top of page
光フードサービス_logo1.png

光フードサービス(株)

東証GRT 138A

決算:11月末日

20251029

CP&X


決算概要

2025年11月期第3四半期の決算は、売上高は2,139,033千円(前年同期比11.5%増)、営業利益は175,669千円(前年同期比0.7%減)、経常利益は172,066千円(前年同期比10.7%増)、四半期純利益は117,706千円(前年同期比31.3%増)と増益を確保している。営業減益の主な要因は、新店出店に伴う人件費、採用費、教育費などの販売管理費が想定を上回ったことである。


セグメント別または事業別の増減要因

第2四半期に引き続き、新店舗の立ち上がりが順調に推移し、既存店も成長していることで、増収に寄与している。「立呑み焼きとん大黒」の派生業態として「立喰焼肉大黒」を新たにオープンし、メイン業態と派生業態でドミナントエリアでの出店余地が増加した。


主要KPIの進捗と変化

主要KPIである既存店売上高は前年対比100.9%を維持し、これを支える常連客数は31.8%増加している。直営店店舗数はKPIの一つとして現在41店舗である。常連客増加の取り組みとして、同社のビジネスモデルの特徴である「接近戦」やドミナント出店を活用し、顧客の再来店を促す戦略が効果を発揮している。


季節性・一過性要因の有無と影響

同社のビジネスモデルは繁忙期や閑散期がなく、外的要因に大きく左右されることはない。ただし、土日数の減少など、曜日の割り振りが売上に若干影響を与える場合がある。

また、酷暑について、たまたま店前を通りかかった通行人(新規の見込み客)に対して、店内からの呼び込みを行うため、普段は開けている扉を閉め切る(空調の効きを良くするため)ことで、新規のお客様の来店比率が下がり、一時的な売上減少は考えられるものの、現時点では大きな影響は確認されていない。


通期見通しと進捗率・達成可能性

今期の通期業績予想は、売上高29億700万円(前期比13.3%増)、営業利益2億3,600万円(同9.0%増)、経常利益2億2,900万円(同20.0%増)、当期純利益1億600万円(同5.9%増)と増収増益を見込んでおり、現在の進捗はほぼ100%で順調に推移している。


トピックス

株主優待の導入が決定し、100株以上で年間10,000円相当の食事券、300株以上で年間30,000円の食事券、500株以上で年間50,000円の食事券を株主様に対して、還元する予定である。

makuake_logo1.png

​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    2025年11月期第2四半期の決算は、売上高14億2,500万円(前年同期比12.4%増加)と増収を達成した。営業利益は1億3,200万円(同8.1%減少)と減益となったが、経常利益は1億2,800万円(同5.1%増加)、中間純利益は8,800万円(同15.4%増加)と増益を確保している。営業減益の主な要因は、新店出店に伴う人件費、採用費、教育費などの販売管理費が想定を上回ったことである。

     

    セグメント別または事業別の増減要因

    新店舗の立ち上がりが全て順調に推移しており、既存店の売上も前年を下回っていないことが増収に寄与している。特に、同社が得意とするドミナントエリアでの路面店を中心とした出店戦略が奏功しており、立ち上がりが概ね順調である。前期に試みた新エリアへの出店とは異なり、今回は地の利を活かせるエリアでの展開が成功に繋がっている。

     

    主要KPIの進捗と変化

    主要KPIの根幹は客数であり、既存店の売上は前年対比101.8%を維持し、これを支える常連客数は30.1%増加している。直営店店舗数はKPIの一つとして現在40店舗であり、今期計画の13店舗中、現在9店舗が確定している状況である。常連客増加の取り組みとして、同社のビジネスモデルの特徴である「接近戦」やドミナント出店を活用し、顧客の再来店を促す戦略が効果を発揮している。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    同社のビジネスモデルは繁忙期や閑散期がなく、外的要因に大きく左右されることはない。ただし、土日数の減少など、曜日の割り振りが売上に若干影響を与える場合がある。インバウンドに左右される立地も一部存在するが、その影響は限定的であり、ゲリラ豪雨や台風の直撃による一時的な売上減少も現時点では大きな影響は確認されていない。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    今期の通期業績予想は、売上高29億700万円(前期比13.3%増)、営業利益2億3,600万円(同9.0%増)、経常利益2億2,900万円(同20.0%増)、当期純利益1億600万円(同5.9%増)と増収増益を見込んでいる。現在の進捗はほぼ100%以上で推移しており、通期目標の達成は楽観視されている。下期においては、既存店の売上維持と新規出店の確実な成功に注力し、数を合わせるための無理な出店は行わない方針である。

     

    トピックス

    「レッチュー甲子園」キャンペーンが好反響を得ており、既存店を重視する施策が継続されている。また、店舗数増加に伴い、株主優待の導入も検討が進められている。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?

    A:当社の経営ポリシーは、大きな成功を狙うのではなく、地道に小さな立ち飲み屋をコツコツと増やしていくことにあります。今後は、既存店の売上を維持しながら、年間1.2倍程度の会社成長に繋がるような新規出店を継続していくことを優先します。具体的な取り組みとしては、得意とするキャンペーンやイベントを引き続き開催することで既存店の底上げを図ります。また、下期においては、既存店の売上を前年同期比で下回らないこと、そして新規出店を確実に成功させることに注力していきます。

     

    Q:通期業績の見通についてご説明ください。

    A:通期の業績予想については、売上高29億700万円(前期比13.3%増)、営業利益2億3,600万円(同9.0%増)、経常利益2億2,900万円(同20.0%増)、当期純利益1億600万円(同5.9%増)と増収増益を見込んでおり、現在の進捗はほぼ100%以上と順調に推移しているため、達成できる見込みです。

     

    Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:現時点では開示できる情報はありませんが、物件取得を目的とした小型M&Aを実施する可能性はあります。

     

    Q:株主還元の方針をご説明ください。

    A:株主還元の方針に変更はなく、得られた利益は翌期の新規出店への投資に充当し、余剰資金を株主に還元していく考えです。公平性を考慮し、まずは配当を出すことを優先しています。しかし、店舗数が増加している状況を鑑み、今後は株主優待の導入も検討していきたいと考えています。

  • 取材者:まず、2025年11月期第2四半期の決算状況についてお伺いいたします。売上高は14億2,500万円で前年同期比12.4%の増加、営業利益は1億3,200万円で同8.1%の減少、経常利益は1億2,800万円で同5.1%の増加、中間純利益は8,800万円で同15.4%の増加と増収でした。また、通期の業績予想に対しても順調に進捗しているように見受けられましたが、増減要因についてご説明いただけますか?

     

    回答者:増減要因ですが、ポジティブな点としては、新店舗の立ち上がりがすべて順調に進んでいることが挙げられます。それに加えて、既存店が前年を下回っていないという点もございます。単月で下回っている月もありますが、全体では既存店が前年を下回っておらず、これが非常に良い影響を与えていると認識しております。営業利益は減益となっていますが、増収ではあり、決して悪い状況ではないと考えています。減益に見える要因は、販売管理費の増加です。具体的には、新店出店に伴う人件費や採用費、教育費が想定よりも上振れたことが要因です。これ以外はおおむね順調です。

     

    取材者:出店計画の進捗はいかがですか?

     

    回答者:13店舗を予定しており、現在6店舗(取材日時点)が完了しています。また、明後日には新店舗がオープンし、現時点で9店舗が確定しています。残り4店舗についてはまだ不確定ですが、物件は流動的なため、多少前後する可能性はございます。しかし、数を合わせるために無理な出店はしたくないと考えておりますので、条件に合う物件がない場合は、最悪9店舗で終了することも十分に考えられます。

     

    取材者:新店舗の売上が順調なのは、リピーターを囲い込めているという認識でよろしいですか?

     

    回答者:はい、そうです。我々が得意とするドミナントエリアでの路面店が中心ですので、失敗は少ないと考えています。前期は新エリアへの出店を試み、残念ながらうまくいかなかった部分もありましたが、今回は地の利が活かせるエリアですので、立ち上がりは概ね順調だと認識しています。

     

    取材者:前期の人材採用数の推移はいかがですか?

     

    回答者:採用数は店舗数の増加とほぼ同等であり、大きな遅れはございません。

     

    取材者:その他、何か主要なKPIはございますか?

     

    回答者:KPIの根幹は客数です。既存店の売上(前年対比101.8%)と、それを支える常連客数(+30.1%)がKPIとなります。また、直営店店舗数(40店舗)もKPIになると考えています。

     

    取材者:常連客数を増やすための取り組みや施策は行われていますか?

     

    回答者:当社のビジネスモデルの特徴である「接近戦」という強みや、ドミナント出店を活用し、お客様が再来店してくださる、いわゆる「はしご」をしてくださる戦略が功を奏しています。既存店の売上が前年同期比で下がらないということは、離脱するお客様よりも常連になってくださる方の数が多いということです。この「出口が小さく入口が大きい」状態を維持していくことが重要だと考えています。

     

    取材者:業績に影響を与えた一過性の要因や、季節性、外的要因などはございましたら教えていただけますか?

     

    回答者:繁忙期も閑散期もないような業態のビジネスモデルですので、外的要因に大きく左右されることはございません。ただし、土日の数が少ない等、曜日の割り振りに若干左右されることはあると思います。地域性については、インバウンドに左右される立地もございますが、影響は限定的だと考えております。ゲリラ豪雨や台風の直撃で一時的に売上が落ち込むことは考えられますが、今のところ大きな影響はございません。

     

    取材者:では、通期の見通しについてもお聞きできますか?今期の業績予想で、売上高29億700万円(前期比13.3%増加)、営業利益2億3,600万円(同9.0%増)、経常利益2億2,900万円(同20.0%増加)、当期純利益1億600万円(同5.9%増加)と増収増益を見込んでいますが、これに対する進捗はいかがですか?

     

    回答者:ほぼ100%以上の進捗で推移していますので、楽観的に見ています。

     

    取材者:見通しとしても、順調で達成する見込みでよろしいですか?

     

    回答者:はい。

     

    取材者:今期の下期において、何か行われる施策や取り組み、トピックスはございますか?

     

    回答者:当社のビジネスモデルの強み・特徴として、既存店の売上を割り込まないことが大きな特徴です。既存店の底上げのため、得意とするキャンペーンやイベントを今後も継続していきます。現在開催中の「レッチュー甲子園」も反響が良く、こうした取り組みを通じて既存店を大切にしていきます。

    もう一点は、新規出店です。今期は13店舗を計画していますが、現時点で確定しているのは9店舗です。新規出店を確実に成功させることが重要だと考えています。数を合わせるために無理な出店をすると、成功率が落ちる可能性があるため、未達のまま決算を迎える可能性もあると考えています。下半期のテーマとしては、既存店を下回らないことと、新規出店を成功させることに注力していきます。

     

    取材者:その他、M&Aや業務提携について、実施の有無や検討状況など、お答えできる範囲でお話いただけますか?

     

    回答者:まだ開示できる情報はありませんが、様々な情報が入ってきています。物件取得のための小型M&Aの可能性はございます。

     

    取材者:株主還元について、変更はございますか?

     

    回答者:方針は前回お伝えした通りです。しっかりと出た利益を翌期の新規出店への投資に充て、余剰資金は株主に還元していきます。株主優待も検討はしていますが、公平性を考慮し、まずは公平に配当を出していきたいと考えています。ただ、店舗数も増えてまいりましたので、広島、仙台、東京、名古屋を中心に全国的に出店が加速しており、優待をそろそろ検討していきたいと思っています。

     

    取材者:最後に、足元の状況について、トピックスやニュースリリースがございましたら改めて教えていただけますか?

     

    回答者:トピックスというほどではないのですが、当社の経営ポリシーとして、大成功を狙うのではなく、地道に小さな立ち飲み屋をコツコツと積み上げていく方針に変更はございません。既存店を減らさずに、会社が年1.2倍程度成長していくような新規出店をしながら、継続的な成長を続けていくという取り組みを今後も優先していきます。それが我々にとってのトピックスです。

  • 代表取締役社長 大谷光徳 様

    取締役管理部長 石田央 様

makuake_logo1.png

​企業名

上場市場 証券コード

​決算日

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    ビジネスモデルや事業内容

    10坪の立ち飲み屋を中心とした事業展開を行っている。立ち飲みスタイルと小箱モデルを掛け合わせることで、一坪当たりの収益を最大化している点が特徴。セントラルキッチンでの一括仕入れと製造により、店舗での仕込みをほぼなくし、厨房面積を最小限に削減することで、更なる店舗効率の向上を実現している。

     

    創業の経緯と転機となった出来事

    創業者は20歳から27歳まで焼肉屋でサラリーマンとして働き、店長を経験した。当時、修行していた焼肉屋は非常に勉強熱心で、特に肉の品質、美味しいお肉とは何か、について深く学ぶことができた。その経験から、信頼のおける生産者から大切に育てていただいたものが一番美味しいという結論に至り、そうした情報をお客様に直接伝えられるような距離感で商売をしたいという思いから、10坪の小さな立ち呑み 焼きとん「大黒」を創業した。

     

    直近の決算状況

    2024年11月期の決算は、売上高は増収、利益は減益であった。これは、新規出店が当初予定の8店舗から11店舗に増加したことで、販管費が想定以上にかかったことが要因である。また、新規出店の2店舗が想定より売り上げが下回ったことも影響している。

     

    特徴や強み

    立ち飲みスタイルと小箱モデルを組み合わせた、高収益なビジネスモデルが特徴。ドミナント出店戦略により、人員配置の柔軟性と顧客の回遊を促進している。小ポーションのメニューを多数展開することで、1人のお客様でも注文しやすいメニュー構成にしている。

     

    成長戦略

    既存店の成長と新規出店の両輪で成長を図る。店舗数は約120%成長を見込んでおり、当面は概ね12店舗から14店舗の出店を計画している。

     

    株主還元策

    株主優待については検討中であるが、まだ店舗数が少ないため、株主様にとって立地による不公平感を排除した制度設計が課題である。現時点では配当を優先し、利益の中から出店等の成長投資を行い、残った利益は株主様に還元していく方針。

     

    今期の取り組みやトピックス

    M&Aや新業態開発などは現時点では考えていない。まずは、既存店の売上成長を維持し、新規出店を継続することで持続的な成長を実現していきたいと考えている。

  • Q. 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    A. 当社は10坪の立ち飲み屋を中心とした事業展開を行っています。特徴としましては、立ち飲みスタイルと小箱モデルを掛け合わせることで、一坪当たりの収益を最大化している点が挙げられます。立ち飲みスタイルは、席効率、回転率、稼働率の最大化に繋がり、小箱モデルは初期投資、人員配置、固定費の抑制を可能にします。また、セントラルキッチンでの一括仕入れと製造することにより、店舗での仕込みがほぼなくなり厨房面積を最小限に削減することで、更なる店舗効率の向上を実現しています。

     

    Q. 普段のオペレーションはどれくらいの人数で行っているのですか?

    A. 平均的なモデルとして、月商500万円、年商6000万円の10坪店舗を5人体制で運営しています。在籍としては10名から12名で、シフト制で常時5名ほどで回しています。

     

    Q. 店舗展開の戦略についてもお聞かせいただけますか?

    A. ドミナント出店を得意としており、現在、名古屋、東京、仙台、広島で展開しています。ドミナントのメリットは、人員配置の柔軟性に加え、お客様が次々とハシゴをしてくださる戦略を仕掛けることができる点です。小型店のため、同一チェーン店同士で顧客を奪い合う共食い状態はあまり発生しません。ドミナントエリアの増店を特徴としています。

     

    Q. 繁華街が多いのですか?

    A. 乗降客数16万人以上の駅、繁華街、いくつかの路線が重なっているターミナル駅などでドミナント展開しています。

     

    Q. 貴社のお客様のターゲットとして、1人飲みの方が多いのですか?それとも、少人数のグループの方が多いのですか?

    A. 平均来客数は1.4名であるため、ほとんどが1人のお客様です。

     

    Q. 1人のお客様が多いとのことですが、入りやすい施策やメニュー展開をされているのですか?

    A. わかりやすい1階の立地、視認性の高さ、間口の広さが特徴です。また、小ポーションのメニューを多数展開することで、1人のお客様でも注文しやすいメニュー構成にしています。

     

    Q. それでは、貴社の創業の経緯について教えていただけますか?

    A. 創業の経緯は、私自身が20歳から27歳まで焼肉屋でサラリーマンとして働き、店長を経験したことに始まります。当時、修行していた焼肉屋は非常に勉強熱心で、特に肉の品質、美味しいお肉とは何か、について深く学ぶことができました。結論として、信頼のおける生産者から大切に育てていただいたものが一番美味しいということに至りました。当時、仕入れの担当をしており、屠殺場という解体をする工場へ出入りする中で、信頼のおける方から直接お話を伺ったり、買い付けを行うルートもあり、信頼のおける方から仕入れた商品は非常に品質が高く、また作り手さんの工夫や思いが大きな付加価値になると感じ、そうした情報をお客様に直接伝えられるような距離感、私共は「接近戦」と呼んでおりますが、「接近戦」が効く商売をしたいという思いから、10坪の小さな立ち呑み 焼きとん「大黒」を創業しました。

     

    Q. 仕入れの段階から得た情報を、今でもお客様に伝えているのですか?

    A. 教育プログラムに組み込まれています。

     

    Q. 仕入れの経験は、現在の素材の仕入れに活かされているのですか?

    A. 取引規模は拡大しておりますが、セントラルキッチンでの一括仕入れにより、スケールメリットを活かした仕入れ、バイングパワー、ロットが大きくなるにつれ効率も上がっています。個人店では投資ができない最新の冷凍設備など、高額な投資を行うことができているので、高品質な商品をより高いレベルでお客様に提供できています。

     

    Q. 投資家の皆様は、SDGs、特に環境問題に関心が高いと思いますが、セントラルキッチンを使うことによる廃棄率の削減など、何か取り組まれていることはありますか?

    A. 一括で仕入れて一括で製造していることで肉の端材は、もつ煮にしたり、ミンチにしてつくねに加工するなど、工夫して取り組んでいます。

     

    Q. 2008年に創業、2009年に会社設立、そして2024年2月に上場されましたが、上場の目的について教えていただけますか?

    A. 上場の目的は、創業当時から「外食企業トップ10」を目指しており、組織を拡大していく上で、内部管理体制、コンプライアンス、ガバナンスを効かせた経営、パブリックカンパニーとして、より強固な企業基盤を構築したいと考え上場を目指しました。

     

    Q. 上場してから、採用やマーケティング効果に影響はありましたか?

    A. 採用に関しては、実感するほど大きな変化はまだありませんが、物件取得においては、競合他社と競り合ったときに取得しやすくなった、有利になったと感じています。

     

    Q. 貴社の競合としては、どういったところが挙げられるのですか?

    A. 個人店が多いです。マクドナルドやスターバックスのような大規模チェーン店と物件を競り合うことはありません。

     

    Q. 人材の話に戻しますが、貴社の採用戦略について教えていただけますか?

    A. 採用戦略は、「入口を大きく、出口を小さく」することです。入口を大きくするとは、採用ミスマッチを極力排除するために、入社前に価値観や理念のすり合わせや共感しているかなどコミュニケーションを徹底しています。また、力を入れていることは離職率の低減に力を入れており、業界平均は26%と言われており、当社は15%なので、かなり良い水準かと思っています。特に働きやすさの向上、労務環境を整えることは当然ですがその上に、不公平感のない人事考課制度に教育プログラムを連動させ、社内SNS等を運用し、評価を行っています。

     

    Q. 離職率は年々改善されていますか?

    A. 年々改善されています。当初、当社も離職率は20%台から始まったのですが、年々改善され昨年は15%まで低下しました。今後も低下していくと考えています。

    Q. 2024年11月期の決算についてですが、売上高は増収、利益は減益でしたが、これは新規出店による影響が大きいのですか?

    A. 8店舗を予定していた新規出店が、実際には11店舗になったことで、3店舗分の販管費が想定以上にかかったことが減益の要因です。新規出店の2店舗が想定より売り上げが下回ったことも影響しています。広島と東京・中野の2店舗ですが、出店エリアの選定は適切でしたが、地場の競合の強さを把握しきれていなかったことが原因です。また、視認性の高さや間口の広さなどが重要であると考えていますが、路面店とはいえ2メートルほどセットバックしており、過去の経験から、セットバックしている店舗もうまくいくと想定しておりましたが、今回に関しては売上に影響したと考えています。

     

    Q. 今後、そのようなエリアへの出店はどうされるのですか?

    A. 中野の一駅先の高円寺ではうまくいっているのでエリア選定は間違っていないと考えています。物件の精査をより徹底することで、再度チャレンジしていきたいと思っています。

     

    Q. 2025年の今期の出店数の目標はありますか?

    A. 純増で11店舗を計画しています。

     

    Q. 2024年度と同等の出店数ですが、2023年度の出店数が少なかったのはなぜですか?

    A. 上場直前で、2023年5月に新型コロナウイルス感染症は、5類感染症に位置づけられ、新規出店よりも既存店売上の成長に力を注いだことが理由です。

     

    Q. 今後の成長戦略は、既存店の成長と新規出店を両輪で進めていくという認識でよろしいですか?

    A. 店舗数は約120%成長を見込んでおり、当面は概ね12店舗から14店舗の出店を計画しています。

     

    Q. 株主還元についての政策をお考えですか?

    A. 株主優待については検討していますが、まだ店舗数が少ないため、株主様にとって立地による不公平感を排除した制度設計が課題です。したがって、現時点では配当を先に出させていただきました。利益の中から出店等の成長投資を行い、残った利益は株主様に還元していく方針です。今後さらに利益が拡大した場合は、配当に加え不平等感のない優待制度の設計を整え実行に移したいと考えています。

     

    Q. 最後に、来月に迫った第1四半期の決算発表に向けて、何か新しい取り組みはありますか?

    A. 特に目新しいものはありません。M&Aや新業態開発なども現時点では考えていません。まずは、既存店の売上成長を維持し、毎年新規出店120%ぐらいを継続することで持続的な成長を実現していきたいと考えています。

  • 取材者: それでは早速取材の内容に入らせていただきたいと思います。まず初めに、貴社のビジネスモデルや事業内容について改めてご説明をお願いできますか。

    回答者: 当社は10坪の立ち飲み屋を中心とした事業展開を行っています。特徴としましては、立ち飲みスタイルと小箱モデルを掛け合わせることで、一坪たりの収益を最大化している点が挙げられます。 立ち飲みスタイルは、席効率、回転率、稼働率の最大化に繋がり、 小箱モデルは初期投資、人員配置、固定費の抑制を可能にします。 また、セントラルキッチンでの一括仕入れと製造することにより、店舗での仕込みがほぼなくなり厨房面積を最小限に削減することで、更なる店舗効率の向上を実現しています。

    取材者:普段のオペレーションはどれくらいの人数で行っているのですか?

    回答者: 平均的なモデルで言うと、月商500万円、年商6000万円の10坪店舗で、5人体制で運営しています。 在籍としては10名から12名で、シフト制で常時5人ほどで回しています。

    取材者: 店舗展開の戦略についてもお聞かせいただけますか?

    回答者:  ドミナント出店を得意としておりまして、現在、名古屋、東京、仙台、広島で展開しています。 ドミナントのメリットは、人員配置の柔軟性に加え、お客様がどんどんハシゴをしてくださる戦略を仕掛けることができる点です。小型店なのであまりカニバらない。ドミナントエリアの増店が特徴的です。

    取材者: 繁華街が多いのですか?

    回答者: そうですね。乗降客数16万人以上の駅、繁華街、いくつかの路線が重なっているターミナル駅などでドミナント展開しています。

    取材者: 貴社のお客様のターゲットとして、1人飲みの方が多いのですか?それとも、少人数のグループの方が多いのですか?

    回答者: 平均来客数は1.4名ですので、ほとんどが1人のお客様です。

    取材者:1人のお客様が多いとのことですが、入りやすい施策やメニュー展開をされているのですか?

    回答者: わかりやすい1階の立地、視認性の高さ、間口の広さが特徴です。 また、小ポーションのメニューを多数展開することで、1人が一品でも注文しやすいメニュー構成にしています。

    取材者: それでは、貴社の創業の経緯について教えていただけますか?

    回答者: 創業の経緯は、私自身が20歳から27歳まで焼肉屋でサラリーマンとして働き、店長を経験したことに始まります。 当時、修行していた焼肉屋は非常に勉強熱心で、特に肉の品質、美味しいお肉とは何か、について深く学ぶことができました。 結論から申しますと、信頼のおける生産者から大切に育てていただいたものが一番美味しいということに至りました。

    当時私は、仕入れの担当をしており、屠殺場という解体をする工場へ出入りする中で、信頼のおける方から直接お話を聞いたり、買い付けを行うルートもあり、信頼のおける方から仕入れた商品は非常に品質が高く、また作り手さんの工夫や思いとか、そういった情報が大きな付加価値になると感じ、そうした情報をお客様に直接伝えられるような距離感、私共は「接近戦」と呼んでおりますが、「接近戦」が効く商売をしたいという思いから、10坪の小さな立ち呑み 焼きとん「大黒」を創業しました。

    取材者: 仕入れの段階から得た情報を、今でもお客様に伝えているのですか?

    回答者: はい、そっくりそのまま教育プログラムに組み込まれています。

    取材者: 仕入れの経験は、現在の素材の仕入れに活かされているのですか?

    回答者: はい、もちろん。取引規模は拡大しておりますが、かつセントラルキッチンでの一括仕入れにより、スケールメリットを活かした仕入れ、バイングパワーと申しますか、ロットが大きくなるにつれ効率も上がっています。 個人店では投資ができない最新の冷凍設備など、高額な投資を行うことができているので、高品質な商品をより高いレベルでお客様に提供できています。

    取材者: 投資家の皆様は、SDGs、特に環境問題に関心が高いと思いますが、セントラルキッチンを使うことによる廃棄率の削減など、何か取り組まれていることはありますか?

    回答者: 一括で仕入れて一括で製造していることで肉の端材は、もつ煮にしたり、ミンチにしてつくねに加工するなど、工夫して取り組んでいます。

    取材者:2008年に創業、2009年に会社設立、そして2024年2月に上場されましたが、上場の目的について教えていただけますか?

    回答者: 上場の目的は、創業当時から「外食企業トップ10」を目指すといって、当時は売上高1000億円、外食企業でトップ10を目指すということで取り組んでおりましたので、 組織を拡大していく上で、内部管理体制、コンプライアンス、ガバナンスを効かせた経営、パブリックカンパニーとして、より強固な企業基盤を構築したいと考え上場を目指しました。

    取材者: 上場してから、採用やマーケティング効果に影響はありましたか?

    回答者: 採用に関しては、実感するほど大きな変化はまだありませんが、物件取得においては、競合他社と競り合ったときに取得しやすくなった、有利になったと感じています。

    取材者: 貴社の競合としては、どういったところですか?

    回答者: 個人店が多いです。マクドナルドやスターバックスのような大規模チェーン店と物件を競り合うことはありません。

    取材者: 人材の話に戻しますが、貴社の採用戦略について教えていただけますか?

    回答者: 採用戦略は、「入口を大きく、出口を小さく」することです。 入り口を大きくするとは、採用ミスマッチを極力排除するために、入社前に価値観や理念のすり合わせや共感しているかなどコミュニケーションを徹底しています。 また、力を入れていることは離職率の低減に力を入れており、業界平均は26%と言われており、私共は15%なので、かなりいい水準かと思っています。特に働きやすさの向上、労務環境を整えることは当然ですがその上に、不公平感のない人事考課制度に教育プログラムを連動させ、社内SNS等を運用し、評価など行っています。

    取材者: 離職率は年々改善されていますか?

    回答者: はい。年々改善されています。当初、我々も離職率は20%台から始まったのですが、年々改善され昨年は15%まで低下しました。今後も低下していくのだと考えています。

    取材者:2024年11月期の決算についてですが、売上高は増収、利益は減益でしたが、これは新規出店による影響が大きいのですか?

    回答者: はい。8店舗を予定していた新規出店が、実際には11店舗になったことで、3店舗分販管費が想定以上にかかったことが減益の要因です。新規出店の2店舗が想定より売り上げが下回ったことも影響しています。広島と東京・中野の2店舗ですが、出店エリアの選定は適切でしたが、地場の競合の強さを把握しきれていなかったことが原因です。また、視認性の高さや間口の広さなどが重要であると考えていますが、路面店とはいえ2メートルほどセットバックしており、過去の経験から、セットバックしている店舗もうまくいくと想定しておりましたが、今回に関しては売上に影響したと考えています。

    取材者: 今後、そのようなエリアへの出店はどうされるのですか?

    回答者: 中野の一駅先の高円寺ではうまくいっているのでエリア選定は間違っていないと考えています。物件の精査をより徹底することで、再度チャレンジしていきたいと思っています。

    取材者: 今期の出店数の目標はありますか?

    回答者: 純増で11店舗を計画しています。

    取材者:2024年度と同等の出店数ですが、2023年度の出店数が少なかったのはなぜですか?

    回答者: 上場直前で、2023年5月に新型コロナウイルス感染症は、5類感染症に位置づけられ、新規出店よりも既存店売上の成長に力を注いだことが理由です。

    取材者: 今後の成長戦略は、既存店の成長と新規出店を両輪で進めていくという認識でよろしいですか?

    回答者: はい。店舗数は約120%成長を見込んでおり、概ね毎年12店舗から14店舗の出店を計画しています。

    取材者: 株主還元についてどのような政策をお考えですか?

    回答者: 株主優待については検討していますが、まだ店舗数が少ないため、株主様にとって立地による不公平感を排除した制度設計が課題です。 したがって、現時点では配当を先に出させていいただきました。 利益の中から出店等の成長投資を行い、残った利益は株主様に還元していく方針です。今後さらに利益が拡大した場合は、配当に加え不平等感のない優待制度の設計を整え実行に移したいと考えています。

    取材者: 最後に、来月に迫った第1四半期の決算発表に向けて、何か新しい取り組みはありますか?

    回答者: 特に目新しいものはありません。M&Aや新業態開発なども現時点では考えていません。 まずは、既存店の売上成長を維持し、毎年新規出店120%ぐらいを継続することで持続的な成長を実現していきたいと考えています。

  • 代表取締役社長 大谷光徳様

    取締役管理部長 石田央様

光フードサービス_logo1.png

光フードサービス(株)

東証GRT 138A

決算:11月末日

CP&X


決算概要

2025年11月期第3四半期の決算は、売上高は2,139,033千円(前年同期比11.5%増)、営業利益は175,669千円(前年同期比0.7%減)、経常利益は172,066千円(前年同期比10.7%増)、四半期純利益は117,706千円(前年同期比31.3%増)と増益を確保している。営業減益の主な要因は、新店出店に伴う人件費、採用費、教育費などの販売管理費が想定を上回ったことである。


セグメント別または事業別の増減要因

第2四半期に引き続き、新店舗の立ち上がりが順調に推移し、既存店も成長していることで、増収に寄与している。「立呑み焼きとん大黒」の派生業態として「立喰焼肉大黒」を新たにオープンし、メイン業態と派生業態でドミナントエリアでの出店余地が増加した。


主要KPIの進捗と変化

主要KPIである既存店売上高は前年対比100.9%を維持し、これを支える常連客数は31.8%増加している。直営店店舗数はKPIの一つとして現在41店舗である。常連客増加の取り組みとして、同社のビジネスモデルの特徴である「接近戦」やドミナント出店を活用し、顧客の再来店を促す戦略が効果を発揮している。


季節性・一過性要因の有無と影響

同社のビジネスモデルは繁忙期や閑散期がなく、外的要因に大きく左右されることはない。ただし、土日数の減少など、曜日の割り振りが売上に若干影響を与える場合がある。

また、酷暑について、たまたま店前を通りかかった通行人(新規の見込み客)に対して、店内からの呼び込みを行うため、普段は開けている扉を閉め切る(空調の効きを良くするため)ことで、新規のお客様の来店比率が下がり、一時的な売上減少は考えられるものの、現時点では大きな影響は確認されていない。


通期見通しと進捗率・達成可能性

今期の通期業績予想は、売上高29億700万円(前期比13.3%増)、営業利益2億3,600万円(同9.0%増)、経常利益2億2,900万円(同20.0%増)、当期純利益1億600万円(同5.9%増)と増収増益を見込んでおり、現在の進捗はほぼ100%で順調に推移している。


トピックス

株主優待の導入が決定し、100株以上で年間10,000円相当の食事券、300株以上で年間30,000円の食事券、500株以上で年間50,000円の食事券を株主様に対して、還元する予定である。

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    決算概要

    2025年11月期第2四半期の決算は、売上高14億2,500万円(前年同期比12.4%増加)と増収を達成した。営業利益は1億3,200万円(同8.1%減少)と減益となったが、経常利益は1億2,800万円(同5.1%増加)、中間純利益は8,800万円(同15.4%増加)と増益を確保している。営業減益の主な要因は、新店出店に伴う人件費、採用費、教育費などの販売管理費が想定を上回ったことである。

     

    セグメント別または事業別の増減要因

    新店舗の立ち上がりが全て順調に推移しており、既存店の売上も前年を下回っていないことが増収に寄与している。特に、同社が得意とするドミナントエリアでの路面店を中心とした出店戦略が奏功しており、立ち上がりが概ね順調である。前期に試みた新エリアへの出店とは異なり、今回は地の利を活かせるエリアでの展開が成功に繋がっている。

     

    主要KPIの進捗と変化

    主要KPIの根幹は客数であり、既存店の売上は前年対比101.8%を維持し、これを支える常連客数は30.1%増加している。直営店店舗数はKPIの一つとして現在40店舗であり、今期計画の13店舗中、現在9店舗が確定している状況である。常連客増加の取り組みとして、同社のビジネスモデルの特徴である「接近戦」やドミナント出店を活用し、顧客の再来店を促す戦略が効果を発揮している。

     

    季節性・一過性要因の有無と影響

    同社のビジネスモデルは繁忙期や閑散期がなく、外的要因に大きく左右されることはない。ただし、土日数の減少など、曜日の割り振りが売上に若干影響を与える場合がある。インバウンドに左右される立地も一部存在するが、その影響は限定的であり、ゲリラ豪雨や台風の直撃による一時的な売上減少も現時点では大きな影響は確認されていない。

     

    通期見通しと進捗率・達成可能性

    今期の通期業績予想は、売上高29億700万円(前期比13.3%増)、営業利益2億3,600万円(同9.0%増)、経常利益2億2,900万円(同20.0%増)、当期純利益1億600万円(同5.9%増)と増収増益を見込んでいる。現在の進捗はほぼ100%以上で推移しており、通期目標の達成は楽観視されている。下期においては、既存店の売上維持と新規出店の確実な成功に注力し、数を合わせるための無理な出店は行わない方針である。

     

    トピックス

    「レッチュー甲子園」キャンペーンが好反響を得ており、既存店を重視する施策が継続されている。また、店舗数増加に伴い、株主優待の導入も検討が進められている。

  • Q:成長戦略のポイント(今後の取り組みやトピックス、計画にない新たな戦略的施策等を含む)はなんでしょうか?

    A:当社の経営ポリシーは、大きな成功を狙うのではなく、地道に小さな立ち飲み屋をコツコツと増やしていくことにあります。今後は、既存店の売上を維持しながら、年間1.2倍程度の会社成長に繋がるような新規出店を継続していくことを優先します。具体的な取り組みとしては、得意とするキャンペーンやイベントを引き続き開催することで既存店の底上げを図ります。また、下期においては、既存店の売上を前年同期比で下回らないこと、そして新規出店を確実に成功させることに注力していきます。

     

    Q:通期業績の見通についてご説明ください。

    A:通期の業績予想については、売上高29億700万円(前期比13.3%増)、営業利益2億3,600万円(同9.0%増)、経常利益2億2,900万円(同20.0%増)、当期純利益1億600万円(同5.9%増)と増収増益を見込んでおり、現在の進捗はほぼ100%以上と順調に推移しているため、達成できる見込みです。

     

    Q:M&A、業務提携、事業売却などの実施または検討状況と、それに伴う影響についてご説明ください。

    A:現時点では開示できる情報はありませんが、物件取得を目的とした小型M&Aを実施する可能性はあります。

     

    Q:株主還元の方針をご説明ください。

    A:株主還元の方針に変更はなく、得られた利益は翌期の新規出店への投資に充当し、余剰資金を株主に還元していく考えです。公平性を考慮し、まずは配当を出すことを優先しています。しかし、店舗数が増加している状況を鑑み、今後は株主優待の導入も検討していきたいと考えています。

  • 取材者:まず、2025年11月期第2四半期の決算状況についてお伺いいたします。売上高は14億2,500万円で前年同期比12.4%の増加、営業利益は1億3,200万円で同8.1%の減少、経常利益は1億2,800万円で同5.1%の増加、中間純利益は8,800万円で同15.4%の増加と増収でした。また、通期の業績予想に対しても順調に進捗しているように見受けられましたが、増減要因についてご説明いただけますか?

     

    回答者:増減要因ですが、ポジティブな点としては、新店舗の立ち上がりがすべて順調に進んでいることが挙げられます。それに加えて、既存店が前年を下回っていないという点もございます。単月で下回っている月もありますが、全体では既存店が前年を下回っておらず、これが非常に良い影響を与えていると認識しております。営業利益は減益となっていますが、増収ではあり、決して悪い状況ではないと考えています。減益に見える要因は、販売管理費の増加です。具体的には、新店出店に伴う人件費や採用費、教育費が想定よりも上振れたことが要因です。これ以外はおおむね順調です。

     

    取材者:出店計画の進捗はいかがですか?

     

    回答者:13店舗を予定しており、現在6店舗(取材日時点)が完了しています。また、明後日には新店舗がオープンし、現時点で9店舗が確定しています。残り4店舗についてはまだ不確定ですが、物件は流動的なため、多少前後する可能性はございます。しかし、数を合わせるために無理な出店はしたくないと考えておりますので、条件に合う物件がない場合は、最悪9店舗で終了することも十分に考えられます。

     

    取材者:新店舗の売上が順調なのは、リピーターを囲い込めているという認識でよろしいですか?

     

    回答者:はい、そうです。我々が得意とするドミナントエリアでの路面店が中心ですので、失敗は少ないと考えています。前期は新エリアへの出店を試み、残念ながらうまくいかなかった部分もありましたが、今回は地の利が活かせるエリアですので、立ち上がりは概ね順調だと認識しています。

     

    取材者:前期の人材採用数の推移はいかがですか?

     

    回答者:採用数は店舗数の増加とほぼ同等であり、大きな遅れはございません。

     

    取材者:その他、何か主要なKPIはございますか?

     

    回答者:KPIの根幹は客数です。既存店の売上(前年対比101.8%)と、それを支える常連客数(+30.1%)がKPIとなります。また、直営店店舗数(40店舗)もKPIになると考えています。

     

    取材者:常連客数を増やすための取り組みや施策は行われていますか?

     

    回答者:当社のビジネスモデルの特徴である「接近戦」という強みや、ドミナント出店を活用し、お客様が再来店してくださる、いわゆる「はしご」をしてくださる戦略が功を奏しています。既存店の売上が前年同期比で下がらないということは、離脱するお客様よりも常連になってくださる方の数が多いということです。この「出口が小さく入口が大きい」状態を維持していくことが重要だと考えています。

     

    取材者:業績に影響を与えた一過性の要因や、季節性、外的要因などはございましたら教えていただけますか?

     

    回答者:繁忙期も閑散期もないような業態のビジネスモデルですので、外的要因に大きく左右されることはございません。ただし、土日の数が少ない等、曜日の割り振りに若干左右されることはあると思います。地域性については、インバウンドに左右される立地もございますが、影響は限定的だと考えております。ゲリラ豪雨や台風の直撃で一時的に売上が落ち込むことは考えられますが、今のところ大きな影響はございません。

     

    取材者:では、通期の見通しについてもお聞きできますか?今期の業績予想で、売上高29億700万円(前期比13.3%増加)、営業利益2億3,600万円(同9.0%増)、経常利益2億2,900万円(同20.0%増加)、当期純利益1億600万円(同5.9%増加)と増収増益を見込んでいますが、これに対する進捗はいかがですか?

     

    回答者:ほぼ100%以上の進捗で推移していますので、楽観的に見ています。

     

    取材者:見通しとしても、順調で達成する見込みでよろしいですか?

     

    回答者:はい。

     

    取材者:今期の下期において、何か行われる施策や取り組み、トピックスはございますか?

     

    回答者:当社のビジネスモデルの強み・特徴として、既存店の売上を割り込まないことが大きな特徴です。既存店の底上げのため、得意とするキャンペーンやイベントを今後も継続していきます。現在開催中の「レッチュー甲子園」も反響が良く、こうした取り組みを通じて既存店を大切にしていきます。

    もう一点は、新規出店です。今期は13店舗を計画していますが、現時点で確定しているのは9店舗です。新規出店を確実に成功させることが重要だと考えています。数を合わせるために無理な出店をすると、成功率が落ちる可能性があるため、未達のまま決算を迎える可能性もあると考えています。下半期のテーマとしては、既存店を下回らないことと、新規出店を成功させることに注力していきます。

     

    取材者:その他、M&Aや業務提携について、実施の有無や検討状況など、お答えできる範囲でお話いただけますか?

     

    回答者:まだ開示できる情報はありませんが、様々な情報が入ってきています。物件取得のための小型M&Aの可能性はございます。

     

    取材者:株主還元について、変更はございますか?

     

    回答者:方針は前回お伝えした通りです。しっかりと出た利益を翌期の新規出店への投資に充て、余剰資金は株主に還元していきます。株主優待も検討はしていますが、公平性を考慮し、まずは公平に配当を出していきたいと考えています。ただ、店舗数も増えてまいりましたので、広島、仙台、東京、名古屋を中心に全国的に出店が加速しており、優待をそろそろ検討していきたいと思っています。

     

    取材者:最後に、足元の状況について、トピックスやニュースリリースがございましたら改めて教えていただけますか?

     

    回答者:トピックスというほどではないのですが、当社の経営ポリシーとして、大成功を狙うのではなく、地道に小さな立ち飲み屋をコツコツと積み上げていく方針に変更はございません。既存店を減らさずに、会社が年1.2倍程度成長していくような新規出店をしながら、継続的な成長を続けていくという取り組みを今後も優先していきます。それが我々にとってのトピックスです。

  • 代表取締役社長 大谷光徳様

    取締役管理部長 石田央様

取材アーカイブ

  • CP&X

     

    ビジネスモデルや事業内容

    10坪の立ち飲み屋を中心とした事業展開を行っている。立ち飲みスタイルと小箱モデルを掛け合わせることで、一坪当たりの収益を最大化している点が特徴。セントラルキッチンでの一括仕入れと製造により、店舗での仕込みをほぼなくし、厨房面積を最小限に削減することで、更なる店舗効率の向上を実現している。

     

    創業の経緯と転機となった出来事

    創業者は20歳から27歳まで焼肉屋でサラリーマンとして働き、店長を経験した。当時、修行していた焼肉屋は非常に勉強熱心で、特に肉の品質、美味しいお肉とは何か、について深く学ぶことができた。その経験から、信頼のおける生産者から大切に育てていただいたものが一番美味しいという結論に至り、そうした情報をお客様に直接伝えられるような距離感で商売をしたいという思いから、10坪の小さな立ち呑み 焼きとん「大黒」を創業した。

     

    直近の決算状況

    2024年11月期の決算は、売上高は増収、利益は減益であった。これは、新規出店が当初予定の8店舗から11店舗に増加したことで、販管費が想定以上にかかったことが要因である。また、新規出店の2店舗が想定より売り上げが下回ったことも影響している。

     

    特徴や強み

    立ち飲みスタイルと小箱モデルを組み合わせた、高収益なビジネスモデルが特徴。ドミナント出店戦略により、人員配置の柔軟性と顧客の回遊を促進している。小ポーションのメニューを多数展開することで、1人のお客様でも注文しやすいメニュー構成にしている。

     

    成長戦略

    既存店の成長と新規出店の両輪で成長を図る。店舗数は約120%成長を見込んでおり、当面は概ね12店舗から14店舗の出店を計画している。

     

    株主還元策

    株主優待については検討中であるが、まだ店舗数が少ないため、株主様にとって立地による不公平感を排除した制度設計が課題である。現時点では配当を優先し、利益の中から出店等の成長投資を行い、残った利益は株主様に還元していく方針。

     

    今期の取り組みやトピックス

    M&Aや新業態開発などは現時点では考えていない。まずは、既存店の売上成長を維持し、新規出店を継続することで持続的な成長を実現していきたいと考えている。

  • Q. 事業内容やビジネスモデル、特徴や強みなどをご説明ください。

    A. 当社は10坪の立ち飲み屋を中心とした事業展開を行っています。特徴としましては、立ち飲みスタイルと小箱モデルを掛け合わせることで、一坪当たりの収益を最大化している点が挙げられます。立ち飲みスタイルは、席効率、回転率、稼働率の最大化に繋がり、小箱モデルは初期投資、人員配置、固定費の抑制を可能にします。また、セントラルキッチンでの一括仕入れと製造することにより、店舗での仕込みがほぼなくなり厨房面積を最小限に削減することで、更なる店舗効率の向上を実現しています。

     

    Q. 普段のオペレーションはどれくらいの人数で行っているのですか?

    A. 平均的なモデルとして、月商500万円、年商6000万円の10坪店舗を5人体制で運営しています。在籍としては10名から12名で、シフト制で常時5名ほどで回しています。

     

    Q. 店舗展開の戦略についてもお聞かせいただけますか?

    A. ドミナント出店を得意としており、現在、名古屋、東京、仙台、広島で展開しています。ドミナントのメリットは、人員配置の柔軟性に加え、お客様が次々とハシゴをしてくださる戦略を仕掛けることができる点です。小型店のため、同一チェーン店同士で顧客を奪い合う共食い状態はあまり発生しません。ドミナントエリアの増店を特徴としています。

     

    Q. 繁華街が多いのですか?

    A. 乗降客数16万人以上の駅、繁華街、いくつかの路線が重なっているターミナル駅などでドミナント展開しています。

     

    Q. 貴社のお客様のターゲットとして、1人飲みの方が多いのですか?それとも、少人数のグループの方が多いのですか?

    A. 平均来客数は1.4名であるため、ほとんどが1人のお客様です。

     

    Q. 1人のお客様が多いとのことですが、入りやすい施策やメニュー展開をされているのですか?

    A. わかりやすい1階の立地、視認性の高さ、間口の広さが特徴です。また、小ポーションのメニューを多数展開することで、1人のお客様でも注文しやすいメニュー構成にしています。

     

    Q. それでは、貴社の創業の経緯について教えていただけますか?

    A. 創業の経緯は、私自身が20歳から27歳まで焼肉屋でサラリーマンとして働き、店長を経験したことに始まります。当時、修行していた焼肉屋は非常に勉強熱心で、特に肉の品質、美味しいお肉とは何か、について深く学ぶことができました。結論として、信頼のおける生産者から大切に育てていただいたものが一番美味しいということに至りました。当時、仕入れの担当をしており、屠殺場という解体をする工場へ出入りする中で、信頼のおける方から直接お話を伺ったり、買い付けを行うルートもあり、信頼のおける方から仕入れた商品は非常に品質が高く、また作り手さんの工夫や思いが大きな付加価値になると感じ、そうした情報をお客様に直接伝えられるような距離感、私共は「接近戦」と呼んでおりますが、「接近戦」が効く商売をしたいという思いから、10坪の小さな立ち呑み 焼きとん「大黒」を創業しました。

     

    Q. 仕入れの段階から得た情報を、今でもお客様に伝えているのですか?

    A. 教育プログラムに組み込まれています。

     

    Q. 仕入れの経験は、現在の素材の仕入れに活かされているのですか?

    A. 取引規模は拡大しておりますが、セントラルキッチンでの一括仕入れにより、スケールメリットを活かした仕入れ、バイングパワー、ロットが大きくなるにつれ効率も上がっています。個人店では投資ができない最新の冷凍設備など、高額な投資を行うことができているので、高品質な商品をより高いレベルでお客様に提供できています。

     

    Q. 投資家の皆様は、SDGs、特に環境問題に関心が高いと思いますが、セントラルキッチンを使うことによる廃棄率の削減など、何か取り組まれていることはありますか?

    A. 一括で仕入れて一括で製造していることで肉の端材は、もつ煮にしたり、ミンチにしてつくねに加工するなど、工夫して取り組んでいます。

     

    Q. 2008年に創業、2009年に会社設立、そして2024年2月に上場されましたが、上場の目的について教えていただけますか?

    A. 上場の目的は、創業当時から「外食企業トップ10」を目指しており、組織を拡大していく上で、内部管理体制、コンプライアンス、ガバナンスを効かせた経営、パブリックカンパニーとして、より強固な企業基盤を構築したいと考え上場を目指しました。

     

    Q. 上場してから、採用やマーケティング効果に影響はありましたか?

    A. 採用に関しては、実感するほど大きな変化はまだありませんが、物件取得においては、競合他社と競り合ったときに取得しやすくなった、有利になったと感じています。

     

    Q. 貴社の競合としては、どういったところが挙げられるのですか?

    A. 個人店が多いです。マクドナルドやスターバックスのような大規模チェーン店と物件を競り合うことはありません。

     

    Q. 人材の話に戻しますが、貴社の採用戦略について教えていただけますか?

    A. 採用戦略は、「入口を大きく、出口を小さく」することです。入口を大きくするとは、採用ミスマッチを極力排除するために、入社前に価値観や理念のすり合わせや共感しているかなどコミュニケーションを徹底しています。また、力を入れていることは離職率の低減に力を入れており、業界平均は26%と言われており、当社は15%なので、かなり良い水準かと思っています。特に働きやすさの向上、労務環境を整えることは当然ですがその上に、不公平感のない人事考課制度に教育プログラムを連動させ、社内SNS等を運用し、評価を行っています。

     

    Q. 離職率は年々改善されていますか?

    A. 年々改善されています。当初、当社も離職率は20%台から始まったのですが、年々改善され昨年は15%まで低下しました。今後も低下していくと考えています。

    Q. 2024年11月期の決算についてですが、売上高は増収、利益は減益でしたが、これは新規出店による影響が大きいのですか?

    A. 8店舗を予定していた新規出店が、実際には11店舗になったことで、3店舗分の販管費が想定以上にかかったことが減益の要因です。新規出店の2店舗が想定より売り上げが下回ったことも影響しています。広島と東京・中野の2店舗ですが、出店エリアの選定は適切でしたが、地場の競合の強さを把握しきれていなかったことが原因です。また、視認性の高さや間口の広さなどが重要であると考えていますが、路面店とはいえ2メートルほどセットバックしており、過去の経験から、セットバックしている店舗もうまくいくと想定しておりましたが、今回に関しては売上に影響したと考えています。

     

    Q. 今後、そのようなエリアへの出店はどうされるのですか?

    A. 中野の一駅先の高円寺ではうまくいっているのでエリア選定は間違っていないと考えています。物件の精査をより徹底することで、再度チャレンジしていきたいと思っています。

     

    Q. 2025年の今期の出店数の目標はありますか?

    A. 純増で11店舗を計画しています。

     

    Q. 2024年度と同等の出店数ですが、2023年度の出店数が少なかったのはなぜですか?

    A. 上場直前で、2023年5月に新型コロナウイルス感染症は、5類感染症に位置づけられ、新規出店よりも既存店売上の成長に力を注いだことが理由です。

     

    Q. 今後の成長戦略は、既存店の成長と新規出店を両輪で進めていくという認識でよろしいですか?

    A. 店舗数は約120%成長を見込んでおり、当面は概ね12店舗から14店舗の出店を計画しています。

     

    Q. 株主還元についての政策をお考えですか?

    A. 株主優待については検討していますが、まだ店舗数が少ないため、株主様にとって立地による不公平感を排除した制度設計が課題です。したがって、現時点では配当を先に出させていただきました。利益の中から出店等の成長投資を行い、残った利益は株主様に還元していく方針です。今後さらに利益が拡大した場合は、配当に加え不平等感のない優待制度の設計を整え実行に移したいと考えています。

     

    Q. 最後に、来月に迫った第1四半期の決算発表に向けて、何か新しい取り組みはありますか?

    A. 特に目新しいものはありません。M&Aや新業態開発なども現時点では考えていません。まずは、既存店の売上成長を維持し、毎年新規出店120%ぐらいを継続することで持続的な成長を実現していきたいと考えています。

  • 取材者: それでは早速取材の内容に入らせていただきたいと思います。まず初めに、貴社のビジネスモデルや事業内容について改めてご説明をお願いできますか。

    回答者: 当社は10坪の立ち飲み屋を中心とした事業展開を行っています。特徴としましては、立ち飲みスタイルと小箱モデルを掛け合わせることで、一坪たりの収益を最大化している点が挙げられます。 立ち飲みスタイルは、席効率、回転率、稼働率の最大化に繋がり、 小箱モデルは初期投資、人員配置、固定費の抑制を可能にします。 また、セントラルキッチンでの一括仕入れと製造することにより、店舗での仕込みがほぼなくなり厨房面積を最小限に削減することで、更なる店舗効率の向上を実現しています。

    取材者:普段のオペレーションはどれくらいの人数で行っているのですか?

    回答者: 平均的なモデルで言うと、月商500万円、年商6000万円の10坪店舗で、5人体制で運営しています。 在籍としては10名から12名で、シフト制で常時5人ほどで回しています。

    取材者: 店舗展開の戦略についてもお聞かせいただけますか?

    回答者:  ドミナント出店を得意としておりまして、現在、名古屋、東京、仙台、広島で展開しています。 ドミナントのメリットは、人員配置の柔軟性に加え、お客様がどんどんハシゴをしてくださる戦略を仕掛けることができる点です。小型店なのであまりカニバらない。ドミナントエリアの増店が特徴的です。

    取材者: 繁華街が多いのですか?

    回答者: そうですね。乗降客数16万人以上の駅、繁華街、いくつかの路線が重なっているターミナル駅などでドミナント展開しています。

    取材者: 貴社のお客様のターゲットとして、1人飲みの方が多いのですか?それとも、少人数のグループの方が多いのですか?

    回答者: 平均来客数は1.4名ですので、ほとんどが1人のお客様です。

    取材者:1人のお客様が多いとのことですが、入りやすい施策やメニュー展開をされているのですか?

    回答者: わかりやすい1階の立地、視認性の高さ、間口の広さが特徴です。 また、小ポーションのメニューを多数展開することで、1人が一品でも注文しやすいメニュー構成にしています。

    取材者: それでは、貴社の創業の経緯について教えていただけますか?

    回答者: 創業の経緯は、私自身が20歳から27歳まで焼肉屋でサラリーマンとして働き、店長を経験したことに始まります。 当時、修行していた焼肉屋は非常に勉強熱心で、特に肉の品質、美味しいお肉とは何か、について深く学ぶことができました。 結論から申しますと、信頼のおける生産者から大切に育てていただいたものが一番美味しいということに至りました。

    当時私は、仕入れの担当をしており、屠殺場という解体をする工場へ出入りする中で、信頼のおける方から直接お話を聞いたり、買い付けを行うルートもあり、信頼のおける方から仕入れた商品は非常に品質が高く、また作り手さんの工夫や思いとか、そういった情報が大きな付加価値になると感じ、そうした情報をお客様に直接伝えられるような距離感、私共は「接近戦」と呼んでおりますが、「接近戦」が効く商売をしたいという思いから、10坪の小さな立ち呑み 焼きとん「大黒」を創業しました。

    取材者: 仕入れの段階から得た情報を、今でもお客様に伝えているのですか?

    回答者: はい、そっくりそのまま教育プログラムに組み込まれています。

    取材者: 仕入れの経験は、現在の素材の仕入れに活かされているのですか?

    回答者: はい、もちろん。取引規模は拡大しておりますが、かつセントラルキッチンでの一括仕入れにより、スケールメリットを活かした仕入れ、バイングパワーと申しますか、ロットが大きくなるにつれ効率も上がっています。 個人店では投資ができない最新の冷凍設備など、高額な投資を行うことができているので、高品質な商品をより高いレベルでお客様に提供できています。

    取材者: 投資家の皆様は、SDGs、特に環境問題に関心が高いと思いますが、セントラルキッチンを使うことによる廃棄率の削減など、何か取り組まれていることはありますか?

    回答者: 一括で仕入れて一括で製造していることで肉の端材は、もつ煮にしたり、ミンチにしてつくねに加工するなど、工夫して取り組んでいます。

    取材者:2008年に創業、2009年に会社設立、そして2024年2月に上場されましたが、上場の目的について教えていただけますか?

    回答者: 上場の目的は、創業当時から「外食企業トップ10」を目指すといって、当時は売上高1000億円、外食企業でトップ10を目指すということで取り組んでおりましたので、 組織を拡大していく上で、内部管理体制、コンプライアンス、ガバナンスを効かせた経営、パブリックカンパニーとして、より強固な企業基盤を構築したいと考え上場を目指しました。

    取材者: 上場してから、採用やマーケティング効果に影響はありましたか?

    回答者: 採用に関しては、実感するほど大きな変化はまだありませんが、物件取得においては、競合他社と競り合ったときに取得しやすくなった、有利になったと感じています。

    取材者: 貴社の競合としては、どういったところですか?

    回答者: 個人店が多いです。マクドナルドやスターバックスのような大規模チェーン店と物件を競り合うことはありません。

    取材者: 人材の話に戻しますが、貴社の採用戦略について教えていただけますか?

    回答者: 採用戦略は、「入口を大きく、出口を小さく」することです。 入り口を大きくするとは、採用ミスマッチを極力排除するために、入社前に価値観や理念のすり合わせや共感しているかなどコミュニケーションを徹底しています。 また、力を入れていることは離職率の低減に力を入れており、業界平均は26%と言われており、私共は15%なので、かなりいい水準かと思っています。特に働きやすさの向上、労務環境を整えることは当然ですがその上に、不公平感のない人事考課制度に教育プログラムを連動させ、社内SNS等を運用し、評価など行っています。

    取材者: 離職率は年々改善されていますか?

    回答者: はい。年々改善されています。当初、我々も離職率は20%台から始まったのですが、年々改善され昨年は15%まで低下しました。今後も低下していくのだと考えています。

    取材者:2024年11月期の決算についてですが、売上高は増収、利益は減益でしたが、これは新規出店による影響が大きいのですか?

    回答者: はい。8店舗を予定していた新規出店が、実際には11店舗になったことで、3店舗分販管費が想定以上にかかったことが減益の要因です。新規出店の2店舗が想定より売り上げが下回ったことも影響しています。広島と東京・中野の2店舗ですが、出店エリアの選定は適切でしたが、地場の競合の強さを把握しきれていなかったことが原因です。また、視認性の高さや間口の広さなどが重要であると考えていますが、路面店とはいえ2メートルほどセットバックしており、過去の経験から、セットバックしている店舗もうまくいくと想定しておりましたが、今回に関しては売上に影響したと考えています。

    取材者: 今後、そのようなエリアへの出店はどうされるのですか?

    回答者: 中野の一駅先の高円寺ではうまくいっているのでエリア選定は間違っていないと考えています。物件の精査をより徹底することで、再度チャレンジしていきたいと思っています。

    取材者: 今期の出店数の目標はありますか?

    回答者: 純増で11店舗を計画しています。

    取材者:2024年度と同等の出店数ですが、2023年度の出店数が少なかったのはなぜですか?

    回答者: 上場直前で、2023年5月に新型コロナウイルス感染症は、5類感染症に位置づけられ、新規出店よりも既存店売上の成長に力を注いだことが理由です。

    取材者: 今後の成長戦略は、既存店の成長と新規出店を両輪で進めていくという認識でよろしいですか?

    回答者: はい。店舗数は約120%成長を見込んでおり、概ね毎年12店舗から14店舗の出店を計画しています。

    取材者: 株主還元についてどのような政策をお考えですか?

    回答者: 株主優待については検討していますが、まだ店舗数が少ないため、株主様にとって立地による不公平感を排除した制度設計が課題です。 したがって、現時点では配当を先に出させていいただきました。 利益の中から出店等の成長投資を行い、残った利益は株主様に還元していく方針です。今後さらに利益が拡大した場合は、配当に加え不平等感のない優待制度の設計を整え実行に移したいと考えています。

    取材者: 最後に、来月に迫った第1四半期の決算発表に向けて、何か新しい取り組みはありますか?

    回答者: 特に目新しいものはありません。M&Aや新業態開発なども現時点では考えていません。 まずは、既存店の売上成長を維持し、毎年新規出店120%ぐらいを継続することで持続的な成長を実現していきたいと考えています。

  • 代表取締役社長 大谷光徳様

    取締役管理部長 石田央様

  • ​―

bottom of page