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(株)イタミアート

東証GRT 168A

決算:1月末日

20251002

CP&X


決算概要

増収・増益。イタミアート単体における2026年1月期第2四半期の売上高は2,094百万円で、計画比101.4%、前年同期比115.9%と、前年を大きく超えて計画を達成した。営業利益は117百万円で、計画の108百万円を上回る達成となり、主な要因は売上増加に加え、原価低減効果19百万円や人員の効率的な配置による人件費削減が貢献したことである。一方で、連結ではM&A関連費用約10百万円が計画外で販管費として発生している。


セグメント別または事業別の増減要因

売上増加の主な要因は、平均客単価が安定推移する中で、トランザクション数(取引件数)が計画通りに伸長したことにある。特に、高いリピート率によるリピート客の取り込みがトランザクション数増加の最も大きな要因と認識されている。また、売上拡大策として、主要取引先との連携商品強化が足元でかなり伸長している。なお、2025年6月30日に実施した東京ネオプリント株式会社のM&Aに伴い、第2四半期より連結財務諸表作成会社となったが、損益計算書の業績は第2四半期には取り込まれていない。


主要KPIの進捗と変化

主要KPIであるトランザクション数は計画通りに推移しており、売上拡大の主因となっている。客単価については安定して推移しているものの、上昇には繋がっていない状況である。客単価上昇には、他の商品の上乗せによるアップセルや、複数サイト運営によるクロスセルのさらなる強化が必要と認識されている。高いリピート性を持つ事業構造を活かし、新規顧客を獲得することはLTV(顧客生涯価値)の観点から重要な戦略である。


季節性・一過性要因の有無と影響

同社の事業には季節変動があり、特に3月~5月と9月、10月が繁忙期にあたる。この繁忙期は、気温の変化(涼しい時期から温度が上がったタイミング、暑さが維持された後涼しくなったタイミング)が商戦の動き出しと重なる傾向がある。会社はこの季節変動を捉え、仕事が増えるタイミングに広告宣伝費を積極的に投下し、高いリピート性を持つ新規顧客の獲得を狙う戦略を実行したことが、足元の売上増加の一因となっている。


通期見通しと進捗率・達成可能性

今期の連結業績予想は、東京ネオプリントのM&Aに伴い修正されている。売上については、下期で東京ネオプリント分の約700百万円の増加を見込み、当初計画より約700百万円増加する見込みである。一方で、連結営業利益は減益となる見通しであり、これはM&Aによるものではなく、スマートファクトリー化のための積極的な設備投資による減価償却費の一時的な増加が主因である。今期は、今後の会社成長と利益率改善に向けた「一度しゃがむ期」と位置づけているが、EBITDAで見ると順調に増加する計画である。


トピックス

2025年6月30日、市場シェア拡大と未開拓分野(広告代理店を通じた大ロット案件)の取り込みを目的として、同業者である東京ネオプリント株式会社をM&Aによりグループ化した。これにより、材料原価の見直しによるスケールメリットの獲得、東京ネオプリントへの縫製機能内製化ノウハウの導入、イタミアートで成功した機械の導入による製造効率の改善といった大きなシナジーを見込む。また、M&Aに伴い、暫定値ながら負ののれん252百万円を計上している。イタミアートの創業者である伊丹社長自らが東京ネオプリントの再建を主導しており、来期以降の利益貢献に向けて体質改善を進める方針である。

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​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    ビジネスモデルや事業内容

    株式会社イタミアートは、ECサイトでの受注を強みとし、大型販促商材においては内製化によるメーカー機能を有する企業である。 多くの同業他社が二次下請けに甘んじている中、ECサイトでの販売展開を先行させ、その後メーカー機能を確立するという独自のビジネスモデルを展開している。 また、代理店とも良好な関係を維持し、情報交換をしながら共に成長していくという協業体制を築いている。

     

    創業の経緯と転機となった出来事

    創業当初は広告プロダクションとしてスタートしたが、営業効率の向上を目指し、ECサイトでの全国展開へと舵を切った。

     

    直近の決算状況

    第3四半期決算では、積極的な新規顧客獲得策が功を奏し、売上を伸ばしている。 広告宣伝費の投下だけでなく、SEO対策にも力を入れており、新規顧客の流入を促進している。 利益率向上に関しては、内製化商品の増加や海外からの材料仕入を円建てに変更したことが寄与している。

     

    特徴や強み

    ECサイトでの受注と大型販促商材の内製化により、独自のポジションを築いている。 代理店とも協業体制を築き、情報交換をしながら共に成長している。

     

    成長戦略

    リピート顧客を増やすための施策やSEO対策を継続的に実施し、トランザクション数の増加を目指している。

     

    株主還元策

    株主還元策としては、配当を安定的に行っていく方針である。

     

    今期の取り組みやトピックス

    SDGsの取り組みとしては、端材を燃料として活用するなど環境配慮型の素材を採用している。 また、工場の生産ラインをロボ化することや自動化することで業務効率化にも積極的に取り組み、生産性の向上を図っている。 2024年10月にはメインの工場を約2倍の面積に増築したので、今後更なる設備投資を計画している。

  • Q. 貴社のビジネスモデルや事業の概況について、特徴や強みを踏まえながらご説明いただけますか。

    A. 当社の一番の特徴は、ECサイトによって受注をしているということですが、広告物というか大型販促商材を内製化しているという点です。多くの同業他社が二次下請け構造の中にあるのに対し、当社はメーカー機能を持っているという点が大きな違いです。

     

    Q. 貴社がメーカー機能として販売している商品は、貴社のECサイトだけで買えるといったものではないのですか。

    A. はい。当社が扱っている商品は、ECサイト以外のところでも購入できます。作り方や規格によって異なりますが、街の看板屋さんでも製作できるものなので、他社での販売も可能です。

     

    Q. 貴社自身の商品は、貴社が持っているECサイトのみでの販売なのでしょうか。販売経路について教えてください。

    A. 当社は、当初はECサイトのみでの販売でしたが、一部継続的に仕事をいただけるお客様や、中大ロットのお客様に関しては営業担当をつけ、インサイドセールスを行っています。

     

    Q.貴社様の創業の経緯や創業の思いについて教えていただけますか。

    A. 創業は、元々は広告プロダクション、制作プロダクションという形でスタートしました。 その中で徐々に業態を変えていく中で、私自身が営業マンとしてやっていましたが、営業担当者を置くというのが非常に非効率だと感じていました。 営業担当者による営業活動はエリアを限定したものになりがちですが、そうではなく全国を相手に幅を広げた方が、よりスケールしていくと考え、ECサイトへと徐々に切り替えていきました。 元々強みであった広告物や販促物といった分野に特化し、ECサイトで全国展開しています。

     

    Q. 貴社の第3四半期の決算状況についてお伺いしたいのですが、売上が伸びている要因として、新規顧客を獲得するための取り組みや施策がありましたら教えていただけますか。

    A. ECサイトの売上については、やはり広告をどれだけ打つかであったり、SEO対策がどれだけ上手くいくかというところで、新規顧客の方がどれだけ流入してくるかというところが一番のポイントになります。 第3四半期につきましては、売上を伸ばし、シェアを取っていくために広告宣伝費を投下し、新規顧客の獲得を促進していきました。

     

    Q. 利益の増加要因を教えてください。

    A. 当社は夏にうちわの売上が多く、それは外注になるため利益率が少し落ちるのです。 内製化するものが増えると利益率が上がってくるという関係もあり、第3四半期には内製化する商品がたくさん販売できたことも利益率改善に繋がっています。 それから、海外から輸入している材料の大部分を、昨年の6月頃から円建て取引に変えまして、為替の影響を受けなくなったことも利益率の改善に繋がっています。

     

    Q. 今後は、うちわのような外注している商品も徐々に内製化していくのでしょうか?

    A. 今後、取扱い商品を広げていき、今ある既存の機械や設備、メンバーで内製化できるものに関しては、受注量が増えたタイミングで内製化していくことはあり得ると考えています。 しかし、すべてを内製化すると、手間もかかりますし、設備投資も必要になってきますので、外注もうまく使いながら、売上をスケールしていくということも意識しています。

     

    Q.トランザクション数を増やすために行われている具体的な取り組みはございますか。

    A. 細かい施策としてはたくさんありますが、基本的にはリピート率を増やすということが一番大きな施策になりますので、リピートを増やすための施策を積み重ねています。 また、SEO対策にも力を入れています。 入口対策だけでなく、ロングテールキーワードに対しての施策も行っています。 700以上のサイトのロングテールキーワードにおいて、SEO対策を行い上位表示することで、流入を増やしています。

     

    Q.競合になるのはラクスル株式会社などが該当するのでしょうか。

    A. ラクスル株式会社は協業先です。お客様から見たら競合に見えるかもしれませんが、協業しているため、あまりぶつかっているイメージはありません。

     

    Q. 貴社の株主還元に関しまして、方針や政策などございましたら教えていただけますか。

    A. 東証グロース市場とはいえ、初年度から配当を出すことを発表しており、ある程度安定して配当していく方針です。 株主優待については議論していますが、今のところお伝えできることはありません。

     

    Q. 貴社のSDGsの取り組みについて教えていただけますか。

    A. 端材を燃料として使える業者に廃棄物を預けている取り組みを去年から開始しています。 端材は廃棄物として処分するのではなく、エネルギー還元できるような業者に引き取ってもらうようにしています。 また、自動化なども推進していきたいと考えています。 プリンターも古いものを使用し続けるのではなく、新しいプリンターに切り替え、効率化を図りながら生産性を向上させる取り組みを続けています。

     

    Q.新しく取り組まれていることやトピックなどございましたら教えていただけますか?

    A. 10月に新しく工場が増築されました。 竣工した瞬間に全てを移転することは難しいため、将来を見据えながら新しい機械をどうするか、既存の機械をどうするかを慎重に検討しながら、全体を見ながら向上していかないと、効率的に運営ができないという事情があります。 今ちょうど、自動化や機械化をさらに推進していこうというタイミングでもあり、工場増築に合わせて、1年ぐらいかけて、機械やプリンターの投資をしていこうと考えています。

  • 取材者: まず初めに、ビジネスモデルや、事業の概況につきまして、特徴や強みなどを踏まえながらご説明いただけますか。

    回答者: はい。 当社の一番の特徴は、ECサイトによって受注をしているということですが、広告物というか大型販促商材を内製化しているという点です。 多くの同業他社が二次下請け構造の中にあるのに対し、当社はメーカー機能を持っているという点が大きな違いです。

    我々の業界では、二次下請けの企業が多く、広告代理店などから仕事を受けている関係で、なかなかECサイトで自社製品を販売することができないのです。 しかし、当社はECサイトでの販売展開を先行させ、その後メーカー機能を持ったという経緯があり、独自のポジションを築いています。 とは言いながらも、代理店とも良好な関係を続けており、代理店からは下請けとして仕事をいただきながら、一般ユーザーからも直接受注するといった体制をとっています。 これが大きな違いになります。

    代理店の中にも、例えばラクスル株式会社など、多くの広告代理店が入っていますが、そういったところとも協業しており、ライバル関係にはありません。 表面的にはライバルに見えるかもしれませんが、実際にはそういったところの下請けとしても仕事をしており、うまく情報交換をしながら、ともに成長していっているというのが現状です。そこが大きな強みだと考えています。

    取材者: なるほど。 それでは、貴社様がメーカー機能として販売している商品は、貴社様のECサイトだけで買えるといったものではないのですか。

    回答者: はい。 当社が扱っている商品は、ECサイト以外のところでも購入できます。 作り方や規格によって異なりますが、街の看板屋さんでも製作できるものなので、他社での販売も可能です。

    取材者: 貴社様自身の商品は、貴社様が持っているECサイトのみでの販売なのでしょうか。販売経路について教えてください。

    回答者: 当社は、当初はECサイトのみでの販売でしたが、一部継続的に仕事をいただけるお客様や、中大ロットのお客様に関しては営業担当をつけ、インサイドセールスを行っています。

    取材者: 元々ECサイトから始まったというお話がありましたが、貴社様の創業の経緯や創業の思いについて教えていただけますか。

    回答者: 創業は、元々は広告プロダクション、制作プロダクションという形でスタートしました。 その中で徐々に業態を変えていく中で、私自身が営業マンとしてやっていましたが、営業担当者を置くというのが非常に非効率だと感じていました。 営業担当者による営業活動はエリアを限定したものになりがちですが、そうではなく全国を相手に幅を広げた方が、よりスケールしていくと考え、ECサイトへと徐々に切り替えていきました。 元々強みであった広告物や販促物といった分野に特化し、ECサイトで全国展開しています。

    取材者: ECサイトを作るにあたって、エンジニアといった方々が貴社にいらっしゃったというイメージでよろしいのでしょうか。

    回答者: 当社がECサイトを始めたのは15年、20年ぐらい前のことになりますが、当時はインターネットの競争が激しくなく、簡単なサイトを作るだけでも受注が取れるような状況でした。 そこから始めて、社内ではナレッジを共有しながら蓄積していったという感じです。

    取材者: 貴社様の第3四半期の決算状況についてお伺いしたいのですが、売上が伸びている要因として、積極的な新規顧客の獲得策を挙げられているかと思います。 新規顧客を獲得するための取り組みや施策がありましたら教えていただけますか。

    回答者: ECサイトの売上については、やはり広告をどれだけ打つかであったり、SEO対策がどれだけ上手くいくかというところで、新規顧客の方がどれだけ流入してくるかというところが一番のポイントになります。 第3四半期につきましては、売上を伸ばし、シェアを取っていくために広告宣伝費を投下し、新規顧客の獲得を促進していきました。

    取材者: 利益が上がっているというのは、広告宣伝費よりも売上が上がっているところが大きいのでしょうか。

    回答者: 当社は夏にうちわの売上が多く、それは外注になるため利益率が少し落ちるのです。 内製化するものが増えると利益率が上がってくるという関係もあり、第3四半期には内製化する商品がたくさん販売できたことも利益率改善に繋がっています。 それから、海外から輸入している材料の大部分を、昨年の6月頃から円建て取引に変えまして、為替の影響を受けなくなったことも利益率の改善に繋がっています。

    回答者: 補足させていただきますと、先ほどメーカー機能を持ってECサイトで販売しているというお話がありましたが、自社で製造できるものは大型ののぼり旗や大型の横断幕、懸垂幕、パネルなどです。 うちわなどは全て外注になっています。 商品によって、自社で製造できるものと、外注しているものがあるという点は前提としてお伝えしておきます。

    取材者: 今後としては、うちわのような外注している商品も徐々に内製化していく方向でよろしいのでしょうか。

    回答者: 今後、取扱い商品を広げていき、今ある既存の機械や設備、メンバーで内製化できるものに関しては、受注量が増えたタイミングで内製化していくことはあり得ると考えています。 しかし、すべてを内製化すると、手間もかかりますし、設備投資も必要になってきますので、外注もうまく使いながら、売上をスケールしていくということも意識しています。

    取材者: 広告宣伝のところで様々な取り組みをされているかと思いますが、トランザクション数を増やすために行われている具体的な取り組みはございますか。

    回答者: 細かい施策としてはたくさんありますが、基本的にはリピート率を増やすということが一番大きな施策になりますので、リピートを増やすための施策を積み重ねています。 また、SEO対策にも力を入れています。 入口対策だけでなく、ロングテールキーワードに対しての施策も行っています。 700以上のサイトのロングテールキーワードにおいて、SEO対策を行い上位表示することで、流入を増やしています。

    取材者: のぼり旗を買うならば貴社のようなところが結構あるのでしょうか。

    回答者: 上場したことも多少影響していると思いますが、のぼり旗や幕、看板に関するブランディングがある程度できていると考えています。

    取材者: のぼり旗を販売している会社ですと、競合になるのはラクスル株式会社などが該当するのでしょうか。

    回答者: ラクスル株式会社は協業先です。お客様から見たら競合に見えるかもしれませんが、協業しているため、あまりぶつかっているイメージはありません。

    取材者: 貴社様の株主還元に関しまして、方針や政策などございましたら教えていただけますか。

    回答者: はい。 東証グロース市場とはいえ、初年度から配当を出すことを発表しており、ある程度安定して配当していく方針です。 株主優待については議論していますが、今のところお伝えできることはありません。

    取材者: 貴社様のSDGsの取り組みについて、環境配慮型の素材の採用などもあるかと思いますが、その他に何かございましたら教えていただけますか。

    回答者: 端材を燃料として使える業者に廃棄物を預けている取り組みを去年から開始しています。 端材は廃棄物として処分するのではなく、エネルギー還元できるような業者に引き取ってもらうようにしています。 また、自動化なども推進していきたいと考えています。 プリンターも古いものを使用し続けるのではなく、新しいプリンターに切り替え、効率化を図りながら生産性を向上させる取り組みを続けています。

    取材者: 業務効率化の部分で、新しい機材を投入した設備投資の部分に当たるのでしょうか。 そういったところにも積極的に投資をしているという認識でよろしいのでしょうか。

    回答者: はい。 断続的には行っています。

    取材者: 第4四半期に向けて、業績計画の達成が期待されているかと思いますが、その他、業績に関わらず新しく取り組まれていることやトピックなどございましたら教えていただけますか?

    回答者: 10月に新しく工場が増築されました。 竣工した瞬間に全てを移転することは難しいため、将来を見据えながら新しい機械をどうするか、既存の機械をどうするかを慎重に検討しながら、全体を見ながら向上していかないと、効率的に運営ができないという事情があります。 今ちょうど、自動化や機械化をさらに推進していこうというタイミングでもあり、工場増築に合わせて、1年ぐらいかけて、機械やプリンターの投資をしていこうと考えています。

    取材者: 効率化や増産の部分、また新しい商品の取り扱いなども今後1年で見えてくるという認識でよろしいのでしょうか。

    回答者: 新しい商品の取り扱いや製造というのはあまり考えていません。 売上が伸びているため、そこにより効率的に対応できるように、自動化やスマートファクトリー化のような形で実現していきたいと考えています。

  • IR担当

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(株)イタミアート

東証GRT 168A

決算:1月末日

CP&X


決算概要

増収・増益。イタミアート単体における2026年1月期第2四半期の売上高は2,094百万円で、計画比101.4%、前年同期比115.9%と、前年を大きく超えて計画を達成した。営業利益は117百万円で、計画の108百万円を上回る達成となり、主な要因は売上増加に加え、原価低減効果19百万円や人員の効率的な配置による人件費削減が貢献したことである。一方で、連結ではM&A関連費用約10百万円が計画外で販管費として発生している。


セグメント別または事業別の増減要因

売上増加の主な要因は、平均客単価が安定推移する中で、トランザクション数(取引件数)が計画通りに伸長したことにある。特に、高いリピート率によるリピート客の取り込みがトランザクション数増加の最も大きな要因と認識されている。また、売上拡大策として、主要取引先との連携商品強化が足元でかなり伸長している。なお、2025年6月30日に実施した東京ネオプリント株式会社のM&Aに伴い、第2四半期より連結財務諸表作成会社となったが、損益計算書の業績は第2四半期には取り込まれていない。


主要KPIの進捗と変化

主要KPIであるトランザクション数は計画通りに推移しており、売上拡大の主因となっている。客単価については安定して推移しているものの、上昇には繋がっていない状況である。客単価上昇には、他の商品の上乗せによるアップセルや、複数サイト運営によるクロスセルのさらなる強化が必要と認識されている。高いリピート性を持つ事業構造を活かし、新規顧客を獲得することはLTV(顧客生涯価値)の観点から重要な戦略である。


季節性・一過性要因の有無と影響

同社の事業には季節変動があり、特に3月~5月と9月、10月が繁忙期にあたる。この繁忙期は、気温の変化(涼しい時期から温度が上がったタイミング、暑さが維持された後涼しくなったタイミング)が商戦の動き出しと重なる傾向がある。会社はこの季節変動を捉え、仕事が増えるタイミングに広告宣伝費を積極的に投下し、高いリピート性を持つ新規顧客の獲得を狙う戦略を実行したことが、足元の売上増加の一因となっている。


通期見通しと進捗率・達成可能性

今期の連結業績予想は、東京ネオプリントのM&Aに伴い修正されている。売上については、下期で東京ネオプリント分の約700百万円の増加を見込み、当初計画より約700百万円増加する見込みである。一方で、連結営業利益は減益となる見通しであり、これはM&Aによるものではなく、スマートファクトリー化のための積極的な設備投資による減価償却費の一時的な増加が主因である。今期は、今後の会社成長と利益率改善に向けた「一度しゃがむ期」と位置づけているが、EBITDAで見ると順調に増加する計画である。


トピックス

2025年6月30日、市場シェア拡大と未開拓分野(広告代理店を通じた大ロット案件)の取り込みを目的として、同業者である東京ネオプリント株式会社をM&Aによりグループ化した。これにより、材料原価の見直しによるスケールメリットの獲得、東京ネオプリントへの縫製機能内製化ノウハウの導入、イタミアートで成功した機械の導入による製造効率の改善といった大きなシナジーを見込む。また、M&Aに伴い、暫定値ながら負ののれん252百万円を計上している。イタミアートの創業者である伊丹社長自らが東京ネオプリントの再建を主導しており、来期以降の利益貢献に向けて体質改善を進める方針である。

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    ビジネスモデルや事業内容

    株式会社イタミアートは、ECサイトでの受注を強みとし、大型販促商材においては内製化によるメーカー機能を有する企業である。 多くの同業他社が二次下請けに甘んじている中、ECサイトでの販売展開を先行させ、その後メーカー機能を確立するという独自のビジネスモデルを展開している。 また、代理店とも良好な関係を維持し、情報交換をしながら共に成長していくという協業体制を築いている。

     

    創業の経緯と転機となった出来事

    創業当初は広告プロダクションとしてスタートしたが、営業効率の向上を目指し、ECサイトでの全国展開へと舵を切った。

     

    直近の決算状況

    第3四半期決算では、積極的な新規顧客獲得策が功を奏し、売上を伸ばしている。 広告宣伝費の投下だけでなく、SEO対策にも力を入れており、新規顧客の流入を促進している。 利益率向上に関しては、内製化商品の増加や海外からの材料仕入を円建てに変更したことが寄与している。

     

    特徴や強み

    ECサイトでの受注と大型販促商材の内製化により、独自のポジションを築いている。 代理店とも協業体制を築き、情報交換をしながら共に成長している。

     

    成長戦略

    リピート顧客を増やすための施策やSEO対策を継続的に実施し、トランザクション数の増加を目指している。

     

    株主還元策

    株主還元策としては、配当を安定的に行っていく方針である。

     

    今期の取り組みやトピックス

    SDGsの取り組みとしては、端材を燃料として活用するなど環境配慮型の素材を採用している。 また、工場の生産ラインをロボ化することや自動化することで業務効率化にも積極的に取り組み、生産性の向上を図っている。 2024年10月にはメインの工場を約2倍の面積に増築したので、今後更なる設備投資を計画している。

  • Q. 貴社のビジネスモデルや事業の概況について、特徴や強みを踏まえながらご説明いただけますか。

    A. 当社の一番の特徴は、ECサイトによって受注をしているということですが、広告物というか大型販促商材を内製化しているという点です。多くの同業他社が二次下請け構造の中にあるのに対し、当社はメーカー機能を持っているという点が大きな違いです。

     

    Q. 貴社がメーカー機能として販売している商品は、貴社のECサイトだけで買えるといったものではないのですか。

    A. はい。当社が扱っている商品は、ECサイト以外のところでも購入できます。作り方や規格によって異なりますが、街の看板屋さんでも製作できるものなので、他社での販売も可能です。

     

    Q. 貴社自身の商品は、貴社が持っているECサイトのみでの販売なのでしょうか。販売経路について教えてください。

    A. 当社は、当初はECサイトのみでの販売でしたが、一部継続的に仕事をいただけるお客様や、中大ロットのお客様に関しては営業担当をつけ、インサイドセールスを行っています。

     

    Q.貴社様の創業の経緯や創業の思いについて教えていただけますか。

    A. 創業は、元々は広告プロダクション、制作プロダクションという形でスタートしました。 その中で徐々に業態を変えていく中で、私自身が営業マンとしてやっていましたが、営業担当者を置くというのが非常に非効率だと感じていました。 営業担当者による営業活動はエリアを限定したものになりがちですが、そうではなく全国を相手に幅を広げた方が、よりスケールしていくと考え、ECサイトへと徐々に切り替えていきました。 元々強みであった広告物や販促物といった分野に特化し、ECサイトで全国展開しています。

     

    Q. 貴社の第3四半期の決算状況についてお伺いしたいのですが、売上が伸びている要因として、新規顧客を獲得するための取り組みや施策がありましたら教えていただけますか。

    A. ECサイトの売上については、やはり広告をどれだけ打つかであったり、SEO対策がどれだけ上手くいくかというところで、新規顧客の方がどれだけ流入してくるかというところが一番のポイントになります。 第3四半期につきましては、売上を伸ばし、シェアを取っていくために広告宣伝費を投下し、新規顧客の獲得を促進していきました。

     

    Q. 利益の増加要因を教えてください。

    A. 当社は夏にうちわの売上が多く、それは外注になるため利益率が少し落ちるのです。 内製化するものが増えると利益率が上がってくるという関係もあり、第3四半期には内製化する商品がたくさん販売できたことも利益率改善に繋がっています。 それから、海外から輸入している材料の大部分を、昨年の6月頃から円建て取引に変えまして、為替の影響を受けなくなったことも利益率の改善に繋がっています。

     

    Q. 今後は、うちわのような外注している商品も徐々に内製化していくのでしょうか?

    A. 今後、取扱い商品を広げていき、今ある既存の機械や設備、メンバーで内製化できるものに関しては、受注量が増えたタイミングで内製化していくことはあり得ると考えています。 しかし、すべてを内製化すると、手間もかかりますし、設備投資も必要になってきますので、外注もうまく使いながら、売上をスケールしていくということも意識しています。

     

    Q.トランザクション数を増やすために行われている具体的な取り組みはございますか。

    A. 細かい施策としてはたくさんありますが、基本的にはリピート率を増やすということが一番大きな施策になりますので、リピートを増やすための施策を積み重ねています。 また、SEO対策にも力を入れています。 入口対策だけでなく、ロングテールキーワードに対しての施策も行っています。 700以上のサイトのロングテールキーワードにおいて、SEO対策を行い上位表示することで、流入を増やしています。

     

    Q.競合になるのはラクスル株式会社などが該当するのでしょうか。

    A. ラクスル株式会社は協業先です。お客様から見たら競合に見えるかもしれませんが、協業しているため、あまりぶつかっているイメージはありません。

     

    Q. 貴社の株主還元に関しまして、方針や政策などございましたら教えていただけますか。

    A. 東証グロース市場とはいえ、初年度から配当を出すことを発表しており、ある程度安定して配当していく方針です。 株主優待については議論していますが、今のところお伝えできることはありません。

     

    Q. 貴社のSDGsの取り組みについて教えていただけますか。

    A. 端材を燃料として使える業者に廃棄物を預けている取り組みを去年から開始しています。 端材は廃棄物として処分するのではなく、エネルギー還元できるような業者に引き取ってもらうようにしています。 また、自動化なども推進していきたいと考えています。 プリンターも古いものを使用し続けるのではなく、新しいプリンターに切り替え、効率化を図りながら生産性を向上させる取り組みを続けています。

     

    Q.新しく取り組まれていることやトピックなどございましたら教えていただけますか?

    A. 10月に新しく工場が増築されました。 竣工した瞬間に全てを移転することは難しいため、将来を見据えながら新しい機械をどうするか、既存の機械をどうするかを慎重に検討しながら、全体を見ながら向上していかないと、効率的に運営ができないという事情があります。 今ちょうど、自動化や機械化をさらに推進していこうというタイミングでもあり、工場増築に合わせて、1年ぐらいかけて、機械やプリンターの投資をしていこうと考えています。

  • 取材者: まず初めに、ビジネスモデルや、事業の概況につきまして、特徴や強みなどを踏まえながらご説明いただけますか。

    回答者: はい。 当社の一番の特徴は、ECサイトによって受注をしているということですが、広告物というか大型販促商材を内製化しているという点です。 多くの同業他社が二次下請け構造の中にあるのに対し、当社はメーカー機能を持っているという点が大きな違いです。

    我々の業界では、二次下請けの企業が多く、広告代理店などから仕事を受けている関係で、なかなかECサイトで自社製品を販売することができないのです。 しかし、当社はECサイトでの販売展開を先行させ、その後メーカー機能を持ったという経緯があり、独自のポジションを築いています。 とは言いながらも、代理店とも良好な関係を続けており、代理店からは下請けとして仕事をいただきながら、一般ユーザーからも直接受注するといった体制をとっています。 これが大きな違いになります。

    代理店の中にも、例えばラクスル株式会社など、多くの広告代理店が入っていますが、そういったところとも協業しており、ライバル関係にはありません。 表面的にはライバルに見えるかもしれませんが、実際にはそういったところの下請けとしても仕事をしており、うまく情報交換をしながら、ともに成長していっているというのが現状です。そこが大きな強みだと考えています。

    取材者: なるほど。 それでは、貴社様がメーカー機能として販売している商品は、貴社様のECサイトだけで買えるといったものではないのですか。

    回答者: はい。 当社が扱っている商品は、ECサイト以外のところでも購入できます。 作り方や規格によって異なりますが、街の看板屋さんでも製作できるものなので、他社での販売も可能です。

    取材者: 貴社様自身の商品は、貴社様が持っているECサイトのみでの販売なのでしょうか。販売経路について教えてください。

    回答者: 当社は、当初はECサイトのみでの販売でしたが、一部継続的に仕事をいただけるお客様や、中大ロットのお客様に関しては営業担当をつけ、インサイドセールスを行っています。

    取材者: 元々ECサイトから始まったというお話がありましたが、貴社様の創業の経緯や創業の思いについて教えていただけますか。

    回答者: 創業は、元々は広告プロダクション、制作プロダクションという形でスタートしました。 その中で徐々に業態を変えていく中で、私自身が営業マンとしてやっていましたが、営業担当者を置くというのが非常に非効率だと感じていました。 営業担当者による営業活動はエリアを限定したものになりがちですが、そうではなく全国を相手に幅を広げた方が、よりスケールしていくと考え、ECサイトへと徐々に切り替えていきました。 元々強みであった広告物や販促物といった分野に特化し、ECサイトで全国展開しています。

    取材者: ECサイトを作るにあたって、エンジニアといった方々が貴社にいらっしゃったというイメージでよろしいのでしょうか。

    回答者: 当社がECサイトを始めたのは15年、20年ぐらい前のことになりますが、当時はインターネットの競争が激しくなく、簡単なサイトを作るだけでも受注が取れるような状況でした。 そこから始めて、社内ではナレッジを共有しながら蓄積していったという感じです。

    取材者: 貴社様の第3四半期の決算状況についてお伺いしたいのですが、売上が伸びている要因として、積極的な新規顧客の獲得策を挙げられているかと思います。 新規顧客を獲得するための取り組みや施策がありましたら教えていただけますか。

    回答者: ECサイトの売上については、やはり広告をどれだけ打つかであったり、SEO対策がどれだけ上手くいくかというところで、新規顧客の方がどれだけ流入してくるかというところが一番のポイントになります。 第3四半期につきましては、売上を伸ばし、シェアを取っていくために広告宣伝費を投下し、新規顧客の獲得を促進していきました。

    取材者: 利益が上がっているというのは、広告宣伝費よりも売上が上がっているところが大きいのでしょうか。

    回答者: 当社は夏にうちわの売上が多く、それは外注になるため利益率が少し落ちるのです。 内製化するものが増えると利益率が上がってくるという関係もあり、第3四半期には内製化する商品がたくさん販売できたことも利益率改善に繋がっています。 それから、海外から輸入している材料の大部分を、昨年の6月頃から円建て取引に変えまして、為替の影響を受けなくなったことも利益率の改善に繋がっています。

    回答者: 補足させていただきますと、先ほどメーカー機能を持ってECサイトで販売しているというお話がありましたが、自社で製造できるものは大型ののぼり旗や大型の横断幕、懸垂幕、パネルなどです。 うちわなどは全て外注になっています。 商品によって、自社で製造できるものと、外注しているものがあるという点は前提としてお伝えしておきます。

    取材者: 今後としては、うちわのような外注している商品も徐々に内製化していく方向でよろしいのでしょうか。

    回答者: 今後、取扱い商品を広げていき、今ある既存の機械や設備、メンバーで内製化できるものに関しては、受注量が増えたタイミングで内製化していくことはあり得ると考えています。 しかし、すべてを内製化すると、手間もかかりますし、設備投資も必要になってきますので、外注もうまく使いながら、売上をスケールしていくということも意識しています。

    取材者: 広告宣伝のところで様々な取り組みをされているかと思いますが、トランザクション数を増やすために行われている具体的な取り組みはございますか。

    回答者: 細かい施策としてはたくさんありますが、基本的にはリピート率を増やすということが一番大きな施策になりますので、リピートを増やすための施策を積み重ねています。 また、SEO対策にも力を入れています。 入口対策だけでなく、ロングテールキーワードに対しての施策も行っています。 700以上のサイトのロングテールキーワードにおいて、SEO対策を行い上位表示することで、流入を増やしています。

    取材者: のぼり旗を買うならば貴社のようなところが結構あるのでしょうか。

    回答者: 上場したことも多少影響していると思いますが、のぼり旗や幕、看板に関するブランディングがある程度できていると考えています。

    取材者: のぼり旗を販売している会社ですと、競合になるのはラクスル株式会社などが該当するのでしょうか。

    回答者: ラクスル株式会社は協業先です。お客様から見たら競合に見えるかもしれませんが、協業しているため、あまりぶつかっているイメージはありません。

    取材者: 貴社様の株主還元に関しまして、方針や政策などございましたら教えていただけますか。

    回答者: はい。 東証グロース市場とはいえ、初年度から配当を出すことを発表しており、ある程度安定して配当していく方針です。 株主優待については議論していますが、今のところお伝えできることはありません。

    取材者: 貴社様のSDGsの取り組みについて、環境配慮型の素材の採用などもあるかと思いますが、その他に何かございましたら教えていただけますか。

    回答者: 端材を燃料として使える業者に廃棄物を預けている取り組みを去年から開始しています。 端材は廃棄物として処分するのではなく、エネルギー還元できるような業者に引き取ってもらうようにしています。 また、自動化なども推進していきたいと考えています。 プリンターも古いものを使用し続けるのではなく、新しいプリンターに切り替え、効率化を図りながら生産性を向上させる取り組みを続けています。

    取材者: 業務効率化の部分で、新しい機材を投入した設備投資の部分に当たるのでしょうか。 そういったところにも積極的に投資をしているという認識でよろしいのでしょうか。

    回答者: はい。 断続的には行っています。

    取材者: 第4四半期に向けて、業績計画の達成が期待されているかと思いますが、その他、業績に関わらず新しく取り組まれていることやトピックなどございましたら教えていただけますか?

    回答者: 10月に新しく工場が増築されました。 竣工した瞬間に全てを移転することは難しいため、将来を見据えながら新しい機械をどうするか、既存の機械をどうするかを慎重に検討しながら、全体を見ながら向上していかないと、効率的に運営ができないという事情があります。 今ちょうど、自動化や機械化をさらに推進していこうというタイミングでもあり、工場増築に合わせて、1年ぐらいかけて、機械やプリンターの投資をしていこうと考えています。

    取材者: 効率化や増産の部分、また新しい商品の取り扱いなども今後1年で見えてくるという認識でよろしいのでしょうか。

    回答者: 新しい商品の取り扱いや製造というのはあまり考えていません。 売上が伸びているため、そこにより効率的に対応できるように、自動化やスマートファクトリー化のような形で実現していきたいと考えています。

  • IR担当

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