引ができる要因や強みはどのような点にありますでしょうか?

    A 業界知見を蓄積していることと、スピード感を持って対応できることが要因です。また、着実に実績を積むことで、信用力が高まっていることも要因の一つです。

     

    Q スピード感を持って対応できるのは、作業人員が多いからでしょうか、それともノウハウが蓄積されているからでしょうか?

    A ノウハウが蓄積されていることと、一気通貫で企画から開発運用までできることも理由の一つです。

     

    Q 御社の創業の経緯について教えていただけますでしょうか?

    A 弊社は2012年に創業した会社で、ゼンリンデータコムから社内ベンチャーとして設立されました。当時はインバウンドの増加とIoTへの注目が高まっており、デジタルサイネージのハードと配信システムを主な事業として開始しました。

     

    Q 御社のお客様である鉄道、バス、物流などの業界のDX化の現状、課題、進捗状況はいかがでしょうか?

    A 前提として、これらの業界はDXがあまり進んでいない状況です。弊社は、デジタルを活用する知見と、業界出身者の知識を組み合わせ、データ分析も行うことでDXを推進しています。

     

    Q 業界出身者がいることで、使いづらさや改善点がわかり、それが強みになっているということでしょうか?

    A はい、その通りで、業界の知見が徐々に社内に蓄積されています。

     

    Q 御社がサービスを直接顧客に提供することはありますでしょうか?

    A いいえ、基本的に一般利用者との取引はなく、サービスの裏側を支えるシステムを提供しています。例えば、レンタカーやカーシェアの無人化システムなどを提供しています。

     

    Q 前期の売上について案件の後ろ倒しがあり、減収減益となったとのことですが、今後の対策はございますか?

    A 前期はEV市場関連のWi-Fiシステムサービスに注力していましたが、EV車全体の成長が想定より遅れたため、投資が先送りになりました。今後は、地域共創分野を新たな柱として注力していきます。

     

    Q 地域共創分野とは、具体的にどのような取り組みでしょうか?

    A 人口減少に伴う地域の交通空白問題に対して、公共ライドシェアなどを提供し、地域の足となるサービスを提供します。国もこの分野に力を入れているため、その流れに乗っていきたいと考えています。また、観光分野にも力を入れていきます。具体的には観光サイネージや、農泊のプラットフォーム等がございます。

     

    Q 新市場の開拓についてはいかがでしょうか?

    A 物流分野への進出も計画しています。市場規模が大きいことと、公共交通分野との親和性が高いこと、そして弊社が持つIoT車載デバイスを活用できる可能性があるためです。

     

    Q 前期の成長投資が想定以上に膨らんでしまった要因について教えていただけますでしょうか?

    A 販管費や研究開発費の増加が要因です。

     

    Q 収益性改善のための具体的な取り組みはございますか?

    A 内製化を進めることと、全体的な生産性向上を図ります。例えば、社内データを活用したり、プラットフォームを活用して販売パートナーを増やし、ストック売上を増加させるなどの取り組みを行います。

     

    Q ストック売上を増加させるための施策について、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか?

    A 今期から新たに組織を立ち上げ、自社サービスのプラットフォームを拡大していきます。顧客のニーズを的確に捉え、最適なプラットフォームパッケージを開発するための体制を構築します。

     

    Q 新しい専門部隊を作るにあたって、人材の採用や育成方針について教えていただけますでしょうか?

    A 採用は容易ではありませんが、上場したことで比較的上位層の採用はしやすくなっています。一方でエンジニアの採用は難しい状況です。弊社では、外国人材の採用にも力を入れており、特に韓国からの採用が増えています。また、M&Aも視野に入れ、採用以外の方法でもリソースを増やしていくことを検討しています。

     

    Q 今後の株主還元策についての方針を教えていただけますか?

    A 現在は事業拡大のための成長投資を優先しており、株主還元よりも事業の成長を重視しています。将来的には、安定して収益を上げられるようになれば、配当なども検討したいと考えています。

     

    Q その他、取り組みやトピックスはございますか?

    A 地域共創分野での取り組みを強化しており、長崎県の平戸市における公共ライドシェアシステム構築の運用を開始しました。また、最近では、DXイノベーション大賞で優秀賞を受賞しました。この受賞を機に、様々な自治体との連携を深めていきたいと考えています。

  • 取材者: 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    回答者:会社概要といたしましては、2012年に設立した会社でございます。主な取引先といたしましては、大手の会社が多いというのが特徴でして、ENEOSや伊藤忠グループのエネクスライフサービス、鉄道関係ですとJR九州、京王電鉄、EV関連の事業としては、パナソニックなどがございます。従業員としては50名ほどでございます。

    弊社のミッションといたしましては、第一といたしましては、テクノロジーを活用して社会課題を解決するというところでございます。モビリティ業界のDX、自動車の利便性向上というところに注力している会社でございます。

    取り組みといたしましては、モビリティ業界というのは、自動車のことではなく、人や物の移動によって経済活動を行うということで、移動する鉄道だったり、移動先の価値を高めるための活動をしています。鉄道、タクシー、バス、バスターミナル、商業施設、レンタカーなどが含まれます。取り組み事例といたしましては、一言で表せないところもございますので、事例を見ていただきイメージを持っていただくのが良いかと存じます。

    駅鉄道でいうとサイネージとか、強みとなるところで申し上げますと、バスターミナルのところは、様々なお客様からお話をいただいており、八重洲のバスターミナルもそうですし、京王電鉄のバスターミナルの事例などが挙げられます。カーシェアとかライドシェアなど。大手のお客様との直接取引をしているという点も強みでございます。

    企画から開発、運用まで一貫して携わらせていただいているため、業界の最新の知見、特に大手のお客様の最新の知見を得ることができるというのが、強みであり、他社との違いになっていると考えております。

    回答者:業界に特化しているという点と、大企業との取引が多いという点が特徴でございます。

    取材者: 大手のお客様が多いということですが、直接取引ができる要因はどのような点でございましょうか。

    回答者: 大手と取引ができる要因といたしましては、業界知見をかなり蓄積しているという点と、スピード感を持って対応できるという点があるかと存じます。

    取材者: スピード感を持って対応できるというのは、作業人員が多いということでしょうか。それとも、ノウハウが蓄積されていて、そういったことに瞬時に対応できる経験があるということでしょうか。

    回答者: ノウハウが蓄積されているということもありますが、企画から開発・運用まで一気通貫でできるからだと考えております。

    取材者: 創業の経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者: 2012年に創業した会社でございます。現在は株式会社ゼンリンの持分法適用会社となっていますが、元々はゼンリングループの株式会社ゼンリンデータコムという会社から社内ベンチャーとしてできた会社でございます。

    当時は、インバウンドが盛んになってきているということと、IoTが注目され始めたという背景があり、デジタルサイネージのハードとその配信システムをメインの事業として始めたというのが、創業の経緯でございます。

    取材者: モビリティ業界のDX化にも携わられていると思いますが、モビリティ業界のDX化の進み具合や、現状の課題などについてお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者:前提といたしまして、お客様で申し上げますと、鉄道、バス、物流など、昔からあるインフラ企業が多く、DXはあまり進んでいないというのが現状でございます。

    そのような状況の中で、デジタルを活用する知見があるということと、創業当初から徐々に業界の知見がある人が入ってきているということもあり、業界に対する知見とデータの分析という両方の側面からDX化を進めているという状況でございます。

    取材者: 業界にいたからこそわかる使いづらさや、こういったものがあったら良いということがわかるというのは、他社と比べても強みになっていくということでしょうか。

    回答者: そうでございます。それが徐々に社内に知見として蓄積されていったということでございます。

    取材者: サービスとして、直接顧客に提供するようなものはございますか。ここで言う顧客というのは、一般利用者という意味でございます。

    回答者: 一般利用者との取引は、ほとんどございません。一般利用者向けにサービスを提供している会社の裏側のシステムを構築しているということが多いです。

    例えば、レンタカーやカーシェアなどでしょうか。事例としてわかりやすいのは、株式会社エネクスライフサービスでございます。同社はレンタカーを運営しているのですが、無人化を提供するシステムの裏側を弊社が担当させていただいております。

    取材者: それでは、前期の売上についてお聞かせいただけますでしょうか。

    前期は、案件の後ろ倒しなどがあり、減収減益となってしまったとのことですが、それに対し今後どのような対策や取り組みをされるのですか。

    回答者: はい。まず前提といたしまして、案件が後ろ倒しになったというのは、EV市場関連のモビリティシステムサービスに特に注力していたことが大きな要因でございます。大口のお客様が投資をするということで話を進めていたのですが、EV市場全体の成長がまだそこまで来ていないということもあり、投資を先送りするという判断になったということでございます。

    そのような状況の中で、決算説明資料の中期成長戦略にも記載してあるのですが、3つの分野を設けており、地域共創、モビリティ企業DX、そしてNextモビリティという分野がございます。Nextモビリティ分野が、先ほどのEV市場に関連するところでございます。こちらの分野については、投資は継続していくものの、外部環境による影響が一定程度あるため、長い目で見ていこうと考えております。一方で、モビリティ企業DX事業については、今後かなり注力していく予定でございます。

    具体的には、地域共創のところを、新たに柱としてやっていこうというところでございます。

    昨今よく言われているような、人口減少の問題などがある中で、地域の交通空白、いわゆる地域交通の供給サイドの担い手が減少しているという状況があるかと存じます。例えば、地域のタクシーやバスの事業者が足りないという状況に対して、公共ライドシェアなどを提供していこうと考えております。特に地域共創の分野では、国としても国土交通省を中心に、積極的な対策を進めていこうという話になっておりますので、その流れに乗っていこうというのが主なところでございます。

    回答者: また、今までは大口のお客様との取引が多かったのですが、それだけではなく、小さな取引からでもお客様のところに浸透していこうということも進めていく予定でございます。例えば、鉄道グループですと、大きなコングロマリット企業ですので、不動産など、鉄道以外の分野でもお取引をいただければと考えております。弊社といたしましては、親和性の高い事業をやっているグループ会社がたくさんございますので、そちらを深耕していこうというところでございます。あとは、物流のところにも進出していくという計画もございます。

    取材者: 物流のところが、新たな市場の開拓になるということでしょうか。

    回答者: そうなります。市場規模が非常に大きいということと、元々弊社が得意としている公共交通分野と近い領域であるということ、そして、当社が物流に関して管轄しているので、その面からも非常に参入しやすいということがございます。また、弊社が持っているIoT車載デバイスを活用して、新しい事業ができるのではないかということで、今進めているところでございます。

    取材者: 先ほど、成長投資の部分がかなり増えてしまったというお話がありましたが、こういった部分、今ご説明いただいた分野への投資が想定以上に膨らんでしまったというのが要因でしょうか。それとも、他に要因があるのでしょうか。

    回答者: 当社が膨らんでしまったと言っているのは、販管費や研究開発に伴う利益の減少のことでしょうか。

    回答者: そこについては、収益性と生産性の向上という点に取り組んでおります。ある程度、外注している部分もございますので、内製化を進めていくということと、全体的な生産性の向上を図るということがございます。

    例えば社内データを活用した取り組みや、弊社のプラットフォームを活用して、販売パートナーを使って顧客を獲得し、定常的な売上を上げていくといったことを進めていくということでございます。

    取材者: プラットフォームを活用していくことで、サービスの効率化という部分で、かなり時間が削減されるというイメージでしょうか。

    回答者: そうでございます。ストックの売上がまだ足りていないということもございますので、ストックの売上を上げていくことで、あまり営業活動をしなくても、定常的かつ安定的に収益を上げることができるようになると考えております。

    取材者: ストックの売上を上げていくための取り組みは、現在どのようなことをされているのですか。

    回答者: 今期から、新たに組織を立ち上げました。プラットフォーム、いわゆる自社サービスのところをより拡大していこうという目的で、プラットフォームの推進をしていく部署を新しく立ち上げ、そこに注力していくということでございます。実際に、プラットフォームパッケージサービスをより増やしていくにあたっては、顧客ニーズの最大公約数的なところを捉える必要がございますので、単純にパッケージを作るというよりは、お客様の声を聞いた上で、その中で最適なものを作り上げるための体制を作っていくということでございます。

    取材者: そうしますと、そういった新しい部隊も作るということで、今後人材の採用などが必要になってくると思いますが、現在どの会社も人材の採用という部分で苦戦されている中で、採用戦略や育成方針などがあればお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者: そうですね。採用については、確かに簡単ではないというのが事実としてございます。そのような状況の中で、上場したことによって、比較的上位層については、以前より採用がしやすくなっているというのが事実としてございます。そういう面では、一定程度、順調に採用ができていると思います。

    一方で、エンジニアに関しては、流動性がありつつも、なかなか採用しづらいという状況はあると思っております。そのような中で、弊社といたしましては、元々外国人材も採用しており、特に韓国からの入社が増えてきております。これについては、元々開発本部長が韓国出身であるということも影響しているかもしれません。あとは、M&A戦略というところで、採用以外の手段として、他社を買収することでリソースを増やしていくということも視野に入れています。

    取材者: それでは、今後の株主還元策について、方針などがあればお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者: 現状では、配当よりも事業拡大に投資していくことが、最も株主還元に繋がると考えておりますので、成長投資に注力していくというのがメインの方針でございます。今後、安定して収益を上げられるようになり、株主様に還元した方が良いという状況になれば、配当なども検討していくことになるかと思いますが、現状は成長投資に注力するというのがメインでございます。

    取材者:先ほど、今回の取り組みについてお話いただきましたが、その他に何か新たに取り組まれていることや、トピックスなどがあればお聞かせいただけますでしょうか。

    回答者:トピックスといたしましては、先ほどお話した地域共創分野での取り組みに注力するという中で、IRでも発表しておりますが、長崎県の平戸市で運行される公共ライドシェアシステムの構築というところを進めさせていただいており、実際にその運用を開始しているということがございます。そのような中で、弊社の取り組みが具体的に評価されたという事例もございます。最近では、2月28日にDXイノベーション大賞というものがあったのですが、大手企業なども参加している中で、弊社が優秀賞を受賞させていただきました。これは、弊社の取り組みが評価された結果だと思っておりますので、この受賞を機に、様々な自治体もターゲットにしていきたいと考えております。

  • IR担当

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​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    2025年12月期第2四半期は、売上高361百万円、営業利益マイナス168百万円、経常利益マイナス153百万円、中間純利益マイナス153百万円であった。決算期変更により、前年同期との単純比較はできないものの、4月から9月の期間で見ると増収増益となっている。しかし、1月から6月の累計では、EV関連の停滞と一部大口顧客の新規事業投資撤退が主な要因となり、減収減益となった。

     

    主要KPIの進捗と変化

    重要視している指標は「取引者数」であり、売上が計上された既存アカウント数は過去最高水準で推移している。一方で、新規の売上が伸び悩んでおり、これがショット売上低調の一因となっている。ストック収益は、期初計画250百万円に対し、約300百万円に達する見込みであり、ほぼ確実である。これは、無人レンタカー事業のシステム開発やライセンス、過去に導入したシステムの保守利用料が積み上がったことによるもので、特定の大口顧客への依存から脱却し、複数の大口顧客からの保守運用料が増加していることが背景にある。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    第2四半期(4月から6月)の売上は、高速バス向け予約システムの納品によるものに加え、各種システム納品後の保守料、並びに無人レンタカー事業の車載器導入及びライセンス利用料の積み上がりが寄与している。これは複数の大口顧客との取引拡大による成果である。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    通期業績予想は、売上高1,200百万円、営業利益50百万円、経常利益50百万円、当期純利益40百万円を据え置いている。下期で約840百万円を積み上げる必要があり、達成に向けては進行基準での売上計上と、期初に採用した営業人員や外部協力者の貢献がポイントとなる。

     

    トピックス

    8月19日に国土交通省の協力を得て、当社としては初めてとなる大規模なイベントを開催した。このイベントは、「交通空白」解消・官民連携プラットフォーム協力の下、開催したものであり、国土交通省の事務次官をはじめ多くの要人が登壇したことは、当社のイベントに対する期待の大きさを感じさせるものであった。今後は、このイベントを通じて営業活動をさらに強化していく方針である。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)は何でしょうか?

    A:当社の成長戦略は、EV関連や大口顧客の新規事業停滞による減収減益を補うため、地域共創分野とモビリティ企業DX分野の取り組みを強化しています。特に、自治体向けの地域共創分野では、国のプロジェクト受注や交通空白への取り組みを進めており、ゼンリン様との協業やNTTドコモ様との業務提携は、中長期的な収益獲得に大きく貢献すると考えています。

    モビリティ企業DXの分野では、大型バスターミナルの開発受託案件が着実に進捗しており、万博や八重洲といった象徴的な案件から新たな引き合いが増加しています。これらの案件は下期に売上として計上される見込みです。また、取引者数の増加を重要視しており、既存アカウント数は過去最高水準で推移していますが、新規案件の売上はまだ伸び悩んでいます。一方、ストック収益は無人レンタカー事業や過去に導入したシステムの保守利用料が積み上がり、期初計画を上回る約300百万円に達する見込みです。大口顧客への依存を脱却し、複数の大口顧客からの保守運用料が増加していることがこの背景にあります。さらに、中期成長戦略で新規に進出した物流分野の商材開発も順調に進んでおり、下期での納品がポイントとなります。

     

    Q:通期業績の見通しについてご説明ください。

    A:2025年12月期の通期業績予想は、売上高1,200百万円、営業利益50百万円、経常利益50百万円、当期純利益40百万円を据え置いています。この予想を達成するためには、下期に約840百万円を積み上げる必要があります。下期に売上を伸ばすための施策としては、進行基準での売上計上を進めることと、期初に採用した営業人員や外部協力者が下期、特に9月頃から成果を上げてくることを期待しています。これらの営業人員の活動量と、戦力となる人材の増加が、下期での業績達成に貢献する重要な要素となります。

     

    Q:受注・競合状況は如何でしょうか?

    A:新規の売上が伸び悩んでいるため、ショットの売上は現在低迷しています。これは、EV関連や大口顧客の新規事業の影響を大きく受けているためです。一方で、下期に向けては、大手顧客の予算執行に加え、データ活用の受注、八重洲バスターミナルや万博といった象徴的な案件が外部に公開されたことで、当社への引き合いが増加しています。これらの案件をいかに早く受注し、今期中に売上として計上できるかが鍵となります。交通空白問題に取り組む大手企業も存在しますが、当社はこの問題をメイン事業として捉え、モビリティ交通分野を主力としていくことを明確に宣言しており、過去の実績と合わせて高い信頼を得ていると考えています。

     

    Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:中期成長戦略でM&Aや提携の実行を掲げており、引き続き検討を継続しています。また、地域共創分野では、中期成長戦略で掲げている地方銀行との連携を進めており、常陽銀行とは協業を開始いたしました。今後は他の地方銀行にも横展開をしていきたいと考えています。

  • 取材者:まず、2025年12月期第2四半期の決算状況についてお伺いします。売上高は361百万円、営業利益はマイナス168百万円、経常利益はマイナス153百万円、中間純利益はマイナス153百万円とのことです。前年同期と比較すると増収し、利益も改善傾向にあるように見受けられますが、増減要因についてご説明いただけますか。

     

    回答者:まず、大前提としまして、弊社は2024年12月期に決算期を3月から12月に変更しております。そのため、第2四半期同士の単純な比較では、期間にずれが生じます。現在の第2四半期は4月から9月の期間となり、前年同期と比べると増収増益となっております。一方で、第1四半期(1月から3月)に多くの売上が計上される構造があるため、これを考慮すると、1月から6月の累計比較では減収減益となっております。

    この減収減益の主な要因は、EV関連の停滞と、一部の大口顧客における新規事業投資の撤退です。しかし、地域共創分野、自治体向けの取り組みについては、一定の種まきや仕込みができております。国のプロジェクトの受注や自治体との交通空白解消に向けた取り組みなども進展しております。また、モビリティ企業DXの分野におきましては、大型バスターミナルの開発受託に向けた取り組みが着実に進んでおります。これらの案件は1月から6月の売上への貢献は小さいものでしたが、万博や八重洲の案件などを受けて、下期に向けた新たな引き合いも出てきており、これらは進行基準で下期に売上として計上される見込みです。

    さらに、地域共創分野では、ゼンリン様との「交通空白」把握・解消に向けた協業や、NTTドコモ様とのカーシェア領域における業務提携を進めており、これらは中長期的な収益獲得に大きく寄与すると考えております。特にNTT様との提携については、今期中にどれだけの成果を出せるかが注目点となります。

     

    取材者:1月から3月期の売上が減少した一方で、4月から6月の売上は前年同期と比較しても増加していると見受けられます。この要因は、新規案件の獲得や、大型バスターミナル案件などが好調だったためという認識でよろしいですか。

     

    回答者:第2四半期の3ヶ月間(4月から6月)単体の売上を見ると、高速バス向け予約システムの納品によるものに加え、各種システム納品後の保守料、並びに無人レンタカー事業の車載器導入及びライセンス利用料の積み上がりが寄与しております。これはかねてより進めてきた特定顧客への依存脱却に向けた複数の大口顧客との取引拡大による成果につながっております。

     

    取材者:ちなみに、2024年3月期(2年前)の4月から6月の売上が過去最高だったのは、どういった理由ですか。

     

    回答者:この時期は、特定の大口顧客への依存が大きかったためです。また、薄利ではありましたが、インポート事業の売上が計上されており、これがなくなっていることが今回の売上低下につながっております。

     

    取材者:現在、大口顧客に依存した体制を変更し、来期以降に向けた成長の土台を築くための準備期間という認識でよろしいですか。

     

    回答者:準備期間という表現が正しいかは分かりませんが、かねてから準備を進めてきたことが、徐々に成果として現れ始めている段階です。

     

    取材者:前期と比べて、採用人数の推移はいかがですか。

     

    回答者:従業員数は約50名で推移しております。地域共創推進室やプラットフォーム推進室といった新しい組織を立ち上げ、地域共創分野の取り組みや新たな商材開発に必要な人材確保を進めております。

    取材者:その他、主要なKPIや重要な資料などございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:弊社としては「取引者数」を重要視しております。資料11ページにある通り、売上が計上された既存アカウント数は過去最高水準で推移しております。一方で、新規の売上がまだ伸び悩んでおり、これがショット売上が低調である要因の一つとなっております。

    ストック収益については、期初計画の250百万円に対し、約300百万円に達する見込みで、これはほぼ確実と考えております。特に、無人レンタカー事業に向けたシステム開発やライセンス、過去に導入したシステムの保守利用料が積み上がってきております。これは、特定の大口顧客への依存から脱却し、複数の大口顧客からの保守運用料が増加しているためです。

    一方で、ショットの売上は現在低迷しております。これは、前年の後半に比べてEV関連や大口顧客の新規事業の影響を大きく受けているためです。下期に向けては、大手顧客の予算執行に加え、データ活用の受注、八重洲バスターミナルや万博の案件が象徴的な案件として外部に公開されていることから、当社への引き合いが増加しております。これらをいかに早く受注し、今期中に売上を計上できるかが鍵となります。また、2月に発表した中期成長戦略で新規に本格進出する物流分野においても、商材開発は順調に進んでおり、12月までにどれだけ納品できるかがポイントとなります。

     

    取材者:新規案件やショット売上については、上半期で種まきが終わり、下半期でそれを刈り取ることが重要になるという見方でよろしいですか。

     

    回答者:はい、その通りです。種まきは継続して行っておりますが、象徴的な案件があることで、それをきっかけに大口顧客とのコミュニケーションも進んでおります。今期中に受注できる可能性があるため、それをどれだけ売上に計上できるかが重要となります。

     

    取材者:2025年12月期の業績予想は、売上高1,200百万円、営業利益50百万円、経常利益50百万円、当期純利益は40百万円となっておりますが、通期業績予想に対する見通しはいかがでしょうか。

     

    回答者:現状では、売上高1,200百万円を据え置いております。資料10ページをご覧いただくと分かりますが、下期で約840百万円を積み上げる必要があります。進行基準での売上計上を進めることと、期初に採用した営業人員や外部協力者が下期、特に9月頃から成果を上げてくると見込んでおります。これらの営業人員の活動量と、戦力化する人材の増加が下期に向けて増えていくため、その寄与度がポイントとなります。

     

    取材者:モビリティ分野での協業のお話がございましたが、その他にM&Aや業務提携の検討状況について、お話いただける範囲で教えていただけますか。

     

    回答者:はい。中期成長戦略でM&Aや提携の実行を掲げており、引き続き継続して検討しております。また、資料17ページにある地域共創分野では、中期成長戦略で掲げている地方銀行との連携を進めており、現在、常陽銀行様との協業が進んでおります。今後、他の地方銀行にも横展開していきたいと考えております。

     

    取材者:株主還元の方針に変更はございますか。

     

    回答者:結論として、変更はございません。配当は現状ありません。

     

    取材者:足元の状況で、何かトピックスやニュースリリースなどございましたら教えていただけますか。

     

    回答者:8月19日に、国土交通省の協力を得て、当社としては初めてとなる大規模なイベントを開催しました。このイベントを通じて、当社が国土交通省の施策を実行する中心的な役割を担っていると実感しております。

    このイベントは、当社が参画している「交通空白」解消・官民連携プラットフォーム協力の下、開催したものです。国土交通省は2025年から3年間、補助金をつけて「交通空白問題」を解消しようとしており、このプラットフォームには多くの自治体や交通事業者、そして当社のようなソリューション提供企業が参加しております。

    当イベントには、国土交通省の水嶋事務次官が挨拶にいらっしゃったほか、総合政策局 地域交通課の課長、静岡市の難波市長、第一交通の田中社長、時事グローカルサービシーズの杉本社長など、多くの要人が登壇しました。他の大手企業も同様のイベントを開催していますが、事務次官が登壇するのは異例のことで、当社のイベントに対する期待の大きさを感じております。集客数もこれまでで最も多く、参加者には関東運輸局の局長もいらっしゃいました。従業員50名程度の当社がこのようなイベントを開催できたことは、今後の大きな期待につながると考えております。

     

    取材者:今後にかなり引き合いがありそうですね。

     

    回答者:はい。このイベントを通じて、さらに営業活動を強化してまいります。大手企業も交通空白問題に取り組んでいますが、当社はこれをメイン事業として捉えており、モビリティ交通分野を主力としていくことを明確に宣言しております。そのため、過去の実績と合わせて、高い信頼を得ていると考えております。

  • IR担当

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