
(株)ハッチ・ワーク
東証GRT 148A
決算:12月末日
20260520
CP&X
【取材日】2026年5月20日
【2026年12月期1Q】
決算概要
2026年12月期1Qの売上高は744百万円(前年同期比15.6%増)、営業利益13百万円(同82.4%減)、四半期純利益9百万円(同84.3%減)となりました。
主力事業の成長により売上高は計画通り進捗しました。
一方、2030年に向けた成長投資(本社拡張移転、LLMO対策、貸会議室の新規出店等)を1Qから計画通り実行したことにより、営業利益・四半期純利益は前年同期比で減少しましたが、通期業績予想に対する進捗は概ね予想通りです。
(注) LLMO:Large Language Model Optimizationの略称。大規模言語モデル(生成AI)が回答や検索結果を生成する際に、当社のサービスや月極駐車場の情報が適切かつ優先的に参照・提示されるようにするための最適化施策。
セグメント別または事業別の増減要因
「月極イノベーション事業」はAPクラウドサービスが計画通り進捗し、2026年12月期1Qの売上高は520百万円(前年同期比28.0%増)、セグメント利益は154百万円(同15.2%増)となりました。ハトマークグループとの提携等を通じた効率的な営業活動により、継続的な導入拡大と収益基盤の強化に繋がっております。
「ビルディングイノベーション事業」は新モデル貸会議室の出店に伴う先行投資により、売上高は223百万円(同4.4%減)、セグメント利益は27百万円(同43.1%減)となりましたが、再成長に向けた投資フェーズとして、通期業績予想に対する進捗は計画通りです。
なお、既存拠点は概ね前年並みに推移しており、新モデル貸会議室のオープンにより短期的には出店関連費用が先行するものの、来期以降の売上・利益成長への貢献を見込んでおります。
主要KPIの進捗と変化
主力である「月極イノベーション事業」APクラウドサービスの主要KPI「APクラウド登録台数」は48.7万台(前年同期比23.7%増)、「決済代行台数」は18.4万台(同18.3%増)、「滞納保証台数」は9.2万台(同34.5%増)と着実に増加し、ARRは1,765百万円(同31.5%増)と継続収益基盤が着実に成長しております。
この「APクラウド登録台数」を起点に、付加価値サービスの利用を拡大させることで「決済代行手数料」や「滞納保証料」といった登録区画ごとの収益を段階的に積み上げていくビジネスモデルとなっております。
(注)ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRRを12倍して算出。
MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における継続課金ユーザー企業及び月極駐車場利用者に係る月額料金の合計額(一時収益を含む)
季節性・一過性要因の有無と影響
「月極イノベーション事業」では3月から4月にかけての引越シーズン、「ビルディングイノベーション事業」では採用活動や研修といった用途において、ともに季節性があります。2026年においては、「ビルディングイノベーション事業」の1Q売上高において、一部季節性案件が四半期を跨いだことで、売上計上のズレ(2Qへの移行)による一過性の影響が見られましたが、既存拠点は概ね前年並みに推移しており、通期業績予想に対する進捗は計画通りです。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年12月期1Q決算説明資料P6に記載の通り、通期業績予想(売上高3,385百万円、営業利益204百万円)に対する進捗は計画通りであり、変更はございません。
足元の1Qにおける営業利益減少の主因は、将来の持続的成長に向けた戦略的投資(本社移転・LLMO投資・新規出店)を実施したことによるものであり、これらは通期業績予想に織り込み済みです。
トピックス
2026年3月にリリースした「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」ならびに、2026年12月期1Q決算説明資料(Appendix記載)では、2030年を見据えた全社戦略や中長期のビジョンをお示ししております。
既存事業の継続拡大と新たな収益の柱の構築を通じ、企業価値向上を目指します。
足元ではこの目標達成に向けた戦略的投資として、「月極イノベーション事業」でのLLMO対策・システム投資、「ビルディングイノベーション事業」での新モデル貸会議室への出店投資、経営基盤構築のための本社拡張移転などを計画通り実行しております。
【資料】

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
CP&X
【2025年12月期(通期)】
決算概要
2025年12月期通期決算は、売上高2,759百万円(前期比16.5%増)、営業利益242百万円(同32.1%増)、経常利益260百万円(同67.9%増)、当期純利益246百万円(同88.6%増)と、大幅な増収・増益での着地。5期連続の増収を記録し、決算発表前に行われた上方修正の数値を上回る水準での達成。当期純利益のみ、繰延税金資産の見込み差異による若干の計画未達。
セグメント別または事業別の増減要因
「月極イノベーション事業」はトップラインが前期比25.2%増、セグメント利益が同39.7%増と極めて順調な推移。「ビルディングイノベーション事業」の売上高は同3.4%増とほぼ横ばいであるものの、2025年10月1日に五反田で貸会議室を新規出店した他、借り上げ賃料の値上げ、人件費高騰の影響による対前年比でのセグメント利益マイナス。
主要KPIの進捗と変化
全社のARRは前年度比39.3%増という大幅な成長。営業進捗の指標となる「APクラウド登録台数」は、前年度比26%増となる2025年12月末時点で473,000台への到達。収益に直結する「滞納保証台数」も自然増により着実に積み上がり、現在86,000台規模への拡大。
季節性・一過性要因の有無と影響
当社の2つの事業において確認される四半期ごとの明確な季節性。月極駐車場および貸会議室の双方が、引っ越しや研修・面接が集中する3月・4月を含む第2四半期に売上が大きく伸長する傾向。駐車場事業は第3四半期に一時的に売上が低下するものの、ストック型の積み上げにより第4四半期には第2四半期を上回る収益構造。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年12月期の通期予想は、引き続きトップラインの成長を見込む一方での経常利益200百万円という減益計画。2030年の時価総額100億円達成を見据え、本社拡張移転(47百万円)、AI関連投資(112百万円)、会議室新規出店(75百万円)に踏み込んだ意図的な戦略的投資の実施が減益の主因。推進予定のAI化が遅れ、労働集約型モデルから脱却できない場合の売上や利益の成長頭打ちリスク。
トピックス
不動産管理会社の約8割が加盟する「ハトマーク支援機構」との単独提携を通じた、地場の有力な不動産管理会社に対する効果的な営業活動の推進。神戸市および松山市との「災害ステーション」協定を通じ、災害時の無償駐車場提供という社会貢献をフックにした周辺管理会社の新規獲得展開。月極駐車場の空きスペースを活用した短期貸しサービス「APウィークリー」の稼働や、省人化機能を備えた貸会議室の青山一丁目や新橋への新規出店。
【2025年12月期(通期)】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社の成長戦略といたしましては、主に「月極イノベーション事業」と「ビルディングイノベーション事業」の双方における市場開拓と業務効率化を推進しております。月極駐車場事業においては、全国の不動産管理会社の約8割が加盟する「ハトマーク支援機構」との提携を最大の市場開拓施策と位置づけており、地域の有力な不動産会社との関係構築を深め、インサイドセールスとフィールドセールスを連携させた営業展開を行ってまいります。また、「災害ステーション」の取り組みとして神戸市や松山市と提携し、災害時に無償で駐車場を提供する社会貢献活動を通じ、周辺の管理会社や地元企業を巻き込んだ強固な関係性構築と新規獲得を目指しております。さらに、クラウドシステムの導入拡大に伴い、空き駐車場を短期貸しする「APウィークリー」の展開や、蓄積される駐車場の価格情報および利用者の属性情報等をビジネスに活用する展開も見据えております。一方、ビルディングイノベーション事業におきましては、築古のオフィスビルが増加する中での高収益化ソリューションとして新橋、青山一丁目などで貸会議室の新規出店を再開いたします。新規店舗では、受付の無人化や遠隔での鍵の開閉など省人化を図りつつ、立地に応じたイベントスペース的な機能も取り入れた開発を進めております。これらの事業拡大を支える基盤として、審査業務や請求・滞納管理などの事務的アナログ業務をAIにより効率化し、労働集約型モデルからの脱却を図るための戦略的投資を実施いたします。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:事業環境の前提条件として、まず月極駐車場市場においては、将来的な人口および自動車の減少に伴い駐車場の空きスペースが増加していくことが予想されます。この変化に対し、当社のシステムによりリアルタイムで空き状況を把握できる仕組みを普及させることで、短期貸しなどの多様な業者間連携を促進し、新たな需要の創出に繋げることが可能となります。また、一般的なSaaSモデルに対する市場の評価に変化が見られるものの、当社のサービスはシステム導入先である管理会社からのシステム利用料ではなく、駐車場利用者からの保証料を主な収益源とする独自のマネタイズモデルを構築しております。さらに、管理会社のアナログ業務を当社が全面的に巻き取るBPO(Business Process Outsourcing)の性質を持っているため、将来的にAI技術が進歩したとしても、管理会社が当社との契約を解除して内製化を図る動機付けは発生しにくく、安定した事業基盤を維持できると考えております。一方、オフィスビル市場におきましては、建築費の高騰により建て替えを断念せざるを得ない中小の築古ビルが増加しているという課題があります。当社はこうしたビルにおいて引き続き高収益を生み出すための解決策として貸会議室というソリューションを提供し、新規出店を進めることで需要を取り込んでまいります。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年12月期の通期予想におきましては、売上高は引き続き順調な成長を見込む一方で、利益面については減益を計画しております。これは、グロース市場において2030年に向けて時価総額100億円を目指すという目標を見据え、将来の成長に向けた戦略的投資を早期に実行するためです。具体的には、今後の人員拡大と既存社員の環境整備を目的とした本社拡張移転費用として47百万円を見込んでおります。また、月極イノベーション事業における審査や請求・滞納管理などの事務的アナログ業務を効率化し、労働集約型モデルから脱却するためのAI関連投資やマーケティング・営業力強化施策、システム関連投資等に112百万円を投じます。さらに、ビルディングイノベーション事業におきましては、4月に予定している新橋や青山一丁目などへの新規出店に伴うコストとして75百万円を計上しております。これらストック型売上を早期に積み上げるための採用やマーケティング、システムへの戦略的投資を意図的に実施した結果として、差し引きで200百万円の経常利益予想となっております。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:当社の営業進捗を示す指標につきましては、「APクラウド登録台数」が前年度比26%増と四半期および年度単位の双方で順調に成長しております。また、オンボーディングの進捗を示す「決済代行台数」や、収益に直結する「滞納保証台数」も自然増を含め着実に積み上がっており、現在86,000台に達しております。競合状況に関しましては、上場企業であるA社が月極駐車場の分野でコンペティターとして意識されておりますが、同社が一旦駐車場を借り上げて転貸するサブリース方式を採用しているのに対し、当社は管理業務のクラウド化と自動化によるソリューションを提供している点でビジネスモデルが異なります。また、その他の未上場企業において当社と同様のサービスを後発で展開する動きも見られますが、当社は独自の優位性を確立しております。具体的には、当社が駐車場の管理台帳システム自体を提供しているため、自社サイト上で空き状況をリアルタイムで正確に開示でき、予約が入った瞬間に満車となる仕組みを実現しております。これにより、他社のように空き状況の確認に問い合わせを要しダブルブッキングのリスクを伴うリクエスト予約方式とは異なり、即時かつ確実な短期貸しなどの予約手配が可能となっております。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:業務提携に関しましては、最大の市場開拓施策として、不動産管理会社の約8割が加盟する「ハトマーク支援機構」との単独提携を実現いたしました。これにより、ウェブ広告などではアプローチが困難であった地場の有力な不動産管理会社に対して、地域の会合への参加等を通じた効果的な営業活動が可能となっており、順調な進捗を見せております。また、自治体との連携として、神戸市や松山市と「災害ステーション」に関する提携を行いました。これは災害時に当社のシステムを導入している駐車場の空きスペースを救援車両等へ無償提供する取り組みであり、自治体や地元企業と連携することで地域ごとに強固な関係性を構築し、周辺の管理会社の新規獲得に繋げる営業的要素を含んでおります。一方、M&Aにつきましては、全く検討していないわけではございませんが、現状では具体的な内容は非開示とさせて頂いております。同業の上場企業が存在せず、未上場企業もごく少数であるため、単純な横展開は難しいと考えており、当社が目指す将来像において不足している機能を補完する目的での選定を行っていく方針です。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画などにつきましては、現状ではまだ公表しておりません。しかしながら、第4四半期の決算説明資料の中で初めて、グロース市場において時価総額100億円を目指すという目標について言及させていただきました。2030年が近づくにつれて打ちづらくなるであろう施策を早期に行うべきという判断から、将来的な成長のための投資を本業績予想に反映させております。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:現状の株主構成につきましては、創業メンバーが合計で過半数の株式を保有していることに加え、未上場時からご出資いただいているベンチャーキャピタルの方々が引き続き株式を保有されているため、市場における浮動株が少ない状況となっております。これは意図的に流動性を低く抑える戦略を採っているわけではございません。今後の対応といたしましては、市場の状況を注視しつつ、一定の株価水準に達した段階で株式分割などの実施を検討していきたいと考えております。
【2025年12月期(通期)】
取材者:貴社のサービスは非常に便利な仕組みだと拝見しております。今回、12月決算の発表前に上方修正を行われました。まずは決算の状況と要因についてご説明をお願いいたします。通期の業績が好調であることについてご説明いただきたいのと、おそらく人員増加やAI関連投資などの影響で通期予想では利益が落ちる部分についてもご説明いただけますか。
回答者:2025年12月期におきましては売上、利益ともに、特段問題のない水準であると考えております。
取材者:5期連続の増収ですね。
回答者:利益についてですが、2021年度、2022年度は新型コロナウイルスの影響があり大きくマイナスとなりましたが、2023年度に黒字化し、2024年度には黒字幅が拡大して上場に至ったという形になっております。ハイライトといたしましては、売上高、利益面、そしてKPIも順調に伸びております。また、将来の成長に向けた投資を2025年12月期においてすでに開始しております。自治体連携につきましては、災害ステーションの取り組みとして、神戸市に続き松山市とも提携いたしました。
取材者:ARRが前年度比で39.3%増えたというのは素晴らしいですね。
回答者:順調に伸びていると考えております。業績につきましては全社および「月極イノベーション事業(駐車場)」、「ビルディングイノベーション事業(会議室)」のセグメント別に開示しております。全社では売上高が16.5%増、営業利益が32.1%増という伸びになっております。
「月極イノベーション事業」につきましては、トップラインが25.2%伸び、セグメント利益も39.7%伸びておりますので、極めて順調かと存じます。「ビルディングイノベーション事業」のトップラインは3.4%増と若干プラスですが、ほぼ横ばいの範囲内と見ております。セグメント利益がマイナスとなっているのは、2025年10月に五反田へ出店したことと、一部で家賃の値上げがあったこと、また昨今の人件費等の高騰の影響により、損益的には対前年比でマイナスになりました。当社の2つの事業はともに季節性があるため、四半期単位で比較していただきたいのですが、売上高としては第4四半期同士で比較しますと19.9%伸びております。損益は逆に減少しておりますが、これは意図的な戦略的投資の結果ですので、計画通りのマイナスとなっております。
取材者:売上で見ると、やはり下半期の方が若干高いのですか。
回答者:特に全社では駐車場事業の売上比率が高いため積み上げ型の売上構成となるのですが、第2四半期は3月、4月の引っ越しシーズンに売上が大きく伸びるため、その反動で第3四半期は売上が少し下がる傾向があります。ただし、積み上げ自体は続いておりますので、第4四半期には第2四半期の売上高を超えてくる傾向にあります。上方修正をした数値ですが、この数値を少し上回る形で、売上高、営業利益、経常利益ともに達成することができました。当期純利益だけは、繰延税金資産の見込みに差異があり、ややショートしました。各セグメントについてご説明いたします。「駐車場」から先に申し上げますと、まず「APクラウド登録台数」は、営業が順調に進んでいるかを確認いただくための指標であり、前年度比26%アップと、四半期単位でも年度単位でも成長しております。「決済代行台数」は、管理会社と契約を締結した後に、利用者様の駐車場代の支払い先を当社へ切り替える作業が完了した台数を意味しており、オンボーディングの進捗状況を表しております。「滞納保証台数」は、主に自然増の部分ですが、新しく駐車場に入られた方や既存の利用者が入れ替わり、当社の保証が適用された方の累計です。現在86,000台となっており、時間はかかりますが、徐々にAPクラウド登録台数に近づいていく構図となっております。
取材者:「APクラウド登録台数」が増えただけでは売上に直結するわけではないけれど、それが「決済代行台数」や「滞納保証台数」に繋がっていくという見方でよいですか。
回答者:その通りです。営業が順調かどうかを見ていただくには、「APクラウド登録台数」の指標をご確認いただければと存じます。
取材者:すごく順調ですね。26%ですからね。
回答者:続いて、貸会議室を中心とした「ビルディングイノベーション事業」につきまして原価の方に大きな費用が入っております。貸会議室を借り上げ、そこに造作を施して貸し出すというモデルになっておりますため、借り上げる賃料の値上げや昨今の人件費高騰もあり、原価が過年度と比較して上昇しております。ここ数年は新規出店をずっと控えておりました。オフィス賃料が平均的に高く推移していることと、空室が非常に少ないことから、新型コロナウイルス感染拡大以降は無理な新規出店をせず、内部の収益性を高めることに集中しておりました。ところが昨年、久々に五反田に出店し、本年4月には新橋と青山一丁目にも出店する予定です。なぜ再び出店に舵を切ったかと申しますと、現在オフィスビルの中で建て替えが困難な状況にある築古のビルがかなり増えてきているという課題があります。例えば、中野サンプラザや五反田のTOCのように、古くなったため建て替えを判断しテナントを退去させたものの、実際の建築費等が高騰しており建て替えができないという事例が中小ビルで多く発生しております。そうした中小の築古ビルにおいて、引き続き高収益を生み出さなければならない状況下で、解決方法として例えば貸会議室というソリューションを提供できるようになってきております。ピンポイントではありますが、新規出店が少しずつ始まっている状況です。
売上高で言いますと、前期第4四半期が208百万円で、今期第4四半期が217百万円です。大体四半期でこのような推移となっております。会議室の利用ですので、3月や4月は研修や面接などでの利用が増えるため、この第2四半期が概ね高くなるという形です。
取材者:会議室が利用されていない時も、貴社が借り上げているから支払いは発生するわけですね。回転率を上げて貸していかないといけないのですね。
回答者:固定費として発生いたします。そのため、この固定費がある分、新型コロナウイルスの時期は大変でした。大きな赤字となったのはその時期でした。
続いて、2026年12月期の業績予想ですが、トップラインは順調に成長する計画をしております。一方、損益は減益を予想しており、その理由として「月極イノベーション事業」「ビルディングイノベーション事業」「全社」の各項目で開示しております。当社でも例に漏れずAI導入への戦略的投資があります。また、採用やマーケティングの面もあり、ストック型の売上ですので早めに積み上げておきたいという意図から、若干踏み込んで進めていく部分があります。「ビルディングイノベーション事業」につきましては、新規出店がメインとなっており、4月にも出店が決まっていますので、そのコストを見込んでおります。「全社」に関しましては、本年2月に本社を移転しており、今後さらに人材を獲得していかなければならないという採用強化の側面と、既存人員の環境を整備したいという目的があり、本社を拡張移転してさらに拡大を図っていく方針です。イメージとしましては、2025年の営業利益242百万円から、2026年度の営業利益予想204百万円へ、どのように増減するかを分けて開示しております。2026年の利益増加額として通常であれば174百万円程度増える見込みに対し、本社拡張移転で47百万円、駐車場部門のAI関連投資等で112百万円、会議室の出店投資等で75百万円の費用がかかり、差し引きで204百万円という業績予想となっております。
取材者:AI関連への投資などの影響が112百万円程度ということですね。
回答者:今回、開示資料の中で初めて「100億円」という言葉に触れました。やはりグロース市場において、時価総額100億円という目標に向けて投資をしていく場合、2030年が近づけば近づくほどこうした施策は打ちづらくなるだろうと考えております。打ち手は早い方が良いと考え、2026年度はこのような業績予想とさせていただきました。
2025年に実施した施策の進捗と、2026年度の継続施策につきまして、1点目は最大の市場開拓として「ハトマーク支援機構」との提携です。これは営業面ですが、宅建業界にはハトマーク支援機構というものがあり、不動産管理会社の約8割が加盟する団体があります。ここと単独提携することができましたので、同団体にしっかりとメリットを享受頂き関係性を強化することで、順調に進捗しております。かなり効果的な活動ができていると考えており、2026年度についても継続的に営業を展開してまいります。
取材者:このハトマークとの提携は、ものすごくインパクトが大きいような気がいたします。
回答者:不動産会社はハトマークかウサギマークのどちらかに必ず加盟しているのですが、そのうちの8割が加盟する団体との提携は非常に有意義です。今まで当社は大手企業様から導入が進んできたのですが、月極駐車場管理を行っている企業の多くは、地場の不動産管理会社様でして、そこをいかに開拓するかが重要な営業戦略となります。ウェブ広告などがなかなか届きにくい相手ですので、例えばハトマーク支援機構の各地域の会合等に参加させていただく権利を得られたことで、地域の有力な会社様と関係性を構築し、地域ごとに深く入り込んでいくことが徐々にできてきたところです。非常に効果的に進んでいると考えております。「災害ステーション」についてですが、一見CSR的な社会貢献活動という側面が強く見えるものの、営業的な要素も大いに含まれております。例えば神戸市や松山市においては、周辺企業の加盟を促進するために、このプロジェクトに地元の鉄道会社などを巻き込んで取り組みを進めることで、地域ごとに強固な関係性を構築していく取り組みの一環となっております。
取材者:災害ステーションとは何ですか。
回答者:神戸市や松山市の例で申し上げますと、災害が発生した際に、当社のサービスを導入している駐車場の空きスペースを、管理会社や自治体の負担ではなく、当社の負担で災害救援車両等に無償で提供しましょうという取り組みです。南海トラフ地震などが予測される中で、太平洋側の地域は非常に関心が高く、当社のサービスが入っていれば駐車場の空き状況をリアルタイムで管理できるため、災害発生後すぐに空いている駐車場を提供できるという点にメリットを感じていただいております。
取材者:これが直接提携したからといって、収益に繋がるというわけではないのですね。
回答者:例えば自治体から費用をいただくことはなく、むしろ当社側が駐車場を無償で提供する立場になります。そこでの収益はありませんが、周辺の管理会社様が一緒に参加してくれることで関係性が強化され、さらに周辺の会社様を新規で獲得していこうという取り組みになります。
「APウィークリー」についてですが、これは月極駐車場管理のシステムを導入していただいた会社様向けに始まっている短期貸しの仕組みです。通常は月極駐車場ですが、空いている時に1日単位や1週間、1ヶ月単位で貸し出そうというものです。このサービスに興味を持っていただき、導入するためにクラウドの仕組みを入れる必要があることから、結果としてクラウドの拡大にも繋がっております。
これは先ほどの説明の通り、ARRも順調に成長しているということです。年によって伸び率は変わりますが、2025年度に関しても非常に順調でした。
会議室も2025年12月期の業績では家賃の値上げや人件費の上昇で損益的には前年比で少しマイナスになりましたが、新しく出店する新橋、青山一丁目に関しては、省人化等の商品化を進めた会議室を開発していく予定です。例えば受付の無人化や、鍵の開け閉めを遠隔で対応するなど、人手をかけずに運営できる仕組みを準備しております。特に青山一丁目は、ただ四角い部屋に机と椅子を並べるだけでなく、場所柄も考慮してイベントスペース的な作りも取り入れながら開発を進めており、4月にオープンする予定です。
会議室事業が少しずつ伸びていくのに対し、駐車場事業にはドライブをかけていきます。どちらも伸ばしていきますが、市場には国内車両保有台数、約6,205万台の車があり、月極駐車場市場想定約3,000万台となっております。当社の2025年12月末時点の登録台数は473,000台ですので、まだまだ開拓の余地は大きいです。面を取れればデータが入ってきますので、駐車場の価格情報や利用者の車両・属性情報などをビジネスに生かしていく方針です。将来的には人口も車も減少し、月極の空きスペースが増えてくる中で、当社の仕組みが入っていればリアルタイムで空き状況がわかるため、様々な業者様にも使っていただく連携を進めていきたいと考えております。その一つ目が自社サービスで始めている短期貸しです。
取材者:貴社のKPIは、やはり登録台数になるのですか。
回答者:おっしゃる通りです。
取材者:順調に伸びているわけですが、増やすための努力としてどのような取り組みをされているのですか。
回答者:当社が能動的に増やせるところとしては、「APクラウド登録台数」と「決済代行台数」です。「APクラウド登録台数」は新規の営業活動になりますので、一番大きな取り組みがハトマーク支援機構との提携です。この提携をうまく生かしながら、インサイドセールスから始まり、アポイントが取れたところで大きな案件はフィールドセールスにバトンタッチをするという手法で、営業活動の推進をしております。「決済代行台数」は、管理会社との契約後に、駐車場の利用者様からの支払い先を当社へ切り替える作業になります。元々アナログで管理されていたものをデジタルに切り替えながら収納代行も切り替えていくため、意外と時間がかかるものです。ただ、これを切り替えることによってリプレースされにくくなるという利点があります。収益に直結するまでには時間を要しますが、地道に積み上げていく形をとっております。
取材者:「SaaSモデル」について、世間では様々な見方が出てきており、そういった企業の評価が落ちてきている現状があります。貴社の場合「SaaSモデルではない」のか、あるいは「SaaSモデルではあるがこういった部分は他社には真似できない」のか、貴社の立場として将来性への不安を打ち消すようなご説明をお願いできますか。
回答者:一般的にSaaSモデルの企業ですと、システムを導入する営業先からのID課金によるマネタイズが中心になっているかと思います。しかし当社の場合はマネタイズのポイントが異なっており、導入を決定する管理会社からいただく収益は月額15,000円または無料という、かなり低い水準となっております。この収益は当社にとって非常にインパクトが小さいものです。一方で、ほとんどの収益は利用者様側からいただく形になっており、一番大きいのは保証料です。この点が通常のSaaS企業との最大のマネタイズの違いとして挙げられます。さらに、当社のサービスは管理会社に導入いただいた後、従来アナログで行っていた紙やハンコの業務、電話でのやり取りなどをすべて当社が巻き取り、オンライン化してしまいます。BPO(Business Process Outsourcing)という形で既存業務を請け負っております。もしAIが導入されて効率化が進むとしても、それは当社が巻き取った作業の中での効率化となります。管理会社の立場で言えば、費用の負担もない上に、自分たちでAIを導入してシステムを置き換えるメリットがほとんどありません。したがって、SaaS企業が懸念されているような影響は、当社のサービスに関しては及ばないと考えております。
取材者:貴社の仕事は、先方との折衝事などアナログ的な対応も結構多いような気がいたします。
回答者:すべてがアウトソースされているため、管理会社がやることはほとんどなくなります。費用もほとんどかからないため、AIが進歩したからといって、管理会社側が当社をキャンセルして内製化しようということには今のところなりません。
取材者:上場企業のA社などは、貴社のお客様になるのですか。
回答者:A社とは、営業先である管理会社や地主という点では共通しております。ただ、ソリューションの方法として、当社が「管理業務をクラウド化して自動化しましょう」とアプローチするのに対し、A社は一旦借り上げてそれを転貸する「サブリース」の仕組みを提供しておりますので、提供するソリューションが異なります。ただ非常に似たイメージを持たれるため、当社も上場時からコンペティターとして意識はしておりますし、どちらもストック型の事業となります。A社は上場後も大変高い成長を続けている素晴らしい会社ですので、当社も後に続けるよう事業を推進してまいります。
取材者:他の未上場企業との違いはどのように考えればよろしいですか。
回答者:A社よりは先ほどお話した数社存在する未上場の会社の方が事業としては類似となります。サービス的にはほぼ同じような内容ですが、違いを挙げるとすれば、当社は駐車場の空き・満車のリアルタイム管理をサイト上で開示している点です。当社のサービスが入っている駐車場は、空いていれば「空き」、埋まっていれば「満車」と表示されます。ホテルの予約サイトのように、当社は管理台帳側まで握っているため、契約が締結されればその瞬間に埋まるという仕組みになっています。一方で仲介を行うのみの駐車場では、サイトには載っていても実際に空いているかどうかはその時点ではわからず、一旦問い合わせをして空き埋まりの確認をして初めて結果がわかるという違いがあります。
取材者:他社の場合は、ダブルブッキングになってしまう可能性があるということですか。
回答者:ダブルブッキングになるということではなく、その時点では契約締結にはならず、「問い合わせ」をして空き埋まりの確認をした後に契約手続へ進むという仕組みにされています。
取材者:貴社の場合は、ホテルで言うところのダブルブッキングは絶対にあり得ないわけですね。
回答者:あり得ないですね。台帳を掴んでおりますので。だからこそ、短期貸しもできるのです。
取材者:貴社のオペレーションコストの劇的な削減や、AI投資開発による将来像が少し見えにくいと感じております。今後どのようにAI化が進んでいくのか、もう少し教えていただけますか。
回答者:この点については、まさにこれから取り組みを進める段階です。これまでは事業をどんどん拡大してきまして、それを人員で何とかこなしてきた状況でした。ただ、それを継続していっても売上は伸びるが利益は伸びないという話になってしまいますので、どこかで踏み込んだ形で、当社が請け負っているアナログ業務の特定の分野をAIで効率化する取り組みを進めなければならないと考えていました。具体的に想定しているのは、借りたい方の審査業務や、請求・滞納の管理業務など、事務的な作業が多数ありますので、そういったところをいかに効率化できるかにかかっていると考えております。
取材者:効率化していくと、売上も上がり利益も上がるということですか。
回答者:はい、その方向に向けた取り組みを推進してまいります。
取材者:今回の戦略的投資についてですが、時価総額100億円をグロース市場で目指すとなると、現状の3倍程度になりますが、このシナリオやロードマップのようなものはございますか。
回答者:現状ではまだ何も出しておりません。中期経営計画なども出しておらず、100億円という言葉に触れたのも今回が初めてです。
取材者:単なるSaaSの企業というだけでなく、貴社がリアルの資産であるプラットフォームになるという見せ方が必要になってくるのではないかと思っております。オーガニックな成長でどこまで行けるかはわかりませんが、まずはその部分をしっかり示すことで、現在のPERももう少し高くなって良いのだろうと考えております。売上利益が成長していく中で、M&Aなども検討されているのですか。資金調達のお話にもなるかと思いますが。
回答者:検討していないわけでは全くありませんが、現状では具体的な内容は非開示とさせて頂いております。同業で上場している会社がなく、未上場でも数社しかありませんので、横展開を広げることは少し難しいと考えており、当社が目指す先の中でどのパーツが足りないのかを選定していくことになるかと思います。
取材者:やはり未開拓の巨大市場である3千万台の部分をどう取っていくかということなのですね。
回答者:それをいかに早くするか、ということになります。
取材者:そのスピード感が2030年に向けて求められていると思いますので、頑張っていただきたいですね。現在の473,000台から100万台、200万台、500万台と見えてくると、すごいことだと思います。そのためにはAIも必要でしょうし、ハトマークやウサギマークとの開拓も重要になりますね。
回答者:両方と組むことは難しいと考えています。当社自身も宅建業の免許を持っているため、どちらかにしか加盟できず、加盟数の多い団体と組んだという経緯があります。
取材者:リスクについてお伺いしたいのですが、貴社にとってのリスクとは何ですか。
回答者:今期掲げているAIの推進がきちんと実行できないと、労働集約型モデルから脱却できず、売上の伸びがあっても、利益面も同程度の伸びに抑えられてしまうことだと考えております。
取材者:ハトマークをどんどん開拓していくとおっしゃっていましたが、人手だけではできない部分も出てくるかと思います。いかに契約台数を増やすかという部分に尽きる気がしますので、今回の投資によって、先ほどおっしゃった審査や請求、管理業務などが効率化され、売上と利益がどれくらい増えるのかという予想指標が見えてくると良いですね。
まだ上場して2年ですが、株主数の少なさについて、これは戦略的に行われているのですか。
回答者:そのようなことはありません。元々創業メンバーが合計で株式の過半数を持っていることと、未上場の時に投資いただいたベンチャーキャピタルの方々がまだ残っていらっしゃるため、手放す時期が来ないと浮動株は少ない状況です。
取材者:株主は直近で何名くらいいらっしゃいますか。去年の12月は530名程度だったところ。
回答者:800名を超えたあたりかと思います。
取材者:発行済株式数も大体1,000,000株ちょっとですか。
回答者:1,900,000株くらいです。
取材者:1,900,000株くらいだと少し少ないのかなという印象です。適正な株価がつくためには、本当は5,000,000株くらい欲しいところです。株主数が増えていけば適正な株価がついてくるかと思います。現状では流動性が低く、何かあると大きく上がったり下がったりしかねないため、数年かけて調整していく必要があるのだろうと思います。
回答者:株式数に関しては、一定の株価水準になった時には株式分割なども検討したいと考えております。
取材者:新年度は増収減益という戦略的投資を行われますが、これまでの業績、特に前期の業績は本当に素晴らしいと思います。上方修正も出されましたが、今回は良い形での上方修正でしたので、悪い見方はされていないと思います。この1年しっかりと数値を出しつつ、コンサバティブに出していて上方修正するのかなと期待しながら見ておりますが、現在の規模で言うとまだまだ収益規模が足りないと思いますので、戦略的投資を行い、収益が上がる形をとっていく成長フェーズなのだと思います。
マーケットもまだ大きく、若い方も入ってくるでしょうから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
回答者:今後ともよろしくお願いいたします。
取締役CFO 竹内 聡 様

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CP&X
【2025年12月期3Q】
決算概要
営業概況としては、APクラウドサービスにおける積極的な営業活動により契約社数・システム登録台数(以下、APクラウド登録台数)は大幅に増加し、それに伴い駐車場利用者から収受する決済手数料・初回保証料・月額保証料等が増加しました。この結果、当第3四 半期会計期間の売上高は2,023,024千円(前年同期比15.4%増)、営業利益は223,677千円(前年同期比69.1%増)、経常利益は237,902千円(前年同期比110.9%増)、四半期純利益は155,611千円(前年同期比110.9%増)となりました。

セグメント別または事業別の増減要因
月極イノベーション事業セグメントにおいては、不動産業界最大団体ハトマークグループのハトマーク支援機構との業務提携を背景にした営業活動強化に加え、駐車場業界大手のエコロシティにAPクラウドサービスを提供する等の拡充を実施しました。この結果、当第3四半期累計期間における本セグメントの売上高は1,279,515千円(前年同期比23.1%増)、セグメント利益は385,482千円(前年同期比40.1%増)となりました。
主要KPIの進捗と変化
APクラウド登録台数は44.5万台(前年同期比23%増)となりました。これが、今後の売上成長に繋がる数値となります。収益に直接繋がる滞納保証台数は、8.4万台(前年同期比38%増)、決済代行台数は17.0万台(前年同期比19%増)となりました。

季節性・一過性要因の有無と影響
当四半期における経常利益に関しては2Qと比べると減少しておりますが、前年同期比は16.7%増と順調に推移しております。当四半期においては先行投資として広告宣伝費やシステム関連費を計上しています。また、ビルディングイノベーション事業においては、品川・五反田店をオープンしており、それに伴い先行して発生した広告宣伝費等が増加した影響も受けています。
季節性の影響としては駐車場の新規契約に繋がるイベントである就業、転勤等が4月に偏って発生することから、月極イノベーション事業の売上は2Qに伸長する傾向があり、ビルディングイノベーション事業においても、同様であり新卒入社後の研修など貸会議室の需要が膨らむ4、5月が含まれる2Qは売上が伸長する傾向があります。

通期見通しと進捗率・達成可能性
2025年12月期通期の業績予想につきましては、売上高は堅調に推移しており、主要事業であるAPクラウドサービスの進捗率も継続して高い状況です。利益面では業務プロセスの見直しやシステム化の推進等により生産性が向上し、当初計画していた増員を一部行わなかったことから利益率が向上し、営業利益が当初計画から22.3%増と大幅な増益となる見込みとなりました。また、それに伴って経常利益及び当期純利益につきましても、期初計画から増益となる見通しとなりました。
今後の取り組みとして、APクラウドサービスの導入促進と、さらなる収益性の向上を目指して社内活動の効率化を図ることで、引き続き業績の向上に努めてまいります。
トピックス
駐車場事業の売上高が6割を超えてきており、APクラウドサービスを主事業として拡大に注力していく方針ですが、ビルディングイノベーション事業についても将来事業拡大に繋がる案件があれば積極的に投資する意向です。

IR担当

企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
決算概要
2025年12月期第2四半期決算は、売上高13億3,800万円(前年同期比15.0%増)、営業利益1億7,100万円(同96.5%増)、経常利益1億8,700万円(同169.7%増)、中間純利益1億2,200万円(同169.7%増)と好調な増収増益決算であった。利益が大幅に上振れた主な要因は、上半期に予定していた採用やマーケティングへの投資が下半期にずれ込んだことによる。


主要KPIの進捗と変化
主要KPIは全体的に問題のない水準で推移しており、比較的順調な状況である。営業成果を示すAPクラウド登録台数は増加傾向。一方、決済代行台数は、引継ぎ作業が管理会社およびご利用者の手続きの進捗に依存する部分があり、四半期単位の進捗にはばらつきが見られる。滞納保証台数は、駐車場の契約平均期間が4年から5年程度であるため、それに合わせて自然増が見込まれる。

季節性・一過性要因の有無と影響
例年同様、事業に季節性が見られる。月極駐車場の事業は就業・転勤による引っ越しや車の買い替えが多い時期であること、貸会議室の事業は採用面接や研修が集中する時期であることから、第2四半期は売上・利益ともに高くなる傾向がある。第3四半期は夏休みがあるため、やや落ち込みが見られる。

通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想に対し、半期時点の売上進捗率は48.8%であり、過去のトレンドから見て問題のない水準。利益に関しては、通期予想にほぼ近いところまで進捗しており、達成は確実な見通し。しかし、さらなる利益の上振れを目指すのではなく、中長期的な成長を見据えた積極的な投資を行う方針のため、利益の上振れ幅は多少抑えめになる可能性がある。

トピックス
上半期の売上は計画に対し順調で、利益は通期予想に近い水準に達している。下半期は上半期からずれ込んだ投資と、利益が上振れした分も積極的に投資していく方針である。この数年間ほぼ横ばいであった貸会議室に新しい案件が出てきており、ビルディングイノベーション事業も売上高はプラスに転じる見込みも、投資先行型事業のため同事業における初年度の損益に対してはマイナスインパクト、翌期以降の回収となる。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:今後の成長に向け、下半期は上半期からずれ込んだ投資と、上半期で上振れした利益を活用し、積極的な投資を計画しています。主に、採用やマーケティング分野での投資を強化します。採用活動においては、インサイドセールスやオンボーディングなど「アットバーキングクラウド」サービスに関わる部署で、第二新卒のような人材でも短期の育成で活躍できる体制を構築しております。エンジニアに関しては、よりハイスペックな人材の採用が必要と考えています。また、この数年間横ばいだったビルディングイノベーション事業においては新たな案件が出てきており、売上高はプラスに転じると見込んでいます。貸会議室サービスは設備・備品などの初期投資が大きく、新拠点単体では初年度の損益はマイナスとなりますが、翌期以降には黒字化する見込みです。
Q:通期業績の見通しについてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想に対し、半期時点の売上進捗率は48.8%で、過去の傾向から見ても問題ない水準です。利益に関しては、通期予想に対してほぼ達成に近い状況であり、達成は確実と見ています。ただし、短期的な利益増加を目指すのではなく、中長期的な成長を見据えて積極的な投資を行う方針のため、当期における利益の上振れ幅は抑えめになる見込みです。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:案件次第ではありますが、M&Aや業務提携を全く行わない方針ではありません。現時点でお伝えできる具体的な案件はありませんが、今後、決定次第、適時開示を予定しています。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主還元については、慎重に検討を進めています。企業価値向上のため、現時点では、将来の成長への投資を優先する考えです。
―
取締役CFO 竹内聡様
管理部財務グループ長 深澤郁様
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企業名
上場市場 証券コード
決算日
取材アーカイブ
ビジネスモデルと事業内容
ハッチ・ワーク社は2000年6月に設立され、月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」の運営と月極駐車場オンライン管理支援サービス「アットパーキングクラウド(以下、APクラウド)」を提供する月極イノベーション事業(駐車場事業)を主軸として、貸会議室、レンタルオフィスなどを提供するビルディングイノベーション事業(貸会議室事業)も展開している。月極イノベーション事業では、月極駐車場管理業務のDXを推進し、オンラインでの契約・解約手続きやポータルサイトでの検索・契約を可能にしている。主なサービスとして「APクラウド」を提供し、管理会社の業務効率改善と集客力向上を支援している。

収益構造は、管理会社からの手数料および駐車場利用者からの決済手数料と賃料の滞納保証料を基盤としている。

創業の経緯と転機となった出来事
同社は2000年6月に設立され、当初は不動産関連事業を行っていたが、2010年に月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」を立ち上げた。当時の市場には月極駐車場を探すためのポータルサイトがほとんど存在しなかったため、月極駐車場の看板を写真撮影し、その情報を基に管理会社へ連絡を取り掲載の承諾を得て、ポータルサイトに掲載する形で事業を開始した。その後、2013年にサブリース事業、2016年に駐車場賃料保証サービスを開始し、現在の「APクラウド」の原型に至る。この事業開始の背景には、代表者自身が駐車場を借りる際の不便さを感じた経験がある。
直近の決算状況
2024年12月期において、月極イノベーション事業はおおむね予算通りに推移したが、ビルディングイノベーション事業は上半期の採用関連の貸会議室利用が計画値に対しショートしたことが影響し、予算に対して若干の未達となった。全体の売上高、営業損益については、おおむね予算通りに着地した。経常損益は補助金の確定遅れ、税引前当期純利益、当期純利益はそれぞれ貸会議室の減損損失の計上、繰延税金資産の変動が影響要因となり、それぞれ業績予想に対してマイナスとなった。売上高は23億6,700万円、利益は1億5,500万円を計上。

2025年の業績予想としては、売上高27億4,000万円、経常利益1億9,700万円、当期純利益2億300万円を見込んでいる。
特徴と強み同社の特徴は、ポータルサイトとクラウドシステムが連携している点にあり、月極駐車場の空き埋まり情報をリアルタイムで管理できることが強みである。リアルタイム情報表示機能により、利用希望者の利便性を高めている。ポータルサイト「アットパーキング」は集客力が高く、リスティング広告などに依存しない集客が可能となっている。


成長戦略
同社の成長戦略は、ビルディングイノベーション事業で安定的な収益を確保しつつ、月極イノベーション事業の成長を加速させることである。「APクラウド」の登録台数を拡大し、蓄積されたデータを活用したデータビジネスを展開する。具体的なサービスとして、EV充電設備付の月極駐車場「アットパーキングEV」、月極駐車場のシェアリングサービス「アットパーキングウィークリー」、駐車場利用者向けサービス「アットパーキングカーサポート」などの展開を始めている。

「ファーストワンマイルステーション構想」では、生活に隣接するエリア「ファーストワンマイル」にある月極駐車場を再定義することで、月極駐車場の空きスペースを有効活用し、マイクロモビリティのステーションやキッチンカーの出店場所など、多角的な用途のステーションとしての活用を視野に入れている。各分野の事業者との連携を通じて、プラットフォームとしての役割を担うことを目指している。

株主還元策
同社では、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しているが、現時点では利益還元は実施していない。同社の月極イノベーション事業が成長過程にあるため、当面は、成長エンジンである「APクラウド」への成長投資が優先される。成長投資により経営基盤を強化し、企業価値を増大することで将来の利益還元に備える方針である。
今期の取り組みとトピックス
今期の取り組みとしては、市場の開拓を目指し、全国各地の不動産管理会社、特に中小規模の企業へのサービス導入を積極的に進める。ハトマーク支援機構との提携を通じて、これらの企業へのアプローチを積極展開する。

社会課題への対応として、ITを活用し、自治体の課題解決に貢献する。神戸市との協定締結により、災害発生時には同社の「APクラウド」に登録された駐車場を災害対応車両の拠点として活用する取り組みを行う。

新領域の創造として、「APクラウド」で取得したデータを活用するビジネスである「アットパーキングウィークリー」を提供し、月極駐車場の空き区画の短期利用ニーズに対応する。

Q:貴社の創業の経緯や、月極イノベーション事業を始められたきっかけなどについてお聞かせいただけますでしょうか。
A:弊社は、2000年6月に設立されました。創業当初は、売上高もほとんどない状況でしたが、現在の役員である大竹と増田が中心となり、2005年頃から事業化を進めてまいりました。当初は、貸会議室事業など、不動産関連の事業を展開しており、2010年に月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」を立ち上げました。
当時は、月極駐車場を探すためのポータルサイトがほとんど存在せず、利用希望者は実際に現地を訪れて探すしかありませんでした。そこで、弊社は、月極駐車場の看板を写真に撮り、その情報をもとに管理会社様に連絡を取り、掲載の承諾を得てポータルサイトに掲載させていただくという形で事業をスタートしました。
その後、管理システムを開発し、管理会社様への営業活動も行いましたが、駐車場管理業務は収益性が低いという課題がありました。そのため、管理会社様から規模に応じてSaas的にシステム利用料をいただくというビジネスモデルは難しいと考え、別の収益モデルを検討することになりました。
その後、2013年にサブリース事業を開始しました。これは、貸主の立場を自身で経験することで、駐車場管理における課題をより深く理解するためでした。そして、2016年に駐車場賃料の滞納保証サービスを開始しました。これが、現在の「APクラウド」の原型となるものです。2018年には、サービス名を「APクラウド」に変更し、本格的にサービスインいたしました。
もともとは、代表の増田が、自身で駐車場を借りようとした際に不便を感じたことがきっかけです。

Q:事業内容やビジネスモデル、特徴や強みについてお聞かせください。
A:弊社の概要についてご説明いたします。弊社は2000年6月に設立され、現在に至るまで、主に二つの事業を展開してまいりました。2020年には、ビルディングイノベーション事業、すなわち貸会議室事業が、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に売上を落としました。その後コロナ禍からの回復をしたものの、空室率の低下による家賃相場の高騰のため新規出店を抑制しており、2022年以降、ビルディングイノベーション事業はほぼ横ばいで推移しております。一方、月極イノベーション事業(駐車場事業)が成長を続け、2023年には売上高20億5,600万円を達成し、2024年に東京証券取引所グロース市場に上場いたしました。現在の主な事業は、月極イノベーション事業(駐車場事業)とビルディングイノベーション事業(貸会議室事業)です。

成長の牽引役は、月極イノベーション事業です。これは、月極駐車場管理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するものです。従来、月極駐車場は、オフラインでの紙による契約や押印が必要であり、空き状況に関する情報も集約されておらず、利用希望者が実際に現地を訪れて探す必要がありました。しかし、弊社のサービスを導入いただくことで、契約や解約の手続きをオンラインで完結でき、ポータルサイトを通じて検索から契約まで行うことが可能になります。
市場規模についてですが、国内の自動車保有台数は約6,197万台と言われておりますが、月極駐車場の正確な数を示す公的なデータは存在しないため、弊社では約3,000万台規模の市場と推算しております。

参考までに、コインパーキングの市場規模を示すデータとして、協会が公表している数値では164万車室となっており、月極駐車場の市場規模はその18倍に相当する、非常に大きな市場であることがわかります。
弊社のサービスは、駐車場オーナーや管理会社と、駐車場利用者との間を取り持つ役割を果たします。現在、最も成長しているサービスが「APクラウド」です。これは、管理会社様が行っている月極駐車場の管理業務をシステムによってオンライン化し、業務効率の改善や集客力の向上を実現するものです。
管理会社様は、地主様や資産家様から住宅や土地などを預かり、管理業務を行っていますが、駐車場も管理物件に含まれるケースが多くあります。しかし、駐車場管理の手数料は、住宅などに比べて低額であるにもかかわらず、契約や解約の手続き、滞納時の督促など、業務にかかる手間は住宅と同程度であるため、収益性が低いという課題がありました。
弊社のサービスを導入いただくことで、従来の管理業務のうち、大部分をシステムで対応できるようになり、管理会社様の業務効率を大幅に改善することが可能になります。
Q:具体的に、どの程度の業務削減効果があるのかお聞かせください。
A:概ね95%の業務を削減できます。残りの5%は、管理会社様から地主様への送金処理や、現地での対応が必要な業務、例えば雑草の除去などです。これらの業務は、従来通り管理会社様に行っていただいております。
従来の管理業務では、対面での手続きや郵送、電話対応、手書きの募集看板の掲示など、多くの手間がかかっていました。弊社のクラウドサービスを導入いただくことで、これらの業務をオンラインで一括して行うことが可能になります。
また、利用者様にとっても、引っ越しや車の買い替えなどで駐車場を探す際に、近隣の駐車場を個別に問い合わせる必要があり、空き状況の確認に時間がかかるという課題がありました。弊社のサービスを導入している駐車場であれば、ポータルサイト「アットパーキング」でリアルタイムの空き情報を確認し、オンラインで契約手続きを行うことができます。
従来は、募集を看板のみで行っていた駐車場も、ポータルサイト「アットパーキング」に掲載することで稼働率の向上が期待できます。
導入企業としては、全国のJRグループ各社様や私鉄各社様、コインパーキング運営会社様など、多くの企業にご利用いただいております。
その他、不動産系のフランチャイズ会社様、JA様にも導入いただいております。JA様は、組合員様の駐車場管理に弊社のシステムをご活用いただいております。
マネタイズの方法についてご説明します。
「APクラウド」のサービス自体は、管理会社様を対象としており、月額1万5,000円または無料で提供しております。これにより、導入のハードルを下げ、サービスの普及を促進しております。収益の大部分は、駐車場利用者様からの決済手数料と滞納保証料です。決済手数料は、決済件数に応じて毎月発生いたします。滞納保証料は、住宅の賃貸契約においては連帯保証人の代わりに保証会社と契約するというのが標準的になっておりますが、その駐車場版ともいえるもので、駐車場利用者様から保証料をいただいております。
APソリューションサービスでは、駐車場利用者と駐車場管理会社の利用契約を仲介するマッチングサービスや、月極駐車場オーナーや管理会社から一括して駐車場を借り上げ、自社運営駐車場として弊社が主体となって駐車場利用者を集客、利用契約を締結しサブリース(転貸)するサービスなどを展開しております。

Q:貴社の強みについてお聞かせください。
A:弊社の強みは、ポータルサイトとクラウドシステムが連携していることで、月極駐車場の空き埋まりの情報をリアルタイムで管理できる点です。クラウド化により、これまで実現できなかったリアルタイムでの満空情報管理が可能になりました。
ポータルサイト「アットパーキング」では、利用希望者が指定する条件で検索を行うと、検索結果に表示される駐車場のうち、弊社のシステムが導入されている駐車場については、リアルタイムの空き埋まりの状況が表示されます。空いている駐車場であれば、そのまま詳細情報を確認し、契約手続きに進むことができます。満車の場合は、「アキマチ」予約の登録を行うことができ、空きが出た際に連絡を受け取れる仕組みも導入しております。また、仲介サービスも行っておりまして、弊社システムを未導入の駐車場であっても、ポータルサイトからお問い合わせいただき、仲介サービスを提供することも可能です。
従来のポータルサイトでは、お問い合わせいただいても、空き状況の確認に時間がかかり、結果的に利用希望者が再度駐車場を探し直す必要が生じるなど、手間が発生することがありました。弊社のリアルタイム情報表示機能により、このような手間を省くことが可能になります。
ポータルサイト「アットパーキング」は、集客力が非常に高く、多様なニーズに対応できるため、リスティング広告などに頼らずに集客を行うことができます。

Q:今後の成長戦略についてお聞かせください。
A:今後の成長戦略としては、ビルディングイノベーション事業(貸会議室事業)で安定的な収益を確保しつつ、月極イノベーション事業(駐車場事業)をさらに成長させていくことを目指しております。具体的な目標としては、「APクラウド」の登録台数を、国内の月極駐車場推計3,000万台に対して、現在の37.4万台からさらに拡大していくこと、そして、蓄積されたデータを活用したデータビジネスを展開していくことが挙げられます。弊社では、駐車場の所在地やスペック、利用者の車種や運転免許証情報など、様々なデータを蓄積しており、これらのデータを活用することで、新たなビジネスチャンスを創出できると考えております。

例えば、EV充電設備付の月極駐車場「アットパーキングEV」、月極駐車場のシェアリングサービス「アットパーキングウィークリー」、駐車場利用者向けサービス「アットパーキングカーサポート」などの展開を始めております。「アットパーキングEV」は、電気自動車(EV)の充電ポール設置に関するサービスで、弊社が保有するデータのうち、EVの分布が高い地域の情報などを活用して、充電需要の高い場所に設置を検討します。「アットパーキングウィークリー」は、月極駐車場の空きスペースを短期貸しするサービスで、リアルタイムの空き情報を活用して、近隣の月極駐車場の空き期間に短期貸しを行うものです。
「アットパーキングカーサポート」は、利用者様向けのサービスで、出張洗車や車のコーティングなど、モビリティ関連のサービス事業者との連携をしております。これらのサービスはすでにリリースしており、順調に拡大しております。
将来的な展望としては、「ファーストワンマイルステーション構想」というものがあります。月極駐車場には平均して2割程度の空きスペースがあるという現状を踏まえ、生活に隣接するエリア「ファーストワンマイル」にある月極駐車場を再定義することで、これらの空きスペースを有効活用していくことを考えております。例えば、マイクロモビリティのステーションやキッチンカーの出店場所、カーシェアリングの拠点など、多様な用途での活用を想定しております。
弊社がこれらの事業をすべて行うのではなく、各分野の事業者様と連携し、弊社がプラットフォームとして場所を提供する役割を担うことを目指しております。

Q:ビルディングイノベーション事業が安定的な収益基盤となり、月極イノベーション事業が成長事業として展開しているという理解でよろしいでしょうか。
A:はい。ビルディングイノベーション事業は、貸会議室の新規出店によって成長を目指すモデルですが、現在はオフィス賃料が高止まりしており、空室率も低い状況が続いているため、無理に出店を増やすと収益性の低い出店となってしまう可能性があります。そのため、現在は新規出店を積極的に行わない方針です。
Q:直近の決算についてお聞かせください。
A:2024年12月期につきましては、月極イノベーション事業は「APクラウド」を中心に、ほぼ予算通りの着地となりました。一方、ビルディングイノベーション事業は、上半期の売上予算未達が影響し、通期でも若干未達となりました。
全体の売上高、営業損益については、ほぼ予算通りに着地いたしました。経常損益については、補助金の確定が遅れた影響で1,800万円のずれが生じました。税引前当期純利益については、貸会議室で減損損失が発生したこと、当期純利益については、繰延税金資産の変動が影響し、それぞれ計画との間にずれが生じました。
しかしながら、売上高23億円に対し、経常利益1億5,500万円を計上しており、全体としては良好な結果であったと認識しております。

各種KPIについても順調に伸長しております。対前年比、予算対比については、決算説明資料に記載の通りです。営業利益は予算比94.2%、経常利益は予算比81.3%、当期純利益は繰延税金資産の影響により予算比49.7%となりました。
四半期ごとの業績推移ですが、月極イノベーション事業、ビルディングイノベーション事業ともに、四半期ごとに季節性による変動が ございます。直近の第4四半期の前年同期比を見ていただきますと、売上高は12.6%増加、経常利益は29.4%増加と、順調に推移していることがお分かりいただけるかと存じます。

3ヶ年の売上高と経常損益の推移です。2022年は大幅な赤字を計上しておりましたが、2023年に黒字化を達成し、2024年にはさらに利益を拡大いたしました。2024年3月にはIPOも果たし、財務的にも安定水準に達し、成長への基盤が整ったと認識しております。
売上高の内訳としましては、月極イノベーション事業が14億円、ビルディングイノベーション事業が9.5億円となっており、月極イノベーション事業は対前年比で26%成長しておりますが、ビルディングイノベーション事業はほぼ横ばいで推移しております。月極イノベーション事業については、今後も同様のペースで成長していくと予想しております。

弊社の月極イノベーション事業におけるKPIは、APクラウド登録台数、決済代行台数、滞納保証台数の3つです。こちらの説明は少々複雑になりますが、まず、管理会社様に対して営業活動を行い、管理されている駐車場の情報をお預かりしており、これがAPクラウド登録台数であり、ポータルサイトに掲載されます。この段階では、まだ弊社に売上は計上されません。

次に、決済代行台数ですが、弊社のサービスを導入いただいた管理会社様において、既存の利用者様の駐車場料金の支払い先を弊社に変更していただきます。この手続きには時間を要するため、APクラウド登録台数と決済代行台数の間に差が生じます。この変更手続きが完了すると、決済代行手数料が弊社の売上として計上されることになります。
さらに、滞納保証台数ですが、管理会社様との契約時に既存の利用者様から滞納保証料のを収受を開始すると値上げとなってしまうため、APクラウド登録時点では既存の利用者様からは滞納保証料をいただいておりません。滞納保証台数として計上されるのは、新規で駐車場を契約される方と、既存の利用者様が解約された区画に新たに契約された方のみとなります。この滞納保証台数が、弊社の収益に繋がる指標となります。
従って、APクラウド登録台数に対して、決済代行台数、滞納保証台数は徐々に近づいていくことになりますが、並行して新規の営業活動も実施していることからこの差分は今後も継続し、営業獲得から売上計上まで、一定の時間を要するものの確実に積みあがっていくモデルとなっております。
その他、「ファーストワンマイルステーション構想」の空き区画の活用に関する取り組みも、成長戦略でお話ししましたとおり順調に進んでおります。

次に、ビルディングイノベーション事業についてですが、こちらはほぼ横ばいで推移しております。貸会議室事業は、例年、第2四半期に繁忙期を迎えます。これは、4月から6月にかけて研修などの利用が増加するためです。
2025年の業績予想ですが、売上高27億4,000万円、経常利益1億9,700万円、当期純利益2億300万円を見込んでおります。全体としては、ビルディングイノベーション事業が横ばいで推移するため、成長の大部分は月極イノベーション事業が牽引する見込みです。
利益の伸びがやや抑制されているように見えるかもしれませんが、これは、今後の事業展開に向けた取り組みを強化するための投資を行うためです。
Q:今後注力していく取り組みについてお聞かせください。
A:今後の取り組みとしては、主に3つの柱があります。1つ目は、最大市場の開拓です。これまで、弊社のサービスは、全国のJRグループ各社様や私鉄各社様、コインパーキング事業者様など、比較的規模の大きな企業様にご利用いただいておりましたが、今後は、全国各地の不動産管理会社様、特に中小規模の企業様へも導入を積極的に進めてまいります。これらの企業様は、地域の住宅管理などを行っており、月極駐車場の管理も手がけているケースが多くあります。
これらの企業様は、地域の情報に精通している一方で、ITツールの導入には抵抗があるという傾向が見られます。そこで、全国の宅建事業者様の約8割、10万会員が加盟する「ハトマーク支援機構」様と提携し、同機構様からの一社単独推奨という形で、弊社のサービスをご紹介いただくことで、これらの企業様へのアプローチを円滑に進めていきたいと考えております。

2つ目は、社会課題への対応です。ITを活用し、自治体様が抱える課題の解決に貢献してまいります。例えば神戸市様では、災害発生時に弊社のサービスを導入している駐車場を、災害対応車両の拠点として活用する協定を締結いたしました。

この協定により、災害発生時には、弊社のシステムを通じて、近隣の駐車場の空き情報をリアルタイムで確認し、災害対応に必要な車両を迅速に配置することが可能になります。今後は、神戸市様を皮切りに、政令指定都市を中心に、同様の取り組みを拡大していくことを目指しております。
Q:災害用の資材などを保管しておくわけではなく、災害発生時に活用するイメージでしょうか。
A:はい。災害発生時に、参画いただいている管理会社様の駐車場スペースを、災害対応のためにご提供いただくイメージです。弊社のシステムでリアルタイムの空き情報を把握しているからこそ実現できる取り組みです。
Q:3つ目の取り組みについてお聞かせください。
A:3つ目は、新領域の創造です。これまでご説明してきたデータビジネスの展開として、「アットパーキングウィークリー」というサービスを提供しております。これは、月極駐車場の空き区画を、短期間だけ利用したいというニーズに応えるサービスです。
例えば、観光地では、コインパーキングが満車でも、月極駐車場に空きがあるというケースが見られます。また、住宅街では、工事事業者様などが、一時的に工事車両を駐車する場所を確保したいというニーズがあります。

工事車両の駐車場所の確保は、特にニーズが高いと伺っております。「アットパーキングウィークリー」は、これらのニーズに対応するため、月極駐車場の空き区画を予約して利用できるサービスです。ニッチな市場ではありますが、ニーズは高いと考えております。「APクラウド」を導入いただいている管理会社様は、これらのサービスも利用可能になります。これらの取り組みにより、APクラウド登録台数は順調に増加しており、今後も成長を継続していく見込みです。まずは、現在の登録台数約37万台を、国内の月極駐車場市場推定3,000万台に対して、いかにスピード感を持って拡大していくかが重要となります。先ほどお話しした「ハトマーク支援機構」様との提携や、自治体様との連携などを通じて、事業拡大を加速させていきたいと考えております。
Q:営業利益についてお伺いしますが、これまでの業績推移を見ると、利益が大きく変動しているように見受けられます。これは、投資フェーズが終了し、今後は本格的な収益化フェーズに入っていくという認識でよろしいでしょうか。
A:機関投資家の皆様からは、2025年の業績予想について、やや保守的な印象を受けるというご意見もいただいております。弊社としましては、市場の大きさや成長性を考慮し、内部留保の範囲で事業拡大に向けた投資を積極的に行っていく方針です。
Q:2024年に上場を果たされましたが、上場を決断された理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
A:「APクラウド」では、利用者の皆様から毎月の駐車場料金を一時的に弊社がお預かりし、その後弊社から各管理会社様に振り分け、管理会社様が地主様にお支払いするという仕組みをとっています。そのため、多数の利用者様から多額の資金をお預かりすることになります。
管理会社様、例えばJRグループのような企業様から、賃料の回収業務をすべて委託いただくということは、非常に大きな信頼が必要となります。弊社では、以前から信託保全の仕組みを導入し、お預かりした駐車場料金を分別管理するなど、資金管理には万全を期しておりましたが、上場企業であるという信用力は、さらに大きな意味を持つと考えました。
上場企業としての信用力を高めることが、事業拡大において重要であると考え、できるだけ早期に上場する必要があると判断いたしました。
Q:上場後、機関投資家の皆様とのミーティングは、どのくらいの頻度で開催されているのでしょうか。
A:四半期ごとに開催しております。
Q:今後の戦略として、現在のポータルサイトに加えて、アプリの開発などは検討されているのでしょうか。
A:現時点では、いますぐにアプリの開発を具体的に検討している段階ではございません。月極駐車場を契約するタイミングは、車の購入時や引っ越し時など、限られた機会であるため、一度契約すると、次に利用する機会が訪れるまで時間が空くことが想定されます。そのため、アプリを定期的に利用していただく動機付けが難しいと考えており、周辺サービスの開発に注力するとともに、現在はウェブサイトでのサービス提供としております。
Q:先ほどご説明いただいた、ウィークリーでの利用や1日単位での利用など、短期利用のニーズが高まった場合には、アプリの必要性も出てくるかもしれませんね。
A:はい、おっしゃる通りです。その場合は、アプリの開発も視野に入れて検討する必要があると考えております。
Q:今後の株主還元策について、何かお考えの戦略はございますか。
A:はい。株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しておりますが、現時点では利益還元は実施しておりません。月極イノベーション事業が成長過程にあるため、当面は、成長エンジンである「APクラウド」への成長投資を優先してまいります。成長投資により経営基盤を強化し、企業価値を増大することで将来の利益還元に備える方針です。
―
取締役CFO 竹内聡様
管理部財務グループ長 深澤郁様

(株)ハッチ・ワーク
東証GRT 148A
決算:12月末日
CP&X
【取材日】2026年5月20日
【2026年12月期1Q】
決算概要
2026年12月期1Qの売上高は744百万円(前年同期比15.6%増)、営業利益13百万円(同82.4%減)、四半期純利益9百万円(同84.3%減)となりました。
主力事業の成長により売上高は計画通り進捗しました。
一方、2030年に向けた成長投資(本社拡張移転、LLMO対策、貸会議室の新規出店等)を1Qから計画通り実行したことにより、営業利益・四半期純利益は前年同期比で減少しましたが、通期業績予想に対する進捗は概ね予想通りです。
(注) LLMO:Large Language Model Optimizationの略称。大規模言語モデル(生成AI)が回答や検索結果を生成する際に、当社のサービスや月極駐車場の情報が適切かつ優先的に参照・提示されるようにするための最適化施策。
セグメント別または事業別の増減要因
「月極イノベーション事業」はAPクラウドサービスが計画通り進捗し、2026年12月期1Qの売上高は520百万円(前年同期比28.0%増)、セグメント利益は154百万円(同15.2%増)となりました。ハトマークグループとの提携等を通じた効率的な営業活動により、継続的な導入拡大と収益基盤の強化に繋がっております。
「ビルディングイノベーション事業」は新モデル貸会議室の出店に伴う先行投資により、売上高は223百万円(同4.4%減)、セグメント利益は27百万円(同43.1%減)となりましたが、再成長に向けた投資フェーズとして、通期業績予想に対する進捗は計画通りです。
なお、既存拠点は概ね前年並みに推移しており、新モデル貸会議室のオープンにより短期的には出店関連費用が先行するものの、来期以降の売上・利益成長への貢献を見込んでおります。
主要KPIの進捗と変化
主力である「月極イノベーション事業」APクラウドサービスの主要KPI「APクラウド登録台数」は48.7万台(前年同期比23.7%増)、「決済代行台数」は18.4万台(同18.3%増)、「滞納保証台数」は9.2万台(同34.5%増)と着実に増加し、ARRは1,765百万円(同31.5%増)と継続収益基盤が着実に成長しております。
この「APクラウド登録台数」を起点に、付加価値サービスの利用を拡大させることで「決済代行手数料」や「滞納保証料」といった登録区画ごとの収益を段階的に積み上げていくビジネスモデルとなっております。
(注)ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRRを12倍して算出。
MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。対象月の月末時点における継続課金ユーザー企業及び月極駐車場利用者に係る月額料金の合計額(一時収益を含む)
季節性・一過性要因の有無と影響
「月極イノベーション事業」では3月から4月にかけての引越シーズン、「ビルディングイノベーション事業」では採用活動や研修といった用途において、ともに季節性があります。2026年においては、「ビルディングイノベーション事業」の1Q売上高において、一部季節性案件が四半期を跨いだことで、売上計上のズレ(2Qへの移行)による一過性の影響が見られましたが、既存拠点は概ね前年並みに推移しており、通期業績予想に対する進捗は計画通りです。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年12月期1Q決算説明資料P6に記載の通り、通期業績予想(売上高3,385百万円、営業利益204百万円)に対する進捗は計画通りであり、変更はございません。
足元の1Qにおける営業利益減少の主因は、将来の持続的成長に向けた戦略的投資(本社移転・LLMO投資・新規出店)を実施したことによるものであり、これらは通期業績予想に織り込み済みです。
トピックス
2026年3月にリリースした「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」ならびに、2026年12月期1Q決算説明資料(Appendix記載)では、2030年を見据えた全社戦略や中長期のビジョンをお示ししております。
既存事業の継続拡大と新たな収益の柱の構築を通じ、企業価値向上を目指します。
足元ではこの目標達成に向けた戦略的投資として、「月極イノベーション事業」でのLLMO対策・システム投資、「ビルディングイノベーション事業」での新モデル貸会議室への出店投資、経営基盤構築のための本社拡張移転などを計画通り実行しております。
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取材アーカイブ
CP&X
【2025年12月期(通期)】
決算概要
2025年12月期通期決算は、売上高2,759百万円(前期比16.5%増)、営業利益242百万円(同32.1%増)、経常利益260百万円(同67.9%増)、当期純利益246百万円(同88.6%増)と、大幅な増収・増益での着地。5期連続の増収を記録し、決算発表前に行われた上方修正の数値を上回る水準での達成。当期純利益のみ、繰延税金資産の見込み差異による若干の計画未達。
セグメント別または事業別の増減要因
「月極イノベーション事業」はトップラインが前期比25.2%増、セグメント利益が同39.7%増と極めて順調な推移。「ビルディングイノベーション事業」の売上高は同3.4%増とほぼ横ばいであるものの、2025年10月1日に五反田で貸会議室を新規出店した他、借り上げ賃料の値上げ、人件費高騰の影響による対前年比でのセグメント利益マイナス。
主要KPIの進捗と変化
全社のARRは前年度比39.3%増という大幅な成長。営業進捗の指標となる「APクラウド登録台数」は、前年度比26%増となる2025年12月末時点で473,000台への到達。収益に直結する「滞納保証台数」も自然増により着実に積み上がり、現在86,000台規模への拡大。
季節性・一過性要因の有無と影響
当社の2つの事業において確認される四半期ごとの明確な季節性。月極駐車場および貸会議室の双方が、引っ越しや研修・面接が集中する3月・4月を含む第2四半期に売上が大きく伸長する傾向。駐車場事業は第3四半期に一時的に売上が低下するものの、ストック型の積み上げにより第4四半期には第2四半期を上回る収益構造。
通期見通しと進捗率・達成可能性
2026年12月期の通期予想は、引き続きトップラインの成長を見込む一方での経常利益200百万円という減益計画。2030年の時価総額100億円達成を見据え、本社拡張移転(47百万円)、AI関連投資(112百万円)、会議室新規出店(75百万円)に踏み込んだ意図的な戦略的投資の実施が減益の主因。推進予定のAI化が遅れ、労働集約型モデルから脱却できない場合の売上や利益の成長頭打ちリスク。
トピックス
不動産管理会社の約8割が加盟する「ハトマーク支援機構」との単独提携を通じた、地場の有力な不動産管理会社に対する効果的な営業活動の推進。神戸市および松山市との「災害ステーション」協定を通じ、災害時の無償駐車場提供という社会貢献をフックにした周辺管理会社の新規獲得展開。月極駐車場の空きスペースを活用した短期貸しサービス「APウィークリー」の稼働や、省人化機能を備えた貸会議室の青山一丁目や新橋への新規出店。
【2025年12月期(通期)】
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:当社の成長戦略といたしましては、主に「月極イノベーション事業」と「ビルディングイノベーション事業」の双方における市場開拓と業務効率化を推進しております。月極駐車場事業においては、全国の不動産管理会社の約8割が加盟する「ハトマーク支援機構」との提携を最大の市場開拓施策と位置づけており、地域の有力な不動産会社との関係構築を深め、インサイドセールスとフィールドセールスを連携させた営業展開を行ってまいります。また、「災害ステーション」の取り組みとして神戸市や松山市と提携し、災害時に無償で駐車場を提供する社会貢献活動を通じ、周辺の管理会社や地元企業を巻き込んだ強固な関係性構築と新規獲得を目指しております。さらに、クラウドシステムの導入拡大に伴い、空き駐車場を短期貸しする「APウィークリー」の展開や、蓄積される駐車場の価格情報および利用者の属性情報等をビジネスに活用する展開も見据えております。一方、ビルディングイノベーション事業におきましては、築古のオフィスビルが増加する中での高収益化ソリューションとして新橋、青山一丁目などで貸会議室の新規出店を再開いたします。新規店舗では、受付の無人化や遠隔での鍵の開閉など省人化を図りつつ、立地に応じたイベントスペース的な機能も取り入れた開発を進めております。これらの事業拡大を支える基盤として、審査業務や請求・滞納管理などの事務的アナログ業務をAIにより効率化し、労働集約型モデルからの脱却を図るための戦略的投資を実施いたします。
Q:成長戦略のポイントについて、前提条件等での変化とその影響等をご説明ください。
A:事業環境の前提条件として、まず月極駐車場市場においては、将来的な人口および自動車の減少に伴い駐車場の空きスペースが増加していくことが予想されます。この変化に対し、当社のシステムによりリアルタイムで空き状況を把握できる仕組みを普及させることで、短期貸しなどの多様な業者間連携を促進し、新たな需要の創出に繋げることが可能となります。また、一般的なSaaSモデルに対する市場の評価に変化が見られるものの、当社のサービスはシステム導入先である管理会社からのシステム利用料ではなく、駐車場利用者からの保証料を主な収益源とする独自のマネタイズモデルを構築しております。さらに、管理会社のアナログ業務を当社が全面的に巻き取るBPO(Business Process Outsourcing)の性質を持っているため、将来的にAI技術が進歩したとしても、管理会社が当社との契約を解除して内製化を図る動機付けは発生しにくく、安定した事業基盤を維持できると考えております。一方、オフィスビル市場におきましては、建築費の高騰により建て替えを断念せざるを得ない中小の築古ビルが増加しているという課題があります。当社はこうしたビルにおいて引き続き高収益を生み出すための解決策として貸会議室というソリューションを提供し、新規出店を進めることで需要を取り込んでまいります。
Q:通期予想の戦略と施策についてご説明ください。
A:2026年12月期の通期予想におきましては、売上高は引き続き順調な成長を見込む一方で、利益面については減益を計画しております。これは、グロース市場において2030年に向けて時価総額100億円を目指すという目標を見据え、将来の成長に向けた戦略的投資を早期に実行するためです。具体的には、今後の人員拡大と既存社員の環境整備を目的とした本社拡張移転費用として47百万円を見込んでおります。また、月極イノベーション事業における審査や請求・滞納管理などの事務的アナログ業務を効率化し、労働集約型モデルから脱却するためのAI関連投資やマーケティング・営業力強化施策、システム関連投資等に112百万円を投じます。さらに、ビルディングイノベーション事業におきましては、4月に予定している新橋や青山一丁目などへの新規出店に伴うコストとして75百万円を計上しております。これらストック型売上を早期に積み上げるための採用やマーケティング、システムへの戦略的投資を意図的に実施した結果として、差し引きで200百万円の経常利益予想となっております。
Q:受注・競合状況は如何でしょうか?
A:当社の営業進捗を示す指標につきましては、「APクラウド登録台数」が前年度比26%増と四半期および年度単位の双方で順調に成長しております。また、オンボーディングの進捗を示す「決済代行台数」や、収益に直結する「滞納保証台数」も自然増を含め着実に積み上がっており、現在86,000台に達しております。競合状況に関しましては、上場企業であるA社が月極駐車場の分野でコンペティターとして意識されておりますが、同社が一旦駐車場を借り上げて転貸するサブリース方式を採用しているのに対し、当社は管理業務のクラウド化と自動化によるソリューションを提供している点でビジネスモデルが異なります。また、その他の未上場企業において当社と同様のサービスを後発で展開する動きも見られますが、当社は独自の優位性を確立しております。具体的には、当社が駐車場の管理台帳システム自体を提供しているため、自社サイト上で空き状況をリアルタイムで正確に開示でき、予約が入った瞬間に満車となる仕組みを実現しております。これにより、他社のように空き状況の確認に問い合わせを要しダブルブッキングのリスクを伴うリクエスト予約方式とは異なり、即時かつ確実な短期貸しなどの予約手配が可能となっております。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:業務提携に関しましては、最大の市場開拓施策として、不動産管理会社の約8割が加盟する「ハトマーク支援機構」との単独提携を実現いたしました。これにより、ウェブ広告などではアプローチが困難であった地場の有力な不動産管理会社に対して、地域の会合への参加等を通じた効果的な営業活動が可能となっており、順調な進捗を見せております。また、自治体との連携として、神戸市や松山市と「災害ステーション」に関する提携を行いました。これは災害時に当社のシステムを導入している駐車場の空きスペースを救援車両等へ無償提供する取り組みであり、自治体や地元企業と連携することで地域ごとに強固な関係性を構築し、周辺の管理会社の新規獲得に繋げる営業的要素を含んでおります。一方、M&Aにつきましては、全く検討していないわけではございませんが、現状では具体的な内容は非開示とさせて頂いております。同業の上場企業が存在せず、未上場企業もごく少数であるため、単純な横展開は難しいと考えており、当社が目指す将来像において不足している機能を補完する目的での選定を行っていく方針です。
Q:中期事業計画の内容や進捗状況等をご説明ください。
A:中期経営計画などにつきましては、現状ではまだ公表しておりません。しかしながら、第4四半期の決算説明資料の中で初めて、グロース市場において時価総額100億円を目指すという目標について言及させていただきました。2030年が近づくにつれて打ちづらくなるであろう施策を早期に行うべきという判断から、将来的な成長のための投資を本業績予想に反映させております。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:現状の株主構成につきましては、創業メンバーが合計で過半数の株式を保有していることに加え、未上場時からご出資いただいているベンチャーキャピタルの方々が引き続き株式を保有されているため、市場における浮動株が少ない状況となっております。これは意図的に流動性を低く抑える戦略を採っているわけではございません。今後の対応といたしましては、市場の状況を注視しつつ、一定の株価水準に達した段階で株式分割などの実施を検討していきたいと考えております。
【2025年12月期(通期)】
取材者:貴社のサービスは非常に便利な仕組みだと拝見しております。今回、12月決算の発表前に上方修正を行われました。まずは決算の状況と要因についてご説明をお願いいたします。通期の業績が好調であることについてご説明いただきたいのと、おそらく人員増加やAI関連投資などの影響で通期予想では利益が落ちる部分についてもご説明いただけますか。
回答者:2025年12月期におきましては売上、利益ともに、特段問題のない水準であると考えております。
取材者:5期連続の増収ですね。
回答者:利益についてですが、2021年度、2022年度は新型コロナウイルスの影響があり大きくマイナスとなりましたが、2023年度に黒字化し、2024年度には黒字幅が拡大して上場に至ったという形になっております。ハイライトといたしましては、売上高、利益面、そしてKPIも順調に伸びております。また、将来の成長に向けた投資を2025年12月期においてすでに開始しております。自治体連携につきましては、災害ステーションの取り組みとして、神戸市に続き松山市とも提携いたしました。
取材者:ARRが前年度比で39.3%増えたというのは素晴らしいですね。
回答者:順調に伸びていると考えております。業績につきましては全社および「月極イノベーション事業(駐車場)」、「ビルディングイノベーション事業(会議室)」のセグメント別に開示しております。全社では売上高が16.5%増、営業利益が32.1%増という伸びになっております。
「月極イノベーション事業」につきましては、トップラインが25.2%伸び、セグメント利益も39.7%伸びておりますので、極めて順調かと存じます。「ビルディングイノベーション事業」のトップラインは3.4%増と若干プラスですが、ほぼ横ばいの範囲内と見ております。セグメント利益がマイナスとなっているのは、2025年10月に五反田へ出店したことと、一部で家賃の値上げがあったこと、また昨今の人件費等の高騰の影響により、損益的には対前年比でマイナスになりました。当社の2つの事業はともに季節性があるため、四半期単位で比較していただきたいのですが、売上高としては第4四半期同士で比較しますと19.9%伸びております。損益は逆に減少しておりますが、これは意図的な戦略的投資の結果ですので、計画通りのマイナスとなっております。
取材者:売上で見ると、やはり下半期の方が若干高いのですか。
回答者:特に全社では駐車場事業の売上比率が高いため積み上げ型の売上構成となるのですが、第2四半期は3月、4月の引っ越しシーズンに売上が大きく伸びるため、その反動で第3四半期は売上が少し下がる傾向があります。ただし、積み上げ自体は続いておりますので、第4四半期には第2四半期の売上高を超えてくる傾向にあります。上方修正をした数値ですが、この数値を少し上回る形で、売上高、営業利益、経常利益ともに達成することができました。当期純利益だけは、繰延税金資産の見込みに差異があり、ややショートしました。各セグメントについてご説明いたします。「駐車場」から先に申し上げますと、まず「APクラウド登録台数」は、営業が順調に進んでいるかを確認いただくための指標であり、前年度比26%アップと、四半期単位でも年度単位でも成長しております。「決済代行台数」は、管理会社と契約を締結した後に、利用者様の駐車場代の支払い先を当社へ切り替える作業が完了した台数を意味しており、オンボーディングの進捗状況を表しております。「滞納保証台数」は、主に自然増の部分ですが、新しく駐車場に入られた方や既存の利用者が入れ替わり、当社の保証が適用された方の累計です。現在86,000台となっており、時間はかかりますが、徐々にAPクラウド登録台数に近づいていく構図となっております。
取材者:「APクラウド登録台数」が増えただけでは売上に直結するわけではないけれど、それが「決済代行台数」や「滞納保証台数」に繋がっていくという見方でよいですか。
回答者:その通りです。営業が順調かどうかを見ていただくには、「APクラウド登録台数」の指標をご確認いただければと存じます。
取材者:すごく順調ですね。26%ですからね。
回答者:続いて、貸会議室を中心とした「ビルディングイノベーション事業」につきまして原価の方に大きな費用が入っております。貸会議室を借り上げ、そこに造作を施して貸し出すというモデルになっておりますため、借り上げる賃料の値上げや昨今の人件費高騰もあり、原価が過年度と比較して上昇しております。ここ数年は新規出店をずっと控えておりました。オフィス賃料が平均的に高く推移していることと、空室が非常に少ないことから、新型コロナウイルス感染拡大以降は無理な新規出店をせず、内部の収益性を高めることに集中しておりました。ところが昨年、久々に五反田に出店し、本年4月には新橋と青山一丁目にも出店する予定です。なぜ再び出店に舵を切ったかと申しますと、現在オフィスビルの中で建て替えが困難な状況にある築古のビルがかなり増えてきているという課題があります。例えば、中野サンプラザや五反田のTOCのように、古くなったため建て替えを判断しテナントを退去させたものの、実際の建築費等が高騰しており建て替えができないという事例が中小ビルで多く発生しております。そうした中小の築古ビルにおいて、引き続き高収益を生み出さなければならない状況下で、解決方法として例えば貸会議室というソリューションを提供できるようになってきております。ピンポイントではありますが、新規出店が少しずつ始まっている状況です。
売上高で言いますと、前期第4四半期が208百万円で、今期第4四半期が217百万円です。大体四半期でこのような推移となっております。会議室の利用ですので、3月や4月は研修や面接などでの利用が増えるため、この第2四半期が概ね高くなるという形です。
取材者:会議室が利用されていない時も、貴社が借り上げているから支払いは発生するわけですね。回転率を上げて貸していかないといけないのですね。
回答者:固定費として発生いたします。そのため、この固定費がある分、新型コロナウイルスの時期は大変でした。大きな赤字となったのはその時期でした。
続いて、2026年12月期の業績予想ですが、トップラインは順調に成長する計画をしております。一方、損益は減益を予想しており、その理由として「月極イノベーション事業」「ビルディングイノベーション事業」「全社」の各項目で開示しております。当社でも例に漏れずAI導入への戦略的投資があります。また、採用やマーケティングの面もあり、ストック型の売上ですので早めに積み上げておきたいという意図から、若干踏み込んで進めていく部分があります。「ビルディングイノベーション事業」につきましては、新規出店がメインとなっており、4月にも出店が決まっていますので、そのコストを見込んでおります。「全社」に関しましては、本年2月に本社を移転しており、今後さらに人材を獲得していかなければならないという採用強化の側面と、既存人員の環境を整備したいという目的があり、本社を拡張移転してさらに拡大を図っていく方針です。イメージとしましては、2025年の営業利益242百万円から、2026年度の営業利益予想204百万円へ、どのように増減するかを分けて開示しております。2026年の利益増加額として通常であれば174百万円程度増える見込みに対し、本社拡張移転で47百万円、駐車場部門のAI関連投資等で112百万円、会議室の出店投資等で75百万円の費用がかかり、差し引きで204百万円という業績予想となっております。
取材者:AI関連への投資などの影響が112百万円程度ということですね。
回答者:今回、開示資料の中で初めて「100億円」という言葉に触れました。やはりグロース市場において、時価総額100億円という目標に向けて投資をしていく場合、2030年が近づけば近づくほどこうした施策は打ちづらくなるだろうと考えております。打ち手は早い方が良いと考え、2026年度はこのような業績予想とさせていただきました。
2025年に実施した施策の進捗と、2026年度の継続施策につきまして、1点目は最大の市場開拓として「ハトマーク支援機構」との提携です。これは営業面ですが、宅建業界にはハトマーク支援機構というものがあり、不動産管理会社の約8割が加盟する団体があります。ここと単独提携することができましたので、同団体にしっかりとメリットを享受頂き関係性を強化することで、順調に進捗しております。かなり効果的な活動ができていると考えており、2026年度についても継続的に営業を展開してまいります。
取材者:このハトマークとの提携は、ものすごくインパクトが大きいような気がいたします。
回答者:不動産会社はハトマークかウサギマークのどちらかに必ず加盟しているのですが、そのうちの8割が加盟する団体との提携は非常に有意義です。今まで当社は大手企業様から導入が進んできたのですが、月極駐車場管理を行っている企業の多くは、地場の不動産管理会社様でして、そこをいかに開拓するかが重要な営業戦略となります。ウェブ広告などがなかなか届きにくい相手ですので、例えばハトマーク支援機構の各地域の会合等に参加させていただく権利を得られたことで、地域の有力な会社様と関係性を構築し、地域ごとに深く入り込んでいくことが徐々にできてきたところです。非常に効果的に進んでいると考えております。「災害ステーション」についてですが、一見CSR的な社会貢献活動という側面が強く見えるものの、営業的な要素も大いに含まれております。例えば神戸市や松山市においては、周辺企業の加盟を促進するために、このプロジェクトに地元の鉄道会社などを巻き込んで取り組みを進めることで、地域ごとに強固な関係性を構築していく取り組みの一環となっております。
取材者:災害ステーションとは何ですか。
回答者:神戸市や松山市の例で申し上げますと、災害が発生した際に、当社のサービスを導入している駐車場の空きスペースを、管理会社や自治体の負担ではなく、当社の負担で災害救援車両等に無償で提供しましょうという取り組みです。南海トラフ地震などが予測される中で、太平洋側の地域は非常に関心が高く、当社のサービスが入っていれば駐車場の空き状況をリアルタイムで管理できるため、災害発生後すぐに空いている駐車場を提供できるという点にメリットを感じていただいております。
取材者:これが直接提携したからといって、収益に繋がるというわけではないのですね。
回答者:例えば自治体から費用をいただくことはなく、むしろ当社側が駐車場を無償で提供する立場になります。そこでの収益はありませんが、周辺の管理会社様が一緒に参加してくれることで関係性が強化され、さらに周辺の会社様を新規で獲得していこうという取り組みになります。
「APウィークリー」についてですが、これは月極駐車場管理のシステムを導入していただいた会社様向けに始まっている短期貸しの仕組みです。通常は月極駐車場ですが、空いている時に1日単位や1週間、1ヶ月単位で貸し出そうというものです。このサービスに興味を持っていただき、導入するためにクラウドの仕組みを入れる必要があることから、結果としてクラウドの拡大にも繋がっております。
これは先ほどの説明の通り、ARRも順調に成長しているということです。年によって伸び率は変わりますが、2025年度に関しても非常に順調でした。
会議室も2025年12月期の業績では家賃の値上げや人件費の上昇で損益的には前年比で少しマイナスになりましたが、新しく出店する新橋、青山一丁目に関しては、省人化等の商品化を進めた会議室を開発していく予定です。例えば受付の無人化や、鍵の開け閉めを遠隔で対応するなど、人手をかけずに運営できる仕組みを準備しております。特に青山一丁目は、ただ四角い部屋に机と椅子を並べるだけでなく、場所柄も考慮してイベントスペース的な作りも取り入れながら開発を進めており、4月にオープンする予定です。
会議室事業が少しずつ伸びていくのに対し、駐車場事業にはドライブをかけていきます。どちらも伸ばしていきますが、市場には国内車両保有台数、約6,205万台の車があり、月極駐車場市場想定約3,000万台となっております。当社の2025年12月末時点の登録台数は473,000台ですので、まだまだ開拓の余地は大きいです。面を取れればデータが入ってきますので、駐車場の価格情報や利用者の車両・属性情報などをビジネスに生かしていく方針です。将来的には人口も車も減少し、月極の空きスペースが増えてくる中で、当社の仕組みが入っていればリアルタイムで空き状況がわかるため、様々な業者様にも使っていただく連携を進めていきたいと考えております。その一つ目が自社サービスで始めている短期貸しです。
取材者:貴社のKPIは、やはり登録台数になるのですか。
回答者:おっしゃる通りです。
取材者:順調に伸びているわけですが、増やすための努力としてどのような取り組みをされているのですか。
回答者:当社が能動的に増やせるところとしては、「APクラウド登録台数」と「決済代行台数」です。「APクラウド登録台数」は新規の営業活動になりますので、一番大きな取り組みがハトマーク支援機構との提携です。この提携をうまく生かしながら、インサイドセールスから始まり、アポイントが取れたところで大きな案件はフィールドセールスにバトンタッチをするという手法で、営業活動の推進をしております。「決済代行台数」は、管理会社との契約後に、駐車場の利用者様からの支払い先を当社へ切り替える作業になります。元々アナログで管理されていたものをデジタルに切り替えながら収納代行も切り替えていくため、意外と時間がかかるものです。ただ、これを切り替えることによってリプレースされにくくなるという利点があります。収益に直結するまでには時間を要しますが、地道に積み上げていく形をとっております。
取材者:「SaaSモデル」について、世間では様々な見方が出てきており、そういった企業の評価が落ちてきている現状があります。貴社の場合「SaaSモデルではない」のか、あるいは「SaaSモデルではあるがこういった部分は他社には真似できない」のか、貴社の立場として将来性への不安を打ち消すようなご説明をお願いできますか。
回答者:一般的にSaaSモデルの企業ですと、システムを導入する営業先からのID課金によるマネタイズが中心になっているかと思います。しかし当社の場合はマネタイズのポイントが異なっており、導入を決定する管理会社からいただく収益は月額15,000円または無料という、かなり低い水準となっております。この収益は当社にとって非常にインパクトが小さいものです。一方で、ほとんどの収益は利用者様側からいただく形になっており、一番大きいのは保証料です。この点が通常のSaaS企業との最大のマネタイズの違いとして挙げられます。さらに、当社のサービスは管理会社に導入いただいた後、従来アナログで行っていた紙やハンコの業務、電話でのやり取りなどをすべて当社が巻き取り、オンライン化してしまいます。BPO(Business Process Outsourcing)という形で既存業務を請け負っております。もしAIが導入されて効率化が進むとしても、それは当社が巻き取った作業の中での効率化となります。管理会社の立場で言えば、費用の負担もない上に、自分たちでAIを導入してシステムを置き換えるメリットがほとんどありません。したがって、SaaS企業が懸念されているような影響は、当社のサービスに関しては及ばないと考えております。
取材者:貴社の仕事は、先方との折衝事などアナログ的な対応も結構多いような気がいたします。
回答者:すべてがアウトソースされているため、管理会社がやることはほとんどなくなります。費用もほとんどかからないため、AIが進歩したからといって、管理会社側が当社をキャンセルして内製化しようということには今のところなりません。
取材者:上場企業のA社などは、貴社のお客様になるのですか。
回答者:A社とは、営業先である管理会社や地主という点では共通しております。ただ、ソリューションの方法として、当社が「管理業務をクラウド化して自動化しましょう」とアプローチするのに対し、A社は一旦借り上げてそれを転貸する「サブリース」の仕組みを提供しておりますので、提供するソリューションが異なります。ただ非常に似たイメージを持たれるため、当社も上場時からコンペティターとして意識はしておりますし、どちらもストック型の事業となります。A社は上場後も大変高い成長を続けている素晴らしい会社ですので、当社も後に続けるよう事業を推進してまいります。
取材者:他の未上場企業との違いはどのように考えればよろしいですか。
回答者:A社よりは先ほどお話した数社存在する未上場の会社の方が事業としては類似となります。サービス的にはほぼ同じような内容ですが、違いを挙げるとすれば、当社は駐車場の空き・満車のリアルタイム管理をサイト上で開示している点です。当社のサービスが入っている駐車場は、空いていれば「空き」、埋まっていれば「満車」と表示されます。ホテルの予約サイトのように、当社は管理台帳側まで握っているため、契約が締結されればその瞬間に埋まるという仕組みになっています。一方で仲介を行うのみの駐車場では、サイトには載っていても実際に空いているかどうかはその時点ではわからず、一旦問い合わせをして空き埋まりの確認をして初めて結果がわかるという違いがあります。
取材者:他社の場合は、ダブルブッキングになってしまう可能性があるということですか。
回答者:ダブルブッキングになるということではなく、その時点では契約締結にはならず、「問い合わせ」をして空き埋まりの確認をした後に契約手続へ進むという仕組みにされています。
取材者:貴社の場合は、ホテルで言うところのダブルブッキングは絶対にあり得ないわけですね。
回答者:あり得ないですね。台帳を掴んでおりますので。だからこそ、短期貸しもできるのです。
取材者:貴社のオペレーションコストの劇的な削減や、AI投資開発による将来像が少し見えにくいと感じております。今後どのようにAI化が進んでいくのか、もう少し教えていただけますか。
回答者:この点については、まさにこれから取り組みを進める段階です。これまでは事業をどんどん拡大してきまして、それを人員で何とかこなしてきた状況でした。ただ、それを継続していっても売上は伸びるが利益は伸びないという話になってしまいますので、どこかで踏み込んだ形で、当社が請け負っているアナログ業務の特定の分野をAIで効率化する取り組みを進めなければならないと考えていました。具体的に想定しているのは、借りたい方の審査業務や、請求・滞納の管理業務など、事務的な作業が多数ありますので、そういったところをいかに効率化できるかにかかっていると考えております。
取材者:効率化していくと、売上も上がり利益も上がるということですか。
回答者:はい、その方向に向けた取り組みを推進してまいります。
取材者:今回の戦略的投資についてですが、時価総額100億円をグロース市場で目指すとなると、現状の3倍程度になりますが、このシナリオやロードマップのようなものはございますか。
回答者:現状ではまだ何も出しておりません。中期経営計画なども出しておらず、100億円という言葉に触れたのも今回が初めてです。
取材者:単なるSaaSの企業というだけでなく、貴社がリアルの資産であるプラットフォームになるという見せ方が必要になってくるのではないかと思っております。オーガニックな成長でどこまで行けるかはわかりませんが、まずはその部分をしっかり示すことで、現在のPERももう少し高くなって良いのだろうと考えております。売上利益が成長していく中で、M&Aなども検討されているのですか。資金調達のお話にもなるかと思いますが。
回答者:検討していないわけでは全くありませんが、現状では具体的な内容は非開示とさせて頂いております。同業で上場している会社がなく、未上場でも数社しかありませんので、横展開を広げることは少し難しいと考えており、当社が目指す先の中でどのパーツが足りないのかを選定していくことになるかと思います。
取材者:やはり未開拓の巨大市場である3千万台の部分をどう取っていくかということなのですね。
回答者:それをいかに早くするか、ということになります。
取材者:そのスピード感が2030年に向けて求められていると思いますので、頑張っていただきたいですね。現在の473,000台から100万台、200万台、500万台と見えてくると、すごいことだと思います。そのためにはAIも必要でしょうし、ハトマークやウサギマークとの開拓も重要になりますね。
回答者:両方と組むことは難しいと考えています。当社自身も宅建業の免許を持っているため、どちらかにしか加盟できず、加盟数の多い団体と組んだという経緯があります。
取材者:リスクについてお伺いしたいのですが、貴社にとってのリスクとは何ですか。
回答者:今期掲げているAIの推進がきちんと実行できないと、労働集約型モデルから脱却できず、売上の伸びがあっても、利益面も同程度の伸びに抑えられてしまうことだと考えております。
取材者:ハトマークをどんどん開拓していくとおっしゃっていましたが、人手だけではできない部分も出てくるかと思います。いかに契約台数を増やすかという部分に尽きる気がしますので、今回の投資によって、先ほどおっしゃった審査や請求、管理業務などが効率化され、売上と利益がどれくらい増えるのかという予想指標が見えてくると良いですね。
まだ上場して2年ですが、株主数の少なさについて、これは戦略的に行われているのですか。
回答者:そのようなことはありません。元々創業メンバーが合計で株式の過半数を持っていることと、未上場の時に投資いただいたベンチャーキャピタルの方々がまだ残っていらっしゃるため、手放す時期が来ないと浮動株は少ない状況です。
取材者:株主は直近で何名くらいいらっしゃいますか。去年の12月は530名程度だったところ。
回答者:800名を超えたあたりかと思います。
取材者:発行済株式数も大体1,000,000株ちょっとですか。
回答者:1,900,000株くらいです。
取材者:1,900,000株くらいだと少し少ないのかなという印象です。適正な株価がつくためには、本当は5,000,000株くらい欲しいところです。株主数が増えていけば適正な株価がついてくるかと思います。現状では流動性が低く、何かあると大きく上がったり下がったりしかねないため、数年かけて調整していく必要があるのだろうと思います。
回答者:株式数に関しては、一定の株価水準になった時には株式分割なども検討したいと考えております。
取材者:新年度は増収減益という戦略的投資を行われますが、これまでの業績、特に前期の業績は本当に素晴らしいと思います。上方修正も出されましたが、今回は良い形での上方修正でしたので、悪い見方はされていないと思います。この1年しっかりと数値を出しつつ、コンサバティブに出していて上方修正するのかなと期待しながら見ておりますが、現在の規模で言うとまだまだ収益規模が足りないと思いますので、戦略的投資を行い、収益が上がる形をとっていく成長フェーズなのだと思います。
マーケットもまだ大きく、若い方も入ってくるでしょうから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
回答者:今後ともよろしくお願いいたします。
取締役CFO 竹内 聡 様
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CP&X
【2025年12月期3Q】
決算概要
営業概況としては、APクラウドサービスにおける積極的な営業活動により契約社数・システム登録台数(以下、APクラウド登録台数)は大幅に増加し、それに伴い駐車場利用者から収受する決済手数料・初回保証料・月額保証料等が増加しました。この結果、当第3四半期会計期間の売上高は2,023,024千円(前年同期比15.4%増)、営業利益は223,677千円(前年同期比69.1%増)、経常利益は237,902千円(前年同期比110.9%増)、四半期純利益は155,611千円(前年同期比110.9%増)となりました。

セグメント別または事業別の増減要因
月極イノベーション事業セグメントにおいては、不動産業界最大団体ハトマークグループのハトマーク支援機構との業務提携を背景にした営業活動強化に加え、駐車場業界大手のエコロシティにAPクラウドサービスを提供する等の拡充を実施しました。この結果、当第3四半期累計期間における本セグメントの売上高は1,279,515千円(前年同期比23.1%増)、セグメント利益は385,482千円(前年同期比40.1%増)となりました。
主要KPIの進捗と変化
APクラウド登録台数は44.5万台(前年同期比23%増)となりました。これが、今後の売上成長に繋がる数値となります。収益に直接繋がる滞納保証台数は、8.4万台(前年同期比38%増)、決済代行台数は17.0万台(前年同期比19%増)となりました。

季節性・一過性要因の有無と影響
当四半期における経常利益に関しては2Qと比べると減少しておりますが、前年同期比は16.7%増と順調に推移しております。当四半期においては先行投資として広告宣伝費やシステム関連費を計上しています。また、ビルディングイノベーション事業においては、品川・五反田店をオープンしており、それに伴い先行して発生した広告宣伝費等が増加した影響も受けています。
季節性の影響としては駐車場の新規契約に繋がるイベントである就業、転勤等が4月に偏って発生することから、月極イノベーション事業の売上は2Qに伸長する傾向があり、ビルディングイノベーション事業においても、同様であり新卒入社後の研修など貸会議室の需要が膨らむ4、5月が含まれる2Qは売上が伸長する傾向があります。

通期見通しと進捗率・達成可能性
2025年12月期通期の業績予想につきましては、売上高は堅調に推移しており、主要事業であるAPクラウドサービスの進捗率も継続して高い状況です。利益面では業務プロセスの見直しやシステム化の推進等により生産性が向上し、当初計画していた増員を一部行わなかったことから利益率が向上し、営業利益が当初計画から22.3%増と大幅な増益となる見込みとなりました。また、それに伴って経常利益及び当期純利益につきましても、期初計画から増益となる見通しとなりました。
今後の取り組みとして、APクラウドサービスの導入促進と、さらなる収益性の向上を目指して社内活動の効率化を図ることで、引き続き業績の向上に努めてまいります。
トピックス
駐車場事業の売上高が6割を超えてきており、APクラウドサービスを主事業として拡大に注力していく方針ですが、ビルディングイノベーション事業についても将来事業拡大に繋がる案件があれば積極的に投資する意向です。

IR担当
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決算概要
2025年12月期第2四半期決算は、売上高13億3,800万円(前年同期比15.0%増)、営業利益1億7,100万円(同96.5%増)、経常利益1億8,700万円(同169.7%増)、中間純利益1億2,200万円(同169.7%増)と好調な増収増益決算であった。利益が大幅に上振れた主な要因は、上半期に予定していた採用やマーケティングへの投資が下半期にずれ込んだことによる。


主要KPIの進捗と変化
主要KPIは全体的に問題のない水準で推移しており、比較的順調な状況である。営業成果を示すAPクラウド登録台数は増加傾向。一方、決済代行台数は、引継ぎ作業が管理会社およびご利用者の手続きの進捗に依存する部分があり、四半期単位の進捗にはばらつきが見られる。滞納保証台数は、駐車場の契約平均期間が4年から5年程度であるため、それに合わせて自然増が見込まれる。

季節性・一過性要因の有無と影響
例年同様、事業に季節性が見られる。月極駐車場の事業は就業・転勤による引っ越しや車の買い替えが多い時期であること、貸会議室の事業は採用面接や研修が集中する時期であることから、第2四半期は売上・利益ともに高くなる傾向がある。第3四半期は夏休みがあるため、やや落ち込みが見られる。

通期見通しと進捗率・達成可能性
通期業績予想に対し、半期時点の売上進捗率は48.8%であり、過去のトレンドから見て問題のない水準。利益に関しては、通期予想にほぼ近いところまで進捗しており、達成は確実な見通し。しかし、さらなる利益の上振れを目指すのではなく、中長期的な成長を見据えた積極的な投資を行う方針のため、利益の上振れ幅は多少抑えめになる可能性がある。

トピックス
上半期の売上は計画に対し順調で、利益は通期予想に近い水準に達している。下半期は上半期からずれ込んだ投資と、利益が上振れした分も積極的に投資していく方針である。この数年間ほぼ横ばいであった貸会議室に新しい案件が出てきており、ビルディングイノベーション事業も売上高はプラスに転じる見込みも、投資先行型事業のため同事業における初年度の 損益に対してはマイナスインパクト、翌期以降の回収となる。
Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?
A:今後の成長に向け、下半期は上半期からずれ込んだ投資と、上半期で上振れした利益を活用し、積極的な投資を計画しています。主に、採用やマーケティング分野での投資を強化します。採用活動においては、インサイドセールスやオンボーディングなど「アットバーキングクラウド」サービスに関わる部署で、第二新卒のような人材でも短期の育成で活躍できる体制を構築しております。エンジニアに関しては、よりハイスペックな人材の採用が必要と考えています。また、この数年間横ばいだったビルディングイノベーション事業においては新たな案件が出てきており、売上高はプラスに転じると見込んでいます。貸会議室サービスは設備・備品などの初期投資が大きく、新拠点単体では初年度の損益はマイナスとなりますが、翌期以降には黒字化する見込みです。
Q:通期業績の見通しについてご説明ください。
A:2025年12月期の通期業績予想に対し、半期時点の売上進捗率は48.8%で、過去の傾向から見ても問題ない水準です。利益に関しては、通期予想に対してほぼ達成に近い状況であり、達成は確実と見ています。ただし、短期的な利益増加を目指すのではなく、中長期的な成長を見据えて積極的な投資を行う方針のため、当期における利益の上振れ幅は抑えめになる見込みです。
Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。
A:案件次第ではありますが、M&Aや業務提携を全く行わない方針ではありません。現時点でお伝えできる具体的な案件はありませんが、今後、決定次第、適時開示を予定しています。
Q:株主還元の方針をご説明ください。
A:株主還元については、慎重に検討を進めています。企業価値向上のため、現時点では、将来の成長への投資を優先する考えです。
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取締役CFO 竹内聡様
管理部財務グループ長 深澤郁様
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ビジネスモデルと事業内容
ハッチ・ワーク社は2000年6月に設立され、月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」の運営と月極駐車場オンライン管理支援サービス「アットパーキングクラウド (以下、APクラウド)」を提供する月極イノベーション事業(駐車場事業)を主軸として、貸会議室、レンタルオフィスなどを提供するビルディングイノベーション事業(貸会議室事業)も展開している。月極イノベーション事業では、月極駐車場管理業務のDXを推進し、オンラインでの契約・解約手続きやポータルサイトでの検索・契約を可能にしている。主なサービスとして「APクラウド」を提供し、管理会社の業務効率改善と集客力向上を支援している。

収益構造は、管理会社からの手数料および駐車場利用者からの決済手数料と賃料の滞納保証料を基盤としている。

創業の経緯と転機となった出来事
同社は2000年6月に設立され、当初は不動産関連事業を行っていたが、2010年に月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」を立ち上げた。当時の市場には月極駐車場を探すためのポータルサイトがほとんど存在しなかったため、月極駐車場の看板を写真撮影し、その情報を基に管理会社へ連絡を取り掲載の承諾を得て、ポータルサイトに掲載する形で事業を開始した。その後、2013年にサブリース事業、2016年に駐車場賃料保証サービスを開始し、現在の「APクラウド」の原型に至る。この事業開始の背景には、代表者自身が駐車場を借りる際の不便さを感じた経験がある。
直近の決算状況
2024年12月期において、月極イノベーション事業はおおむね予算通りに推移したが、ビルディングイノベーション事業は上半期の採用関連の貸会議室利用が計画値に対しショートしたことが影響し、予算に対して若干の未達となった。全体の売上高、営業損益については、おおむね予算通りに着地した。経常損益は補助金の確定遅れ、税引前当期純利益、当期純利益はそれぞれ貸会議室の減損損失の計上、繰延税金資産の変動が影響要因となり、それぞれ業績予想に対してマイナスとなった。売上高は23億6,700万円、利益は1億5,500万円を計上。

2025年の業績予想としては、売上高27億4,000万円、経常利益1億9,700万円、当期純利益2億300万円を見込んでいる。
特徴と強み同社の特徴は、ポータルサイトとクラウドシステムが連携している点にあり、月極駐車場の空き埋まり情報をリアルタイムで管理できることが強みである。リアルタイム情報表示機能により、利用希望者の利便性を高めている。ポータルサイト「アットパーキング」は集客力が高く、リスティング広告などに依存しない集客が可能となっている。


成長戦略
同社の成長戦略は、ビルディングイノベーション事業で安定的な収益を確保しつつ、月極イノベーション事業の成長を加速させることである。「APクラウド」の登録台数を拡大し、蓄積されたデータを活用したデータビジネスを展開する。具体的なサービスとして、EV充電設備付の月極駐車場「アットパーキングEV」、月極駐車場のシェアリングサービス「アットパーキングウィークリー」、駐車場利用者向けサービス「アットパーキングカーサポート」などの展開を始めている。

「ファーストワンマイルステーション構想」では、生活に隣接するエリア「ファーストワンマイル」にある月極駐車場を再定義することで、月極駐車場の空きスペースを有効活用し、マイクロモビリティのステーションやキッチンカーの出店場所など、多角的な用途のステーションとしての活用を視野に入れている。各分野の事業者との連携を通じて、プラットフォームとしての役割を担うことを目指している。

株主還元策
同社では、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しているが、現時点では利益還元は実施していない。同社の月極イノベーション事業が成長過程にあるため、当面は、成長エンジンである「APクラウド」への成長投資が優先される。成長投資により経営基盤を強化し、企業価値を増大することで将来の利益還元に備える方針である。
今期の取り組みとトピックス
今期の取り組みとしては、市場の開拓を目指し、全国各地の不動産管理会社、特に中小規模の企業へのサービス導入を積極的に進める。ハトマーク支援機構との提携を通じて、これらの企業へのアプローチを積極展開する。

社会課題への対応として、ITを活用し、自治体の課題解決に貢献する。神戸市との協定締結により、災害発生時には同社の「APクラウド」に登録された駐車場を災害対応車両の拠点として活用する取り組みを行う。

新領域の創造として、「APクラウド」で取得したデータを活用するビジネスである「アットパーキングウィークリー」を提供し、月極駐車場の空き区画の短期利用ニーズに対応する。

Q:貴社の創業の経緯や、月極イノベーション事業を始められたきっかけなどについてお聞かせいただけますでしょうか。
A:弊社は、2000年6月に設立されました。創業当初は、売上高もほとんどない状況でしたが、現在の役員である大竹と増田が中心となり、2005年頃から事業化を進めてまいりました。当初は、貸会議室事業など、不動産関連の事業を展開しており、2010年に月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」を立ち上げました。
当時は、月極駐車場を探すためのポータルサイトがほとんど存在せず、利用希望者は実際に現地を訪れて探すしかありませんでした。そこで、弊社は、月極駐車場の看板を写真に撮り、その情報をもとに管理会社様に連絡を取り、掲載の承諾を得てポータルサイトに掲載させていただくという形で事業をスタートしました。
その後、管理システムを開発し、管理会社様への営業活動も行いましたが、駐車場管理業務は収益性が低いという課題がありました。そのため、管理会社様から規模に応じてSaas的にシステム利用料をいただくというビジネスモデルは難しいと考え、別の収益モデルを検討することになりました。
その後、2013年にサブリース事業を開始しました。これは、貸主の立場を自身で経験することで、駐車場管理における課題をより深く理解するためでした。そして、2016年に駐車場賃料の滞納保証サービスを開始しました。これが、現在の「APクラウド」の原型となるものです。2018年には、サービス名を「APクラウド」に変更し、本格的にサービスインいたしました。
もともとは、代表の増田が、自身で駐車場を借りようとした際に不便を感じたことがきっかけです。

Q:事業内容やビジネスモデル、特徴や強みについてお聞かせください。
A:弊社の概要についてご説明いたします。弊社は2000年6月に設立され、現在に至るまで、主に二つの事業を展開してまいりました。2020年には、ビルディングイノベーション事業、すなわち貸会議室事業が、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に売上を落としました。その後コロナ禍からの回復をしたものの、空室率の低下による家賃相場の高騰のため新規出店を抑制しており、2022年以降、ビルディングイノベーション事業はほぼ横ばいで推移しております。一方、月極イノベーション事業(駐車場事業)が成長を続け、2023年には売上高20億5,600万円を達成し、2024年に東京証券取引所グロース市場に上場いたしました。現在の主な事業は、月極イノベーション事業(駐車場事業)とビルディングイノベーション事業(貸会議室事業)です。

成長の牽引役は、月極イノベーション事業です。これは、月極駐車場管理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するものです。従来、月極駐車場は、オフラインでの紙による契約や押印が必要であり、空き状況に関する情報も集約されておらず、利用希望者が実際に現地を訪れて探す必要がありました。しかし、弊社のサービスを導入いただくことで、契約や解約の手続きをオンラインで完結でき、ポータルサイトを通じて検索から契約まで行うことが可能になります。
市場規模についてですが、国内の自動車保有台数は約6,197万台と言われておりますが、月極駐車場の正確な数を示す公的なデータは存在しないため、弊社では約3,000万台規模の市場と推算しております。

参考までに、コインパーキングの市場規模を示すデータとして、協会が公表している数値では164万車室となっており、月極駐車場の市場規模はその18倍に相当する、非常に大きな市場であることがわかります。
弊社のサービスは、駐車場オーナーや管理会社と、駐車場利用者との間を取り持つ役割を果たします。現在、最も成長しているサービスが「APクラウド」です。これは、管理会社様が行っている月極駐車場の管理業務をシステムによってオンライン化し、業務効率の改善や集客力の向上を実現するものです。
管理会社様は、地主様や資産家様から住宅や土地などを預かり、管理業務を行っていますが、駐車場も管理物件に含まれるケースが多くあります。しかし、駐車場管理の手数料は、住宅などに比べて低額であるにもかかわらず、契約や解約の手続き、滞納時の督促など、業務にかかる手間は住宅と同程度であるため、収益性が低いという課題がありました。
弊社のサービスを導入いただくことで、従来の管理業務のうち、大部分をシステムで対応できるようになり、管理会社様の業務効率を大幅に改善することが可能になります。
Q:具体的に、どの程度の業務削減効果があるのかお聞かせください。
A:概ね95%の業務を削減できます。残りの5%は、管理会社様から地主様への送金処理や、現地での対応が必要な業務、例えば雑草の除去などです。これらの業務は、従来通り管理会社様に行っていただいております。
従来の管理業務では、対面での手続きや郵送、電話対応、手書きの募集看板の掲示など、多くの手間がかかっていました。弊社のクラウドサービスを導入いただくことで、これらの業務をオンラインで一括して行うことが可能になります。
また、利用者様にとっても、引っ越しや車の買い替えなどで駐車場を探す際に、近隣の駐車場を個別に問い合わせる必要があり、空き状況の確認に時間がかかるという課題がありました。弊社のサービスを導入している駐車場であれば、ポータルサイト「アットパーキング」でリアルタイムの空き情報を確認し、オンラインで契約手続きを行うことができます。
従来は、募集を看板のみで行っていた駐車場も、ポータルサイト「アットパーキング」に掲載することで稼働率の向上が期待できます。
導入企業としては、全国のJRグループ各社様や私鉄各社様、コインパーキング運営会社様など、多くの企業にご利用いただいております。
その他、不動産系のフランチャイズ会社様、JA様にも導入いただいております。JA様は、組合員様の駐車場管理に弊社のシステムをご活用いただいております。
マネタイズの方法についてご説明します。
「APクラウド」のサービス自体は、管理会社様を対象としており、月額1万5,000円または無料で提供しております。これにより、導入のハードルを下げ、サービスの普及を促進しております。収益の大部分は、駐車場利用者様からの決済手数料と滞納保証料です。決済手数料は、決済件数に応じて毎月発生いたします。滞納保証料は、住宅の賃貸契約においては連帯保証人の代わりに保証会社と契約するというのが標準的になっておりますが、その駐車場版ともいえるもので、駐車場利用者様から保証料をいただいております。
APソリューションサービスでは、駐車場利用者と駐車場管理会社の利用契約を仲介するマッチングサービスや、月極駐車場オーナーや管理会社から一括して駐車場を借り上げ、自社運営駐車場として弊社が主体となって駐車場利用者を集客、利用契約を締結しサブリース(転貸)するサービスなどを展開しております。

Q:貴社の強みについてお聞かせください。
A:弊社の強みは、ポータルサイトとクラウドシステムが連携していることで、月極駐車場の空き埋まりの情報をリアルタイムで管理できる点です。クラウド化により、これまで実現できなかったリアルタイムでの満空情報管理が可能になりました。
ポータルサイト「アットパーキング」では、利用希望者が指定する条件で検索を行うと、検索結果に表示される駐車場のうち、弊社のシステムが導入されている駐車場については、リアルタイムの空き埋まりの状況が表示されます。空いている駐車場であれば、そのまま詳細情報を確認し、契約手続きに進むことができます。満車の場合は、「アキマチ」予約の登録を行うことができ、空きが出た際に連絡を受け取れる仕組みも導入しております。また、仲介サービスも行っておりまして、弊社システムを未導入の駐車場であっても、ポータルサイトからお問い合わせいただき、仲介サービスを提供することも可能です。
従来のポータルサイトでは、お問い合わせいただいても、空き状況の確認に時間がかかり、結果的に利用希望者が再度駐車場を探し直す必要が生じるなど、手間が発生することがありました。弊社のリアルタイム情報表示機能により、このような手間を省くことが可能になります。
ポータルサイト「アットパーキング」は、集客力が非常に高く、多様なニーズに対応できるため、リスティング広告などに頼らずに集客を行うことができます。

Q:今後の成長戦略についてお聞かせください。
A:今後の成長戦略としては、ビルディングイノベーション事業(貸会議室事業)で安定的な収益を確保しつつ、月極イノベーション事業(駐車場事業)をさらに成長させていくことを目指しております。具体的な目標としては、「APクラウド」の登録台数を、国内の月極駐車場推計3,000万台に対して、現在の37.4万台からさらに拡大していくこと、そして、蓄積されたデータを活用したデータビジネスを展開していくことが挙げられます。弊社では、駐車場の所在地やスペック、利用者の車種や運転免許証情報など、様々なデータを蓄積しており、これらのデータを活用することで、新たなビジネスチャンスを創出できると考えております。

例えば、EV充電設備付の月極駐車場「アットパーキングEV」、月極駐車場のシェアリングサービス「アットパーキングウィークリー」、駐車場利用者向けサービス「アットパーキングカーサポート」などの展開を始めております。「アットパーキングEV」は、電気自動車(EV)の充電ポール設置に関するサービスで、弊社が保有するデータのうち、EVの分布が高い地域の情報などを活用して、充電需要の高い場所に設置を検討します。「アットパーキングウィークリー」は、月極駐車場の空きスペースを短期貸しするサービスで、リアルタイムの空き情報を活用して、近隣の月極駐車場の空き期間に短期貸しを行うものです。
「アットパーキングカーサポート」は、利用者様向けのサービスで、出張洗車や車のコーティングなど、モビリティ関連のサービス事業者との連携をしております。これらのサービスはすでにリリースしており、順調に拡大しております。
将来的な展望としては、「ファーストワンマイルステーション構想」というものがあります。月極駐車場には平均して2割程度の空きスペースがあるという現状を踏まえ、生活に隣接するエリア「ファーストワンマイル」にある月極駐車場を再定義することで、これらの空きスペースを有効活用していくことを考えております。例えば、マイクロモビリティのステーションやキッチンカーの出店場所、カーシェアリングの拠点など、多様な用途での活用を想定しております。
弊社がこれらの事業をすべて行うのではなく、各分野の事業者様と連携し、弊社がプラットフォームとして場所を提供する役割を担うことを目指しております。

Q:ビルディングイノベーション事業が安定的な収益基盤となり、月極イノベーション事業が成長事業として展開しているという理解でよろしいでしょうか。
A:はい。ビルディングイノベーション事業は、貸会議室の新規出店によって成長を目指すモデルですが、現在はオフィス賃料が高止まりしており、空室率も低い状況が続いているため、無理に出店を増やすと収益性の低い出店となってしまう可能性があります。そのため、現在は新規出店を積極的に行わない方針です。
Q:直近の決算についてお聞かせください。
A:2024年12月期につきましては、月極イノベーション事業は「APクラウド」を中心に、ほぼ予算通りの着地となりました。一方、ビルディングイノベーション事業は、上半期の売上予算未達が影響し、通期でも若干未達となりました。
全体の売上高、営業損益については、ほぼ予算通りに着地いたしました。経常損益については、補助金の確定が遅れた影響で1,800万円のずれが生じました。税引前当期純利益については、貸会議室で減損損失が発生したこと、当期純利益については、繰延税金資産の変動が影響し、それぞれ計画との間にずれが生じました。
しかしながら、売上高23億円に対し、経常利益1億5,500万円を計上しており、全体としては良好な結果であったと認識しております。

各種KPIについても順調に伸長しております。対前年比、予算対比については、決算説明資料に記載の通りです。営業利益は予算比94.2%、経常利益は予算比81.3%、当期純利益は繰延税金資産の影響により予算比49.7%となりました。
四半期ごとの業績推移ですが、月極イノベーション事業、ビルディングイノベーション事業ともに、四半期ごとに季節性による変動がございます。直近の第4四半期の前年同期比を見ていただきますと、売上高は12.6%増加、経常利益は29.4%増加と、順調に推移していることがお分かりいただけるかと存じます。

3ヶ年の売上高と経常損益の推移です。2022年は大幅な赤字 を計上しておりましたが、2023年に黒字化を達成し、2024年にはさらに利益を拡大いたしました。2024年3月にはIPOも果たし、財務的にも安定水準に達し、成長への基盤が整ったと認識しております。
売上高の内訳としましては、月極イノベーション事業が14億円、ビルディングイノベーション事業が9.5億円となっており、月極イノベーション事業は対前年比で26%成長しておりますが、ビルディングイノベーション事業はほぼ横ばいで推移しております。月極イノベーション事業については、今後も同様のペースで成長していくと予想しております。

弊社の月極イノベーション事業におけるKPIは、APクラウド登録台数、決済代行台数、滞納保証台数の3つです。こちらの説明は少々複雑になりますが、まず、管理会社様に対して営業活動を行い、管理されている駐車場の情報をお預かりしており、これがAPクラウド登録台数であり、ポータルサイトに掲載されます。この段階では、まだ弊社に売上は計上されません。

次に、決済代行台数ですが、弊社のサービスを導入いただいた管理会社様において、既存の利用者様の駐車場料金の支払い先を弊社に変更していただきます。この手続きには時間を要するため、APクラウド登録台数と決済代行台数の間に差が生じます。この変更手続きが完了すると、決済代行手数料が弊社の売上として計上されることになります。
さらに、滞納保証台数ですが、管理会社様との契約時に既存の利用者様から滞納保証料のを収受を開始すると値上げとなってしまうため、APクラウド登録時点では既存の利用者様からは滞納保証料をいただいておりません。滞納保証台数として計上されるのは、新規で駐車場を契約される方と、既存の利用者様が解約された区画に新たに契約された方のみとなります。この滞納保証台数が、弊社の収益に繋がる指標となります。
従って、APクラウド登録台数に対して、決済代行台数、滞納保証台数は徐々に近づいていくことになりますが、並行して新規の営業活動も実施していることからこの差分は今後も継続し、営業獲得から売上計上まで、一定の時間を要するものの確実に積みあがっていくモデルとなっております。
その他、「ファーストワンマイルステーション構想」の空き区画の活用に関する取り組みも、成長戦略でお話ししましたとおり順調に進んでおります。

次に、ビルディングイノベーション事業についてですが、こちらはほぼ横ばいで推移しております。貸会議室事業は、例年、第2四半期に繁忙期を迎えます。これは、4月から6月にかけて研修などの利用が増加するためです。
2025年の業績予想ですが、売上高27億4,000万円、経常利益1億9,700万円、当期純利益2億300万円を見込んでおります。全体としては、ビルディングイノベーション事業が横ばいで推移するため、成長の大部分は月極イノベーション事業が牽引する見込みです。
利益の伸びがやや抑制されているように見えるかもしれませんが、これは、今後の事業展開に向けた取り組みを強化するための投資を行うためです。
Q:今後注力していく取り組みについてお聞かせください。
A:今後の取り組みとしては、主に3つの柱があります。1つ目は、最大市場の開拓です。これまで、弊社のサービスは、全国のJRグループ各社様や私鉄各社様、コインパーキング事業者様など、比較的規模の大きな企業様にご利用いただいておりましたが、今後は、全国各地の不動産管理会社様、特に中小規模の企業様へも導入を積極的に進めてまいります。これらの企業様は、地域の住宅管理などを行っており、月極駐車場の管理も手がけているケースが多くあります。
これらの企業様は、地域の情報に精通している一方で、ITツールの導入には抵抗があるという傾向が見られます。そこで、全国の宅建事業者様の約8割、10万会員が加盟する「ハトマーク支援機構」様と提携し、同機構様からの一社単独推奨という形で、弊社のサービスをご紹介いただくことで、これらの企業様へのアプローチを円滑に進めていきたいと考えております。

2つ目は、社会課題への対応です。ITを活用し、自治体様が抱える課題の解決に貢献してまいります。例えば神戸市様では、災害発生時に弊社のサービスを導入している駐車場を、災害対応車両の拠点として活用する協定を締結いたしました。

この協定により、災害発生時には、弊社のシステムを通じて、近隣の駐車場の空き情報をリアルタイムで確認し、災害対応に必要な車両を迅速に配置することが可能になります。今後は、神戸市様を皮切りに、政令指定都市を中心に、同様の取り組みを拡大していくことを目指しております。
Q:災害用の資材などを保管しておくわけではなく、災害発生時に活用するイメージでしょうか。
A:はい。災害発生時に、参画いただいている管理会社様の駐車場スペースを、災害対応のためにご提供いただくイメージです。弊社のシステムでリアルタイムの空き情報を把握しているからこそ実現できる取り組みです。
Q:3つ目の取り組みについてお聞かせください。
A:3つ目は、新領域の創造です。これまでご説明してきたデータビジネスの展開として、「アットパーキングウィークリー」というサービスを提供しております。これは、月極駐車場の空き区画を、短期間だけ利用したいというニーズに応えるサービスです。
例えば、観光地では、コインパーキングが満車でも、月極駐車場に空きがあるというケースが見られます。また、住宅街では、工事事業者様などが、一時的に工事車両を駐車する場所を確保したいというニーズがあります。

工事車両の駐車場所の確保は、特にニーズが高いと伺っております。「アットパーキングウィークリー」は、これらのニーズに対応するため、月極駐車場の空き区画を予約して利用できるサービスです。ニッチな市場ではありますが、ニーズは高いと考えております。「APクラウド」を導入いただいている管理会社様は、これらのサービスも利用可能になります。これらの取り組みにより、APクラウド登録台数は順調に増加しており、今後も成長を継続していく見込みです。まずは、現在の登録台数約37万台を、国内の月極駐車場市場推定3,000万台に対して、いかにスピード感を持って拡大していくかが重要となります。先ほどお話しした「ハトマーク支援機構」様との提携や、自治体様との連携などを通じて、事業拡大を加速させていきたいと考えております。
Q:営業利益についてお伺いしますが、これまでの業績推移を見ると、利益が大きく変動しているように見受けられます。これは、投資フェーズが終了し、今後は本格的な収益化フェーズに入っていくという認識でよろしいでしょうか。
A:機関投資家の皆様からは、2025年の業績予想について、やや保守的な印象を受けるというご意見もいただいております。弊社としましては、市場の大きさや成長性を考慮し、内部留保の範囲で事業拡大に向けた投資を積極的に行っていく方針です。
Q:2024年に上場を果たされましたが、上場を決断された理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
A:「APクラウド」では、利用者の皆様から毎月の駐車場料金を一時的に弊社がお預かりし、その後弊社から各管理会社様に振り分け、管理会社様が地主様にお支払いするという仕組みをとっています。そのため、多数の利用者様から多額の資金をお預かりすることになります。
管理会社様、例えばJRグループのような企業様から、賃料の回収業務をすべて委託いただくということは、非常に大きな信頼が必要となります。弊社では、以前から信託保全の仕組みを導入し、お預かりした駐車場料金を分別管理するなど、資金管理には万全を期しておりましたが、上場企業であるという信用力は、さらに大きな意味を持つと考えました。
上場企業としての信用力を高めることが、事業拡大において重要であると考え、できるだけ早期に上場する必要があると判断いたしました。
Q:上場後、機関投資家の皆様とのミーティングは、どのくらいの頻度で開催されているのでしょうか。
A:四半期ごとに開催しております。
Q:今後の戦略として、現在のポータルサイトに加えて、アプリの開発などは検討されているのでしょうか。
A:現時点では、いますぐにアプリの開発を具体的に検討している段階ではございません。月極駐車場を契約するタイミングは、車の購入時や引っ越し時など、限られた機会であるため、一度契約すると、次に利用する機会が訪れるまで時間が空くことが想定されます。そのため、アプリを定期的に利用していただく動機付けが難しいと考えており、周辺サービスの開発に注力するとともに、現在はウェブサイトでのサービス提供としております。
Q:先ほどご説明いただいた、ウィークリーでの利用や1日単位での利用など、短期利用のニーズが高まった場合には、アプリの必要性も出てくるかもしれませんね。
A:はい、おっしゃる通りです。その場合は、アプリの開発も視野に入れて検討する必要があると考えております。
Q:今後の株主還元策について、何かお考えの戦略はございますか。
A:はい。株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しておりますが、現時点では利益還元は実施しておりません。月極イノベーション事業が成長過程にあるため、当面は、成長エンジンである「APクラウド」への成長投資を優先してまいります。成長投資により経営基盤を強化し、企業価値を増大することで将来の利益還元に備える方針です。
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取締役CFO 竹内聡様
管理部財務グループ長 深澤郁様
